特許第6016627号(P6016627)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016627
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】排気浄化装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/94 20060101AFI20161013BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   B01D53/94 222
   F01N3/24 F
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-287830(P2012-287830)
(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公開番号】特開2014-128762(P2014-128762A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2015年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】595055162
【氏名又は名称】一般社団法人日本舶用工業会
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 剛
【審査官】 松本 瞳
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−232088(JP,A)
【文献】 特開平03−249922(JP,A)
【文献】 特開昭52−060273(JP,A)
【文献】 特開昭53−113759(JP,A)
【文献】 特開2010−071149(JP,A)
【文献】 特開平07−016429(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0157007(US,A1)
【文献】 特開2014−077370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/73
53/86−53/90
53/94,53/96
F01N 3/00,3/02
3/04− 3/38
9/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の触媒が排気の流れ方向に並んで配置される触媒反応器に、加圧空気を噴出して触媒に付着した煤塵を除去するスートブロアが備えられる排気浄化装置において、
触媒毎にスートブロアが配置され、一定期間内に各スートブロアから噴射されるスートブロア毎の噴射空気量のうち、最も上流側に配置される触媒のスートブロアから噴射される噴射空気量が最大になるように構成される排気浄化装置。
【請求項2】
前記触媒反応器の上流側排気圧と下流側排気圧との差圧を検出する差圧検出センサを備え、差圧が所定値以上の場合、前記スートブロアから噴射される前記噴射空気量を増加させる請求項1に記載の排気浄化装置。
【請求項3】
前記スートブロアは、開閉弁を備え、前記各スートブロアから噴射される加圧空気の噴射回数によって前記噴射空気量を変更する請求項1又は請求項2に記載の排気浄化装置。
【請求項4】
前記スートブロアは、開閉弁を備え、前記各スートブロアから噴射される加圧空気の噴射時間によって前記噴射空気量を変更する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の排気浄化装置。
【請求項5】
前記スートブロアは、圧力制御弁を備え、前記各スートブロアから噴射される加圧空気の圧力によって前記噴射空気量を変更する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の排気浄化装置。
【請求項6】
前記スートブロアは、加圧空気を噴射する複数の噴射ノズルを備え、加圧空気を噴射する噴射ノズルの数によって、前記噴射空気量を変更する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の排気浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関からの排気に含まれるNOx(窒素酸化物)を低減させるために、選択還元型のNOx触媒(SCR触媒)を配置した触媒反応器と還元剤であるアンモニアとを用いて、NOxを窒素と水とに還元する排気浄化装置が知られている。高温の排気中に噴射した尿素水からアンモニアを生成し、NOx触媒と接触させることでNOxを窒素と水に還元するものである。
【0003】
このような排気浄化装置において、触媒反応器のNOx触媒にはTi等の酸化物の担体にVやCr等の活性成分を含んだ材料を多数の貫通孔を有するハニカム構造に形成したものが用いられる。このように構成することで接触面積を増大し還元反応が促進する。その一方で、排気がこの貫通孔を通過する際に排気に含まれる煤塵がNOx触媒に付着して孔を閉塞し還元反応が低下する場合がある。このため、NOx触媒に加圧空気を噴射することでNOx触媒に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着を抑制するものがある。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0004】
しかし、特許文献1に記載のような排気浄化装置(排煙脱硝装置)の触媒反応器(反応器)は、一般的に全てのNOx触媒に均等に加圧空気を噴射する。従って、煤塵がほとんど付着していないNOx触媒に対しても加圧空気を噴射するため、空気の消費量に対する煤塵の除去量が低くなり効率的な煤塵の除去が行えない点で問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−126817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであり、NOx触媒に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる排気浄化装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、複数の触媒が排気の流れ方向に並んで配置される触媒反応器に、加圧空気を噴出して触媒に付着した煤塵を除去するスートブロアが備えられる排気浄化装置において、触媒毎にスートブロアが配置され、一定期間内に各スートブロアから噴射されるスートブロア毎の噴射空気量のうち、最も上流側に配置される触媒のスートブロアから噴射される噴射空気量が最大になるように構成されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記触媒反応器の上流側排気圧と下流側排気圧との差圧を検出する差圧検出センサを備え、差圧が所定値以上の場合、前記スートブロアから噴射されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記スートブロアは、開閉弁を備え、前記各スートブロアから噴射される加圧空気の噴射回数によって前記噴射空気量を変更するものである。
【0011】
請求項4においては、前記スートブロアは、開閉弁を備え、前記各スートブロアから噴射される加圧空気の噴射時間によって前記噴射空気量を変更するものである。
【0012】
請求項5においては、前記スートブロアは、圧力制御弁を備え、前記各スートブロアから噴射される加圧空気の圧力によって前記噴射空気量を変更するものである。
【0013】
請求項6においては、前記スートブロアは、加圧空気を噴射する複数の噴射ノズルを備え、加圧空気を噴射する噴射ノズルの数によって前記噴射空気量を変更するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、煤塵が付着しやすい位置のNOx触媒に加圧空気が重点的に噴射される。これにより、NOx触媒に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、NOx触媒に付着した煤塵の量に基づいて加圧空気の噴射量が変更される。これにより、NOx触媒に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、噴射回数を制御することで煤塵が付着しやすい位置のNOx触媒に加圧空気が重点的に噴射される。これにより、NOx触媒に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、噴射時間を制御することで煤塵が付着しやすい位置のNOx触媒に加圧空気が重点的に噴射される。これにより、NOx触媒に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、噴射圧力を制御することで煤塵が付着しやすい位置のNOx触媒に加圧空気が重点的に噴射される。これにより、NOx触媒に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、噴射が行われる加圧空気を噴射する噴射ノズルの数を変更することで煤塵が付着しやすい位置のNOx触媒に加圧空気が重点的に噴射される。
これにより、NOx触媒に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る排気浄化装置の第一実施形態及び第二実施形態における全体概要を示す図。
図2】本発明に係る排気浄化装置の第一実施形態及び第二実施形態における触媒反応器のNOx触媒とスートブロアとの構成を示す概略図。
図3】(a)本発明に係る排気浄化装置の第一実施形態におけるスートブロア用空気弁の開閉タイミング及び開時間を表すタイミングチャートを示す図(b)本発明に係る排気浄化装置の第一実施形態において触媒反応器の差圧が所定値以上の場合におけるスートブロア用空気弁の開閉タイミング及び開時間を表すタイミングチャートを示す図。
図4】(a)本発明に係る排気浄化装置の第二実施形態におけるスートブロア用空気弁の開閉タイミング及び開時間を表すタイミングチャートを示す図(b)本発明に係る排気浄化装置の第二実施形態において触媒反応器の差圧が所定値以上の場合におけるスートブロア用空気弁の開閉タイミング及び開時間を表すタイミングチャートを示す図。
図5】本発明に係る排気浄化装置の第三実施形態における全体概要を示す図。
図6】本発明に係る排気浄化装置の第三実施形態における加圧空気と噴射空気量の関係を表すグラフを示す図。
図7】本発明に係る排気浄化装置の第四実施形態における触媒反応器のNOx触媒とスートブロアとの構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図1および図2を用いて本発明に係る排気浄化装置の第一実施形態である排気浄化装置1ついて説明する。なお、本実施形態における「上流側」とは流体の流れ方向における上流側を示し、「下流側」とは流体の流れ方向における下流側を示す。なお、排気装置は、本実施形態に限定されるものではなく、加圧エアを用いないエアレス方式でもよい。
【0023】
図1に示すように、排気浄化装置1は、発電機24を駆動する内燃機関であるエンジン22から排出される排気を浄化するものである。排気浄化装置1は、エンジン22の排気管23に設けられる。排気浄化装置1は、尿素水噴射ノズル2、尿素供給流路3、第1空気供給流路4、加圧空気供給ポンプ(コンプレッサ)5、エアタンク6、尿素用空気弁8、尿素水供給ポンプ9、切替弁11、触媒反応器12、スートブロア群17、スートブロア用空気弁群18、第2空気供給流路19、差圧センサ20及び制御装置21等を具備する。なお、排気浄化装置1は、プロペラ等を駆動するいわゆる主機から排出される排気を浄化するものでもよい。
【0024】
尿素水噴射ノズル2は、尿素水を排気管23の内部に供給するものである。尿素水噴射ノズル2は、管状部材から構成され、その一側(下流側)を触媒反応器12又は排気管23の外部から内部へ挿通するようにして設けられる。尿素水噴射ノズル2は、後述の触媒反応器12の第1NOx触媒14よりも上流側に配置される。尿素水噴射ノズル2には、尿素水の流路である尿素供給流路3が接続される。また、尿素水噴射ノズル2には、加圧空気の流路である第1空気供給流路4が接続される。
【0025】
加圧空気供給ポンプ(コンプレッサ)5は、加圧空気を供給するものである。加圧空気供給ポンプ5は、空気を加圧(圧縮)して供給する。加圧空気供給ポンプ5は、エアタンク6(リザーバタンク7)の圧力が所定の圧力を下回った場合、空気をエアタンク6(リザーバタンク7)に供給し、エアタンク6(リザーバタンク7)の圧力が所定の圧力に達すると停止する。なお、加圧空気供給ポンプ5は、本実施形態において、特に限定するものではなく、エアタンク6(リザーバタンク7)の圧力を維持できるものであればよい。
【0026】
尿素用空気弁8は、加圧空気の流路を連通又は遮断するものである。尿素用空気弁8は、第1空気供給流路4に設けられる。尿素用空気弁8は、電磁弁で構成され、図示しないスプールを摺動させることにより第1空気供給流路4を遮断又は連通可能に構成される。つまり、尿素用空気弁8が第1空気供給流路4を連通状態にすることで尿素水噴射ノズル2に加圧空気が供給される。なお、尿素用空気弁8は、本実施形態に限定されるものではない。
【0027】
尿素水供給ポンプ9は、尿素水を供給するものである。尿素水供給ポンプ9は、尿素供給流路3に設けられる。尿素水供給ポンプ9は、尿素水タンク10内の尿素水を所定の流量で尿素供給流路3を介して尿素水噴射ノズル2に供給する。なお、尿素水供給ポンプ9は、本実施形態に限定するものでない。
【0028】
切替弁11は、尿素水の流路を切り替えるものである。切替弁11は、尿素供給流路3の尿素水供給ポンプ9の下流側に設けられる。切替弁11は、電磁弁から構成され、図示しないスプールを摺動させることにより尿素供給流路3を遮断又は連通可能に構成される。つまり、切替弁11が尿素供給流路3を連通状態にすることで尿素水噴射ノズル2に尿素水が供給される。なお、切替弁11は、本実施形態に限定されるものではない。
【0029】
触媒反応器12は、内部に配置されたNOx触媒によって排気中のNOxを選択還元するものである。触媒反応器12は、筐体13、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16を具備する。
【0030】
筐体13の一側端部には、エンジン22と接続されている排気管23が接続される。筐体13の他側端部には、外部に開放されている排気管23が接続される。つまり、筐体13は、一側から他側に向かってエンジン22からの排気が流れる排気流路として構成される。筐体13の内部には、一側(排気の上流側)から順に第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16が所定の間隔で配置される。筐体13は、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16をその内部に密閉可能かつ着脱可能に構成される。なお、筐体13の内部に配置されるNOx触媒の数は、本実施形態に限定するものではない。
【0031】
第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16は、例えばアルミナ、ジルコニア、バナジア/チタニア又はゼオライト等の金属を含有する材料から形成される。第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16は、多数の貫通孔が形成されたハニカム構造を有する略直方体から構成される(図2参照)。第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16は、貫通孔の軸方向が排気の流れ方向と一致するように触媒反応器12の筐体13の内部に配置される。従って、触媒反応器12は、筐体13の一側から供給される排気が第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16の順に各NOx触媒の貫通孔を通過して筐体13の他側から排出されるように構成される。
【0032】
スートブロア群17は、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16に加圧空気を噴射するものである。スートブロア群17は、第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cから構成される。第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cは、管状部材の途中部に複数の噴射ノズル17dが配置され管状部材の内部と連通するように構成される。
各スートブロアは、その一側(下流側)を触媒反応器12の外部から筐体13の内部へ挿通するようにして触媒反応器12に設けられる。各スートブロアは、その他側(上流側)が加圧空気の流路である第2空気供給流路19を介してリザーバタンク7に接続される。リザーバタンク7は、離間した位置に配置されるエアタンク6に接続される。
【0033】
図1及び図2に示すように、第1スートブロア17aは、噴射ノズル17dの噴射口が第1NOx触媒14と対向するように第1NOx触媒14の上流側に配置される。同様にして、第2スートブロア17bは、第1NOx触媒14の下流側で第2NOx触媒15の上流側に配置される。第3スートブロア17cは、第2NOx触媒15の下流側で第3NOx触媒16の上流側に配置される。各スートブロアの噴射ノズル17dは、対向するNOx触媒の排気通過面全体に加圧空気が噴射されるように配置される。第1スートブロア17aは、第1NOx触媒14の排気通過面全体に加圧空気を噴射可能に構成される。第2スートブロア17bは、第2NOx触媒15の排気通過面全体に加圧空気を噴射可能に構成される。第3スートブロア17cは、第3NOx触媒16の排気通過面全体に加圧空気を噴射可能に構成される。
【0034】
スートブロア用空気弁群18は、加圧空気の流路を連通又は遮断するものである。スートブロア用空気弁群18は、第1スートブロア用空気弁18a、第2スートブロア用空気弁18b及び第3スートブロア用空気弁18cから構成される。第1スートブロア用空気弁18aは、第1スートブロア17aに接続されている第2空気供給流路19に設けられる。第2スートブロア用空気弁18bは、第2スートブロア17bに接続されている第2空気供給流路19に設けられる。第3スートブロア用空気弁18cは、第3スートブロア17cに接続されている第2空気供給流路19に設けられる。
【0035】
第1スートブロア用空気弁18a、第2スートブロア用空気弁18b及び第3スートブロア用空気弁18cは、電磁弁で構成され、図示しないスプールを摺動させることにより第2空気供給流路19を遮断又は連通可能に構成される。つまり、第1スートブロア用空気弁18aが第2空気供給流路19を連通状態にすることで第1スートブロア17aに加圧空気が供給される。第2スートブロア用空気弁18bが第2空気供給流路19を連通状態にすることで第2スートブロア17bに加圧空気が供給される。第3スートブロア用空気弁18cが第2空気供給流路19を連通状態にすることで第3スートブロア17cに加圧空気が供給される。なお、各スートブロア用空気弁は、本実施形態に限定されるものではない。
【0036】
差圧センサ20は、触媒反応器12の上流側排気圧と下流側排気圧との差圧ΔPを検出するものである。差圧センサ20は、上流側圧力センサ20aと下流側圧力センサ20bとから構成される。上流側圧力センサ20aは、触媒反応器12の第1NOx触媒14の上流側に配置され、下流側圧力センサ20bは、触媒反応器12の第3NOx触媒16の下流側に配置される。このように構成することにより、差圧ΔPの値から各NOx触媒の貫通孔の閉塞の有無やその度合いを検出することができる。
【0037】
制御装置21は、尿素水供給ポンプ9、切替弁11、尿素用空気弁8、スートブロア用空気弁群18等を制御する。制御装置21には、尿素水供給ポンプ9、切替弁11、尿素用空気弁8、スートブロア用空気弁群18等を制御するための種々のプログラムやデータが格納される。制御装置21は、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。また、制御装置21は、エンジン22を制御するECU25と一体的に構成することも可能である。
【0038】
制御装置21は、尿素用空気弁8のソレノイドに接続され、尿素用空気弁8の開閉を制御することが可能である。
【0039】
制御装置21は、尿素水供給ポンプ9の駆動モータに接続され、尿素水供給ポンプ9の運転状態を制御することが可能である。すなわち、制御装置21は、尿素水供給ポンプ9の運転状態を制御することで排気に添加する尿素水の添加量を任意に変更することができる。
【0040】
制御装置21は、切替弁11のソレノイドに接続され、切替弁11の開閉を制御することが可能である。
【0041】
制御装置21は、尿素用空気弁8のソレノイドに接続され、尿素用空気弁8の開閉を制御することが可能である。
【0042】
制御装置21は、第1スートブロア用空気弁18a、第2スートブロア用空気弁18b及び第3スートブロア用空気弁18cの各ソレノイドに接続され、第1スートブロア用空気弁18a、第2スートブロア用空気弁18b及び第3スートブロア用空気弁18cの開閉を制御することが可能である。
【0043】
制御装置21は、差圧センサ20に接続され、差圧センサ20が検出する触媒反応器12の上流側排気圧と下流側排気圧との差圧ΔPについての信号を取得することが可能である。
【0044】
制御装置21は、ECU25に接続され、ECU25が取得するエンジン22に関する各種情報をそれぞれ取得することが可能である。また、制御装置21は、エンジン22に関する各情報をECU25を介さずに直接取得する場合もある。
【0045】
制御装置21は、図示しない入力装置に接続され、入力装置から入力される目標浄化率および尿素水の濃度についての信号を取得することが可能である。もしくは、目標浄化率および尿素水の濃度の上方をあらかじめインプットして定義しておくことが可能である。
【0046】
以下では、図3を用いて本発明に係る排気浄化装置の第一実施形態である排気浄化装置1におけるスートブロア群17(スートブロア用空気弁群18)の制御態様について説明する。なお、図3図4中における第1、第2、第3の記載は、それぞれ第1スートブロア用空気弁18a、第2スートブロア用空気弁18b及び第3スートブロア用空気弁18cを表す。
【0047】
図3に示すように、制御装置21は、第1スートブロア用空気弁18a、第2スートブロア用空気弁18b及び第3スートブロア用空気弁18c(図2参照)を所定の噴射時間T1(例えば0.3秒)だけ開弁状態にする。これにより、第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cは、それぞれの噴射ノズル17dから加圧空気が対向する第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16に噴射される(以下、単に「スートブロー」と記す)。制御装置21は、所定時間T2(例えば15分)経過後に、各スートブロアによって再び各NOx触媒にスートブローを行う。
【0048】
具体的には、図3(a)に示すように、制御装置21は、第1スートブロア17aによって第1NOx触媒14にスートブローを行う。次に制御装置21は、所定時間T2経過後に、第2スートブロア17bによって第2NOx触媒15にスートブローを行う。次に制御装置21は、所定時間T2経過後に、第1スートブロア17aによって第1NOx触媒14にスートブローを行う。次に制御装置21は、所定時間T2経過後に、第3スートブロア17cによって第3NOx触媒16にスートブローを行う。そして、制御装置21は、再び第1スートブロア17aによって第1NOx触媒14にスートブローを行う。
【0049】
つまり、制御装置21は、第1スートブロア17a、第2スートブロア17b、第1スートブロア17a、第3スートブロア17c、第1スートブロア17a、・・の順にスートブローを行う。これにより、一定期間T3内において第1スートブロア17aによるスートブローの回数(第1スートブロア用空気弁18aの開時間)が最も多くなる。すなわち、制御装置21は、触媒反応器12の最も上流側に配置される第1NOx触媒14の第1スートブロア17aから噴射される加圧空気の噴射空気量が最大になるようにスートブロア用空気弁群18を制御する。
【0050】
図3(b)に示すように、制御装置21は、差圧センサ20(図1参照)が検出する差圧ΔPが所定値Pt以上の場合、所定時間T2を短縮して所定時間T2s(例えば10分)にする。つまり、制御装置21は、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16の貫通孔の一部が閉塞している可能性があるとしてスートブローを行う間隔を短くする。これにより、一定期間T3内においてスートブロア群17によるスートブローの回数が増える。すなわち、制御装置21は、スートブロア群17から噴射される加圧空気の噴射空気量が増加するようにスートブロア用空気弁群18を制御する。なお、加圧空気の噴射空気量を増加させる制御態様は、本実施形態に限定されるものではなく、第1NOx触媒14に対して行うスートブローの間隔のみを短くしてもよい。
【0051】
制御装置21は、差圧センサ20が検出する差圧ΔPが所定値Pt以下になった場合、図3(a)に示すように、所定時間T2sを延長して所定時間T2にする。つまり、制御装置21は、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16の貫通孔の閉塞が解消されたとしてスートブローを行う間隔を通常の状態に戻して加圧空気の噴射空気量を抑制する。
【0052】
以上の如く、本発明に係る排気浄化装置1は、複数の触媒である第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16が排気の流れ方向に並んで配置される触媒反応器12に、加圧空気を噴出して第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16に付着した煤塵を除去する第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cが備えられる排気浄化装置1において、触媒毎にスートブロアが配置され、一定期間内に第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cから噴射されるスートブロア毎の噴射空気量のうち、最も上流側に配置される第1NOx触媒14の第1スートブロア17aから噴射される噴射空気量が最大になるように構成されるものである。このように構成することで、煤塵が付着しやすい位置の第1NOx触媒14に加圧空気が重点的に噴射される。これにより、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる。
【0053】
また、触媒反応器12の上流側排気圧と下流側排気圧との差圧ΔPを検出する差圧センサ20を備え、差圧ΔPが所定値Pt以上の場合、第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cから噴射される前記噴射空気量を増加させるものである。このように構成することで、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16に付着した煤塵の量に基づいて加圧空気の噴射量が変更される。これにより、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる。
【0054】
また、第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cは、開閉弁である第1スートブロア用空気弁18a、第2スートブロア用空気弁18b及び第3スートブロア用空気弁18cを備え、第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cから噴射される加圧空気の噴射回数によって前記噴射空気量を変更するものである。このように構成することで、噴射回数を制御することで煤塵が付着しやすい位置の第1NOx触媒14に加圧空気が重点的に噴射される。これにより、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる。
【0055】
次に、図1図2及び図4を用いて、本発明に係る排気浄化装置の第二実施形態である排気浄化装置1について説明する。なお、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
【0056】
図1図2及び図4(b)に示すように、排気浄化装置1におけるスートブロア群17(スートブロア用空気弁群18)の制御において、制御装置21は、差圧センサ20が検出する差圧ΔPが所定値Pt以上の場合、噴射時間T1を延長して噴射時間T1e(例えば0.7秒)にする(図4(b)参照)。つまり、制御装置21は、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16の貫通孔の一部が閉塞している可能性があるとしてスートブローを行う時間を長くする。これにより、一定期間T3内においてスートブロア群17によるスートブローの時間が増える。すなわち、制御装置21は、スートブロア群17から噴射される加圧空気の噴射空気量が増加するようにスートブロア用空気弁群18を制御する。なお、加圧空気の噴射空気量を増加させる制御態様は、本実施形態に限定されるものではなく、第1NOx触媒14に対して行うスートブローの時間のみを長くしてもよい。
【0057】
図4(a)に示すように、制御装置21は、差圧センサ20が検出する差圧ΔPが所定値Pt以下になった場合、噴射時間T1eを短縮して噴射時間T1にする。つまり、制御装置21は、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16の貫通孔の閉塞が解消されたとしてスートブローを行う時間を通常の状態に戻して加圧空気の噴射空気量を抑制する。
【0058】
以上の如く、本発明に係る排気浄化装置1において、第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cは、開閉弁である第1スートブロア用空気弁18a、第2スートブロア用空気弁18b及び第3スートブロア用空気弁18cを備え、前記各スートブロアから噴射される加圧空気の噴射時間によって前記噴射空気量を変更するものである。このように構成することで、噴射時間を制御することで煤塵が付着しやすい位置の第1NOx触媒14に加圧空気が重点的に噴射される。これにより、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる。
【0059】
次に、図3(a)、図5及び図6を用いて、本発明に係る排気浄化装置の第三実施形態である排気浄化装置1について説明する。
【0060】
図5に示すように、排気浄化装置1は、尿素水噴射ノズル2、尿素供給流路3、第1空気供給流路4、加圧空気供給ポンプ(コンプレッサ)5、尿素用空気弁8、尿素水供給ポンプ9、切替弁11、触媒反応器12、スートブロア群17、第2空気供給流路19、スートブロア用空気弁群18、差圧センサ20及び制御装置21、圧力制御弁群26、等を具備する。
【0061】
圧力制御弁群26は、加圧空気の圧力を変更するものである。圧力制御弁群26は、第1圧力制御弁26a、第2圧力制御弁26b及び第3圧力制御弁26cから構成される。第1圧力制御弁26aは、第1スートブロア用空気弁18aよりも上流側の第2空気供給流路19に設けられる。第2圧力制御弁26bは、第2スートブロア用空気弁18bよりも上流側の第2空気供給流路19に設けられる。第3圧力制御弁26cは、第3スートブロア用空気弁18cよりも上流側の第2空気供給流路19に設けられる。
【0062】
第1圧力制御弁26a、第2圧力制御弁26b及び第3圧力制御弁26cは、電磁比例弁で構成され、当該圧力制御弁から排出される加圧空気の圧力を変更可能に構成される。つまり、第1圧力制御弁26aによって第1スートブロア17aに供給される加圧空気の圧力が変更される。第2圧力制御弁26bによって第2スートブロア17bに供給される加圧空気の圧力が変更される。第3圧力制御弁26cによって第3スートブロア17cに供給される加圧空気の圧力が変更される。なお、各圧力制御弁は、本実施形態に限定されるものではない。
【0063】
制御装置21は、第1圧力制御弁26a、第2圧力制御弁26b及び第3圧力制御弁26cのソレノイドに接続され、第1圧力制御弁26a、第2圧力制御弁26b及び第3圧力制御弁26cの開度を制御することが可能である。
【0064】
以下では、図3(a)、図5及び図6を用いて本発明に係る排気浄化装置の第三実施形態である排気浄化装置1におけるスートブロア群17(スートブロア用空気弁群18)の制御態様について説明する。
【0065】
図3(a)及び図5に示すように、制御装置21は、第1圧力制御弁26a、第2圧力制御弁26b及び第3圧力制御弁26cを所定の空気圧力P1(例えば0.5MPa)に設定して第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cによって各NOx触媒にスートブローを行う。これにより、第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cは、それぞれの噴射ノズル17dから0.5MPaの圧力で加圧空気が各NOx触媒に噴射される。
【0066】
図6に示すように、制御装置21は、差圧センサ20が検出する差圧ΔPが所定値Pt以上の場合、所定の空気圧力P1を高くして所定の空気圧力P1h(例えば0.7MPa)にする。つまり、制御装置21は、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16の貫通孔の一部が閉塞している可能性があるとしてスートブローを行う加圧空気の圧力を高くする。すなわち、制御装置21は、一定期間T3内においてスートブロア群17から噴射される加圧空気の噴射空気量が増加するように圧力制御弁群26を制御する。なお、加圧空気の噴射空気量を増加させる制御態様は、本実施形態に限定されるものではなく、第1NOx触媒14に対して行うスートブローの圧力のみを高くしてもよい。
【0067】
制御装置21は、差圧センサ20が検出する差圧ΔPが所定値Pt以下になった場合、所定の空気圧力P1hを低くして所定の空気圧力P1にする。つまり、制御装置21は、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16の貫通孔の閉塞が解消されたとしてスートブローを行う加圧空気の圧力を低くして加圧空気の噴射空気量を抑制する。
【0068】
以上の如く、本発明に係る排気浄化装置1において、第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cは、圧力制御弁である第1圧力制御弁26a、第2圧力制御弁26b及び第3圧力制御弁26cを備え、第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cから噴射される加圧空気の圧力によって前記噴射空気量を変更するものである。このように構成することで、噴射圧力を制御することで煤塵が付着しやすい位置の第1NOx触媒14に加圧空気が重点的に噴射される。これにより、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる。
【0069】
次に、図7を用いて、本発明に係る排気浄化装置の第四実施形態である排気浄化装置1について説明する。
【0070】
図7に示すように、第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cには、追加噴射ノズル17eが備えられる。具体的には、第1スートブロア17aの追加噴射ノズル17eは、第1NOx触媒14の排気通過面のうち、煤塵が付着しやすい貫通孔が集まっている部分に集中的に加圧空気を噴射可能に構成される。第2スートブロア17bの追加噴射ノズル17eは、第2NOx触媒15の排気通過面のうち、煤塵が付着しやすい貫通孔が集まっている部分に集中的に加圧空気を噴射可能に構成される。第3スートブロア17cの追加噴射ノズル17eは、第3NOx触媒16の排気通過面のうち、煤塵が付着しやすい貫通孔が集まっている部分に集中的に加圧空気を噴射可能に構成される。
【0071】
スートブロア用空気弁群18は、加圧空気の流路を連通又は遮断するものである。スートブロア用空気弁群18は、第1スートブロア用空気弁18a、第1追加噴射ノズル用空気弁18d、第2スートブロア用空気弁18b、第2追加噴射ノズル用空気弁18e、第3スートブロア用空気弁18c及び第3追加噴射ノズル用空気弁18fから構成される。第1追加噴射ノズル用空気弁18dは、第1スートブロア17aの追加噴射ノズル17eに接続されている第2空気供給流路19に設けられる。第2追加噴射ノズル用空気弁18eは、第2スートブロア17bの追加噴射ノズル17eに接続されている第2空気供給流路19に設けられる。第3追加噴射ノズル用空気弁18fは、第3スートブロア17cの追加噴射ノズル17eに接続されている第2空気供給流路19に設けられる。
【0072】
第1追加噴射ノズル用空気弁18d、第2追加噴射ノズル用空気弁18e及び第3追加噴射ノズル用空気弁18fは、電磁弁で構成され、図示しないスプールを摺動させることにより第2空気供給流路19を遮断又は連通可能に構成される。つまり、第1追加噴射ノズル用空気弁18d、第2追加噴射ノズル用空気弁18e及び第3追加噴射ノズル用空気弁18fが第2空気供給流路19を連通状態にすることで追加噴射ノズル17eに加圧空気が供給される。なお、各追加噴射ノズル用空気弁は、本実施形態に限定されるものではない。
【0073】
制御装置21は、第1追加噴射ノズル用空気弁18d、第2追加噴射ノズル用空気弁18e、第3追加噴射ノズル用空気弁18fのソレノイドに接続され、第1追加噴射ノズル用空気弁18d、第2追加噴射ノズル用空気弁18e、第3追加噴射ノズル用空気弁18fの開閉を制御することが可能である。
【0074】
以下では、本発明に係る排気浄化装置の第四実施形態である排気浄化装置1におけるスートブロア群17(スートブロア用空気弁群18)の制御態様について説明する。
【0075】
制御装置21は、差圧センサ20が検出する差圧ΔPが所定値Pt以上の場合、第1スートブロア用空気弁18aに合わせて第1追加噴射ノズル用空気弁18dの開閉を制御する。同様にして、制御装置21は、第2スートブロア用空気弁18bに合わせて第2追加噴射ノズル用空気弁18eの開閉を制御する。制御装置21は、第3スートブロア用空気弁18cに合わせて第3追加噴射ノズル用空気弁18fの開閉を制御する。つまり、制御装置21は、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16の貫通孔の一部が閉塞している可能性があるとして各追加噴射ノズル17eから加圧空気が噴射されるように制御する。これにより、制御装置21は、一定期間T3内においてスートブロア群17から噴射される加圧空気の噴射空気量が増加するようにスートブロア用空気弁群18を制御する。なお、加圧空気の噴射空気量を増加させる制御態様は、本実施形態に限定されるものではなく、第1追加噴射ノズル用空気弁18dの開閉のみを制御してもよい。
【0076】
制御装置21は、差圧センサ20が検出する差圧ΔPが所定値Pt以下になった場合、第1追加噴射ノズル用空気弁18d、第2追加噴射ノズル用空気弁18e及び第3追加噴射ノズル用空気弁18fを閉状態にする。つまり、制御装置21は、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16の貫通孔の閉塞が解消されたとして第1追加噴射ノズル17e、第2追加噴射ノズル17e及び第3追加噴射ノズル17eからのスートブローを停止して加圧空気の噴射空気量を抑制する。
【0077】
以上の如く、本発明に係る排気浄化装置1において、第1スートブロア17a、第2スートブロア17b及び第3スートブロア17cは、加圧空気を噴射する複数の噴射ノズル17d・17eを備え、加圧空気を噴射する噴射ノズル17d・17eの数によって前記噴射空気量を変更するものである。このように構成することで、加圧空気を噴射する噴射ノズルの数を変更することで煤塵が付着しやすい位置の第1NOx触媒14に加圧空気が重点的に噴射される。これにより、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16に付着した煤塵の除去及び煤塵の付着の抑制を効率的に行うことができる。
【0078】
また、第1NOx触媒14、第2NOx触媒15及び第3NOx触媒16に排気中の煤塵が付着することを効率的に抑制するために、第一実施形態から第四実施形態までの制御態様を適宜組み合わせて実施することも可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 排気浄化装置
12 触媒反応器
14 第1NOx触媒
15 第2NOx触媒
16 第3NOx触媒
17a 第1スートブロア
17b 第2スートブロア
17c 第3スートブロア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7