【実施例1】
【0015】
まず、本発明の第1の実施形態について
図1乃至
図4を用いて詳細に説明する。
図1及び
図2において、天井埋め込み設置型の空気調和装置の室内機の主な構成は、ファン1と熱交換器配管2とフィン10から成る熱交換器14と、膨張弁9、排水ポンプ4、ファン回転数などを制御する制御基板(図示せず)と、これらを収納し下面がほぼ方形とされた箱状のケーシング3等から構成されている。そして、これらは天井板19に埋め込まれて設置されているものである。尚、室内機のケーシング3と天井板19の間には方形の化粧パネル20が介装されており、意匠的に見栄えが良いものとされている。
【0016】
ファン1は一般に遠心ファンまたはターボファンと呼ばれるものを使用しており、ファンモータ13によって回転駆動されることによって回転中心側から空気を吸い込み、円周側より空気を回転半径方向に吹き出すものが使用されている。ケーシング3の内部において、ファン1は中央に配置され、ファン1の外周側を覆うように、かつ方形のケーシングに沿って熱交換器14が配置されている。更にケーシング3の下部中央に正方形状の吸込口が形成されたグリル16が固定されており、この吸込口よりファンの回転中心側に室内の空気が吸い込まれる。
【0017】
またケーシング3の下部には、この吸込口を形成したグリル16の外周側で吸込口の4辺に沿って形成された略長方形状の吹出口11を備えている。そして、ファン1の外周より半径方向に吹き出された空気は、熱交換器14を通って吹出口11より室内へ吹き出されるように流路が形成されている。この吹出口11は化粧パネル20に形成した吹出口をも含んでいるものである。したがって、以下では化粧パネル20とケーシング3に形成された吹出口を総称して吹出口11ということにする。
【0018】
グリル16に形成した吸込口には、埃などがケーシング3内に入ることを防止するためのフィルター17が取り付けられている。また、化粧パネル20の吹出口11付近には、空気の吹き出し方向を上下方向、或いは左右方向に調整するフラップ(羽根)18が設けられている。
【0019】
ファン1の回転によって吸込口から吸い込まれた室内空気は熱交換器14で加熱、或いは冷却され、調和された空気として吹出口11から吹き出すようになる。この際に熱交換器14の表面で凝縮した凝縮水は、熱交換器14下部の排水溝15を通って排水ポンプ4により室内機の外に排出される。一般的には可撓性のパイプを使用して屋外に排出されるようになっている。
【0020】
図4にあるように、熱交換器14には熱交換器配管2の内部に冷媒が流れ、その外側を空気が流れる構造となっている。熱交換器配管2の表面にはフィン10が取り付けられ、熱交換器配管2の表面の熱(温熱、或いは冷熱)をフィン10に熱伝導によって拡散させ、このフィン10の表面周囲を流れる空気と熱交換するようになっている。
【0021】
熱交換器14は一般に複数の熱交換器配管2が設けられている。この熱交換器配管2の両端には、一方に複数の配管パスに並列にかつ、一般的には均等に液冷媒を流すため分配器8が取り付けられ、他方にはガス冷媒を分配もしくは集合させるためのガスヘッダー7が取り付けられている。
【0022】
また、熱交換器14には、圧縮機を搭載する室外機と冷媒を送受するためのガス側配管接続部5と液側配管接続部6が設けられている。これらの配管接続部5、6はケーシング3の外部に出ており、室内機を天井に設置後に配管が接続できるようになっている。
【0023】
更に、一般には常にガス比率の高い冷媒の流れるガス配管と、常に液比率の高い冷媒の流れる液配管が一義的に決まるようになっている。このため、ケーシング3の内部で、分配器8と液側配管接続部6との間には膨張弁9が設けられている。
【0024】
本実施例の熱交換器14は熱交換する面積をできるだけ大きくするために、方形のケーシング3の形状に合わせてファン1の周囲を略方形状に囲む形状とされている。したがって、この熱交換器14は4辺の直線領域Stと、4つの角部の内、隣り合う直線領域を接続する3つの曲り領域Coと、残りの角部に形成される室外機と接続される配管やその他の構成部品、分配紀や膨張弁9等が配置される配管接続領域とから構成されるようになる。尚、熱交換器配管2もこれに合わせて直線領域Stと曲り領域Coを備えることになる。
【0025】
図1のケーシング3の右上の一つの角部領域には上述した配管接続領域が位置するようになっている。この角部領域にはガス側配管接続口5と液側配管接続口6がケーシング3の外部に出ており、ここに室外機とつながる冷媒配管が接続される。またガス側配管接続口5は、熱交換器のガスヘッダー7と配管接続され、液側配管接続口6は膨張弁9を経由して分配器8と配管接続される。分配器8は、冷媒を複数の冷媒配管に分配するものであり、分配器8と熱交換器14は複数の配管で接続されている。
【0026】
また、ガス側配管接続口5、液側配管接続口6、ガスヘッダー7、分配器8、膨張弁9が設置される配管接続領域は、バッフルプレート12によって囲われている。これは、ケーシング3の開口部からガス側配管接続口5、液側配管接続口6が外部に引き出されているため隙間が存在し、この隙間を通ってファン1によって加圧された空気が外部へ流れてしまうことを防ぐためである。また、ガスヘッダー7、分配器8、膨張弁9は通風抵抗になることが考えられるため、ファン1による空気の流れから隔離するためでもある。
【0027】
図2に
図1の室内機を断面した断面構造を示している。室内機は室内の天井板19の内側に設置されるもので、天井板19より下側が室内側、天井板19より上側が天井の内側となる。尚、
図2にある矢印は空気の流れを示しており、室内の空気は、グリル16とフィルター17を通過し、ベルマウス22によってファン1の中央に流れる。
【0028】
ファン1はその上部のファンモータ13により回転駆動され、ファン1の中央から吸い込んだ空気を
図2中の左右に吐き出すようになる。ファン1の外側には熱交換器14が配置され、ここを空気が通過することで冷房運転或いは暖房運転に応じて所定の温度に調整される。また熱交換器14を通過した空気は、ケーシング3内部に形成した通風流路に沿って流れ、吹出口11より室内に吹出される。また吹出口11には吹出し方向の調整のためのフラップ18が取り付けられている。
【0029】
図3は化粧パネルを室内側からみた上面図を示しており、天井側にはほぼ正方形の化粧パネル20が取り付けられている。この化粧パネ20ルにグリル16、フィルター17、フラップ18が備えられることになる。また、化粧パネル20の正方形の面は室内側から見上げた時にケーシング3が見えないように大きく作られている。
【0030】
図4には熱交換器14の熱交換器配管2に取り付けられたフィン10の構成を示しており、フィン10は熱交換器配管2に対して直交するように垂直に取り付けられている。また、
図4にはファン1によって生じる空気の流れを模式的に矢印で記載した。
【0031】
以上のような構成において、次に本実施例になる室内機の動作について説明する。
図4にあるように、ファン1の回転によって、吸い込まれた空気はファン1の半径方向よりもファン1の回転方向21に傾いてファン1から吹き出される。
【0032】
このため、熱交換器14の直線領域Stにおいては、ファン1の回転進入側ではファン1から吹き出された空気の流れと、フィン10の向きがおよそ一致することで空気が流れ易くなる。もちろん、ファン1と熱交換器14との間の距離が大きくなることによって曲り領域Co付近の静圧が回復し、この部分の熱交換器前後の静圧差が大きくなることで空気が多く流れ易くなることも寄与している。逆に、直線領域Stのファン1の回転退出側では、ファン1から吹き出された空気の流れと、フィン10の向きが一致しなくなり空気が流れ難くなる。
【0033】
つまり、ファン1の回転方向21からみて、曲り領域Coから直線領域Stに接続される付近から直線領域Stを進むにつれて、空気の流れ易さが悪くなるものである。このため、この直線領域Stでは、ファン1の回転方向21からみて、曲り領域Coから直線領域Stに接続される付近から、この直線領域Stを進み次の曲り領域Coに接続される付近までの間において、
図9にあるように風速が減少していく風速分布を有するようになる。
【0034】
したがって、曲り領域Coと直線領域Stを備えた略方形の熱交換器を用いた場合、
図9にも示されるように、熱交換器14を通過後の空気の量はファン1の回転方向21からみて、曲り領域Coから直線領域Stに接続される付近から直線領域Stを進むにつれてだんだん少なくなってくる挙動を示すことになる。つまり、直線領域Stを進むにつれて空気の流れ易さが悪くなるものである。
【0035】
ところが、
図8にあるような従来の室内機においては、ファン1の中心から吹出口11に延ばした中心線Ceを境にして吹出口11のA寸法とB寸法はほぼ同じ長さとなっている。しかも、吹出口11の長さは所定の風速を得るために吹出口の長さを長くするといった手法を採用することはできない。このため、吹出口11の配置位置は必ずしも熱交換器の14の直線領域Stの風速が早い領域に配置されたものとはならない。
【0036】
そこで、本実施例においては、このような風速分布を考慮した場合、風速の大きい側、言い換えれば風量が多い側の方が圧力損失の影響は支配的になるので、風量が少ない側の流路圧力損失を多少増やしても風量の多い側の圧力損失を小さくする構成を採用したほうが全体の圧力損失を小さくできる、という技術的な知見から以下の構成を採用するようにしたものである。
【0037】
尚、ここで、上述したように吹出口11の長さは実際的な問題として、所定の風速を得るために吹出口の長さを長くするといった手法を採用することはできないという制約がある。このため吹出口11の長さをそれほど長くしないことを前提としている。
【0038】
本実施例では
図1にあるように、直線領域Stの範囲において、吹出口11をファン1の回転方向21から見てファン1の回転進入側に寄せて配置するようにしたことを特徴としている。具体的に述べると、ファン1の回転中心から夫々の吹出口に直交するように延ばした中心線Ceに対して、吹出口11の長さ方向の中心点はこの中心線Ceと一致せず、吹出口11の長さ方向の中心点はファン1の回転進入側の曲り領域Co側に寄せて存在している。このため、中心線Ceを境としてファン1の回転進入側の吹出口11の長さであるA寸法は、ファン1の回転退出側の吹出口11の長さであるB寸法に比べて長くなることになる。したがって、吹出口11は熱交換器14の直線領域Stの間で、風速が早い側、言い換えれば風量が多い側に寄せて配置されることになる。
【0039】
これにより、直線領域Stの風量が少ないファン1の回転退出側から見ると、吹出口11までの距離が長く、フィン10の通過面積が見掛け上狭くなるため圧力損失が増えるが、直線領域Stの風量が多いファン1の回転進入側から見ると、吹出口11までの距離が短く、ファン1の回転退出側に比べてフィン10の通過面積が広くなるため圧力損失が低減するようになる。
【0040】
そして、上述したように風量の大きい側の方が全体の圧力損失としては支配的であると考えられるため、このような配置をすることで全体の通風抵抗の低減を図ることができ、結果として風量の増加につなげることができるようになる。また、通風抵抗が低減すれば、同じファン1の回転数ならば風量は増加して熱交換性能が向上するため、室外機の圧縮機の負荷が下がり省エネルギー化に寄与することが期待できる。更に、通風抵抗が低減すれば、同じ風量を出すためファン1の回転数を低くすることができるため、ファン1を回転駆動するファンモータ13の電力が削減でき、これも省エネルギー化に寄与することが期待できる。
【0041】
また、本実施例では、吹出口11を熱交換器14のファン1の回転進入側に寄せることによって配管接続領域の空間確保が容易となる。つまり、吹出口11をファン1の回転進入側に寄せることによってこの分だけ配管接続領域が位置する空間が確保しやすくなり、
図1にあるように、バッフルプレート12のファン1と向き合う側面を、熱交換器14の直線領域Stと平行で、かつ熱交換器14の内側の面と実質的に一致、いわゆる面一になるように配置することができるようになる。このために、この部分に分配器8と接続する熱交換器14の端部を配置し、さらに膨張弁9、ガスヘッダー7等を配置することができるようになった。つまり分配器8、膨張弁9、ガスヘッダー7等の構成部品を一つの側面側に寄せて配置する構成を採用できるようになった。このようにすると熱交換器14を有効に活用することが可能となる。理由は以下の通りである。
【0042】
図8にある従来の室内機では、ファン1の回転中心を通る中心線Ceを境に吹出口11はほぼ左右対称であった。つまり、A寸法とB寸法がほぼ同じであった。このため、分配器8、膨張弁9、ガスヘッダー7等の構成部品を一つの側面側に寄せて配置する構成をとると、熱交換器14のファンの回転退出側の直線領域Stが大きく削られることになる。このため、本来あるべき熱交換器部分が無くなるので、この部分の熱交換器が活用できなくなってしまう課題があった。
【0043】
そこで、本実施例のように吹出口11をファン1の回転進入側へ寄せて配置した構成とすることで、バッフルプレート12を熱交換器14の内側と同一面となるまで寄せても、熱交換器14の直線領域Stを十分確保できるようになる。これによって、
図8に示す従来の室内機において、削られていた熱交換器14の直線領域Stを最大限に活用できるようになった。特に、ファン1の回転方向21から見て、配管接続領域から次の直線領域Stに至る部分は、直線領域Stの範囲でファン1の回転進入側であるので風量が大きい部分である。分配器8、膨張弁9、ガスヘッダー7等の構成部品をケーシング3の一つの側面側に寄せて配置する構成をとることによって、ファン1の回転進入側、つまり風量が多い部分に吹出口11を配置できるので風量確保の向上に寄与するようになるものである。また、これ以外に、分配器8、膨張弁9、ガスヘッダー7等の構成部品をケーシング3の一つの側面側に寄せて配置できるので構成がコンパクトにできる効果がある。
【0044】
また
図2に示すように、熱交換器14の下側には、ケーシング3によって排水溝15が形成されており、冷房時などに熱交換器14で凝縮した水は熱交換器14のフィンを伝って排水溝15に落下する。そして、排水溝15に溜まった水は排水ポンプ4によりケーシング3外部に排出される。従来の室内機では排水ポンプ4は
図8に示すように室内機の角部に配置されている。このような位置に排水ポンプを配置すると、排水ポンプ4を基準として、吹出口11をファンの回転進入側に寄せることができないという課題も生じてくる。
【0045】
これに対して、本実施例では
図1に示されているように、排水ポンプ4を熱交換器14の直線領域Stのファン1の回転退出側に配置させるように構成した。つまり、排水ポンプ4を基準として、吹出口11を熱交換器14の直線領域Stのファン1の回転進入側に寄せて配置するのでこの分だけ空間が空き、この空いた空間に排水ポンプ4を配置することができる。そして、排水ポンプ4をずらして配置することで、今まで排水ポンプ4が位置していた空間が更に空くので、排水ポンプ4を基準として、吹出口11をこの空いた空間に寄せて配置することができるようになる。これによって、従来の室内機では排水ポンプ4が配置されていたが故に吹出口11を移動するのが困難であったが、叙述した構成を採用することによって、吹出口11を熱交換器14の直線領域Stのファン1の回転進入側に延ばすことが可能となるものである。
【0046】
また、図示はしていないが、化粧パネル20には、フラップ18を駆動するためのモータが搭載されている。このモータを、吹出口11のファン回転退出側に配置することで、更に吹出口11をファン1の回転進入側へ伸ばすことが可能となる。
【0047】
以上の通り、本実施例によれば熱交換器の曲り領域から次の曲り領域の間に存在している直線領域に流体的に接続され、しかもこれと平行に配置された略長方形の吹出口を、直線領域の間でファンの回転進入側に寄せた位置に配置するようにした。これによれば、所定の風速が得られるように決められた長さを有する吹出口を、風速が大きいファンの回転進入側に寄せて配置するようにしたので、通風抵抗を小さくして効率よく空気を吹出口から吹き出すことができるようになる。これによって、結果として空気調和装置の省エネルギー化に貢献できるようになるものである。
【実施例2】
【0048】
次に、本発明の第2の実施形態について
図5を用いて詳細に説明する。
図5において、排水ポンプ4は、ケーシング3の内部であって、かつ熱交換器14の外側に位置し、更に排水ポンプ4から見てファン1の回転退出側の熱交換器14の直線領域Stのファン側の面Uよりもファン1の回転進入側に配置した構成としている。
【0049】
当然ながら、排水ポンプ4の配置位置は、排水ポンプ4から見てファン1の回転進入側の熱交換器14の直線領域stの中心線Ceよりもファン1の回転退出である。この実施例では吹出口11の投影部とは重ならない位置に配置されている。
【0050】
図8に示す従来の室内機では、排水ポンプ4は隣り合う直線領域を接続する接続部に配置される構成である。しかも、この接続部は
図9にあるように風速が大きい領域である。しかしながら、この接続部は排水ポンプ4が位置しているため通風の障害となっている。
【0051】
一方、本実施例では上述したように、排水ポンプ4から見てファン1の回転退出側の熱交換器14の直線領域Stのファン側の延長面Uよりもファン1の回転進入側に配置されているため、排水ポンプ4を基準としてファン1の回転退出側の曲り領域Coには排水ポンプ4が存在しないため、熱交換器の曲り領域Coを有効的に活用することができ、通風抵抗の低減や風量の増加を期待できるようになる。
【0052】
また、
図5では排水ポンプ4の配置位置を、バッフルプレート12で囲まれた配管接続領域と、ファンの回転転中心に対して対称の位置に配置するようにしている。
図8に示す従来の構成では、熱交換器14の一つの直線領域Stの両端に排水ポンプ4と配管接続領域が位置するため、これの間に存在する吹出口11の必要寸法の確保が難しいという課題があった。これに対して、本実施例では排水ポンプ4の配置位置を、バッフルプレート12で囲まれた配管接続領域に対してファン1の回転転中心に対して対称の位置に配置するようにしているこのため、排水ポンプ4は配管領域が位置する熱交換器14の直線領域Stとは異なる直線領域Stの部分に配置される。このため、吹出口11の必要寸法を十分確保することが可能となる。
【0053】
更に、排水ポンプ4が位置する熱交換器14の直線領域Stのファン1の回転退出側をファン1側に曲げることによって、ファン1の回転退出側で直線領域Stが直線状に連続することを抑制して空気がより流れ易くすることで、吹出口11から出る風速分布の均一化を向上することができる。
【0054】
実施例1及び実施例2に示したように、吹出口11が複数ある室内機においては、複数ある吹出口11のうちで、少なくとも1つの吹出口11を熱交換器14の直線領域Stの範囲でファン1の回転進入側へ寄せれば通風抵抗の低減、風量の増加の効果は得られるものである。
【0055】
ただ、望ましくは、両実施例のように吹出口11が4方向であれば、全ての吹出口11を熱交換器14の直線領域Stの範囲でファン1の回転進入側へ寄せた方が高い効果が得られる。この理由は、1つでも従来の配置位置と同様の吹出口11があると、その従来の配置位置にある吹出口11と、本実施例のような配置位置にある吹出口11との隣接部分において、その間の距離が大きく離れてしまうようになる。
【0056】
したがって、この隣接部分において、比較的風量が大きい熱交換器14の曲り領域Coの流れは、従来の吹出口11に流れる空気は従来通り流れて風速の大きい領域を利用できず、また、本実施例のような配置を行なったものでは曲り領域Coから前側の吹出口11が距離的に離れてしまうため通風抵抗が大きくなり好ましいものではない。
【0057】
これに対して、全ての吹出口11を熱交換器14の直線領域Stの範囲で風速が大きいファン1の回転進入側へ寄せれば、風速が遅い側の吹出口11からは距離が離れてしまうが、風速が大きい側の吹出口11の距離は近くなるため通風抵抗を小さくすることができるようになる。