(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、MH漁灯及びハロゲン漁灯、又はLED漁灯を備えた漁船において、漁獲状況に合わせたこれら漁灯の操作は、船頭の経験及び勘、並びに船頭のその場での状況判断に基づいて手動でかつ別個に行われるため、正確に操作することが難しかった。また、各漁灯システム及び釣機システムの状態及び操作状況を手作業でメモに記録することは、漁灯操作をより困難にしていた。このように、船頭にとって、漁灯の制御には、常に緊張した監視及び操作が要求され、また、夜間操業中は休息を取ることなしにこのような監視及び操作を行う必要があるため、非常に大きなストレス及び負担がかかるものであった。また、漁灯制御を、船頭の経験や勘に基づいて行っているため、不正確となりやすかった。
【0007】
一方、特許文献1に記載の集魚灯装置は、魚の種類や特性に応じて、輝度、色度、発光波長、発光周波数、照射角度及び発光時間間隔等の発光パターンを制御できるものであるが、対象魚を漁船の近くに集めるための制御のみを開示するものであり、対象魚が漁船の近くに集まった後は集魚灯の発光パターンを変化させずに、同じ状態を維持することになる。即ち、漁船近傍に集魚した魚類の漁獲量に基づいて、集魚灯の発光パターンを制御することは全くできなかった。
【0008】
従って本発明の目的は、漁獲作業中の漁獲量に基づいて漁灯の点灯、消灯及び調光制御を最適にかつ自動的に行うことができる漁灯制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、釣具を操作する釣機及びこの釣機を制御する釣機制御部を有する釣機システムと、複数のメタルハライド漁灯から構成される第1の漁灯を有する第1の漁灯システムと、複数のLED漁灯から構成される第2の漁灯を有する第2の漁灯システムと、釣機システムから得られる負荷データを用いて単位時間当たりの釣機の漁獲量を求め、求めた漁獲量に基づいて、釣機システム、第1の漁灯システム及び第2の漁灯システムを制御する制御装置とを備えている。制御装置は、操業開始時に第1の漁灯及び第2の漁灯を全点灯又は部分点灯させ
、操業開始後、単位時間当たりの漁獲量が安定又は上昇している場合は、第1の漁灯を段階的に消灯
させる。
【0010】
制御装置は、釣機システムからの負荷データを用いて単位時間当たりの釣機における漁獲量を求め、求めた漁獲量に基づいて、釣機システム、第1の漁灯システム、及び第2の漁灯システムを制御している。即ち、操業開始時に第1の漁灯及び第2の漁灯を全点灯又は部分点灯させ、単位時間当たりの漁獲量が安定又は上昇している場合は、第1の漁灯を段階的に消灯、即ち、1灯ずつ又は1グループずつ消灯させている。
これにより、最適な漁灯制御を行うことができる。具体的には、集魚して釣り開始後、集まったイカ等の対象魚を逃がすことなく、第1の漁灯システムの消費電力を段階的に削減することができ、また、MH漁灯の寿命を延長させることができる。さらに、このような漁灯制御が自動制御によって行われるため、作業負担量を軽減することができる。
【0011】
この場合、制御装置は
、第1の漁灯を段階的に消灯している際に単位時間当たりの漁獲量が減少している場合は、第1の漁灯を消灯した順序と逆の順序で段階的に再点灯するように制御
することがより好ましい。
これにより、不均等な点灯状態にさせることなく、全体的にバランスよく再点灯させて集魚を再開することができる。
【0012】
制御装置は、第1の漁灯の段階的な消灯時においても単位時間当たりの漁獲量が安定又は上昇している場合は、第1の漁灯を全て消灯するように制御
することも好ましい。
これにより、漁獲量を落とすことなくさらに消費電力を削減することができ、また、MH漁灯の寿命を延長させることができる。
【0013】
この場合、制御装置は
、第1の漁灯を全て消灯した後に単位時間当たりの漁獲量が減少している場合は、第1の漁灯を消灯した順序と逆の順序で段階的に再点灯するように制御
することがより好ましい。
これにより、不均等な点灯状態にさせることなく、全体的にバランスよく再点灯させて集魚を再開することができる。
【0014】
また、制御装置は
、第1の漁灯を全て消灯した後に単位時間当たりの漁獲量が安定又は上昇している場合は、第2の漁灯を調光して減光するように制御
することがより好ましい。
これにより、漁獲量を落とすことなくさらに消費電力を削減することができ、また、LED漁灯の寿命を延長させることができる。
【0015】
この場合、制御装置は
、第2の漁灯の減光時において、単位時間当たりの漁獲量が減少している場合は、第2の漁灯を増光するように制御
することがより好ましい。
これにより、不均等な点灯状態にさせることなく、全体的にバランスよく増光させて集魚機能を戻すことができる。
【0016】
複数のハロゲンランプ漁灯から構成される第3の漁灯を有する第3の漁灯システムをさらに備え、
制御装置は、操業開始時に第1の漁灯、第2の漁灯及び第3の漁灯を全点灯又は部分点灯させるように構成されていることも好ましい。
【0017】
この場合、制御装置は、操業開始後、単位時間当たりの漁獲量があらかじめ設定した閾値を下回った場合、又はあらかじめ設定した時間になった場合は、第1の漁灯を同時に全て消灯させ、第2の漁灯のみ又は第3の漁灯のみを点灯するように制御
することがより好ましい。
これにより、第1の漁灯を全灯していた状態からそれらを一気に消灯させ、第2の漁灯のみ又は第3の漁灯のみを点灯する比較的暗い状態に変化させる光学的ショックを与えることができ、対象魚のイカ等の食いが良くなり漁獲量を一時的に上昇させることができる。
【0018】
制御装置は、求めた漁獲量とそれに応じた漁灯制御パターンとの関係をデータとして記憶しておき、漁獲量が類似した場合に、記憶されている漁灯制御パターンにより操業を行うように制御
することも好ましい。
これにより、従来のように曖昧な記憶などによる操作ではなく記憶データに基づいた正確な漁灯制御が可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、最適な漁灯制御を行うことができる。即ち、集魚して釣り開始後、集まったイカ等の対象魚を逃がすことなく、第1の漁灯システムの消費電力を段階的に削減することができ、また、MH漁灯の寿命を延長させることができる。さらに、このような漁灯制御が自動制御によって行われるため、作業負担量を軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は本発明の一実施形態における漁灯制御システム100の構成を概略的に示しており、
図2は船上における漁灯及び釣機の配置状態を示しており、(a)は上から見た平面図であり、(b)は側面から見た平面図であり、(c)は前方から見た平面図である。
図3は各釣機の構造を概略的に示しており、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
図4は釣機本体の内部構造を概略的に示しており、
図5は制御装置の構成を示している。
【0022】
図1及び
図2に示すように、漁灯制御システム100は、釣機システム10と、第1の漁灯システム20と、第2の漁灯システム30と、第3の漁灯システム40と、制御装置50とを備えている。制御装置50は、釣機システム10、第1の漁灯システム20、第2の漁灯システム30及び第3の漁灯システム40等に電気的に接続されている。
【0023】
釣機システム10は、複数の釣機(例えば、イカ釣機)11と、これら複数のイカ釣機11を集中制御する釣機制御部12とを備えている。釣機11は、後述するように、駆動モータ11e等を備え、釣船に搭載され先端が釣糸に結ばれているワイヤ(道糸)を回転ドラムに巻回・保持し、そのワイヤを前ローラを介して巻上げ又は巻下げることにより対象魚であるイカを釣り上げる。釣機制御部12は、駆動モータ11eのトルク電流を検出し、検出したトルク電流に予め算出されている定数を乗じて釣糸に作用する力を算出する。その算出した力によって、漁獲量を判別することが可能である。また、釣機制御部12は、複数の釣機11から得た情報を制御装置50に供給することが可能である。
【0024】
第1の漁灯システム20は、複数のメタルハライド(MH)漁灯から構成される第1の漁灯21と、第1の漁灯21を制御する第1の漁灯制御部22とを備えている。第1の漁灯21は、比較的に出力が大きい光源であり、広範囲の集魚に効果的である。また、第1の漁灯21は、
図2に示すように釣船上に2列に設置されている。第1の漁灯制御部22は、制御装置50に接続されおり、かつ手動により第1の漁灯21の点灯/消灯を行うことが可能である。
【0025】
第2の漁灯システム30は、複数のLED漁灯から構成される第2の漁灯31と、第2の漁灯31を制御する第2の漁灯制御部32とを備えている。第2の漁灯31は、複数の発光ダイオード(LED)を配線基板の上にマトリックス状に配置して構成される面状光源であり、例えば、長方形の面状光源とされている。発光ダイオードとして、青色系、緑色系、または赤色系等の発光ダイオードを用いることができる。また、第2の漁灯31は、釣船両側の海面に照射できるように、
図2に示すように釣船上に複数列に配置されている。第2の漁灯制御部32は、魚の種類、集魚状況、漁場の状況及び漁獲状況によって、第2の漁灯31の発光強度、発光色、及び照射角度等を制御することができるように構成されている。
【0026】
第3の漁灯システム40は、複数のハロゲンランプ漁灯から構成される第3の漁灯41と、第3の漁灯41を制御する第3の漁灯制御部42とを備えている。第3の漁灯41は黄色っぽい光で通常の発電機を電源とし、近距離の集魚に適している。また、第3の漁灯41は、
図2に示すように第1の漁灯21と混在するように配置されている。第3の漁灯制御部42は、制御装置50に接続されおり、かつ手動により第3の漁灯41の点灯/消灯を行うことが可能である。
【0027】
図3に示すように、各釣機(イカ釣機)11は、釣機本体11aと、この釣機本体11aから左右に突き出した主軸(ドラム軸)11bと、この主軸11bに軸支されており、ワイヤ14が巻回される1対の回転ドラム11cと、操作制御盤11dとを備えている。なお、図に示す回転ドラム11cは、ワイヤ(道糸)の巻かれるスプール部がその回転軸に平行にかつ周方向に沿って等角度間隔で配列された複数のバー11c
1を備えた構成となっているが、これらバーに代えて円筒状のスプールを備えた構成としても良い。また、回転ドラム11cは、図では軸断面が丸型のドラムとしているが、菱型の軸断面を有するドラムであっても良い。釣機11は、回転ドラム11cを回転させることでワイヤ、さらにその先に結ばれている釣糸、針及び錘を海中に連続的に巻下げ、シャクリという誘因動作を行って巻き上げるか、又は連続して巻上げて対象魚を漁獲する。釣機本体11aの外側には各釣機11をローカルで個別制御できるように、キーボード、表示盤及び電源スイッチ等を備えた操作制御盤11dが取り付けられている。
【0028】
図4に示すように、釣機本体11a内には、その下部に配置された駆動モータ11eと、この駆動モータ11eの出力軸に連結されており駆動力が伝達される減速機11fと、減速機11fの出力軸にチェーン11g又はギアを介して連結されており駆動力が伝達される可動軸11hと、この可動軸11hにチェーン11i又はギアを介して連結されており駆動力が伝達されると共に可動軸11hに形成された図示しないラセン案内溝及び係合爪11mの作用によって左右方向(軸方向)に変位駆動される主軸11bと、可動軸11hに同軸に連結されており、任意のタイミングでブレーキをかけることを可能とする電磁式ブレーキ11jと、可動軸11hにチェーン11k又はギアを介して連結されており、主軸11bの回転速度、回転数及び回転位置を検出するロータリエンコーダ11lとを備えている。
【0029】
図5に示すように、制御装置50は、釣機システム10、第1の漁灯システム20、第2の漁灯システム30及び第3の漁灯システム40の動作を制御するためのものであり、CPU51と、ROM52と、RAM53と、HDD54と、入力手段55と、I/O56と、表示手段57とを備えている。これらはシステムバス58によって接続されている。この制御装置50は、集魚して釣り開始後の漁獲量に基づいて、第1の漁灯システム20、第2の漁灯システム30及び第3の漁灯システム40をそれぞれ制御できるように構成されている。
【0030】
CPU51は、ROM52に格納されたプログラムを実行して各部の制御を行う。CPU51は、ROM52に格納された制御プログラムに従って、RAM53をワークエリアとして使用しながら、釣機システム10、第1の漁灯システム20、第2の漁灯システム30及び第3の漁灯システム40のそれぞれの動作を制御する。
【0031】
HDD54は、ハードデスクであり、各種データ、例えば、操業位置情報、漁灯操作情報、釣機動作情報、釣機負荷情報等を記憶するものである。また、HDD54には、求めた漁獲量とそれに応じた漁灯制御パターンとの関係のデータが記憶されている。漁獲作業時に、これらの情報を読み出すことが可能である。
【0032】
入力手段55は、キーボード又はタッチパネル等からなり、処理動作開始指令、操業開始時間等の設定値、必要な情報等を入力するためのものである。
【0033】
I/O56は、制御装置50と、釣機システム10、第1の漁灯システム20、第2の漁灯システム30及び第3の漁灯システム40との間に、データの入出力を行うものである。このI/O56を介して、制御装置50と、釣機システム10、第1の漁灯システム20、第2の漁灯システム30及び第3の漁灯システム40とが接続されている。
【0034】
表示手段57は、例えば、液晶ディスプレイが用いられ、釣機システム10、第1の漁灯システム20、第2の漁灯システム30及び第3の漁灯システム40の動作状態を表示することが可能である。
【0035】
以下、本実施形態における漁灯制御システム100の制御動作を、
図6及び
図7のフローチャートを参照して説明する。
図6は漁灯制御システム100の制御動作の一例を示しており、
図7は漁獲量を求める処理過程を示している。
【0036】
図6に示すように、漁灯制御システム100を用いて、漁獲作業(例えばイカ釣り作業)を行う際に、漁灯制御システム100は、まず、操業開始指示があったか否かを確認する(ステップS1)。ここで、操業開始指示があったと判断された場合(YESの場合)、第1の漁灯(MH漁灯)21、第2の漁灯(LED漁灯)31及び第3の漁灯(ハロゲンランプ漁灯)41を全て点灯するように第1の漁灯システム20、第2の漁灯システム30及び第3の漁灯システム40を制御する(ステップS2)。
【0037】
次いで、釣機システム10により各釣機11の負荷を検出する(ステップS3)。ここでは、各釣機11の駆動モータ11eを流れるモータ電流を検出し、その検出した電流に基づいてkg単位の負荷値に換算し、釣機毎の負荷、巻き上げドラム回転数及び釣具ラインの錘深度の各データを1秒間隔で出力する。さらに、検出された各釣機11の負荷に基づいて、船全体の漁獲量を求める(ステップS4)。
【0038】
以下、ステップS3の1つの釣機の負荷検出処理及びステップS4の漁獲量の換算処理について、
図7を参照して説明する。ステップS3の釣機の負荷検出処理は、
図7(a)に示すように、まず、釣機11が巻上げ動作中であるか否かを判断する(ステップS41)。巻上げ動作中であると判断された場合(YESの場合)のみ、シャクリ動作領域であるか、又は針上動作領域であるか否かを判断する(ステップS42)。シャクリ動作領域でも針上動作領域でもない場合(NOの場合)のみ、負荷値を加算し(ステップS43)、次いで、1つの釣機11のストローク動作における負荷の平均化を行う(ステップS44)。このように、シャクリ動作(負荷変動の大きい段階)及び針上動作(針からイカが外れていく段階)領域以外での領域での巻上動作中の負荷データを加算し平均化して各釣機の1ストロークの平均負荷を算出する。なお、「シャクリ動作」とは、回転ドラムの1回転を例えば8等分し、そして、その8等分した各領域における速度を、所定の規則で変化、誘い動作を行うものである。
【0039】
ステップS4の漁獲量の換算処理は以下のように行われる。
図7(b)に示すように、まず、釣機が1ストローク動作を終了し、巻上げ動作の上限停止状態であるか否かを判断する(ステップS45)。上限停止状態であると判断された場合(YESの場合)のみ、全釣機11の1ストロークの平均負荷値を加算する(ステップS46)。即ち、各釣機11が1ストロークの動作を終えて上限停止状態で待機している時点で算出した平均負荷を全ての釣機11について加算する。次いで、所定の単位時間が経過したか否かを判断する(ステップS47)。所定の単位時間を経過したと判断された場合(YESの場合)、単位時間当たりの平均負荷を算出する(ステップS48)。即ち、所定の単位時間経過した時点で全釣機(又は片舷の釣機など)の総ストローク数で総加算負荷を除算して全釣機(又は片舷の釣機)の単位時間当たりの平均負荷値(即ち、単位時間当たりの平均負荷加算値/総ストローク)を求める。一方、ステップS47において、単位時間を経過していないと判断された場合(NOの場合)、ステップS46に戻り、上記と同様な動作を行う。次いで、単位時間当たりの平均負荷をCPUE(単位時間当たりの漁獲尾数)に換算する(ステップS49)。単位時間当たりの平均負荷からCPUE(単位時間あたりの漁獲尾数)を平均負荷と漁獲尾数との間の所定の関係式から換算することができる。CPUEを求めた後、ステップS5へ進む。なお、単位時間当たりの平均負荷からCPUEを回帰式から求められることは、実証されており、四方崇文他、「釣機負荷データを用いたスルメイカの釣獲状況の連続モニタリング」、日本水産学会誌、78(1)、1−7(2012)等で報告されている。
【0040】
ステップS5において、漁獲量(単位時間当たりの漁獲尾数)が所定範囲内で変化しており安定しているか否か、又は漁獲量が上昇しているか否かを判断する。漁獲量が安定又は上昇していると判断された場合(YESの場合)、第1の漁灯21を段階的に(例えば、1灯ずつ又は1グループずつ)消灯するように制御する(ステップS6)。この場合、第2の漁灯(LED漁灯)31及び第3の漁灯(ハロゲンランプ漁灯)41は全点灯している。電力の大きいMH漁灯である第1の漁灯21を段階的に消灯することにより、消費電力を削減することができる。一方、ステップS5において、漁獲量が安定又は上昇していないと判断された場合(NOの場合)、後述するステップS14へジャンプする。
【0041】
ステップS6において、第1の漁灯21を段階的に消灯した後、即ち、LED漁灯である第2の漁灯31及びハロゲンランプ漁灯である第3の漁灯41が点灯している状態において、ステップS5と同様に漁獲量が安定しているか否か、又は上昇しているか否かを判断する(ステップS7)。ステップS7において、漁獲量が安定又は上昇していると判断された場合(YESの場合)、第1の漁灯21を全て消灯する(ステップS8)。一方、ステップS7において、漁獲量が安定又は上昇していないと判断された場合(NOの場合)、後述するステップS13へジャンプする。
【0042】
次いで、ステップS5及びS7と同様に漁獲量が安定しているか否か、又は上昇しているか否かを判断する(ステップS9)。ステップS9において、漁獲量が安定又は上昇していると判断された場合(YESの場合)、第2の漁灯31を調光し減光するように制御する(ステップS10)。一方、ステップS9において、漁獲量が安定又は上昇していないと判断された場合(NOの場合)、後述するステップS14へジャンプする。
【0043】
次いで、第2の漁灯31を調光し減光している状態で、漁獲量が減少しているか否かを判断する(ステップS11)。漁獲量が減少していないと判断された場合(NOの場合)、ステップS10に戻り、第2の漁灯31をさらに調光し減光するように、上記と同様な動作を行う。一方、ステップS11において、漁獲量が減少していると判断された場合(YESの場合)、第2の漁灯31を調光し増光するように制御する(ステップS12)。次いで、第2の漁灯31を調光し増光した後、ステップS13において、再度、漁獲量が減少しているか否かを判断する。漁獲量が減少していると判断された場合(YESの場合)、第1の漁灯21を段階的に再点灯するように制御する(ステップS14)。この場合、第1の漁灯21を消灯した順序と逆の順序で段階的に再点灯する。一方、ステップS13において、漁獲量が減少していないと判断された場合(NOの場合)、ステップS10に戻り、上記と同様に、第2の漁灯31を調光し減光するように制御する。
【0044】
次いで、ステップS15において、漁獲量はあらかじめ設定された閾値より下回ったか否かを判断する。ここで、漁獲量はあらかじめ設定された閾値より下回っていないと判断された場合(NOの場合)、ステップS16へ進む。ステップS16で設定時間になったか否かを判断する。設定時間になっていないと判断された場合(NOの場合)、ステップS3に戻り、上記と同様に釣機11の負荷を検出する処理を行う。一方、ステップS16において、設定時間になったと判断された場合(YESの場合)、ステップS17へ進む。また、ステップS15において、漁獲量はあらかじめ設定された閾値より下回ったと判断された場合(YESの場合)も、ステップS17へ進む。
【0045】
ステップS17では、第1の漁灯21を同時に全消灯するように制御する。このように、第1の漁灯21を一気に全消灯させ、比較的暗い第2の漁灯31のみ又は第3の漁灯41のみを点灯することにより、イカに対して、光学的なショック効果を与えることができ、漁獲量を一時的に向上させることができる。
【0046】
次いで、操業終了の指示があったか否かを判断する(ステップS18)。操業終了の指示がないと判断された場合(NOの場合)、ステップS2に戻り、上記と同様な動作を行う。一方、ステップS18において、操業終了の指示があったと判断された場合(YESの場合)、ステップS19で制御動作を終了する。ここで、第1〜第3の漁灯を消灯する。
【0047】
なお、制御装置50は、求めた漁獲量とそれに応じた漁灯制御パターンとの関係をデータとして記憶しておき、漁獲量が類似した場合に、記憶されている漁灯制御パターンにより操業を行うように制御する。これにより、曖昧な記憶などによる操作ではなく記憶データに基づいた正確な漁灯制御が可能となり、操作が簡略化される。
【0048】
以上説明したように、本実施形態によれば、漁灯制御システム100は、釣機システム10と、複数のMH漁灯から構成される第1の漁灯を有する第1の漁灯システム20と、複数のLED漁灯から構成される第2の漁灯を有する第2の漁灯システム30と、複数のハロゲンランプ漁灯から構成される第3の漁灯を有する第3の漁灯システム40と、制御装置50とを備え、制御装置50は、操業開始時に第1の漁灯21、第2の漁灯31及び第3の漁灯41を全点灯又は部分点灯させ、単位時間当たりの漁獲量が安定又は上昇している場合は、第1の漁灯21を段階的に消灯し、その状態で単位時間当たりの漁獲量が減少している場合は、第1の漁灯21を消灯した順序とは逆の順序で段階的に再点灯するように制御する。
【0049】
これにより、集魚して釣り作業開始後の漁獲量の漁獲量に基づいて、第1の漁灯システム20を制御することで、第1の漁灯システム20の消費電力を削減することができると共に、漁獲量を向上することができる。また、自動制御により作業負担を軽減することができる。
【0050】
なお、上述した実施形態の漁灯制御システム100において、複数のMH漁灯から構成される第1の漁灯21を有する第1の漁灯システム20と、複数のLED漁灯から構成される第2の漁灯31を有する第2の漁灯システム30と、複数のハロゲン漁灯から構成される第3の漁灯41を有する第3の漁灯システム40とを有する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1の漁灯システム20と、第2の漁灯システム30とをのみ有していてもよい。
【0051】
また、上述した実施形態の漁灯制御システム100において、釣機システム10として、イカ釣り用の釣機システムを説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、他の種の魚類用の釣機システムにも本願発明を適用できる。この場合、漁獲量を求める際に、対象魚に対応する単位時間当たりの負荷を算出する必要がある。
【0052】
また、上述した実施形態の漁灯制御システム100において、操業開始時に第1の漁灯21、第2の漁灯31及び第3の漁灯41を全て点灯する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。操業開始時に第1の漁灯21、第2の漁灯31及び第3の漁灯41を部分点灯させるようにしてもよい。また、第1の漁灯システム20及び第2の漁灯システム30のみ有する漁灯制御システムでは、操業開始時に第1の漁灯21及び第2の漁灯31のみが全点灯又は部分点灯するように制御される。
【0053】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。