特許第6016683号(P6016683)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6016683電子部品装着装置における装着ヘッドの高さ検出方法及び電子部品装着装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016683
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】電子部品装着装置における装着ヘッドの高さ検出方法及び電子部品装着装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/08 20060101AFI20161013BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   H05K13/08 P
   H05K13/04 A
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-57524(P2013-57524)
(22)【出願日】2013年3月21日
(65)【公開番号】特開2014-183243(P2014-183243A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 将吾
(72)【発明者】
【氏名】栗原 繁
(72)【発明者】
【氏名】入澤 洋平
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−133796(JP,A)
【文献】 特開2007−227487(JP,A)
【文献】 特開2009−130334(JP,A)
【文献】 特開2002−185193(JP,A)
【文献】 特開2001−237596(JP,A)
【文献】 特開平08−125389(JP,A)
【文献】 米国特許第06168003(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/30;13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送案内する搬送シュ−トの上面に係止板を固定して、前記基板の位置決めの際に上昇した前記基板の上面が前記係止板に当接して係止するようにし、装着ヘッドに備えられた部品保持具に保持された電子部品を前記係止板により係止された状態の前記基板上に装着する電子部品装着装置における装着ヘッドの高さ検出方法において、
前記装着ヘッドに前記部品保持具に代えてマスター保持具を取り付けて、
このマスター保持具の前記装着ヘッドを基準とした高さ位置を前記装着ヘッドに設けられた高さ検出装置により検出して、その検出値を第1記憶装置に格納し、
前記装着ヘッドを下降させて前記係止板に形成された切欠部を介して前記マスター保持具が前記搬送シュート上面に当接して、前記高さ検出装置による前記マスター保持具の前記装着ヘッドを基準とした高さ位置の検出値が前記第1記憶装置により格納された前記検出値と異なったら前記装着ヘッドの下降を停止して、この停止したときの前記装着ヘッドの前記搬送シュートの上面を基準とした高さ位置と設計上の高さ位置との差分を高さオフセット値として第2記憶装置に格納することを、前記係止板に形成された複数の前記切欠部毎に繰り返すことを特徴とする電子部品装着装置における装着ヘッドの高さ検出方法。
【請求項2】
基板を搬送案内する搬送シュ−トの上面に係止板を固定して、前記基板の位置決めの際に上昇した前記基板の上面が前記係止板に当接して係止するようにし、装着ヘッドに備えられた部品保持具に保持された電子部品を前記係止板により係止された状態の前記基板上に装着する電子部品装着装置における装着ヘッドの高さ検出方法において、
前記装着ヘッドに前記部品保持具に代えてマスター保持具を取り付けて、
前記装着ヘッドに設けられた高さ検出装置が検出できる位置まで前記マスター保持具を下降させて、このマスター保持具の前記装着ヘッドを基準とした高さ位置を前記装着ヘッドに設けられた高さ検出装置により検出したその検出値を第1記憶装置に格納し、
前記装着ヘッドを下降させて前記係止板に形成された切欠部を介して前記マスター保持具が前記搬送シュート上面に当接して、前記高さ検出装置による前記マスター保持具の前記装着ヘッドを基準とした高さ位置の検出値が前記第1記憶装置により格納された前記検出値と異なったら前記装着ヘッドの下降を停止して、この停止したときの前記装着ヘッドの前記搬送シュートの上面を基準とした高さ位置と設計上の高さ位置との差分を高さオフセット値として第2記憶装置に格納することを、前記係止板に形成された複数の前記切欠部毎に繰り返すことを特徴とする電子部品装着装置における装着ヘッドの高さ検出方法。
【請求項3】
基板を搬送案内する搬送シュ−トの上面に係止板を固定して、前記基板の位置決めの際に上昇した前記基板の上面が前記係止板に当接して係止するようにし、装着ヘッドに備えられた部品保持具に保持された電子部品を前記係止板により係止された状態の前記基板上に装着する電子部品装着装置において、
前記装着ヘッドに前記部品保持具に代えて取り付けられるマスター保持具と、
このマスター保持具の前記装着ヘッドを基準とした高さを検出するもので前記装着ヘッドに設けられた高さ検出装置と、
この高さ検出装置により検出した前記マスター保持具の前記装着ヘッドを基準とした高さ位置の検出値を格納する第1記憶装置と、
前記装着ヘッドを下降させて前記係止板に形成された切欠部を介して前記マスター保持具が前記搬送シュート上面に当接して、前記高さ検出装置による前記マスター保持具の前記装着ヘッドを基準とした高さ位置の検出値が前記第1記憶装置により格納された前記検出値と異なったら前記装着ヘッドの下降を停止するように制御する制御装置と、
この停止したときの前記装着ヘッドの前記搬送シュートの上面を基準とした高さ位置と設計上の高さ位置との差分を求める算出装置と、
この算出装置により算出された前記差分を高さオフセット値として格納する第2記憶装置とを備え、
前記差分を求めて高さオフセット値として格納する動作を前記係止板に形成された複数の前記切欠部毎に繰り返すことを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項4】
基板を搬送案内する搬送シュ−トの上面に係止板を固定して、前記基板の位置決めの際に上昇した前記基板の上面が前記係止板に当接して係止するようにし、装着ヘッドに備えられた部品保持具に保持された電子部品を前記係止板により係止された状態の前記基板上に装着する電子部品装着装置において、
前記装着ヘッドに前記部品保持具に代えて取り付けられるマスター保持具と、
このマスター保持具の前記装着ヘッドを基準とした高さ位置を検出するもので前記装着ヘッドに設けられた高さ検出装置と、
この高さ検出装置が検出できる位置まで前記マスター保持具を下降させるように制御する第1制御装置と、
この第1制御装置の制御により前記検出できる位置まで下降した前記マスター保持具の前記装着ヘッドを基準とした高さ位置を前記高さ検出装置により検出したその検出値を格納する第1記憶装置と、
前記装着ヘッドを下降させて前記係止板に形成された切欠部を介して前記マスター保持具が前記搬送シュート上面に当接して、前記高さ検出装置による前記マスター保持具の前記装着ヘッドを基準とした高さ位置の検出値が前記第1記憶装置により格納された前記検出値と異なったら前記装着ヘッドの下降を停止するように制御する第2制御装置と、
この停止したときの前記搬送シュートの上面を基準とした高さ位置と設計上の高さ位置との差分を求める算出装置と、
この算出装置により算出された前記差分を高さオフセット値として格納する第2記憶装置とを備え、
前記差分を求めて高さオフセット値として格納する動作を前記係止板に形成された複数の前記切欠部毎に繰り返すことを特徴とする電子部品装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を搬送案内する搬送シュ−トの上面に係止板を固定して、前記基板の位置決めの際に上昇した前記基板の上面が前記係止板に当接して係止するようにし、装着ヘッドに備えられた部品保持具に保持された電子部品を前記係止板により係止された状態の前記基板上に装着する電子部品装着装置における装着ヘッドの高さ検出方法及び電子部品装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1などには、高さ検出装置により基板位置決め部で位置決めされたプリント基板の高さレベルを高さ検出装置が検出する際の多数の検出位置に関する検出座標データを記憶装置に格納させ、前記検出位置でプリント基板の高さレベルを検出して、吸着ノズルの下降ストロークを変更する技術が開示されている。
【0003】
そして、一般に基板であるプリント基板上に電子部品を装着する装着高さは、製造メーカーの社内での調整時、又は出荷した後のユーザーでの据付時に、マスターノズル及び治具基板を用いて装着高さを確認して、ヘッド高さオフセット値として電子部品の装着装置の記憶装置に格納して、プリント基板上へ電子部品を装着する際に、前記高さオフセット値を利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−166472公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ヘッド高さオフセット値は、各装着ヘッド毎に1つ備えているが、搬送シュートに固定された状態での装着するプリント基板全範囲の傾きや凹凸に応じた装着高さに追従させて装着ヘッドのストロークを変更することができない。このため、電子部品に与えられる装着荷重が一定ではなく、電子部品の割れや装着ずれが起こる虞れがある。
【0006】
そこで本発明は、ヘッド高さオフセット値を極力簡単な方法や構造で求めて、基板の傾きや搬送シュートの傾き等を考慮した装着ヘッドのストロークを可変にして、電子部品の実装を確実なものにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため第1の発明は、基板を搬送案内する搬送シュ−トの上面に係止板を固定して、前記基板の位置決めの際に上昇した前記基板の上面が前記係止板に当接して係止するようにし、装着ヘッドに備えられた部品保持具に保持された電子部品を前記係止板により係止された状態の前記基板上に装着する電子部品装着装置における装着ヘッドの高さ検出方法において、
前記装着ヘッドに前記部品保持具に代えてマスター保持具を取り付けて、
このマスター保持具の高さ位置を前記装着ヘッドに設けられた高さ検出装置により検出して、その検出値を第1記憶装置に格納し、
前記装着ヘッドを下降させて前記係止板に形成された切欠部を介して前記マスター保持具が前記搬送シュート上面に当接して、前記高さ検出装置による検出値が前記第1記憶装置により格納された前記検出値と異なったら前記装着ヘッドの下降を停止して、この停止したときの前記装着ヘッドの高さ位置と設計上の高さ位置との差分を高さオフセット値として第2記憶装置に格納することを、前記係止板に形成された複数の前記切欠部毎に繰り返す
ことを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、基板を搬送案内する搬送シュ−トの上面に係止板を固定して、前記基板の位置決めの際に上昇した前記基板の上面が前記係止板に当接して係止するようにし、装着ヘッドに備えられた部品保持具に保持された電子部品を前記係止板により係止された状態の前記基板上に装着する電子部品装着装置における装着ヘッドの高さ検出方法において、
前記装着ヘッドに前記部品保持具に代えてマスター保持具を取り付けて、
前記装着ヘッドに設けられた高さ検出装置が検出できる位置まで前記マスター保持具を下降させて、このマスター保持具の高さを前記装着ヘッドに設けられた高さ検出装置により検出したその検出値を第1記憶装置に格納し、
前記装着ヘッドを下降させて前記係止板に形成された切欠部を介して前記マスター保持具が前記搬送シュート上面に当接して、前記高さ検出装置による検出値が前記第1記憶装置により格納された前記検出値と異なったら前記装着ヘッドの下降を停止して、この停止したときの前記装着ヘッドの高さ位置と設計上の高さ位置との差分を高さオフセット値として第2記憶装置に格納することを、前記係止板に形成された複数の前記切欠部毎に繰り返す
ことを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、基板を搬送案内する搬送シュ−トの上面に係止板を固定して、前記基板の位置決めの際に上昇した前記基板の上面が前記係止板に当接して係止するようにし、装着ヘッドに備えられた部品保持具に保持された電子部品を前記係止板により係止された状態の前記基板上に装着する電子部品装着装置において、
前記装着ヘッドに前記部品保持具に代えて取り付けられるマスター保持具と、
このマスター保持具の高さを検出するもので前記装着ヘッドに設けられた高さ検出装置と、
この高さ検出装置により高さを検出したその検出値を格納する第1記憶装置と、
前記装着ヘッドを下降させて前記係止板に形成された切欠部を介して前記マスター保持具が前記搬送シュート上面に当接して、前記高さ検出装置による検出値が前記第1記憶装置により格納された前記検出値と異なったら前記装着ヘッドの下降を停止するように制御する制御装置と、
この停止したときの前記装着ヘッドの高さ位置と設計上の高さ位置との差分を求める算出装置と、
この算出装置により算出された差分を高さオフセット値として格納する第2記憶装置とを備え、
前記差分を求めて高さオフセット値として格納する動作を前記係止板に形成された複数の前記切欠部毎に繰り返すことを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、基板を搬送案内する搬送シュ−トの上面に係止板を固定して、前記基板の位置決めの際に上昇した前記基板の上面が前記係止板に当接して係止するようにし、装着ヘッドに備えられた部品保持具に保持された電子部品を前記係止板により係止された状態の前記基板上に装着する電子部品装着装置において、
前記装着ヘッドに前記部品保持具に代えて取り付けられるマスター保持具と、
このマスター保持具の高さを検出するもので前記装着ヘッドに設けられた高さ検出装置と、
この高さ検出装置が検出できる位置まで前記マスター保持具を下降させるように制御する第1制御装置と、
この第1制御装置の制御により前記検出できる位置まで下降した前記マスター保持具の高さを前記高さ検出装置により検出したその検出値を格納する第1記憶装置と、
前記装着ヘッドを下降させて前記係止板に形成された切欠部を介して前記マスター保持具が前記搬送シュート上面に当接して、前記高さ検出装置による検出値が前記第1記憶装置により格納された前記検出値と異なったら前記装着ヘッドの下降を停止するように制御する第2制御装置と、
この停止したときの前記装着ヘッドの高さ位置と設計上の高さ位置との差分を求める算出装置と、
この算出装置により算出された差分を高さオフセット値として格納する第2記憶装置とを備え、
前記差分を求めて高さオフセット値として格納する動作を前記係止板に形成された複数の前記切欠部毎に繰り返すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、装着ヘッドのヘッド高さオフセット値を極力簡単な方法や構造で求めて、基板の傾きや搬送シュートの傾き等を考慮した装着ヘッドのストロークを可変にして、電子部品の実装を確実なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電子部品装着装置の概略平面図である。
図2】電子部品装着装置の搬送シュートを縦断した左側面図である。
図3】搬送シュートの平面図である。
図4】電子部品装着装置の制御ブロック図である。
図5】電子部品装着装置のマスターノズルを下降させた状態であって、搬送シュートを縦断した左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
基板上に電子部品を装着するための所定作業を施す実装作業装置は、例えばプリント基板上に半田ペーストを塗布するスクリーン印刷装置、プリント基板上に接着剤を塗布する接着剤塗布装置、プリント基板上に電子部品を装着する電子部品装着装置などがあるが、以下図1に基づき、この実装作業装置の一例として電子部品装着装置1について、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
この電子部品装着装置1の上流側には、例えば搬送コンベア2Aを備えた前記接着剤塗布装置などの上流装置2が、また下流側には、例えば搬送コンベア3Aを備えた電子部品装着装置などの下流装置3が配設される。
【0015】
そして、前記電子部品装着装置1には、各プリント基板Pの搬送を並列に行なう搬送装置5と、装置本体の手前側と奥側に配設され電子部品を供給する部品供給装置6A、6Bと、一方向に移動可能(図1の紙面の上下方向であるY方向に往復移動可能)な一対のビーム7A、7Bと、それぞれ取出保持具としての吸着ノズル8を備えて前記各ビーム7A、7Bに沿った方向(図1の紙面の左右方向であるX方向)に別個に移動可能な装着ヘッド9A、9Bとが設けられている。
【0016】
前記搬送装置5は供給コンベア5Aと、プリント基板Pを位置決め固定する位置決め部を備えた実装位置コンベア5Bと、排出コンベア5Cとを備えている。そして、前記供給コンベア5Aは前記上流装置2より受けた各プリント基板Pを実装位置コンベア5Bの位置決め部に搬送し、この各位置決め部で位置決め装置により位置決めされた各基板上に電子部品を装着した後、排出コンベア5Cに搬送し、その後前記下流装置3に搬送する構成である。
【0017】
前記実装位置コンベア5Bは、少なくとも一方がプリント基板Pの幅方向(搬送方向と直交する方向)に移動可能な一対の搬送シュート5B1を備え、図2に示すように、各搬送シュート5B1の上部には係止板である係止部5B2が一部プリント基板P方向に向けて内方に突出するように固定されて、プリント基板Pがこの係止部5B2の突出した部分に下方から当接可能となる。また、搬送ベルト5B3上にプリント基板Pの搬送方向と直交する方向の端部が載置されて、前記プリント基板Pは複数のプーリを駆動モータにより回動させることにより搬送ベルト5B3により搬送される。そして、複数のバックアップピンが着脱可能なバックアップテーブルが昇降用駆動源により上昇して前記バックアップピンが前記プリント基板P下面に当接して前記搬送ベルト5B3上の前記プリント基板P(図2の下方のプリント基板Pを参照。)を上昇させた際には、前記プリント基板Pは前記係止部5B2に当接して係止し(図2の上方のプリント基板Pを参照。)、このプリント基板Pの上下方向の位置決めがなされ、プリント基板Pを水平に支持することとなる。
【0018】
また、図3に示すように、一対の搬送シュート5B1上に固定される前記各係止部5B2には、それぞれ3箇所、測定用に切欠かれて切欠部13が形成され、この切欠部13を介して上方から前記搬送シュート5B1が見える。即ち、前記プリント基板Pが上昇した際には、このプリント基板Pの上面は前記係止部5B2下面に当接して係止することとなり、この係止した状態では、前記搬送シュート5B1の上面とプリント基板Pの上面とは同一高さレベルとなる。
【0019】
そして、前記部品供給装置6A、6Bは前記搬送装置5の奥側位置と手前側位置に配設され、取付台であるカート台のフィーダベース上に部品供給ユニット10を多数並設したものである。各カート台は部品供給ユニット10の部品供給側の先端部がプリント基板Pの搬送路に臨むように前記装置本体に連結具を介して着脱可能に配設され、各カート台が正規に装置本体に取り付けられるとカート台に搭載された部品供給ユニット10に電源が供給され、また前記連結具を解除して把手を引くと下面に設けられたキャスタにより移動できる構成である。
【0020】
そして、X方向に長い前後一対の前記ビーム7A、7Bは、一対のY方向モータ11の駆動により左右一対の前後に延びたガイドに沿って個別にY方向に移動する。また、前記ビーム7A、7Bには、その長手方向(X方向)にX方向モータ12によりガイドに沿って移動する前記装着ヘッド9A、9Bが夫々内側に設けられている。
【0021】
従って、各装着ヘッド9A、9Bは向き合うように各ビーム7A、7Bの内側に設けられ、前記装着ヘッド9Aは対応する奥側の前記部品供給装置6Aの部品供給ユニット10から電子部品の取出し作業を行い、前記搬送装置5上のプリント基板Pに装着することができ、装着ヘッド9Bは対応する手前側の部品供給装置6Bから電子部品を取り出して前記プリント基板Pに装着することができる。
【0022】
そして、各装着ヘッド6A、6Bには各バネにより下方へ付勢されている吸着ノズル8が円周上に所定間隔を存して複数本配設されており、この吸着ノズル8は上下軸モータ14により昇降可能であり、またθ軸モータ15により装着ヘッド9A、9Bを鉛直軸周りに回転させることにより、結果として各装着ヘッド9A、9Bの各吸着ノズル8はX方向及びY方向に移動可能であり、垂直線回りに回転可能で、且つ上下動可能となっている。
【0023】
16は装着ヘッド9A、9Bの中心から下方に突出して設けられた部品有無検出及び吸着姿勢(吸着状態)検出の検出手段及び電子部品の厚さの検出手段としてのラインセンサユニットで、各装着ヘッド9A,9Bの略中央部に設けられた支持体9C下部内に発光素子、レンズ等を備えた発光ユニット16Aと、前記発光素子からの光を受光する複数の受光素子であるCCD素子を備えた受光ユニット16Bとから構成される。例えば、装着ヘッド9Aに設けられ部品の吸着を行うと選択された吸着ノズル8による電子部品の吸着動作が終了し、前記吸着ノズル8を支持するノズル支持体が回転する度に、電子部品の下端面の高さ位置を各CCD素子の受光状態より遮光から受光に変わる境界位置として検出することにより電子部品が正常に吸着されているか否かが判別できる。また、ラインセンサユニット16は装着ヘッドの高さ検出装置でもある。
【0024】
17は部品認識カメラで、各装着ヘッド9A、9Bに設けられた各吸着ノズル8に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に装着する前に一括して撮像する。
【0025】
図4は電子部品装着装置1の電子部品装着に係る制御のための制御ブロック図であり、以下説明する。電子部品装着装置1の各要素は電子部品装着装置1の各要素はマイクロコンピュータなどから構成される制御装置20が統括制御しており、記憶装置21が各種データを格納しており、バスライン22を介して両者は接続されている。
【0026】
また、制御装置20には操作画面等を表示する表示装置であるモニタ23及び該モニタ23の表示画面に形成された入力手段としてのタッチパネルスイッチ24がインターフェース25を介して接続されている。また、前記Y方向モータ11、X方向モータ12、ヘッド上下軸モータ14、ノズル上下軸モータ15、θ軸モータ18がそれぞれ動力線26、ドライバ(駆動回路)28、29、30、31、32、通信ケーブル27、インターフェース25を介して前記制御装置20に接続されている。なお、前記制御装置20は制御装置、確認装置、判定装置、算出装置などの機能を果たす。
【0027】
33、34、35、36、37はエンコーダで、前記Y方向モータ11、X方向モータ12、ヘッド上下軸モータ14、ノズル上下軸モータ15、θ軸モータ18にそれぞれ備えられており、前記装着ヘッド9A、9B、前記吸着ノズル8の位置情報を前記ドライバ28、29、30、31、32にフィードバックする。
【0028】
前記記憶装置21には、プリント基板Pの種類毎に装着データが記憶されている。この装着データは、その電子部品の装着順序毎に、装着座標(X座標、Y座標Y、角度)、部品配置番号等から構成される。また、前記記憶装置21には、カート台上に配設された前記各部品供給ユニット8の部品配置番号に対応した各電子部品の種類(部品ID)の部品配置データ等が格納されている。更には、前記記憶装置21には、電子部品の特徴を表す形状データ・認識データ・制御データ・部品供給データから成る電子部品毎の部品ライブラリデータ等が格納されている。
【0029】
38は前記インターフェース25を介して前記制御装置20に接続される認識処理装置で、前記部品認識カメラ17により撮像して取込まれた画像の認識処理が該認識処理装置38にて行われ、制御装置20に処理結果が送出される。即ち、制御装置20は部品認識カメラ17により撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を認識処理装置38に出力すると共に、認識処理結果を認識処理装置38から受取るものである。
【0030】
図2において、40は計測用のマスター保持具であるマスターノズルで、前記装着ヘッド9Aに前記吸着ノズル8に代えて取り付けられる。このマスターノズル40は、前記吸着ノズル8の設計上の上下方向の長さと同じである。
【0031】
ここで、装着ヘッドの高さオフセット値を求める方法について、以下図2及び図4に基づいて、説明する。先ず、前記マスターノズル40を、前記吸着ノズル8に代えて一方の装着ヘッド9Aに取り付ける。そして、モニタ23に表示されたタッチパネルスイッチ24である計測スイッチ部を押圧操作すると、前記装着ヘッド9Aが平面方向に移動して搬送シュート5B1の切欠部13の上方へ移動する。そして、前記制御装置20はノズル上下軸モータ15を駆動させて、前記マスターノズル40をそのフランジ面40Aが図2の点線で示す位置(高さレベル)から実線で示す位置に下降させて、前記ラインセンサユニット16による検出位置に来るように下降させる。
【0032】
次に、前記ラインセンサユニット16が前記フランジ面40Aの位置を検出し、即ち発光ユニット16Aの発光素子からの光を複数の受光素子であるCCD素子を備えた受光ユニット16Bが受光して、前記フランジ面40Aの位置を検出し、前記制御装置20は前記記憶装置21にその検出値を格納させる。
【0033】
次いで、前記制御装置20はヘッド上下軸モータ14を駆動させて、前記装着ヘッド9Aを下降させる。そして、前記装着ヘッド9Aの下降により、例えばバネを備えた前記マスターノズル40の下端が係止部5B2の切欠部13を介して搬送シュート5B1上面に当接することにより、例えばマスターノズル40が接続されたノズルシャフトに設けられたバネ或いはマスターノズル40に設けられたバネが縮み、前述したようなノズル上下軸モータ15を駆動させて得られた前記マスターノズル40の前記フランジ面40Aの装着ヘッド9Aに対する位置が僅かに上昇する。
【0034】
そして、フランジ面40Aが僅かに上昇したことを前記ラインセンサユニット16が検出し、前記記憶装置21に記憶されている値と変わるので、制御装置20は前記装着ヘッド9Aの下降を停止するように制御する。
【0035】
そして、前記フランジ面40Aの位置が変化して前記装着ヘッド9Aの下降が停止したときに、即ち前記マスターノズル40が搬送シュート5B1上面に当接したときの前記フランジ面40Aの位置(電子部品装着装置1に対する高さ位置)H1と、前記記憶装置21に予め記憶されている設計値である前記フランジ面40Aの位置H2との差分L1を前記制御装置20は求める。そして、この差分L1は前記装着ヘッド9Aを下降させたときのフランジ面(装着ヘッド9Aの底面)9aの位置H3と、前記記憶装置21に予め記憶されている設計値である前記フランジ面9aの位置H4(設計上の高さ位置)との差分と同じで装着ヘッド9Aの高さオフセット値でもある。

【0036】
なお、マスターノズル40の下端が搬送シュート5B1の上面に当たったとき、マスターノズル40が上昇する量は、ラインセンサユニット16が検出可能な極く僅かな量であり、装着ヘッド9Aの高さオフセット値である差分L1に対して無視できる量である。
【0037】
そして、以上のような測定を、図3に示すように、例えば6箇所の切欠部13毎の各測定点h1〜h6までの6箇所において順に行い、各測定点h1〜h6での装着ヘッド9Aの高さオフセット値を求める。更には、同様に、装着ヘッド9Bにも前記マスターノズル40を取り付けて、各測定点h1〜h6での装着ヘッド9Aの高さオフセット値を求め、記憶装置21に格納させてもよい。
【0038】
この装着ヘッド9Aの高さオフセット値を利用することにより、搬送シュート5B1の傾き、装着ヘッド9A、9Bの組み付けのバラツキを考慮した装着ストロークを可変することが可能となる。
【0039】
次に、装着ヘッド9Aの高さオフセット値の利用について、以下説明すると、プリント基板Pの位置決めした場合の、そのプリント基板Pを図3において1点鎖線で示すように6分割して、このプリント基板Pの前記実装エリアm1〜m6において、各測定点h1〜h6の前記各高さオフセット値を利用して、高さ教示を実施する。
【0040】
この場合の前記実装エリアm1〜M6におけるプリント基板Pの高さレベルの計算例について、以下説明する。簡単な手法として、例えば各測定点h1〜h6の各高さオフセット値をそのまま、対応する各実装エリアm1〜m6におけるプリント基板Pの高さオフセット値として利用する。
【0041】
また、このような利用に限らず、他の利用の仕方でもよく、制御装置が以下のように計算して求めて利用しても良い。即ち、ある実装点p1(実装位置)のプリント基板Pの高さオフセット値P1を、この実装点p1近傍の4測定点h1、h2、h4、h5の高さオフセット値HP1、HP2、HP4、HP5を利用して直線補間してもよい。例えば、実装点p1の高さオフセット値P1を(HP1×(B−b1)/B+HP2×(B−b2)/B)×(A−a1)/A+(HP4×(B−b1)/B)+HP5×(B−b2)B)×(A−a2)/Aから求める。
【0042】
なお、Aは一対の搬送シュート5B1、5B1上にそれぞれ固定される一対の係止部5B2と5B2間の長さであり、Bは測定点h1とh2との間の長さである。また、a1は図3の左の係止部5B2と実装点p1との間の長さで、a2は図3の右の係止部5B2と実装点p1との間の長さで、b1は図3の測定点h1と実装点p1のY座標との間の長さで、b2は図3の測定点h2と実装点p1のY座標との間の長さである。
【0043】
以上のような計算で求めた高さオフセット値を、プリント基板P上に電子部品を装着する際の吸着ノズル8の下降に際して利用するものである。
【0044】
次に、前記高さオフセット値を活用して、プリント基板P上へ電子部品を装着する動作について、説明する。先ず、タッチパネルスイッチ24に設けられた運転開始スイッチが作業管理者により操作されると、制御装置20は運転が開始するように制御する。即ち、供給コンベア5Aから実装位置コンベア5Bへプリント基板Pが取り込まれると、実装位置コンベア5Bの位置決め部にて位置決め固定し、前記制御装置20は各部品供給ユニット10の上方へ装着ヘッド9A又は9Bを移動させるように、Y方向モータ11、X方向モータ12を制御して、また所定の吸着ノズル8が回転して下降するようにθ軸モータ15、ヘッド上下軸モータ14及びノズル上下軸モータ15を制御して、各部品供給ユニット10から該当する電子部品を吸着ノズル8が連鎖吸着して取出す。
【0045】
そして、前記Yモータ11、Xモータ12を駆動させてXY方向に移動を開始し、プリント基板P上に電子部品を装着するために移動する途中で装着ヘッド9A又は9Bを部品認識カメラ17の上方を通過させて、各吸着ノズル8に吸着保持されている電子部品を部品認識カメラ17により撮像し(フライ認識)、部品の認識処理動作が前記認識処理装置26により行われる。
【0046】
この部品認識動作が終了すると、前記記憶装置21に格納された前記装着データにおける装着座標にこの認識結果を加味して吸着ノズル8に対する電子部品のズレを補正して、即ち制御装置20は前記Yモータ11、Xモータ12、ヘッド上下軸モータ14及びノズル上下軸モータ15、θ軸モータ18を制御して、前記装着データの装着順序に従い電子部品のプリント基板Pへの装着動作が行われる。
【0047】
この場合、前記ヘッド上下軸モータ14及びノズル上下軸モータ15を駆動させて、装着ヘッド9A、9B及び吸着ノズル8を下降させてプリント基板P上に電子部品を装着する際に、予め前記記憶装置21に格納された移動量に前述したように求めた前記高さオフセット値を考慮して調整した距離(補正されたストローク)を下降するように、前記ヘッド上下軸モータ14の駆動を制御して下降させる。この場合、前記ノズル上下軸モータ15の駆動を制御して、前記調整した距離を下降するように制御して下降させてもよい。
【0048】
即ち、前記装着データに基づく装着位置がどの前記実装エリアm1〜m6に属するのかを制御装置20が決定して、前記実装エリアm1〜m6に対応する測定点における前記各高さオフセット値を利用して前述した補正を行ったり、前述したように、この実装点(装着位置)近傍の4測定点の各高さオフセット値を利用して直線補間して求めた実装点の高さオフセット値を利用して前述した補正を行ってもよい。
【0049】
また、前述した実施形態においては、初めにマスターノズル40を下降させた後、高さ検出装置であるラインセンサユニット16により装着ヘッド9Aの高さを検出し、その後に装着ヘッド9Aを下降させて、再び装着ヘッド9Aの高さを検出するようにしたが、マスターノズル40を下降させずにラインセンサユニット16により装着ヘッド9Aの高さを検出するようにしてもよい。
【0050】
以上のように、本発明は、装着ヘッド9A、9Bのヘッド高さオフセット値を極力簡単な方法や構造で求めて、基板としてプリント基板Pの傾きや搬送シュート5B1の傾き等を考慮した装着ヘッド9A、9Bのストロークを可変にして、電子部品の実装を確実なものにすることができる。具体的には、電子部品に与えられる装着荷重が一定とすることができ、電子部品の割れや装着ずれが起こることを極力防止して、電子部品の実装を確実なものにすることができる。
【0051】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0052】
1 電子部品装着装置
5 搬送シュート
5B2 係止部
8 吸着ノズル
9A、9B 装着ヘッド
13 切欠部
14 ヘッド上下軸モータ
15 ノズル上下軸モータ
16 ラインセンサユニット
20 制御装置
21 記憶装置
40 マスターノズル
P プリント基板
図1
図2
図3
図4
図5