特許第6016711号(P6016711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016711
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】フィンの製造方法およびフィン
(51)【国際特許分類】
   B23P 15/26 20060101AFI20161013BHJP
   F28F 1/30 20060101ALI20161013BHJP
   B21D 53/08 20060101ALI20161013BHJP
   B21D 13/02 20060101ALI20161013BHJP
   B21D 13/04 20060101ALI20161013BHJP
   B21D 43/02 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   B23P15/26
   F28F1/30 A
   B21D53/08 K
   B21D13/02
   B21D13/04 B
   B21D43/02 D
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-115434(P2013-115434)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-233779(P2014-233779A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100185487
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 哲生
(72)【発明者】
【氏名】篠原 健二
(72)【発明者】
【氏名】小林 誠
【審査官】 村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−120040(JP,A)
【文献】 特開2006−136905(JP,A)
【文献】 特開2007−301615(JP,A)
【文献】 特開2007−301616(JP,A)
【文献】 特開2002−178068(JP,A)
【文献】 特開2005−066665(JP,A)
【文献】 国際公開第98/09745(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 15/26
B21D 13/02
B21D 13/04
B21D 43/02
B21D 53/08
F28F 1/30
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィンの製造方法であって、
材料の送り方向に、前記材料の幅方向における中央部に特定の形状を成形する特定形状成形工程と、
前記材料の幅方向における前記特定の形状の両側に、波形を成形する波形成形工程と、
前記波形に歯車を噛み合わせ、前記歯車を駆動して前記材料の送りを行う工程と、
を含み、
前記特定形状成形工程は、前記材料の送り方向に、波形を成形する工程であって、
前記波形成形工程は、前記材料の幅方向における前記特定形状成形工程で成形される波形の両側に、前記特定形状成形工程で成形される波形よりもピッチが大きい波形を成形する工程である、
ことを特徴とするフィンの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のフィンの製造方法であって、
前記材料から、前記歯車を噛み合わせる波形を切断する工程を含む、
ことを特徴とするフィンの製造方法。
【請求項3】
フィンであって、
中央部に成形された特定の形状と、
前記特定の形状と平行に、前記特定の形状の両側に成形された波形と、
を有し、
前記特定の形状は、前記フィンの厚み方向の凹凸を有する波形であって、
前記両側に成形された波形は、前記中央部に成形された前記波形よりもピッチが大きい、
ことを特徴とするフィン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器に用いられるフィンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、帯状材料に波形を連続して成形し、波形に噛み合わせた歯車を駆動して材料送りを行う装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−301616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱交換器に用いられる波形フィンは、特許文献1に記載の波形フィンのように波形を千鳥状にオフセットさせたり、波形のピッチを小さくしたりすることで、冷却効率を向上させることができる。
【0005】
しかしながら、波形のオフセット量が大きい場合は、波形の谷部の幅がそれだけ狭くなるので、波形に噛み合わせる歯車の強度が確保できなくなったり、歯車を噛み合わせることができなくなったりして、歯車による材料送りができなくなるという問題があった。また、波形のピッチを小さくした場合も同様に、歯車による材料送りができなくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、波形の谷部の幅に関係なく、歯車による材料送りを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、フィンの製造方法であって、材料の送り方向に、前記材料の幅方向における中央部に特定の形状を成形する特定形状成形工程と、前記材料の幅方向における前記特定の形状の両側に、波形を成形する波形成形工程と、前記波形に歯車を噛み合わせ、前記歯車を駆動して前記材料の送りを行う工程と、を含み、前記特定形状成形工程は、前記材料の送り方向に、波形を成形する工程であって、前記波形成形工程は、前記材料の幅方向における前記特定形状成形工程で成形される波形の両側に、前記特定形状成形工程で成形される波形よりもピッチが大きい波形を成形する工程である、ことを特徴とするフィンの製造方法が提供される。
【0008】
また、本発明の別の態様によれば、フィンであって、中央部に成形された特定の形状と、前記特定の形状と平行に、前記特定の形状の両側に成形された波形と、を有し、前記特定の形状は、前記フィンの厚み方向の凹凸を有する波形であって、前記両側に成形された波形は、前記中央部に成形された前記波形よりもピッチが大きい、ことを特徴とするフィンが提供される。
【発明の効果】
【0009】
これらの態様によれば、両側に成形した波形に歯車を噛み合わせて、材料の送りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る波形フィンの製造工程を示す模式図である。
図2】波形に歯車を噛み合わせた状態を示す図である。
図3図2のIII−III断面図である。
図4図2の矢視Aである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る波形フィンの製造工程を示す模式図である。図2は、波形に歯車を噛み合わせた状態を示す図である。
【0013】
波形フィン1の製造工程は、波形成形装置2と、材料送り装置3と、フィン打ち抜き装置4と、を備えて構成される。波形フィン1は、オイルクーラのインナーフィンである。
【0014】
波形成形装置2は、帯状材料5に波形をプレス成形する装置である。
【0015】
波形成形装置2は、図2に示すように、帯状材料5の中央部に、第1波形51を帯状材料5の送り方向に連続して成形し、帯状材料5の幅方向における第1波形51の両側に、同様に第2波形52を成形する。
【0016】
第1波形51は、帯状材料5の幅方向に千鳥状になるように、帯状材料5の送り方向にオフセットして成形された複数の波形51aにより構成される。第2波形52は、断面形状が波形51aと同じ形状である。また、第2波形52の幅は、図2に示すように、後述する歯車31が噛み合うように、波形51aの幅よりも広く設定される。
【0017】
波形成形装置2で第1波形51及び第2波形52がプレス成形された帯状材料5は、波形成形装置2の後に設けられた自由落下区間Fを通って、材料送り装置3によりフィン打ち抜き装置4に送られる。
【0018】
自由落下区間Fは、波形成形装置2のプレス工程の成形速度や送り量と、材料送り装置3が帯状材料5を送る速度や送り量とに違いがあることから、材料送り装置3が波形成形装置2から帯状材料5を直接引っ張ることがないように、帯状材料5に弛みを持たせる区間である。
【0019】
材料送り装置3は、上記のように、帯状材料5をフィン打ち抜き装置4に送る装置であり、2つの歯車31と基台32とを備える。
【0020】
2つの歯車31は、帯状材料5に成形された第2波形52と噛合う歯を有する。材料送り装置3は、図2に示すように、第2波形52に歯車31が噛み合った状態で、図示しないモータにより歯車31を回転駆動させて、帯状材料5の送りを行う。
【0021】
基台32は、歯車31の下側に配置される。基台32と歯車31との間の隙間は、第2波形52に歯車31が噛合った状態で帯状材料5が通るように設定され、歯車31を回転駆動させると、帯状材料5が基台32の上面に沿って送られる。
【0022】
第1波形51は、上記のように、オフセットして成形された複数の波形51aにより構成されるので、図3に示すように、第1波形51の谷部の幅W1は、波形51aの谷部の幅W2よりもオフセット量dだけ狭くなる。
【0023】
したがって、オフセット量dが大きい場合は、歯車の歯を薄くしなければ第1波形51に歯車を噛み合わせることができず、歯の掛かりも浅くなるので、歯車の強度を確保することができない。そして、波形51aのオフセット量dがさらに大きい場合は、第1波形51の谷部が無くなり、歯車を噛み合わせることができなくなる。また、歯車の幅を薄くして1つの波形51aに噛み合わせることが考えられるが、この場合も、歯車の強度を確保することができない。
【0024】
これに対して、第2波形52は、第1波形51のようにオフセットしていないので、図4に示すように、第1波形51よりも谷部の幅W3が広くなる。また、上記のように、第2波形52の幅は、波形51aの幅よりも広く設定される。したがって、歯を薄くしたりすることなく、歯車31を噛み合わせることができ、これにより、第1波形51の谷部の幅W1に関係なく、材料送りを行うことができる。なお、上記のように、第2波形52は、断面形状が波形51aと同じ形状であり、谷部の幅W3=谷部の幅W2となる。
【0025】
また、第2波形52により帯状材料5の送りを行うことができるので、第1波形51の波形51aのオフセット量dを自由に設定でき、波形フィン1を備えたオイルクーラの冷却効率を向上させることができる。
【0026】
フィン打ち抜き装置4は、第1波形51から波形フィン1を打ち抜くプレス装置であり、材料送り装置3の2つの歯車31の内側に設けられる。
【0027】
フィン打ち抜き装置4により打ち抜かれた波形フィン1は、シュータ41から排出され、切断された第2波形52を含む残りの帯状材料5は、廃材として処理される。
【0028】
これにより、波形フィン1の全面を、オフセット成形された第1波形51のみで構成することができ、波形フィン1を備えたオイルクーラの冷却効率を向上させることができる。
【0029】
なお、第2波形52を、帯状材料5の幅方向における両端に成形することで、波形フィン1を打ち抜いた後の廃材の量を最小限にでき、材料の歩留まりを向上させることができる。
【0030】
また、第2波形52に歯車31を噛み合わせて帯状材料5の送りを行うので、帯状材料5の送り方向において、歯車31に近い位置ほど帯状材料5の送り量が正確になる。したがって、フィン打ち抜き装置4を2つの歯車31の内側に設けることで、波形フィン1のプレス精度を高めることができ、ばりやかえりの発生を抑制することができる。
【0031】
以上、述べたように、上記態様によれば、第1波形51の両側に、オフセットしていない第2波形52を成形するので、第1波形51の谷部の幅W1に関係なく、第2波形52に歯車31を噛み合わせて、材料送りを行うことができる。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体例に限定する趣旨ではない。
【0033】
例えば、オフセットして成形した波形に歯車を噛み合わせることが可能でも、材料が薄板であり、歯車を噛み合わせることで変形してしまうような場合には、本発明を適用することで、オフセットして成形した波形を変形させることなく、材料送りを行うことができる。
【0034】
また、上記実施形態では、第1波形51がオフセット成形されているが、第1波形がオフセットしていなくても、波形のピッチを小さくした場合には、波形に噛み合わせる歯車の強度が確保できなくなったり、歯車を噛み合わせることができなくなったりするので、第1波形に歯車を噛み合わせて材料を送ることができない。このような場合には、第1波形の両側に、第1波形よりもピッチが大きい第2波形を成形することで、上記実施形態と同様に、第1波形の谷部の幅に関係なく、第2波形に歯車を噛み合わせて材料送りを行うことができる。
【0035】
また、上記実施形態では、帯状材料5の中央部に第1波形51が成形されているが、波形以外の形状が成形されている場合でも、中央部に成形された形状の両側に波形を成形することで、上記実施形態と同様に、波形に歯車を噛み合わせて材料送りを行うことができる。
【0036】
また、波形フィン1を、オイルクーラのインナーフィンとしているが、アウターフィンであってもよい。また、例えば、ラジエータ、チャージエアクーラ、ヒータコア、EGRクーラ、燃料クーラ等の放熱器、コンデンサ、エバポレータ等の凝縮器、排熱回収機等のインナーフィンやアウターフィンであってもよい。
【0037】
また、第1波形51から波形フィン1を打ち抜いているが、上記のような様々な製品に合わせて、第2波形52を残した形状としてもよく、例えば、帯状材料5を所定の間隔で切断しただけの矩形のフィンとしてもよい。
【0038】
また、本発明におけるフィンには、波形フィン1のように製品に用いられる状態のものだけでなく、帯状材料5に第1波形51及び第2波形52を成形しただけの中間状態のものも含まれる。
【符号の説明】
【0039】
1 波形フィン(フィン)
31 歯車
5 帯状材料(材料)
51 第1波形(特定の形状、複数の波形、波形)
52 第2波形(波形、異なる波形、ピッチが大きい波形)
図1
図2
図3
図4