(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電子機器の状態を示す機器状態情報を前記電子機器から取得するエージェント部へ前記機器状態情報の取得指示を送信し、前記エージェント部から前記機器状態情報を受信するリモートメンテナンスサーバー内のコンピューターに、
前記電子機器の稼動スケジュール情報を取得する第1ステップと、
サービス端末装置により指定された前記機器状態情報の取得指示の送信タイミングが、前記稼動スケジュール情報に基づく稼働時間外である場合、顧客データベースから顧客管理情報を取得し、前記顧客管理情報に基づいて前記取得指示の推奨送信タイミングを特定し、特定した前記推奨送信タイミングを前記サービス端末装置に通知する第2ステップと、
を実行させ、
前記顧客管理情報は、顧客稼働日情報およびサービスパーソン訪問スケジュールを含み、
前記取得指示の推奨送信タイミングは、前記顧客稼働日情報および前記サービスパーソン訪問スケジュールにおける訪問日時情報に基づいて決定されること、
を特徴とする機器管理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る機器管理システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すシステムでは、複数の画像形成装置101,201,301が、保守サービスのそれぞれの顧客側に設置されている。保守サービス提供者側には、リモートメンテナンスサーバー1が設置されている。リモートメンテナンスサーバー1は、保守サービスのために、複数の画像形成装置101,201,301から機器状態情報を取得する。
【0014】
リモートメンテナンスサーバー1は、ネットワーク2に接続されている。また、画像形成装置101は、ネットワーク2に接続されており、画像形成装置201は、ネットワーク2に接続されている端末装置202に接続されており、画像形成装置301は、ネットワーク2に接続されておらず、スタンドアローンとなっている。ただし、画像形成装置301の近傍には、近距離無線通信で画像形成装置301と無線通信可能なモバイル端末装置302が存在し、モバイル端末装置302は、ネットワーク2に無線接続可能である。モバイル端末装置302は、顧客サイトに訪問するフィールドサービスパーソンが携帯しているものである。
【0015】
ネットワーク2に接続可能な画像形成装置101、端末装置202、およびモバイル端末装置302は、それぞれ、エージェント部111,211,311を有する。エージェント部111,211,311は、それぞれ、画像形成装置101,201,301の現時点の状態を示す機器状態情報を取得し、ネットワーク2を介してリモートメンテナンスサーバー1へ送信する機能(スナップショット機能)を有する。
【0016】
この機器状態情報は、イベントログ、装置内の消耗品(トナー、ドラムなど)の状態、各種カウンター情報などを含む。
【0017】
リモートメンテナンスサーバー1には、サービス端末装置3が接続される。サービス端末装置3は、例えば保守サービス提供者側のサービスセンターなどに設置され、遠隔のセンター内のサービスパーソンにより使用され、そのサービスパーソンによる操作に従って、サービス端末装置3からリモートメンテナンスサーバー1へ、機器状態情報の取得指示、取得された機器状態情報の送信要求などが出力される。
【0018】
さらに、
図1に示すシステムでは、顧客データベース401が設けられており、リモートメンテナンスサーバー1およびサービス端末装置3からアクセス可能となっている。なお、顧客データベース401は、リモートメンテナンスサーバー1に内蔵されていてもよい。
【0019】
顧客データベース401は、例えばCRM(Customer Relationship Management)サーバーであり、画像形成装置101,201,301の顧客についての顧客管理情報を含んでいる。顧客管理情報は、画像形成装置101,201,301の顧客についての、顧客稼働日情報、サービスパーソン訪問スケジュール、画像形成装置101,201,301の設置機器(つまり、管理対象の機器)の台数情報などを含む。
【0020】
また、上述のエージェント部111,211は、リモートメンテナンスサーバー1からのメッセージ表示指示に基づいて、画像形成装置101,202の操作パネルに、メッセージ画面を表示させる機能(デジタルノート機能)も有する。そして、センター内のサービスパーソンによる操作に従って、サービス端末装置3からリモートメンテナンスサーバー1へ、メッセージ表示指示などが送信される。
【0021】
図2は、
図1における画像形成装置101,201,301の基本的な構成を説明するブロック図である。
【0022】
画像形成装置101,201,301は、電子機器であって、ここでは、複合機である。
【0023】
画像形成装置101,201,301は、操作パネル11、印刷装置12、画像読取装置13、ファクシミリ装置14、通信装置15、および制御装置16を備える。
【0024】
操作パネル11は、画像形成装置101,201,301の筺体上面側に配置され、ユーザーに対して画面を表示する表示装置21およびそのユーザーによる操作を受け付ける入力装置22を有する。表示装置21は、例えば、液晶ディスプレイなどである。また、入力装置22は、例えば、ハードキー、表示装置21とともにソフトキーを実現するタッチパネルなどである。
【0025】
印刷装置12は、画像データに基づく画像を例えば電子写真方式で印刷する内部装置である。画像読取装置13は、原稿から原稿画像を光学的に読み取り、その原稿画像の画像データを生成する内部装置である。ファクシミリ装置14は、原稿画像のファクシミリ信号を送信したり、ファクシミリ信号を受信してファクシミリ信号から原稿画像の画像データを生成する内部装置である。通信装置15は、ネットワークインターフェイス、モデム、例えばUSB(Universal Serial Bus)といった周辺機器インターフェイス、例えばブルートゥース(商標)といった近距離無線通信インターフェイスなどである。
【0026】
制御装置16は、コンピューターを有し、図示せぬ記憶装置または記録媒体からプログラムをロードし、そのプログラムをコンピューターで実行して、各種処理部として動作する。制御装置16では、表示制御部23および機器設定部24として動作する。
【0027】
表示制御部23は、操作パネル11の表示装置21の画面表示を制御する。
【0028】
機器設定部24は、例えば操作パネル11に対するユーザー操作より指定された設定値を、各種設定項目に設定する。
【0029】
例えば、機器設定部24は、ユーザー操作に基づいて、画像形成装置101,201,301の稼動スケジュール情報を新たに設定したり変更したりする。稼動スケジュール情報としては、ウィークリータイマー設定、カレンダー設定、夜間出力禁止設定などがある。ウィークリータイマー設定では、曜日や時間帯ごとに電源のオン/オフが設定される。カレンダー設定では、日にち単位で電源のオン/オフが設定される。夜間出力禁止設定では、夜間の稼動停止時間帯が設定される。
【0030】
なお、画像形成装置101の場合、図示していないが、制御装置16においてエージェント部111が実現される。また、エージェント部111,211,311は、各装置101,202,302内のコンピューターによりプログラムが実行されることで実現される。
【0031】
図3は、
図1におけるリモートメンテナンスサーバー1の構成を示すブロック図である。リモートメンテナンスサーバー1は、通信部31、および演算処理部32を有する。
【0032】
通信部31は、サービス端末装置3との間でデータ通信を行う通信回路と、ネットワーク2を介してデータ通信を行う通信回路とを有する。
【0033】
演算処理部32は、コンピューターを有し、図示せぬ記憶装置または記録媒体からRAM(Random Access Memory)へ機器管理プログラムをロードし、その機器管理プログラムをCPU(Central Processing Unit)で実行することにより、各種処理部として動作する。具体的には、演算処理部32は、通信処理部41、データ管理部42、およびスケジュール管理部43として動作する。
【0034】
通信処理部41は、通信部31を使用して、サービス端末装置3との間でデータ通信を行うとともに、ネットワーク2を介してエージェント部111,211,311との間でデータ通信を行う。
【0035】
データ管理部42は、エージェント部111,211,311から受信された機器状態情報を図示せぬ記憶装置、データベースなどに記憶する。
【0036】
スケジュール管理部43は、機器状態情報の取得対象となる画像形成装置101,201に対応するエージェント部111,211へ機器状態情報の取得指示を送信し、機器状態情報の取得に成功した場合、通信部31および通信処理部41で、エージェント部111,211から機器状態情報を受信する。
【0037】
なお、受信された機器状態情報は、データ管理部42により、画像形成装置の識別情報などに関連付けられて記憶され、データ管理部42は、保守サービス提供者側のサービス端末装置3からの要求に応じて、機器状態情報をサービス端末装置3へ送信する。
【0038】
スケジュール管理部43は、(a)画像形成装置101,201の稼動スケジュール情報を取得し、(b)サービス端末装置3により指定された機器状態情報の取得指示の送信タイミングが、稼動スケジュール情報に基づく稼働時間外である場合、顧客データベース401から顧客管理情報を取得し、顧客管理情報に基づいて取得指示の推奨送信タイミングを特定し、特定した推奨送信タイミングをサービス端末装置3に通知する。
【0039】
また、スケジュール管理部43は、サービス端末装置3から、機器状態情報の取得指示の送信タイミングを設定するための設定指示を受け付ける。スケジュール管理部43は、サービス端末装置3から設定指示を受け付けると、設定指示により設定される送信タイミングが、稼動スケジュール情報に基づく稼働時間外である場合、ただちに、顧客データベース401から顧客管理情報を取得し、顧客管理情報に基づいて取得指示の推奨送信タイミングを特定し、特定した推奨送信タイミングをサービス端末装置3に通知する。一方、設定指示により設定される送信タイミングが、稼動スケジュール情報に基づく稼働時間内である場合、スケジュール管理部43は、送信タイミングを設定し、その送信タイミングになると、エージェント部111,211へ機器状態情報の取得指示を送信する。
【0040】
さらに、この実施の形態では、取得指示の推奨送信タイミングは、顧客稼働日情報およびサービスパーソン訪問スケジュールにおける訪問日時情報に基づいて決定される。
【0041】
さらに、この実施の形態では、取得指示の推奨送信タイミングは、上述の台数情報が示す設置機器の台数に応じて、画像形成装置101,201,301とは別の設置機器に対する取得指示の送信タイミングとは異なるタイミングに決定される。これにより、特定のタイミングで、リモートメンテナンスサーバー1による機器状態情報の取得が集中せずに済む。
【0042】
次に、
図1に示すシステムにおける機器管理の処理について説明する。
【0043】
図4および
図5は、
図1に示すシステムにおける機器管理の処理について説明するシーケンス図である。ここでは、エージェント部111を使用した画像形成装置101の管理について説明するが、画像形成装置201についても、エージェント部211を使用して同様の管理を行うことができる。
【0044】
エンドユーザーが画像形成装置101の操作パネル11を操作して、稼動スケジュールを新たに設定したり変更したりするために、稼動スケジュール情報を入力すると、機器設定部24は、その稼動スケジュールを機器設定として画像形成装置101に登録する(ステップS1)。そして、機器設定部24は、稼動スケジュールに関する機器設定の登録するときに、稼動スケジュールに関する機器設定の追加および/または変更が発生したことを示すイベント通知をエージェント部111に出力する(ステップS2)。
【0045】
エージェント部111は、そのイベント通知を受け付けると、通信装置15を使用して、ネットワーク2を介して、リモートメンテナンスサーバー1へ、そのイベント通知を送信する(ステップS3)。
【0046】
リモートメンテナンスサーバー1では、スケジュール管理部43が、通信処理部41および通信部31を使用して、そのイベント通知を受信すると、そのイベント通知の送信元であるエージェント部111に対して、稼動スケジュール情報要求を送信する(ステップS4)。
【0047】
エージェント部111は、その要求を受信すると、機器設定部24から、稼動スケジュールに関する機器設定を取得し(ステップS6)、稼動スケジュール情報として、通信装置15を使用して、ネットワーク2を介して、リモートメンテナンスサーバー1へ送信する(ステップS7)。
【0048】
リモートメンテナンスサーバー1では、スケジュール管理部43が、通信処理部41および通信部31を使用して、その稼動スケジュール情報を受信すると、画像形成装置101の識別情報に関連付けて記憶する(ステップS8)。
【0049】
このように、画像形成装置101の稼動スケジュールが追加または変更されるたびに、リモートメンテナンスサーバー1におけるスケジュール管理部43が記憶する、画像形成装置101の稼動スケジュール情報が更新される。
【0050】
他方、サービスパーソンが、画像形成装置101の機器状態情報の取得タイミングの設定指示のための操作をサービス端末装置3に対して行うと、サービス端末装置3は、その操作を検出し(ステップS21)、画像形成装置101の機器状態情報の取得タイミングの設定指示をリモートメンテナンスサーバー1へ出力する(ステップS22)。
【0051】
リモートメンテナンスサーバー1では、スケジュール管理部43が、通信処理部41および通信部31を使用して、その設定指示を受け付けると、ただちに、画像形成装置101の稼働スケジュール情報を参照し、その設定指示により指定されている取得タイミングが、稼働スケジュール情報に基づく稼働時間内であるか否かを判定する。
【0052】
そして、
図4に示すように、スケジュール管理部43が、その取得タイミングが、画像形成装置101の稼働スケジュール情報に基づく稼働時間内であると判定した場合(ステップS23)、その取得タイミングを図示せぬタイマーにセットし(ステップS24)、セットした取得タイミングを示す設定完了通知を、サービス端末装置3に出力する(ステップS25)。サービス端末装置3は、その設定完了通知を受け付けると、設定完了メッセージおよびセットした取得タイミングをサービスパーソンに対して表示する。
【0053】
その後、スケジュール管理部43は、タイマーによって取得タイミングの到来を検出すると(ステップS41)、エージェント部111に対して機器状態情報の取得指示を送信する(ステップS42)。
【0054】
この場合、その取得タイミングが、画像形成装置101の稼働スケジュール情報に基づく稼働時間内であるので、機器状態情報の取得に成功する可能性が高い。エージェント部111が、画像形成装置101の機器状態情報の取得に成功した場合(ステップS43)、その機器状態情報をリモートメンテナンスサーバー1へ送信する(ステップS44)。
【0055】
リモートメンテナンスサーバー1では、その機器状態情報が受信されると、データ管理部42は、その機器状態情報を記憶し(ステップS45)、その後、サービスパーソンの操作するサービス端末装置3からの閲覧要求に応じて、その機器状態情報をサービス端末装置3に出力する(ステップS46)。サービス端末装置3は、その機器状態情報を受け付けると、サービスパーソンに対して表示する。
【0056】
一方、
図5に示すように、スケジュール管理部43が、その取得タイミングが、画像形成装置101の稼働スケジュール情報に基づく稼働時間外であると判定した場合(ステップS51)、その取得タイミングをタイマーにセットせずに、顧客データベース401から顧客管理情報を取得し顧客管理情報に基づいて推奨取得タイミング(つまり、取得指示の推奨送信タイミング)を特定し(ステップS52)、設定拒否および指定された取得タイミングが稼働時間外であることを示す警告通知を、推奨取得タイミングとともに、サービス端末装置3に出力する(ステップS53)。サービス端末装置3は、その警告通知および推奨取得タイミングを受け付けると、警告メッセージおよび推奨取得タイミングをサービスパーソンに表示する(ステップS54)。
【0057】
そして、そのサービスパーソンは、取得タイミングの設定を断念するか、取得タイミングの再設定をする。
【0058】
そのサービスパーソンは、取得タイミングの再設定をする場合、別の取得タイミングの入力操作を再度行う。通常、サービスパーソンは、推奨取得タイミングが問題なければ、推奨取得タイミングを入力する。その場合、
図5に示すように、サービス端末装置3は、その操作を検出すると(ステップS55)、画像形成装置101の機器状態情報の取得タイミングの設定指示をリモートメンテナンスサーバー1へ出力する(ステップS56)。
【0059】
そして、推奨取得タイミングが入力された場合、スケジュール管理部43が、その取得タイミングが、画像形成装置101の稼働スケジュール情報に基づく稼働時間内であると判定した場合(ステップS23)、その取得タイミングを図示せぬタイマーにセットし(ステップS24)、セットした取得タイミングを示す設定完了通知を、サービス端末装置3に出力する(ステップS25)。サービス端末装置3は、その設定完了通知を受け付けると、設定完了メッセージおよびセットした取得タイミングをサービスパーソンに対して表示する。
【0060】
なお、推奨取得タイミングは、顧客管理情報に基づいて決定されており、かつ、通常、稼働スケジュール情報は、その顧客管理情報内の顧客稼働日情報などに相反することはないので、推奨取得タイミングが稼動時間内であると判定される。
【0061】
以上のように、上記実施の形態によれば、リモートメンテナンスサーバー1は、(a)画像形成装置101,201の稼動スケジュール情報を取得し、(b)サービス端末装置3により指定された機器状態情報の取得指示の送信タイミングが、稼動スケジュール情報に基づく稼働時間外である場合、顧客データベース401の顧客管理情報に基づいて取得指示の推奨送信タイミングを特定し、特定した推奨送信タイミングをサービス端末装置3に通知する。
【0062】
これにより、保守サービス提供者側により指定されたタイミングで画像形成装置101,201から機器状態情報を取得できる可能性が高くなり、画像形成装置101,201の保守サービスを円滑に行うことができるようになる。
【0063】
なお、上述の実施の形態は、本発明の例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0064】
例えば、上記実施の形態において、エージェント部111,211が稼動スケジュールに関する機器設定の追加および/または変更が発生するたびにイベント通知を送信せずに、リモートメンテナンスサーバー1が、ポーリングなどで、エージェント部111,211から、稼動スケジュールに関する機器設定の追加および/または変更が発生したか否かを問い合わせてもよい。