(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016739
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】ガスタービン用のモジュール式ブレードまたはベーン、および、こうしたブレードまたはベーンを備えたガスタービン
(51)【国際特許分類】
F01D 5/18 20060101AFI20161013BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20161013BHJP
F02C 7/16 20060101ALI20161013BHJP
F01D 9/02 20060101ALI20161013BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20161013BHJP
F01D 25/12 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
F01D5/18
F02C7/00 D
F02C7/16 A
F01D9/02 102
F01D25/00 X
F01D25/12 E
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-179557(P2013-179557)
(22)【出願日】2013年8月30日
(65)【公開番号】特開2014-47788(P2014-47788A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2013年12月25日
(31)【優先権主張番号】12182327.2
(32)【優先日】2012年8月30日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヘアベアト ブランドル
【審査官】
齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04650399(US,A)
【文献】
米国特許第08162617(US,B1)
【文献】
特開2009−167860(JP,A)
【文献】
特開2006−242050(JP,A)
【文献】
特開2005−054776(JP,A)
【文献】
特開2012−137089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/18
F01D 9/02
F01D 25/00
F01D 25/12
F02C 7/00
F02C 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン用のモジュール式ブレード(30)またはベーン(31)であって、
架台平面(56)および開口(66)を規定する平坦面もしくは輪郭面を有する架台部(53)と、前記架台部(53)を通って延在する翼(32)との各モジュール要素を備え、
前記翼(32)は、
前記翼(32)の長手軸線(55)に沿って延在し、前記ガスタービンのブレード支持体またはベーン支持体への固定のための根部(35)、および、先端部(36)、および、前記翼(32)の前記根部(35)から前記先端部(36)へ延在する少なくとも1つの内部通路(46)を含む支持構造体(33)と、
前記支持構造体(33)を覆うように所定の距離(37)を置いて延在し、前記翼(32)の外輪郭(40)を規定する、エアロダイナミックに成形された外殻(34)と、
前記支持構造体(33)と前記外殻(34)との間に長手方向で延在するギャップ(48)と、
前記内部通路(46)から前記ギャップ(48)へ冷却媒体(49)を方向づけるための、前記支持構造体(33)内の複数の貫通孔(47)と
を備える、
モジュール式ブレード(30)またはベーン(31)において、
前記外殻(34)は、前記架台部(53)の前記架台平面(56)よりも下方の領域で第1のジョイントを介して前記支持構造体(33)に組み合うよう接続されており、さらに、少なくとも1つの付加的ジョイントを介して前記支持構造体(33)に接続されており、
前記少なくとも1つの付加的ジョイントは、前記外殻(34)と前記支持構造体(33)との間で長手方向の相対運動を可能にする形状適合ジョイントであり、
前記支持構造体(33)の外面(38)と前記外殻(34)の内面(39)とに、熱輸送を促進させるための複数の渦流発生部(58)が設けられており、
前記複数の渦流発生部(58)は、前記外殻(34)を支持するように構成された肋材もしくは脚材であり、
前記少なくとも1つの付加的ジョイントは、前記翼(32)の前記先端部(36)の部材(41)に形成された溝(59)に嵌合する前記外殻(34)の縁(51,52)を含み、
前記先端部の部材(41)は側板もしくは先端部キャップであり、
前記少なくとも1つの付加的ジョイントは、冷却媒体(49)の漏れを許容する、
ことを特徴とするモジュール式ブレード(30)またはベーン(31)。
【請求項2】
前記外殻(34)を前記支持構造体(33)に接続する前記第1のジョイントは、溶接ジョイントもしくはろう付けジョイントもしくは保持ジョイントである、請求項1記載のモジュール式ブレード(30)またはベーン(31)。
【請求項3】
前記外殻(34)を前記支持構造体(33)に接続する前記第1のジョイントは、ガス密である、請求項1または2記載のモジュール式ブレード(30)またはベーン(31)。
【請求項4】
前記溝(59)は前記翼(32)の前記先端部の部材(41)内に切削されている、請求項1記載のモジュール式ブレード(30)またはベーン(31)。
【請求項5】
前記支持構造体(33)の外面(38)と前記外殻(34)の内面(39)とに、前記外殻(34)を前記支持構造体(33)に側方で固定するための複数の相補的な形状適合部材が設けられている、請求項1記載のモジュール式ブレード(30)またはベーン(31)。
【請求項6】
前記複数の相補的な形状適合部材は鳩尾状部材として構成されている、請求項5記載のモジュール式ブレード(30)またはベーン(31)。
【請求項7】
前記冷却媒体(49)が前記ギャップ(48)へ向かって前記外殻(34)の内面(39)へ導入される、請求項1記載のモジュール式ブレード(30)またはベーン(31)。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載のモジュール式ブレード(30)またはベーン(31)を備えていることを特徴とするガスタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンの技術分野に関しており、請求項1の上位概念記載のモジュール式ブレードまたはベーンに関連する。さらに、本発明は、こうしたブレードまたはベーンを備えたガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービン内の高温ガス温度が増大するにつれ、冷却空気の大規模な消費を防止するための特別な材料および/または特別な設計(例えば冷却スキーマなど)を使用しなくてはならなくなる。特別な材料および/または特別な設計は、部分的には、インレー加工によっておよび/または主構造体への部材挿入によって行われる。
【0003】
ガスタービン機関の翼に対する壁近傍での冷却スキーマは、文献US5720431に示されている。ここに示されている翼は中央索領域に2重壁構造を有しており、ここでは内壁と外壁との間で翼の各側に規定される径方向の複数の供給路が設けられている。径方向に延在する中央供給室が2つの内壁の間に規定されている。翼の後縁は、後縁通路の列を規定する2つの外壁を有する従来の1重壁の構造を有する。
【0004】
ただし、都合の悪いことに、こうした翼では、後縁の2重壁構造の界面領域に応力のかかる状況が発生する。また、当該分野の専門家の教説によれば、壁近傍での冷却スキーマの生産率は商業的に存続可能なレベルにない。
【0005】
文献WO2011058043には、ガスタービンの高温ガス通路での特別な要求に対処するために、母材となる金属に部材を挿入すること(特別な材料および/または特別な設計)が提案されている。この文献の
図4に対応する本願の
図1aには、モジュール式タービンブレード10が示されている。ここでは、異なる材料から形成される付加的な部材が中央翼11に接合されており、付加的な部材には前縁13、後縁15、翼端部12が含まれる。緩衝層14は、それぞれ異なる熱膨張係数を有する要素間の応力を低減するために、前縁13の部材と中央翼11との間に設けられる。
【0006】
つまり、ブレード翼のうち特に負荷を受ける領域を、材料を考慮して、他の領域とは異なるように設計することができる。中央翼11および縁13,15はその下方端部で架台16内へ進入する。架台16は高温ガス通路の境界であり、下方の根部17を保護している。
【0007】
しかし、こうした周知の手段は、根部を備えた翼と架台とを設け、さらに、その他の別個の要素および別個の取り付け手段を設ける設計を基礎としている。このため、異なる材料を用いている領域間の不連続な移行部が、ブレード翼の領域で支配的な極端な温度条件にさらされる。
【0008】
文献EP2189626A1には、特にガスタービン用の、別様のモジュール式ロータブレード装置20が示されている。このロータブレード装置はブレード支持体に固定可能であり、いずれの場合にも翼部材21と架台部材22とを含む。ここで、ブレード列の架台部材22は連続的な内部側板を形成する。こうしたロータブレード装置では、翼部材21と架台部材22とが個別の部材として形成され、いずれの場合にもブレード支持体に個別に固定されることにより、機械的な分離が達成され、耐用期間が延長される。こうした配置構成の1つの例によると(
図1bを参照)、ロータブレード装置20はエアロダイナミクス上効率の良い翼部材21と、下方で翼部材21に接合されかつ架台部材22によって取り巻かれている柄部23と、下方でこの柄部23に接合するブレード根部24とを含む。この根部は翼部材21をブレード支持部に固定するためのものである。翼部材21はそれぞれ異なる材料から成る複数のセクションから形成されている。例えば、前縁および後縁は翼の残りの部分とは異なる材料から形成されている。
【0009】
架台部材22は、翼部材21を通って延在する開口25を有する。この手段により、それぞれ異なる材料から成る複数のセクションは、下方の、翼部材21のうち架台部材22によって取り巻かれた領域内へ延在する。異なる材料から成る複数の領域間の移行部は、高温ガス通路の領域で直接に支配的な極端な温度条件にさらされる。このため、架台から翼への移行部への応力レベルは著しく低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US5720431
【特許文献2】WO2011058043A1
【特許文献3】EP2189626A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の第1の課題は、ブレードないしベーンの機械的安定性および保全性が改善されるように個々の要素が配置され、さらに、少量の冷却媒体でブレードないしベーンの内部の効果的な冷却が可能なガスタービン用モジュール式ブレードまたはベーンを提供することである。
【0012】
本発明の第2の課題は、こうしたブレードないしベーンを備えたガスタービンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの課題は、独立請求項に記載された特徴によって解決される。有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0014】
本発明の第1の特徴によれば、ガスタービン用のモジュール式ブレードまたはベーンであって、架台平面および開口を規定する平坦面もしくは輪郭面を有する架台部と、架台部を通って延在する翼との各モジュール要素を備え、翼は、翼の長手軸線に沿って延在し、ガスタービンのブレード支持体またはベーン支持体への固定のための根部、および、先端部、および、翼の根部から先端部へ延在する少なくとも1つの内部通路を含む支持構造体と、支持構造体を覆うように所定の距離を置いて延在し、翼の外輪郭を規定する、エアロダイナミックに成形された外殻と、支持構造体と外殻との間に長手方向で延在するギャップと、内部通路からギャップへ冷却媒体を方向づけるための、支持構造体内の複数の貫通孔とを備える、モジュール式ブレードまたはベーンにおいて、外殻が、架台部の架台平面よりも下方の領域で第1のジョイントを介して支持構造体に組み合うよう接続されており、さらに、少なくとも1つの付加的ジョイントを介して支持構造体に接続されており、少なくとも1つの付加的ジョイントが、外殻と支持構造体との間で長手方向の相対運動を可能にする形状適合ジョイントである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1a】従来技術(WO2011/058043およびEP2189626)から公知のガスタービン用のモジュール式ブレードを示す図である。
【
図1b】従来技術(WO2011/058043およびEP2189626)から公知のガスタービン用のモジュール式ブレードを示す図である。
【
図2】本発明のモジュール式ブレードの部分上面図である。
【
図3】本発明の実施例によるモジュール式ブレードの部分側面図である。
【
図4】外殻の先端部を固定する実施形態a−cを示す詳細図である。
【
図5】本発明のモジュール式ベーンの第1の形態の詳細な部分側面図である。
【
図6】本発明のモジュール式ベーンの第2の形態の詳細な部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の有利な一実施形態によれば、外殻を支持構造体に接続する第1のジョイントは、溶接ジョイントもしくはろう付けジョイントもしくは保持ジョイントである。
【0017】
本発明のさらなる実施形態によれば、第1のジョイントはガス密である。
【0018】
本発明の有利な別の実施形態によれば、外殻を支持構造体に接続する少なくとも1つの付加的ジョイントは、翼の先端部の部材内に成形された溝に嵌合する外殻の縁を含む。
【0019】
有利には、溝は側板内もしくは先端部キャップ内に形成されている。
【0020】
本発明の有利な別の実施形態によれば、少なくとも1つの付加的ジョイントは、ギャップから高温ガス通路への冷却媒体の漏れを許容する。
【0021】
本発明の第2の特徴によれば、根部と先端部との間の支持構造体の外面と外殻の内面とに設けられた複数の相補的な形状適合部材によって、外殻が支持構造体に横方向で固定される。有利には、相補的な形状適合部材は鳩尾状ジョイントとして構成される。
【0022】
一方では、こうしたジョイントの構成により、外殻と支持構造体とが長手方向で相対運動し、熱膨張および(ブレードが回転する場合の)遠心力による膨張が補償される。他方では、こうしたジョイントの構成により、横方向での外殻変形、例えば内側もしくは外側への皺寄りが防止される。
【0023】
冷却媒体、有利には冷却空気は、支持構造体の根部の吸気口を通って支持構造体内の1つまたは複数の冷却空気通路へ導入される。少なくとも1つの通路が翼の根部から先端部へ延在しており、この通路に沿って冷却空気に対する複数の供給孔が配置されている。内部通路からの空気は、これらの供給孔を通って、支持構造体の外面とエアロダイナミックに成形された外殻の内面との間に規定されるギャップへ流れ、外殻を内部から冷却する。有利には、空気が供給孔から外殻の内面へ入り、効果的な冷却が達成される。
【0024】
本発明の第3の特徴によれば、冷却空気はギャップに沿って翼の先端部へ向かい、先端部のギャップから高温ガス通路へ供給される。ギャップのこの領域では、冷却空気が用いられることにより、支持構造体の外面および/または外殻の内面に、熱輸送を促進する渦流発生部、例えば肋材もしくは脚材が設けられる。さらに、個々の渦流発生部は外殻を支持するように構成され、これにより外殻の構造的保全性が高まる。
【0025】
本発明のモジュール式ブレードないしベーンは、従来技術の手段に比べて次のような複数の利点を有する。
・本発明のブレードないしベーンの製造は簡単かつ効率的に行える。負荷用支持構造体は単純な直線状コアを有するので、容易に成形可能である。支持構造体の外面の冷却手段も成形ないし機械加工が容易である。これにより費用を大幅に節約できる。
・本発明のさらに重要な利点として、効率的な冷却が達成されることが挙げられる。冷却媒体は小さな圧力損失のみで直線状の内部通路を輸送され、供給孔から支持構造体と外殻との間のギャップへ流れる。冷却空気はギャップを大きな速度で通過するので、高速の対流冷却が可能である。
・また、供給孔は外殻の内壁への通気のために用いることもでき、これにより付加的に冷却効果が高まるので、各要素の耐用期間が増大し、および/または、冷却媒体も少量で済む。冷却媒体の使用量が低減されるため、ガスタービン機関のパフォーマンスも高まる。
【実施例】
【0026】
以下に、図を参照しながら、本発明の実施例を説明する。図中、同様の機能を有する要素には同様の参照番号を付してある。以下では、説明のために、本発明を完全に理解するための多数の詳細例を挙げる。しかし、本発明はこうした詳細例によらなくても実施可能であり、これらに限定されるものでない。
【0027】
図2には、本発明の構成によるガスタービン用のモジュール式ブレードないしベーンの部分斜視図が示されている。ブレード30ないしベーン31の翼32は、根部35から先端部36へ長手方向に延在する負荷支持構造体33と、支持構造体33の外面38を覆うように所定の距離37で延在し、翼32の外輪郭を規定する、エアロダイナミックに成形された外殻34とを含む。支持構造体33は一体のユニットとして構成されてもよいし、個別の複数の部材を組み立てることによって構成されてもよい。翼32は先端部36でキャップ41によって封止されている。
【0028】
外殻34は、圧力側42、吸引側43、前縁44、後縁45を規定している。外殻34は、ガスタービンの仕様に応じて、支持構造体33とは異なる材料から製造できる。外殻34は、一体のユニットとして構成されてもよいし、2つ以上の部材を組み立てることによって構成されてもよい。例えば、外殻34は、2つのハーフシェルを支持構造体33に取り付けることによって構成できる。
【0029】
支持構造体33は、ブレード支持体ないしベーン支持体内の貯蔵室から翼の先端部36へ向かう冷却空気49の流れを調整するための少なくとも1つの内部通路46を含む。支持構造体33の壁には、少なくとも1つの内部通路46を支持構造体33の外面38と外殻34の内面39との間のギャップ48へ接続する複数の孔47が設けられている。冷却空気49はこれらの孔47からギャップ48へ流れる。有利には、冷却空気49は外殻34の内面39へ導入され、効果的な冷却のために用いられる。冷却空気49はギャップ48を通って外殻34の排出孔50から排出されるが、ギャップ48に沿って排出孔50へ向かって流れる際に、外殻34は対流によって冷却される。排出孔50は圧力側42および/または吸引側および/または前縁44および/または後縁45に膜状冷却部48を有するか、または、各排出孔50が外殻34の外面51ないし内面52と支持構造体33との間に、
図4,
図6に詳細に示されているような空隙を有する。
【0030】
図3には、本発明のブレード30の側面部分図が示されている。架台53の下方で負荷支持構造体33が(図示されていない)ターボ機械のブレード支持体の鋸歯状溝に相補的に嵌合する鋸歯状部54を形成している。架台53は個別に成形されており、US5797725に記載されているように、溶接接続部、ろう付け接続部、保持接続部を介して負荷支持構造部33にジョイント接続されている。外殻34は、長手方向で、軸線55に対して平行に、架台平面56の下方の部分から翼の先端部36へ向かって延在している。外殻34は、架台平面56の下方で、適切な接続法、例えば溶接ないしろう付けによって、負荷支持構造体33に組み合うように接続されている。このように、当該部分で、固定の気密なジョイントが形成される。翼の先端部36では外殻34と負荷支持構造体33とが熱膨張の補償が可能となるように接続される。先端部の固定の有利な実施例は
図4のa−cに示されている。
【0031】
さらに、外殻34および負荷支持構造体33には、外殻34を横方向で支持するポジティブロック部材が設けられる。
図2に示されているような接続のための鳩尾状部材57が外殻34を支持し、横方向の変形を防止するが、長手軸線55に沿った相対運動は許容され、これにより熱膨張と遠心力によって生じる膨張とが補償される。
【0032】
負荷支持構造体33の外面38および/または外殻34の内面39には、熱輸送を促進させるための複数の渦流発生部58が設けられる。これは、外殻34と冷却媒体49との間の熱輸送を促進する肋材などである。
【0033】
なお、個々の渦流発生部58の高さは、ギャップ48の幅に応じて定められる。このようにすることにより、渦流発生部58は機械的なストッパ(間隔保持部)として機能し、外殻34の内側への変形を、特に翼32の圧力側42で防止する。
【0034】
図4のa−cには、翼の先端部36を外殻34で固定し、かつ、外殻34と負荷支持構造体33との間の相対運動を許容する有利な実施例の詳細が示されている。上述したように、モジュール式ブレードないしベーンの個々の要素は熱膨張に曝され、ブレードが回転する場合には遠心力にも曝されるので、外殻34は長手方向の一方端で所定の空隙をもって固定される必要がある。
【0035】
回転式ブレードの場合、外殻34の固定ジョイントは遠心力を吸収しなければならない。このため、外殻34と支持構造体33との間の固定ジョイントは根部35内に設けられ、一方、翼の先端部36では外殻34と負荷支持構造体33とが相対運動を許容するように接続される。こうした配置の結果、外殻34はブレード30の回転中に張力を受け、これにより皺寄りなどの変形に対してさらに安定化される。
【0036】
図4のaによれば、外殻34は先端部の部材41の下方側の溝59内で終端する。このような先端部の部材41は、例えば先端部キャップもしくは側板部材として構成される。溝59の深さおよび幅は冷却媒体49の漏れが許容されるように選定される。溝49の輪郭は適切なマシニングプロセスによって切削加工される。
【0037】
外殻34を翼の先端部36に固定する別の実施例が
図4のbに示されている。先端部36では負荷支持構造体33は翼32の外輪郭へ向かって拡大しており、これにより外殻34の上縁51に重なっている。重なり部分の下方側では、上縁51が側板60に嵌合するよう、側板60が切削されている。側板60の外縁の包囲溶接部61が外殻34をその位置でロックする。
【0038】
図4のcには先端部を固定する他の実施例が示されている。先端部の部材41の下方側の側板、例えば側板部材はストップバー62によって外方向で制限されている。
【0039】
図5,
図6には本発明によるベーン31の側面部分図が示されている。
図5には外殻34および支持構造体33および架台53の外径での固定の例が示されており、
図6のa,bでは支持構造体33および外殻34および架台53をベーン31の内径に配置する2つの実施例が示されている。
【0040】
図5の実施例によれば、支持構造体33は翼32の端部へ向かって拡大しており、これにより外殻34の外縁51に重なっている。重なり部分63の内側では側板60が切削され、外殻34の縁51と側面64の一部とによって側板60が支持される。適切な手法、例えば溶接、ろう付けなどによって、外殻34が支持構造体33に組み合うように接続される。固定ジョイントの背後では支持構造体33および外殻34が所定の距離37で配置されており、長手方向のギャップ48を形成している。なお、冷却用の複数の孔47によって冷却媒体49が支持構造体33の内部通路46からギャップ48へ供給される。高効率の冷却のために、冷却媒体49のジェット流が外殻34の内面39へ導入される。負荷支持構造体33の外面38の渦流発生部58は冷却媒体49の渦流を支援するので、熱輸送の対流が促進される。個々の渦流発生部58は
図3に関連して説明したように間隔保持部として用いられる。
【0041】
支持構造体33の重なり部分63は外側面65を含む。架台53は内面67に係る開口66を有する。支持構造体33の側面65と開口66の内面67とは相補的な形状に設計される。適切な手法、例えばバイメタルモールド、溶接、ろう付けなどにより、架台53は翼32に接続される。
【0042】
図6のaによれば、外殻34の内縁52が支持構造体33の側板60に嵌合している。支持構造体33の重なり部分63の外側面65では架台53が翼32に接続されている。架台53の寸法は支持構造体33の重なり部分63の寸法を上回っているので、溝が形成され、そこで外殻34が終端する。翼の外殻34と架台53との間の付加的な封止部68により、高温ガス通路から溝への高温ガスの侵入が防止される。
【0043】
図6のbによれば、支持構造体33の重なり部分63が
図6のaの実施例に比べて広くなっており、翼の外殻34の内縁52が溝59に通じるよう、重なり部分63が切削されている。付加的に、封止部68を設け、溝59への高温ガスの侵入を防止してもよい。架台53は適切な手法によって支持構造体33の外側面65に接続される。
【符号の説明】
【0044】
10,20,30,31 ブレード/ベーン、 11,21,32 翼、 12 翼端部、 13,44 前縁、 14 緩衝層、 15,45 後縁、 16,53 架台、 17,24,35 根部、 22 架台部材、 23 柄部、 25,66 開口、 33 支持構造体、 34 外殻、 36 先端部、 37 支持構造体33と外殻34との間の距離、 38 支持構造体33の外面、 39 外殻34の内面、 40 翼32の外輪郭、 41 端部の部材(例えばキャップ)、 42 圧力側、 43 吸引側、 46 支持構造体33内の内部通路、 47 冷却媒体用の貫通孔、 48 ギャップ、 49 冷却媒体、 50 排出孔、 51 外殻34の外縁、 52 外殻34の内縁、 54 鋸歯状部、 55 翼の長手軸線、 56 架台平面、 57 鳩尾状部材、 58 渦流発生部、 59 溝、 60 側板、 61 溶接部、 62 ストップバー、 63 支持構造体33の重なり部分、 64 外殻34の側面、 65 支持構造体33の外側面、 67 開口66の側面、 68 封止部