(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
印刷データを含む印刷ジョブと、前記印刷ジョブを指示したユーザーを示すユーザー情報と、前記印刷データに基づく印刷物を使用するイベント及びその開催日時を示すイベント情報とを受信する印刷情報受信部と、
前記印刷データの出力先とされ得る予め定められた画像形成装置の性能を記憶する装置性能記憶部と、
前記印刷ジョブが前記印刷データの出力先として示す画像形成装置の性能を前記装置性能記憶部から読み出し、当該印刷ジョブの示す印刷データの印刷に必要な印刷所要時間を算出する印刷所要時間算出部と、
前記ユーザー情報が示すユーザーについての、前記イベント情報が示すイベントの開催日時におけるスケジュールをユーザースケジュールデータベースから取得するユーザースケジュール取得部と、
前記取得されたスケジュールから、前記ユーザーについて、前記イベントの開催日時よりも前となる空き時間を判定する空き時間判定部と、
前記判定された空き時間内で前記印刷データの印刷を完了可能な印刷開始日時を、前記算出された印刷所要時間を用いて算出する印刷開始日時算出部と、
前記算出された印刷開始日時を記憶し、当該印刷開始日時の到来時に、前記印刷ジョブの示す画像形成装置に前記印刷ジョブを送信して印刷を指示する印刷指示部と、を備え、
前記印刷開始日時算出部は、前記イベントの開催日時に最も近い前記ユーザーの空き時間内で前記印刷開始日時を算出するスケジュール連携印刷サービス装置。
前記空き時間判定部は、前記空き時間と前記印刷所要時間の長短を比較し、前記空き時間判定部により前記空き時間が前記印刷所要時間以上であると判断されたときに、前記印刷開始日時算出部は、当該空き時間帯内での前記印刷開始日時を算出する請求項1に記載のスケジュール連携印刷サービス装置。
前記印刷開始日時算出部は、前記空き時間が前記印刷所要時間よりも短いときは、前記空き時間判定部によって判定される別の空き時間帯内で前記印刷開始日時を算出する請求項2に記載のスケジュール連携印刷サービス装置。
前記印刷開始日時算出部は、前記出力先となる画像形成装置から実行予定の他の印刷ジョブを示すジョブ情報を取得し、当該他の印刷ジョブに基づく印刷を行うための印刷所要時間を前記印刷所要時間に加算した上で、前記空き時間と前記印刷所要時間の長短を比較する請求項2又は請求項3に記載のスケジュール連携印刷サービス装置。
前記印刷開始日時算出部は、前記出力先となる画像形成装置から実行予定の他の印刷ジョブを示すジョブ情報を取得し、当該他の印刷ジョブの実行に要する時間帯以外の時間帯で前記印刷開始日時を算出する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスケジュール連携印刷サービス装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示される技術では、会議日時に合わせて会議資料を印刷できるが、この印刷物を取得すべきユーザーが、印刷時点で画像形成装置の近くにいない状況であっても、当該画像形成装置からは印刷物が出力される。このため、画像形成装置に当該印刷物が出力された状態が放置されやすく、セキュリティー上の問題が生じていた。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、ユーザーが印刷物を入手しやすい時期に印刷を行うことで、印刷物の放置を防止してセキュリティーを確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係るスケジュール連携印刷サービス装置は、印刷データを含む印刷ジョブと、前記印刷ジョブを指示したユーザーを示すユーザー情報と、前記印刷データに基づく印刷物を使用するイベント及びその開催日時を示すイベント情報とを受信する印刷情報受信部と、
前記印刷データの出力先とされ得る予め定められた画像形成装置の性能を記憶する装置性能記憶部と、
前記印刷ジョブが前記印刷データの出力先として示す画像形成装置の性能を前記装置性能記憶部から読み出し、当該印刷ジョブの示す印刷データの印刷に必要な印刷所要時間を算出する印刷所要時間算出部と、
前記ユーザー情報が示すユーザーについての、前記イベント情報が示すイベントの開催日時におけるスケジュールをユーザースケジュールデータベースから取得するユーザースケジュール取得部と、
前記取得されたスケジュールから、前記ユーザーについて、前記イベントの開催日時よりも前となる空き時間を判定する空き時間判定部と、
前記判定された空き時間内で前記印刷データの印刷を完了可能な印刷開始日時を、前記算出された印刷所要時間を用いて算出する印刷開始日時算出部と、
前記算出された印刷開始日時を記憶し、当該印刷開始日時の到来時に、前記印刷ジョブの示す画像形成装置に前記印刷ジョブを送信して印刷を指示する印刷指示部と、を備え
、
前記印刷開始日時算出部は、前記イベントの開催日時に最も近い前記ユーザーの空き時間内で前記印刷開始日時を算出する。
【0007】
また、本発明の一局面に係るスケジュール連携印刷サービスシステムは、コンピューターと、サーバーと、
ユーザースケジュールデータベースと、画像形成装置とを有
するスケジュール連携印刷サービスシステムであって、
前記コンピューターは、
印刷データを含む印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成部と、
前記印刷ジョブと、前記印刷ジョブを指示したユーザーを示すユーザー情報と、前記印刷データに基づく印刷物を使用するイベント及びその開催日時を示すイベント情報とを前
記サーバーに対して送信する通信部と、を備え
前記サーバーは、
前記印刷ジョブ、前記ユーザー情報、及び前記イベント情報を前記コンピューターから受信する印刷情報受信部と、
前記印刷データの出力先とされ得る予め定められた画像形成装置の性能を記憶する装置性能記憶部と、
前記印刷ジョブが前記印刷データの出力先として示す画像形成装置の性能を前記装置性能記憶部から読み出し、当該印刷ジョブの示す印刷データの印刷に必要な印刷所要時間を算出する印刷所要時間算出部と、
前記ユーザー情報が示すユーザーについての、前記イベント情報が示すイベントの開催日時におけるスケジュールをユーザースケジュールデータベースから取得するユーザースケジュール取得部と、
前記取得されたスケジュールから、前記ユーザーについて、前記イベントの開催日時よりも前となる空き時間を判定する空き時間判定部と、
前記判定された空き時間内で前記印刷データの印刷を完了可能な印刷開始日時を、前記算出された印刷所要時間を用いて算出する印刷開始日時算出部と、
前記算出された印刷開始日時を記憶し、当該印刷開始日時の到来時に、前記印刷ジョブの示す画像形成装置に前記印刷ジョブを送信して印刷を指示する印刷指示部と、を備え、
さらに前記印刷開始日時算出部は、前記イベントの開催日時に最も近い前記ユーザーの空き時間内で前記印刷開始日時を算出し、
前記ユーザースケジュールデータベースは、
複数のユーザーについての各スケジュールを記憶するスケジュール記憶部を備え、
前記画像形成装置は、
前記サーバーから前記印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部と、
前記印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像形成を行う画像形成部と、を備える。
【0008】
また、発明の一局面に係るスケジュール連携印刷プログラムは、コンピューターを、
印刷データを含む印刷ジョブと、前記印刷ジョブを指示したユーザーを示すユーザー情報と、前記印刷データに基づく印刷物を使用するイベント及びその開催日時を示すイベント情報とを受信する印刷情報受信部と、
前記印刷データの出力先とされ得る予め定められた画像形成装置の性能を記憶する装置性能記憶部と、
前記印刷ジョブが前記印刷データの出力先として示す画像形成装置の性能を前記装置性能記憶部から読み出し、当該印刷ジョブの示す印刷データの印刷に必要な印刷所要時間を算出する印刷所要時間算出部と、
前記ユーザー情報が示すユーザーについての、前記イベント情報が示すイベントの開催日時におけるスケジュールをユーザースケジュールデータベースから取得するユーザースケジュール取得部と、
前記取得されたスケジュールから、前記ユーザーについて、前記イベントの開催日時よりも前となる空き時間を判定する空き時間判定部と、
前記判定された空き時間内で前記印刷データの印刷を完了可能な印刷開始日時を、前記算出された印刷所要時間を用いて算出する印刷開始日時算出部と、
前記算出された印刷開始日時を記憶し、当該印刷開始日時の到来時に、前記印刷ジョブの示す画像形成装置に前記印刷ジョブを送信して印刷を指示する印刷指示部と、して機能させ
、
さらに前記印刷開始日時算出部は、前記イベントの開催日時に最も近い前記ユーザーの空き時間内で前記印刷開始日時を算出させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、印刷物を取得すべきユーザーの空き時間内に、当該印刷物を画像形成装置に印刷をさせることが可能なので、ユーザーが印刷物を入手しやすい時期に、画像形成装置から印刷物が出力される。このため、ユーザーからの直接的な印刷指示があったタイミングではなく、印刷実行に適する時期として算出される他のタイミングで上記の印刷を行う制御を行う場合であっても、セキュリティーを確保した上で、印刷物を画像形成装置から出力させることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係るスケジュール連携印刷サービス装置、スケジュール連携印刷サービスシステム、及びスケジュール連携印刷プログラムについて図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスケジュール連携印刷サービス装置を含むシステム全体の構成図である。
【0012】
スケジュール連携印刷サービスシステム100は、プリントサーバー1と、コンピューター2と、画像形成装置3と、ユーザースケジュールDB102(以下、ユーザーDB)とを備える。これらプリントサーバー1と、コンピューター2と、画像形成装置3と、ユーザーDB102とは、LAN(Local Area Network)等により互いに接続されている。
【0013】
コンピューター2は、ユーザーからの指示に基づいて、印刷ジョブを生成して当該印刷ジョブをプリントサーバー1に送信する。また、コンピューター2は、ユーザースケジュールDB102と通信し、コンピューター2で管理しているユーザースケジュール情報を、ユーザースケジュールDB102に送信する。
【0014】
ユーザースケジュールDB102は、ユーザースケジュール情報をユーザー毎に記憶するスケジュール記憶部を有し、コンピューター2からの指示に従って当該各ユーザーのスケジュールを記憶、書換、及び削除し、プリントサーバー1が要求するユーザーのスケジュールをプリントサーバー1に送信する。
【0015】
プリントサーバー1は、各コンピューター2からの印刷ジョブを受信してスプールし、印刷実行時期の到来時に、当該印刷ジョブの示す出力先としての画像形成装置3に印刷ジョブを送信して印刷を指示する。プリントサーバー1は、特許請求の範囲におけるスケジュール連携印刷サービス装置及びサーバーの一例である。
【0016】
また、画像形成装置3は、プリントサーバー1から印刷ジョブを受信するデータ送受信部31と、当該印刷ジョブに含まれる印刷データを用いて画像形成(印刷)を行う画像形成部32とを備える。
【0017】
コンピューター2の構成を説明する。
図2はコンピューターの電気的構成を示すブロック図である。
【0018】
コンピューター2は、制御ユニット20と、操作部27と、表示部28とを有する。制御ユニット20は、CPU、RAM、及びROM等からなる。制御ユニット20は、制御部21と、情報記憶部22と、印刷ジョブ生成部23と、通信部24と、スケジューラー25とを備える。
【0019】
制御部21は、コンピューター2の全体的な動作制御を司る。
【0020】
情報記憶部22は、当該コンピューター2の使用者であるユーザーを示すユーザー情報を記憶している。
【0021】
印刷ジョブ生成部23は、図略のHDDに記憶されたプリンタードライバーに従って動作することで、ユーザーによる操作部27の操作で指示されたデータを、画像形成装置3に適したフォーマットに変換して印刷データとし、この印刷データを含む印刷ジョブを生成する。更に、印刷ジョブ生成部23は、当該印刷ジョブに基づいた印刷物を使用する会議(イベントの一例)名称及びその開催日時を有するイベント情報を、操作者による操作部27の操作で入力される内容に従って生成する。
【0022】
通信部24は、印刷ジョブ生成部23によって生成された印刷ジョブ、これに対応するイベント情報、及び情報記憶部22に記憶されているユーザー情報(すなわち、当該印刷ジョブを生成したユーザーを示すユーザー情報)を、LANを通じてプリントサーバー1に送信する。
【0023】
スケジューラー25は、上記のHDDに記憶された予定管理アプリケーションに従って動作することで、当該コンピューター2のユーザーについてのスケジュールを管理する。当該スケジュールは、イベント名称及び当該イベントの開催日時を特定して定められるユーザー予定情報により構成されている。スケジューラー25は、操作者による操作部27の操作で入力されるイベント名称及び当該イベントの開催日時によりユーザー予定情報を作成する。スケジューラー25は、当該ユーザー予定情報を日毎、週毎、又は月毎のカレンダーに従って、対応する時間帯に当てはめて記憶することで、ユーザーの予定がいつ入っているかを管理する。スケジューラー25は、ユーザースケジュールDB102と同期しており、スケジューラー25で管理されているユーザースケジュールはユーザースケジュールDB102にも記憶されている。
【0024】
なお、スケジューラー25は、ユーザースケジュールDB102にアクセスして、当該ユーザースケジュールDB102に記憶されている予定管理アプリケーションに従って動作することで、当該コンピューター2のユーザーについてのスケジュールを管理するようにしてもよい。
【0025】
操作部27は、キーボード、マウス、又はタッチパネルを有し、ユーザーにより、印刷対象とするデータ及びこれに用いる画像形成装置3を指定する印刷指示、スケジュール情報及びその送信指示等が入力される。
【0026】
表示部28は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、操作者に対する操作案内等を表示する。
【0027】
次に、プリントサーバー1の構成を説明する。
図3はプリントサーバーの電気的構成を示すブロック図である。
【0028】
プリントサーバー1は、その制御ユニット10に、制御部11と、印刷情報受信部12と、装置性能記憶部13と、印刷所要時間算出部14と、ユーザースケジュール取得部15と、空き時間判定部16と、印刷開始日時算出部17とを備える。なお、制御ユニット10は、CPU、RAM、及びROM等からなる。
【0029】
制御部11は、プリントサーバー1の全体的な動作制御を司る。
【0030】
印刷情報受信部12は、印刷データを含む上記印刷ジョブと、当該印刷ジョブを作成したユーザーを示すユーザー情報と、この印刷データについての上記イベント情報とをコンピューターから受信する。
【0031】
装置性能記憶部13は、印刷データの出力先とされる予め設定されている画像形成装置3の装置性能を記憶する。本実施形態では、複数の画像形成装置3の装置性能を記憶している。
図4は、各画像形成装置3についての装置性能の例を示す図である。
【0032】
装置性能記憶部13は、
図4に示すように、プリントサーバー1に記憶されている各画像形成装置3(
図3に示す画像形成装置A〜E)について、片面印刷速度、両面印刷速度、ステイプル所要時間、パンチ所要時間等を記憶している。なお、これら各速度としては、例えば、記録紙1枚あたりの所要印刷時間が記憶されている。また、ステイプル又はパンチの所要時間としては、記録紙1束あたりの所要処理時間が記憶されている。
【0033】
印刷所要時間算出部14は、印刷情報受信部12により受信された印刷ジョブを解析し、当該印刷ジョブがその印刷データの出力先として示している画像形成装置3の性能を装置性能記憶部13から読み出し、当該印刷データの印刷に必要な印刷所要時間を算出する。例えば、印刷所要時間算出部14は、印刷ジョブが含む印刷枚数、印刷部数、両面又は片面印刷の別、ステイプル及びパンチ処理の要不要等の情報と、上記読み出した装置性能とを用いて、当該印刷ジョブが示す印刷データを印刷するために必要な印刷所要時間を算出する。
【0034】
ユーザースケジュール取得部15は、印刷情報受信部12に受信された上記ユーザー情報に基づいて、当該ユーザー情報が示すユーザーについてのスケジュールを、ユーザースケジュールDB102から取得する。
【0035】
空き時間判定部16は、ユーザースケジュール取得部15により取得されたスケジュールから、上記イベント情報が示すイベント開催日における上記ユーザーが有する空き時間帯を判定する。
【0036】
例えば、ユーザースケジュールDB102は、
図5に例を示すようなカレンダーを内蔵するスケジュール記憶部1021(
図3)に記憶している。このカレンダーは、ユーザー毎に記憶されている。空き時間判定部16は、上記ユーザーのカレンダーをユーザースケジュールDB102から取得し、上記イベント情報が示すイベントの開催日時に、当該ユーザーの他の予定が記憶されていないかを判断する。ここで、空き時間判定部16は、読み出したカレンダーにおいて、上記イベント開催日時よりも前となる時間帯に、他の予定が記憶されていない時間帯を有すると判断した場合に、当該時間帯を空き時間として判定する。
【0037】
印刷開始日時算出部17は、空き時間判定部16によって判定された空き時間内において、上記受信された印刷データの印刷を完了することが可能となる印刷開始日時を、印刷所要時間算出部14によって算出された印刷所要時間を用いて算出する。
【0038】
制御部(印刷指示部)11は、印刷開始日時算出部17により算出された印刷開始日時を記憶しておき、内蔵するタイマーにより当該印刷開始日時の到来を計時した時に、上記受信した印刷ジョブが示す画像形成装置3に当該印刷ジョブを送信して印刷を指示する。
【0039】
プリントサーバー1には、更にHDD19が備えられている。このHDD19には、本発明の一実施形態であるスケジュール連携印刷プログラムが記憶されている。制御ユニット10は、当該スケジュール連携印刷プログラムに従って動作することにより、上記の制御部11と、印刷情報受信部12と、装置性能記憶部13と、印刷所要時間算出部14と、ユーザースケジュール取得部15と、空き時間判定部16と、印刷開始日時算出部17として機能する。但し、制御部11、印刷情報受信部12、装置性能記憶部13、印刷所要時間算出部14、ユーザースケジュール取得部15、空き時間判定部16、及び印刷開始日時算出部17は、ハード回路により構成されていてもよい。
【0040】
次に、スケジュール連携印刷サービスシステム100による印刷処理の第1実施形態を説明する。
図6はスケジュール連携印刷サービスシステム100の印刷処理におけるコンピューター2による処理を示すフローチャートである。
【0041】
コンピューター2において、ユーザーによる操作部27の操作で印刷対象とするデータが指定されて印刷指示が入力されると、プリンタードライバーが起動される。このとき、制御部21は、
図7に例を示すような画面Dを表示部28に表示させる。ここで、ユーザーが操作部27としてのマウスポインター及びキーボードを操作して、例えばイベントとしての会議の名称及び開催日時を入力すると(S1でYES)、印刷ジョブ生成部22は、ユーザーにより指定された上記データを印刷データとした印刷ジョブを生成する(S2)。コンピューター2には、予め印刷に用いる画像形成装置3用のプリンタードライバーが記憶されているため、印刷対象とするデータの指定による印刷指示に、当該データに基づく印刷物の出力先とする画像形成装置3を指定する指示が含まれる。
【0042】
さらに、印刷ジョブ生成部22は、情報記憶部22から、当該コンピューター2の使用者であるユーザーを示すユーザー情報を読み出す(S3)。通信部24は、当該読み出したユーザー情報と、上記印刷ジョブ、さらに、上記イベント情報をプリントサーバー1に送信する(S4)。
【0043】
次に、プリントサーバー1による処理を説明する。
図8はスケジュール連携印刷サービスシステム100の印刷処理におけるプリントサーバー1による処理を示すフローチャートである。
【0044】
プリントサーバー1において、印刷情報受信部12がコンピューター2から上記ユーザー情報、上記印刷ジョブ、及び上記イベント情報を含む印刷情報を受信すると(S21)、印刷所要時間算出部14は、装置性能記憶部13から当該印刷ジョブが印刷物の出力先として示す画像形成装置3の装置性能を読み出す(S22)。
【0045】
続いて、印刷所要時間算出部14は、上記読み出した画像形成装置3の装置性能に基づいて、上記印刷ジョブに含まれる印刷データについての印刷所要時間を算出する(S23)。
【0046】
例えば、印刷所要時間算出部14は、装置性能記憶部13に記憶されている各画像形成装置3の装置性能(
図4)の中から、上記印刷ジョブの示す画像形成装置3である画像形成装置Cの装置性能を読み出す。例えば、印刷所要時間算出部14は、印刷ジョブの示す印刷内容が、片面印刷、印刷枚数200枚、1部印刷、ステイプル及びパンチ無の場合、画像形成装置Cの片面印刷速度1.5秒/枚から、印刷所要時間を300秒=5分と算出する。
【0047】
続いて、ユーザースケジュール取得部15がユーザースケジュールDB102にアクセスし、ユーザースケジュールDB102から当該ユーザーのスケジュールを取得する(S24)。例えば、ユーザースケジュール取得部15は、ユーザースケジュールDB102から当該ユーザーのカレンダーを読み出し、当該ユーザーの各予定及びその日時を示す情報をスケジュールとして取得する。
【0048】
空き時間判定部16は、ユーザースケジュール取得部15により取得されたスケジュールから、S21で受信された上記イベント情報が示すイベントの開催日における上記ユーザーが有する空き時間であって、当該イベントの開催時刻よりも前の時間帯となる空き時間が存在するかを判定する(S25)。
【0049】
ここで、空き時間判定部16は、当該イベントの開催時刻よりも前の時間帯となる空き時間が存在すると判断した場合に(S25でYES)、上記印刷データの印刷を行う時間帯としての空き時間として判定する(S26)。なお、空き時間判定部16は、当該イベントの開催時刻よりも前の時間帯となる空き時間が複数存在する場合は、いずれかの空き時間を1つ選択する。
【0050】
例えば、
図5に示す例の場合、空き時間判定部16は、上記ユーザーのイベント及びその開催日時がイベント「会議」及び開催時間帯3月15日14時〜16時の場合、当該開催時間帯3月15日14時〜16時の前となる時間帯であって、ユーザーの予定が記憶されていない時間帯を検索する。
図5に示す例の場合、時間帯13時〜14時にはユーザーの予定が記憶されておらず、他の時間帯にはユーザーの予定が入っているため、空き時間判定部16は、開催時間帯3月15日14時〜16時よりも前の時間帯である当該時間帯13時〜14時を空き時間として判定する。
【0051】
続いて、印刷開始日時算出部17は、上記判定された空き時間内で上記印刷ジョブに基づく印刷が完了するように印刷開始日時を算出する(S27)。例えば、
図5に示す例の場合、空き時間が時間帯3月15日13時〜14時であるため、この2時間の間に印刷が完了できる時刻、例えば、印刷所要時間が3分の場合、3月15日13時57分よりも前の時刻を印刷開始日時として算出する。
【0052】
そして、制御部21は、当該算出された印刷開始日時を記憶する(S28)。この後、制御部21は、内蔵するタイマーにより、日時を計測し(S29,S29でNO)、印刷開始日時が到来した時に(S29でYES)、当該画像形成装置3に上記印刷ジョブを送信する(S30)。
【0053】
画像形成装置3は、データ送受信部31が当該印刷ジョブを受信すると、この印刷ジョブに基づいて画像形成部32が印刷を実行する。
【0054】
なお、上記のS25において、空き時間判定部16が、当該イベントの開催時刻よりも前の時間帯となる空き時間が存在しないと判断した場合は(S25でNO)、処理は終了する。
【0055】
この第1実施形態に係る印刷処理によれば、印刷ジョブの実行を指示したユーザーの空き時間、すなわち、他の予定が入っておらず、画像形成装置3が設置されているオフィスに居る可能性が高い時間帯に、当該印刷物を画像形成装置3から出力させることが可能である。これにより、ユーザーが印刷物を入手しやすい時期に画像形成装置3から印刷物が出力され、印刷物の放置が防止される。このため、ユーザーからの直接的な印刷指示があったタイミングではなく、印刷実行に適する時期としてプリントサーバー1により算出される他のタイミングで印刷を行う場合であっても、セキュリティーを確保した上で、印刷物を画像形成装置から出力させることが可能になる。
【0056】
次に、スケジュール連携印刷サービスシステム100による印刷処理の第2実施形態を説明する。
図9はスケジュール連携印刷サービスシステム100の印刷処理におけるプリントサーバー1による処理の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、上記第1実施形態と同様の処理は図示及び説明を省略する。
【0057】
第2実施形態では、第1実施形態に示したS21〜S25の処理と同様の処理が行われ、S25において、空き時間判定部16が、ユーザーの他の予定が記憶されていない時間帯が存在すると判断した場合に(S25でYES)、空き時間判定部16は、更に、当該空き時間が複数であるかを判定する(S31)。
【0058】
空き時間判定部16は、当該空き時間が複数であると判定した場合(S31でYES)、イベント開催日時に最も近い空き時間を選択し(S32)、当該空き時間を、上記印刷データの印刷を行う時間帯としての空き時間として判定する(S33)。
【0059】
印刷開始日時算出部17は、上記判定された空き時間内で上記印刷ジョブに基づく印刷が完了するように印刷開始日時を算出する(S34)。この後は、第1実施形態のS28〜S30と同様の処理であるS35〜S37を行う。
【0060】
例えば、ユーザーのスケジュールが、
図5に示したものである場合、コンピューター2から受信したイベント情報の示すイベント「会議」の開催日時が、3月16日16時〜18時のとき、空き時間判定部16は、複数の空き時間、すなわち、8時〜10時の時間帯、10時〜13時の時間帯、及び14時〜16時の時間帯を、空き時間として判定する。このとき、空き時間判定部16は、イベント「会議」の開催日時3月16日16時〜18時に近い方の時間帯14時〜16時を、上記印刷データの印刷を行う時間帯としての空き時間として判定する。
【0061】
この第2実施形態によれば、イベント開催日時に最も近い空き時間に印刷データの印刷物が画像形成装置3から出力され、印刷物が出力されてからイベントが開催されるまでの期間が短くなるため、印刷物が放置される危険性が低減し、セキュリティー性が更に高まる。
【0062】
次に、スケジュール連携印刷サービスシステム100による印刷処理の第3実施形態を説明する。
図10はスケジュール連携印刷サービスシステム100の印刷処理におけるプリントサーバー1による処理の第3実施形態を示すフローチャートである。なお、上記第1又は第2実施形態と同様の処理は図示及び説明を省略する。
【0063】
第3実施形態では、第1実施形態に示したS21〜S25の処理が行われ、空き時間判定部16が、ユーザーの他の予定が記憶されていない時間帯が存在すると判断した場合(S25でYES)、空き時間判定部16は、更に、当該空き時間が上記算出された印刷所要時間以上の長さであるかを判断する(S51)。
【0064】
ここで、空き時間判定部16が、当該空き時間が上記算出された印刷所要時間よりも短いと判断した場合は(S51でNO)、処理は終了する。
【0065】
一方、空き時間判定部16は、更に、当該空き時間が上記算出された印刷所要時間以上の長さであると判断した場合は(S51でYES)、この判定した空き時間が複数存在するかを判定する(S52)。以降は、第2実施形態に示したS32〜S37と同様の処理であるS53〜S58の処理を行う。
【0066】
例えば、ユーザーのスケジュールが、
図5に示したものである場合、コンピューター2から受信したイベント情報の示すイベント「会議」の開催日時が、3月18日16時〜18時のとき、空き時間判定部16は、これよりも前の空き時間、すなわち、15時55分〜16時の時間帯を、空き時間として判定する。ここで、受信した印刷ジョブの示す印刷内容が、大量の印刷、例えば、印刷枚数300枚、両面印刷、ステイプル及びパンチ処理無、の場合、画像形成装置Cの装置性能の場合、印刷時間900秒=15分を要する。
【0067】
この場合に、印刷開始日時算出部17が、印刷開始日時を、印刷終了時刻が当該空き時間内である15時55分〜16時の間となるように算出すれば、印刷所要時間よりも空き時間の方が短くても、ユーザーは、当該空き時間内に印刷物を入手することができる。
【0068】
しかし、第3実施形態では、上記のように空き時間が印刷所要時間以上の長さである場合にのみ、印刷開始日時算出部17が、この空き時間内での印刷開始日時を算出することにより、空き時間内において印刷の開始から終了までが完結するので、画像形成装置3から出力される第1枚目(第1束目)の記録紙から、ユーザーが画像形成装置3の近傍に存在する可能性が高い状態で出力されることになる。このため、印刷物が放置される事態を更に確実に回避でき、印刷物に対するセキュリティー性が更に向上する。
【0069】
次に、スケジュール連携印刷サービスシステム100による印刷処理の第4実施形態を説明する。
図11はスケジュール連携印刷サービスシステム100の印刷処理におけるプリントサーバー1による処理の第4実施形態を示すフローチャートである。なお、上記第1乃至第3実施形態と同様の処理は図示及び説明を省略する。
【0070】
第4実施形態では、第1実施形態と同様にして、イベントの開催日時よりも前となる空き時間が存在すると判定された後(S25)、印刷開始日時算出部17は、印刷ジョブにより出力先とされる画像形成装置3から、当該画像形成装置3において実行予定の他の印刷ジョブを示すジョブ情報を取得し(S61)、当該他の印刷ジョブに基づく印刷を行うための印刷所要時間を算出する(S62)。なお、画像形成装置3において実行予定の他の印刷ジョブが存在しない場合は、印刷開始日時算出部17は、当然ながら当該印刷所要時間を算出しない。
【0071】
そして、空き時間判定部16は、S23で算出された印刷所要時間に、当該S62で算出した他の印刷ジョブに基づく印刷を行うための印刷所要時間を加算した上で(S63)、空き時間が印刷所要時間以上の長さであるかの判断を行う(S64)。以降は、第3実施形態に示したS52〜S58と同様の処理であるS65〜S71を行う。
【0072】
この第4実施形態によれば、画像形成装置3が他の印刷ジョブを実行する場合であっても、上記判定した空き時間内において印刷の開始から終了までを完結させることができる。このため、画像形成装置3における印刷ジョブの待ち状態を考慮した上で、印刷物が放置される事態を更に確実に回避でき、印刷物に対するセキュリティー性が更に向上する。
【0073】
なお、印刷開始日時算出部17は、出力先とされる上記画像形成装置3から実行予定の他の印刷ジョブを示すジョブ情報を取得し、判定された空き時間内における、当該他の印刷ジョブの実行に要する時間帯以外の時間帯で前記印刷開始日時を算出するようにしてもよい。この場合、空き時間内で印刷を終了できる印刷開始日時を確実に設定でき、印刷物に対するセキュリティー性を更に確保することができる。
【0074】
次に、スケジュール連携印刷サービスシステム100による印刷処理の第5実施形態を説明する。
図12はスケジュール連携印刷サービスシステム100の印刷処理におけるプリントサーバー1による処理の第5実施形態理を示すフローチャートである。なお、上記第1乃至第4実施形態と同様の処理は図示及び説明を省略する。
【0075】
第5実施形態では、第1乃至第4実施形態の上記S25の処理において、イベント開催時刻よりも前となる時間に空き時間が存在しないと判断された場合に(S25でNO)、空き時間判定部16は、当該印刷ジョブの実行依頼日がイベント開催日に限定されているか否かを判断する(S90)。空き時間判定部16は、印刷ジョブの実行依頼日がイベント開催日に限定されているか否かは、印刷ジョブと共に送信されてくる印刷実行依頼日指定情報に基づいて判断する。この印刷実行依頼日指定情報は、当日に限定、又は前日以前も印刷実行許可のいずれかを示す。
【0076】
ここで、空き時間判定部16は、当該印刷ジョブの印刷実行依頼日がイベント開催日に限定されていると判断した場合は(S90でYES)、処理を終了する。
【0077】
一方、ここで、空き時間判定部16は、当該印刷ジョブの印刷実行依頼日がイベント開催日に限定されておらず、前日以前でもよいとされていると判断した場合は(S90でNO)、前日のユーザースケジュールに空き時間があるか否かを判定する(S91)。ここで、空き時間判定部16が空き時間があると判定した場合(S91でYES)、処理は、S83に移る。なお、空き時間判定部16が空き時間がないと判定した場合(S91でNO)、処理は終了する。
【0078】
これにより、印刷物を使用するイベントの開催日にユーザーに空き時間が無くても、当該イベント開催日時よりも前となる別日の空き時間に、画像形成装置3から印刷物を出力してユーザーに提供することが可能になる。
【0079】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、プリントサーバー1の制御部11は、上記印刷開始日時を決定した後、ユーザースケジュールDB102にアクセスして、当該ユーザーのカレンダーの当該印刷開始時刻の時間帯に、印刷物を回収する旨を示すタスクを追加するようにしてもよい。これにより、ユーザーに対して、より明確に、印刷の開始及び終了、更には回収を認識させることができる。
【0080】
また、上記実施形態では、コンピューター2において、ユーザーがイベントの名称や開催日時を入力して、コンピューター2からプリントサーバー1にイベント情報が送信されるとして説明しているが、これに限られず、次のようにしてもよい。例えば、スケジュール連携印刷サービス100が、
図1に破線で示すように、会議等の開催日時のスケジュールの記憶及び管理を行うイベントデータベース101を更に備えるものとする。ユーザーはコンピューター2においてイベント名称(又はイベントを特定するための情報)のみを入力し、コンピューター2からはイベント名称が印刷ジョブ等と共にプリントサーバー1に送信される。プリントサーバー1は、当該イベント名称(又はイベントを特定するための情報)に対応するイベントについての開催日時を、イベントデータベース101から読み出して取得する。
【0081】
また、
図1乃至
図12を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。