(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016763
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/21 20060101AFI20161013BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20161013BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20161013BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20161013BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20161013BHJP
G06T 3/40 20060101ALI20161013BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
H04N1/21
G06F13/00 547V
G06F3/12 302
H04N1/00 C
H04N1/00 107Z
H04N1/387 101
G06T3/40
B41J21/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-256643(P2013-256643)
(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公開番号】特開2015-115792(P2015-115792A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2015年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】下津 友幹
【審査官】
西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−103311(JP,A)
【文献】
特開2007−174177(JP,A)
【文献】
特開2000−035859(JP,A)
【文献】
特開2011−091537(JP,A)
【文献】
特開平05−189557(JP,A)
【文献】
特開2010−118945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/21
B41J 21/00
G06F 3/12
G06F 13/00
G06T 3/40
H04N 1/00
H04N 1/387
G06K 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段の空き容量率を算出する空き容量率算出手段と、
前記空き容量率に対応する前記画像データの解像度上限値を記憶する解像度上限値記憶手段と、
前記画像データの文字や図形が読み取りできるかを判定する画像データ読取判定手段と
を備え、
前記画像データの文字や図形の読み取りができ、前記解像度上限値以下となるように前記画像データの解像度を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像データ読取判定手段により前記画像データの文字や図形が読み取りできないと判定されたときに、前記解像度を上げることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像データ読取判定手段により前記画像データの文字や図形が読み取りできると判定される最も低い前記解像度に変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像データ読取判定手段は、OCR処理を行った画像データにおいてジャギーが発生しているかを判定することで前記画像データの文字や図形の読み取りができないかを判定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像データ読取判定手段は、OCR処理を行った画像データの識字率または誤識字率を判定することで前記画像データの文字や図形が読み取りできるか否かを判定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像データは他の装置から受信することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データの画像の密度(以下、「解像度」という)を変更する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の技術によれば、プリンター、多機能プリンター、多機能周辺装置、又は複合機などのMFP(Multifunction Peripheral)である画像形成装置は、文書をスキャナーで読込み、ユーザーが設定した解像度の画像データを他の画像形成装置に送信することができる。また、画像データを受信した画像形成装置は、画像データに設定された解像度で画像データを保存し、保存した画像データを表示または印刷出力することができる。しかし、高い解像度の画像データはデータサイズが大きいため、記憶装置の容量が小さい画像形成装置では高い解像度が設定された画像データ受信しても保存することができない。このため、事前に送信側の画像形成装置が受信側の画像形成装置の情報を記憶し、この情報により決定した解像度で画像データを受信側の画像形成装置に送信することがある。例えば、特許文献1の情報処理装置では、受信端末の付加情報とメールアドレスから受信端末の対応能力を判別し、電子メールの添付ファイルを受信端末の対応能力に合わせて変換し、受信端末に電子メールの添付ファイル送信するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−312446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の情報処理装置では、受信端末の対応能力に合わせて電子メールの添付ファィルを変換することで添付ファィルのデータサイズを変更することができるが、ユーザーが変更された添付ファィルの文字や図形を読み取ることができない場合があった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段の空き容量率を算出する空き容量率算出手段と、前記空き容量率に対応する前記画像データの解像度上限値を記憶する解像度上限値記憶手段と、前記画像データの文字や図形が読み取りできるかを判定する画像データ読取判定手段とを備え、前記画像データの文字や図形の読み取りができ、前記解像度上限値以下となるように前記画像データの解像度を変更することを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置の前記画像データ読取判定手段により前記画像データの文字や図形が読み取りできないと判定されたときに、前記解像度を上げることを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記画像データ読取判定手段により前記画像データの文字や図形が読み取りできると判定される最も低い前記解像度に変更することを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置の前記画像データ読取判定手段は、OCR処理を行った画像データにおいてジャギーが発生しているかを判定することで前記画像データの文字や図形の読み取りができないかを判定することを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置の前記画像データ読取判定手段は、OCR処理を行った画像データの識字率または誤識字率を判定することで前記画像データの文字や図形が読み取りできるか否かを判定することを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置の前記画像データは他の装置から受信することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置は、ユーザーが文字や図形を読み取ることができ、また適切なデータサイズの画像データの解像度に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る文字や図形の輪郭部分のジャギーを説明する図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能構成を示す図である。
【
図3】
図2に示す解像度上限値テーブルの構成図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る解像度変更処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照して説明する。本発明は、送信側の画像形成装置が設定した解像度の画像データを受信した本発明の画像形成装置が、光学文字認識(以下、「OCR(optical character recognition)」という)処理により画像データを読み取る。次いで、画像形成装置は、
図1に示すようにOCR処理で読み取った文字エリアと図形エリアのデータ(以下、「OCR画像データ」という)により、文字や図形の輪郭部分におけるギザギザ(以下、「ジャギー」という)が発生しているかを判定することで、ユーザーが画像データの文字や図形を読み取ることができないかを判定する。次いで、画像形成装置は、記憶装置の空き容量及びジャギーの発生により解像度を変更し、変更した解像度で画像データを変換して記憶装置に保存する。なお、画像データの解像度は画像データの属性情報として画像データに設定されているものとする。
【0010】
まず、実施形態における画像形成装置100の機能構成について、
図2を用いて説明する。
【0011】
実施形態における画像形成装置100の機能構成について、
図2を用いて説明する。
図2に示す画像形成装置100は、制御部110、補助記憶部120、記憶部130、操作パネル140、操作パネル処理部150、文書読取部160、画像処理部170、画像印刷部180、及びネットワーク通信部190を備えている。これらの各部は、バスなどにより接続される構成となっている。制御部110には、解像度変更処理部110aが設けられている。補助記憶部120には、解像度上限値テーブル120aが設けられている。記憶部130には、画像データ保存エリア130aが設けられている。
【0012】
制御部110は、RAMやROM等の主記憶手段、及びMPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。制御部110は、各種I/O、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、バス、その他バードウェア等のインターフェイスに関連するコントローラ機能を備え、画像形成装置100全体を制御する。また、制御部110は、メモリーやハードディスクなどの全体容量や空き容量などのシステム情報を保持している。
解像度変更処理部110aは、ユーザーが画像データの文字や図形を読み取ることができるかを判定し、読み取ることができないと判定したときに記憶部130の空き容量に基づいて解像度を変更する。解像度変更処理部110aが実行する解像度変更処理については、後述する。
【0013】
補助記憶部120は、フラッシュメモリー等からなる補助記憶装置で、制御部110が実行する処理のプログラムやデータを記憶する。
解像度上限値テーブル120aは、記憶部130の全体容量に対する空き容量の比率(以下、「空き容量率」という)と、記憶部130の空き容量率に対応する解像度の上限値が設定されているテーブルである。解像度上限値テーブル120aの構成については、後述する。
【0014】
記憶部130は、ハードディスクドライブからなる記憶装置で、制御部110が実行する処理のプログラムやデータが記憶される。
画像データ保存エリア130aは、文書読取部160から読み取った文書の画像データと、ネットワーク通信部190が受信した文書の画像データなどを保存する。
【0015】
操作パネル140は、操作画面の表示とユーザーによる操作を受け付ける。操作パネル処理部150は、ユーザーにより選択される操作項目を操作パネル140に表示する処理、操作パネル140からユーザーの操作を入力する処理を行う。
【0016】
文書読取部160は、画像形成装置100の原稿台にセットされた文書の読み取りを行うもので、ユーザーが操作パネル140から読み取り要求を行うことにより、原稿台にセットされた文書の読み取りを行うことができる。
【0017】
画像処理部170は、文書読取部160で読み取られた文書の画像データを印刷可能なイメージやFAXやメールで送信可能なイメージの画像データに変換する。
【0018】
画像印刷部180は、印刷部110から印刷要求のあった画像データを用紙に印刷する機能を備えている。
【0019】
ネットワーク通信部190は、ネットワーク400に接続するための着脱可能なLANインターフェイスを備えている。また、画像形成装置100は、ネットワーク400に接続されている他の画像形成装置200及びPC300などの装置とネットワーク通信部190により通信を行うことができる。
【0020】
次に、解像度上限値テーブル120aの構成について、
図3を用いて説明する。解像度上限値テーブル120aは、画像データの解像度を変更するときに使用するテーブルである。解像度上限値テーブル120aは、
図3に示すように「記憶部の空き容量率」に対応する「解像度上限値」が設定されている。「記憶部の空き容量率」は、記憶部130の空き容量率である。「解像度上限値」とは、「記憶部の空き容量率」に対応する解像度の上限値で、この解像度の上限値まで画像データの解像度を上げることができる。なお、「解像度上限値」の「K1」から「K10」は、「K1」が最も小さい値で「K10」が最も大きい値であり、昇順に設定されている。
例えば、「記憶部の空き容量率」が3%であれば「10以下」の範囲となり、「10以下」に対応する「解像度上限値」は「K1」であるので、画像データの解像度を「K1」まで上げることができる。つまり、記憶部130の空き容量が小さいときには、解像度をユーザーが画像データの文字や図形が読み取ることができるまで上げるようにし、更にできるだけ解像度を低く抑えて画像データのデータサイズを小さくする。また、「記憶部の空き容量率」が85%であれば「81〜90」の範囲となり、「81〜90」に対応する「解像度上限値」は「K9」であるので、画像データの解像度を「K9」まで上げることができる。つまり、記憶部130の空き容量が大きいときには、解像度を低く抑えて画像データのデータサイズを小さくする必要がないので、解像度をユーザーが画像データの文字や図形が読み取ることができるまで上げることができる。
【0021】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置100がネットワーク400に接続されている他の画像形成装置200から受信した画像データの解像度を変更する解像度変更処理部110aの処理について、
図4の解像度変更処理のフローチャートを用いて説明する。
まず、ネットワーク通信部190が他の画像形成装置200から送信された画像データを受信すると、制御部110に画像データ受信通知を出力する。次いで、制御部110が画像データ受信通知を入力すると解像度変更処理部110aを起動し、解像度変更処理部110aが解像度変更処理を開始する。解像度変更処理部110aが実行する解像度変更処理について、
図4に示すフローチャートのステップ順に説明する。
【0022】
(ステップS101)
まず、解像度変更処理部110aは、制御部110が保持している画像形成装置100のシステム情報から記憶部130の全体容量と空き容量を取り出し、記憶部130の空き容量率を算出する。
【0023】
(ステップS102)
次いで、解像度変更処理部110aは、補助記憶部120から解像度上限値テーブル120aを入力する。
【0024】
(ステップS103)
次いで、解像度変更処理部110aは、ステップS101で取り出した記憶部130の空き容量率に対応する解像度上限値を解像度上限値テーブル120aから取り出す。
【0025】
(ステップS104)
次いで、解像度変更処理部110aは、受信した画像データをネットワーク通信部190から入力する。
【0026】
(ステップS105)
次いで、解像度変更処理部110aは、OCR処理により画像データから文字エリアと図形のOCR画像データを作成する。
【0027】
(ステップS106)
次いで、解像度変更処理部110aは、OCR画像データの文字エリアの文字または図形エリアの図形の輪郭部分にジャギーが発生しているかを判定する。文字または図形の輪郭部分にジャギーが発生しているとき(ステップS106のYes)は、ステップS107に進む。文字または図形の輪郭部分にジャギーが発生していないとき(ステップS106のNo)は、ステップS110に進む。
【0028】
(ステップS107)
ステップS106のYesにおいて、解像度変更処理部110aは、画像データに設定されている解像度を取り出す。
【0029】
(ステップS108)
次いで、解像度変更処理部110aは、ステップS107で取り出した解像度がステップS103で取り出した解像度上限値以上であるかを判定する。受信データの解像度が解像度上限値以上であるとき(ステップS108のYes)は、ステップS110に進む。受信データの解像度が解像度上限値以上でないとき(ステップS108のNo)は、ステップS109に進む。
【0030】
(ステップS109)
ステップS108のNoにおいて、解像度変更処理部110aは、画像データの解像度を1段階上げた解像度で画像データを変換し、ステップS105に戻る。
【0031】
(ステップS110)
ステップS106のNoまたはステップS108のYesにおいて、解像度変更処理部110aは、画像データを記憶部130の画像データ保存エリア130aに保存し、解像度変更処理を終了する。
【0032】
以上の実施形態により、送信側の他の画像形成装置200が画像データの解像度を設定しても、受信側の本発明の画像形成装置100により、記憶部130の空き容量の許容範囲において、ユーザーが画像データの文字や図形を読み取ることができる適切な解像度に変更が可能となる。このように解像度が変更された画像データを保存し、保存した画像データを表示及び印刷出力することで、ユーザーは画像データの文字や図形を容易に読み取ることができる。
【0033】
なお、実施形態においては、ジャギーが発生しているときに解像度を上げるようにする解像度変更処理について説明したが、これに限定されない。例えば、画像形成装置100の記憶部130の空き容量率が小さいときにジャギーが発生していない高い解像度の画像データを受信した場合において、ジャギーが発生しない範囲でデータサイズが最も小さい解像度まで画像データの解像度を下げる解像度変更処理とすることも可能ある。
【0034】
また、実施形態においては、OCR画像データによりジャギーが発生しているかを判定したが、OCR処理の識字率または誤識字率が予め設定された値以上か否かを判定することで、ユーザーが画像データの文字や図形を読み取ることができるかを判定することも可能である。更に、ジャギーが発生しているか否かとOCR処理の識字率または誤識字率が予め設定された値以上か否かの両方を組み合わせて、ユーザーが画像データの文字や図形を読み取ることができるかを判定することも可能である。
【0035】
また、実施形態においては、他の画像形成装置200から受信した画像データについて解像度を変更したが、これに限定されない。例えば、文書読取部160が文書を読み取り画像処理部170が予め設定された解像度により作成した画像データについても、同様に解像度を変更することができる。このような場合では、解像度変更処理のステップS104において、画像処理部170から画像データを入力する。
【0036】
また、実施形態においては、他の画像形成装置200から画像形成装置100に画像データを送信する手順について説明したが、これに限定されず、ネットワーク400に接続されているPC300から画像データを受信することも可能である。PC300は、スマートフォン、携帯電話、またはタブレット端末などの端末装置であってもよい。
【0037】
このような本発明の画像形成装置は、ユーザーが文字や図形を読み取ることができ、また適切なデータサイズの画像データの解像度に変更することができる。
【0038】
以上、具体的な実施の形態により本発明を説明したが、上記実施の形態は本発明の例示であり、この実施の形態に限定されないことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、画像形成装置に好適であるが、画像形成装置に限られるものではなく、画像データの解像度を変更できる装置一般に適用できる。
【符号の説明】
【0040】
100・・・・・画像形成装置
110・・・・・制御部
110a・・・・解像度変更処理部
120・・・・・補助記憶部
120a・・・・解像度上限値テーブル
130・・・・・記憶部
130a・・・・画像データ保存エリア
140・・・・・操作パネル
150・・・・・操作パネル処理部
160・・・・・文書読取部
170・・・・・画像処理部
180・・・・・画像印刷部
190・・・・・ネットワーク通信部
200・・・・・他の画像形成装置
300・・・・・PC
400・・・・・ネットワーク