【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係る流体配管系統の更新工法は、既設管の一方側端部が第1既設本管に連通接続され且つ前記既設管の他方側端部が第2既設本管に連通接続されてなる流体配管系統において、前記既設管を設定工区単位で新設管に更新する流体配管系統の更新工法であって、下記の(1)〜(10)の工程を備えた点にある。
(1)前記既設管内の流路における流体の通流を維持したままの不断流状態で、前記既設管の一方側端部に設けられた第1既設仕切弁とこれに最も近い第1次設定工区内の需要家の引込管に対する接続部位との間に、前記既設管内の流路を遮断可能な第1遮断弁を設ける工程、
(2)前記第1既設仕切弁及び前記第1遮断弁が閉弁操作された状態で、前記既設管における前記第1既設仕切弁と前記第1遮断弁との間の管部を切断撤去する工程、
(3)前記既設管における前記第1遮断弁の前記第1既設本管側に位置する管端部に、当該管端部を密封状態で閉塞する第1閉塞部材を設ける工程、
(4)前記需要家の引込管内の流体の通流が遮断された状態で、前記既設管における前記第1既設仕切弁の前記第2既設本管側に位置する管端部と前記需要家の引込管とを第1バイパス管により接続して、前記第1既設仕切弁を開弁操作する工程、
(5)前記第1次設定工区内の前記既設管における前記第2既設本管側の工区終端相当部位に、前記不断流状態で、前記既設管内の流路を遮断可能な第2遮断弁を設ける工程、
(6)前記第2遮断弁が閉弁操作された状態で、前記既設管における前記第2遮断弁の前記第1既設本管側の部位を切断するとともに、前記既設管における前記第2遮断弁の前記第1既設本管側の管端部に、当該管端部を密封状態で閉塞する第2閉塞部材を設ける工程、
(7)前記既設管のうち前記第2閉塞部材よりも前記第1既設本管側の切断済管部を、前記第1閉塞部材及び前記第1遮断弁とともに撤去する工程、
(8)前記第1バイパス管の一部を前記需要家の引込管と前記第1既設仕切弁との間の箇所から分岐させて前記第2閉塞部材に設けられた通流管に接続し、前記第2遮断弁を開弁操作した後、前記第1既設仕切弁が閉弁操作された状態で、前記第1バイパス管と前記既設管における前記第1既設仕切弁の前記第2既設本管側に位置する管端部との接続を解除する工程、
(9)前記既設管における前記第1既設仕切弁の前記第2既設本管側の管端部に第1新設管を接続するとともに、前記第1新設管に接続可能な第1流体管と、前記第1流体管の外周面から径方向外方側に突出形成される第1弁装着口部と、前記第1弁装着口部に脱着自在に構成され前記第1流体管内の流路を遮断可能な第1弁装置と、前記第1弁装着口部に脱着自在に構成され且つ前記第1弁装着口部を密封状態で閉塞する第1閉塞装置と前記第1弁装置とを選択的に取り付け可能な第1取付け手段と、を備えた流体管ユニットとしての第1流体管ユニットを、前記第1新設管における前記第2既設本管側に位置する管端部に接続し、前記第1流体管ユニットの前記第1流体管における前記第2既設本管側に位置する管端部に、当該管端部を閉塞する第3閉塞部材を設ける工程、
(10)前記需要家の引込管を前記第1新設管に接続し、前記第1既設仕切弁が開弁操作された状態で、前記需要家の引込管内における流体の通流の遮断を解除した後、前記第1バイパス管の一部と前記第2閉塞部材の通流管との接続を解除して、前記第1バイパス管を撤去する工程。
【0012】
上記特徴構成によれば、既設管の一方側端部が第1既設本管に連通接続され且つ既設管の他方側端部が第2既設本管に連通接続されてなる流体配管系統において、第1既設本管寄りの第1既設仕切弁を起点にして、それよりも第2既設本管側を所定の作業時間内に掘削し埋め戻しを完了することが可能な所定長さの第1次設定工区を設定し、当該第1次設定工区内の既設管を第1新設管に更新する際、第1バイパス管、第1流体管ユニット及び第1〜第3閉塞部材を用いて第1次設定工区内の各需要家への流体の供給をできるだけ維持したまま、第1新設管に確実に布設替えすることができる。
【0013】
即ち、既設管から第1次設定工区内の需要家への流体の供給が停止するのは、(4)の工程において、需要家の引込管内の流体の通流が遮断された状態で、第1バイパス管を既設管における第1既設仕切弁の第2既設本管側に位置する管端部と需要家の引込管とに接続して、第1既設仕切弁を開弁操作するまでの比較的短時間のみであり、その他の(1)〜(3)及び(5)〜(10)の工程において、既設管の切断・撤去や第1新設管の布設等の比較的長時間の作業が行われる際には、第1バイパス管を介して各需要家への流体の供給を確実に維持することができる。
【0014】
また、既設管を第1新設管に更新する際には、既設管を切断・撤去して第1新設管に置き換えるが、既設管の切断端面である管端部は、(3)及び(6)の工程において第1閉塞部材及び第2閉塞部材により密封状態で閉塞するように構成され、第1新設管に接続される第1流体管ユニットの第1流体管の管端部は、(9)の工程において第3閉塞部材により密封状態で閉塞するように構成されており、需要家の引込管に接続される第1バイパス管は、第1既設本管や第2既設本管から需要家への流体の供給を維持するために、更新工法の進行状況に応じて((4)、(8)及び(10)の工程参照)、第1既設仕切弁の第2既設本管側に位置する管端部、又は、第2遮断弁の第1既設本管側に位置する管端部に設けられた第2閉塞部材の通流管に適宜接続されるように構成されている。
【0015】
これにより、第1バイパス管を接続するための構成を、第1新設管及び第1流体管ユニットに一体形成する必要がなく、第1新設管及び第1流体管ユニットの装置構成を簡便且つコンパクトな構成とすることができる。
即ち、第1新設管及び当該第1新設管に接続される第1流体管ユニットには、第1弁装着口部及び当該第1弁装着口部に装着される第1弁装置以外に、当該第1流体管ユニットの第1流体管の外面から径方向外方側に突出する構成(例えば、流体を供給或いは排出するための分水栓や分岐管部等)は存在しないことから、第1新設管及び第1流体管ユニットの装置構成を簡便且つコンパクトな構成とすることができる。なお、第3閉塞部材は、第1流体管ユニットが最終的に地中に埋設される前に取り外されるので、当該第3閉塞部材の存在を考慮する必要はない。
特に、第1弁装着口部には、第1取付け手段により第1弁装置と第1閉塞装置とを選択的に取り付け可能に構成されているので、例えば、最終的に地中に埋め戻す前に第1弁装着口部に装着された第1弁装置を第1閉塞装置に置き換えて、第1閉塞装置により第1弁装着口部を閉塞するだけで、第1流体管ユニットの第1流体管の外面から径方向外方側に突出する突出量及び突出する部材数を減少させることができる。この場合、第1流体管ユニットの第1流体管の外周面及び第1弁装着口部には、外部に露出する弁棒等の可動構成材が存在しなくなるため、第1流体管ユニットの装置構成をより一層簡便且つコンパクトにすることができ、しかも、第1流体管ユニットを実質的に第1新設管と同様に取り扱うことができる。
【0016】
従って、第1弁装着口部に第1弁装置を備えた第1流体管ユニット、第1バイパス管及び第1〜第3閉塞部材を用いて、第1次設定工区内の需要家への流体の供給をできるだけ維持しながら、既設管の更新作業を能率良く行うことができ、また、簡便且つコンパクトに構成された第1流体管ユニットを埋め戻す際に、第1流体管ユニットを保護するマンホールを構築する必要がないとともに、実質的に第1新設管と同様に取り扱うことができ、しかも、取り外された第1弁装置を他の流体管ユニットに転用することができるので、工費の軽減化及び短縮化、流体配管系統の補修管理の容易化を図ることができる。
【0017】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(1)〜(10)の工程の後に、下記の(11)〜(17)の工程を少なくとも一回実行する点にある。
(11)前記第1次設定工区よりも前記第2既設本管側の第2次設定工区の需要家の引込管内の流体の通流が遮断された状態で、前記第1流体管ユニットの前記第1流体管における前記第3閉塞部材に設けられた通流管と前記第2次設定工区の需要家の引込管とを第2バイパス管により接続する工程、
(12)前記不断流状態で、前記第2次設定工区内の前記既設管における前記第2既設本管側の工区終端相当部位に、前記既設管内の流路を遮断可能な第3遮断弁を設ける工程、
(13)前記第3遮断弁が閉弁操作された状態で、前記既設管における前記第3遮断弁の前記第1既設本管側の部位を切断するとともに、前記既設管における前記第3遮断弁の前記第1既設本管側の管端部に、当該管端部を密封状態で閉塞する第4閉塞部材を設ける工程、
(14)前記既設管のうち前記第4閉塞部材よりも前記第1既設本管側の切断済管部を、前記第2閉塞部材及び前記第2遮断弁とともに撤去する工程、
(15)前記第2バイパス管の一部を前記第2次設定工区の需要家の引込管と前記第3閉塞部材の通流管との間の箇所から分岐させて前記第4閉塞部材に設けられた通流管に接続し、前記第3遮断弁を開弁操作した後、前記第1弁装置が閉弁操作された状態で、前記第2バイパス管と前記第3閉塞部材の通流管との接続を解除する工程、
(16)前記第1流体管ユニットにおける前記第1流体管の前記第1弁装置の前記第2既設本管側の管端部から前記第3閉塞部材を撤去して当該管端部に第2新設管を接続するとともに、前記第2新設管に接続可能な第2流体管と、前記第2流体管の外周面から径方向外方側に突出形成される第2弁装着口部と、前記第2弁装着口部に脱着自在に構成され前記第2流体管内の流路を遮断可能な第2弁装置と、前記第2弁装着口部に脱着自在に構成され前記第2弁装着口部を密封状態で閉塞する第2閉塞装置と前記第2弁装置とを選択的に取り付け可能な第2取付け手段と、を備えた流体管ユニットとしての第2流体管ユニットを、前記第2新設管における前記第2既設本管側に位置する管端部に接続し、前記第2流体管ユニットの前記第2流体管における前記第2既設本管側に位置する管端部に、当該管端部を閉塞する第5閉塞部材を設ける工程、
(17)前記第2次設定工区の需要家の引込管を前記第2新設管に接続し、前記第1弁装置が開弁操作された状態で、前記第2次設定工区の需要家の引込管内における流体の通流の遮断を解除した後、前記第2バイパス管の一部と前記第4閉塞部材の通流管との接続を解除して、前記第2バイパス管を撤去する工程。
【0018】
上記特徴構成によれば、流体配管系統において、第1次設定工区よりも第2既設本管側を、所定の作業時間内に掘削し埋め戻しを完了することが可能な所定長さの第2次設定工区を設定し、当該第2次設定工区内の既設管を第2新設管に更新する際、第2バイパス管、第1流体管ユニット、第2流体管ユニット及び第2〜第5閉塞部材を用いて第2次設定工区内の各需要家への流体の供給をできるだけ維持したまま、第2新設管に確実に布設替えすることができる。
【0019】
即ち、既設管から第2次設定工区内の需要家への流体の供給が停止するのは、(11)の工程において、第2次設定工区の需要家の引込管内の流体の通流が遮断された状態で、第2バイパス管を第1流体管ユニットの第1流体管における第3閉塞部材に設けられた通流管と第2次設定工区の需要家の引込管とに接続するまでの間の比較的短時間のみであり、その他の(12)〜(17)の工程において、既設管の切断・撤去や第2新設管の布設等の比較的長時間の作業が行われる際には、第2バイパス管を介して各需要家への流体の供給を確実に維持することができる。
【0020】
また、既設管を第2新設管に更新する際には、既設管を切断・撤去して第2新設管に置き換えるが、既設管の切断端面である管端部は、(13)の工程において第4閉塞部材により密封状態で閉塞するように構成され、第2新設管に接続される第2流体管ユニットの第2流体管の管端部は、(16)の工程において第5閉塞部材により密封状態で閉塞するように構成されており、需要家の引込管に接続される第2バイパス管は、第1既設本管や第2既設本管から需要家への流体の供給を維持するために、更新工法の進行状況に応じて((11)、(15)及び(17)の工程参照)、第1流体管ユニットの第1流体管における第3閉塞部材に設けられた通流管、又は、第3遮断弁の第1既設本管側に位置する管端部における第4閉塞部材に設けられた通流管に適宜接続されるように構成されている。
【0021】
これにより、第2バイパス管を接続するための構成を、第2新設管及び第2流体管ユニットに一体形成する必要がなく、第2新設管及び第2流体管ユニットの装置構成を簡便且つコンパクトな構成とすることができる。
即ち、第2新設管及び当該第2新設管に接続される第2流体管ユニットには、第2弁装着口部及び当該第2弁装着口部に装着される第2弁装置以外に、当該第2流体管ユニットの第2流体管の外面から径方向外方側に突出する構成(例えば、流体を供給或いは排出するための分水栓や分岐管部等)は存在しないことから、第2新設管及び第2流体管ユニットの装置構成を簡便且つコンパクトな構成とすることができる。また、第2新設管を第1流体管ユニットの第1流体管に接続する際には、当該第1流体管に設けられていた第3閉塞部材を撤去するので、第1流体管ユニットの装置構成も簡便且つコンパクトな構成となっている。なお、第5閉塞部材は、第2流体管ユニットが最終的に地中に埋設される前に撤去されるので、当該第5閉塞部材の存在を考慮する必要はない。
特に、第2弁装着口部には、第2取付け手段により第2弁装置と第2閉塞装置とを選択的に取り付け可能に構成されているので、例えば、最終的に地中に埋め戻す前に第2弁装着口部に装着された第2弁装置を第2閉塞装置に置き換えて、第2閉塞装置により第2弁装着口部を閉塞するだけで、第2流体管ユニットの第2流体管の外面から径方向外方側に突出する突出量及び突出する部材数を減少させることができる。この場合、第2流体管ユニットの第2流体管の外周面及び第2弁装着口部には、外部に露出する弁棒等の可動構成材が存在しなくなるため、第2流体管ユニットの装置構成をより一層簡便且つコンパクトにすることができ、しかも、第2流体管ユニットを実質的に第2新設管と同様に取り扱うことができる。
【0022】
従って、第1流体管ユニット、第2弁装着口部に第2弁装置を備えた第2流体管ユニット、第2バイパス管及び第2〜第5閉塞部材を用いて、需要家への流体の供給をできるだけ維持しながら、既設管の更新作業を能率良く行うことができ、また、簡便且つコンパクトに構成された第1流体管ユニット及び第2流体管ユニットを埋め戻す際に、第1流体管ユニット及び第2流体管ユニットを保護するマンホールを構築する必要がないとともに、実質的に第1新設管や第2新設管と同様に取り扱うことができ、しかも、取り外された第2弁装置を他の流体管ユニットに転用することができるので、工費の軽減化及び短縮化、流体配管系統の補修管理の容易化を図ることができる。
【0023】
なお、第2次設定工区における既設管から第2新設管への更新((11)〜(17)の工程)は、第2次設定工区における第2既設本管側の工区終端相当部位が、第2既設本管側の工区終端相当部位に第2既設仕切弁が位置する最終設定工区の第1既設本管側の工区終端相当部位に重なる状態となるまで、少なくとも1回実行される。
【0024】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(11)〜(17)の工程を少なくとも一回実行した後に、下記の(18)〜(24)の工程を実行する点にある。
(18)前記第2次設定工区よりも前記第2既設本管側の最終設定工区の需要家の引込管内の流体の通流が遮断された状態で、前記第2流体管ユニットの前記第2流体管における前記第5閉塞部材に設けられた通流管と前記最終設定工区の需要家の引込管とを第3バイパス管により接続する工程、
(19)前記第2既設仕切弁を閉弁操作して、前記既設管における前記第2既設仕切弁の前記第1既設本管側の部位を切断する工程、
(20)前記既設管のうち前記第2既設仕切弁よりも前記第1既設本管側の切断済管部を、前記第4閉塞部材及び前記第3遮断弁とともに撤去する工程、
(21)前記第3バイパス管の一部を前記最終設定工区の需要家の引込管と前記第5閉塞部材の通流管との間の箇所から分岐させて前記既設管における前記第2既設仕切弁の前記第1既設本管側に位置する管端部に接続し、前記第2既設仕切弁を開弁操作した後、前記第2弁装置が閉弁操作された状態で、前記第3バイパス管と前記第5閉塞部材の通流管との接続を解除する工程、
(22)前記第2流体管ユニットにおける前記第2流体管の前記第2弁装置の前記第2既設本管側の管端部から前記第5閉塞部材を撤去して第3新設管を接続するとともに、前記第3新設管に接続可能な第3流体管と、前記第3流体管の外周面から径方向外方側に突出形成される第3弁装着口部と、前記第3弁装着口部に脱着自在に構成され前記第3流体管内の流路を遮断可能な第3弁装置と、前記第3弁装着口部に脱着自在に構成され前記第3弁装着口部を密封状態で閉塞する第3閉塞装置と前記第3弁装置とを選択的に取り付け可能な第3取付け手段と、を備えた流体管ユニットとしての第3流体管ユニットを、前記第3新設管における前記第2既設本管側に位置する管端部に接続し、前記第3流体管ユニットの前記第3流体管における前記第2既設本管側に位置する管端部に、当該管端部を閉塞する第6閉塞部材を設ける工程、
(23)前記最終設定工区の需要家の引込管を前記第3新設管に接続し、前記第2弁装置が開弁操作された状態で、前記最終設定工区の需要家の引込管内における流体の通流の遮断を解除した後、前記第2既設仕切弁が閉弁操作された状態で、前記第3バイパス管の一部と前記既設管における前記第2既設仕切弁の前記第1既設本管側に位置する管端部との接続を解除して、前記第3バイパス管を撤去する工程、
(24)前記第3弁装置が閉弁操作された状態で、前記第3流体管ユニットの前記第3流体管における前記第2既設本管側に位置する管端部から前記第6閉塞部材を撤去した後、当該管端部と前記既設管における前記第2既設仕切弁の前記第1既設本管側に位置する管端部とを密封状態で連通接続して、前記第3弁装置及び前記第2既設仕切弁を開弁操作する工程。
【0025】
上記特徴構成によれば、流体配管系統において、第2次設定工区よりも第2既設本管側を所定の作業時間内に掘削し埋め戻しを完了することが可能で、且つ、工区終端相当部位に第2既設仕切弁が存在する所定長さの最終設定工区を設定し、当該最終設定工区内の既設管を第3新設管に更新する際、第3バイパス管、第2流体管ユニット、第3流体管ユニット及び第4〜第6閉塞部材を用いて最終設定工区内の各需要家への流体の供給をできるだけ維持したまま、第3新設管に確実に布設替えすることができる。
【0026】
即ち、既設管から最終設定工区内の需要家への流体の供給が停止するのは、(18)の工程において、最終設定工区の需要家の引込管内の流体の通流が遮断された状態で、第3バイパス管を第2流体管ユニットの第2流体管における第5閉塞部材に設けられた通流管と最終設定工区の需要家の引込管とに接続するまでの間の比較的短時間のみであり、その他の(19)〜(24)の工程において、既設管の切断・撤去や第3新設管の布設等の比較的長時間の作業が行われる際には、第3バイパス管を介して各需要家への流体の供給を確実に維持することができる。
【0027】
また、既設管を第3新設管に更新する際には、第3新設管に接続される第3流体管ユニットの第3流体管の管端部は、(22)の工程において第6閉塞部材により密封状態で閉塞するように構成されており、需要家の引込管に接続される第3バイパス管は、第1既設本管や第2既設本管から需要家への流体の供給を維持するために、更新工法の進行状況に応じて((18)、(21)及び(23)の工程参照)、第2流体管ユニットの第2流体管における第5閉塞部材に設けられた通流管、又は、第2既設仕切弁の第1既設本管側に位置する管端部に適宜接続されるように構成されている。
【0028】
これにより、第3バイパス管を接続するための構成を、第3新設管及び第3流体管ユニットに一体形成する必要がなく、第3新設管及び第3流体管ユニットの装置構成を簡便且つコンパクトな構成とすることができる。
即ち、第3新設管及び当該第3新設管に接続される第3流体管ユニットには、第3弁装着口部及び当該第3弁装着口部に装着される第3弁装置以外に、当該第3流体管ユニットの第3流体管の外面から径方向外方側に突出する構成(例えば、流体を供給或いは排出するための分水栓や分岐管部等)は存在しないことから、第3新設管及び第3流体管ユニットの装置構成を簡便且つコンパクトな構成とすることができる。また、第3新設管を第2流体管ユニットの第2流体管に接続する際には、当該第2流体管に設けられていた第5閉塞部材を撤去するので、第2流体管ユニットの装置構成も簡便且つコンパクトな構成となっている。なお、第6閉塞部材は、第3流体管ユニットが最終的に地中に埋設される前に撤去されるので、当該第6閉塞部材の存在を考慮する必要はない。
特に、第3弁装着口部には、第3取付け手段により第3弁装置と第3閉塞装置とを選択的に取り付け可能に構成されているので、例えば、最終的に地中に埋め戻す前に第3弁装着口部に装着された第3弁装置を第3閉塞装置に置き換えて、第3閉塞装置により第3弁装着口部を閉塞するだけで、第3流体管ユニットの第3流体管の外面から径方向外方側に突出する突出量及び突出する部材数を減少させることができる。この場合、第3流体管ユニットの第3流体管の外周面及び第3弁装着口部には、外部に露出する弁棒等の可動構成材が存在しなくなるため、第3流体管ユニットの装置構成をより一層簡便且つコンパクトにすることができ、しかも、第3流体管ユニットを実質的に第3新設管と同様に取り扱うことができる。
【0029】
従って、第2流体管ユニット、第3弁装着口部に第3弁装置を備えた第3流体管ユニット、第3バイパス管及び第4〜第6閉塞部材を用いて、需要家への流体の供給をできるだけ維持しながら、既設管の更新作業を能率良く行うことができ、また、簡便且つコンパクトに構成された第1〜第3流体管ユニットを埋め戻す際に、第1〜第3流体管ユニットを保護するマンホールを構築する必要がないとともに、実質的に第1〜第3新設管と同様に取り扱うことができ、しかも、取り外された第3弁装置を他の流体管ユニットに転用することができるので、工費の軽減化及び短縮化、流体配管系統の補修管理の容易化を図ることができる。
【0030】
なお、(24)の工程において最終設定工区の需要家の引込管を第3新設管に接続した後は、第3流体管ユニットの第3流体管における第2既設本管側に位置する管端部から第6閉塞部材を撤去した後、当該管端部と既設管における第2既設仕切弁の第1既設本管側に位置する管端部とを密封状態で連通接続するので、第3流体管ユニット及び当該両管端部の連通接続部の装置構成を簡便且つコンパクトに構成することができる。
【0031】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(9)の工程の実行後且つ(10)の工程の実行前において、前記第1既設仕切弁及び前記第1弁装置が開弁操作された状態で、前記第1既設本管からの流体を、前記第1既設仕切弁、前記第1新設管、前記第1流体管ユニット、前記第3閉塞部材に設けられた通流管を介して外部に通流させ洗浄する工程、上記の(16)の工程の実行後且つ(17)の工程の実行前において、前記第1既設仕切弁、前記第1弁装置及び前記第2弁装置が開弁操作された状態で、前記第1既設本管からの流体を、前記第1既設仕切弁、前記第1新設管、前記第1流体管ユニット、前記第2新設管、前記第2流体管ユニット、前記第5閉塞部材に設けられた通流管を介して外部に通流させ洗浄する工程、及び、上記の(22)の工程の実行後且つ(23)の工程の実行前において、前記第1既設仕切弁、前記第1弁装置、前記第2弁装置、前記第3弁装置が開弁操作された状態で、前記第1既設本管からの流体を、前記第1既設仕切弁、前記第1新設管、前記第1流体管ユニット、前記第2新設管、前記第2流体管ユニット、前記第3新設管、前記第3流体管ユニット、前記第6閉塞部材に設けられた通流管を介して外部に通流させ洗浄する工程のうちの少なくとも何れか一つの工程を実行する点にある。
【0032】
上記特徴構成によれば、既設管を第1新設管及び第1流体管ユニットの第1流体管に更新した後、既設管を第2新設管及び第2流体管ユニットの第2流体管に更新した後、更には、既設管を第3新設管及び第3流体管ユニットの第3流体管に更新した後の夫々において、第1既設本管からの流体を少なくとも更新後の各新設管及び各流体管ユニット内の流路に通流させて当該流路を洗浄し、各通流管を介して排出することができる。
これにより、例えば、各新設管や各流体管ユニットの各流体管内の流路に異物や殺菌用の薬液が付着している場合でも、当該流路を、第1既設本管からの流体により洗浄して通流管を介して外部に排出することができ、清潔な状態とすることができる。
【0033】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(16)の工程の実行後において、前記第1流体管ユニットの前記第1弁装着口部に装着された前記第1弁装置を取り外して、前記第1取付け手段により前記第1閉塞装置を装着する工程、上記の(22)の工程の実行後において、前記第2流体管ユニットの前記第2弁装着口部に装着された前記第2弁装置を取り外して、前記第2取付け手段により前記第2閉塞装置を装着する工程、及び、上記の(24)の工程の実行中における前記第3流体管ユニットの前記第3流体管における前記第2既設本管側に位置する管端部と前記既設管における前記第2既設仕切弁の前記第1既設本管側に位置する管端部とを密封状態で連通接続した後又は上記の(24)の工程の実行後において、前記第3流体管ユニットの前記第3弁装着口部に装着された前記第3弁装置を取り外して、前記第3取付け手段により前記第3閉塞装置を装着する工程のうちの少なくとも何れか一つの工程を実行する点にある。
【0034】
上記特徴構成によれば、第1流体管ユニットの第1弁装置が不要となった後、第2流体管ユニットの第2弁装置が不要となった後、第3流体管ユニットの第3流体管における第2既設本管側に位置する管端部と第2既設仕切弁の第1既設本管側に位置する管端部とを密封状態で連通接続して第3流体管ユニットの第3弁装置が不要となった後の夫々において、不要となった各流体管ユニットの各弁装置を各弁装着口部から取り外して、対応する各閉塞装置を装着するので、各閉塞装置が装着された流体管ユニットの各流体管の外面から径方向外方側に突出する突出量及び突出する部材数を減少させることができる。
これにより、各流体管ユニットの各流体管の外面及び各弁装着口部には、外部に露出する弁棒等の可動構成材が存在しなくなるため、各流体管ユニットの装置構成をより一層簡便且つコンパクトにすることができ、しかも、各流体管ユニットを実質的に各新設管と同様に取り扱うことができる。
従って、また、各流体管ユニットを埋め戻す際に、各流体管ユニットを保護するマンホールを構築する必要がないとともに、実質的に各新設管と同様に取り扱うことができ、しかも、取り外された各弁装置を他の流体管ユニットに転用することができるので、工費の軽減化及び短縮化、流体配管系統の補修管理の容易化を確実に実現することができる。
【0035】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(1)の工程を実行する際に、地中に埋設された前記既設管のうち前記第1遮断弁の設置予定箇所と前記第1既設仕切弁の設置箇所との間を掘削するとともに、上記の(5)の工程を実行する際に、地中に埋設された前記既設管のうち前記第2遮断弁及び前記第2閉塞部材の設置予定箇所を掘削し、上記の(7)の工程を実行する際に、前記第2閉塞部材よりも前記第1既設本管側で且つ前記第1遮断弁よりも前記第2既設本管側の切断済管部が埋設された部位を掘削するように構成されている点にある。
【0036】
上記特徴構成によれば、(7)の工程を実行する前には、既に、地中に埋設された既設管のうち第1遮断弁の設置予定箇所と第1既設仕切弁の設置箇所との間が掘削されるとともに、第1遮断弁が閉弁操作された状態で、この掘削範囲に存在する所定長さの既設管が切断撤去されており、しかも、地中に埋設された既設管のうち第2遮断弁及び第2閉塞部材の設置予定箇所が掘削されるとともに、第2遮断弁が閉弁操作された状態で、既設管における第2遮断弁の第1既設本管側の部位が切断されている。このため、(7)の工程の実行時には、第2閉塞部材よりも第1既設本管側で且つ第1遮断弁よりも第2既設本管側の切断済管部内には流体が通流しておらず、このような切断済管部が埋設された部位を重機等により掘削する際、当該切断済管部の破損を防止するための対策が必要なくなるとともに、当該切断済管部を誤って破損したとしても流体が噴出することがないため、破損による被害を最小限に止めることができる。
【0037】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(10)の工程を実行後に、上記の(1)の工程、上記の(5)の工程及び上記の(7)の工程において掘削された部位を埋め戻すように構成されており、
上記の(11)の工程を実行する際に、地中に埋設された前記既設管のうち前記第1流体管ユニットが埋設された部位を掘削するとともに、上記の(12)の工程を実行する際に、地中に埋設された前記既設管のうち前記第3遮断弁及び前記第4閉塞部材の設置予定箇所を掘削し、上記の(14)の工程を実行する際に、前記第4閉塞部材よりも前記第1既設本管側で且つ前記第1流体管ユニットの前記第3閉塞部材よりも前記第2既設本管側の切断済管部が埋設された部位を掘削するように構成されている点にある。
【0038】
上記特徴構成によれば、上記の(10)の工程を実行後に、上記の(1)の工程、上記の(5)の工程及び上記の(7)の工程において掘削された部位を埋め戻すので、第1次設定工区の既設管を更新した後の第1新設管も埋め戻されることとなり、当該第1新設管の上方の地表に存在する道路等への影響をできるだけ少なくすることができる。
その後、(14)の工程を実行する前には、既に、地中に埋設された既設管のうち第1流体管ユニットの埋設箇所が掘削されており、しかも、地中に埋設された既設管のうち第3遮断弁及び第4閉塞部材の設置予定箇所が掘削されるとともに、第3遮断弁が閉弁操作された状態で、既設管における第3遮断弁の第1既設本管側の部位が切断されている。このため、(14)の工程の実行時には、第4閉塞部材よりも第1既設本管側の切断済管部内には流体が通流しておらず、このような切断済管部が埋設された部位を重機等により掘削する際、当該切断済管部の破損を防止するための対策が必要なくなるとともに、当該切断済管部を誤って破損したとしても流体が噴出することがないため、破損による被害を最小限に止めることができる。
【0039】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(17)の工程を実行後に、上記の(11)の工程、上記の(12)の工程及び上記の(14)の工程において掘削された部位を埋め戻すように構成されており、
上記の(18)の工程を実行する際に、地中に埋設された前記既設管のうち前記第2流体管ユニットが埋設された部位を掘削するとともに、上記の(19)の工程を実行する際に、地中に埋設された前記第2既設仕切弁が埋設された部位を掘削し、上記の(20)の工程を実行する際に、前記第2既設仕切弁よりも前記第1既設本管側で且つ前記第2流体管ユニットの前記第5閉塞部材よりも前記第2既設本管側の切断済管部が埋設された部位を掘削するように構成されている点にある。
【0040】
上記特徴構成によれば、上記の(17)の工程を実行後に、上記の(11)の工程、上記の(12)の工程及び上記の(14)の工程において掘削された部位を埋め戻すので、第2次設定工区の既設管を更新した後の第2新設管も埋め戻されることとなり、当該第2新設管の上方の地表に存在する道路等への影響をできるだけ少なくすることができる。
その後、(18)の工程を実行する前には、既に、地中に埋設された既設管のうち第2流体管ユニットの埋設箇所が掘削されており、しかも、地中に埋設された既設管のうち第2既設仕切弁の埋設箇所が掘削されるとともに、第2既設仕切弁が閉弁操作された状態で、既設管における第2既設仕切弁の第1既設本管側の部位が切断されている。このため、(18)の工程の実行時には、第2既設仕切弁よりも第1既設本管側の切断済管部内には流体が通流しておらず、このような切断済管部が埋設された部位を重機等により掘削する際、当該切断済管部の破損を防止するための対策が必要なくなるとともに、当該切断済管部を誤って破損したとしても流体が噴出することがないため、破損による被害を最小限に止めることができる。
【0041】
上記目的を達成するための本発明に係る流体配管系統の更新工法は、既設管の一方側端部が第1既設本管に連通接続され且つ前記既設管の他方側端部が第2既設本管に連通接続されてなる流体配管系統において、前記既設管を設定工区単位で新設管に更新する流体配管系統の更新工法であって、下記の(1)〜(7)の工程を備えた点にある。
(1)前記既設管内の流路における流体の通流を維持したままの不断流状態で、前記既設管の一方側端部に設けられた第1既設仕切弁に最も近い第1次設定工区内において、前記既設管の前記第2既設本管側の工区終端相当部位に、前記既設管内の流路と連通する第1分岐管部を備えた分割構造の第1分岐管装置を前記既設管の外周面に装着する工程、
(2)前記第1次設定工区内における需要家の引込管内の流体の通流が遮断され且つ前記第1分岐管部を閉塞した状態で、前記第1分岐管部と前記需要家の引込管とを第1バイパス管により接続して、前記第1分岐管部の閉塞を解除する工程、
(3)前記不断流状態で、前記既設管において前記第1分岐管装置の前記第1既設本管側の部位に、前記既設管内の流路を遮断可能な第1遮断弁を設ける工程、
(4)前記第1既設仕切弁及び前記第1遮断弁が閉弁操作された状態で、前記既設管における前記第1遮断弁の前記第1既設本管側の部位を切断するとともに、前記既設管における前記第1遮断弁の前記第1既設本管側の管端部に、当該管端部を密封状態で閉塞する第1閉塞部材を設ける工程、
(5)前記既設管における前記第1既設仕切弁の前記第2既設本管側の部位を切断するとともに、前記既設管のうち前記第1既設仕切弁と前記第1閉塞部材との間の切断済管部を撤去する工程、
(6)前記既設管における前記第1既設仕切弁の前記第2既設本管側の管端部に第1新設管を接続するとともに、前記第1新設管に接続可能な第1流体管と、前記第1流体管の外周面から径方向外方側に突出形成される第1弁装着口部と、前記第1弁装着口部に脱着自在に構成され前記第1流体管内の流路を遮断可能な第1弁装置と、前記第1弁装着口部に脱着自在に構成され且つ前記第1弁装着口部を密封状態で閉塞する第1閉塞装置と前記第1弁装置とを選択的に取り付け可能な第1取付け手段と、を備えた第1流体管ユニットを、前記第1新設管における前記第2既設本管側に位置する管端部に接続し、前記第1流体管ユニットの前記第1流体管における前記第2既設本管側に位置する管端部に、当該管端部を閉塞する第2閉塞部材を設ける工程、
(7)前記需要家の引込管を前記第1新設管に接続し、前記第1既設仕切弁が開弁操作された状態で、前記需要家の引込管内における流体の通流の遮断を解除した後、前記第1分岐管部が閉塞された状態で、前記第1バイパス管と前記第1分岐管部との接続を解除して、前記第1バイパス管を撤去する工程。
【0042】
上記特徴構成によれば、既設管の一方側端部が第1既設本管に連通接続され且つ既設管の他方側端部が第2既設本管に連通接続されてなる流体配管系統において、第1既設本管寄りの第1既設仕切弁を起点にして、それよりも第2既設本管側を所定の作業時間内に掘削し埋め戻しを完了することが可能な当該第1既設仕切弁に最も近い所定長さの第1次設定工区を設定し、当該第1次設定工区内の既設管を第1新設管に更新する際、第1バイパス管、第1流体管ユニット、第1分岐管装置、第1及び第2閉塞部材を用いて第1次設定工区内の各需要家への流体の供給をできるだけ維持したまま、第1新設管に確実に布設替えすることができる。
【0043】
即ち、既設管から第1次設定工区内の需要家への流体の供給が停止するのは、(2)の工程において、需要家の引込管内の流体の通流が遮断され且つ第1分岐管部を閉塞した状態で、第1バイパス管を第1分岐管部と需要家の引込管とに接続して、第1分岐管部の閉塞を解除するまでの間の比較的短時間のみであり、その他の(1)、(3)〜(7)の工程において、既設管1の切断・撤去や第1新設管の布設等の比較的長時間の作業が行われる際には、第1バイパス管を介して各需要家への流体の供給を確実に維持することができる。
【0044】
また、既設管を第1新設管に更新する際には、既設管を切断・撤去して第1新設管に置き換えるが、既設管の切断端面である管端部は、(4)の工程において第1閉塞部材により密封状態で閉塞するように構成され、第1新設管に接続される第1流体管ユニットの第1流体管の管端部は、(6)の工程において第2閉塞部材により密封状態で閉塞するように構成されている。一方で、需要家の引込管に接続される第1バイパス管は、第1既設本管や第2既設本管から需要家への流体の供給を維持するために、更新工法の進行状況に拘らず、第1分岐管装置の第1分岐管部に接続されるように構成されている。
【0045】
これにより、第1バイパス管を接続するための構成を、第1新設管及び第1流体管ユニットに一体形成する必要がなく、第1新設管及び第1流体管ユニットの装置構成を簡便且つコンパクトな構成とすることができる。
即ち、第1新設管及び当該第1新設管に接続される第1流体管ユニットには、第1弁装着口部及び当該第1弁装着口部に装着される第1弁装置以外に、当該第1流体管ユニットの第1流体管の外面から径方向外方側に突出する構成(例えば、流体を供給或いは排出するための分水栓や分岐管部等)は存在しないことから、第1新設管及び第1流体管ユニットの装置構成を簡便且つコンパクトな構成とすることができる。なお、第2閉塞部材は、第1流体管ユニットが最終的に地中に埋設される前に取り外されるので、当該第2閉塞部材の存在を考慮する必要はない。
特に、第1弁装着口部には、第1取付け手段により第1弁装置と第1閉塞装置とを選択的に取り付け可能に構成されているので、例えば、最終的に地中に埋め戻す前に第1弁装着口部に装着された第1弁装置を第1閉塞装置に置き換えて、第1閉塞装置により第1弁装着口部を閉塞するだけで、第1流体管ユニットの第1流体管の外面から径方向外方側に突出する突出量及び突出する部材数を減少させることができる。この場合、第1流体管ユニットの第1流体管の外周面及び第1弁装着口部には、外部に露出する弁棒等の可動構成材が存在しなくなるため、第1流体管ユニットの装置構成をより一層簡便且つコンパクトにすることができ、しかも、第1流体管ユニットを実質的に第1新設管と同様に取り扱うことができる。
加えて、第1バイパス管は第1分岐管装置の第1分岐管部に接続され、その他の部位に接続替えする必要がないので、第1バイパス管の接続替えの回数を低減できるとともに、当該接続替えに伴う需要家への流体の供給の停止回数を低減可能となる。
【0046】
従って、第1弁装着口部に第1弁装置を備えた第1流体管ユニット、第1バイパス管、第1分岐管装置、第1及び第2閉塞部材を用いて、第1次設定工区内の需要家への流体の供給をできるだけ維持しながら、既設管の更新作業を能率良く行うことができ、また、簡便且つコンパクトに構成された第1流体管ユニットを埋め戻す際に、第1流体管ユニットを保護するマンホールを構築する必要がないとともに、実質的に第1新設管と同様に取り扱うことができ、しかも、取り外された第1弁装置を他の流体管ユニットに転用することができるので、工費の軽減化及び短縮化、流体配管系統の補修管理の容易化を図ることができる。
【0047】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(1)〜(7)の工程の後に、下記の(8)〜(14)の工程を少なくとも一回実行する点にある。
(8)前記不断流状態で、前記既設管の前記第1次設定工区よりも前記第2既設本管側の第2次設定工区内において、前記既設管の前記第2既設本管側の工区終端相当部位に、前記既設管内の流路と連通する第2分岐管部を備えた分割構造の第2分岐管装置を前記既設管の外周面に装着する工程、
(9)前記第2次設定工区内における需要家の引込管内の流体の通流が遮断され且つ前記第2分岐管部を閉塞した状態で、前記第2分岐管部と前記第2次設定工区の需要家の引込管とを第2バイパス管により接続して、前記第2分岐管部の閉塞を解除する工程、
(10)前記不断流状態で、前記既設管において前記第2分岐管装置の前記第1既設仕切弁側の部位に、前記既設管内の流路を遮断可能な第2遮断弁を設ける工程、
(11)前記第2遮断弁が閉弁操作された状態で、前記既設管における前記第2遮断弁の前記第1既設本管側の部位を切断するとともに、前記既設管における前記第2遮断弁の前記第1既設本管側の管端部に、当該管端部を密封状態で閉塞する第3閉塞部材を設ける工程、
(12)前記既設管のうち前記第3閉塞部材よりも前記第1既設本管側の切断済管部を、前記第1閉塞部材、前記第1遮断弁及び前記第1分岐管装置とともに撤去する工程、
(13)前記第1弁装置が閉弁操作された状態で、前記第1流体管ユニットにおける前記第1流体管の前記第1弁装置の前記第2既設本管側の管端部から前記第2閉塞部材を撤去して当該管端部に第2新設管を接続するとともに、前記第2新設管に接続可能な第2流体管と、前記第2流体管の外周面から径方向外方側に突出形成される第2弁装着口部と、前記第2弁装着口部に脱着自在に構成され前記第2流体管内の流路を遮断可能な第2弁装置と、前記第2弁装着口部に脱着自在に構成され且つ前記第2弁装着口部を密封状態で閉塞する第2閉塞装置と前記第2弁装置とを選択的に取り付け可能な第2取付け手段と、を備えた第2流体管ユニットを、前記第2新設管における前記第2既設本管側に位置する管端部に接続し、前記第2流体管ユニットの前記第2流体管における前記第2既設本管側に位置する管端部に、当該管端部を閉塞する第4閉塞部材を設ける工程、
(14)前記第2次設定工区の需要家の引込管を前記第2新設管に接続し、前記第1弁装置が開弁操作された状態で、前記需要家の引込管内における流体の通流の遮断を解除した後、前記第2分岐管部が閉塞された状態で、前記第2バイパス管と前記第2分岐管部との接続を解除して、前記第2バイパス管を撤去する工程。
【0048】
上記特徴構成によれば、流体配管系統において、第1次設定工区よりも第2既設本管側を、所定の作業時間内に掘削し埋め戻しを完了することが可能な所定長さの第2次設定工区を設定し、当該第2次設定工区内の既設管を第2新設管に更新する際、第2バイパス管、第1流体管ユニット、第2流体管ユニット、第2分岐管装置及び第1〜第4閉塞部材を用いて第2次設定工区内の各需要家への流体の供給をできるだけ維持したまま、第2新設管に確実に布設替えすることができる。
【0049】
即ち、既設管から第2次設定工区内の需要家への流体の供給が停止するのは、(9)の工程において、第2次設定工区内における需要家の引込管内の流体の通流が遮断され且つ第2分岐管部を閉塞した状態で、第2分岐管部と第2次設定工区の需要家の引込管とを第2バイパス管により接続して、第2分岐管部の閉塞を解除するまでの間の比較的短時間のみであり、その他の(8)、(10)〜(14)の工程において、既設管の切断・撤去や第2新設管の布設等の比較的長時間の作業が行われる際には、第2バイパス管を介して各需要家への流体の供給を確実に維持することができる。
【0050】
また、既設管を第2新設管に更新する際には、既設管を切断・撤去して第2新設管に置き換えるが、既設管の切断端面である管端部は、(11)の工程において第3閉塞部材により密封状態で閉塞するように構成され、第2新設管に接続される第2流体管ユニットの第2流体管の管端部は、(13)の工程において第4閉塞部材により密封状態で閉塞するように構成されている。一方で、需要家に接続される第2バイパス管は、第1既設本管や第2既設本管から需要家への流体の供給を維持するために、更新工法の進行状況に拘らず、第2分岐管装置の第2分岐管部に接続されるように構成されている。
【0051】
これにより、第2バイパス管を接続するための構成を、第2新設管及び第2流体管ユニットに一体形成する必要がなく、第2新設管及び第2流体管ユニットの装置構成を簡便且つコンパクトな構成とすることができる。
即ち、第2新設管及び当該第2新設管に接続される第2流体管ユニットには、第2弁装着口部及び当該第2弁装着口部に装着される第2弁装置以外に、当該第2流体管ユニットの第2流体管の外面から径方向外方側に突出する構成(例えば、流体を供給或いは排出するための分水栓や分岐管部等)は存在しないことから、第2新設管及び第2流体管ユニットの装置構成を簡便且つコンパクトな構成とすることができる。また、第2新設管を第1流体管ユニットの第1流体管に接続する際には、当該第1流体管に設けられていた第2閉塞部材を撤去するので、第1流体管ユニットの装置構成も簡便且つコンパクトな構成となっている。なお、第4閉塞部材は、第2流体管ユニットが最終的に地中に埋設される前に撤去されるので、当該第4閉塞部材の存在を考慮する必要はない。
特に、第2弁装着口部には、第2取付け手段により第2弁装置と第2閉塞装置とを選択的に取り付け可能に構成されているので、例えば、最終的に地中に埋め戻す前に第2弁装着口部に装着された第2弁装置を第2閉塞装置に置き換えて、第2閉塞装置により第2弁装着口部を閉塞するだけで、第2流体管ユニットの第2流体管の外面から径方向外方側に突出する突出量及び突出する部材数を減少させることができる。この場合、第2流体管ユニットの第2流体管の外周面及び第2弁装着口部には、外部に露出する弁棒等の可動構成材が存在しなくなるため、第2流体管ユニットの装置構成をより一層簡便且つコンパクトにすることができ、しかも、第2流体管ユニットを実質的に第2新設管と同様に取り扱うことができる。
加えて、第2バイパス管は第2分岐管装置の第2分岐管部に接続され、その他の部位に接続替えする必要がないので、第2バイパス管の接続替えの回数を低減できるとともに、当該接続替えに伴う需要家への流体の供給の停止回数を低減可能となる。
【0052】
従って、第1流体管ユニット、第2弁装着口部に第2弁装置を備えた第2流体管ユニット、第2バイパス管、第2分岐管装置及び第2〜第4閉塞部材を用いて、需要家への流体の供給をできるだけ維持しながら、既設管の更新作業を能率良く行うことができ、また、簡便且つコンパクトに構成された第1流体管ユニット及び第2流体管ユニットを埋め戻す際に、第1流体管ユニット及び第2流体管ユニットを保護するマンホールを構築する必要がないとともに、実質的に第1新設管や第2新設管と同様に取り扱うことができ、しかも、取り外された第2弁装置を他の流体管ユニットに転用することができるので、工費の軽減化及び短縮化、流体配管系統の補修管理の容易化を図ることができる。
【0053】
なお、第2次設定工区における既設管から第2新設管への更新((8)〜(14)の工程)は、第2次設定工区における第2既設本管側の工区終端相当部位が、第2既設本管側の工区終端相当部位に第2既設仕切弁が位置する最終設定工区の第1既設本管側の工区終端相当部位に重なる状態となるまで、少なくとも1回実行される。
【0054】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(8)〜(14)の工程を少なくとも一回実行した後に、下記の(15)〜(21)の工程を実行する点にある。
(15)前記第2次設定工区よりも前記第2既設本管側の最終設定工区内における需要家の引込管内の流体の通流が遮断された状態で、前記第2流体管ユニットの前記第2流体管における前記第4閉塞部材に設けられた通流管と前記最終設定工区の需要家の引込管とを第3バイパス管により接続する工程、
(16)前記第2既設仕切弁を閉弁操作して、前記既設管における前記第2既設仕切弁の前記第1既設本管側の部位を切断する工程、
(17)前記既設管のうち前記第2既設仕切弁よりも前記第1既設本管側の切断済管部を、前記第3閉塞部材、前記第2遮断弁及び前記第2分岐管装置とともに撤去する工程、
(18)前記第3バイパス管の一部を前記第4閉塞部材の通流管と前記最終設定工区の需要家の引込管との間の箇所から分岐させて前記既設管における前記第2既設仕切弁の前記第1既設本管側の管端部に接続し、前記第2既設仕切弁を開弁操作した後、前記第2弁装置が閉弁操作された状態で、前記第3バイパス管と前記第4閉塞部材の通流管との接続を解除する工程、
(19)前記第2流体管ユニットにおける前記第2流体管の前記第2弁装置の前記第2既設本管側の管端部から前記第4閉塞部材を撤去して第3新設管を接続するとともに、前記第3新設管に接続可能な第3流体管と、前記第3流体管の外周面から径方向外方側に突出形成される第3弁装着口部と、前記第3弁装着口部に脱着自在に構成され前記第3流体管内の流路を遮断可能な第3弁装置と、前記第3弁装着口部に脱着自在に構成され前記第3弁装着口部を密封状態で閉塞する第3閉塞装置と前記第3弁装置とを選択的に取り付け可能な第3取付け手段と、を備えた第3流体管ユニットを、前記第3新設管における前記第2既設本管側に位置する管端部に接続し、前記第3流体管ユニットの前記第3流体管における前記第2既設本管側に位置する管端部に、当該管端部を閉塞する第5閉塞部材を設ける工程、
(20)前記最終設定工区の需要家の引込管を前記第3新設管に接続し、前記第2弁装置が開弁操作された状態で、前記最終設定工区の需要家の引込管内における流体の通流の遮断を解除した後、前記第2既設仕切弁が閉弁操作された状態で、前記第3バイパス管と前記既設管における前記第2既設仕切弁の前記第1既設本管側に位置する管端部との接続を解除して、前記第3バイパス管を撤去する工程、
(21)前記第3弁装置が閉弁操作された状態で、前記第3流体管ユニットの前記第3流体管における前記第2既設本管側に位置する管端部から前記第5閉塞部材を撤去した後、当該管端部と前記既設管における前記第2既設仕切弁の前記第1既設本管側に位置する管端部とを密封状態で連通接続して、前記第3弁装置及び前記第2既設仕切弁を開弁操作する工程。
【0055】
上記特徴構成によれば、流体配管系統において、第2次設定工区よりも第2既設本管側を所定の作業時間内に掘削し埋め戻しを完了することが可能で、且つ、工区終端相当部位に第2既設仕切弁が存在する所定長さの最終設定工区を設定し、当該最終設定工区内の既設管を第3新設管に更新する際、第3バイパス管、第2流体管ユニット、第3流体管ユニット及び第3〜第5閉塞部材を用いて最終設定工区内の各需要家への流体の供給をできるだけ維持したまま、第3新設管に確実に布設替えすることができる。
【0056】
即ち、既設管から最終設定工区内の需要家への流体の供給が停止するのは、(15)の工程において、最終設定工区内における需要家の引込管内の流体の通流が遮断された状態で、第2流体管ユニットの第2流体管における第4閉塞部材に設けられた通流管と最終設定工区の需要家の引込管とを第3バイパス管により接続するまでの間の比較的短時間のみであり、その他の(16)〜(21)の工程において、既設管の切断・撤去や第3新設管の布設等の比較的長時間の作業が行われる際には、第3バイパス管を介して各需要家への流体の供給を確実に維持することができる。
【0057】
また、既設管を第3新設管に更新する際には、第3新設管に接続される第3流体管ユニットの第3流体管の管端部は、(19)の工程において第5閉塞部材により密封状態で閉塞するように構成されており、需要家の引込管に接続される第3バイパス管は、第1既設本管や第2既設本管から需要家への流体の供給を維持するために、更新工法の進行状況に応じて((15)、(18)及び(20)の工程参照)、第2流体管ユニットの第2流体管における第4閉塞部材に設けられた通流管、又は、第2既設仕切弁の第1既設本管側に位置する管端部に適宜接続されるように構成されている。
【0058】
これにより、第3バイパス管を接続するための構成を、第3新設管及び第3流体管ユニットに一体形成する必要がなく、第3新設管及び第3流体管ユニットの装置構成を簡便且つコンパクトな構成とすることができる。
即ち、第3新設管及び当該第3新設管に接続される第3流体管ユニットには、第3弁装着口部及び当該第3弁装着口部に装着される第3弁装置以外に、当該第3流体管ユニットの第3流体管の外面から径方向外方側に突出する構成(例えば、流体を供給或いは排出するための分水栓や分岐管部等)は存在しないことから、第3新設管及び第3流体管ユニットの装置構成を簡便且つコンパクトな構成とすることができる。また、第3新設管を第2流体管ユニットの第2流体管に接続する際には、当該第2流体管に設けられていた第4閉塞部材を撤去するので、第2流体管ユニットの装置構成も簡便且つコンパクトな構成となっている。なお、第5閉塞部材は、第3流体管ユニットが最終的に地中に埋設される前に撤去されるので、当該第5閉塞部材の存在を考慮する必要はない。
特に、第3弁装着口部には、第3取付け手段により第3弁装置と第3閉塞装置とを選択的に取り付け可能に構成されているので、例えば、最終的に地中に埋め戻す前に第3弁装着口部に装着された第3弁装置を第3閉塞装置に置き換えて、第3閉塞装置により第3弁装着口部を閉塞するだけで、第3流体管ユニットの第3流体管の外面から径方向外方側に突出する突出量及び突出する部材数を減少させることができる。この場合、第3流体管ユニットの第3流体管の外周面及び第3弁装着口部には、外部に露出する弁棒等の可動構成材が存在しなくなるため、第3流体管ユニットの装置構成をより一層簡便且つコンパクトにすることができ、しかも、第3流体管ユニットを実質的に第3新設管と同様に取り扱うことができる。
【0059】
従って、第2流体管ユニット、第3弁装着口部に第3弁装置を備えた第3流体管ユニット、第3バイパス管及び第3〜第5閉塞部材を用いて、需要家への流体の供給をできるだけ維持しながら、既設管の更新作業を能率良く行うことができ、また、簡便且つコンパクトに構成された第1〜第3流体管ユニットを埋め戻す際に、第1〜第3流体管ユニットを保護するマンホールを構築する必要がないとともに、実質的に第1〜第3新設管と同様に取り扱うことができ、しかも、取り外された第3弁装置を他の流体管ユニットに転用することができるので、工費の軽減化及び短縮化、流体配管系統の補修管理の容易化を図ることができる。
【0060】
なお、(21)の工程において最終設定工区の需要家の引込管を第3新設管に接続した後は、第3流体管ユニットの第3流体管における第2既設本管側に位置する管端部から第5閉塞部材を撤去した後、当該管端部と既設管における第2既設仕切弁の第1既設本管側に位置する管端部とを密封状態で連通接続するので、第3流体管ユニット及び当該両管端部の連通接続部の装置構成を簡便且つコンパクトに構成することができる。
【0061】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(6)の工程の実行後且つ(7)の工程の実行前において、前記第1既設仕切弁及び前記第1弁装置が開弁操作された状態で、前記第1既設本管からの流体を、前記第1既設仕切弁、前記第1新設管、前記第1流体管ユニット、前記第2閉塞部材に設けられた通流管を介して外部に通流させ洗浄する工程、上記の(13)の工程の実行後且つ(14)の工程の実行前において、前記第1既設仕切弁、前記第1弁装置及び前記第2弁装置が開弁操作された状態で、前記第1既設本管からの流体を、前記第1既設仕切弁、前記第1新設管、前記第1流体管ユニット、前記第2新設管、前記第2流体管ユニット、前記第4閉塞部材に設けられた通流管を介して外部に通流させ洗浄する工程、及び、上記の(19)の工程の実行後且つ(20)の工程の実行前において、前記第1既設仕切弁、前記第1弁装置、前記第2弁装置、前記第3弁装置が開弁操作された状態で、前記第1既設本管からの流体を、前記第1既設仕切弁、前記第1新設管、前記第1流体管ユニット、前記第2新設管、前記第2流体管ユニット、前記第3新設管、前記第3流体管ユニット、前記第5閉塞部材に設けられた通流管を介して外部に通流させ洗浄する工程のうちの少なくとも何れか一つの工程を実行する点にある。
【0062】
上記特徴構成によれば、既設管を第1新設管及び第1流体管ユニットの第1流体管に更新した後、既設管を第2新設管及び第2流体管ユニットの第2流体管に更新した後、更には、既設管を第3新設管及び第3流体管ユニットの第3流体管に更新した後の夫々において、第1既設本管からの流体を少なくとも更新後の各新設管及び各流体管ユニット内の流路に通流させて当該流路を洗浄し、各通流管を介して排出することができる。
これにより、例えば、各新設管や各流体管ユニットの各流体管内の流路に異物や殺菌用の薬液が付着している場合でも、当該流路を、第1既設本管からの流体により洗浄して通流管を介して外部に排出することができ、清潔な状態とすることができる。
【0063】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(13)の工程の実行後において、前記第1流体管ユニットの前記第1弁装着口部に装着された前記第1弁装置を取り外して、前記第1取付け手段により前記第1閉塞装置を装着する工程、上記の(19)の工程の実行後において、前記第2流体管ユニットの前記第2弁装着口部に装着された前記第2弁装置を取り外して、前記第2取付け手段により前記第2閉塞装置を装着する工程、及び、上記の(21)の工程の実行中における前記第3流体管ユニットの前記第3流体管における前記第2既設本管側に位置する管端部と前記第2既設仕切弁とを密封状態で連通接続した後又は上記の(21)の工程の実行後において、前記第3流体管ユニットの前記第3弁装着口部に装着された前記第3弁装置を取り外して、前記第3取付け手段により前記第3閉塞装置を装着する工程のうちの少なくとも何れか一つの工程を実行する点にある。
【0064】
上記特徴構成によれば、第1流体管ユニットの第1弁装置が不要となった後、第2流体管ユニットの第2弁装置が不要となった後、第3流体管ユニットの第3流体管における第2既設本管側に位置する管端部と第2既設仕切弁の第1既設本管側に位置する管端部とを密封状態で連通接続して第3流体管ユニットの第3弁装置が不要となった後の夫々において、不要となった各流体管ユニットの各弁装置を各弁装着口部から取り外して、対応する各閉塞装置を装着するので、各閉塞装置が装着された流体管ユニットの各流体管の外面から径方向外方側に突出する突出量及び突出する部材数を減少させることができる。
これにより、各流体管ユニットの各流体管の外面及び各弁装着口部には、外部に露出する弁棒等の可動構成材が存在しなくなるため、各流体管ユニットの装置構成をより一層簡便且つコンパクトにすることができ、しかも、各流体管ユニットを実質的に各新設管と同様に取り扱うことができる。
従って、また、各流体管ユニットを埋め戻す際に、各流体管ユニットを保護するマンホールを構築する必要がないとともに、実質的に各新設管と同様に取り扱うことができ、しかも、取り外された各弁装置を他の流体管ユニットに転用することができるので、工費の軽減化及び短縮化、流体配管系統の補修管理の容易化を確実に実現することができる。
【0065】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(1)〜(4)の工程を実行する際に、地中に埋設された前記既設管のうち前記第1分岐管装置、前記第1遮断弁及び前記第1閉塞部材の設置予定箇所を掘削するとともに、上記の(5)の工程を実行する際に、地中に埋設された前記既設管のうち前記第1閉塞部材よりも前記第1既設本管側で且つ前記第1既設仕切弁よりも前記第2既設本管側の管部が埋設された部位を掘削するように構成されている点にある。
【0066】
上記特徴構成によれば、(5)の工程を実行する前には、既に、地中に埋設された既設管のうち第1分岐管装置、第1遮断弁及び第1閉塞部材の設置予定箇所が掘削されるとともに、第1遮断弁が閉弁操作された状態で、第1遮断弁の第1既設本管側の部位が切断されており、しかも、第1既設仕切弁が閉弁操作された状態である。このため、(5)の工程の実行時には、第1閉塞部材よりも第1既設本管側で且つ第1既設仕切弁よりも第2既設本管側の管部内には流体が通流しておらず、このような管部が埋設された部位を重機等により掘削する際、当該管部の破損を防止するための対策が必要なくなるとともに、当該管部を誤って破損したとしても流体が噴出することがないため、破損による被害を最小限に止めることができる。
【0067】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(7)の工程を実行後に、上記の(1)〜(5)の工程において掘削された部位を埋め戻すように構成されており、
上記の(8)〜(11)の工程を実行する際に、地中に埋設された前記既設管のうち前記第2分岐管装置、前記第2遮断弁及び前記第3閉塞部材の設置予定箇所を掘削するとともに、上記の(12)の工程を実行する際に、地中に埋設された前記既設管のうち前記第3閉塞部材よりも前記第1既設本管側で且つ前記第1流体管ユニットの前記第2閉塞部材よりも前記第2既設本管側の管部が埋設された部位を掘削するように構成されている点にある。
【0068】
上記特徴構成によれば、上記の(7)の工程を実行後に、上記の(1)〜(5)の工程において掘削された部位を埋め戻すので、第1次設定工区の既設管を更新した後の第1新設管も埋め戻されることとなり、当該第1新設管の上方の地表に存在する道路等への影響をできるだけ少なくすることができる。
その後、(12)の工程を実行する前には、既に、地中に埋設された既設管のうち第2分岐管装置、第2遮断弁及び第3閉塞部材の設置予定箇所が掘削されるとともに、第2遮断弁が閉弁操作された状態で、第2遮断弁の第1既設本管側の部位が切断されており、しかも、第1遮断弁が閉弁操作された状態である。このため、(12)の工程の実行時には、第3閉塞部材よりも第1既設本管側の管部内には流体が通流しておらず、このような管部が埋設された部位を重機等により掘削する際、当該管部の破損を防止するための対策が必要なくなるとともに、当該管部を誤って破損したとしても流体が噴出することがないため、破損による被害を最小限に止めることができる。
【0069】
本発明に係る流体配管系統の更新工法の更なる特徴構成は、上記の(14)の工程を実行後に、上記の(8)〜(12)の工程において掘削された部位を埋め戻すように構成されており、
上記の(15)の工程を実行する際に、地中に埋設された前記既設管のうち前記第2流体管ユニットが埋設された部位を掘削するとともに、上記の(16)の工程を実行する際に、地中に埋設された前記第2既設仕切弁が埋設された部位を掘削し、上記の(17)の工程を実行する際に、前記第2既設仕切弁よりも前記第1既設本管側で且つ前記第2流体管ユニットの前記第2閉塞部材よりも前記第2既設本管側の管部が埋設された部位を掘削するように構成されている点にある。
【0070】
上記特徴構成によれば、上記の(14)の工程を実行後に、上記の(8)〜(12)の工程において掘削された部位を埋め戻すので、第2次設定工区の既設管を更新した後の第2新設管も埋め戻されることとなり、当該第2新設管の上方の地表に存在する道路等への影響をできるだけ少なくすることができる。
その後、(17)の工程を実行する前には、既に、地中に埋設された既設管のうち第2流体管ユニットの埋設箇所が掘削されており、しかも、地中に埋設された既設管のうち第2既設仕切弁の埋設箇所が掘削されるとともに、第2既設仕切弁が閉弁操作された状態で、既設管における第2既設仕切弁の第1既設本管側の部位が切断されている。このため、(17)の工程の実行時には、第2既設仕切弁よりも第1既設本管側の切断済管部内には流体が通流しておらず、このような切断済管部が埋設された部位を重機等により掘削する際、当該切断済管部の破損を防止するための対策が必要なくなるとともに、当該切断済管部を誤って破損したとしても流体が噴出することがないため、破損による被害を最小限に止めることができる。
【0071】
上記目的を達成するための本発明に係る流体配管系統の更新工法に用いられる流体管ユニットは、上記特徴構成の何れか一つの流体配管系統の更新工法に用いられる流体管ユニットであって、その特徴構成は、
前記流体管ユニットとしての前記第1流体管ユニットの前記第1弁装置が、前記第1流体管の前記第1弁装着口部に設けた装着口側連結部に前記第1取付け手段としての締結具にて固定連結される弁蓋側連結部を備えた第1弁蓋と、当該第1弁蓋に貫設された第1弁棒を介して前記第1弁装着口部から脱着自在に装着される第1弁体とを備え、前記第1弁体が前記第1弁棒に沿って前記第1弁装着口部を介して前記第1流体管内に移動して、前記第1流体管内の流路を閉塞自在に構成されている点にある。
【0072】
上記特徴構成によれば、流体管ユニットは、第1弁装置の第1弁体により、必要に応じて第1流体管ユニットの第1流体管内の流路を閉塞自在で、しかも、当該流路を閉塞する必要がなくなった場合には、第1弁装着口部に設けた装着口側連結部と第1弁蓋の弁蓋側連結部との締結具による固定連結を解除することで、第1弁蓋とともに第1弁棒及び第1弁体を第1弁装着口部から取り外し自在に構成されることとなる。そして、第1弁装着口部から第1弁装置を取り外した後は、締結具により第1閉塞装置を取り付けて、第1弁装着口部を閉塞することができる。
よって、第1流体管内を確実に閉塞することができ、しかも、簡便且つコンパクトな構成の流体管ユニットを得ることができた。
【0073】
上記目的を達成するための本発明に係る流体配管系統の更新工法に用いられる流体管ユニットは、上記特徴構成の何れか一つの流体配管系統の更新工法に用いられる流体管ユニットであって、その特徴構成は、
前記流体管ユニットとしての前記第1流体管ユニットの前記第1弁装置が、前記第1流体管の前記第1弁装着口部に前記第1取付け手段としての締結具にて着脱自在に固定連結される第1密閉ケースと、前記第1密閉ケースの軸芯に沿って摺動自在に貫設される第1軸と、前記第1密閉ケース内に位置する前記第1軸の先端部に固設されて、前記第1弁装着口部を介して前記第1流体管内に挿入され、拡径側に膨張変形して前記第1流体管内の流路を閉塞自在な第1閉塞バッグとを備えるように構成されている点にある。
【0074】
上記特徴構成によれば、流体管ユニットは、第1閉塞バッグにより、必要に応じて第1流体管ユニットの第1流体管内の流路を閉塞自在で、しかも、当該流路を閉塞する必要がなくなった場合には、第1弁装着口部と第1密閉ケースとの締結具による固定連結を解除することで、第1密閉ケースとともに第1軸及び第1閉塞バッグを第1弁装着口部から取り外し自在に構成されることとなる。そして、第1弁装着口部から第1弁装置を取り外した後は、締結具により第1閉塞装置を取り付けて、第1弁装着口部を閉塞することができる。
よって、第1流体管内を確実に閉塞することができ、しかも、簡便且つコンパクトな構成の流体管ユニットを得ることができた。