【0022】
生体試料:本願明細書で「生体試料」というときは、哺乳類、好ましくはヒトの生体試料を意味する。生体試料は、プロトロンビンが存在する可能性のある試料(例えば、プロトロンビンを発現する組織に由来するものや、プロトロンビンが循環している体液など)であればどのようなものでも良いが、血液、血清、血漿、又はリンパ液が好ましい。
PIVKA-II:本願明細書で「PIVKA-II」というときは、哺乳類、好ましくはヒトのPIVKA-IIを意味する。
プロトロンビン:本願明細書においては、正常及び異常プロトロンビンの両者を総称して「プロトロンビン」と呼ぶ。また、本願明細書においては、「異常プロトロンビン」とはPIVKA-IIを意味し、「正常プロトロンビン」とはPIVKA-II以外のプロトロンビンを意味する。
モノクローナル抗体:本願明細書で「モノクローナル抗体」というときは、抗体そのものでも良いが、Fab断片やF(ab')
2断片などの抗原への結合活性を有する断片でも良い。前記モノクローナル抗体は、古典的な、抗原の非ヒト動物への免疫により得られるもののほか、遺伝子組み換え技術や遺伝子免疫法等により得られるものなど、その取得方法の如何を問わない。また、抗体はペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ビオチン、金属コロイド、FITCなどの公知の標識物質と結合していてもよい。また、「抗体を含有する試薬」は適当な塩、緩衝剤、保存料、界面活性剤、還元剤、凍結保護物質などを含有していても良い。なお、本発明において、2種類のモノクローナル抗体の使用を必須としているが、これは3種類目以降の使用を排除することを意図していない。さらに、担体粒子に固定化して使用している2種類のモノクローナル抗体を、担体粒子に固定化させず、遊離の状態で、さらに処方することも排除していない。
固定化:本願明細書では、「固定化」という用語は、「固相化」又は「感作」と同様の意味で用いる。
担体粒子:本発明で使用される担体粒子(不溶性担体)としては、例えば、有機高分子粉末、無機物質粉末、微生物、血球及び細胞片等が挙げられる。
上記有機高分子粉末としては、例えば、不溶性アガロース、セルロース、不溶性デキストラン等の天然高分子粉末、ポリスチレン、スチレン-スチレンスルホン酸塩共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、塩化ビニル-アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体等の合成高分子粉末などが挙げられ、特に合成高分子粉末を均一に懸濁させたラテックス粒子が好ましい。
上記無機物質粉末としては、例えば、金、チタン、鉄、ニッケル等の金属片、シリカ、アルミナ、炭素末などが挙げられる。
上記不溶性担体の平均粒径は、0.05〜1.0μmのものが通常用いられる。2種類のモノクローナル抗体を担持させる2種の担体粒子の粒径及び材質は、同一であっても、異なっていてもよい。
二価金属イオン:本願明細書で「二価金属イオン」というときは、Be
2+、Mg
2+、Ca
2+、Sr
2+、Ba
2+、又はRa
2+を意味する。これらの中では、Mg
2+又はCa
2+が好ましく、Mg
2+がより好ましい。Be
2+、Mg
2+、Ca
2+、Sr
2+、Ba
2+、又はRa
2+の濃度は、各々、好ましくは、1〜50mmol/L、2〜50mmol/L、3〜50mmol/L、5〜50mmol/L、7〜50mmol/L、又は10〜50mmol/L、より好ましくは、2〜30mmol/L、3〜30mmol/L、5〜30mmol/L、7〜30mmol/L、又は10〜30mmol/L、更に好ましくは、3〜20mmol/L、5〜20mmol/L、7〜20mmol/L、又は10〜20mmol/L、である。本発明における二価金属イオンはPIVKA-IIを測定しようとする生体試料由来のものではない。また前記濃度は、PIVKA-IIと抗体が固定化された担体粒子が凝集反応をする際の濃度を示す。二価金属イオンは、MgCl
2、CaCl
2などのハロゲン化物として、また、MgSO
4、CaSO
4などの無機酸塩、Mg(OH)
2、Ca(OH)
2などのアルカリ塩、MgC
2O
4、CaC
2O
4などの有機酸塩の形態で容易に入手、使用することができる。
接触させる:本願明細書で、生体試料に担体粒子を「接触させる」というときは、これらを固体、水溶液、又は懸濁液のいずれかの形態で混合することを意味する。
凝集:本願明細書で「凝集」というときは、同種又は異種の複数の、抗体が固定化された担体粒子どうしが、PIVKA-IIと各抗体の結合を介して結合することを意味する。この凝集に伴い、前記担体粒子を含む懸濁液に光をあてた場合の透過光又は散乱光の強度、波長、又は位相が変化する。
光学的に計測する:光学的に計測する方法としては、分光光度計あるいは散乱光度計を用いる方法が好ましい。
凝集を光学的に計測する:本願明細書で粒子の「凝集を光学的に計測する」というときは、複数種類の粒子の凝集が継続している状態で計測することを意味する。即ち、一旦粒子が凝集した後に、1種類の粒子を他の粒子から分離して光学的に計測することは意味しない。
PIVKA-IIに特異的に結合する:本願明細書において、抗体が「PIVKA-IIに特異的に結合する」というときは、当該抗体がPIVKA-IIに結合し、かつ、PIVKA-II以外の物質に結合しないことをいい、特に、正常なプロトロンビンには結合しないことを意味する。
プロトロンビンに特異的に結合する:本願明細書において、抗体が「プロトロンビンに特異的に結合する」というときは、当該抗体が正常プロトロンビン又はPIVKA-IIの少なくとも一方に結合し、かつ、正常プロトロンビン及びPIVKA-II以外の物質に結合しないことをいう。
上記の説明において、「結合しない」とは、全く結合しないことを意味するものではなく、PIVKA-IIの濃度を測定する際に許容できる以上の誤差を生じない限り、多少の非特異的な結合をする抗体も本発明に使用することができる。
異なるエピトープに結合する:本発明の方法、試薬、又はキットに使用される複数のモノクローナル抗体が「異なるエピトープに結合する」とは、それぞれの抗体がPIVKA-II上の異なる部位を認識することを意味する。これは、前記複数のモノクローナル抗体がPIVKA-IIへの結合に際して互いに競合しないためである。
非特異的な凝集:本願明細書で「非特異的な凝集」又は「非特異的な凝集反応」というときは、特異的な凝集以外の凝集を意味する。現実的には、特異的な凝集と非特異的な凝集の違いを直接的に区別することは困難であり、光学的な測定において測定値が予想される値から離れている場合に「非特異的な凝集」が観察されたと言う。
【実施例】
【0026】
[実験材料及び方法]
<モノクローナル抗体(抗PIVKA-II抗体):MU-3抗体>
(1)作成方法
抗PIVKA-IIモノクローナル抗体(MU-3抗体)は、特許文献3の実施例1に記載されている方法そのものにより作製された抗体を使用した。
【0027】
以下、特許文献3の実施例1に記載の抗体作成方法を一部省略して引用する。
『B ワーファリン服用者血漿にBaSO
4およびBaCO
3をそれぞれ100mg/mLの割合で加え、120分間攪拌し正常プロトロンビンを吸着除去し、次にDE-52celluloseに加えてイオン交換をおこない、正常プロトロンビンおよびPIVKA-IIの両者に対する共通部分のモノクロナール抗体を用いたアフイニティーカラムにかけ、4M塩酸グアニジンで溶出させて、透析し、濃縮してPIVKA-IIを精製した。得られたPIVKA-II (50μg)を同容量のフロイント完全アジユバンドと共にBALB/Cマウス(メス、4週齢)の腹腔内に投与し、さらに2週後にPIVKA-II (15μg)を尾静脈内へ投与し、3日後に脾細胞を摘出し、腫瘍細胞株P3U1と細胞融合した。細胞融合はポリエチレングリコール4000を用いて渡辺等の方法でおこなった。次に96ウエルマイクロプレートを用いて限界希釈法により三回クローニングをおこなった。なおクローニングのためのアッセイには前記Aでの脱カルボキシル化ヒトプロトロンビンおよび最終的にはネーテイブなPIVKA-IIを用いた。クローニングによって確立された抗体産生ハイブリドーマのセルラインにはそれぞれ、・・・、MU-3、・・・の識別記号を付した。・・・。セルラインMU-3よりモノクロナール抗PIVKA-II抗体を常法により得た。』
【0028】
上記、引用中に記載されているように、PIVKA-IIを免疫して得られるハイブリドーマが産生する抗PIVKA-II抗体のスクリーニングは、脱カルボキシル化ヒトプロトロンビン及び最終的にはネーテイブなPIVKA-IIを用いた抗体産生ハイブリドーマのクローニングのためのアッセイ等を通じてなされた。
【0029】
また、MU-3抗体のエピトープ部位は、PIVKA-IIのGla領域アミノ酸配列をもとに合成された種々の長さのペプチドフラグメントを用いた結合能の詳細研究により、『プロトロンビンのアミノ酸配列13〜23位のデカルボキシルペプチド部位』であることが同定・確認されている(特開平7-20127)。従って、特許文献3に記載のネーティブPIVKA-II、脱カルボキシル化ヒトプロトロンビンに加えて、特開平7-20127に記載のPIVKA-IIのGla領域アミノ酸配列をもとに合成された種々の長さのペプチドフラグメント等を、適宜組み合わせて、抗体のPIVKA-II及びPIVKA-II以外の物質との結合能を比較・確認することにより抗PIVKA-II抗体のスクリーニングを行うことができるので、これによりMU-3抗体以外の新たな抗PIVKA-II抗体を得ることもできる。本明細書には、特許文献3(特公平5-43357)及び特開平7-20127の全記載を参照として含める。
【0030】
またさらに、抗PIVKA-II抗体はMU-3以外にも公知である。例えば特開平9-43237に記載された2G4抗体、国際公開2010/104815号パンフレットに記載されたPIVKA-IIのアミノ酸配列の13〜27位のデカルボキシルペプチド部位をエピトープ部位とする抗体なども、本発明の抗PIVKA-II抗体として使用可能であると考えられる。
【0031】
<モノクローナル抗体(抗プロトロンビン抗体):24209抗体、24219抗体>
(1) 作成方法
i)ハイブリドーマの調製
クマジン血漿(UNIGLOBE RESEARCH CORPORATION社製)より精製したPIVKA-II(1mg/mL)とフロイントの完全アジュバント(GIBCO社製)とを1対1で混和乳化してエマルジョンとし、50μg/100μLの投与量で8週齢の雌BALB/Cマウス(日本チャールズリバー社製)の皮下に2週間間隔で4回投与後、最終免疫の3日後に脾臓を摘出した。摘出した脾臓から得られた脾臓細胞と骨髄腫細胞SP2/O-Ag14とを10対1の割合で混合し、50重量%ポリエチレングリコール1540(和光純薬工業社製)存在下にて細胞融合させた。融合細胞は脾臓細胞として2.5×10
6個/mLになるようにHAT培地に懸濁し、96穴培養プレート(CORNING社製)に0.2mLずつ分注した。これを5体積%CO
2インキュベーター中で37℃にて培養した。おおよそ2週間後に、ハイブリドーマが生育してきたウェルの培養上清を次に示すELISA法にしたがって評価し、PIVKA-IIに反応する抗体を産生するハイブリドーマを選択した。
具体的には、まず、マイクロプレート(NUNC社製)に前記精製したPIVKA-IIを5ng固相化した。これに各培養上清を反応させた後、ペルオキシダーゼ標識した抗マウスIgGヤギ抗体を反応させた。次いで、オルトフェニレンジアミン(東京化成工業社製)を含むペルオキシダーゼ基質溶液を加えて発色させ、1.5N硫酸を加えて発色を停止させた。その後、マイクロプレートリーダーで波長492nmの吸光度を測定し、プロトロンビンに特異的に反応する抗体を産生するハイブリドーマ09及びハイブリドーマ19を獲得した。
ii)モノクローナル抗体の調製
ハイブリドーマ09及びハイブリドーマ19から、それぞれ、下記方法により24209モノクローナル抗体(24209抗体)及び24219モノクローナル抗体(24219抗体)を調製した。
あらかじめ2週間前にプリスタン0.5mLを腹腔内に注射しておいた12週齢の雌BALB/Cマウスに、ハイブリドーマを細胞数0.5×10
6個の量で腹腔内に投与した。約14日後に腹水を採取し、遠心処理して上清を得た。当該上清を等量の吸着用緩衝液(3mol/L NaCl-1.5mol/L Glycine-NaOH,pH8.5)と混和後、濾過した。この濾液を吸着用緩衝液で平衡化したプロテインAカラム(HiTrap rProteinA FF、GEヘルスケア・ジャパン社製)に通して、抗体をカラムに吸着させた。その後、0.1mol/Lクエン酸緩衝液(pH3.0)で溶出させてモノクローナル抗体を精製した。
(2) 寄託番号
前記のハイブリドーマ09及び19は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託され(受領日:2011年5月11日)、受領番号はFERM BP-11381及びFERM BP-11382である。
【0032】
<ラテックス粒子の作成>
攪拌機、還流用冷却器、温度検出器、窒素導入管及びジャケットを備えたガラス製反応容器 (容量2L) に、蒸留水1100g、スチレン200g、スチレンスルホン酸ナトリウム0.2g、及び、蒸留水50gに過硫酸カリウム1.5gを溶解した水溶液を仕込み、容器内を窒素ガスで置換した後、70℃で攪拌しながら48時間重合した。
【0033】
重合終了後、上記溶液をろ紙にてろ過処理し、ラテックス粒子を取り出した。得られたラテックス粒子の粒子径を透過型電子顕微鏡装置 (日本電子社製、「JEM-1010型」) を用いて10000倍の倍率でラテックス粒子を撮影し、100個以上の粒子について画像解析することにより粒子径を測定した。平均粒子径は0.3μmであった。尚、本願明細書では、ラテックス粒子をLxと表記することがある。
【0034】
<抗体感作ラテックス粒子の調製>
i)24209抗体感作ラテックス粒子溶液の調製
前記平均粒子径0.3μmの1.0重量%ラテックス粒子溶液(5mmol/L トリス塩酸緩衝液(以下、Tris-HClという)、pH7.5)1mLに、5mmol/L Tris-HCl(pH7.5)で0.60mg/mLに希釈した24209抗体溶液を1mL添加して4℃で2時間攪拌した。その後、0.5重量%BSA含有5mmol/L Tris-HCl(pH7.5)を1mL添加して4℃で1時間攪拌した。最後に、これを遠心して上清を除去した後、沈殿を5mmol/L Tris-HCl(pH7.5)で再懸濁し、24209抗体感作ラテックス粒子溶液を作製した。
【0035】
ii)24219抗体感作ラテックス粒子溶液の調製
前記平均粒子径0.3μmのラテックス粒子及び24219抗体を用いて、上記と同じ方法により24219抗体感作ラテックス粒子溶液を作製した。
【0036】
iii)MU3抗体感作ラテックス粒子の調製
前記平均粒子径0.3μmのラテックス粒子及びMU3抗体を用いて上記と同じ方法によりMU3抗体感作ラテックス粒子溶液を作製した。
【0037】
<第一試薬の調製>
300mmol/Lの塩化ナトリウム、0.2重量%BSA、200μg/mL Heteroblock(OMEGA Biologocals社製)、及び0.9重量%ポリビニルピロリドンK-90(以下PVP)を含む100mmol/L Bis-Tris(pH6.0)溶液を調製し、第一試薬とした。
本願明細書においては、第一試薬を便宜的にR1と呼ぶことがある。
【0038】
<第二試薬の調製>
24209抗体感作ラテックス粒子溶液、24219抗体感作ラテックス粒子溶液の何れかとMU3抗体感作ラテックス粒子溶液を等量(各実施例を参照のこと)混合し、5mmol/L Tris-HCl(pH7.5)で波長600nmでの吸光度が6.0Absとなるように希釈して第二試薬とした。
本願明細書においては、当該混合液(第二試薬)を便宜的にR2と呼ぶことがある。
【0039】
<試料>
血清および血漿のPIVKA-II濃度をピコルミ(登録商標)PIVKA-II(三光純薬株式会社製)を用いて測定した。このPIVKA-IIの測定値と、本発明の測定方法による測定値を比較した。ピコルミ(登録商標)PIVKA-IIは、体外診断用医薬品として広く流通しており、また、2ステップ電気化学発光免疫測定法を原理としているため、非特異反応が生じにくい試薬である。
【0040】
<測定方法>
第一試薬と第二試薬を組合せ、日立7170形自動分析装置を用いて試料を測定した。具体的には、試料10μLに第一試薬150μLを加えて攪拌後、37℃で5分間保温し、第二試薬50μLを加えて攪拌した。抗体感作ラテックス粒子による凝集の形成に伴う吸光度変化を、その後5分間にわたり、主波長570nm、副波長800nmで測定した。
【0041】
[結果及び考察]
実施例1
4、22、617、2755、又は6357 mAU/mLの濃度でPIVKA-IIを含有する血清試料を10μL用意し、これを0から50mmol/Lの濃度のカルシウムイオンを含む150μLのR1で希釈し37℃で5分間保温した。続いて、24219抗体感作ラテックス粒子及びMU3抗体感作ラテックス粒子を含有する50μLのR2を混合した。抗体感作ラテックス粒子の凝集を、主波長570nm、副波長800nmの吸光度を5分間にわたり測定することにより検出した。27、1177、4063、又は6603 mAU/mLの濃度でPIVKA-IIを含有する血漿試料も用意し、同様の操作を行った。実施例1で用いたR1及びR2の組成を表1に示す。なお、R1にはCaCl
2を処方することでカルシウムイオンを含有させた。またPVPは抗体感作ラテックス粒子の感度増強剤として含有させている(以下、同じ)。
【0042】
【表1】
【0043】
血清試料を測定に用いた場合、カルシウムイオンをR1に添加していないコントロールでは、PIVKA-IIの濃度と吸光度の間の相関を表すR
2値(相関係数の2乗値)は約0.52であり、非特異的な凝集反応が観察された。また、カルシウムイオンをR1に1mmol/L添加した場合には、R
2値は約0.54であり、線形性の向上は観察されなかった。驚くべきことに、カルシウムイオンをR1に10、30、又は50mmol/L添加した場合には、R
2値はそれぞれ約0.97、約0.95、又は約0.96となり、線形性の著しい向上が観察された。以上、
図1を参照のこと。
【0044】
血漿試料を測定に用いた場合には、カルシウムイオンのR1への添加の有無にかかわらず、R
2値は約0.94から約0.98であり、非特異的な凝集反応は観察されなかった。
【0045】
24219抗体感作ラテックス粒子の代わりに24209抗体感作ラテックス粒子を用いた場合も同様の結果が得られた(データを示さず)。
【0046】
実施例2
18(同濃度試料が二つ;in duplicate)、1063、1570、1729、又は4050 mAU/mLの濃度でPIVKA-IIを含有する血清試料、及び、27、111、1065、又は2534 mAU/mLの濃度でPIVKA-IIを含有する血漿試料を用意し、実施例1と同様の実験を行った。実施例2においては、カルシウムイオンの代わりに10mmol/Lの濃度のマグネシウムイオンを用いた。比較のために、10mmol/Lの濃度のカルシウムイオンを用いた実験も行った。
【0047】
血清試料を用いた場合、カルシウムイオン又はマグネシウムイオンをR1に添加していないコントロールでは、R
2値は実施例1と同程度の約0.54であり、非特異的な凝集反応が観察された。カルシウムイオンをR1に10mmol/L添加した場合には、R
2値は約0.92であり、実施例1で観察された線形性の向上が再現された。マグネシウムイオンをR1に10mmol/L添加した場合には、R
2値は約0.87であり、カルシウムイオンの場合と同様に、線形性の著しい向上が観察された。以上、
図2を参照のこと。
【0048】
血漿試料を用いた場合、カルシウムイオン又はマグネシウムイオンをR1に添加していないコントロールでは、R
2値は約0.89であったが、カルシウムイオン又はマグネシウムイオンを10mmol/L添加した場合には、R
2値はそれぞれ約0.99又は約1.00であり、線形性の向上が観察された。実施例2で用いたR1及びR2の組成を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
24219抗体感作ラテックス粒子の代わりに24209抗体感作ラテックス粒子を用いた場合も同様の結果が得られた(データを示さず)。
【0051】
実施例3
抗体感作ラテックス粒子の凝集反応を行う溶液のpHが本発明に与える影響を、R1のpHをpH6.0からpH8.0の間で変化させた場合について試験し、マグネシウムイオン(10mmol/L)の添加効果を調べた。pH6.0からpH8.0の範囲では、いずれのpHにおいてもマグネシウムイオンのR1への添加により線形性の向上が観察された。以上、
図3を参照のこと。実施例3で用いたR1及びR2の組成を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
24219抗体感作ラテックス粒子の代わりに24209抗体感作ラテックス粒子を用いた場合も同様の結果が得られた(データを示さず)。
【0054】
実施例4
18(同濃度試料が二つ;in duplicate)、1063、1570、1729、2905又は4050 mAU/mLの濃度でPIVKA-IIを含有する血清試料、及び、27、111、1065、又は2534 mAU/mLの濃度でPIVKA-IIを含有する血漿試料を用意し、実施例1と同様の実験を行った。実施例4においては、カルシウムイオンの代わりに1、5、及び10mmol/Lの濃度のマグネシウムイオンを用いた。
【0055】
血清試料を用いた場合であって、マグネシウムイオンをR1に1mmol/L添加した場合には、R
2値は約0.58であり、実施例2で観察されたのと同様に線形性の向上は観察されなかった。マグネシウムイオンをR1に5mmol/Lあるいは10mmol/L添加した場合には、R
2値は約0.84、約0.82であり、実施例2で観察された線形性の向上が再現された。以上、
図4を参照のこと。
【0056】
血漿試料を用いた場合であって、マグネシウムイオンを1mmol/L、5mmol/Lあるいは10mmol/L 添加した場合には、R
2値はそれぞれ約0.91、約1.00、又は約1.00であり、線形性の向上が観察された。実施例4で用いたR1及びR2の組成を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】
24219抗体感作ラテックス粒子の代わりに24209抗体感作ラテックス粒子を用いた場合も同様の結果が得られた(データを示さず)。