【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、独立請求項によって達成される。好ましい例示的な実施の形態は、従属請求項から生じる。
【0013】
本発明による容量性情報担体、本発明によるシステム、並びに情報担体及びシステムの使用、更には情報を取得するための本発明による方法によって、従来技術の不都合な点を克服できたのは全く驚くべきことであった。
【0014】
したがって、少なくとも1つの導電性基板がタッチ構造体として非導電性基板上に配置される容量性情報担体が提供される。そのタッチ構造体は、少なくとも1つのタッチポイント、1つの結合面及び/又は1つの導体経路を備えることが好ましい。
【0015】
本発明の意味では、結合面は詳細には基板上の導電性エリアである。結合面は、本発明による情報担体の好ましい変形形態を表しており、例えば、タッチ構造体の一部ではない外部の電気静電容量への結合を可能にし、それゆえ、情報担体のタッチ構造体の実効的な電気静電容量を高めることを可能にする。結果として、その情報担体は、特に安全かつ確実に読み取ることができる。これは、人が情報担体に接触するか、又は接近するときに、及びまた、物体による結合を通じて行うことができる。
【0016】
導体経路は導電層からなることが好ましく、2つ又は複数のサブエリア間に電気的接続を確立することが好ましい。
【0017】
有利には、好ましい実施の形態では、基板は、プラスチック、紙、厚紙、木質系材料、複合材料、ガラス、セラミックス、織物、皮革又はそれらの組み合わせからなる。基板は、特に、好ましくは可撓性であるとともに低重量である非導電性物質である。光透過性基板又は不透明な基板を用いることができる。好ましいプラスチックは、特に、PVC、PETG、PV、PETX、PE及び合成紙を含む。
【0018】
導電層は、金属層、金属粒子を含む層、導電性粒子を含む層、導電性ポリマー層又は少なくとも1つのこれらの層の組み合わせからなる層であることが好ましい。導電性粒子は、特にすす及びグラファイト粒子である。本発明の意味では、ポリマーは、特に、化学的に一様に構造化されているが、しかしながら、通常は重合度、モル質量及び鎖長に関して異なる高分子(ポリマー分子)の集合体からなる物質を意味する。ポリマーは好ましくは導電性である。そのような均一ポリマーを有する物質では、全ての高分子は、好ましくは同一に構造化されて、それらの高分子の鎖長(重合度)のみが異なる。そのようなポリマーは重合体同族列を意味することができる。ポリマーは、無機ポリマー、有機金属ポリマー、全体的又は部分的な芳香族ポリマー、ホモポリマー、コポリマー、バイオポリマー、化学修飾ポリマー及び/又は合成ポリマーを含む群から選択することができる。パラフェニレン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン(PANI)及びPEDOTから選択されたポリマーが特に好ましい。したがって、情報担体は、量産法によって価格効果の良い方法で製造することができる。
【0019】
本発明によれば、タッチ構造体は、特に、構造化するようにして付着された導電性材料の層である。導電率及び構造というこれらの2つの特性の本発明による組み合わせを通じて、驚くべきことに、タッチ構造体と容量性有効エリアとの特定の相互作用を達成することが可能であった。
【0020】
タッチポイント、導電経路及び結合面は、好ましくは、同じ又は類似の導電性材料からなることができるので、情報担体は、好ましくはたった1つの技術的方法を用いることによって製造することができる。その結果、情報担体は、量産品として容易かつ経済的に実現することができる。本発明の好ましい実施の形態では、少なくとも1つの結合面を有するタッチ構造体が基板上に配置され、その結合面は少なくとも1つの導体経路を介して少なくとも1つのタッチポイントに接続されること、及び/又はタッチポイントの一部が結合面であることを提供することができる。
【0021】
本発明の意味では、タッチ構造体は詳細には署名又は印鑑を意味することができる。導電率及び構造というこれらの2つの特性の本発明による組み合わせを通じて、驚くべきことに、タッチ構造体とエリアセンサーの容量性有効エリアとの特定の相互作用を達成することが可能であった。したがって、そのタッチ構造体の構造は、エリアセンサーに接続されるデータ処理システムにとって評価可能である。有利には、付着したタッチ構造体は、アディティブ法及び/又はサブトラクティブ法によって、好ましくはインクジェット法によって、特に好ましくはレーザー法によって、特定のエリアにおいてその構造化に関して変更可能にすることができる。
【0022】
好ましい実施の形態では、タッチ構造体は基板上に印刷された層である。印刷法を用いて基板上にタッチ構造体を付着させることができるのは全く驚くべきことであった。情報担体は当業者にとって既知である印刷法、好ましくはアディティブ法及び/又はサブトラクティブ法によって作製されることが好ましい。大量生産法を用いて情報担体を作製することができるので、これは従来技術よりも優れた大きな利点である。有利には、タッチ構造体は、アディティブ法又はサブトラクティブ法を用いて、容易に、かつ経済的に有利に実現することができる。
【0023】
しかしながら、タッチ構造体は転写法を用いて基板上に転写されることも好ましい。好ましくは、タッチ構造体上に基板を付着させることは、それ自体が既知である転写法を通じて行うことができる。ここでは、好ましくは、これは転写フィルム法に関係し、特に好ましくはコールドフィルム転写法に関係する。そのような方法は当業者には既知であり、当業者は、印刷法を用いて、特に或る特定のエリアにおいて、物質(例えば、タッチ構造体等)を構造化するようにして基板上に付着させることができることを知っている。この際、基板はタッチ構造体によって表面全体にわたって覆われるのではなく、タッチ構造体は基板の或る特定のエリア上にのみに付着する。当然、層を構造化するようにして付着させるための他の方法を用いることもできる。
【0024】
さらに、転写フィルム法を用いて作製される容量性情報担体が提供される。この転写フィルム法は、
a.ロール上に転写フィルムを設けるステップであって、転写フィルムは担体フィルムと、少なくとも或る特定のエリアにおいて担体フィルム上に配置される導電性転写層とを含む、設けるステップと、
b.
非導電性基板を設けるステップと、
c.接着剤を供給するステップと、
d.基板上に、及び/又は転写フィルム上に、構造化されるようにc)による接着剤を塗布するステップと、を含み、
非導電性基板上の、少なくとも或る特定のエリアにおいて、タッチ構造体として導電層が配置される。少なくともタッチ構造体は更なる層によって覆われることが好ましい。
【0025】
情報担体は、少なくとも或る特定のエリア内に接着剤が塗布された非導電性基板と、接着剤への接着を通じて一致するように付着する、少なくとも単一の層を有する導電層とを含むことが好ましく、接着剤及び導電層は、転写法によって、好ましくは転写フィルム法によって、特に好ましくはコールドフィルム転写法によって付着した層であり、導電層はタッチ構造体として構成され、少なくともタッチ構造体は更なる層で覆われる。
【0026】
導電層を構造化することは、詳細には、接着剤を介して行われ、その接着剤は導電性接着剤であることが好ましい。その接着剤は或る配置又はレイアウトで基板(プリント基板)上に直接付着し、その後、転写フィルムと接触するように導かれる。有利には、接着剤を塗布すること、及び基板と転写フィルムとを接合することは、1つの機械内で実行することができる。転写フィルム自体は少なくとも2つの層、すなわち、転写可能層(=転写層)及びその層を支持する更なる担体材料(キャリアフィルム)からなる。2つの層の結合は、接着剤を用いて基板上に転写層を転写することが問題なく可能であるように構成され、したがって、基板及び転写層への接着剤の接着は、転写層の粘着、及び担体材料上の転写層の接着よりも強くしなければならない。材料転写が完了すると、基板材料は、構造化されるようにして塗布された接着剤と、同様に、その接着剤を覆う転写層としての転写材料とを含み、転写材料もこの時点で構造化される。これは、圧力、温度の助け、及び、エンボススタンプ、コンタクトプレス等の機械的な補助手段の助けを借りて容易にすることができる。このようにして、情報担体を設けることができ、そのレイアウト及び転写材料の材料特性に起因して、結果として、適切なリーダーにおいて特定することができるか、又はエリアセンサーと相互作用することができる容量性読み取り可能構造が形成される。少なくともタッチ構造体を形成する層は、少なくとも或る特定のエリアにおいて更なる層で覆われることが好ましく、その層は紙層、フィルム層、塗料層、ラッカー層及び/又はそれらの組み合わせであることが好ましい。本発明の意味では、更なる層はカバー層を意味することもできる。
カバー層は、基板(2)を完全に、又は部分的に覆う少なくとも1つのカバー層(6)でありうる。カバー層は、情報担体のタッチ構造体の保護として、又は遮蔽するために都合良く用いることができる。好ましい変形形態では、このカバー層はカバープレートとして実現することもできる。カバープレートは硬質又は軟質の材料からなることができる。
【0027】
更なる好ましい実施の形態では、指先の配列及び/又は特性を模倣する少なくとも1つの導電性タッチ構造体が非導電性基板上に配置される。指先の配列及び/又は特性を模倣するタッチ構造体の更なる特性は、そのような構造体が、エリアセンサーに接続されるデータ処理システムによって簡単に評価されることができ、ソフトウェアを通じて更に良好に処理されることができるので、ここでは特に有利である。
【0028】
容量性エリアセンサーは、本発明の意味では、特にタッチスクリーンと呼ぶことができる。
【0029】
従来技術では、そのようなタッチスクリーンは、特に、能動回路であるタッチスクリーンを備え、タッチスクリーンは電極構造体に接続される。これらの電極は、通常、送信電極と受信電極とに分けられる。タッチコントローラーは、好ましくは、信号が、1つ又は複数の送信電極と1つ又は複数の受信電極との間でその都度送信されるように電極を制御する。タッチスクリーンの休止状態では、例えば信号は一定のままである。従来技術に記載されているタッチスクリーンの目的は、特に、タッチスクリーンの表面上における指及びその位置を認識することである。ここで、指の作用は、電極間の信号を変化させる。信号強度は通常、減少する。この理由は、上に置かれた指が送信電極からの信号の一部を吸収し、したがって、受信電極に到達する信号が弱くなるからである。
【0030】
タッチ構造体の有利な特性はその導電率である。タッチ構造体を有する好ましい情報担体が、指の代わりにエリアセンサーと接触される場合、導電性エリアは、好ましくは、指と同じ効果を引き起こす。しかしながら、一方で、指の作用に匹敵する効果は、タッチコントローラーに最適に認識可能であるように、或る特定の位置で、特にタッチポイントにおいて最大化されるべきであるので、導電性構造体はエリアごとに構造化される。したがって、有利には、タッチ構造体は、エリアセンサーに接続されたデータ処理システムにとって評価可能となる。
【0031】
更なる好ましい実施の形態では、指先の配置及び/又は特性を模倣する少なくとも1つの導電性タッチ構造体が非導電性基板上に配置される。タッチ構造体は、少なくとも1つのタッチポイント、1つの導電トレース及び/又は1つの結合面を含む。タッチ構造体における少なくとも1つ又は複数のタッチポイントの組み合わせが、指先の配置及び/又は特性を模倣することが好ましい。本明細書の意味では、好ましくは少なくとも1つの結合面、特に好ましくは少なくとも1つの導体経路、更に好ましくは少なくとも1つのタッチポイントを含むタッチ構造体を用いて、指と同じように、エリアセンサーへの入力を実行することができる。このために、本発明の好ましい実施の形態は、タッチ構造体が指先の特性を模倣するという事実によって記述することができ、これは、好ましくは、タッチ構造体が、指と同じように、エリアセンサーへの入力を実行することができるというタッチ構造体の特性を意味する。指先の配列及び/又は特性を模倣するタッチ構造体のこの更なる特性は、そのような構造体が、エリアセンサーに接続されるデータ処理システムによって簡単に評価されることができ、ソフトウェアを通じて更に良好に処理されることができるので、ここでは特に有利である。
【0032】
これに関連して、情報担体上の導電性エリアを構造化することによって、タッチポイントが指先の特性を適切に模倣する。タッチスクリーン又はエリアセンサーへの入力は、1つ又は複数の指(シングルタッチ又はマルチタッチ)によって実行できることは当業者には既知である。エリアセンサーの技術及び入力の原理、すなわち、指の特性を通じて入力が行われる技術及び原理は当業者には既知である。例えば、指の電気的特性(例えば、導電率)は別として、密度、入力の圧力、又はエリアセンサーからの距離も入力に影響を及ぼすことができる。導電性エリアを構造化することによって、好ましいシステムは、エリアセンサーに指と同じ影響を及ぼし、すなわち、エリアセンサー上の位置への入力を達成し、その位置は情報担体の導電性エリアによって画定される。したがって、当業者であれば、実験に関して大きな労力を注ぐことなく、指又は指先の特性が模倣されるように情報担体のタッチ構造体を実現することができ、エリアセンサーへの入力は情報担体の導電性エリアによって達成することができる。
【0033】
格子の形の電極配列を有する、いわゆるタッチスクリーンとの相互作用に関する好ましい情報担体の非限定的な一例では、例えば、タッチポイントの適切な構造化は、直径が1mm〜20mm、好ましくは4mm〜15mm、特に好ましくは6mm〜10mmの円である。タッチスクリーンは指先の位置を特定するのに適しているので、情報担体のタッチポイントは、同じようにしてタッチスクリーンによって特定することができる。タッチスクリーン又はエリアセンサーは、有利には、その入力が情報担体のタッチ構造体によって実行されたか、指によって実行されたかを区別することはできない。
【0034】
本発明によれば、情報担体上に複数のタッチ構造体を付着させることが好ましい場合がある。有利には、情報を記憶するために、タッチ構造体の形状、向き、数量、位置合わせ、距離及び/又はサブエリアの位置を用いることができる。
【0035】
有利には、更なる好ましい実施の形態によれば、導電性材料は基板上に印刷される層である。したがって、その層は、簡単で、かつ経済的に好ましいようにアディティブ法によって実現することができる。そのような方法は当業者には既知である。当然、導電層を構造化するようにして付着させるための他の全ての方法も用いることができる。
【0036】
更なる好ましい実施の形態では、導電層はサブトラクティブ法を用いることによって実現され、その場合、層のエリアが除去される。このために、エッチング又はレーザーを用いる既知のアブレーション法が用いられる。レーザーアブレーションの場合、除去されることになる材料は、レーザービームの動作を通じて気化される。当然、更なる方法を用いることもできる。
【0037】
情報担体若しくは一群の情報担体及び/又は本発明のシステムを、経済生活の数多くの分野で用いることができることは全く驚くべきことであった。これらの分野には、例えば、トランプ、トレーディングカード(collector cards:コレクターカード)、スタンプ、消印、郵便料金、商品ロジスティクス(goods logistics)、商品追跡、アクセス、チケット、閉鎖エリアへのアクセス、仮想コンテンツ、マーケティングアプリケーション、カスタマーロイヤルティ、宝くじ及び賭博行為、メンバー識別、定期券、支払いアプリケーション、鑑定書、証明書、偽造防止、コピー防止、署名、受領証、銀行報告、添付文書、コンピューターゲーム内のオブジェクト、音楽/ビデオ/電子ブックのダウンロード、ボーナスカード/プログラム、デバイスコントローラー又はギフトカードが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
情報担体は、或る物品に接続されるか又は基板としての機能を果たすその物品そのものであることが好ましい場合がある。本発明の意味では、物品を意味するのは、詳細には、物、対象物又は物体である。物品は、パッケージング、卓上食器、印刷製品、衣類、家具、書類、玩具、消費者商品、食品、半製品、機械部品、建設資材、使い捨て及び再利用容器、及び/又は電気デバイスを含むグループから選択されることが好ましい。原理的には、平坦でない物品も情報担体の直接担体とする(その物品が基板の機能を担う)ことができるか、又は情報担体をその物品に取り付けることができるか、若しくはその上に付着させることができるという点で間接担体とすることができる。取り付けること、又は付着させることは、例えば、自己接着するようにして、又は、例えば、織物上のラベルのような、他の既知の結合技術又は補助材料を用いて実行することができる。
【0039】
有利には、少なくとも1つの情報担体は、少なくとも或る特定のエリアにおいて、少なくとも1つのエリアセンサーと接触する。このために、少なくとも1つの導電層が或る特定のエリアにおいて基板上に付着し、導電層の少なくとも1つのエリアがサブエリアである。本明細書の意味では、1つ又は複数のサブエリアは、タッチ構造体とも呼ばれる。タッチ構造体又はそのサブエリアの形状、向き、数量、位置合わせ、距離及び/又は位置は、少なくとも或る特定のエリアにおいてエリアセンサー上に情報担体を位置決めすることによって、又はエリアセンサーに対して情報担体の少なくとも1つのエリアを相対的に動かすことによって、少なくとも1つのイベントがトリガーされるような情報を形成することが好ましい。本発明の意味では、或る特定のエリアにおいてエリアセンサー上に情報担体を位置決めすることは、詳細には、情報担体の1つのエリアがエリアセンサーの少なくとも1つのエリアと接触することを意味する。
【0040】
情報担体は、好ましくは、少なくとも1つのイベントがエリアセンサーによってトリガーされるようにエリアセンサーと接触される。
【0041】
接触するとは、本発明の意味では、特に情報担体とエリアセンサーとの間に隙間がないことを意味する。これは、情報担体が好ましくはエリアセンサーに物理的に接触することを意味する。一方、情報担体とエリアセンサーとの間に直接的な接触がなく、イベントをトリガーするには接近で既に十分であることが好ましい場合もある。接近するとき、情報担体とエリアセンサーとの間の距離は0cm〜2cmよりも大きいことが好ましい。
【0042】
したがって、本発明は、少なくとも1つの容量性情報担体と、少なくとも1つの容量性エリアセンサーとを備えるシステムにも関連し、情報担体とエリアセンサーとの間で、接触又は接近が生じ、これを通じて、容量性相互作用が達成される。容量性相互作用を通じて、情報担体のタッチ構造体が、エリアセンサーに接続されるデータ処理システムにとって評価可能になり、したがって、情報担体に関連するイベントをトリガーすることができる。本発明の意味では、エリアセンサーはタッチスクリーンも意味する。
【0043】
この容量性相互作用を通じて、好ましくは、エリアセンサーを支持するデバイスにおいて、イベントをトリガーすることができる。そのイベントは更に、限定はしないが、例えば、アプリケーション(プログラム)を起動及び/又は終了すること、数値及び/又はテキストを変更すること、グラフィックスを操作すること、データベースを変更すること、又は情報技術サービスへのアクセスを獲得すること等の動作をトリガーする。
【0044】
エリアセンサーは、少なくとも1つの容量性ディスプレイを備え、エリアセンサーを含むデバイスは、これらに限定されるものではないが、スマートフォン、移動電話、ディスプレイ、タブレットPC、タブレットノートブック、タッチパッドデバイス、グラフィックスタブレット、テレビ、PDA、MP3プレーヤー、トラックパッド及び/又は容量性入力デバイスを含む群から選択されることが好ましい。容量性エリアセンサーは、例えば、タッチスクリーン、タッチパッド又はグラフィックスタブレットとして入力デバイスの一体部分とすることもできる。タッチスクリーンは、触覚性スクリーン又はタッチセンサースクリーンとしても知られている。そのような入力デバイスは、中でも、スマートフォン、PDA、タッチディスプレイ又はノートブックにおいて用いられる。エリアセンサーは、必ずしもディスプレイの前面に位置する必要はない。例えば、上記エリアセンサーは、キーボードとして構成して用いることもできる。クリック機能とともに、ドラッグアンドドロップ操作を行うこともできる。また、例えば表示された要素を回転又は拡大縮小するために、いわゆる「マルチタッチ」の形態の複数の同時接触を用いることも可能である。エリアセンサーは、好ましくはいわゆる投影容量性タッチ技術(PCT)として設計される。PCT技術の変形形態は、例えば、「相互静電容量」及び「自己静電容量」を含み、これらは相互静電容量スクリーン及び自己静電容量スクリーンとして設計することができる。
【0045】
本発明の情報担体は、この情報担体を用いて、有利には、エリアセンサーを有するデバイスへの接続を実現することができることを特徴とする。エリアセンサーは、好ましくは容量性リーダーと類似して動作するが、現在、従来技術(特許文献1の永久情報ストア)から限定的に知られているような、固定の画定された導体経路にも読み取り電極にも依拠していない。本発明の情報担体を通じて、容量性エリアセンサーを含むデバイスの機能の範囲を拡張したものが開発される。その結果、例えば、情報がより容易にアクセス可能になり、及び/又はデバイスの使用が(特に身体的に障害を負った人、身体障害者又は高齢者にとって)簡単になり、及び/又は新規な用途が可能になるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
情報担体上において、サブエリアとして構成することができるタッチ構造体の形態で情報を記憶することができることが好ましい。情報担体がエリアセンサーに接触又は接近すると、情報は、エリアセンサーを介して読み取り可能になり、静電容量が特に部分的に変化する。
【0047】
情報を形成するタッチ構造体、すなわち或るエリアのサブエリアは導電性材料からなる。本発明の開示によれば、当業者は、タッチ構造体が、コーナーポイント、及び/又は曲線によって画定されたエリア一帯、例えば長方形、円形又は類似の形状からなることを認識する。サブエリアの相互の空間的関係(向き、量、位置合わせ、距離及び/又は位置)及び/又はサブエリアの形状が好ましくは情報を表す。情報担体がエリアセンサー上に位置決めされると、タッチ構造体は、例えば指の入力として解釈され、それによって、タッチ構造体のサブエリアから、符号化された情報が、これに限定されるものではないが例えば2進コード化された数の形で決定可能である。しかしながら、情報担体は情報担体として直接解釈することができるか、又はそれぞれ、情報担体の使用状況が特にその特定の情報を決定する。位置決めは、エリアセンサーに対して情報担体を動かすことを通じて実行することもできる。エリアセンサーは、情報担体に対する相対的な動きの中で、情報担体から完全な情報又は部分的な情報を徐々に受信することが好ましい。これに関連して、エリアセンサーに対する情報担体の位置に基づいて、異なるイベントが生成されることも可能である。このために不可欠なのは、例えば、エリアセンサーに対して情報担体が動く方向、又は留まる時間である。
【0048】
情報担体は、有利には、単純な署名付き情報担体又は符号化された情報担体として構成することができる。このため、情報担体は、或る特定の量のデータ又はハードウェアの認可された使用のためのキーとして適しており、例えばインターネット等の既知のデータネットワークを介して通信を行うことができる。通信は、エリアセンサーを備えるデバイスを介して行うこともできる。
【0049】
以下に要約するように、動作は、好ましくはイベントによってトリガーされるものである。
【0050】
エリアセンサーを含むデバイスとの関連において、情報担体は以下のものである:
−デバイス自体においてプログラムシーケンス内の動作をトリガーする単純な情報担体、
−デバイス、及び/又はデータネットワークを介して接続することができる外部のデータ処理システムのプログラムシーケンス内の動作をトリガーする署名付き情報担体、
−デバイス及び/又は外部のデータ処理システムのプログラムシーケンスによって復号化され、デバイス又は外部のデータ処理システムのプログラムシーケンス内の動作をトリガーする符号化された情報担体。
【0051】
更なる好ましい実施の形態によれば、それぞれが少なくとも1つの関連付けられた結合面を有する少なくとも2つのタッチ構造体が基板上に置かれる。この配置によれば、例えば、ユーザーが、関連した各結合面にタッチすると、少なくとも2つのイベントをトリガーすることができる。これによって、ユーザーは情報担体を介して例えばイエス/ノーの決定をトリガーすることができる。
【0052】
幾つかの情報担体は、有利には、特に、隣同士に及び/又は順に上に重ねて及び/又は時系列で組み合わせて読み取ることができる。これによって、驚くべきことに、情報担体が例えば厚紙及び/又は紙に印刷されていても、複雑な情報を記憶することが可能である。情報担体は、驚くべきことに、印刷媒体をデジタル媒体と組み合わせる。このようにすることは、これまで可能ではなかった。
【0053】
情報担体がデータ処理システム内のデータセットに割り当てられ、データセットは一定のままであることが更に好ましい。好ましい実施の形態では、情報担体がデータ処理システム内のデータセットに割り当てられ、データセットは変化する。これは、例えば、情報担体を用いることによって及び/又は経時的に(by means of time)行うことができるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
情報担体は、有利には、エリアセンサーと接続した情報担体を、タッチ構造体を介してデータ処理システムの動作に割り当てることができるように、又はエリアセンサーと接続した情報担体が上記動作をトリガーすることができるように用いることができる。この動作は、特に、ネットワーク化されていないデータ処理システム、特に好ましくはネットワーク化されているデータ処理システムに適用される。
【0055】
また、本発明は、情報を取得するための容量性情報担体の使用にも関連する。ここでは、少なくとも1つの容量性エリアセンサー及び少なくとも1つの容量性情報担体が提供され、情報担体は非導電性基板を有し、その基板は少なくとも1つの導電性タッチ構造体を備える。少なくとも1つの情報担体は、少なくとも1つのエリアセンサーと接触し、その接触は静的及び/又は動的とすることができる。ここで、静的接触は、詳細には、情報担体の評価時に、エリアセンサーに対して行われる動きがないか、又はその動きが大きくないことを表す。対照的に、動的接触は、詳細には、情報担体の評価中に相対的な動きが生じる場合があることを表す。本発明によれば、その接触は接近も含むことができる。その接触を通じて、容量性相互作用がトリガーされ、その容量性相互作用を通じて、情報担体からエリアセンサーに情報が転送される。
【0056】
導電層のエリアであるタッチ構造体は、好ましくはサブエリアからなる。情報担体がエリアセンサーと接触すると、イベントがトリガーされるように、特に、サブエリアの形状、向き、量、位置合わせ、距離及び/又は位置が情報担体の情報を形成する。これに関して、エリアセンサーを用いてデバイスのプログラムシーケンスを制御することが可能である。サブエリア、すなわちタッチ構造体は、好ましくはコーナーポイント、及び/又は曲線によって画定されたエリア一帯、例えば長方形、円形又は類似の形状からなる。
【0057】
サブエリアは、例えば、8mmの円とすることができる。したがって、幅50mm、高さ75mmの163ppi(ピクセル/インチ)の分解能のエリアセンサーにおいて、サブエリアは実質的に約50×50ピクセルのサイズを有する。8mmのサイズを有するサブエリアをエリアセンサー上に6×9に配列して、54分割することができる。この結果、以下となる。
【0058】
サブエリアの位置は、それらの直径の2分の1まで決定可能である。したがって、可能な位置の数は、軸当たり2倍である。しかし、1つの位置が、端においてその都度除外される。したがって、(6*2−1)×(9*2−1)であり、このため11×17個の位置が区別可能である。
【0059】
極端な場合、1つの占有された位置が、9つの可能な近傍の位置を塞ぐ。したがって、用いられる位置が5つの場合、17×11=187個の可能な位置のうちの5×9=45個の位置が除外される。このため、142個の空いている位置が残される。サブエリアとしての空いている位置は、二項係数に従う。
【0060】
したがって、式
【数1】
は、サブエリアの可能な配置を与える。この場合、サブエリアの448072338個の異なる配置が可能である。この数字は、29桁を有する2進数として表すことができる。この結果、少なくとも2
28個の可能な配置が得られ、28ビットのデータを表すことができる。
【0061】
5個から18個までのサブエリアの数の場合、以下の表が得られる:
【表1】
(表中英語の意味)
142 choose 5 142個から5個を選ぶ組合せ:
142C
5
133 choose 6 133個から6個を選ぶ組合せ:
133C
6
124 choose 7 124オーバー7(124個から7個を選ぶ組合せ:
124C
7)
115 choose 8 115オーバー8(115個から8個を選ぶ組合せ:
115C
8)
106 choose 9 106オーバー9(106個から9個を選ぶ組合せ:
106C
9)
97 choose 10 97オーバー10(97個から10個を選ぶ組合せ:
97C
10)
88 choose 11 88オーバー11(88個から11個を選ぶ組合せ:
88C
11)
79 choose 12 79オーバー12(79個から12個を選ぶ組合せ:
79C
12)
70 choose 13 70オーバー13(70個から13個を選ぶ組合せ:
70C
13)
61 choose 14 61オーバー14(61個から14個を選ぶ組合せ:
61C
14)
52 choose 15 52オーバー15(52個から15個を選ぶ組合せ:
52C
15)
43 choose 16 43オーバー16(43個から16個を選ぶ組合せ:
43C
16)
34 choose 17 34オーバー17(34個から17個を選ぶ組合せ:
34C
17)
25 choose 18 25オーバー18(25個から18個を選ぶ組合せ:
25C
18)
【0062】
したがって、12個のサブエリアによって、結果として、この例に従って表すことができる最大45ビットのデータが得られる。これは、以下を意味する:
−最大5個のサブエリアの場合、最大28ビットまでを情報担体1に収容することができ、
−12個のサブエリアの場合、最大45ビットまでを情報担体1に収容することができる
【0063】
サブエリアを縮小することによって、データの量を著しく増やすことができる。
【0064】
また、本発明は容量性情報担体を認識するための方法にも関連し、その情報担体はタッチスクリーンを有するコンピューターベースシステムに設置されることが好ましい。その方法は、容量性ベースラインを設けることと、容量性情報担体がタッチスクリーンに接触するか、又は接近するときに、電流信号を生成することとを含む。容量性ベースラインと生成された信号とを比較することによって、イベントがトリガーされる。
【0065】
タッチスクリーンを有するコンピューターベースシステムが容量性情報担体を(接触又は接近を通じて)認識すると直ちに、イベントがトリガーされる。しかしながら、タッチスクリーンは情報担体を認識するだけであり、情報をコンピューターに転送して、それに応じて、コンピューターがイベントをトリガーすることも好ましい可能性がある。タッチスクリーンは白黒モニター、カラーモニター(CGA、EGA、VGA、SVGA)、LCD、CRT、LED、OLED又はプラズマモニターを含むモニターの一体部分とすることができる。しかしながら、タッチスクリーンがモニターに組み込まれるのではなく、別の構成要素として実現されるのも有利である可能性がある。例えば、タッチスクリーンは、タッチパッド又はトラックパッドとして構成することができる。タッチスクリーンは、情報担体から受信された情報をデータ処理デバイスに転送することが好ましく、それにより、イベントがトリガーされることが好ましい。
【0066】
イベントは更に動作をトリガーすることが好ましい。その動作は、例えば、コンピューター又はコンピューターネットワーク上に登録すること、又は制限されたエリアに進入すること、コンピューターの関連する個人設定をコンピュータープロファイルにロードすること、ウェブコンテンツにアクセスすること、コンピュータープログラムを開始すること、文書を開くこと、及び/又は閉じること、メニューを見ること、更なる動作を実行すること、文書を符号化すること、及び/又は復号化すること、又は入力デバイス及び/又は出力デバイスを動作させることとすることができる。また、例えば、進入制限エリアに進入するために、複数の情報担体を組み合わせなければならないことも好ましい可能性がある。ここでは、必要な情報担体は様々な人に分配することができ、これによって高い安全基準が満たされる。また、複数の情報担体を組み合わせて、関連するシーケンスを形成し、シーケンス全体が完成した場合にのみ、イベントがトリガーされるようにすることができる。情報担体は、例えば、個人データ、銀行データ又はクレジットカードデータを出力するイベントをトリガーするために用いることができる。これは、銀行部門又は小売部門において特に有利である可能性がある。
【0067】
また、情報担体は、例えば、当選の可能性を決定するホームページへのアクセスを確立する宝くじとして使用することによって、広告のために用いることもできる。情報担体は、他の物品とともに販促品として配布又は販売することができる。情報担体を用いて、受領者は販促情報又は製品情報にアクセスすることができる。例えば、情報担体を用いて、受領者は、詳細には、購入された製品のためのユーザーマニュアルを含むウェブサイトを開くことができる。
【0068】
タッチスクリーンを有するコンピューター又はデバイスのオペレーティングシステムは、プログラム、詳細には、認識プログラムを含むことが好ましく、そのプログラムは容量性情報担体を認識するための方法を含む。オペレーティングシステムは既知であり、OS/2、DOS、UNIX
登録商標、Linux
登録商標、Windows
登録商標、WindowsMobile Androidベースシステム、iOS、MacOS、Darwin等を含む。認識プログラムは、オペレーティングシステムにおいて実施することができるか、又は別のソフトウェアとして実施することができる。認識プログラムはROM又はRAM内に記憶されることが好ましい。
【0069】
認識プログラムは、CD−ROM、PC−CARD、ディスク、磁気記憶媒体又はネットワークコンポーネントを含む、外部記憶媒体に記憶することもできる。認識プログラムがタッチスクリーン自体に(例えば、ファームウェア内に)記憶されることも有利である可能性がある。認識プログラムは、ユーザーがアクセス可能であることが好ましく、そのプログラムはタッチスクリーン上に表示することができる。ユーザーは設定を変更することができ、及び/又はスクリーン上の、情報担体が認識されることが好ましい領域を決定することができる。原理的には、認識プログラムは、情報担体との接触を認識し、それをオペレーティングシステムに通知し、及び/又はイベントをトリガーするコマンドからなる。
【0070】
コンピューターは、デスクトップコンピューター、ラップトップ又はスマートフォンを含む、PC(パーソナルコンピューター)であることが好ましい。しかしながら、そのコンピューターは、例えば、共同コンピューター端末、現金自動預払機(ATM)、POS(店舗販売時点情報管理機)、産業用コンピューターシステム、ゲームコンソール、スロットマシン、券売機、予約機、サービスステーション等の公共のコンピューターシステムの一体部分とすることもできる。
【0071】
情報担体上に付着するタッチ構造体は、簡単、及び/又は複雑な構造を含むことが有利である場合がある。例えば、その上に円、正方形、長方形、点、三角形、ロゴ、記号、テキスト等を付着させることができる。さらに、2値コード又はエンボス加工印刷のような構造体を実装することが好ましい。また、その構造体は、実行されるべき動作の表示とすることもできる。例えば、その構造体は鍵の形状を有することができ、その鍵は、情報担体、又はそれぞれ構造体によってアクセスが許されることを示す。また、その構造は、既存のカード、例えば、クレジットカード上に付着させることもできる。タッチスクリーンは、送信、受信及び/又は記憶することができる任意のコンピューターシステムの一体部分とすることができる。コンピューターシステムは、PC、ラップトップ、ハンドヘルドコンピューター、IBM互換コンピューター、Windows互換コンピューター又はApple互換コンピューターとすることができる。
【0072】
これ以降、幾つかの例を用いて情報担体の使用が説明されることになるが、これらに限定されるものではない。
【0073】
製品又は商品を購入する場合の情報担体の使用
その情報担体は、商品又は製品を購入するために用いることができる。例えば、商店又はキオスクが、顧客が利用可能であるタッチスクリーンを有するデバイスを提供することができる。顧客は、そのデバイスを介して商店又はキオスクにおいて顧客を識別することができる情報担体を有する。情報担体を使用することによって、顧客はそのデバイスにおいて身元を明らかにすることができ、例えば、既に購入されている商品及び個人データを閲覧することができる。情報担体を通じて身元確認が行われ、情報担体をデバイス、すなわち、タッチスクリーンのエリアセンサーに接触させなければならないか、又はタッチスクリーンに接近させなければならない。本発明の意味では、タッチスクリーンは特にエリアセンサーも意味する。
【0074】
有利には、タッチスクリーンを有するデバイスは、インターネット又は更なるコンピューター若しくはデバイスを介して、情報を交換することができるネットワークに接続される。例えば、顧客は情報担体を用いて検索することができる預金を有することができ、ネットワークを介して、実際の与信額を特定することができる。個人データ及び既に購入されている商品をロードした後に、顧客は、同じ商品を再び注文したいか否かを判断することができる。これは、新聞を購入すること、又は定期的に購入される基本食品を買うことに関して特に有利である。例えば、情報担体を介して、顧客は、本のサンプルに、又は新聞若しくは雑誌の試読にアクセスすることもできる。このようにして、広告チラシの形の情報担体を雑誌の購入者に送付することができる。購入者は自分のスマートフォンを用いて情報担体を読み取ることができ、特定の製品についての情報にアクセスすることができる。その製品を直ぐに購入するか、又は製品提供者のウェブページ上の製品に目を通すかは購入者次第である。また、購入者は、提供者について、及び提供者の場所を通知される。
【0075】
有利には、情報担体は雑誌又は新聞内に印刷することもでき、例えば、旅行代理店の広告を含むことができる。関心のある人は、エリアセンサーを有するデバイスをその広告、すなわち、情報担体に接触させることができ、提供される旅行についての情報を受信する。関心のある人がその旅行を予約したい場合には、デバイス、例えば、スマートフォンを介して直接予約を行うことができる。このために、スマートフォン上のプログラムがインターネットを介して旅行代理店の更なるプログラムに接続し、旅行代理店は、関心のある人の個人データ及びクレジットカードデータを与えられる。関心のある人が提案された価格に同意する場合には、その人は旅行を予約することができる。その後、その人は、郵便物によって、又はデジタル通信によって予約確認を受信する。また、同様の手順を通じて、新聞又は雑誌に広告される航空便を予約することもできる。
【0076】
情報担体がレストランの訪問者に提供されることも有利である可能性があり、その訪問者は、情報担体、及びタッチスクリーンを有するデバイス(例えば、スマートフォン)を介して、そのレストランにおいて提供される料理のレシピを入手することができるレストランのウェブサイトにアクセスすることができる。有利には、そのレシピのために必要な商品をオンラインで直接注文することもできる。さらに、料理の原料についての情報を訪問者に対して表示することができ、その情報はアレルギー患者にとって特に重要である。
【0077】
また、受領された情報担体を用いて、訪問者は、レストランにおいて行われる特別なイベントについての情報を通知されることができる。受信されるイベント又は他の情報は、有利にはデバイス、例えば、スマートフォンにそのまま記憶することができ、例えば、カレンダーに入力することができる。また、情報担体を通じて訪問者は連絡先データを入手することができるので、訪問者は、スマートフォンの連絡先データベースへのレストランの自動エントリを開始することができる。
【0078】
有利には、商品又は製品を購入するために、人員は不要である。それらの商品又は製品は、顧客によって注文されることができ、後に顧客に配達されることができる。また、情報担体が動作をトリガーし、その動作を通じて、例えば、情報担体が製品を直接受け取ることも可能である。例えば、情報担体によって、タッチスクリーンを有するキャンディ自動販売機又は新聞自動販売機を動作させることができる。顧客によって購入される製品はタッチスクリーン上に表示され、顧客は購入を確認するか、又は辞退することができる。このために、例えば、タッチスクリーン上の2つのエリアを作動用として顧客に提供することができる。顧客が購入を確認した後にのみ、購入がトリガーされる。購入後に、顧客はタッチスクリーン上で購入の概要を受信することができ、それをデバイスの記憶媒体に記憶することができる。
【0079】
情報担体は購入された製品又は製品のパッケージングに取り付けられることも好ましい可能性がある。情報担体を通じて、製品を購入した顧客は製品固有の情報資料又は付属資料にアクセスすることができる。顧客がしなければならないのは、情報担体をタッチスクリーンに接触させること、又は情報担体をタッチスクリーンに近づけることだけであり、それにより動作がトリガーされ、その動作を通じて、例えば、インターネット内の或る特定のウェブページが顧客に表示されるか、或る特定のプログラムが開始されるか、又は顧客に映像が示される。
【0080】
その情報担体は、例えば、食料品のパッケージングに印刷することができる。購入者は、例えば、自分のスマートフォンを用いて情報担体の情報を読み取り、それにより、レシピ、材料及び/又は調理説明書(映像及び/又は音声)を含む、購入された食料品についての特定の情報にアクセスする。
【0081】
テレビ、好ましくは、容量性タッチスクリーンを介して情報担体を用いて商品を購入することも好ましい可能性がある。テレビはエリアセンサー、好ましくは、容量性タッチスクリーンを有することが好ましい。情報担体は、テレビのタッチスクリーンに接触させることができるか、又は近づけることができる。例えば、顧客は情報担体を用いて自分の身元を明らかにすることによってショッピングチャネルから製品を購入することができ、それにより、製品が購入される。
【0082】
情報担体はプログラムをトリガーするために使用できることが好ましい。例えば、コンサートに行った後に、人は情報担体を取得することができる。自宅において、その人はタッチスクリーンを有するデバイスに情報担体を接触させるか又は近づけ、それにより、イベント及び動作がトリガーされる。有利には、そのデバイスはインターネットにアクセスすることができ、それにより、その人は以前に訪れたコンサートの作品が提供されるウェブページにアクセスできるようになる。また、その人はウェブページ上で訪れたコンサートの映像を見ることもでき、その場合、その人は最初に情報担体を用いて自分の身元を明らかにしなければならない。情報担体を通じてのみ、その人はウェブページ上の制限されたエリアにアクセスすることができる。
【0083】
印刷物に対する補足としての情報担体の使用
情報担体は教科書の一部として印刷することができるか、教科書に同封することができる。その教科書は、例えば、生徒が解くことができる課題を含む。その問題を解いた後に、生徒はタッチスクリーンを有するデバイス、例えば、スマートフォンを教科書内の情報担体に接触させることができるか、又は情報担体に近づけることができ、それにより、解答にアクセスすることができ、その解答は、例えば、アクセスが制限されているウェブページにおいて入手することができる。また、このようにして、勉強中に生徒を支援する映像ファイル又は音声ファイルにアクセスすることができる。
【0084】
情報担体が本に同封されるか、又は本の上に印刷されることも好ましい可能性がある。情報担体を介して、かつタッチスクリーンを介して、本の購入者は、その著者の更なる本が提供されるウェブページにアクセスすることができ、そしておそらく、その本の計画された映画版の予告編を見ることができる。本を購入する前に、関心のある人は、本の上にある情報担体を自分のスマートフォンに接触させることができ、それにより、その人に対してスマートフォン上に無料サンプルが表示される。それゆえ、関心のある人は、購入前に本のサンプルを読むことができる。
【0085】
情報担体は、DVD又はブルーレイのパッケージングに印刷することもできるか、又は同封することができる。情報担体によって、購入者は、購入した映画についての更なる情報(例えば、俳優についての情報又は更なる資料)を含むウェブページにアクセスできるようになる。有利には、情報担体は、DVD、ブルーレイ又はビデオゲームのパッケージングに印刷することができる。スマートフォンを用いて、購入予定者は情報担体を読み取ることができ、おそらく、何ら義務を伴うことなく、購入予定の製品のサンプルを試すことができる。
【0086】
情報担体は雑誌又は新聞の購入に伴う付録として入手することもでき、タッチスクリーンを有するデバイスを用いてプログラム又はウェブコンテンツへのアクセスを確立することができる。
【0087】
クーポンとしての情報担体の使用
情報担体はクーポン又は割引券として用いることもできる。情報担体は、企業によって潜在的な顧客に広告として送付するか、又は配布することができる。受領者は、好ましくはその企業内に配置される特定の端末又はタッチスクリーンを有する類似のデバイスにおいて情報担体を商品と引き換えることができる。例えば、顧客は或る特定の金額でその企業の製品を選択することができ、情報端末をタッチスクリーンに接触させるか、又はタッチスクリーンに近づけ、それにより、イベントをトリガーすることによって、情報担体を用いて支払うことができる。情報担体は、例えば、クーポンと同じような動作をトリガーし、顧客はその製品の支払いを行うためにそのクーポンを使用することができる。
【0088】
有利には、情報担体はインターネットにおいてクーポンとして使用することもできる。例えば、顧客はインターネット上で製品を購入することができ、タッチスクリーンを有するデバイスに情報担体を接触させることによって支払い動作をトリガーすることができる。情報担体は、音楽ダウンロード等のためのクーポンとして使用することもできる。
【0089】
或る人によって複数の情報担体が収集され、所定の数の情報担体の組み合わせを通じてのみクーポンが有効にされることも有利である可能性がある。例えば、或る特定の数の情報担体のみがイベント又は動作をトリガーするように、複数の情報担体をタッチスクリーンと組み合わせることができる。幾何学的図形を完成させるのにあと何枚の情報担体が必要とされるかを人が視認できるように、個々の情報担体が幾何学的形状の一部としてタッチスクリーン上に表示される。完成した図形は、タッチスクリーンを有するデバイス上に記憶できることが好ましく、妥当な場合には、同じく情報担体を収集する他人と交換することができる。そのデバイスは、ネットワーク、又はブルートゥース、赤外線等を含む他の通信チャネルを介して、互いに通信することができる。
【0090】
チケットとしての情報担体の使用
情報担体はチケットとして使用されることも好ましい可能性がある。情報担体は、例えば、映画チケットとして使用することができる。情報担体は、広告キャンペーンの一部として人に送付することができるか、又はその人は新聞の付録として情報担体を受け取る。当然、その人は、販売所において直接情報担体を購入することもできる。例えば、情報担体によって、その人は映画に、詳細には或る特定の映画にアクセスできるようになる。映画館に入場する際に、その人が行う必要があるのは、情報担体をタッチスクリーンと接触させるだけであり、タッチスクリーンは映画館内のデバイスの一体部分である。接触を通じて、又はタッチスクリーンに近づくことによって、イベント又は動作がトリガーされ、好ましくはその人に対して、その映画のチケットが発行される。
【0091】
好ましくは、情報担体は製品又はチケット上に予め印刷することができる。また、情報担体は、パッケージングに印刷することもできる。印刷方法として、転写法、好ましくは転写フィルム法を用いることが好ましい。したがって、例えば、情報担体は、CDのパッケージングに印刷することができる。情報担体を通じて、CDの購入者は、更なる楽曲に、又はその演奏者の商品化している作品にアクセスすることができる。
【0092】
名刺としての情報担体の使用
情報担体は名刺として用いることもできる。情報担体の所有者は、情報担体上に個人データを記憶することができ、情報担体を他の人に送ることができる。その人は情報担体を単にタッチスクリーンに近づけ、それにより、動作をトリガーする。その動作は、例えば、情報担体の所有者の個人ホームページを開くこととすることができる。個人データは、タッチスクリーンを有するデバイス上に直接記憶され、例えば、連絡先データベースに転送されることが好ましい。
【0093】
鍵としての情報担体の使用
情報担体は鍵として用いられることも好ましい可能性がある。これは、所有者が情報担体を用いてのみ、制限されたエリアに進入できることを意味する。所有者は、例えば、ドアにおいて、情報担体を用いて、ドアに取り付けられたタッチスクリーン上で自分の身元を明らかにし、それにより動作がトリガーされ、それを通じて、おそらく、ドアが開放される。
【0094】
有利には、制限されたエリアに進入するために複数の情報担体を用いることもできる。例えば、警備が厳重なエリアへの進入は、2人の異なる人に対して発行された2つの異なる情報担体を用いることによってのみ許される場合がある。また、好ましくは2人の異なる人に配布された少なくとも2つの異なる情報担体を用いることによってのみプログラムを開始することができるように、重要なプログラムのトリガーを制限することができる。
【0095】
スマートフォンによる情報担体の使用
有利には、情報担体はスマートフォンと相互作用することもできる。このために、情報担体を容量性タッチスクリーンに接触させるか又は近づけ、それにより、スマートフォン上のイベントをトリガーし、それにより、プログラムを開始することができる。スマートフォンは、情報担体の識別情報を表示することが好ましく、有利にはユーザーに異なるステップの選択を提供する。したがって、ユーザーは、プログラムを直ちにトリガーすることができるか、又は後の時点でのみトリガーすることができる。これは、インターネット接続を確立することが不可能であり、後の時点で接続が確立されることになる場合に特に有利である可能性がある。その際、ユーザーはタッチスクリーン上で、現在インターネットに接続されていないというメッセージを受信し、ユーザーは、接続を直ちに確立すべきか、後の時点で確立すべきかを選択することができる。有利には、情報担体についての情報はユーザーにも表示され、必要な場合には、その情報はスマートフォンの記憶装置に記憶される。また、情報担体はスマートフォンにコマンドを通信することができ、その後、プログラムを通じてそれらのコマンドを実施することができる。したがって、例えば、プログラムがハイパーリンクを実行することができ、或る特定のインターネットウェブページに直接、又はウェブサービスを通じて接続することができる。
【0096】
これに関連して、情報担体は或る特定のウェブサイト又はプログラムにユーザーがアクセスするのを許すために必要とされる証明書又は認証手段として用いることもできる。例えば、情報担体はパスワードを含むことができ、そのパスワードはタッチスクリーンによってデバイスに送信され、そのパスワードを与えることによってのみ、制限されたコンテンツへのアクセスが可能である。電子メールを送信及び受信するためにスマートフォンを用いることができる。電子メールが復号化される場合でも、それは受信時には読み取ることはできない。コードが入力された後にのみ、その電子メールは読み取り可能になる。また、情報担体を認証手段として使用することもできる。情報担体は、電子メールの潜在的な受信者に送付される。復号化された電子メールを受信すると、受信者は、情報担体をタッチスクリーンに近づけるように要求され、それにより、情報担体上の情報が読み取り可能になる。読み取られた情報が照合され、その検証が肯定されると直ちに、受信者は電子メールを読むことができる。
【0097】
ショッピングガイドとしての情報担体の使用
情報担体は、製品又は商品上に印刷することができる。顧客が製品に関心があるが、その製品に関し専門家による助言を受けられない場合には、顧客は情報担体を自分のスマートフォンに、又は容量性タッチスクリーンを有する別のデバイスに接触させることができるか、又はそのデバイスに近づけることができる。情報担体はイベント又は動作をトリガーし、それを通じて、スマートフォン上に例えば製品の製造業者のウェブページが表示される。ここで、顧客は、その製品についての更なる情報を見つけることができる。その情報はテキストの形で、又は映像若しくは音声ファイルとして存在することができ、例えば、その製品の使用法、特殊な付属品又は他の事柄を含むことができる。
【0098】
情報担体は商店によって広告チラシとして配布されることも好ましい可能性がある。関心のある人は、受け取った情報担体を、エリアセンサーを備えるデバイスと組み合わせることができる。情報担体はイベント又は動作をトリガーし、それにより、その人のスマートフォン上に、関心のある人が自分の居場所から商店まで移動する方法が表示されるようにする。同時に、その人は情報担体を介して、その商店で使える割引券を受け取ることができる。
【0099】
支払い手段としての情報担体の使用
例えば、情報担体は製品又は商品のパッケージングに印刷することができる。顧客が製品に関心があるとき、その人は、上記のように、情報担体を用いて、その製品についての情報を視認することができる。しかしながら、その製品を直接購入することもできる。例えば、情報担体は、その製品に関する重要なデータ、例えば、価格をスマートフォンに転送する。スマートフォンは有利にはインターネットにアクセスすることができ、インターネットを介して、その製品を購入できるようにするプログラムを有する。情報担体をスマートフォンに接触させ、スマートフォンが購入にために必要な全ての情報を有した後に、購入を完了することができる。そのプログラムは、製品及び顧客についての情報を、インターネットを介して、その購入を処理する更なるプログラムに送信する。住所並びに銀行データ及び/又はクレジットカードデータのような顧客データがこのプログラムに通信される。購入が確認された後に、これが顧客に通知され、その製品を持ち帰ることができる。購入成功の確認は、スマートフォンにも送信され、その購入の証拠としての役割を果たすことができ、例えば、百貨店の出口において確認書として用いることができる。
【0100】
マイクロチップと組み合わせての情報担体の使用
情報担体上にマイクロチップが配置されることも有利である可能性がある。有利には、マイクロチップは、例えば、シリアル番号又はコードのような電子情報を電子受信機に能動的に、又は受動的に送信することができる。例えば、情報担体のユーザーは、その情報担体を用いて、タッチスクリーンにおいて自分の身元を明らかにすることができ、そのデバイスはマイクロチップから更なる情報を受信する。しかしながら、情報担体上にバーコードを付着させることも有利である可能性がある。バーコードは2次元バーコードの形で情報担体上に付着させることができ、例えば、シリアル番号を符号化するための役割を果たすこともできる。バーコードは、例えば、マトリックスコード、QRコード
登録商標又はアズテックコードとすることができる。マイクロチップ及び/又はバーコードは、情報担体を識別するために用いることもできる。
【0101】
都市ガイドとしての情報担体の使用
情報担体は関心のある場所に取り付けることができる。例えば、情報担体は、モニュメント若しくは建物に、又は掲示板に取り付けることができる。好ましくは、スマートフォン、又はエリアセンサーを有する別のデバイスを有する旅行者は、旅行中に掲示板を視認することができ、必要に応じて、自分のスマートフォンを情報担体に接触させることができる。これはスマートフォン上の動作をトリガーし、その動作を通じて、旅行者に対してウェブページが表示され、そのウェブページにおいて、旅行者は関心のある場所についての更なる情報を見つけることができる。その情報は、例えば、テキストとして、又は映像として存在することができる。必要な場合には、インターネットを介して関心のある場所に関する商品化している製品を取得することもでき、それらの製品は旅行者の自宅住所に直接送られる。旅行者によって定期的に訪問される或る特定の地区において、情報担体が対象物の中央位置に取り付けられることも有利である可能性がある。旅行者が自分のスマートフォンを情報担体に接触させた後に、旅行者はその地区についての情報を受信する。その情報は、例えば、プログラム又はインターネットを通じて提供されることができ、映像及び音声データを含むことができる。旅行者はレストラン、商店、関心のある場所、及び妥当な場合には、その割引手段について通知される。
【0102】
セキュリティ機構としての情報担体の使用
情報担体は、有利には、書類又は身分証明書上のセキュリティ機構として付着させることができる。このために、情報担体は基板、例えば、銀行券上に印刷することができ、銀行券上の情報担体は可視又は不可視とすることができる。銀行券を検証するために、その銀行券をリーダー又はエリアセンサーと接触させることができ、それにより、好ましくは、情報担体は容量的に読み取られ、これを通じて、銀行券の信憑性を検証することができる。情報担体は、紙幣の信憑性を検証できるだけでなく、紙幣を数え、その金額を特定するために用いることもできる。例えば、視覚障害者は、リーダー又はエリアセンサー(例えば、タッチスクリーン)を用いて紙幣の金額を特定することができ、このとき、情報担体が対応する金額を符号化し、その金額がリーダー又はエリアセンサーによって読み出される。信憑性を検証するために、情報担体をクレジットカード又は身分証明書に組み込むことも可能である。
【0103】
ここで、本発明が図面を参照しながら例示的に説明されるが、それには限定されない。