(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016817
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】ポリマー体間の接着力を低減させるための方法
(51)【国際特許分類】
B29C 37/00 20060101AFI20161013BHJP
A61M 25/00 20060101ALN20161013BHJP
【FI】
B29C37/00
!A61M25/00 600
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-557728(P2013-557728)
(86)(22)【出願日】2012年2月14日
(65)【公表番号】特表2014-523350(P2014-523350A)
(43)【公表日】2014年9月11日
(86)【国際出願番号】US2012025038
(87)【国際公開番号】WO2012121840
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2014年11月25日
(31)【優先権主張番号】13/042,120
(32)【優先日】2011年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
【審査官】
辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−171827(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/091018(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 9/00− 9/16
A61M 25/00−25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着性の性質を有する第1ポリマー体であって、実質的に平面状の外表面を有する第1ポリマー体;
粘着性の性質を有する第2ポリマー体であって、実質的に平面状の外表面を有する第2ポリマー体;および
前記第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面に配置された1つまたは複数の突起部、
を含み、ここで、前記1つまたは複数の突起部が、前記第2ポリマー体の実質的に平面状の外表面と接触するとき、前記1つまたは複数の突起部と前記第2ポリマー体の実質的に平面状の外表面との間の接着力は、前記第1ポリマー体に及ぶ重力未満であり、
前記第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面は、表面積を有し、および前記1つまたは複数の突起部は、表面積と結合された設置面積を有し、前記1つまたは複数の突起部の前記結合された設置面積の表面積は、前記第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面の表面積の10%未満であることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1ポリマー体および第2ポリマー体は、エラストマー体であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1ポリマー体を複数含み、1つの前記第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面が、別の前記第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面と接触するとき、1つの前記第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面と別の第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面との間の接着力は、0.01〜0.04グラム重量/mm2であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1ポリマー体および第2ポリマー体は、シリコーンゴム、ラテックスゴム、合成ラテックスゴム、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1ポリマー体および第2ポリマー体は、本質的にシリコーンゴム、ラテックスゴム、合成ラテックスゴム、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記1つまたは複数の突起部は、3つ以上の突起部を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記1つまたは複数の突起部は、丸みを帯びた突起であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数の突起部は、角のある先端部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1ポリマー体は、0.1グラム未満の重量を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1ポリマー体は、0.01グラム未満の重量を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第1ポリマー体は、隔壁であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1ポリマー体のそれぞれの体積は、0.1mm3未満であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1ポリマー体の表面に配置された潤滑剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
粘着性の性質を有する第1ポリマー体であって、実質的に平面状の外表面を有する第1ポリマー体;
粘着性の性質を有する第2ポリマー体であって、実質的に平面状の外表面を有する第2ポリマー体;および
前記第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面に配置された1つまたは複数の突起部、
を含み、ここで、前記1つまたは複数の突起部が、粘着性の性質を有する第2ポリマー体の実質的に平面状の外表面と接触するとき、前記1つまたは複数の突起部と前記第2ポリマー体の実質的に平面状の外表面との間の接着力は、第1ポリマー体におよぶ重力の2倍未満であることを特徴とする装置。
【請求項15】
前記第1ポリマー体および第2ポリマー体は、シリコーンゴム、ラテックスゴム、合成ラテックスゴム、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される材料を含むことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
2つのポリマー体の間の接着力を低減させるための方法であって、前記方法は:
実質的に平面状の外表面を有する第1ポリマー体を提供する工程;
実質的に平面状の外表面を有する第2ポリマー体を提供し、前記第1ポリマー体および前記第2ポリマー体はポリマー材料を含む工程;
前記第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面に1つまたは複数の突起部を提供する工程;を含み、および、ここで、前記1つまたは複数の突起部が、前記第2ポリマー体の実質的に平面状の外表面と接触するとき、前記1つまたは複数の突起部と前記実質的に平面状の外表面との間の前記接着力は、前記第1ポリマー体または前記第2ポリマー体に及ぶ重力よりも小さいことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記第1ポリマー体および第2ポリマー体はエラストマー体であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
複数の前記第1ポリマー体の使用を含み、1つの前記第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面が、別の前記第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面と接触するとき、1つの前記第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面と別の前記第1ポリマー体の実質的に平面状の外表面との間の前記接着力は、0.01〜0.04グラム重量/mm2であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1ポリマー体および第2ポリマー体は、シリコーンゴム、ラテックスゴム、合成ラテックスゴム、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される材料を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[背景技術]
いくつかのポリマー材料は、自然に粘着性であるか、またはわずかに粘り気があることがある。非常に小さい粘着性のポリマー体が集結すると、それらはくっつき合い、クラスターを形成する傾向がある。このクラスターを形成する傾向は、ポリマー体が個々に処理されなければならない組み立てプロセスおよび製造プロセスに対する課題を有する。伝統的に、この問題は、非常に小さいポリマー体にポリマー体の粘着性を低減させることができる粉末剤または潤滑剤を添加しそれらを分離させることによって対処されていた。他の解決策は、個々の部分を機械的にまたは手作業で分離することを含んでいた。
【0002】
粘着性ポリマー材料の例は、シリコーンゴム、ラテックスゴム、合成ラテックスゴム、および熱可塑性エラストマー(TPE)を含む。代表的な材料としてシリコーンゴムを参照して、シリコーンゴムは、炭素、水素、および酸素と共にシリコーンから構成されるゴム状材料である。シリコーンゴムは、自動車用途、電子機器、医療機器およびインプラントおよびその他を含む幅広い種類の製品において見受けられる。これらの用途のうちのいくつかは、シリコンゴム部分を使用しており、上述の組み立ておよび製造の問題を含む可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の装置および方法は、現在入手できる粘着性ポリマー体によってはまだ完全には解決されていない当技術分野の問題および要求に応えて開発されてきた。したがって、これらの装置および方法は、隣接する粘着性ポリマー体間の接着力を低減させるために開発されている。具体的には、粘着性ポリマー体の実質的に平坦な外表面に1つまたは複数の突起部を含むことによって、隣接するポリマー体間の接触表面積は低減され、それらの間の接着を防止できる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様は、粘着性の性質を有する第1ポリマー体を含む装置を提供する。第1ポリマー体は、実質的に平坦な外表面を有する。1つまたは複数の突起部は、第1ポリマー体の実質的に平坦な外表面に配置される。1つまたは複数の突起部が、粘着性の性質を有する第2ポリマー体の実質的に平坦な外表面と接触するとき、1つまたは複数の突起部と実質的に平坦な外表面との間の接着力は、第1ポリマー体に及ぶ重力よりも小さい。
【0005】
実施形態は、以下の態様のうちの1つまたは複数を含むことができる。ポリマー体は、エラストマー体であってもよい。第1ポリマー体の実質的に平坦な外表面と第1ポリマー体の実質的に平坦な外表面との間の接着力は、約0.01〜0.04グラム重量/mm
2であってもよい。ポリマー体は、シリコーンゴム、ラテックスゴム、合成ラテックスゴム、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される材料を含んでいてもよい。ポリマー体は、本質的にシリコーンゴム、ラテックスゴム、合成ラテックスゴム、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される材料から構成されていてもよい。1つまたは複数の突起部は、3つ以上の突起部を含んでいてもよい。1つまたは複数の突起部は、丸みを帯びた突起であってもよい。1つまたは複数の突起部は、角のある先端部を形成していてもよい。第1ポリマー体は、0.1グラム未満の重量を有していてもよい。第1ポリマー体は、0.01グラム未満の重量を有していてもよい。第1ポリマー体は、隔壁であってもよい。第1ポリマー体の実質的に平坦な外表面は、表面積を有していてもよく、および1つまたは複数の突起部は、表面積と結合された設置面積を有していてもよく、ここで、1つまたは複数の突起部の結合された設置面積の表面積は、第1ポリマー体の実質的に平坦な外表面の表面積の10%未満であってもよい。第1ポリマー体の体積は、0.1mm
3未満であってもよい。潤滑剤は、第1ポリマー体の表面に配置されていてもよい。
【0006】
別の態様において、装置は、粘着性の性質を有する第1ポリマー体を含む。第1ポリマー体は、実質的に平坦な外表面を有する。1つまたは複数の突起部は、前記第1ポリマー体の実質的に平坦な外表面に配置されており、ここで、1つまたは複数の突起部が、粘着性の性質を有する第2ポリマー体の実質的に平坦な外表面と接触するとき、1つまたは複数の突起部と実質的に平坦な外表面との間の接着力は、第1ポリマー体に及ぶ重力の2倍未満である。
【0007】
実施形態は、以下の態様のうちの1つまたは複数を含むことができる。ポリマー体は、シリコーンゴム、ラテックスゴム、合成ラテックスゴム、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される材料を含んでいてもよい。
【0008】
別の態様において、2つのポリマー体間の接着力を低減させるための方法は、実質的に平坦な外表面を有する第1ポリマー体を提供する工程を含む。実質的に平坦な外表面を有する第2ポリマー体を提供する。第1ポリマー体および第2ポリマー体は、ポリマー材料を含む。1つまたは複数の突起部を、第1ポリマー体の実質的に平坦な外表面に提供する。1つまたは複数の突起部が、第2ポリマー体の実質的に平坦な外表面と接触するとき、1つまたは複数の突起部と実質的に平坦な外表面との間の接着力は、第1ポリマー体または第2ポリマー体に及ぶ重力未満である。
【0009】
実施形態は、以下の態様のうちの1つまたは複数を含むことができる。ポリマー体は、エラストマー体であってもよい。第1ポリマー体の実質的に平坦な外表面と第1ポリマー体の実質的に平坦な外表面との間の接着力は、約0.01〜0.04グラム重量/mm
2であってもよい。ポリマー体は、シリコーンゴム、ラテックスゴム、合成ラテックスゴム、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される材料を含んでいてもよい。
【0010】
本発明の上述したおよび他のフィーチャーおよび利点が得られる態様が容易に理解されるように、簡単に上述した本発明のより具体的な説明を、添付図面に例示されるそれらの具体的な実施形態を参照することによって示す。これらの図は、本発明の典型的な実施形態のみを描いており、したがって、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】いくつかの実施形態に従う、複数の突起部を有するポリマー体の斜視図である。
【
図3】第2ポリマー体と接触する突起部を有する第1ポリマー体の側面図である。
【
図4】いくつかの実施形態に従う、複数の突起部を有するポリマー体の斜視図である。
【
図6A】突起部の異なる実施形態を説明する側面図である。
【
図6B】突起部の異なる実施形態を説明する側面図である。
【
図6C】突起部の異なる実施形態を説明する側面図である。
【
図6D】突起部の異なる実施形態を説明する側面図である。
【
図7A】突起部の異なる実施形態を説明する上面図である。
【
図7B】突起部の異なる実施形態を説明する上面図である。
【
図7C】突起部の異なる実施形態を説明する上面図である。
【
図7D】突起部の異なる実施形態を説明する上面図である。
【
図7E】突起部の異なる実施形態を説明する上面図である。
【
図7F】突起部の異なる実施形態を説明する上面図である。
【
図8】いくつかの実施形態に従う、突起部を有するポリマー隔壁の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、図を参照することによって最も良く理解され、ここで、同様の参照符号は同一のまたは機能的に類似する要素を示す。ここで、図で一般的に説明されおよび例示されるような本発明の構成要素は、多種多様な異なる構成にアレンジされおよび設計されることができることは、容易に理解されよう。したがって、図に示されるような、以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の好ましい実施形態を単に示すものである。
【0013】
図1を参照して、1つまたは複数の実質的に平坦な外表面22を有する第1ポリマー体20を説明する。第1ポリマー体20は、多くの様々な形状を有することができ、および様々な用途のために構成されることができる。例えば、第1ポリマー体は、静脈内療法カテーテル装置内にその中の弁として使用するために挿入される隔壁であることができる。他の実施形態において、第1ポリマー体20は、ガスケット、シール、保護用エンケースメント、または他の部分または装置であることができる。いくつかの実施形態において、第1ポリマー体20は、ポリマー体である。いくつかの例において、第1ポリマー体20は、本質的にポリマー材料で構成されている。いくつかの例において、第1ポリマー体20は、ポリマー材料を含む。具体的には、ポリマー材料は、実質的に平坦な外表面22のような、第1ポリマー体20の1つまたは複数の外表面に配置されることができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、ポリマー体20は、粘着性ポリマー体であるか、または粘着性の性質を有するポリマー体である。粘着性ポリマー材料の例は、シリコーンゴム、ラテックスゴム、合成ラテックスゴム、および熱可塑性エラストマー(TPE)を含む。いくつかの例において、第1ポリマー体20は、本質的にこれらの材料のうちの1つまたは複数から構成される。いくつかの例において、第1ポリマー体20は、これらの材料のうちの1つまたは複数を含む。従って、ポリマー体20は、他のポリマー体を含む他の物体にくっつく傾向を有する可能性がある。この傾向は、特に第1ポリマー体20が非常に小さいとき、第1ポリマー体20をくっつけさせて他のポリマー体とクラスターを形成させる可能性がある。これらのクラスターは、ポリマー体を個々に処理する組み立てプロセスおよび製造プロセスにおいて問題となる可能性がある。
【0015】
いくつかの例において、第1ポリマー体20は非常に小さい。例えば、いくつかの構成において、第1ポリマー体20は、100mm
3またはそれ未満の体積を有する。他の構成において、第1ポリマー体20は、10mm
3またはそれ未満の体積を有する。別の構成において、第1ポリマー体20は、1mm
3またはそれ未満の体積を有する。別の構成において、第1ポリマー体20は、0.1mm
3またはそれ未満の体積を有する。さらに別の構成において、第1ポリマー体20は、0.1mm
3またはそれ未満の体積を有する。別の測定基準を使用して、いくつかの例において、第1ポリマー体20は、10グラムまたはそれ未満の総重量を有する。別の例において、第1ポリマー体20は、1グラムまたはそれ未満の総重量を有する。別の例において、第1ポリマー体20は、0.1グラムまたはそれ未満の総重量を有する。別の例において、第1ポリマー体20は、0.01グラムまたはそれ未満の総重量を有する。
【0016】
時々、非常に小さいおよび/または軽量なポリマー体20のために、ポリマー体20に及ぶ重力は、それと別のポリマー体20との間の接着力よりも小さい。これらの場合において、2つのポリマー体20は、組み立てプロセスまたは製造プロセスにおいて行われるかもしれないように振動させられ、押し合わされ、または他の方法で攪拌されたときでさえ、くっつき合う可能性がある。いくつかの例において、攪拌は、ポリマー体20に2から10倍の重力を引き起こす。1つの例において、攪拌の力は、ポリマー体20に及ぶ重力の3倍である。別の例において、攪拌の力は、ポリマー体20に及ぶ重力の2倍である。
【0017】
2つのポリマー体20間の接着力は、2つのポリマー体間の可能な接触表面の表面積を減少させることによって低減させられることができる。粘着性の物体との間の接着力はそれらの間の接触表面積に依存するので、接触表面積を低減させることによって、接着力を低減させることができる。もし接触表面を、それらの間の接着力がポリマー体20のどちらかに及ぶ重力未満であるように低減させたならば、その結果、攪拌されるときに、2つのポリマー体は分離できる。他の構成において、接触表面を、ポリマー体20のどちらかに及ぶ攪拌力未満であるように低減させることができ、その結果、攪拌または移動させられるときに、それらは分離できる。
【0018】
表面の接触表面積を、1つまたは複数の小さい突起部24をその上に配置することによって、低減させることができる。例えば、
図1に示されるように、ポリマー体20の実質的に平坦な外表面に1つまたは複数の突起部24を含ませることによって、接触表面を低減させることができる。
図2は、突起部24のうちの1つの側面図を表す。示されるように、突起部24は、ピラミッド型の突起部によって形成されたものとして、角のある先端部を形成することができる。
【0019】
図3は、第2ポリマー体26と接触したポリマー体20の部分側面図を表す。この図から理解されるように、突起部24’が無いと、2つの実質的に平坦な外表面22は、 接触するであろう。そのような接触の接触面積(contact area)は、突起部24’と第2ポリマー体26との間の接触面積よりもはるかに大きいであろう。いくつかの実施形態において、突起部24と第2ポリマー体26の実質的に平坦な外表面22との間の接着力は、第1ポリマー体20または第2ポリマー体26に及ぶ重力よりも小さい。この状況において、第1ポリマー体20および第2ポリマー体26は、 接着し合わない。
【0020】
図3に示されるように、いくつかの例において、示されるように、1つまたは複数の突起部24’は、第2ポリマー体26と接触したとき、ある程度圧縮される。この例において、1つまたは複数の突起部24の接触表面積は増加する。突起部24の寸法の選択は、これを考慮に入れることができる。いくつかの例において、突起部24は、その非圧縮高さの10から90パーセント圧縮される。他の例において、突起部24は、 その非圧縮高さの20から80パーセント圧縮される。他の例において、突起部24は、その非圧縮高さの30から60圧縮される。圧縮の度合いは、突起部24が作られている材料の種類、突起部24の形状およびサイズ、ならびに突起部24に対する圧力に基づいて変動することは理解されよう。
【0021】
図4を参照して、これは、実質的に平坦な外表面22を有するポリマー体30を表す。複数の突起部34は、実質的に平坦な外表面22に配置されており、この表面が別のそのような平坦な表面と接触してそれにくっつくのを防止する。いくつかの構成において、実質的に平坦な外表面22にわたって複数の突起部24を均等に分布させることによって、突起部34は、実質的に平坦な外表面22の大部分が別の平坦な表面に接触することを防止する。いくつかの構成において、複数の突起部24は、1つまたは複数の円に配列される。他の構成において、複数の突起部24は、列状、互い違いの列状、またはパッチ状に配列される。
【0022】
いくつかの構成において、1つまたは複数の突起部34は、丸みを帯びている。
図5を参照して、これは、
図4の突起部34の側面図を表す。示されるように、突起部34は、実質的に平坦な外表面22から飛び出た、部分的に球状の突起部である。いくつかの例において、球状の突起は、約0.001から0.01インチの間の半径を有する。他の例において、球状の突起は、約0.002から0.008インチの間の半径を有する。他の例において、球状の突起は、約0.003から0.006インチの間の半径を有する。いくつかの実施形態において、これらのおよび別の突起部は、実質的に平坦な外表面22から、約0.001から0.006インチの間の距離だけ飛び出ている。他の実施形態において、突起部は、実質的に平坦な外表面22から、約0.001から0.004インチの間の距離だけ飛び出ている。他の実施形態において、突起部は、実質的に平坦な外表面22から約0.0025インチの距離だけ飛び出ている。
【0023】
突起部34によって被覆された実質的に平坦な外表面22の表面積が、突起部34の設置面積または単に占有面積である。いくつかの実施形態において、実質的に平坦な外表面22の一連の突起部34の結合された設置面積は、実質的に平坦な外表面22の表面積の10%未満である。他の実施形態において、結合された設置面積は、実質的に平坦な外表面22の表面積の7.5%未満である。他の実施形態において、結合された設置面積は、実質的に平坦な外表面22の表面積の5%未満である。他の実施形態において、結合された設置面積は、実質的に平坦な外表面22の表面積の2.5%未満である。さらに他の実施形態において、結合された設置面積は、実質的に平坦な外表面22の表面積の1%未満である。
【0024】
表面に形成された突起部は、様々な形状、寸法、および構成を有することができる。例えば、
図6Aから
図6Dは、いくつかの異なる形状の突起部40、42、44、および46の側面図を表す。同様に、
図7Aから
図7Fは、いくつかの異なる形状の突起部50、52、54、56、58、および60の上面図を表す。他の様々な突起部が、他の形状、構成、および寸法を有する実質的に平坦な表面に配置されることができることは理解されよう。
【0025】
いくつかの構成において、隣接するポリマー体間の接着力をさらに低減させるために、潤滑剤または粉末剤をポリマー体の表面に含めることができる。
【0026】
以上のことから理解されるように、2つのポリマー体間の接着力を、まず、実質的に平坦な外表面を有する第1ポリマー体を提供し、および実質的に平坦な外表面を有する第2ポリマー体を提供することによって低減させることができる。第1ポリマー体および第2ポリマー体は、ポリマー材料を含むことができる。次に、第1ポリマー体の実質的に平坦な外表面に1つまたは複数の突起部を提供することにより、1つまたは複数の突起部と第2ポリマー体の実質的に平坦な外表面との間の接着力は、第1ポリマー体または第2ポリマー体に及ぶ重力未満となる。このようにして、2つのポリマー体間の接着力を低減させる。
【実施例】
【0027】
以下の例は、ポリマー体の表面1つまたは複数の突起の1つまたは複数の突起部の使用、およびその使用の結果を示す。
図8〜12は、静脈内カテーテル組立品における弁として使用されてカテーテルの端からの血液の流出を防止することができるゴム製の隔壁70を表す。隔壁70は、シリコーンゴム製のたる型構造である。シリコーンゴムは、粘着性であり、わずかに粘り気がある。
図8は、実質的に平坦な外表面22を含む前側78を有する隔壁70の正面斜視図を表す。側面36は、丸みを帯びており、それを通って形成された溝72を有する。溝72は、前部76および側部74を有する。7つの部分的に球状の突起部78の円形のセットが、隔壁の前面78に配置されている。また、別の突起部80が、x字形を有して前側72の表面に配置されている。
【0028】
図9は、隔壁70の斜視図を表す。この図から、隔壁70内の内部空洞92が見える。実質的に平坦な外表面22を有する裏面90が示される。実質的に平坦な外表面22は、その上に8つの突起部34を有する。
図10は、隔壁70の側面図を表す。
図11は、隔壁70の正面図を表す。
図12は、隔壁70の背面図を表す。
【0029】
隔壁70の寸法は、以下のとおりである。隔壁70は、厚さ約0.08インチ、および直径約0.154インチである。隔壁は、重さ0.018グラムである。背面側の突起部は、0.003インチの球状の突起である。正面側の突起部は、半径0.006インチの球状の突起である。突起部は、それぞれ、0.0025インチ突出している。背面の実質的に平坦な外表面22の端部は、わずか5.45mm
2の表面積を有する。
【0030】
図8〜12に示されるような突起部34を有さない隔壁70のセットは、もし前面または背面の実質的に平坦な外表面22のどちらかが接触したら、別の同様な同じく突起部34を有さない隔壁70に接着する。実質的に平坦な外表面22が側面36と接触するときは、それらの間に十分な接触面積がないので、表面は接着しない。したがって、組み立てにおいて、多数の隔壁708が共通する領域に配置されたとき、隔壁70は、クラスターになってくっつき合う傾向がある。
【0031】
1つの実験において、
図8〜
図12を参照して示されおよび説明されたものと同様の、ただし突起部を有さない隔壁を試験して、別の隔壁に接着するかどうかを決定した。突起部34を有さない後側92の実質的に平坦な外表面22は、同様に突起部34を有さない別の隔壁70の別の背面の実質的に平坦な外表面22に接着したことが観察された。攪拌されおよび他の隔壁にわたって転げ回ったときでさえ、2つの隔壁70は一緒のままであった。この実験に基づき、2つの隔壁708間の接着力は、少なくとも0.0033グラム重/mm
2であったが、しかし、2つの隔壁70が、攪拌され他の隔壁を横切って転げ回ったときに一緒のままであるので、おそらくずっと高いことが見られた。
【0032】
別の実験において、突起部34を有する隔壁70を、示されるように、突起部34を有する別の隔壁と試験して、突起部34を有する別の隔壁に接着するかどうかを決定した。それぞれの前面78は、一緒になるように配置された。この実験の結果として、2つの隔壁70は接触したままではなく、しかし自由に分離したことが見られた。最大突起部がその非圧縮高さの約半分に圧縮されたとき、0.44mm
2の合計接触面積を示すことが決定される。この面積は、16個の突起に関するものであり、各隔壁から8個が対向する隔壁70の前面78に接触する。この実験に基づき、2つの隔壁間の接着力は、2つの表面積を一緒に保持するために必要とされるであろう力である0.041グラム重/mm
2未満であったことが見られる。したがって、シリコーンゴムの2つのポリマー体間の接着力は、0.0033から0.041グラム重/mm
2である。したがって、いくつかの実施形態において、粘着性ゴム材料または他の粘着性材料のような、粘着性材料間の接着力は、約0.0033から0.041グラム重/mm
2である。他の実施形態において、粘着性ゴム材料、または他の粘着性材料のような、粘着性材料間の接着力は、約0.01〜0.04グラム重量/mm
2であり、これは、最初の実験において2つの隔壁が転げ回されおよび攪拌されたときに分離しなかったことを説明する。
【0033】
上述のことから、ポリマー体の実質的に平坦な外表面に1つまたは複数の突起部を含ませることにより、隣接するポリマー体間の接触表面を低減させることができ、およびそれに対する接着を防止することができることが見られる。
【0034】
本発明は、本明細書および特許請求の範囲において幅広く説明したような、その構造、方法、または他の本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態に具現化されてもよい。説明した実施形態は、全ての点において、単に例示的なものであり、限定的なものではないものとして考慮されたい。本発明の範囲は、したがって、上述の説明よりもむしろ、添付される特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲と等価の意味および範囲に入る全ての変更は、その範囲に包含されるべきである。