【文献】
大野 淳司, 安本 慶一, 玉井 森彦,SNSを利用した情報家電の遠隔制御・監視システムの提案,情報処理学会研究報告 モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL),日本,一般社団法人情報処理学会,2012年 6月15日,No.62,pp.1-7
【文献】
上村 祐加, 高田 喜朗,フィジカルコンピューティングのためのスマートフォンを用いた開発環境の提案,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2012年 1月19日,Vol.111, No.406,pp.3-8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
SNSの提供に用いられるSNSサーバと、該SNSサーバから前記SNSの提供を受けるユーザ端末装置と、撮像装置および検出装置を含む電気機器ユニットを前記SNSサーバの指示にしたがい制御する機器制御装置とがネットワークを介して接続されるネットワークシステムであって、
前記機器制御装置は、
前記電気機器ユニットの前記撮像装置から出力される映像データおよび前記検出装置から出力される検出データを用いて、該映像データによって特定される対象物の特徴を示す特徴パラメータを生成する特徴パラメータ生成手段と、
前記特徴パラメータを用いて前記対象物の擬似画像データを生成する擬似画像データ生成手段と、
前記ユーザ端末装置を用いるユーザ同士のつながりを前記電気機器ユニットを用いて形成する前記SNSをメカSNSとしたときに、前記擬似画像データおよび前記検出データを用いて該メカSNSの提供に用いるメカSNSデータを生成するSNSデータ生成手段と、
該SNSデータ生成手段により生成された前記メカSNSデータを前記SNSサーバ宛てに送信させるSNSデータ送信制御手段とを有し、
前記SNSサーバは、
前記機器制御装置から送信される前記メカSNSデータを用いてSNS画面データを生成するSNS画面データ生成手段と、
該SNS画面データを前記ユーザ端末装置宛てに送信させるSNS画面データ送信制御手段と、
前記ユーザ同士のつながりを前記電気機器ユニットを用いることなく形成する前記SNSをヒューマンSNSとしたときに、前記ネットワークシステムによって提供される前記SNSの態様が、前記ヒューマンSNSが提供されるヒューマンモードであるのか、前記メカSNSが提供されるメカモードであるのかを判定するモード判定を行うモード判定手段と、
該モード判定手段によって、前記SNSの態様が前記メカモードであると判定されたときに、前記SNS画面データ生成手段が前記メカSNSデータを用いて前記SNS画面データを生成するように制御するSNS画面データ生成制御手段とを有し、
前記電気機器ユニットが前記撮像装置および前記検出装置とともに、前記機器制御装置の制御にしたがい作動する給餌装置を有し、
前記機器制御装置は、該給餌装置を作動させて給餌を行うための給餌条件が成立しているか否かを判定する給餌条件成否判定手段と、
該給餌装置を作動させるための給餌指示データを前記電気機器ユニットに出力する給餌処理手段と、
前記擬似画像データ生成手段によって前記擬似画像データが生成される擬似化処理が実行されるための擬似化条件の成否を判定する擬似化条件成否判定手段と、
前記給餌条件成否判定手段によって前記給餌条件が成立していると判定されたときに、前記給餌処理手段に前記給餌指示データを出力させ、かつ該給餌指示データが出力された後、前記擬似化条件成否判定手段によって前記擬似化条件が成立していると判定されたときに、前記特徴パラメータ生成手段と前記擬似画像データ生成手段とが作動するように制御する給餌擬似化処理制御手段とを有するネットワークシステム。
前記機器制御装置は、前記SNSサーバから受信した前記機器IDにしたがい前記特徴パラメータ生成手段、計測手段および製品制御手段のいずれかが作動するように制御する機器コントロール手段を更に有する請求項5記載のネットワークシステム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0019】
(ネットワークシステムの全体構成)
まず、本発明の実施の形態に係るネットワークシステム1の構成について説明する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態に係るネットワークシステム1のシステム構成図である。
図1に示すように、ネットワークシステム1は、SNSの提供に用いられるSNSサーバ10と、SNSサーバ10からSNSの提供を受ける複数のユーザ端末装置30(
図1では、2台の端末装置30A,30B)と、グループ管理端末装置46と、ルータ45を介してインターネットNに接続される複数(
図1では、3台)の機器制御装置50とを有し、これらがインターネットNを介して互いに接続される構成を有している。
【0021】
ネットワークシステム1では、機器制御装置50が電気機器ユニット70、80または家庭内電化製品90,91の動作を制御する一方、電気機器ユニット70、80または家庭内電化製品90,91から得られる各種データを用いてSNS画面データが生成されてユーザ端末装置30に提供され、ユーザ端末装置30にSNS提供画面が表示される。ユーザがこれを参照することで電気機器から得られる現実の情報等を通じて新たな人間関係を構築することができる。
【0022】
(SNSサーバ10の構成)
次に、
図2を参照してSNSサーバ10の構成について説明する。
図2は、SNSサーバ10の内部の構成を中心に示すブロック図である。SNSサーバ10は、例えばネットワークステーション等のハイエンドPC(Personal computer)によって構成されている。SNSサーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13とを有している。CPU11は、ROM13に記憶されているプログラムにしたがい作動して、KBC(Key board controller)17を介してキーボード19やマウス20の操作入力で得られる入力データをメインバス19を介して入力する一方、他の構成要素との信号の入出力を行い、SNSサーバ10全体の動作制御を行う。CPU11は、本実施の形態においてSNS画面データ生成手段、SNS画面データ送信制御手段、設定画面データ生成手段、設定画面データ送信制御手段およびID送信制御手段としての動作を行う。ROM12には、CPU11が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。RAM13にはCPU11が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶されている。
【0023】
そのほかSNSサーバ10は、ハードディスク装置(Hard disk drive)14と、通信制御部15と、通信処理部16と、ビデオコントローラ18とを有している。
【0024】
ハードディスク装置14には、
図4に示すように、各種の記憶部またはDBが形成されている。ハードディスク装置14は、処理プログラム記憶部14aと、機器管理DB14bと、ユーザ端末管理DB14cと、ユーザ管理DB14dと、操作画面データ記憶部14eと、送受信履歴データ記憶部14fとが形成されている。処理プログラム記憶部14aには、SNSサーバ10の処理プログラムが記憶されている。機器管理DB14bには電気機器ユニット70等の認証や動作の設定等に関するデータが記憶されている。ユーザ端末管理DB14cは、ユーザ端末装置30の管理に関するデータが記憶されている。ユーザ管理DB14dは、ユーザの氏名、性別、生年月日等の個人情報と、ユーザ個人のWebページ等が記憶される。操作画面データ記憶部14eは、ユーザ端末装置30の操作画面に関するデータが記憶されている。送受信履歴データ記憶部14fには、データ送受信に関する履歴が記憶される。
【0025】
通信制御部15は、CPU11の指示にしたがい作動して、ユーザ端末装置30や、機器制御装置50等との通信を行うための回線の接続および切断を制御する。通信処理部16は、通信制御部15の指示にしたがい作動して、インターネットNを介して行われるデータの送受信を実行する。
【0026】
ビデオコントローラ18は、図示しないディスプレイ装置における画像表示を制御して、各種の設定に用いられる画面等を表示させる。
【0027】
(ユーザ端末装置30の構成)
ユーザ端末装置30は、移動通信機能とともに無線によるインターネットNへの接続環境を備え、
図3に示すように、基地局110を介してSNSサーバ10と通信を行うことができる。なお、
図1では、ユーザ端末装置30のうち、ユーザ端末装置30Aは高機能携帯電話機、ユーザ端末装置30Bはタブレット型の端末装置を想定している。
【0028】
ユーザ端末装置30は、
図3に示すようにCPU31、ROM32、RAM33、データ記憶部34、液晶表示部35を有している。また、ユーザ端末装置30は、音声変換処理部36、通信制御部37、無線通信部38、スピーカ39およびマイク40を有している。
【0029】
CPU31は、ROM32に記憶されているプログラムにしたがい作動してユーザ端末装置30全体の動作制御を司る。ROM32はCPU31が実行するプログラム、例えば、ユーザ端末装置30が無線による音声通話や、データ通信を行うための通信制御プログラムが記憶されている。RAM33には、CPU31によるプログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。
【0030】
液晶表示部35は、LCD(Liquid Crystal Display)とその駆動部を有し、文字、図形、記号などの画像表示を行う画像表示手段である。例えば、液晶表示部35には、後述するSNS提供画面等が表示される。また、液晶表示部35は図示しないタッチパネルを有している。タッチパネルは、液晶表示部35の表示画面を覆うように設けられていて、ユーザの指等が触れた箇所の位置を検出し、その検出した位置に対応した位置信号をCPU31に入力する。このタッチパネルにより、ユーザは指等のタッチ操作による入力操作を行うことができる。
【0031】
データ記憶部34には種々のデータが記憶されている。音声変換処理部36は、音声データを伸張してスピーカ39に出力する一方、マイク40から入力するアナログ音声信号をデジタルの音声データに変換および圧縮して、無線通信部38に入力する。通信制御部37はCPU31の指示を受けて作動し、基地局110と通信を行うための回線の接続および切断を制御する。無線通信部38は通信制御部37の制御にしたがい、無線によるデータの送受信を実行する無線通信手段である。すなわち、基地局110に送信すべき情報を移動体通信網で扱われる信号に変換した後、電波に重畳して送信する一方、基地局110から電波を受信し、その受信した電波に重畳されている信号から情報を取り出す。スピーカ39は、音声を出力する音声出力手段であり、マイク40はユーザの会話内容等の音声を入力し、電気信号に変換する。
【0032】
そして、
図1に示したグループ管理端末装置46は、後述するコミュニティを形成するユーザのグループを管理する管理者の操作する装置であって、図示しないCPU、ROM、RAM、通信制御部、通信処理部およびデータ記憶装置を備えている。グループ管理端末装置46には、管理下にあるグループ内の閲覧できる情報の範囲等が設定されている。
【0033】
(機器制御装置50の構成)
機器制御装置50は、SNSサーバ10の指示にしたがい後述する電気機器ユニット70,80、家庭内電化製品90,91の動作を制御する装置である。この機器制御装置50は、
図5に示すように、CPU51と、ROM52と、RAM53とを有している。CPU51は、ROM52に記憶されているプログラムにしたがって作動し、種々のデータをメインバス59を介して入力する一方、他の構成要素との信号の入出力を行い、機器制御装置50全体の動作制御および電気機器ユニット70,80等の動作制御を行う。CPU51は、本実施の形態において、特徴パラメータ生成手段、擬似画像データ生成手段、SNSデータ生成手段、SNSデータ送信制御手段、給餌処理手段、計測手段、順位決定手段、製品制御手段、作動状態データ生成手段および機器コントロール手段としての動作を行う。ROM52には、CPU51が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。RAM53にはCPU51が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶されている。
【0034】
機器制御装置50は、通信制御部54と、通信処理部55と、データ記憶部56と、操作ボタン57と、表示部58と、通信I/F60とを有している。
【0035】
通信制御部54は、CPU51の指示にしたがい作動して、SNSサーバ10との無線LANまたは有線LANによるインターネットNを介した通信を行うための回線の接続および切断を制御する。通信処理部55は、通信制御部54の指示にしたがい作動して、インターネットNおよびルータ45を介して行われるデータの送受信を実行する。
【0036】
データ記憶部56には、電気機器ユニット70を構成する後述するWebカメラ71から出力される映像データや、温度センサ、角度センサといったセンサ72から出力される検出データ等が記憶される。そのほか、後述する擬似画像データや、メカSNSデータ、SNS画面データ、操作ボタン57を用いて入力された機器ID等のデータが記憶される。さらには、後述する給餌処理プログラム等の各種プログラムが記憶される。
【0037】
操作ボタン57は、手指の操作によって、各種の操作データを入力するボタンである。例えば、ユーザが機器制御装置50の動作内容(例えば、電気機器ユニット70、80、家庭内電化製品90,91のうち、どれを制御対象とするのか等)を設定するためのデータを入力する。表示部58は、例えば液晶表示装置を備え、操作ボタン57を通じて入力されたデータ等が表示される。通信I/F60は、USB(Universal Serial Bus)等によるデータ通信を行うインターフェースであって、電気機器ユニット70等とのデータ通信を実行する。通信I/F60は電気機器ユニット70、80等のそれぞれに応じた通信機能を有している。
【0038】
(電気機器ユニット70、80、家庭内電化製品90,91の構成)
電気機器ユニット70、80は、商用電源や図示しない蓄電装置等から供給される電力を用いて作動する複数の電気機器を備えている。電気機器ユニット70は、Webカメラ71とセンサ72とを備え、これらに加えて給餌装置73を有している。
【0039】
Webカメラ71は、本発明にかかる撮像装置に対応し、機器制御装置50からUSB(Universal Serial Bus)を介して供給される電力により作動してリアルタイムに撮像を行い、映像データを生成する。センサ72は、本発明にかかる検出装置に対応している。例えば、温度センサや、湿度センサ、赤外線センサ、照度センサ、角度センサ、エリアセンサ、水質センサ等であって、温度や湿度等を検出し、その結果を示す検出データを生成する。映像データおよび検出データは、機器制御装置50に出力され、データ記憶部56に記憶される。給餌装置73は、図示しない水槽や飼育具に設置され、水槽内に飼育されている金魚や熱帯魚といった生物や、飼育具内で飼育されているペットへの給餌を行う。給餌装置73は、餌受皿と、機器制御装置50の制御にしたがい餌受皿を作動させるサーボモータ等の給餌機構とを有している。
【0040】
電気機器ユニット80は、電気機器ユニット70と同様、商用電源等から供給される電力を用いて作動する複数の電気機器を備えている。電気機器ユニット80は、Webカメラ81と、スイッチ群82と、温度センサ83とを有している。
【0041】
Webカメラ81は、Webカメラ71と同様のビデオカメラである。スイッチ群82は、スタートスイッチ82aと、ゴールスイッチ82bという複数のスイッチを有している。スタートスイッチ82aは、例えば図示しない水泳プールのスタート地点に設置されているスイッチ、ゴールスイッチ82bは同じくゴール地点に設置されているスイッチであり、両者は決められた長さの計測区間を隔てて設置されている。温度センサ83は本発明にかかる検出装置に対応していて、温度を検出し、その結果を示す検出データを生成する。
【0042】
家庭内電化製品90,91は、一般家庭に設置されている家庭用電化製品であって、電化製品90は調光機構を有するシーリングライト、電化製品91は空調装置である。
【0043】
(ネットワークシステムの動作内容)
次に、
図6から
図12を参照して、ネットワークシステム1の動作内容について説明する。
【0044】
ここで、
図6は、SNSサーバ10がユーザ端末装置30のユーザに対してSNSを提供するときに行うSNS処理の動作手順を示すフローチャートである。SNSサーバ10では、CPU11がハードディスク装置14に記憶されているSNS処理プログラムにしたがい作動する。なお、
図6等において“S”とはステップを略記したものである。
【0045】
SNS処理に先立ち、ユーザがSNSサーバ10に対して予めSNSの利用登録を行い、ユーザIDが各ユーザに割り当てられている。各ユーザは、利用登録の際、ユーザの氏名、住所等の所定の個人情報のほか、メールアドレス、プロフィール等の入力処理を行う。ユーザ登録処理が行われると、ユーザ固有のWebページが生成される。Webページには、自身のプロフィールや、日記、掲示板、ブログが含まれる。そのWebページのデータはハードディスク装置14のユーザ管理DB14dに記憶される。なお、ユーザが利用登録を行う場合、その希望に応じた機器制御装置50の利用登録も行える。これを行うと、各機器制御装置固有のIDがユーザ端末装置30に通知されて機器制御装置50を認識できるようになる。また、ユーザ端末装置30とその利用目的に適合した機器制御装置50との関係が設定されて、機器制御装置50が絡むSNSをユーザが利用できるようになる。
【0046】
CPU11は、SNS処理プログラムにしたがい作動すると、ステップ1に進み、アクセス要求を受け付ける。このアクセス要求は、SNSの提供を希望するユーザからのアクセス要求である。この場合、ユーザがユーザ端末装置30(例えば高機能携帯30A)を操作することで、ユーザ端末装置30からSNSサーバ10に対してアクセス要求が送信される。すると、CPU11は、アクセス要求を受けるとステップ2に処理を進め、ユーザ認証処理を行う。
【0047】
ユーザ登録処理では、ユーザの入力したパスワード等を参照して認証処理が行われる。ユーザの認証処理が行われると、ステップ3に処理が進む。
【0048】
続くステップ3でCPU11は、SNSモードの入力があるまで待機する。CPU11は、SNSモードの入力があるとステップ4に処理を進める。ここで、SNSモードとは、ネットワークシステム1で提供されるSNSの態様であって、ネットワークシステム1では、ヒューマンコミュニケーションモードと、メカモードの2つが用意されている。
【0049】
ヒューマンコミュニケーションモードとは、人と人のつながりを通じて新たな人間関係を構築する場としてのSNSを提供するモード、メカモードとは、電気機器から得られる仮想ではない現実の情報や、電気機器に対するユーザの行為を通じて新たな人間関係を構築する場としてのSNSを提供するモードである。ヒューマンコミュニケーションモードは、従来、提供されているSNS、メカモードは、ネットワークシステム1によって提供される本発明特有の新たなSNSである。
【0050】
メカモードでは、特定の電気機器ユニット(例えば、電気機器ユニット70)を保有または利用している複数のユーザによって、コミュニティが形成される。このコミュニティでは、特定の趣味や嗜好により、電気機器ユニットに絡む情報を交換したいユーザが集まり、それぞれの電気機器ユニットから得られる映像やデータ等を交換することで新たな人間関係を構築しようとしている。例えば、金魚の飼育を趣味としているユーザ同士が金魚の飼育コミュニティを形成し、お互いの給餌の記録や金魚の成長過程を捉えた動画等を交換してそれらを通じた新たな人間関係の構築を行う。こうして形成されるコミュニティは、既存のSNSの提供によって形成されるコミュニティに付随したものとなり、新たな人間関係の構築に寄与するものである。
【0051】
その他、園児の保護者が集まったコミュニティ、介護の関係者が集まったコミュニティ、水泳プールのある施設や、陸上競技場のあるスポーツ施設の関係者が集まったコミュニティ、住宅内の家電の制御に関するコミュニティ等が想定される。なお、ユーザの中でコミュニティを管理するユーザは、そのコミュニティに関して、Webデータやユーザに関する情報の開示範囲を設定することができる。
【0052】
そして、CPU11は、ステップ4において、入力されたSNSモードがヒューマンコミュニケーションモードを示す“H”であるか否かを判定し、その場合は、ステップ5に処理を進め、そうでない場合(すなわち、メカモードの場合)はステップ6に処理を進める。ステップ5では、ヒューマンコミュニケーションモードとしての動作を行い、従来のSNSを提供する際の動作を行う。
【0053】
また、CPU11は、ステップ6に処理を進めると、設定画面データの生成および送信制御を行う。ここではCPU11が設定画面データ生成手段および設定画面データ送信制御手段としての動作を行って、設定画面データを生成するとともに、通信処理部16を作動させて設定画面データをユーザ端末装置30宛てに送信させる。
【0054】
ここで、設定画面データは、電気機器ユニット70、80、家庭内電化製品90,91からメカモードのSNSに必要なデータを取得するための設定をユーザが行うための画面のデータである。その設定画面データをユーザ端末装置30が受信すると、CPU31が設定画面データを用いて液晶表示部35に機器コントロール設定画面を表示させる。
【0055】
機器コントロール設定画面は、電気機器ユニット70,80を制御するための設定のデータを入力する画面である。例えば、電気機器ユニット70に関しては、
図12に示すように、ユーザの名前や顔写真、コミュニティを形成しているユーザ(フレンド)の一覧が表示されるほか、給餌装置73をオン(ON)、オフ(OFF)にする時刻、給餌の設定時刻、設定回数、給餌の分量といった給餌の条件を入力することができる。ユーザは、ユーザ端末装置30を操作して、操作入力を行い、入力結果をSNSサーバ10に送信する。
【0056】
CPU11は続いてステップ7に処理を進め、ユーザ端末装置30からの受信データを参照して、機器コントロール設定画面を用いたデータ入力があるまで待機する。入力があるとステップ8に処理を進め、通信処理部16を作動させてトリガー信号を機器制御装置50宛てに送信させる。続いてステップ9に処理を進め、ID送信制御手段としての動作を行い通信処理部16を作動させて、ユーザが選んだSNSに応じた機器IDを機器制御装置50宛てに送信させる。
【0057】
機器IDは、電気機器ユニット70、80、家庭内電化製品90,91をそれぞれ識別するためのコードデータであって、これらの中からユーザの希望するSNSに応じた自らの制御対象とする装置を特定するのに用いる。機器IDは種々のコードを用いることができるが、本実施の形態では、電気機器ユニット70、80の機器IDをそれぞれ“1”、“2”とし、家庭内電化製品90,91については“3”としている。
【0058】
続いてCPU11はステップ10に処理を進め、前述の機器コントロール設定画面を用いて入力されたユニット設定データを機器管理DB14bに記憶させ、さらに通信処理部16を作動させて機器制御装置50宛てに送信する。次に、CPU11はステップ11に処理を進め、機器制御装置50から後述するメカSNSデータの入力があるまで待機する。その入力があると、CPU11はステップ12に処理を進めてSNS画面データ生成手段としての動作を行い受信したメカSNSデータを用いてSNS画面データを生成する。続くステップ13でSNS画面データ送信制御手段としての動作を行い、生成したSNS画面データをユーザ端末装置30宛てに送信させる。すると、SNS処理が終了する。
【0059】
一方、ユーザ端末装置30がSNS画面データを受信すると、CPU31がSNS画面データを用いてSNS提供画面を液晶表示部35に表示させる。
【0060】
SNS提供画面は、コミュニティを形成しているユーザ同士がSNSに利用する画面であって、例えば、
図13(a)に示すように、そのコミュニティで対象としているペットに関する飼育の状況、例えば、金魚の画像、快適度、活動量、給餌データや、ユーザ同士が共有しているその他の情報を含んでいる。また、
図13(b)に示すように、コミュニティを形成しているユーザ同士が通うスポーツ施設で計測された現実のデータなどが含まれている。これらは、後述する擬似画像データを含んでいるが、その元になるのは、電気機器ユニット70を通して得られる現実の画像のデータである。そのため、ユーザは、SNS提供画面によって、仮想ではない現実の状況を視認することができる。また、これを参照することにより、各ユーザは、ペットに関する飼育の状況等の情報交換や、質疑応答等を通じたコミュニケーションを行い、コミュニティを形成している他のユーザ(フレンド)との間で新たな人間関係を構築することができる。
【0061】
こうしたペットに関する飼育の状況等をより現実的なものとするためには、Webカメラ71で撮影した映像データをそのまま用いるのが望ましい。しかし、そうすると、映像データの中に個人情報が含まれたり、ユーザによってはそれをプライバシーの侵害ではないかと感じる者が現れるおそれがあり、かえって新たな人間関係の構築が進まなくなるおそれがある。そのため、ネットワークシステム1では、後述するように、機器制御装置50において、擬似化処理を行い、擬似画像データを生成する。また、Webカメラ71で撮影した映像データをそのままユーザ端末装置30に提供し、ユーザがそれをユーザ端末装置30によって閲覧できるようにしてもよい。
【0062】
一方、機器制御装置50では、前述のSNSサーバ10におけるSNS処理と並行して機器コントロール処理が実行されている。機器コントロール処理は、CPU51がデータ記憶部56に記憶されている機器コントロール処理プログラムにしたがい
図7に示すフローチャートに沿って実行する。
図7は、機器コントロール処理の動作手順を示すフローチャートである。
【0063】
CPU51は、機器コントロール処理プログラムにしたがい作動すると、ステップ20に進み、SNSサーバ10からトリガー信号を受信したか否かを判断し、トリガー信号の受信があるとステップ21に処理を進める。CPU51は、ステップ21に進むと機器IDチェックを行う。ここでは、受信した機器IDがデータ記憶部56に記憶されている機器IDと一致しているかどうかをチェックし、一致していればステップ22に進むが、そうでなければ機器コントロール処理を終了する。なお、ステップ22〜ステップ24では、CPU51が機器コントロール手段としての動作を実行している。
【0064】
CPU51は、ステップ22において、トリガー信号に続いて受信した機器IDが“1”であるか否かを判定する。ここで、機器IDが“1”であればステップ25に進み、そうでなければステップ23に処理を進める。
【0065】
また、CPU51は、ステップ23において、受信した機器IDが“2”であるか否かを判定し、機器IDが“2”であればステップ27に進み、そうでなければステップ24に処理を進める。さらに、CPU51は、ステップ24において、受信した機器IDが“3”であるか否かを判定し、機器IDが“3”であればステップ28に進み、そうでなければステップ31に処理を進めてエラー処理を行い、機器コントロール処理を終了する。エラー処理では、表示部58に例えば“機器IDエラー”とのメッセージを表示させる。
【0066】
そして、CPU51はステップ25で給餌処理を実行する。給餌処理は、CPU51がデータ記憶部56に記憶されている給餌処理プログラムにしたがい
図8に示すフローチャートに沿って実行する。
【0067】
CPU51は、給餌処理プログラムにしたがい作動すると、ステップ41に進み、SNSサーバ10から受信したユニット設定データを参照して給餌条件が成立しているか否かを判定し、給餌条件が成立していればステップ42に処理を進めるが、そうでなければ給餌処理を終了する。給餌条件とは、給餌装置73を作動させて給餌を行うための条件であって、例えば、設定時間、設定時刻、気温、水温等のデータである。ステップ42に進むと、CPU51は、給餌処理手段としての動作を行い給餌指示データを生成して電気機器ユニット70に出力する。その後、ステップ43に進むとCPU51は、擬似化条件(例えば、給餌が指定された回数分、行われたか否か等)が成立しているか否かを判定し、擬似化条件が成立していれば給餌処理を終了するが、そうでなければステップ41に戻る。
【0068】
次に、
図7に戻りCPU51は、ステップ26で擬似化処理を実行する。擬似化処理は、機器IDが“1”の場合にCPU51がデータ記憶部56に記憶されている擬似化処理プログラムにしたがい
図9に示すフローチャートに沿って実行する。
【0069】
CPU51は、擬似化処理プログラムにしたがい作動すると、ステップ51に進み、電気機器ユニット70から出力される検出データを取得し、これをデータ記憶部56に記憶させる。次に、ステップ52に処理を進めて電気機器ユニット70から出力されるWebカメラ71の映像データを取得し、これをデータ記憶部56に記憶させる。
【0070】
続いてCPU51は、ステップ53に進んで特徴パラメータ生成手段としての動作を行い、データ記憶部56に記憶させた映像データおよび検出データを用いて対象物の特徴抽出を行い、その抽出結果に基づき、対象物の特徴を示す対象物特有の動きに関する映像または音声の統計的なパターンである動き量データから特徴パラメータを生成する。CPU51は、続くステップ54で擬似画像データ生成手段としての動作を行い、映像データおよび特徴パラメータを用いて擬似画像データを生成すると、擬似化処理を終了する。
【0071】
ここで、擬似画像データは、対象物を図案化する等して対象物を擬似化した画像のデータである。擬似画像データは、対象物そのものの画像ではないが、これが液晶表示部35に表示されたときにその対象物であることをユーザが認識できる程度に図案化等された画像のデータである。例えば、特徴パラメータが、飼育されている金魚等のペットの特徴、例えば、ペットが色の黒い出目金である、尾ひれが短いといった対象物の特徴を示すデータであり、それらを用いて、そのペットそのもの自体を認識できる程度に図案化等して擬似画像データが生成される。
【0072】
そして、
図7に戻ってステップ27では計測処理が実行される。計測処理は、機器IDが“2”の場合にCPU51がデータ記憶部6に記憶されている計測処理プログラムにしたがい
図10に示すフローチャートに沿って実行する。
【0073】
CPU51は、計測処理プログラムにしたがい作動すると、ステップ61に進み、電気機器ユニット80から出力される検出データを取得し、これをデータ記憶部56に記憶させる。次に、CPU51はステップ62に処理を進めて計測手段としての動作を行い、検出データに基づいて、計測対象物がスタートスイッチ82aから出発してゴールスイッチ82bに到達するまでの到達時間やラップタイムを計測して時間差データを生成する。続くステップ63では、CPU51が順位決定手段としての動作を行い、時間差データが複数存在するときにそれらに基づき、各到達時間の順位を決定する。続くステップ64で、決定した順位を示す順位データを生成する。そして、続くステップ65でCPU51が順位データを用いて成績分析データを生成すると、計測処理を終了する。
【0074】
さらに、
図7に戻ってステップ28では家電制御処理を実行する。家電制御処理は機器IDが“3”の場合にCPU51がデータ記憶部6に記憶されている家電制御プログラムにしたがい
図11に示すフローチャートに沿って実行する。
【0075】
CPU51は、家電制御プログラムにしたがい作動すると、ステップ71に進み、家電制御のための条件(制御条件)が成立するまで待機し、制御条件の成立をもってステップ72に処理を進める。CPU51は、ステップ72に処理を進めると製品制御手段としての動作を行い、家庭内電化製品90,91に対して制御データを出力する。続くステップ73では、CPU51は、作動状態データ生成手段としての動作を行い、家庭内電化製品90,91からそれぞれの作動状態を示す各種のデータを入力し、それらを用いて作動状態データを生成する。その後、CPU51は、家電制御処理を終了する。
【0076】
そして、CPU51は、ステップ26,27,28に続いてステップ29に処理を進め、SNSデータ生成手段としての動作を行い、メカSNSデータを生成する。CPU51は、ステップ26に続いてステップ29を実行する場合は擬似画像データおよび検出データを用いてメカSNSデータを生成する。また、ステップ27に続いてステップ29を実行する場合は時間差データ、順位データおよび成績分析データを用いてメカSNSデータを生成する。さらに、ステップ28に続いてステップ29を実行する場合は作動状態データを用いてメカSNSデータを生成する。
【0077】
CPU51は、ステップ29に続いてステップ30に処理を進めて、SNSデータ送信制御手段としての動作を行い、通信制御部54に指示して通信処理部55を作動させて、メカSNSデータをSNSサーバ10宛てに送信させる。CPU51は、ステップ30を実行すると、機器コントロール処理を終了する。
【0078】
以上のように、ネットワークシステムでは、機器制御装置50を備えていることによって、電気機器ユニット70,80などから出力される映像データ等に基づく交流の場がユーザに提供される。これにより、各ユーザが仮想の世界ではなく、実際に存在する現実の対象物に絡んだ情報交換を行って今までにない新たなコミュニケーションを行えるようになり、ユーザが新たな人間関係を構築できるようになる。例えば、電気機器ユニット80を用いる場合は、スイミングスクールの生徒が競泳のラップタイムをベースに指導者からアドバイスを受けたり、ラップタイムを競いあう等して新たな人間関係を構築することができる。また、SNS提供画面にいわゆるつぶやき機能を追加してもよい。
【0079】
また、機器制御装置50は、ユーザの操作入力により設定された機器IDがデータ記憶部56に記憶されていて、それがSNSサーバ10から受信した機器IDと一致しているときにだけ機器コントロール処理を行い、そうでない場合は機器コントロール処理を行わない。機器制御装置50は、電気機器ユニット70,80といった複数種類の電気機器を制御対象としながら、自己の制御対象とする電気機器ユニットに対応したメカSNSデータだけを生成するため、汎用性が高くなっている。
【0080】
以上の説明は、本発明の実施の形態についての説明であって、この発明の装置及び方法を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができる。又、各実施形態における構成要素、機能、特徴あるいは方法ステップを適宜組み合わせて構成される装置又は方法も本発明に含まれるものである。
【0081】
例えば、電気機器ユニットは、Webカメラ71やセンサ72だけでなく、通信機能を備えた他の電気機器を備えていてもよい。また、ユーザ端末装置は高機能携帯電話機や、タブレット型の端末装置ではなく、ノートパソコンや、PDA、テレビジョン受信機でもよいし、人体に装着して用いるウェラブル端末でもよい。なお、CPU11が実行するSNS提供処理プログラムや、CPU51が実行する機器コントロール処理プログラム等は、磁気記録媒体、CD−ROM,DVD等の各種記録媒体に記録することができるし、ネットワークを介して図示しないサーバからダウンロードすることもできる。