(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の別体のリング綴じ具を表紙に固定している手帳は、部品点数も多く、特許文献1のファイルは、背表紙部の幅が広い、厚いファイルとなる。しかしながら、現在、部品点数も少なく、低背化を図ることができる帳面を求められている。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、部品点数を少なくし、低背化を図ることができる、帳面を提供することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明にかかる帳面は、表紙体の内表面の領域に、綴じ具を取り付ける開閉の中心となる保持部を備えるベース領域を、表紙体に一体成形され、
前記綴じ具は、枢軸を中心として回転することができるように表紙体に取り付けられ、
前記枢軸は、綴杆部の連結部の長手方向に沿ってのびて、綴じ具の枢軸部と保持部の軸受部とを連結しており、
前記保持部は、
軸受部と前記枢軸部が回転するための枢軸収容部とを有し、
綴じ具の綴杆部の開閉の中心となる枢軸を表紙体の内表面に接近させるために、
前記枢軸収容部が表紙体の内表面から外表面寄りに亘って設けられた、帳面である。
請求項2の発明にかかる帳面においては、表紙体は、綴じ具の綴杆部の先端を係止するための閉鎖係止部を、表紙体に一体成形され、前記閉鎖係止部は、
閉じた綴杆部の先端を係止させるための
表紙体の内表面より外表面側に、凹んだ部の周辺領域において、係止凸部及び/又は係止凹部を表紙体の内表面の近傍に設けられた、請求項1に記載の帳面である。
請求項3の発明にかかる帳面においては、
表紙体は、綴じ具の綴杆部の先端を係止するための閉鎖係止部が、表紙体に一体成形され、
前記閉鎖係止部は、表紙体の内表面より外表面側に凹んだ綴杆先端受容部と、前記綴杆先端受容部の周辺領域において、表紙体の背表紙部の幅より低く、
且つ閉じた綴杆部の綴杆係止部を係止するように表紙体の内表面よ
り突出した係止凸部及び/又は係止凹部とを有する、請求項
1に記載の帳面である。
請求項4の発明にかかる帳面においては、前記閉鎖係止部の綴杆先端受容部は、綴杆部を開閉するときの移動方向に綴杆部の先端を係止させるための係止凸部が形成され、閉鎖係止部の係止凸部は、綴じ具を閉じたとき、綴じ具の綴杆部の綴杆凸部と向き合い、綴杆部の綴杆凸部とは反対側に向いて突き出されており、綴じ具の綴杆部の綴杆凸部は、綴じ具を閉じたとき、弾発部材によって付勢されて閉鎖係止部の係止凸部と係合し、綴じ具の綴杆部の綴杆凸部は、綴じ具を開くとき、該綴杆凸部の突き出た方向とは反対側に移動して閉鎖係止部の係止凸部と離れるように形成されている、請求項
3に記載の帳面である。
請求項
5の発明にかかる帳面においては、前記保持部は、
枢軸を装填するための軸受部と、枢軸部が回転するための空間を形成するための枢軸収容部とを有し、
前記軸受部は、表紙体の背表紙部の幅より低く
且つ表紙体の内表面より
枢軸を装填できるように突出し、
前記枢軸収容部は、表紙体の内表面より外表面側に凹ん
でいることを特徴とする請求項1
ないし請求項4
のいずれかに記載の帳面である。
前記枢軸収容部は、表紙体の高さ方向にのびる断面半円弧形の筋状であって、表紙体の内表面より外表面側に凹み、前記軸受部は、前記筋状の枢軸収容部の幅と同一かそれより狭い幅の断面半円弧形の筋状であって、表紙体の内表面より外表面側とは反対側に突出するとよい。
前記閉鎖係止部は、表紙体の高さ方向にのびる平面視略方形の綴杆先端受容部が適宜な間隔をあけて並列されるとよい。
前記枢軸収容部及び軸受部は、表紙体の折曲部と平行に、表紙体の高さ方向にのびる筋状であり、前記閉鎖係止部は、表紙体の折曲部と平行に、表紙体の高さ方向にのびる平面視略長方形である。
前記綴杆部は、適宜な間隔をあけて並列する綴杆部を綴杆部の基部において連結する連結部及び枢軸部を有し、前記保持部は、表紙体の高さ方向にのびる軸受部が適宜な間隔をあけて並列され、前記綴杆部の連結部に連設された枢軸部は、前記保持部の並列された軸受部の間に容れられるように構成されるとよい。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、表紙体の内表面の領域に、綴じ具を取り付ける開閉の中心となる保持部を備えるベース領域を、表紙体に一体成形され、
前記綴じ具は、枢軸を中心として回転することができるように表紙体に取り付けられ、
前記枢軸は、綴杆部の連結部の長手方向に沿ってのびて、綴じ具の枢軸部と保持部の軸受部とを連結しており、
前記保持部は、
軸受部と前記枢軸部が回転するための枢軸収容部とを有し、
綴じ具の綴杆部の開閉の中心となる枢軸を表紙体の内表面に接近させるために、
前記枢軸収容部が表紙体の内表面から外表面寄りに亘って設けられているので、部品点数を少なくし、低背化を図ることができる、帳面を提供することができる。
請求項2の発明によれば、表紙体は、綴じ具の綴杆部の先端を係止するための閉鎖係止部を、表紙体に一体成形され、前記閉鎖係止部は、
閉じた綴杆部の先端を係止させるための
表紙体の内表面より外表面側に、凹んだ部の周辺領域において、係止凸部及び/又は係止凹部を表紙体の内表面の近傍に設けられているので、部品点数を少なくし、低背化を図ることができる、帳面を提供することができる。
請求項3の発明によれば、
表紙体は、綴じ具の綴杆部の先端を係止するための閉鎖係止部が、表紙体に一体成形され、
前記閉鎖係止部は、表紙体の内表面より外表面側に凹んだ綴杆先端受容部と、前記綴杆先端受容部の周辺領域において、表紙体の背表紙部の幅より低く、
且つ閉じた綴杆部の綴杆係止部を係止するように表紙体の内表面よ
り突出した係止凸部及び/又は係止凹部とを有している。
請求項4の発明によれば、前記閉鎖係止部の綴杆先端受容部は、綴杆部を開閉するときの移動方向に綴杆部の先端を係止させるための係止凸部が形成され、閉鎖係止部の係止凸部は、綴じ具を閉じたとき、綴じ具の綴杆部の綴杆凸部と向き合い、綴杆部の綴杆凸部とは反対側に向いて突き出されており、綴じ具の綴杆部の綴杆凸部は、綴じ具を閉じたとき、弾発部材によって付勢されて閉鎖係止部の係止凸部と係合し、綴じ具の綴杆部の綴杆凸部は、綴じ具を開くとき、該綴杆凸部の突き出た方向とは反対側に移動して閉鎖係止部の係止凸部と離れるように形成されているので、綴じ具を確実に閉じることをできるとともに、綴じ具を比較的容易に開くことをできる。
請求項5の発明によれば、前記保持部は、
枢軸を装填するための軸受部と、枢軸部が回転するための空間を形成するための枢軸収容部とを有し、
前記軸受部は、表紙体の背表紙部の幅より低く
且つ表紙体の内表面より
枢軸を装填できるように突出し、
前記枢軸収容部は、表紙体の内表面より外表面側に凹ん
でいるので、部品点数を少なくし、低背化を図ることができる、帳面を提供することができる。
【0008】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、この発明にかかる手帳の斜視図解図であり、
図2は、手帳の表紙を開いた状態における平面図解図であり、
図3は、手帳の表紙を開いた状態における正面図解図であり、
図4は、手帳の表紙を開いた状態における横断面図解図であり、
図5は、手帳の表紙を開いた状態における横断面図解図であり、
図6は、綴じ具を開いた状態における手帳の断面図解図であり、
図7は、(A)は閉じた状態における綴じ具の平面図解図であり、(B)は閉じた状態における綴じ具の横断面図解図であり、
図8は、(A)は閉じた状態から開きかけた状態における綴じ具の平面図解図であり、(B)は閉じた状態から開きかけた状態における綴じ具の横断面図解図であり、
図9は、(A)は開いた状態における綴じ具の正面図解図であり、(B)は開いた状態における綴じ具の側面図解図である。
この発明にかかる帳面の一種である手帳1000は、表表紙部1012と、裏表紙部1014と、表表紙部1012と裏表紙部1014との間に介在する背表紙部1016とを有する表紙体1010と、複数の綴杆部12、前記綴杆部12を連結するための連結部14、前記綴杆部12を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢軸部16を備える綴じ具10と、裏表紙部1014の内側に綴じ具10を固定するための保持部50とを備える。
【0011】
表紙体1010は、表表紙部1012と背表紙部1016との間に第1折曲部1020を形成され、且つ裏表紙部1014と背表紙部1016との間に第2折曲部1022を形成されている。
第1折曲部1020と第2折曲部1022とは、平行である。
【0012】
表紙に固定される綴じ具10は、ベース領域に、複数の綴杆部12と、前記綴杆部12を連結するための連結部領域を構成する連結部14と、前記綴杆部12を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢軸部領域を構成する枢軸部16とを備える綴じ具10であって、綴杆部12を連結部14の長手方向に移動して閉じている綴杆部12を開くことができるように構成されている。
ベース領域は、連結部14及び枢軸部16を設けるために、一定の面積を有する板状である。
【0013】
表紙体1010は、その内表面1030の領域に設けられた綴じ具10のベース領域において、綴じ具10を取り付ける開閉の中心となる保持部50を設けられている。
該綴じ具のベース領域と、綴じ具10の綴杆部12の先端を係止するための閉鎖係止部100とは、表紙体1010に一体成形されている。
表紙体1010は、ポリプロピレン等の弾力性を有する合成樹脂で、綴じ具のベース領域、該綴じ具のベース領域に設けられた保持部50及び閉鎖係止部100を一体成形され、その内表面1030と綴じ具のベース領域とは、同一の厚さを有し、表紙体1010の内表面1030及び外表面1032を一体的に形成している。
【0014】
前記保持部50は、綴杆部12の開閉の中心となる枢軸200を表紙体1010の内表面1030に接近させるために、表紙体1010の内表面1030から外表面1032寄りに亘って設けられている。
【0015】
前記閉鎖係止部100は、綴杆部12の先端を係止させるための係止凸部120及び/又は係止凹部を表紙体1010の内表面1030の近傍に設けられている。
【0016】
前記保持部50は、表紙体1010の背表紙部1016の幅より低く表紙体1010の内表面1030より僅かに突出した軸受部52と、表紙体1010の内表面1030より外表面1032側に凹んだ枢軸収容部54とを有する。
【0017】
前記枢軸収容部54は、表紙体1010の高さ方向(手前側から向こう側)にのびる断面半円弧形の筋状であって、表紙体1010の内表面1030より外表面1032側に凹んでいる。
枢軸収容部54は、綴じ具10を開閉するときに回転する枢軸部16の回転するための空間を形成している。
前記軸受部52は、前記筋状の枢軸収容部54の幅と同一かそれより狭い幅の断面半円弧形の筋状であって、表紙体1010の内表面1030より外表面1032側とは反対側に突出している。
【0018】
前記閉鎖係止部100は、表紙体1010の高さ方向にのびる平面視略方形の綴杆先端受容部110が適宜な間隔をあけて、手前側から向こう側に向けて表紙体1010の高さ方向に並列されている。
閉鎖係止部100は、並列された綴じ具10の複数の綴杆部12の間隔と同一の間隔をおいて、綴杆先端受容部110が並列されている。
前記綴杆先端受容部110は、2種類あって、一部の綴杆先端受容部110は、綴杆部12を開閉するときの移動方向に綴杆部12の先端を係止させるための係止凸部120及び/又は係止凹部が形成されている。
【0019】
前記枢軸収容部54及び軸受部52は、表紙体1010の第1折曲部1020及び第2折曲部1022と平行に、表紙体1010の高さ方向(手前側から向こう側)にのびる筋状である。
前記閉鎖係止部100は、表紙体1010の第1折曲部1020及び第2折曲部1022と平行に、表紙体1010の高さ方向(手前側から向こう側)にのびる平面視略長方形である。
【0020】
枢軸部16は、枢軸200を装填されたときに、隣接する枢軸部16の間に、軸受部52の収容部を間欠的に形成されている。
【0021】
軸受部52は、表紙体1010の高さ方向(綴じ具10の連結部14の長手方向)において、綴じ具10の枢軸部16を収容するための適宜な間隔をあけて、複数、並列されている。すなわち、軸受部52は、手前側より、第1の軸受部52a,第2の軸受部52b,第3の軸受部52c,第4の軸受部52d,第5の軸受部52e及び第6の軸受部52fが適宜な間隔をおいて並列されている。
隣接する第1の軸受部52aと第2の軸受部52bとの間等は、綴じ具10の枢軸部16を装填するための長さと綴じ具10を開閉するために移動するための距離とを合わせた間隔をあけている。
【0022】
枢軸収容部54は、合成樹脂により成形するときに金型を抜くための第1の孔70を穿設されている。金型を抜くための第1の孔70は、枢軸収容部54の長手方向にのびる。
この実施の形態においては、第1の孔70は、軸受部52の頂部側、側面側又は表紙体1010の外表面1032側に、金型を抜き、製品を取り出すために設けられている。
【0023】
前記閉鎖係止部100は、表紙体1010の内表面1030より外表面1032側に凹んだ綴杆先端受容部110と、前記綴杆先端受容部110の周辺領域において、表紙体1010の背表紙部1016の幅より低く表紙体1010の内表面1030より僅かに突出した係止凸部120及び/又は係止凹部とを有する。
綴杆先端受容部110は、後述する綴杆部12の綴杆係止部30を係止する係止凸部120を形成された第1の綴杆先端受容部110aと、係止凸部120を形成されていない第2の綴杆先端受容部110bとを備える。
閉鎖係止部100は、綴杆先端受容部110を構成するその内の手前側の二つの綴杆先端受容部110(第1の綴杆先端受容部110a)、中央の二つの綴杆先端受容部110(第1の綴杆先端受容部110a)及び向こう側の綴杆先端受容部110(第1の綴杆先端受容部110a)が、係止凸部120及び/又は係止凹部を有する。
【0024】
閉鎖係止部100の係止凸部120は、綴杆先端受容部110(第1の綴杆先端受容部110a)の長手方向における一端側(手前側)である押圧部180側に、綴杆先端受容部110(第1の綴杆先端受容部110a)の中間あたりまでのびて形成されている。
この実施の形態においては、閉鎖係止部100は、その内の手前側の二つの綴杆先端受容部110(第1の綴杆先端受容部110a)、中央の二つの綴杆先端受容部110(第1の綴杆先端受容部110a)及び向こう側の綴杆先端受容部110(第1の綴杆先端受容部110a)が、第2の孔72を穿設されている。第2の孔72は、綴じ具10の綴杆部12の綴杆凸部34を、綴じ具10を閉じたときに収容するための空間を形成するとともに、閉鎖係止部100に係止凸部120を合成樹脂で成形するときに、金型を抜くために形成されている。
【0025】
前記綴杆部12は、適宜な間隔をあけて並列する綴杆部12を綴杆部12の基部20において、複数綴杆部12を連結する連結領域を構成する連結部14及び綴杆部12を開閉するときの枢結領域を構成する枢軸部16を有している。
枢軸部16は、表紙体1010の高さ方向(綴じ具10の連結部14の長手方向)において、保持部50の並列された枢軸収容部54の間に収容されるように、適宜な間隔をあけて、複数、一直線上に並列されている。
すなわち、枢軸部16は、手前側より、第1の枢軸部16a,第2の枢軸部16b,第3の枢軸部16c,第4の枢軸部16d,第5の枢軸部16e,第6の枢軸部16f及び第7の枢軸部16gが、適宜な間隔をおいて並列されている。
隣接する第1の枢軸部16aと第2の枢軸部16bとの間等は、保持部50の枢軸収容部54に装填されるための長さと綴じ具10を開閉するために移動するための距離とを合わせた間隔をあけている。
前記保持部50は、表紙体1010の高さ方向にのびる軸受部52が適宜な間隔をあけて並列され、前記綴杆部12の連結部14に突設された枢軸部16は、前記保持部50の並列された軸受部52の間に容れられている。
【0026】
前記綴杆部12を構成する綴杆は、閉鎖係止部100と向き合うように、前記連結部14にその長手方向に適宜な間隔をおいて、連結部14の外側部ないしは上側部から突設されている。
綴杆部12を構成する複数の綴杆は、全て略々同一の形状であって、半円弧状の半割杆が、一定の間隔をあけて、手前側から向こう側に向けて並列されている。
【0027】
枢結領域は、綴杆部12を枢軸部16を中心にして綴じ具10の保持部50に連結し、綴杆部12を開閉するときの回転の中心となる領域として構成される。
【0028】
綴杆部12は、綴杆係止部30の連結部14に連設された基部20とは反対側の自由端22に、綴杆部12を閉鎖したときに、閉鎖係止部100に係止するための綴杆係止部30を形成されている。
【0029】
綴杆部12は、半円弧状の半割杆から構成されている。綴じ具10の綴杆部12の基部20と頂部との間の長さ(すなわち綴杆部12の高さ)は、背表紙部1016の背幅と略同等もしくはわずかに長く形成されている。
そして、綴杆部12は、リーフ1110に予め穿設された綴じ穴1112に挿通して、リーフ1110を綴じることができるように、自由端に綴杆係止部30が形成されている。
そして、綴杆部12は、閉じられた綴杆部12を開くときにおいては、連結部14の長さ方向に変位させる。すなわち、綴杆部12は、綴杆係止部30を閉鎖係止部100から脱係させるために連結部14の手前側に形成された押圧部180を、指で押すことにより、連結部14の長さ方向において手前側から向こう側に移動させることができるように構成されている。
更に、綴杆部12は、押圧部180を綴杆部12の先端が閉鎖係止部100から離れる方向、すなわち表表紙部1012の方向に回転させることにより、係止された綴杆係止部30を閉鎖係止部100から外すことができるように構成されている。
【0030】
前記綴杆部12の綴杆係止部30は、
図18において示すように、円弧状凹部32を凹設され、凹部32に続いて自由端に鉤鼻状の綴杆凸部34が形成されている。
この実施の形態においては、押圧部180を指で押すことにより、綴杆部12を向こう側に移動させ、綴杆部12の綴杆係止部30と閉鎖係止部100の係止凸部120との係合を外すことができる。
なお、綴杆部12を閉じるときにおいては、綴杆係止部30と閉鎖係止部100の係止凸部120とは、突き出た鉤鼻状の綴杆凸部34を滑りながら綴杆係止部30の手前側の凹部32に嵌まるようにするために、綴杆係止部30が、なだらかな傾斜面を自由端側から形成されている。
【0031】
この実施の形態においては、連結部14は、略円柱状ないしは略四角柱状である。
そして、連結部14は、綴杆部12の回転方向と直交し綴じ具10を閉じたときに垂直にすなわち表紙体1010の高さ方向にのびるように形成されている。
【0032】
前記綴杆部12は、その側面に、綴杆部12の開き角度をリーフ1110の挿入し易い角度、例えば約60〜70度に規制するための開き角規制部を形成されている。
綴杆部12の開き角規制部は、断面略半円弧状であり、綴杆部12の基部20側の外側面の接合面40を備える。
【0033】
前記枢軸部16は、枢軸200の挿入部36を備える。
枢軸部16は、連結部14に連設された複数の枢軸部16(第1の枢軸部16a,第2の枢軸部16b,第3の枢軸部16c,第4の枢軸部16d,第5の枢軸部16e,第6の枢軸部16f及び第7の枢軸部16g)から構成されており、各枢軸部16は挿入部36を構成されている。
前記枢軸部16は、前記綴杆部12及び/又は連結部14に突設され、それぞれ枢軸200を装填するための挿入部36を中央に形成されている。
第1の枢軸部16a,第2の枢軸部16b,第3の枢軸部16c,第4の枢軸部16d,第5の枢軸部16e,第6の枢軸部16f及び第7の枢軸部16gは、それぞれ一直線状に並ぶとともに、第1の枢軸部16a,第2の枢軸部16b,第3の枢軸部16c,第4の枢軸部16d,第5の枢軸部16e,第6の枢軸部16f及び第7の枢軸部16gは、それぞれ穿設された挿入部36が、一直線状に並ぶ。
軸受部52は、枢軸200を装填するための挿入部56を中央に形成されている。
第1の軸受部52a,第2の軸受部52b,第3の軸受部52c,第4の軸受部52d,第5の軸受部52e及び第6の軸受部52fに、それぞれ穿設された挿入部56は、一直線状に並ぶ。
前記枢軸200は、前記連結部14の長手方向に沿って、向こう側から手前側に連続してのび、綴じ具10の枢軸部16と保持部50の軸受部52とを連結する。
綴じ具10の枢軸部16は、綴杆部12の先端を閉鎖係止部100に嵌合して閉鎖するとき及び綴杆12の先端を離間させるときに回転中心となるように構成されている。
【0034】
前記枢軸部16は、前記連結部14の長手方向に間欠的に形成され、前記枢軸200を中心にして回転し且つ綴杆部12を開閉するときに長手方向に変移するように間隙を形成されている。
綴じ具10の枢軸部16と枢軸部16を収容する軸受部52とにより形成される間隙は、収容された枢軸部16と軸受部52との間に、綴杆部12の綴杆係止部30(綴杆凸部34)が閉鎖係止部100の係止凸部120より脱係するための間隙を残すように、その長さを形成されている。
【0035】
前記枢軸200は、断面円形の棒状の金属棒である。それに対応して、前記枢軸部16は、全体が弧状で、その内側の挿入部36に前記枢軸200を装填され、且つ、前記綴杆部12の張り出し方向とは反対方向に張り出すように、前記連結部14に連設されている。
この実施の形態においては、枢軸200と枢軸部16とは別部材である。綴杆部12は、連結部14と合成樹脂により一体成形され、枢軸部16は、合成樹脂により、連結部14と一体に形成されている。
そして、枢軸200は、綴じ具10の最も向こう側の枢軸部16(第7の枢軸部16g)から、枢軸部16の最も手前側の枢軸部16(第1の枢軸部16a)に至るように、形成されている。
【0036】
閉鎖係止部100の係止凸部120は、綴杆部12の綴杆凸部34と向き合い、綴杆部12の綴杆凸部34の突き出る方向とは反対側に向いて突き出されている。
閉鎖係止部100の係止凸部120は、向こう側に向いて突き出され、綴杆部12の綴杆凸部34は、手前側に向いて突き出されている。
綴じ具10の綴杆部12が閉じたとき、綴杆部12の凹部32に閉鎖係止部100の係止凸部120が嵌挿され、閉鎖係止部100の係止凸部120と綴杆部12の綴杆凸部34とは、弾発部材300の付勢力によって係合する。
この実施の形態においては、綴杆部12の綴杆凸部34は、綴じ具10の連結部14の手前側において手前側に向いて突設された押圧部180側に向いて、突き出され、閉鎖係止部100の係止凸部120は、綴杆部12の綴杆凸部34の突き出された方向とは反対側である向こう側に向いて突き出されている。
係止凸部120は、第2の孔72側の面が、表紙体1010の内表面1030と略同じ面上に設けられ、綴じ具10を閉じたとき、綴じ具10の綴杆係止部30の凹部32と接合するように形成されている。綴じ具10の綴杆係止部30の綴杆凸部34は、第2の孔72内に収容される。
【0037】
前記枢軸200の長手方向にテンション(引張力又は圧縮力)をかける弾発部材300は、前記連結部14の中央あたりに存する前記綴杆部12の枢軸部16と保持部50の軸受部52との間に、圧縮された状態で介装されている。
弾発部材300は、鋼線をコイル形に巻いて作られたコイルバネにより形成され、筒形のコイルバネの輪の中に枢軸200を挿通されている。
そして、弾発部材300は、その向こう側端が保持部50の軸受部52(第4の軸受部52d)の手前側端に接し、その手前側端が綴じ具10の枢軸部16(第4の枢軸部16d)の向こう側端に接して、復元力(均一な)によって綴杆部12及び連結部14を手前側に押し下げ且つ保持部50の軸受部52を向こう側に押し上げるように構成されている。
【0038】
前記綴杆を開閉させるときの中心ののびる方向における一端又は両端の領域には、綴杆部12を構成する複数の綴杆を、閉鎖係止部100から脱係させるために、綴杆を開閉させるときの中心ののびる方向に変位させる、押圧部180が突設されている。
この実施の形態においては、押圧部180は、連結部14の手前側に突設された円柱状体である。
表紙体1010は、裏表紙部1014の第2折曲部1022に近い領域に、押圧部180を回転させるための空間を設けるための凹み1014aを形成され、且つ表表紙部1012の第1折曲部1020に近い領域に、表表紙部1012を閉じたときに押圧部180を収容するための凹み1012aを形成されている。
【0039】
弾発部材300は、綴杆部12を閉じているときには、綴じ具10の綴杆係止部30(綴杆凸部34)と閉鎖係止部100の係止凸部120とを係合させる方向に付勢力を作用させている。
押圧部180を指で押すことにより、係止された綴じ具10の綴杆部12を閉鎖係止部100の係止凸部120から外すときには、弾発部材300の弾発力に抗して綴じ具10の綴杆部12及び連結部14は、向こう側に移動させて綴杆凸部34を係止凸部120より離れさせ、閉じていた綴杆部12を開く。
而して、綴杆部12の綴杆凸部34は、突き出た方向とは反対側(向こう側)に移動して閉鎖係止部100の係止凸部120から脱係する。
【0040】
表表紙部1012は、綴じ具10の綴杆部12との接し合う部分に、貫通孔からなる綴じ具嵌挿孔1040が穿設されている。
而して、綴杆部12は、綴じ具嵌挿孔1040に嵌挿されることにより、連結部14の長さ方向への移動を規制されて、綴杆部12が不用意に開くことがない。