(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記充電ステーションは、複数個のバッテリモジュールを保持する保持部と、前記保持部内の少なくとも一部のバッテリモジュールに電圧を印加して当該バッテリモジュールを充電する充電装置とを具備し、
前記汎用移動体は、当該汎用移動体内のバッテリの充電量が閾値を下回った場合に移動先の位置から前記ホームポジションに戻って前記充電ステーションとドッキングし、当該汎用移動体内のバッテリモジュールを前記保持部内の充電済みのバッテリモジュールと交換し、バッテリモジュールの交換後に前記移動先の位置に戻ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動体プラットフォームシステム。
前記汎用移動体は、当該汎用移動体が前記サービス機器から受け取った一連の走行指示と当該走行指示に従った汎用移動体の実走時間の各対を走行履歴データとして記憶するメモリを具備し、
前記汎用移動体は、当該汎用移動体内のバッテリの充電量が閾値を下回った場合は、当該汎用移動体が前記ホームポジションを離れてから前記充電量が閾値を下回った時点の移動先の位置に至るまでに前記メモリに記憶した一連の走行履歴データを記憶順と逆順に実行することにより前記ホームポジションに戻る
ことを特徴とする請求項5に記載の移動体プラットフォームシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自走式掃除機における床面上の障害物を検知する機能や検知した障害物を避けて自身の走行路を決定する機能を床面清掃以外のサービスに関わるサービス機器の移動手段として応用することにより利用者のライフスタイルをより快適化する試みがなされている。しかしながら、コスト上の制約や設計上の制約などの事情により、このような試みは未だ実現するに至っていない。
【0005】
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、ユーザにサービスを提供するサービス機器を汎用移動体に載せて室内を自動走行させるシステムにより利用者に快適なライフスタイルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、床面に置かれる充電ステーションと、所定のデバイスをプログラムに従って駆動することによりユーザにサービスを提供するサービス機器と、前記サービス機器を載せて前記床面の障害物を避けつつ前記床面を移動する汎用移動体であって、当該汎用移動体及び当該汎用移動体上の前記サービス機器に電力を供給するバッテリモジュールを有する汎用移動体とを具備し、
前記サービス機器は、人のいる方向を検知し、検知した方向を示す検知信号を出力するセンサと、前記センサの検知信号に基づいて利用者の有無と位置を特定し、前記汎用移動体を利用者の位置に追随して移動させる制御部と、を備え、前記汎用移動体に載せて装着する前記サービス機器の種類を交換し得るように構成されており、前記汎用移動体は、当該汎用移動体と前記充電ステーションがドッキングして前記充電ステーションから電力の供給を受けられる位置をホームポジションとし、当該汎用移動体内のバッテリモジュールの充電量が閾値を下回る度に移動先の位置から前記ホームポジションに戻
る移動体プラットフォームシステムである。
ここで、前記サービス機器は、発光する照明デバイスと、前記充電ステーションと通信する通信部と、を更に備えており、利用者端末から前記充電ステーションを介して送信される設定データに従い、前記照明デバイスのオン/オフ及び照明光の明るさ制御を含む駆動処理を自律的に行うこととしてもよい。
さらに、前記充電ステーションは、複数個のバッテリモジュールを保持する保持部と、前記保持部内の少なくとも一部のバッテリモジュールに電圧を印加して当該バッテリモジュールを充電する充電装置とを具備し、前記汎用移動体は、当該汎用移動体内のバッテリの充電量が閾値を下回った場合に移動先の位置から前記ホームポジションに戻って前記充電ステーションとドッキングし、当該汎用移動体内のバッテリモジュールを前記保持部内の充電済みのバッテリモジュールと交換し、バッテリモジュールの交換後に前記移動先の位置に戻ることとしてもよい。
【0007】
また、この移動体プラットフォームシステムにおいて、前記充電ステーションは、複数個のバッテリモジュールを保持する保持部と、前記保持部内の少なくとも一部のバッテリモジュールに電圧を印加して当該バッテリモジュールを充電する充電装置とを具備し、前記汎用移動体は、当該汎用移動体内のバッテリの充電量が閾値を下回った場合に移動先の位置から前記ホームポジションに戻って前記充電ステーションとドッキングし、当該汎用移動体内のバッテリモジュールを前記保持部内の充電済みのバッテリモジュールと交換し、バッテリモジュールの交換後に前記移動先の位置に戻るようにしてもよい。
【0011】
また、前記汎用移動体は、1個のバッテリモジュールを収容し得るバッテリホルダであって、開放された出し入れ口が設けられたバッテリホルダを具備し、前記保持部は、当該保持部の相対向する2面における中心から等距離だけ離れた各位置の間に各々が1つのバッテリモジュールを収容し得る複数の保持孔が設けら
れており、当該保持部を前記保持孔と前記ホームポジションの前記汎用移動体における前記バッテリホルダの位置が合うように回転させてバッテリモジュールの交換を行うように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記汎用移動体は、1個のバッテリモジュールを収容し得るバッテリホルダであって、上方に開放された出し入れ口が設けられたバッテリホルダを具備し、前記保持
部の上面と下面における中心から等距離だけ離れた各位置の間には、各々が1つのバッテリモジュールを収容し得る寸法を有する複数の保持孔が設けられており、前記充電ステーションは、前記汎用移動体が前記ホームポジションまで進入したことを検知するセンサを有し、前記充電ステーションは、前記センサによって前記汎用移動体が前記ホームポジションまで進入したことが検知されると、前記保持部の複数の保持孔のうちバッテリモジュールが収容されていない保持孔が前記ホームポジションの前記汎用移動体における前記バッテリホルダの出し入れ口の真上になるように前記保持部を回転させる第1の制御と、把持棒を下降させ、前記把持棒が前記ホームポジションの前記汎用移動体における前記バッテリホルダの真上の保持孔を通って前記バッテリホルダ内のバッテリモジュールに達すると、前記把持棒により前記バッテリホルダ内のバッテリモジュールを把持する第2の制御と、前記把持棒を上昇させ、前記把持棒により把持したバッテリモジュールが真上の保持孔に収容されると、前記把持棒によるバッテリモジュールの把持を解除する第3の制御と、前記保持部の複数の保持孔のうち前記充電装置による充電済みのバッテリモジュールが収容されている保持孔が前記ホームポジションの前記汎用移動体における前記バッテリホルダの出し入れ口の真上になるように前記保持部を回転させる第4の制御と、前記把持棒を下降させ、前記把持棒が真下の保持孔内のバッテリモジュールに達すると、前記把持棒によりバッテリモジュールを把持して下方に押し出し、バッテリモジュールが前記ホームポジションの前記汎用移動体における前記バッテリホルダに収納されると、前記把持棒によるバッテリモジュールの把持を解除する第5の制御とを実行するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明では、前記汎用移動体は、当該汎用移動体が前記サービス機器から受け取った一連の走行指示と当該走行指示に従った汎用移動体の実走時間の各対を走行履歴データとして記憶するメモリを具備し、前記汎用移動体は、当該汎用移動体内のバッテリの充電量が閾値を下回った場合は、当該汎用移動体が前記ホームポジションを離れてから前記充電量が閾値を下回った時点の移動先の位置に至るまでに前記メモリに記憶した一連の走行履歴データを記憶順と逆順に実行することにより前記ホームポジションに戻るようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、サービス機器とこれを搬送する汎用移動体は、床面上を移動してサービスを提供し続けるようになっている。そして、汎用移動体は、当該汎用移動体内のバッテリモジュールの充電量が閾値を下回る度に移動先の位置からホームポジションに戻るようになっている。よって、サービスの提供中にバッテリモジュール内の電力が消尽し、バッテリモジュールへの充電が終わるまで長時間に亘ってサービスの提供を中断せざるを得ない、といった事態が発生しなくなる。
【0015】
また、本発明では、複数個のバッテリモジュールを保持する保持部と、保持部内の少なくとも一部のバッテリモジュールに電圧を印加して当該バッテリモジュールを充電する充電装置とを具備する。そして、汎用移動体は、当該汎用移動体内のバッテリモジュールの充電量が閾値を下回った場合に移動先の位置からホームポジションに戻って充電ステーションとドッキングし、当該汎用移動体内のバッテリモジュールを保持部内の充電済みのバッテリモジュールと交換し、バッテリモジュールの交換後に移動先の位置に戻るようになっている。よって、本発明によると、サービス機器とこれを載せた汎用移動体が当該汎用移動体内のバッテリモジュールの電力により動作している間は、充電ステーションの保持部内のバッテリモジュールが充電装置により充電される。従って、本発明によると、汎用移動体内のバッテリモジュール自体に充電装置を接続して電力を充電する態様に比べて、汎用移動体内のバッテリモジュールの消耗時のサービスの中断時間が短くなる。
【0016】
また、本発明では、充電ステーションは、センサによって汎用移動体がホームポジションまで進入したことが検知されると、保持部の複数の保持孔のうちバッテリモジュールが収容されていない保持孔が汎用移動体のバッテリホルダの出し入れ口の真上になるように保持部を回転させる第1の制御、把持棒を下降させ、把持棒がバッテリホルダの真上の保持孔を通ってバッテリホルダ内のバッテリモジュールに達すると、把持棒によりバッテリホルダ内のバッテリモジュールを把持する第2の制御、把持棒を上昇させ、把持棒により把持したバッテリモジュールが真上の保持孔に収容されると、把持棒によるバッテリモジュールの把持を解除する第3の制御、保持部の複数の保持孔のうち前記充電装置による充電済みのバッテリモジュールが収容されている保持孔が汎用移動体のバッテリホルダの出し入れ口の真上になるように保持部を回転させる第4の制御、及び把持棒を下降させ、把持棒が真下の保持孔内のバッテリモジュールに達すると把持棒によりバッテリモジュールを把持して下方に押し出し、バッテリモジュールがバッテリホルダに収納されると、把持棒によるバッテリモジュールの把持を解除する第5の制御を実行する。よって、本発明によると、汎用移動体内の消耗したバッテリモジュールの抜き出し、保持部内の充電装置による充電済みのバッテリモジュールの汎用移動体への装填、及び消耗したバッテリモジュールの充電装置への接続を少ない行程の動作により実現できる。従って、本発明によると、バッテリモジュールの充電と交換をより一層効率化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である移動体プラットフォームシステム1の全体構成図である。この移動体プラットフォームシステム1は、床面に置かれる充電/通信ステーション5と、サービス機器2と、サービス機器2を載せて床面を移動する汎用移動体3とを有する。この移動体プラットフォームシステム1は、サービス機器2を、照明デバイス24(照明ライト)を搭載したものとし、室内の利用者に追随して利用者の周囲を照明により照らす照明追随サービスを提供する。
【0019】
図2は、サービス機器2の概略構成を示す図である。サービス機器2は、汎用移動体3上に装着された場合に、汎用移動体3内のバッテリモジュールBT(
図3参照)から供給される電力により動作する。サービス機器2の筐体21は、大径の円筒とこの円筒よりも縦長の小径の円筒とを上下に繋げたような形を有している。サービス機器2の筐体21の下面には電力端子25及び信号端子26が設けられている。サービス機器2の筐体21の上面には照明デバイス24が設けられている。
【0020】
サービス機器2の筐体21内には、人感センサ27、無線通信ユニット28、及び制御部29が設けられている。人感センサ27は、人のいる方向を検知し、検知した方向を示す検知信号を出力する。無線通信ユニット28は、充電/通信ステーション5内の無線LANルータ57(
図4参照)との間でIEEE802.1によるコネクションを確立し、無線LANルータ57を介してインターネット上の装置との間でデータを送受信する。
【0021】
制御部29は、サービス機器2の制御中枢としての役割を果たす装置である。制御部29は、CPU291、RAM292、及びROM293を有している。CPU291は、RAM292をワークエリアとして利用しつつ、ROM293内のプログラムを実行する。このプログラムの働きにより、CPU291は、照明デバイス駆動処理及び追随処理の2つの処理を行う。照明デバイス駆動処理は、利用者のスマートフォン(不図示)から充電/通信ステーション5を介して送信される設定データに従い、照明デバイス24のオン/オフや照明光の明るさを制御する処理である。追随処理は、照明デバイス24がオンの間、人感センサ27の出力信号に基づいて居室内における利用者の有無と位置を特定し、汎用移動体3への走行指示の制御信号の供給を通じて当該サービス機器2を載せた汎用移動体3を利用者の位置に追随して移動させる処理である。
【0022】
図3は、汎用移動体3の概略構成図である。汎用移動体3の機体31は、サービス機器2の筐体21よりも大きな半径と低い高さの寸法を持った円板状をなしている。機体31の下面における中心から十字をなす方向に等距離だけ離れた各位置には下方に突出した4つのオムニホイール32F、32B、32L、32Rがある。ここで、
図3において、オムニホイール32Rはオムニホイール32Lの向こう側にある。オムニホイール32F及びオムニホイール32Bは機体31の下面の中心を挟んで平行に対峙している。オムニホイール32L及びオムニホイール32Rは機体31の下面の中心を挟んで平行に対峙している。
【0023】
機体31内におけるオムニホイール32Fの内側にはモータ33Fが設けられている。機体31内におけるオムニホイール32Bの内側にはモータ33Bが設けられている。機体31内におけるオムニホイール32Lの内側にはモータ33Lが設けられている。機体31内におけるオムニホイール32Rの内側にははモータ33Rが設けられている。モータ33F、33B、33L、33Rは各々に供給されれた駆動信号に従ってオムニホイール32F、32B、32L、32Rを回転させる。
【0024】
機体31内におけるオムニホイール32Bの側には、バッテリモジュールBTを収納するバッテリホルダ341が設けられている。バッテリホルダ341の出し入れ口342は、機体31の上面におけるオムニホイール32Bの真上の位置よりも僅かに中心の側の位置に開放されている。
【0025】
機体31内の上面の中央には、機器装着台34が設けられている。機器装着台34は、サービス機器2の筐体21の下面よりも僅かに大きな直径を持った皿状をなしている。機器装着台34には電力端子35及び信号端子36が設けられている。機器装着台34にサービス機器2が装着されると、サービス機器2の電力端子25と汎用移動体3の電力端子35、及びサービス機器2の信号端子26と汎用移動体3の信号端子36が各々電気的に接続される。サービス機器2の電力端子25と汎用移動体3の電力端子35が接続されると、バッテリホルダ341内のバッテリモジュールBTの電力は電力端子35及び25を介してサービス機器2に供給される。また、サービス機器2の電力端子26と汎用移動体3の電力端子36が接続されると、サービス機器2の制御部29の出力信号が信号端子26及び36を介して汎用移動体3に供給される。
【0026】
機体31内には、障害物センサ37、タイマ38、及び制御部39が設けられている。障害物センサ37は、汎用移動体33の周囲の障害物の有無を検知し、検知信号を出力する。障害物センサ37は、外線センサ、撮像センサ、スイッチ式センサのいずれであってもよい。また、障害物センサ37は、床面の段差を検出できるものであってもよい。
【0027】
制御部39は、汎用移動体3の制御中枢としての役割を果たす装置である。制御部39は、CPU391、RAM392、ROM393、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)394を有する。CPU391は、RAM392をワークエリアとして利用しつつ、ROM393内のプログラムを実行する。このプログラムの働きにより、CPU391は、サービス機器搬送処理及び充電管理処理の2つの処理を行う。サービス機器搬送処理は、機器装着台34に装着されたサービス機器2の指令に従って汎用移動体3を走行させる処理である。充電管理処理は、バッテリホルダ341内のバッテリモジュールBTの電力を監視し、バッテリモジュールBTの電力が閾値を下回った場合は、サービス機器2の走行指令に従った走行を中断し、移動先の位置から充電/通信ステーション5の位置まで走行して充電/通信ステーション5とドッキングし、バッテリホルダ341内のバッテリモジュールBTを充電/通信ステーション5における充電済みのバッテリモジュールBTと交換し、バッテリモジュールBTの交換を終えた後に移動先の位置に戻り、サービス機器2の走行指令に従った走行を再開する処理である。
【0028】
図4は、
図1の充電/通信ステーション5の概略構成図である。充電/通信ステーション5のハウジング51は、円柱の周面における下面と下面から上面に至るまでの途中の位置との間の部分を凹部511として切り欠いたような形状を有している。
【0029】
ハウジング51には、電源ケーブル52、スイッチセンサ53、バッテリ保持部54、昇降アーム55、アクチュエータ56、無線LANルータ57、及び制御部59が設けられている。電源ケーブル52は、ハウジング51の下縁部から引き出されている。この電源ケーブル52の先端のコンセントプラグを家庭用コンセント差込口に挿入すると、家庭用交流電圧(単相100V)がハウジング51内の各部に供給される。
【0030】
スイッチセンサ53は、ハウジング51における凹部511に横から臨む面の下方に露出している。スイッチセンサ53は、凹部511内に進入した汎用移動体3によって押されたことを検知し、検知信号を出力する。
【0031】
バッテリ保持部54は、床面と平行な面に沿って回転し得るようにしてハウジング51内におけるスイッチセンサ53の上に枢着されている。
図5に示すように、バッテリ保持部54は、蓮根状をなしている。バッテリ保持部54には中心孔544と4つのバッテリ保持孔541−k(k=1〜4)が穿設されている。中心孔544はバッテリ保持部54の上面と下面の中心間を貫いている。バッテリ保持孔541−k(k=1〜4)の各々は、バッテリ保持部54の上面と下面における中心孔544から十字をなす方向に等距離だけ離れた各位置の間を貫いている。バッテリ保持孔541−k(k=1〜4)の各々は、1つのバッテリモジュールBTを収容し得る寸法を有している。
【0032】
図4において、バッテリ保持部54の中心孔544を通る支持棒542はハウジング51における凹部511に臨む面の僅かに内側に固定されている。バッテリ保持部54はこの支持棒542を回転軸として回転する。バッテリ保持部54の1つのバッテリ保持孔541−kはハウジング51における凹部511に臨む面の開口(不図示)を介して凹部511に露出している。バッテリ保持部54が回転すると、バッテリ保持孔541−1→バッテリ保持孔541−2→バッテリ保持孔541−3→バッテリ保持孔541−4→バッテリ保持孔541−1、というようにして凹部511に露出するものが順に切り替わる。凹部511に露出する1つを除いたハウジング51内の3つのバッテリ保持孔541−kのバッテリモジュールBTにはハウジング51内の3つの充電装置545L、545B、545R(不図示)において交流/直流変換された直流電圧が印加され、ハウジング51内の3つのバッテリ保持孔541−k内のバッテリモジュールBTが充電される。
【0033】
昇降アーム55は、ハウジング51内における凹部511の上にある。昇降アーム55は、ハウジング51における凹部511に上から臨む面の開口(不図示)を通って凹部511内に進出する把持棒551と、この把持棒551を収容する収容部552とを有する。アクチュエータ56は、ハウジング51内における昇降アーム55及び支持棒542の近傍にある。アクチュエータ56は、制御部59による制御の下、昇降アーム55及び支持棒542を駆動する。
【0034】
無線LANルータ57は、自身の無線通信エリア内の無線通信ユニット28との間でIEEE802.1によるコネクションを確立し、無線通信ユニット28とインターネット上の装置との間のデータの送受信を仲介する。
【0035】
制御部59は、充電/通信ステーション5の制御中枢としての役割を果たす装置である。制御部59は、CPU591、RAM592、ROM593を有する。CPU591は、RAM592をワークエリアとして利用しつつ、ROM593内のプログラムを実行する。このプログラムの働きにより、CPU591は、バッテリ交換制御処理を行う。
【0036】
バッテリ交換制御処理は、スイッチセンサ53の出力信号により汎用移動体3と充電/通信ステーション5のドッキングの有無を監視し、汎用移動体3が充電/通信ステーション5とドッキングした場合に、アクチュエータ56の制御を通じて、汎用移動体3のバッテリホルダ341内のバッテリモジュールBTをバッテリ保持部54内の充電済みのバッテリモジュールBTと交換する処理である。
【0037】
より具体的に説明すると、バッテリ交換制御処理では、CPU591は、
図6に示すように、汎用移動体3が凹部511内におけるバッテリホルダ341が昇降アーム55の把持棒551の真下になるドッキング位置(以下、この位置をホームポジションという)まで進入して汎用移動体3によりスイッチセンサ53が押され、そのことを示す検知信号Cがスイッチセンサ53から出力されると、バッテリ保持部54の回転を指示する第1の制御信号S1をアクチュエータ56に供給する。アクチュエータ56は、この制御信号S1が供給されると、バッテリモジュールBTが収納されていない空のバッテリ保持孔541−kが把持棒551の真下になるようにバッテリ保持部54を回転させる。
【0038】
次に、CPU591は、
図7に示すように、昇降アーム55の把持棒551の下降を指示する第2の制御信号S2をアクチュエータ56に供給する。アクチュエータ56は、この制御信号S2が供給されると、昇降アーム55の把持棒551を下降させ、把持棒551が真下のバッテリ保持孔541−k(
図7の例ではバッテリ保持孔541−3)を通って汎用移動体3のバッテリホルダ341の出し入れ口342の奥のバッテリモジュールBTに達すると、把持棒551によりバッテリホルダ341内のバッテリモジュールBTを把持する。
【0039】
次に、CPU591は、
図8に示すように、把持棒551の上昇を指示する第3の制御信号S3をアクチュエータ56に供給に供給する。アクチュエータ56は、この制御信号S3が供給されると、昇降アーム55の把持棒551を上昇させ、把持棒551により把持したバッテリモジュールBTが真上のバッテリ保持孔541−k(
図7の例ではバッテリ保持孔541−3)内に収納されると、把持棒551によるバッテリモジュールBTの把持を解除し、把持棒551をハウジング51内に退避させる。
【0040】
次に、CPU591は、
図9に示すように、バッテリ保持部54の回転を指示する第4の制御信号S4をアクチュエータ56に供給する。アクチュエータ56は、この制御信号S4が供給されると、充電装置545L、545B、545Rによる充電済みのバッテリモジュールBTが収納されているバッテリ保持孔541−kの1つが昇降アーム55の真下になるようにバッテリ保持部54を回転させる。
【0041】
次に、CPU591は、
図10に示すように、把持棒551の下降を指示する第5の制御信号S5をアクチュエータ56に供給する。アクチュエータ56は、この制御信号S5が供給されると、昇降アーム55の把持棒551を下降させ、把持棒551が真下のバッテリ保持孔541−k(
図10の例ではバッテリ保持孔541−4)内のバッテリモジュールBTに達すると把持棒551によりバッテリモジュールBTを把持して下方に押し出し、バッテリモジュールBTが汎用移動体3のバッテリホルダ341内に収納されると、把持棒551によるバッテリモジュールBTの把持を解除し、把持棒551をハウジング51内に退避させる。
【0042】
次に、本実施形態の移動体プラットフォームシステム1の動作について説明する。
図11は、移動体プラットフォームシステム1による照明追随サービスが提供される部屋の見取り図である。この部屋の床面上には、汎用移動体3の移動の障害物となるカウンタ501、ソファ502、テレビボード503が設置されている。また、部屋の床面の隅には充電/通信ステーション5が置かれている。
【0043】
部屋内の利用者が、汎用移動体3にサービス機器2を装着し、スマートフォン(不図示)から照明のオンを指示する操作を行うと、汎用移動体3上のサービス機器2は、照明デバイス24を点灯させるとともに、利用者に追随して汎用移動体3を移動させる。また、汎用移動体3は、バッテリホルダ341内のバッテリモジュールBTの電力が閾値を下回った場合は、その時点における移動先の位置Xを離れてホームポジションに移動して充電/通信ステーション5とドッキングし、ホームポジションにおいてバッテリホルダ341内のバッテリモジュールBTを充電済みのバッテリモジュールBTに交換し、元の移動先の位置Xに戻る。
【0044】
以上が、本実施形態の詳細である。本実施形態によると、次の効果が得られる。
第1に、本実施形態では、移動体プラットフォームシステム1は、サービス機器2と、汎用移動体3と、充電/通信ステーション5とを有する。本実施形態では、様々な種類のサービス機器2を汎用移動体3に搭載して動作させるにより、利用者により快適なライフスタイルを提供することができる。
【0045】
第2に、本実施形態では、サービス機器2とこれを搬送する汎用移動体3は、追随対象となる人が居室内にいる限り、床面上を移動してサービスを提供し続けるようになっている。そして、汎用移動体3は、当該汎用移動体3内のバッテリモジュールBTの充電量が閾値を下回る度に移動先の位置からホームポジションに戻るようになっている。よって、サービスの提供中にバッテリモジュールBT内の電力が消尽し、バッテリモジュールBTへの充電が終わるまで長時間に亘ってサービスの提供を中断せざるを得ない、といった事態が発生しなくなる。
【0046】
第3に、本実施形態では、複数個のバッテリモジュールBTを保持するバッテリ保持部54と、バッテリ保持部54内の少なくとも一部のバッテリモジュールBTに電圧を印加して当該バッテリモジュールBTを充電する充電装置545L、545B、545Rとを具備する。そして、汎用移動体3は、当該汎用移動体3内のバッテリモジュールBTの充電量が閾値を下回った場合に移動先の位置からホームポジションに戻って充電/通信ステーション5とドッキングし、当該汎用移動体3内のバッテリモジュールBTをバッテリ保持部54内の充電済みのバッテリモジュールBTと交換し、バッテリモジュールBTの交換後に移動先の位置に戻るようになっている。よって、本実施形態によると、サービス機器2とこれを載せた汎用移動体3がバッテリモジュールBT内のバッテリモジュールBTの電力により動作している間は、充電/通信ステーション5のバッテリ保持部54内のバッテリモジュールBTが充電装置545L、545B、545Rにより充電される。従って、本実施形態によると、汎用移動体3内のバッテリモジュールBT自体に充電装置を接続して電力を充電する態様に比べて、汎用移動体3内のバッテリモジュールBTの消耗時のサービスの中断時間が短くなる。
【0047】
第4に、本実施形態では、充電/通信ステーション5は、スイッチセンサ53によって汎用移動体3がホームポジションまで進入したことが検知されると、バッテリ保持部54の複数のバッテリ保持孔541−kのうちバッテリモジュールBTが収容されていないバッテリ保持孔541−kがバッテリホルダ341の出し入れ口342の真上になるようにバッテリ保持部54を回転させる第1の制御、昇降アーム55の把持棒551を下降させ、把持棒551がバッテリホルダ341の真上のバッテリ保持孔541−kを通ってバッテリホルダ341内のバッテリモジュールBTに達すると、把持棒551によりバッテリホルダ341内のバッテリモジュールBTを把持する第2の制御、把持棒551を上昇させ、把持棒551により把持したバッテリモジュールBTが真上のバッテリ保持孔541−kに収容されると、把持棒551によるバッテリモジュールBTの把持を解除する第3の制御、バッテリ保持部54の複数のバッテリ保持孔541−kのうち充電装置545L、545B、545Rによる充電済みのバッテリモジュールBTが収容されているバッテリ保持孔541−kがバッテリホルダ341の出し入れ口342の真上になるようにバッテリ保持部54を回転させる第4の制御、及び把持棒551を下降させ、把持棒551が真下のバッテリ保持孔541−k内のバッテリモジュールBTに達すると把持棒551によりバッテリモジュールBTを把持して下方に押し出し、バッテリモジュールBTがバッテリホルダ341に収納されると、把持棒551によるバッテリモジュールBTの把持を解除する第5の制御を実行する。よって、本実施形態によると、汎用移動体3内の消耗したバッテリモジュールBTの抜き出し、充電/通信ステーション5内の充電装置545L、545B、545Rによる充電済みのバッテリモジュールBTの汎用移動体3への装填、及び消耗したバッテリモジュールBTの充電装置545L、545B、545Rへの接続を少ない行程の動作により実現できる。従って、本実施形態によると、バッテリモジュールBTの充電と交換をより一層効率化することができる。
【0048】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、かかる実施形態に以下の変形を加えてもよい。
(1)上記実施形態では、充電/通信ステーション5のバッテリ保持部54は、最大4個のバッテリモジュールBTを保持できるようになっていた。しかし、バッテリ保持部54におけるバッテリモジュールBTの保持数を2〜3個にしてもよいし、5個以上にしてもよい。
【0049】
(2)上記実施形態では、バッテリ保持部54は、床面と平行な面において回転し得るようにして枢着されていた。しかし、バッテリ保持部54を、床面と直交する面において回転するようにして枢着してもよい。
【0050】
(3)上記実施形態では、サービス機器2の走行指示の制御信号は信号端子26及び36を介して汎用移動体3に供給された。しかし、サービス機器2及び汎用移動体3の各々にブルートウース(登録商標)ユニットなどの無線通信ユニットを搭載し、この無線通信ユニットの無線通信によりサービス機器2及び汎用移動体3間の制御信号の送受信を行ってもよい。
【0051】
(4)上記実施形態では、汎用移動体3に載せるサービス機器2を、照明デバイス24(照明ライト)を搭載したものとし、室内の利用者に追随して利用者の周囲を照明により照らす照明追随サービスを提供した。しかし、サービス機器2を、ディスプレイ、スピーカ、信号発信機などの他の種類のデバイスとし、これらのデバイスの機能と汎用移動体3の機能とを利用した他のサービスを提供するようにしてもよい。例えば、各種デバイスを搭載したサービス機器2と汎用移動体3によって次のようなサービスを提供するとよい。
【0052】
a1.家電機器遠隔操作支援サービス
このサービスでは、サービス機器2を、制御部29及び無線通信ユニット28と、制御部29による制御の下に家電機器に向けて操作信号を発信する操作信号発信デバイス(リモコン)とを有するものとする。このサービスでは、利用者が、外出先において自身のスマートフォンから自宅の家電機器(例えば、エアコン)の起動を指示する操作指示データを送信すると、その操作指示データがインターネット上のサーバを経由して充電/通信ステーション5に送信され、充電/通信ステーション5からサービス機器2に送信される。サービス機器2は、操作指示データを受信すると、当該サービス機器2が装着された汎用移動体3を操作指示データが指定する家電機器と対面する位置まで移動させ、操作信号発信デバイスから家電機器の起動を指示する操作信号を発信させ、家電機器を起動させる。
【0053】
b1.音響支援サービス
このサービスでは、サービス機器2を、制御部29及び無線通信ユニット28と、オーディオ機器との間でブルートウース(登録商標)に従った無線通信を行うブルートウース(登録商標)通信ユニットと、オーディオ機器から受信した音信号を放音する放音デバイス(スピーカ)と、居室内における人の有無とその位置を検知する人感センサとを有するものとする。このサービスでは、利用者が、自身のスマートフォンからスピーカによる音の放音と音量とを指示するスピーカ駆動指示データを送信すると、そのスピーカ駆動指示データが充電/通信ステーション5からサービス機器2に送信される。サービス機器2は、スピーカ駆動指示データを受信すると、人感センサの出力信号を基に利用者の位置を特定するとともに、その位置における音響感を好適化するための最適放音位置を計算し、当該サービス機器2が装着された汎用移動体3を最適放音位置まで移動させる。その後、サービス機器2は、オーディオ機器から受信した音信号を放音デバイス(スピーカ)に供給して放音デバイスによる音の放音を開始する。
【0054】
c1.撮影支援サービス
このサービスでは、サービス機器2を、制御部29及び無線通信ユニット28と、制御部29による制御の下に撮影を行う撮影デバイスと、利用者の声を収音する収音デバイス(マイクロホン)と、住居内における人の有無とその位置を検知する人感センサとを有するものとする。このサービスでは、利用者が、撮影の合図となる所定の音(例えば、手を2回たたく音)を発生させると、サービス機器2は、収音デバイス(マイクロホン)の出力信号及び人感センサ27の出力信号に基づいて音を発生させた利用者の位置を特定し、当該サービス機器2が装着された汎用移動体3を利用者の位置まで移動させ、撮影デバイスに利用者を撮影させる。
【0055】
f1.音声読み上げサービス
このサービスでは、サービス機器2を、制御部29及び無線通信ユニット28と、音を放音する放音デバイス(スピーカ)とを有するものとする。このサービスでは、利用者が、自身のスマートフォンから読み上げ対象のテキストを含むコンテンツ(例えば、電子メールメッセージ、スケジュール管理アプリケーションにおける当日のスケジュール、ニュースサイト、天気予報サイト、経路案内サイトなどのコンテンツ)のコンテンツデータを送信すると、そのコンテンツデータが充電/通信ステーション5からサービス機器2に送信される。サービス機器2は、コンテンツデータを受信すると、コンテンツデータ内のテキストデータにテキスト/音声変換処理を施し、この変換処理により得られた音信号を放音デバイスに供給して放音デバイスを駆動し、放音デバイスからテキスト読み上げ音声を放音させる。
【0056】
g1.警備・インターフォン対応サービス
このサービスでは、サービス機器2を、制御部29及び無線通信ユニット28と、住居の玄関のカメラ付きインターフォンシステムとの間でブルートウース(登録商標)に従った無線通信を行うブルートウース(登録商標)通信ユニットと、カメラ付きインターフォンシステムにおけるカメラの撮影画像を表示する表示デバイスと、住居内における人の有無とその位置を検知する人感センサとを有するものとする。このサービスでは、住居の訪問者が玄関のインターフォンを押す操作を行うと、訪問報知データがインターフォンシステムからサービス機器2に送信される。サービス機器2は、訪問報知データを受信すると人感センサの出力信号に基づいて利用者の位置を特定し、当該サービス機器2が装着された汎用移動体3を利用者の位置まで移動させる。その後、サービス機器2は、インターフォンシステムからカメラの撮影画像データを受信し、受信した撮影画像データを表示デバイスに供給して表示デバイスに訪問者の画像を表示させる。
【0057】
h1.充電支援サービス
このサービスでは、サービス機器2を、制御部29及び無線通信ユニット28と、スマートフォンを保持する充電端子付きホルダと、利用者の声を収音する収音デバイス(マイクロホン)と、住居内における人の有無とその位置を検知する人感センサとを有するものとする。このサービスでは、利用者が、所定の音(例えば、手を2回たたく音)を発生させると、サービス機器2は、収音デバイス(マイクロホン)の出力信号及び人感センサの出力信号に基づいて利用者の位置を特定し、当該サービス機器2が装着された汎用移動体3を利用者の位置まで移動させる。そして、利用者が充電端子付きホルダにスマートフォンを装着すると、汎用移動体3から供給される電圧を充電端子付きホルダの充電端子を介してスマートフォンに印加し、スマートフォンを充電する。
【0058】
i1.保持運搬サービス
このサービスでは、サービス機器2を、制御部29及び無線通信ユニット28と、利用者の声を集音する無指向性マイクと、物を載置する皿部と、住居内における人の有無とその位置を検知する人感センサとを有するものとする。このサービスでは、サービス機器2は、利用者が皿の上に物を載せると、人感センサの出力信号に基づいて利用者の位置を特定し、当該サービス機器2が装着された汎用移動体3を利用者の位置に追随して移動させる。
【0059】
(5)上記実施形態において、サービス機器2から汎用移動体3に送られる走行指示を汎用移動体3のEEPROM394に走行履歴として記憶し、バッテリモジュールBTの充電量が閾値を下回って移動先の位置Xを離れてホームポジションに戻る際における経路の決定をEEPROM394内の走行履歴に基づいて行うようにしてもよい。
図12は、この変形例においてEERPOM394内に記憶される走行パターンデータ26の一例を示す図である。また、
図13は、この変形例においてEERPOM394内に記憶される走行履歴データ27の一例を示す図である。
【0060】
図12において、走行パターンデータ26は、汎用移動体3の走行パターンを示すデータである。走行パターンには、例えば、前進、後退、右直進、左直進、右旋回、左旋回、がある。各走行パターンには、固有のコマンド名が割り当てられている。
【0061】
図13において、走行履歴データ27は、汎用移動体3がサービス機器2から受け取った一連の走行指示と、その走行指示に従った汎用移動体3の実走時間(タイマ38が走行指示に従った走行の開始時刻から終了時刻までの間に亘って計時した時間)の各対を含むデータである。走行指示は、例えば、汎用移動体3から走行指示として与えられた走行パターンのコマンド名とそのパラメータとで構成される。パラメータは、例えば、走行距離と停止条件がある。停止条件は、例えば、障害物センサ14による壁の検出により停止する、といった条件である。このような停止条件を関連付けたものを走行指示として指定できるようにすることにより、単なる直進でなく、壁に到達するまで直進する、といった指示が可能になる。
【0062】
この走行パターンデータ26と走行履歴データ27とを用いた走行経路の決定について、
図11の部屋の見取り図を例にして説明すると、サービス機器2を装着した汎用移動体3がホームポジションにいるときに利用者がスマートフォンからサービス機器2に照明デバイス24のオンを指示する設定データを送信すると、サービス機器2は、部屋内における移動先の位置Xを人感センサ27の出力信号に基づいて決定し、その位置に到達するために必要な走行指示を汎用移動体3に順に出力する。汎用移動体3は、サービス機器2から供給される一連の走行指示(例えば、障害物が検出されるまで直進→左に90度回転→障害物が検知されるまで直進→左に90度回転→所定距離だけ直進して停止)を走行履歴データ27としてEERPOM394内に記憶しつつ、走行指示に従って4つのオムニホイール32F、32B、32L、32Rを動かし、汎用移動体3を位置Xに到達させる。
【0063】
そして、汎用移動体3のCPU391は、この位置Xにおけるサービス機器2によるサービスの提供中にバッテリホルダ341内のバッテリモジュールBTの充電量が閾値を下回ると、ホームポジションから位置Xに到達するまでの間にEEPROM391に走行履歴データ27として記憶した一連の走行指示を記憶順と逆に実行し、汎用移動体3をホームポジションに到達させる。
【0064】
そして、汎用移動体3のCPU391は、ホームポジションにおけるバッテリホルダ341内のバッテリモジュールBTの交換を終えると、EEPROM391に走行履歴データ27として記憶した一連の走行指示を記憶順に実行し、汎用移動体3を位置Xに到達させる。
【0065】
この変形例によると、汎用移動体3に通信/充電ステーション5の位置を検知する装置を搭載しなくても、汎用移動体3をホームポジションまで移動させることができる。
【0066】
(6)上記実施形態において、サービス機器2の動作をAI(Artificial Intelligence)により遠隔制御するようにしてもよい。この変形例は、例えば、次のような構成により実現する。サービス機器2は、当該サービス機器2の周囲の状況を検知するセンサとして、人感センサ27と、室内の照明の明るさを検知する光センサとを具備する。また、このサービス機器2は、人工知能装置とネットワークを介して接続される。人工知能装置は、サービス機器2の無線通信ユニット28から人感センサ27の検知信号及び光センサの検知信号を受信し、受信した検知信号を指定されたAIアルゴリズムに従って解析することによってサービス機器2の動作内容を決定し、決定した動作内容での動作を指示する制御信号をサービス機器2へ送信することによってサービス機器2の動作を遠隔制御する。この変形例では、人工知能装置は、雰囲気優先型モードと機能優先型モードの2つのモードを有し、指定されたモードに応じてサービス機器2の動作内容の決定に用いるアルゴリズムを変えるようにするとよい。
【0067】
より具体的に説明すると、人工知能装置は、機能優先モードと雰囲気優先モードの2つのモードを有している。人工知能装置は、機能優先モードが指定されている場合は、サービス機器2の光センサの検知信号を受信し、この検知信号が示す室内の明るさが閾値を下回る場合に、室内の明るさを閾値以上にするために必要な照明デバイス24の光の強さを計算し、この強さでの発光を指示する制御信号をサービス機器2に送信する。また、人工知能装置は、雰囲気優先モードが指定されている場合は、サービス機器2の光センサの検知信号が閾値を下回っているか否かに関わらず、室内において所定の雰囲気を作り出すために必要な光の強さでの発光を指示する制御信号をサービス機器2に送信する。
【0068】
また、サービス機器2を機能優先で制御する第1の人工知能装置、及びサービス機器2を雰囲気優先で制御する第2の人工知能装置を含む複数種類の人工知能装置をネットワーク上に設け、これら複数種類の人工知能装置を切り替えながらサービス機器2を遠隔制御するようにしてもよい。この変形例では、第1の人工知能装置は、サービス機器2の光センサの検知信号を機能優先のアルゴリズムに従って解析することによってサービス機器2の動作内容を決定し、決定した動作内容での動作を指示する制御信号をサービス機器2へ送信する。また、第2の人工知能装置は、サービス機器2の光センサの検知信号を雰囲気優先のアルゴリズムに従って解析することによってサービス機器2の動作内容を決定し、決定した動作内容での動作を指示する制御信号をサービス機器2へ送信する。このような構成によると、サービス機器2の動作主体が複数種類の人工知能装置の何れであるかによってサービス機器2の性格が変化する。よって、人間の感覚によりマッチしたサービスを提供することができる。