(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連携処理部は、前記通信装置を使用して、前記旅費精算アプリケーションに対してユーザーにより手入力された手入力旅費情報を前記旅費精算アプリケーションから受信し、前記印刷装置を使用して、前記利用履歴データに基づく旅費精算対象の利用履歴および前記手入力旅費情報と前記領収書原本の画像とを含む旅費精算の書面申請用書類を印刷することを特徴とする請求項2から請求項4のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ある企業では、旅費の精算申請を行う場合、近距離の公共交通機関の利用料金以外について、領収書原本の添付を義務付けているため、書面申請と上述のような電子申請とが両方必要となる場合がある。
【0005】
例えば3万円といった所定金額以上の領収書については領収書原本の保管義務があるため、そのような金額の旅費を含む場合の旅費精算申請は、電子申請に加えて、領収書原本を提出するために書面申請で行われることがある。
【0006】
しかしながら、上述のシステムでは、ICカードから読み取った情報に基づいて電子申請を行うことはできるが、書面申請と電子申請とが両方必要となる場合、別途、ユーザーは、書面申請用の書類を作成しなければならず、不便である。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、旅費精算において書面申請と電子申請とが両方必要となる場合に簡単な作業で書面申請用の書類作成と電子申請を行うことができる画像形成システムおよび画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像形成システムは、旅費精算の電子申請を受け付ける旅費精算システムと通信する旅費精算アプリケーションを有する端末装置と、画像読取装置と、印刷装置と、ICカードリーダーと、前記旅費精算アプリケーションからの指令に応じた連携処理を行う連携処理部とを有する画像形成装置とを備える。そして、前記連携処理部は、(a)前記旅費精算アプリケーションからの指令に基づいて、前記ICカードリーダーを使用して、ICカードから公共交通機関の利用履歴データを読み出し、前記旅費精算アプリケーションへ送信し、(b)前記旅費精算アプリケーションからの指令に基づいて、前記画像読取装置を使用して、領収書原本の画像を読み取り、(c)前記印刷装置を使用して、前記利用履歴データに基づく旅費精算対象の利用履歴および前記領収書原本の画像を含む旅費精算の書面申請用書類を印刷する。一方、前記旅費精算アプリケーションは、(d)前記連携処理部から送信されてくる前記利用履歴データを受信し、(e)前記利用履歴データに基づく旅費精算対象の利用履歴についての旅費精算の電子申請を行う。
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、旅費精算の電子申請を受け付ける旅費精算システムと通信する旅費精算アプリケーションを有する端末装置と通信可能な通信装置と、画像読取装置と、印刷装置と、ICカードリーダーと、前記旅費精算アプリケーションからの指令に応じた連携処理を行う連携処理部とを備える。そして、前記連携処理部は、(a)前記旅費精算アプリケーションからの指令に基づいて、前記ICカードリーダーを使用して、ICカードから公共交通機関の利用履歴データを読み出し、前記通信装置を使用して前記利用履歴データを前記旅費精算アプリケーションへ送信し、(b)前記旅費精算アプリケーションからの指令に基づいて、前記画像読取装置を使用して、領収書原本の画像を読み取り、(c)前記印刷装置を使用して、前記利用履歴データに基づく旅費精算対象の利用履歴および前記領収書原本の画像を含む旅費精算の書面申請用書類を印刷する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、旅費精算において書面申請と電子申請とが両方必要となる場合に簡単な作業で書面申請用の書類作成と電子申請を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すシステムでは、ユーザーの端末装置1が、旅費精算の電子申請を受け付ける旅費精算システム2と通信する旅費精算アプリケーション21を有している。また、画像形成装置3は、旅費精算アプリケーション21からの指令に応じて、旅費精算の申請に必要な各種処理を行う。画像形成装置3は、例えば複合機である。なお、旅費精算システム2は、ネットワーク4に接続されており、図示せぬサーバーによって、旅費精算の電子申請を旅費精算アプリケーション21から受け付ける。
【0014】
端末装置1は、モバイル端末装置、デスクトップ型のパーソナルコンピューターなどであって、通信装置11、演算処理装置12、表示装置13、および入力装置14を備える。
【0015】
通信装置11は、旅費精算システム2および画像形成装置3と通信可能なネットワークインターフェイスなどである。演算処理装置12は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを備え、ROMや図示せぬ不揮発性記憶装置からプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、旅費精算アプリケーション21として動作する。表示装置13は、ユーザーに対して操作画面などを表示する液晶ディスプレイなどである。入力装置14は、ユーザー操作を受け付けるタッチパネル、ハードキーなどである。
【0016】
旅費精算アプリケーション21は、(a)ユーザーのICカードから利用履歴データを読み出すための指令を画像形成装置3へ送信して、連携処理部41から送信されてくる利用履歴データを受信し、(b)受信した利用履歴データから得られた旅費精算対象の利用履歴についての旅費精算の電子申請を、通信装置11を使用して旅費精算システム2に対して行う。
【0017】
また、画像形成装置3は、印刷装置31、画像読取装置32、操作パネル33、カードリーダー34、通信装置35、およびコントローラー36を備える。
【0018】
印刷装置31は、印刷画像データに基づいて1ページずつ画像を印刷用紙に電子写真方式で印刷する内部装置である。
【0019】
画像読取装置32は、原稿から原稿画像を読み取り、その原稿画像の画像データを生成する内部装置である。
【0020】
操作パネル33は、画像形成装置3の筐体表面に配置され、ユーザーに対して各種情報を表示する表示装置と、ユーザー操作を受け付ける入力装置とを有する。表示装置としては例えば液晶ディスプレイが使用される。入力装置としては、キースイッチ、タッチパネルなどが使用される。
【0021】
ICカードリーダー34は、公共交通機関の乗車券として使用可能なICカード(例えばFeliCa(登録商標)方式のICカード)からデータを読み出す。なお、ICカードリーダー34は、画像形成装置3に内蔵されていても、画像形成装置3に接続されていてもよい。
【0022】
通信装置35は、有線LANなどのネットワーク4に接続され、そのネットワーク4に接続された他の装置(端末装置1など)とデータ通信を行う回路である。
【0023】
また、コントローラー36は、コンピューター、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを有し、画像形成装置3内の内部装置を制御する。さらに、コントローラー36は、連携処理部41として動作する。
【0024】
連携処理部41は、(a)旅費精算アプリケーション21からの指令に基づいて、ICカードリーダー34を使用して、ユーザーのICカードから公共交通機関の利用履歴データを読み出し、通信装置35を使用して旅費精算アプリケーション21へ送信し、(b)旅費精算アプリケーション21からの指令に基づいて、画像読取装置32を使用して、領収書原本の画像を読み取り、(c)印刷装置31を使用して、利用履歴データに基づく旅費精算対象の利用履歴および領収書原本の画像を含む旅費精算の書面申請用書類を印刷する。
【0025】
また、この実施の形態では、旅費精算アプリケーション21は、利用履歴データから得られるすべての利用履歴から、ユーザー操作に基づいて、旅費精算対象の利用履歴を選択し、選択された旅費精算対象の利用履歴を連携処理部41に通知する。そして、連携処理部41は、通信装置35を利用して、旅費精算アプリケーション21から旅費精算対象の利用履歴を受信し、受信した利用履歴および領収書原本の画像を含む旅費精算の書面申請用書類を印刷する。これにより、旅費精算対象外の利用履歴を除外して書面申請用書類を作成することができる。
【0026】
また、この実施の形態では、書面申請用書類は、領収書原本を貼り付ける台紙を含み、連携処理部41は、領収書原本の貼付位置を指定するために、領収書原本の画像を、その台紙に印刷する。
【0027】
図2は、
図1における画像形成装置により両面印刷される、書面申請用の帳票の一例を示す図である。例えば
図2に示すように、帳票の一枚目の表(おもて)面にユーザー情報(氏名、所属組織名など)、訪問情報(訪問先の名称、要件など)、および利用履歴(利用日、交通機関名、区間、運賃など)が印刷され、帳票の一枚目の裏面が、領収書原本を貼り付ける台紙とされ、画像読取装置32で読み取られた領収書の画像が例えば原寸大で印刷される。なお、領収書の画像の配置位置は、読み取られた順番、画像のサイズなどに基づいて自動的に決定され、すべての領収書の画像が一枚目の裏面に収まらない場合には
図2に示すように、帳票の二枚目が印刷され、帳票の二枚目の表(おもて)面、裏面の順番で、後続の領収書の画像が印刷される。このように、領収書原本を貼り付ける台紙に必要な枚数の帳票が印刷される。
【0028】
また、この実施の形態では、連携処理部41は、通信装置35を使用して、旅費精算アプリケーション21に対してユーザーにより手入力された手入力旅費情報を旅費精算アプリケーション21から受信し、印刷装置31を使用して、利用履歴データに基づく旅費精算対象の利用履歴および手入力旅費情報と領収書原本の画像とを含む旅費精算の書面申請用書類を印刷する。これにより、ICカードを使用しなかった旅費についても手入力で書面申請用書類に含めることができる。
【0029】
例えば、高額の交通費の場合、ICカードを使用せずに乗車券などを事前に購入することが多く、ユーザーにより旅費情報(利用日、交通機関名、区間、運賃など)が上述のように手入力されることが多い。
【0030】
なお、旅費には、ホテルなどでの宿泊費も含まれ、そのような、宿泊費もICカードを使用せずに支払うことが多く、ユーザーにより旅費情報(利用日、宿泊施設名、宿泊費など)が上述のように手入力されることが多い。
【0031】
次に、
図1に示す画像形成システムにおける各装置の動作について説明する。
図3は、
図1に示す画像形成システムにおける各装置の動作について説明するシーケンス図である。
【0032】
まず、旅費精算アプリケーション21は、入力装置14に対するユーザー操作に応じて、企業などで指定されている所定の形式の申請フォームデータを新規作成し、通信装置11を使用して、申請トランザクション開始指令を旅費精算システム2へ送信する(ステップS1)。
【0033】
このとき、旅費精算システム2は、未申請旅費の保存情報が旅費精算システム2内に保持されている場合には、その保存情報を旅費精算アプリケーション21へ送信する(ステップS2)。旅費精算アプリケーション21は、未申請旅費の保存情報を受信すると、未申請旅費についての旅費精算申請のための処理を再開する。なお、未申請旅費の保存情報は、手入力旅費情報が入力された後に、旅費精算申請のための処理を中止する際に旅費精算システム2へ送信され保存された手入力旅費情報である。
【0034】
次に、旅費精算アプリケーション21は、ユーザーにより入力装置14に対して入力された手入力旅費情報(交通費や宿泊費に関する情報)を受け付ける(ステップS3)。このとき、ユーザーは、ICカードを使用せずに支払った旅費に関する情報を入力する。
【0035】
また、旅費精算アプリケーション21は、通信装置11を使用して、ユーザー情報および訪問情報を画像形成装置3に送信するとともに、ICカード読取指令を画像形成装置3に送信する(ステップS4)。なお、ユーザー情報は、例えば旅費精算アプリケーション21のインストール時などに、旅費精算アプリケーション21に予め登録されている。また、訪問情報は、例えば申請フォームデータの新規作成時にユーザーにより端末装置1に入力される。画像形成装置3では、連携処理部41は、通信装置35を使用して、ICカード読取指令を受信すると、ICカードリーダー34を使用してICカードから利用履歴データを読み出す(ステップS5)。このとき、ユーザーは、ユーザーが公共交通機関の乗車券として使用した特定のICカードをICカードリーダー34に近接させる。ICカードリーダー34は、近接したICカードを検出すると、そのICカードから利用履歴データを読み出す。
【0036】
そして、連携処理部41は、ユーザーのICカードから読み出した利用履歴データを、通信装置35を使用して旅費精算アプリケーション21へ送信する(ステップS6)。
【0037】
端末装置1では、旅費精算アプリケーション21は、通信装置11を使用して、その利用履歴データを受信すると、受信した利用履歴データから得られたすべての利用履歴および手入力旅費情報を表示装置13に表示する(ステップS7)。
【0038】
ユーザーは、入力装置14を操作して、表示された利用履歴および手入力旅費情報のうち、旅費精算対象の利用履歴および手入力旅費情報を選択する。旅費精算アプリケーション21は、ユーザーにより選択された旅費精算対象の利用履歴および手入力旅費情報を特定し(ステップS8)、特定した旅費精算対象の利用履歴を画像形成装置3の連携処理部41に通知するとともに、受け付けた手入力旅費情報を画像形成装置3の連携処理部41に送信する(ステップS9)。なお、手入力旅費情報については、選択を行わずに、入力されたものをすべて連携処理部41に送信するようにしてもよい。
【0039】
また、旅費精算アプリケーション21は、通信装置11を使用して、領収書読取指令を画像形成装置3に送信する(ステップS10)。画像形成装置3では、連携処理部41は、通信装置35を使用して、領収書読取指令を受信すると、画像読取装置32を使用して領収書原本の画像を読み取り、領収書の画像データを生成する(ステップS11)。このとき、ユーザーは、予め、ユーザーが公共交通機関の領収書を画像読取装置32に載置させておく。
【0040】
なお、このとき、複数枚の領収書を画像読取装置32に載置し、1回の画像読取で複数枚の領収書の画像を読み取り、連携処理部41は、読取画像から、複数枚の領収書の画像を抽出するようにしてもよい。また、連続して複数回の画像読取で複数枚の領収書の画像を読み取るようにしてもよい。
【0041】
そして、連携処理部41は、上述の領収書画像データを、通信装置35を使用して旅費精算アプリケーション21へ送信する(ステップS12)。
【0042】
端末装置1では、旅費精算アプリケーション21は、通信装置11を使用して、その領収書画像データを受信すると、領収書画像データに基づく領収書の画像を表示装置13に表示する(ステップS13)。
【0043】
ユーザーは、表示された領収書の画像を確認した後で、書面申請用の帳票を印刷させるための操作を端末装置1に対して行う。旅費精算アプリケーション21は、この操作を受け付けると、通信装置11を使用して、帳票印刷指令を画像形成装置3に送信する(ステップS14)。画像形成装置3では、連携処理部41は、通信装置35を使用して、帳票印刷指令を受信すると、印刷装置31を使用して、上述の旅費精算申請の対象となる利用履歴および手入力旅費情報並びに上述の領収書の画像を含む帳票を、例えば
図2に示すように印刷する(ステップS15)。
【0044】
また、端末装置1の旅費精算アプリケーション21は、通信装置11を使用して、上述の旅費精算申請対象の利用履歴および手入力旅費情報を申請フォームデータに挿入することで、電子申請に必要なデータを生成し、上述の旅費精算申請対象の利用履歴および手入力旅費情報についての電子申請を旅費精算システム2に対して行う(ステップS16)。つまり、電子申請では、旅費精算申請対象の利用履歴および手入力旅費情報を挿入された申請フォームデータが旅費精算システム2に送信される。
【0045】
以上のように、上記実施の形態によれば、画像形成装置3において、連携処理部41は、(a)旅費精算システム2と通信する端末装置1の旅費精算アプリケーション21からの指令に基づいて、ICカードリーダー34を使用して、ICカードから公共交通機関の利用履歴データを読み出し、通信装置35を使用して利用履歴データを旅費精算アプリケーション21へ送信し、(b)旅費精算アプリケーション21からの指令に基づいて、画像読取装置32を使用して、領収書原本の画像を読み取り、(c)印刷装置31を使用して、利用履歴データに基づく旅費精算対象の利用履歴および領収書原本の画像を含む旅費精算の書面申請用書類を印刷する。
【0046】
これにより、ユーザーが、画像形成装置3のICカードリーダー34を利用してICカードの利用履歴に基づいて旅費精算システム2に対して電子申請を行う際に、併せて、書面申請に必要な帳票が印刷される。したがって、ユーザーは、旅費精算において書面申請と電子申請とが両方必要となる場合に簡単な作業で書面申請用の書類作成と電子申請を行うことができる。
【0047】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0048】
例えば、上記実施の形態において、旅費精算アプリケーション21は、受信した利用履歴データから得られたすべての利用履歴および手入力旅費情報に基づく利用履歴を表示装置13に表示する際に、領収書原本の保管義務が発生する金額以上の金額の利用履歴および手入力旅費情報とともに、領収書原本の添付が必要である旨を示すメッセージ(マーカー、テキストなど)を表示するようにしてもよい。