(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態1について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
実施形態1の遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し(
図3参照)、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
なお、下記実施形態では、本発明を遊技媒体としてパチンコ球(以下「遊技球」という)を使用し、遊技の状況に応じて各種の遊技の演出を行うパチンコ遊技機に適用した場合について説明するが、例えば、遊技媒体としてメダルを使用した回胴式遊技機(いわゆる、スロットマシン)に適用してもよい。
【0014】
[遊技機10の概要について]
図1は、実施形態1である遊技機10の主要な内部構成を示す概略説明図である。
遊技機10は、動作部400との間で制御信号が伝送される制御信号中継線253に接続された制御信号ポート104を有する制御基板100を備え、制御信号中継線253が分岐して制御信号ポート106に対して接続されている。
【0015】
ここでは、制御信号中継線253から分岐された制御信号中継線(分岐制御信号中継線283という)が制御信号ポート106に接続されている。これにより、動作部400に接続された制御信号中継線253(および分岐制御信号中継線283)が制御信号ポート104、106に対して並列に接続される。
ここで、制御基板100が備えた複数の制御信号ポート104、106を制御信号ポート群101という。すなわち、制御信号ポート群101は制御信号ポート104、106から成る。なお、制御信号中継線253上における分岐点を分岐点284とする。
【0016】
ここで、動作部400としては、遊技の制御に用いる動作部、遊技機の状態を示す動作部、遊技の演出に用いる動作部が含まれる。
「遊技の制御に用いる動作部」とは、遊技機10がパチンコ遊技機である場合、遊技球が特定の入賞口に入球することを契機として開始され、後述する各種の機能部により決定された結果の出力が行われるまでの一連の遊技処理に用いられる動作部(遊技の制御に用いる動作部)が含まれる。具体的には、一連の遊技の契機となる、始動口などの入賞口への入球を検知するカウントスイッチや、上記決定された遊技の結果の出力を行う、普通電動役物、特別電動役物として付設された開閉部材や遊技の結果と連動して動作する部材の動作を駆動するアクチュエータ(ソレノイドアクチュエータやモータアクチュエータ)などが含まれる。
【0017】
また、「遊技機の状態を示す動作部」としての動作部400には、遊技機10に設置された不正な部品、磁石を用いて遊技球を誘導する不正行為などを検知する磁気センサや、扉の開放を検知するセンサなどが含まれる。
【0018】
また、遊技機が回胴式遊技機(いわゆる、スロットマシン)である場合には、メダルがベットされるなどの始動条件が成立している場合に始動操作の通知を受け、この通知に起因して内部抽選を行い、リールの停止操作を受けてリールの停止パターンを判別し、入賞(始動口などの入賞口への入球)に対応した特典を付与してメダル処理を行うまでの一連の遊技処理に用いられる動作部をいう。
【0019】
また、「遊技の演出に用いる動作部」としては、遊技機10における遊技の演出に用いられる出力手段(以下「出力手段」という)が含まれる。この出力手段としては、例えば、演出表示装置、スピーカ、装飾ランプ(LED)等が挙げられる。また、その他の出力手段としては、演出表示装置、スピーカ、LEDなどの装飾ランプが設けられた基板(被制御基板)や、演出用の可動式役物を駆動する演出用アクチュエータなども含まれる。
ここで、「遊技の演出」とは、遊技のために実行される一連の処理と連動して、またはこれらの処理を契機として実行され、遊技者が感得可能に出力される演出をいう。
【0020】
また、遊技機10が回胴式遊技機(いわゆる、スロットマシン)である場合には、メダルがベットされるなどの始動条件が成立している場合に始動操作の通知を受け、この通知に起因して内部抽選を行い、リールの停止操作を受けてリールの停止パターンを判別し、入賞に対応した特典を付与してメダル処理を行うまでの一連の遊技処理に用いられる動作部(動作部400に対応)が含まれる。
【0021】
ここで、制御信号とは、遊技機10の動作部400から制御基板100に送られる検知信号や、制御基板100から動作部400に送られる動作命令などの各種信号を含む。
より具体的には、動作部400から制御基板100に送られる、遊技機10における遊技球の動作を検出したこと示す検知信号、磁気センサにより検知されたエラーを示す検知信号、制御基板100から動作部400に対して送られる、動作部400における動作を制御するためのコマンド信号や駆動信号(駆動電流信号)などが含まれる。
【0022】
図1に示すように、遊技機10では、制御信号が伝送される制御信号中継線253は、制御基板100に設けられた制御信号ポート104と動作部400に接続されている。また、制御基板100に設けられた制御信号ポート106には、制御信号中継線253から分岐した分岐制御信号中継線283が接続されている。
なお、遊技機10は、動作部400に含まれる異なる動作部(図示なし)それぞれに接続された制御信号中継線を有する構成であってもよい。
なお、「制御信号が伝送される」とは、制御信号が、制御信号中継線253を介して制御基板100および動作部400の一方から他方へと送られる態様を示す。なお、伝送される制御信号に対して、複製して分岐する、強化する、ノイズ除去などのフィルタリングを行う等の処理を行い転送することも上記の「伝送される」に含まれる。
【0023】
実施形態1および後述する実施形態2〜6における、主要な入賞口としては、後述する大入賞口55、56、第1始動口57、第2始動口59、作動ゲート63、普通入賞口67(67a、67b、67c)などが含まれる(
図3参照)。
【0024】
また、制御基板100としては、遊技機10における遊技を統括的に制御し、遊技の結果に影響を及ぼす各種機能を有する主制御基板110、130、150や、遊技に関連する演出を制御する演出制御基板300が含まれる。これら、各基板については、後述する。
【0025】
実施形態1では、上記のように、制御信号中継線253から分岐された分岐制御信号中継線283が、制御基板100における未使用となり得る制御信号ポート(「空きポート」という)に直接的に接続されている。
すなわち、制御信号中継線が接続されておらず未使用状態となり得る制御信号ポート106(空きポート)に対して分岐制御信号中継線283が接続され、これにより、制御基板100における空きポートの発生を抑止することができ、このため、遊技機における機種変更、機種構造や機種仕様の変化等があった場合でも制御基板100を共通して利用すること(制御基板の共通化)が可能となる。
【0026】
[遊技機10における空きポートについて]
ここで、上記「空きポート」について説明する。
パチンコ機や回胴式遊技機(スロットマシン)などの遊技機では、上述のように、機種変更等に伴い、制御基板に対応する被制御機器や出力手段の数や構造の変更が行われる。
このため、例えば、旧機種から新機種へと機種変更が行われるのに伴い、旧機種で制御基板に接続された異なる複数の動作部のうち、一つまたは複数の動作部が新機種においては使用されなくなる(不要となる)、といったことが生じ得る。
このような場合、新機種で使用されなくなる側の動作部(動作部D1:図示なし)や、この動作部D1が接続していた制御信号中継線(制御信号中継線L1:図示なし)、そして、この制御信号中継線L1が接続していた制御基板上の制御信号ポートなどが不要となる。
ここで、新機種で旧機種と同一の制御基板を利用する場合に、旧機種で制御信号中継線L1が接続されていた制御基板の制御信号ポートは未使用ポートとなる。すなわち、この未使用ポートである制御信号ポートを「空きポート」という。
このため、本実施形態1である遊技機10(ここでは、「新機種」に相当)では、
図1に示すように、空きポートとなる制御信号ポート106に対して分岐制御信号中継線283が接続された構成を有する。これにより、新機種(遊技機10)で旧機種と共通の制御基板100を利用する場合でも、制御基板100における空き端子が発生するのを抑止することができる。
【0027】
なお、本実施形態1の遊技機10における制御信号中継線253、分岐制御信号中継線283はそれぞれフレキシブルケーブルで構成され、制御基板100および動作部400は、この制御信号中継線253および分岐制御信号中継線283による空中配線で接続されていてもよい。
また、制御基板100および動作部400の接続の態様として、制御基板100および動作部400の間に中継端子板を設け、この中継端子板上に制御信号中継線253、分岐制御信号中継線283それぞれの一部が導電体でパターニングされた構成であってもよい。
【0028】
[遊技機の外観]
次に、遊技機10の外観について、
図2、
図3を用いて説明する。なお、後述する遊技機10a、20、30、10bも同様の外観を備えるものとする。
遊技機10は、
図2、
図3に示すように、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50(
図3)を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50(中枠)の前面側を覆うよう構成された前枠12と、を備える。
【0029】
前枠12は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠12は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠12は、遊技領域50a(
図3)を覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
前枠12は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠12と一体的に設けられている。
前枠12は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0030】
前枠12の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠12の上枠部32と左右側枠部34、36は光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c、35d、35e、35f、35g)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力または点灯若しくは消灯することができる。
前枠12は、上球受け皿27の前方部にボタン37が配設されている。ボタン37は、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる。
【0031】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構39が設けられている。この球抜き機構39を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0032】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されている。演出表示装置80は、演出図柄の変動を含む各種の演出を表示することができる。ここで演出図柄とは、遊技機10における遊技の興趣をより高めるために、演出表示装置80に表示される図柄であり、具体的には数字や絵柄またはそれらの組み合わせから構成されている。
一般的に、遊技機10の遊技者は演出表示装置80に表示される演出図柄の変動演出により当該遊技の興趣を喚起されており、演出表示装置80は遊技者にとって視認しやすい位置に配置されている。
演出表示装置80としては、一般的には液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を採用し得る。
【0033】
演出表示装置80は、その表示領域の略中央に演出図柄が表示され、さらに当該演出図柄の左側および右側にもそれぞれ演出図柄が表示される。すなわち、演出表示装置80には、「左」「中」「右」にそれぞれ演出図柄が表示され、表示された演出図柄が一または複数の列をなしている。これらの演出図柄が上下方向あるいは左右方向にスクロールすることにより、演出図柄が演出表示装置80の表示領域に変動表示される。
【0034】
図柄表示装置90は、演出表示装置80の右下側など、演出表示装置80よりも遊技者が視認しにくい位置に配設される。また、図柄表示装置90の表示領域は、演出表示装置80の表示領域よりも小さい面積になっている。
図柄表示装置90は、複数のランプが配列されている。本実施形態で図柄表示装置90に用いられるランプとは、発光ダイオード(以下、LEDと称す)である。図柄表示装置90は、発光するLEDの配列によって種々の情報を示し、特別図柄表示装置91と普通図柄表示装置92とを含んでいる。
【0035】
特別図柄表示装置91は複数個(例:16個)のLEDの発光パターンにより特別図柄変動ゲームの抽選結果(特別図柄)を表示する。より詳細に言えば、本実施形態の特別図柄表示装置91は、第1特図表示制御部1151によって制御される第1特別図柄表示装置91aと、第2特図表示制御部1152によって制御される第2特別図柄表示装置91bと、を含んでいる(
図4参照)。第1特別図柄表示装置91aは、特別図柄表示装置91を構成するLED16個のうち左側の8個から構成される。また、第2特別図柄表示装置91bは、特別図柄表示装置91を構成するLED16個のうち右側の8個から構成される。普通図柄表示装置92は特別図柄表示装置91より少ない数(例:2個)のLEDの発光パターンにより普通図柄変動ゲームの抽選結果(普通図柄)を表示する。
【0036】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央からみて内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構で、くぎ状のものをいう。
【0037】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0038】
遊技領域50aには、各種の入賞口(例えば大入賞口55等)が配設され、各入賞口の後方には入球した遊技球を検知する各種スイッチ(例えばカウントスイッチSW4等)が配設されている。なお、以下の説明において入賞とは、遊技球が特定の入賞口に入球することをいう。
なお、本実施形態における各種スイッチは遊技者が視認できない位置に配置されており、
図2および
図3においては図示しない。
【0039】
図3には、主要な入賞口として、大入賞口55、大入賞口56、第1始動口57、第2始動口59、作動ゲート63、普通入賞口67(67a、67b、67c)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0040】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部(演出表示装置80の下方)に配置されており、一般的に「ヘソ」と呼ばれる。
第1始動口57の後方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1が配置されている。
第1始動口57に入球した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、特別図柄変動ゲームを始動させる始動条件と、予め定めた数の遊技球を賞球として払い出す払出条件と、が付与される。
本実施形態において、遊技領域50aは、遊技球が第2流路Yから転動したときよりも、遊技球が第1流路Xから転動したときに、第1始動口57に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第1始動口57は、遊技領域50aの左側を主とする第1流路Xに設けられている。
【0041】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部(演出表示装置80の右下側)に配置されており、第2始動口59には普通電動役物61が付設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球が入球しやすい開放状態または入球しにくい閉鎖状態に可換に遷移する開閉部材であり、アクチュエータAC1の作動により当該開放状態または当該閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
第2始動口59の後方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2が配置されている。第2始動口59に入球した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、特別図柄変動ゲームの始動条件と、賞球の払出条件と、が付与される。
本実施形態において、遊技領域50aは、遊技球が第1流路Xから転動したときよりも、遊技球が第2流路Yから転動したときに、第2始動口59に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第2始動口59は、遊技領域50aの右側を主とする第2流路Yに設けられている。
【0042】
作動ゲート63は、第2始動口59の上方(演出表示装置80の右側)に配置されている。作動ゲート63の後方には、通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3が配設されている。作動ゲート63は、入球した遊技球を普通図柄変動スイッチSW3で検知することにより、普通図柄変動ゲームの始動条件が付与され得る。
なお、本実施形態の遊技機10においては、普通図柄変動スイッチSW3の検知は賞球の払出条件に含まれていない。すなわち、本実施形態の作動ゲート63に遊技球が入球しても賞球はゼロである。
また、作動ゲート63は通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよい。この場合において、作動ゲート63を通過することも、本明細書では「入球」と称す。
【0043】
大入賞口55は、第2始動口59の上方(演出表示装置80の右下側)に配置されている。大入賞口55の開口部は、アクチュエータAC2の作動により開閉動作を行う特別電動役物65が配置されている。大入賞口55の後方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4が配置されている。カウントスイッチSW4が大入賞口55に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が付与される。
【0044】
大入賞口56は、大入賞口55の上方(演出表示装置80の右側)に配置されている。大入賞口56の開口部は、アクチュエータAC3の作動により開閉動作を行う特別電動役物66が配置されている。大入賞口56の後方には、大入賞口56に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW5が配置されている。ここで、カウントスイッチSW5が大入賞口56に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が付与される。
また、大入賞口56に連通した連通路(図示なし)が設けられており、この連通路には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW0が配置されている。なお、この連通路は、遊技球の通過経路が複数に分岐するように構成されており、通過経路を通過する遊技球を一方の通過経路から他方の通過経路へと振り分けることで、一方または他方の通過経路を開放する振分部材が設けられている。
ここでは、大当り遊技時にカウントスイッチSW0が配置された通過経路が予め設定された一定時間だけ開放され、カウントスイッチSW0による遊技球の検知を契機として、その時に行われている大当り遊技の終了後に確変状態が特典として付与される。
すなわち、確変状態の付与を制御している当選確率制御部1141が遊技球が特定の通過経路を通過することに起因して遊技者にとって有利な特典を付与する。
なお、当選確率制御部1141の機能については、
図4を用いて後述する。
【0045】
大入賞口55は、第1始動口57または第2始動口59の入球に起因する特別図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技中には特別電動役物65の開動作によって開放されて遊技球の入球が許容される。また、大入賞口56は、第1始動口57または第2始動口59の入球に起因する特別図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技中には特別電動役物66の開動作によって開放されて遊技球の入球が許容される。
いずれの大当り遊技が行われる場合にも、遊技者は賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。なお、本実施形態において、遊技球が第2流路Yから転動するときには、第1流路Xから転動するときよりも、大入賞口55または大入賞口56に入球しやすくなるように各種障害物が配置されている。
【0046】
普通入賞口67(67a、67b、67c)は、演出表示装置80の左下部に配置されている。普通入賞口67の後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチ(図示なし)が配置されている。普通入賞口67に入球した遊技球をこのカウントスイッチで検知することにより、賞球の払出条件が付与され得る。
【0047】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。上述した各入賞口に入球しなかった遊技球(作動ゲート63がゲートタイプである場合には、作動ゲート63を通過して他の入賞口に入賞しなかった遊技球を含む)はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0048】
[遊技機10の制御構成について]
次に、
図4を用いて遊技機10の制御構成について説明する。なお、後述する遊技機10a、20、30、10b、40における制御基板または主制御基板も同様の制御構成を備えるものとする。
図4は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、
図4で図示される各機能は遊技機10を説明する上で必要な機能を挙げたものであり、ここに図示しない機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する機能の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の機能が省かれても良い。
【0049】
遊技機10は、
図4に図示している機能を含む種々の機能を基板と当該基板に電気的に接続している機能部品との処理によって実現する主制御基板を自機の内部に備えている。
より具体的には当該主制御基板は、制御動作を所定の手順で実行するCPUと、当該CPUの制御プログラムを格納するROM(図示せず)と、必要なデータの書き込みおよび読み出しができるRAM(図示せず)を備えている。
また、当該CPUが当該ROMから読み出した制御プログラムを実行し、RAMに種々のデータを書き込みまたは読み出すことによって種々の機能を実現することができる。
なお、
図4に図示している各種機能は、一の基板のみで実現できる機能、複数の基板の間で種々のデータ授受を行うことにより実現できる機能、基板と当該基板に非搭載の機能部品とが電気的に接続していることにより実現できる機能等が混在している。これらの各種機能を実現するためのハードウェア構成は幾通りも存在しうるものであって、必ずしも一つに限定されない。
【0050】
制御基板(主制御基板)は、遊技を統括的に制御する主制御部1000を備える。主制御部1000は、遊技の結果に影響を及ぼし、または及ぼすおそれがある機能を有する基板、いわゆる主制御基板として機能する構成要素である。ここで、主制御部1000を備えた主制御基板は、本実施形態1、後述する実施形態2、6の制御基板100、実施形態3〜5における主制御基板130、150、110それぞれに対応する。
図4に示すように、主制御部1000は多数の機能を有し、これらの機能が互いに接続している構成となっているが、ここに図示している構成は一例であって、必ずしもこれに限るものではない。
【0051】
主制御部1000が備える主な機能としては、特図抽選制御部1130、普図抽選制御部1170、遊技状態制御部1140、図柄表示制御部1150、変動パターン決定部1110等が挙げられる。
【0052】
特図抽選制御部1130は、特別図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する機能または大当り遊技を管理する機能を有している。
普図抽選制御部1170は、普通図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する機能または当り遊技を管理する機能を有している。
遊技状態制御部1140は、確変状態の有無や変短状態の有無を管理し、これらの付与や解除(通常状態への移行)を制御する機能を有している。
図柄表示制御部1150は、特別図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、または普通図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる機能を有している
【0053】
変動パターン決定部1110は、特別図柄変動ゲームに関連して行われる表示演出の決定に用いられる変動パターンを、選択された特別図柄に起因して決定し、決定された変動パターンを演出制御部320に伝達する。
演出制御部320は、遊技機10によって行われる遊技、特に特別図柄変動ゲームに関連する演出を制御する機能を有している。
【0054】
なお、前段および前々段にて列挙した各機能について、以下ではより詳細に説明する。
【0055】
[大当り判定用乱数と特図保留について]
主制御部1000は、第1特図抽選値取得部1111と、第2特図抽選値取得部1112と、特図保留制御部1120と、を備える。
【0056】
第1特図抽選値取得部1111は、第1始動口57に遊技球が入賞して取得された抽選値を保留記憶しておく。第2特図抽選値取得部1112は、第2始動口59に遊技球が入賞して取得された抽選値を保留記憶しておく。
特図選択部1132は、第2特図抽選値取得部1112に抽選値が保留記憶されている場合、第1特図抽選値取得部1111に抽選値が保留記憶されているか否かに拘らず、第2特図抽選値取得部1112に保留記憶された抽選値に基づいて当否抽選を行うことができる。
【0057】
より具体的には、第1特図抽選値取得部1111は、第1始動口スイッチSW1によって第1始動口57の入球が検知される、または、第2始動口スイッチSW2によって第2始動口59の入球が検知されると、特別図柄変動ゲームの抽選値として用いられる大当り判定用乱数を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)する。第1特図抽選値取得部1111が保留記憶可能な抽選値の上限数は予め定められており、本実施形態において当該上限数は4個とする。
【0058】
第2特図抽選値取得部1112は、第2始動口スイッチSW2によって第2始動口59の入球が検知される、または、第1始動口スイッチSW1によって第1始動口57の入球が検知されると、特別図柄変動ゲームの抽選値として用いられる大当り判定用乱数を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)する。第2特図抽選値取得部1112が保留記憶可能な抽選値の上限数は予め定められており、本実施形態において当該上限数は4個とする。
【0059】
特図保留制御部1120は、特図抽選制御部1130が特別図柄変動ゲームに係る制御または大当り遊技に係る制御を行っていないとき、所定の周期で第1特図抽選値取得部1111または第2特図抽選値取得部1112によって保留記憶されている抽選値(大当り判定用乱数)を読み出す。第1特図抽選値取得部1111と第2特図抽選値取得部1112が共に一つ以上の抽選値を保留記憶している場合については、特図保留制御部1120は第2特図抽選値取得部1112によって保留記憶されている抽選値を優先的に読み出すことができる。
【0060】
大当り抽選部1131は、特図保留制御部1120によって読み出された抽選値を用いて大当り抽選を実行するので、結果的に第1特図抽選値取得部1111に保留記憶されている抽選値より、第2特図抽選値取得部1112に保留記憶されている抽選値を優先的に処理することになる。
【0061】
ここで乱数(大当り判定用乱数)とは、無秩序でかつ全体として出現頻度が等しい数の系列を指す。遊技機10が稼働しているときに自機内部で常に乱数が生成されており、当該乱数は用いて種々の抽選処理に用いられている。乱数の生成方式については、専用ICにより生成する方式(ハードウェア方式)、専用のプログラムにより生成する方式(ソフトウェア方式)、あるいはこれらの組み合わせによって生成する方式がある。本実施形態では既述の大当り判定用乱数を含めて数種の乱数を用いるが、これらの生成は上に上げた方式のいずれを用いても構わない。
【0062】
特図保留制御部1120は第1特図抽選値取得部1111または第2特図抽選値取得部1112に保留格納されている抽選値の数をそれぞれについて監視している。また、特図保留制御部1120は、監視している抽選値の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部1150に指令を出してもよいし、演出表示装置80に表示させるように演出制御部320に指令を出してもよい。
【0063】
[大当り抽選と大当り遊技について]
特図抽選制御部1130は大当り抽選と大当り遊技を司る機能であり、大当り抽選部1131と特図選択部1132と大当り遊技制御部1133とを有している。
【0064】
大当り抽選部1131は、第1始動口57または第2始動口59への遊技球の入球を契機として取得された抽選値(大当り判定用乱数)を用いて大当りの当否抽選を行う。なお、大当り抽選部1131によって行われる抽選の当選確率は、通常状態であるときは確変状態であるときより低くなっており、確変状態であるときは通常状態であるときより高くなっている。
ここで「入賞を契機として所定の処理を行う」とは、入球を検知することを一つの条件として、その後に当該所定の処理が実行されうることをいう。すなわち、入球が検知されたとしても、必ずしも当該所定の処理が実行されなくてもよい。例えば、本実施形態においては、第1特図抽選値取得部1111の抽選値保留数が上限を超えた場合に第1始動口スイッチSW1によって検知された入球、あるいは第2特図抽選値取得部1112の抽選値保留数が上限を超えた場合に第2始動口スイッチSW2によって検知された入球は、特別図柄変動ゲームの始動条件にならない。
【0065】
特図選択部1132は、大当り抽選部1131による当否抽選の結果に基づいて特別図柄を選択し、選択された特別図柄を図柄表示制御部1150(第1特図表示制御部1151または第2特図表示制御部1152)に伝達して特別図柄表示装置91(第1特別図柄表示装置91aまたは第2特別図柄表示装置91b)表示させる。
ここでいう選択とは、当否抽選に用いられた抽選値と、予め用意されている特別図柄の種類が同数であって"選択"をせずに一意に"決定"される場合も含む。
【0066】
本実施形態における大当り遊技は、大当り遊技制御部1133により制御される。
まず、大当り抽選部1131による当否抽選で大当りに当選し、特別図柄表示装置91に表示される特別図柄変動ゲームで特図選択部1132により選択された大当り図柄が停止表示された後、大当り遊技は開始される。
大当り遊技が開始される前に、大当り遊技制御部1133は特図保留制御部1120や普図保留制御部1160等に指令を出し、大当り抽選に関する処理または当り抽選に関する処理を、大当り遊技中については一時停止させる旨の指令を出す。
大当り遊技が開始すると、大当り遊技制御部1133は演出制御部320に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関する指令を出す。演出制御部320は大当り遊技制御部1133の指令に従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55または大入賞口56が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口55または大入賞口56の開閉が所定回数(開閉回数)行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口55または大入賞口56に規定個数(入賞上限数)の遊技球が入賞する迄の間、または規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。
【0067】
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55または大入賞口56が所定の時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55または大入賞口56が開放される。
【0068】
大当り遊技制御部1133は、大入賞口55または大入賞口56を開放させるために、ラウンド数・開閉回数・入賞上限数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を制御情報として含む指令を特別電役制御部1190に伝送する。
【0069】
特別電役制御部1190は、大当り遊技制御部1133から受けた指令に従って、アクチュエータAC2またはアクチュエータAC3を作動させて特別電動役物65または特別電動役物66を開放させる。また、特別電役制御部1190は、特別電動役物65または特別電動役物66を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55または大入賞口56に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW4またはカウントスイッチSW5の検知に基づいて監視しており、入賞上限数に達したとき、アクチュエータAC2またはアクチュエータAC3を作動させて特別電動役物65または特別電動役物66を閉鎖させる。
【0070】
大当り遊技制御部1133は、演出制御部320にラウンド遊技中に係る演出に関する指令を出す。演出制御部320は大当り遊技制御部1133の指令に従ってラウンド演出を実行する。
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技制御部1133は演出制御部320に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関する指令を出す。演出制御部320は大当り遊技制御部1133の指令に従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り遊技は終了される。
なお、本実施形態の大当り遊技においては、遊技球が第2流路Yを転動する方が大入賞口55に入賞し易いため、いわゆる右打ちの方が遊技者にとって有利である。
【0071】
[遊技状態制御について]
遊技状態制御部1140は遊技状態を制御する機能であり、当選確率制御部1141と変短制御部1142とを有している。
【0072】
当選確率制御部1141にはカウントスイッチSW0による検知が伝達され、当選確率制御部1141は当該検知を契機として確変状態を付与する。
すなわち、カウントスイッチSW0が配置された通過経路が一定時間開放される大当り遊技の終了時に、当該大当り遊技の開始から終了までにカウントスイッチSW0による検知が発生したか否かを判定し、当該検知が発生した場合には、当選確率制御部1141は確変状態を付与する。
変短制御部1142は、大当り遊技制御部1133によって実行されるすべての大当り遊技の終了を契機として変短状態を付与する。
【0073】
[当り抽選と当り遊技について]
遊技機10は、普図抽選値取得部1113と普図保留制御部1160を備える。
普図抽選値取得部1113は、普通図柄変動スイッチSW3によって作動ゲート63の入球が検知されると、普通図柄変動ゲームの抽選値として用いられる当り判定用乱数を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)する。普図抽選値取得部1113が保留できる抽選値の上限数は予め定められており、本実施形態において当該上限数は4個とする。
普図保留制御部1160は、普図抽選制御部1170が普通図柄変動ゲームに係る制御または当り遊技に係る制御を行っていないとき、特図抽選制御部1130が大当り遊技に係る制御を行っていないとき、所定の周期で普図抽選値取得部1113によって保留記憶されている抽選値(当り判定用乱数)を読み出す。
【0074】
普図保留制御部1160は普図抽選値取得部1113に保留格納されている抽選値の数を監視している。また、普図保留制御部1160は、監視している抽選値の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部1150に指令を出してもよいし、演出表示装置80に表示させるように演出制御部320に指令を出してもよい。
【0075】
遊技機10は、普図抽選制御部1170と普通電役制御部1180を備える。普図抽選制御部1170は当り抽選と当り遊技を司る機能であり、当り抽選部1171と普図選択部1172と当り遊技制御部1173とを有する。
【0076】
当り抽選部1171は、普図保留制御部1160によって普図抽選値取得部1113から読み出された当り判定用乱数を用いて、普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの開放抽選を行う。なお、当り抽選部1171によって行われる抽選の当選確率は、通常状態であるときは変短状態であるときより低くなっており、変短状態であるときは通常状態であるときより高くなっている。
【0077】
普図選択部1172は、当り抽選部1171による開放抽選の当否結果に基づいて普通図柄を選択し、選択された普通図柄を図柄表示制御部1150(普図表示制御部1153)に伝達して普通図柄表示装置92に表示させる。普通図柄表示装置92に対応している二つのLEDは一方が当り、一方がはずれに対応しており、普図表示制御部1153は普図選択部1172が選択した普通図柄に従っていずれか一方を発光させる。
なお、ここでいう選択とは、特図選択部1132による選択と同様に、開放抽選に用いられた抽選値と、予め用意されている特別図柄の種類が同数であって"選択"をせずに一意に"決定"される場合も含まれる。
【0078】
当り遊技制御部1173は、当り抽選部1171による当り抽選に当選したとき、普通電役制御部1180に指令を伝達し、アクチュエータAC1を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。
普通電役制御部1180は、変短状態では開放状態の単位時間または開放回数を増加するように普通電動役物61を制御する。
【0079】
[実施形態2]
次に、
図1の制御基板100および動作部400の間に中継端子板200aを備えた構成である実施形態2について、
図1、5を用いて説明する。ここで、本実施形態2の遊技機を遊技機10aとする。
図5は、実施形態2の遊技機の主要な内部構成を示す概略説明図である。
【0080】
遊技機10aの中継端子板200aは、
図5に示すように、制御基板100の制御信号ポート104、106それぞれに対応して接続された異なる複数の制御信号中継端子215a、217aと、制御信号中継線253a(
図1の制御信号中継線253に対応)の一部である制御信号中継線部282aと、を備えている。なお、中継端子板200aは、上述のように、制御基板100と動作部400との間に設けられている。
また、中継端子板200a上の制御信号中継線部282aおよび分岐した制御信号中継線283a(
図1の分岐制御信号中継線283に対応)の一部である分岐制御信号中継線部285aがそれぞれ異なる制御信号中継端子215a、217aを介して制御信号ポート104、106に接続されている。
ここで、制御基板100の備えた複数の制御信号ポートを制御信号ポート群101という。すなわち、制御信号ポート群101は制御信号ポート104、106から成る。
【0081】
ここで、制御信号中継線部282aは中継端子板200a上に導電体配設(パターニング)された信号伝送線部分(プリントパターン部分)を示す。また、分岐制御信号中継線部285aは、制御信号中継線部282aの分岐点284aで分岐した中継端子板200a上に導電体配設(パターニング)された信号伝送線部分(プリントパターン部分)を示す。
【0082】
また、中継端子板200aは制御基板100に対向した側に異なる複数の制御信号中継端子215a、217aを備えている。また、中継端子板200aは動作部400に対向した側に動作信号中継端子219aを備えている。
ここで、制御信号中継端子215a、217a、動作信号中継端子219aはそれぞれ、中継端子板200a上のプリントパターンと接続される内端子と、中継端子板200a外部の機器や基板と伝送線を介して接続される外端子からなる。
制御信号中継端子215a、217aの外端子はそれぞれ伝送線183、185を介して制御信号ポート104、106それぞれに接続されており、動作信号中継端子219aの外端子は伝送線193を介して動作部400に接続されている。
なお、制御信号中継線253aは、制御基板100の制御信号ポート104に接続した伝送線183、制御信号中継端子215a、制御信号中継線部282a、動作信号中継端子219a、および伝送線193から成る。
ここで、分岐制御信号中継線部285aは、分岐点284aと制御信号中継端子217aの内端子とに接続されている。このため、中継端子板200aを備えた遊技機10aでは、制御信号中継端子217aの内端子が空き端子(「空きポート」に対応)となる。
【0083】
なお、中継端子板200a上に配設された制御信号中継線部282aは、上述のように、制御信号中継端子215aの内端子と動作信号中継端子219aの内端子とに接続されたプリントパターンであり、分岐制御信号中継線部285aも中継端子板200a上に配設されたプリントパターン信号配線である。
【0084】
以上のように、遊技機10aでは、制御基板100における空きポートとなり得る制御信号ポート106に伝送線185が接続され、この伝送線185が外端子に接続した制御信号中継端子217aの内端子に分岐制御信号中継線部285aが接続されることにより、中継端子板200a上での空き端子(空きポート)の発生が抑止される。
【0085】
[実施形態3]
次に、実施形態3として、上述の実施形態2(
図5)に対応する、より具体的な実施形態である遊技機20について、
図1、
図4、
図5、
図6を用いて説明する。ここで、
図6は、遊技機20の内部回路構成を示す概略説明図である。
遊技機20(
図6)では、上記実施形態1(
図1)、実施形態2(
図5)における動作部400に相当する動作部として、遊技機に設けられた各種スイッチが設けられている。
ここで、各種スイッチとは、具体的には、第1始動口スイッチSW1、第2始動口スイッチSW2、および普通図柄変動スイッチSW3、カウントスイッチSW4、SW5、SW0などを含む総称とする(
図4参照)。
遊技機20では、
図6に示すように、制御基板100(
図5)に対応する主制御基板130、中継端子板200a(
図5)に対応する中継端子板202、動作部400(
図5)に対応するカウントスイッチ420を備えている。
【0086】
すなわち、遊技機20は、始動口や大入賞口等への入球を検出して検知信号(制御信号に相当)を出力するカウントスイッチ420と、カウントスイッチ420からの検知信号を取得する主制御基板130を有する。また、主制御基板130は、カウントスイッチ420に対して電源供給(電力供給)を行う。また、中継端子板202は、上記電源供給および検知信号の中継を行う電力中継線および制御信号中継線それぞれの一部を備えている。
【0087】
ここで、遊技機20における主制御基板130の備えた制御信号ポート113、115それぞれは、カウントスイッチ(動作部)420から送られた検知信号(制御信号)が主制御基板130に入力される入力ポートである。
【0088】
カウントスイッチ420は主制御基板130からの電源供給により駆動する。また、カウントスイッチ420は、遊技球が自己の開口部422を通過した場合に、これを検出し制御信号に相当する検知信号(出力信号)を出力する検出信号出力部424を備えている。
なお、カウントスイッチ420は、主制御基板130とは異なる電力供給部からの電源供給を受け、これにより駆動する構成であってもよい。
【0089】
中継端子板202は、上記制御信号中継線(
図1の制御信号中継線253に対応)の一部である制御信号中継線部282と、この制御信号中継線部282が分岐して制御信号中継端子217に接続された分岐制御信号中継線部285を備えている。ここで、制御信号中継線部282上の分岐点を分岐点284cとする。
また、中継端子板202は、主制御基板130に対向した側に異なる複数の制御信号中継端子215、217と、電力中継端子211を備えている。ここで、制御信号中継端子215、217はそれぞれ中継端子板202上のプリントパターンと接続される内端子と、中継端子板202外部の機器や基板と伝送線やコネクタを介して接続される外端子からなる。制御信号中継端子215、217の外端子はそれぞれ伝送線183、185を介して制御信号ポート113、115に接続されている。
ここで、制御信号中継線部282は、中継端子板202上に配設されたプリントパターンであり、制御信号中継端子215の内端子と動作信号中継端子263の内端子とに接続されている。また、分岐制御信号中継線部285は、制御信号中継線部282上の分岐点284cから制御信号中継端子217の内端子とを接続するプリントパターンである。
【0090】
なお、カウントスイッチ420と主制御基板130とを接続する制御信号線(
図1の制御信号中継線253に対応)は、具体的には、カウントスイッチラインであって、カウントスイッチ420の(−)端子から中継端子板202上のプリントパターンを介して主制御基板130に接続されている。
すなわち、カウントスイッチ420および主制御基板130を接続する上記制御信号線は、中継端子板202上の分岐点284cで分岐して制御信号ポート113、115それぞれに並列接続されている。このため、カウントスイッチ420からは、制御信号ポート113、115それぞれに同一の検知信号が送られる。
【0091】
以上のように、遊技機20では、主制御基板130における空きポートとなり得る制御信号ポート115には伝送線185が接続され、この伝送線185に対して分岐制御信号中継線部285が制御信号中継端子217を介して接続されるので、主制御基板130および中継端子板202における空きポート(空き端子)の発生を抑止することができる。
【0092】
[遊技機20の空きポートについて]
ここで、本実施形態3の空きポートについて、
図6、10に基づき説明する。
図10は、旧機種(従来機としての遊技機60)の内部構成を示すブロック図である。
なお、主制御基板130、およびカウントスイッチ420は本実施形態3(
図6)と同一であるものとする。また、カウントスイッチ620(
図10)はカウントスイッチ420と同型のものとする。
【0093】
上述のように、パチンコ機などの遊技機では機種変更などによって制御基板(主制御基板130)に対応する被制御機器の数や出力手段などの構成・構造の変更が頻繁に行われる。
ここで、カウントスイッチ420および620を備えた遊技機60について、
図10を用いて説明する。なお、遊技機60は、遊技機20(
図6)と同様に、主制御基板130およびカウントスイッチ420(620)の間に中継端子板500(中継端子板202に対応(
図6))を備えているものとする。
【0094】
遊技機60は、大入賞口等への遊技球の入球を検出して検知信号を出力するカウントスイッチ420、620と、カウントスイッチ420、620からの検知信号の中継を行う制御信号中継線(
図2の制御信号中継線253に対応)の一部を備えた中継端子板500を有する。
【0095】
また、カウントスイッチ620は主制御基板130からの電源供給により駆動する。カウントスイッチ620は、遊技球が自己の開口部622を通過した場合に、これを検出し制御信号に相当する検知信号(出力信号)を出力する検出信号出力部624を備えている。
【0096】
中継端子板500は主制御基板130に対向した側に異なる複数の制御信号中継端子513、515を備え、カウントスイッチ420、620それぞれに対向した側に異なる複数の動作信号中継端子563、565を備えている。
制御信号中継端子513、515はそれぞれ中継端子板500上のプリントパターンと接続される内端子と中継端子板500の外部の機器や基板と伝送線を介して接続される外端子からなる。
【0097】
ここで、カウントスイッチ420は、中継端子板500が備えた電力中継端子561の外端子に対して電力伝送線381を介して接続され、また、中継端子板500の動作信号中継端子563の外端子に対して伝送線383を介して接続されている。また、カウントスイッチ620は、中継端子板500の電力中継端子562の外端子に対して電力伝送線572を介して接続され、また、中継端子板500の動作信号中継端子565の外端子に対して伝送線574を介して接続されている。
【0098】
また、中継端子板500は、上記制御信号中継線(
図1の制御信号中継線253に対応)の一部である、プリントパターンとしての制御信号中継線部583、585を有する。なお、制御信号中継線部583が制御信号中継端子513の内端子と動作信号中継端子563の内端子に接続され、制御信号中継線部585は制御信号中継端子515の内端子と動作信号中継端子565の内端子に接続されている。
【0099】
また、遊技機60は、主制御基板130の電力ポート111とカウントスイッチ420、620に接続され、主制御基板130からカウントスイッチ420、620それぞれに対する電力供給を中継する電力中継線を備えている。
ここで、主制御基板130からカウントスイッチ420への電力供給を中継する電力中継線は、主制御基板130の電力ポート111と中継端子板500の電力中継端子511とに接続された電力伝送線181、電力中継端子511の内端子と電力中継端子561の内端子に接続された電力中継線部581、および電力中継端子561とカウントスイッチ420とに接続された電力伝送線381を含む。
また、主制御基板130からカウントスイッチ620への電力供給を中継する電力中継線は、主制御基板130の電力ポート111と中継端子板500の電力中継端子511とに接続された電力伝送線181、電力中継端子511の内端子から分岐点までの電力中継線部581、電力中継線部581分岐点と電力中継端子562の内端子とを両端とする分岐電力中継線部587、および、電力中継端子562とカウントスイッチ620とを接続する電力伝送線572を含む。
ここで、カウントスイッチ420、620と主制御基板130とを接続する電力中継線はカウントスイッチのコモンラインであって、カウントスイッチ420、620それぞれの(−)端子から中継端子板500上の分岐点を介して電力ポート111に接続されている。
【0100】
ここでは、旧機種(遊技機60)から新機種(遊技機20)への機種変更等に伴い、旧機種(
図10)における主制御基板130に中継端子板500を介して接続された、異なる複数のカウントスイッチ420、620のうちの一つ(ここでは、カウントスイッチ620とする)が新機種(
図6)においては取り外される(不要となる)ものとする。
この場合に、新機種である本実施形態3(
図6)で使用されないカウントスイッチ620や、このカウントスイッチ620が接続していた電力伝送線572や伝送線574、中継端子板500上の中継端子(電力中継端子562、動作信号中継端子565、制御信号中継端子515)、分岐電力中継線部587、制御信号中継線部585、主制御基板130における制御信号ポート115、および伝送線185などが未使用状態となる。
ここで、制御信号中継端子515が制御信号ポート115に伝送線185を介して接続されている場合、制御信号中継端子515の内端子が未使用の端子(空き端子)となる。
【0101】
遊技機20では、
図6に示すように、制御信号中継端子217(
図10の制御信号中継端子515に対応)の内端子に対して、検知信号が伝送される分岐制御信号中継線部285が接続されている。
これにより、中継端子板202(中継端子板500に対応)上における空き端子の発生が抑止されると共に、制御信号中継端子217に伝送線を介して接続された制御信号ポート115が未使用状態となるのを抑止することができる。
更には、この場合、主制御基板を変更することなく、中継端子板の変更を行うことによって、旧機種から新機種への移行を行うことが可能となる。
【0102】
[主制御基板130の構成]
次に、遊技機20および遊技機60における主制御基板130の内部構成について、
図4、
図6、
図10を用いて説明する。なお、遊技機20および遊技機60における主制御基板130は、同一または同等の機能構成を有する。
ここで、主制御基板130は、遊技機20の各種スイッチ(カウントスイッチ420を含む)から送られた検知信号に基づき予め設定されたプログラムに基づく実行処理を行い、遊技に係る種々の制御を実行する主制御部1000を備えている(
図4参照)。
【0103】
また、主制御基板130は、
図6に示すように、電力ポート111および電力中継線を介して接続されたカウントスイッチ420に電源供給(ここでは、12ボルトとする)を行う電力供給部131を備えている。また、遊技機60(
図10)では、電力ポート111に対して並列に接続されたカウントスイッチ420、620に対して電源供給を行っている。
ここで、電力中継線とは、主制御基板130の電力ポート111からカウントスイッチ420またはカウントスイッチ620に接続され、それぞれに対して行われる電力供給(電源供給)を中継する電力伝送線である。
なお、本実施形態3における電力中継線は電力伝送線181、電力中継端子211、電力中継線部281、電力中継端子261、および電力伝送線381を含む。
また、主制御基板130は、(+)と(−)側端子それぞれに印加された2つの電圧を比較してその比較結果としての論理値(1か0(HかL))を出力する比較器135、137を備えている。
ここで、比較器135の(−)側端子は制御信号ポート113の内端子に、比較器137の(−)側端子は制御信号ポート113の内端子に、それぞれプリントパターンを介して接続されている。
【0104】
さらに、主制御基板130は、比較器135、137からの出力に基づいて、比較器135、137それぞれの(−)端子に印加される電圧電位が一定の値に達したか否かを検出するCPU105を備えている。
また、比較器135の出力ラインには抵抗素子R136を介して、また、比較器137の出力ラインには抵抗素子R138を介して、電力供給部139が並列に接続されており、CPU105に対する電力供給(5V)が行われている。なお、CPU105は、予め設定されたプログラムに基づく実行処理を行う集積回路である。
【0105】
ここで、遊技機20における主制御基板130に含まれる、CPU105を除く機能構成を制御信号取得部130A、遊技機20における主制御基板130に含まれる、CPU105を除く機能構成を制御信号取得部130Bとする。
なお、
図6、
図10に示すように、電力供給部131からの電力供給線は主制御基板130上で分岐され、一方の分岐線は電力ポート111の内端子に、他方の分岐線は直列に接続された抵抗素子R132、R134を介してグランド133に接続されている。また、この分岐線は抵抗素子R132とR134の間で分岐して比較器135、137それぞれの(+)側端子に並列に接続されている。
【0106】
このため、比較器135、137の(+)側端子には電力供給部131から一定の電圧(定電圧)が印加される。ここで、この一定の電圧電位は、アースに接続した抵抗素子R134と抵抗素子R132の影響で降下された電位である。ここで、比較器135、137それぞれの(+)側端子には定電圧が印加されており、この定電位を制御信号取得部130A、130Bにおける「基準電位」とする。
【0107】
ここで、比較器135の(−)側入力端子に対してカウントスイッチ420からの検知信号(制御信号)の入力があった場合に、比較器135の(−)側入力端子に入力された信号の電位が(+)側端子定電圧を上回ることで、比較器135からの出力が(0から1に、もしくは、1から0)切り替わる。
すなわち、比較器135の(−)側入力端子に対する検知信号の入力があった場合に、比較器135の(−)側入力端子に印加される電圧電位が(+)側端子に印加されている定電圧電位を上回るので、比較器135から出力される論理値が切り替わる。
【0108】
本実施形態3では、カウントスイッチ420からの検知信号(制御信号)の出力があった場合に、入力ポートである制御信号ポート113、115それぞれに同一の検知信号が入力される。
このとき、比較器135、137それぞれの(−)側入力端子に印加された電圧電位が(+)側端子定電圧を上回り、比較器135、137それぞれからの出力が0から1に、(もしくは、1から0に)切り替わり、CPU105には、比較器135、137それぞれからの出力論理値が入力される。
【0109】
なお、CPU105では、2つの比較器135、137それぞれからの出力論理値の切り替わりを示す信号が検知された場合でも一方の信号を除外する設定、もしくは、比較器137から出力された論理値の切り替わりを示す信号は除外する設定としてもよい。
これにより、本実施形態におけるカウントスイッチ420からの検知信号が分岐された制御信号中継線それぞれから入力された場合でも、検知信号の検出回数の誤りや誤検知が発生するのを抑制することができる。
【0110】
ここで、遊技機20は、異なる複数の入力ポートである制御信号ポート113、115それぞれを介して入力される異なる複数の検知信号(制御信号)の一方を抑制する取得信号抑制部(図示なし)を備えた構成であってもよい。
【0111】
ここで、主制御基板130の主制御部1000が取得信号抑制部として機能することにより、カウントスイッチ420から送られて制御信号ポート113、115から入力された一方の検知信号を抑制してもよい。
すなわち、主制御部1000が取得信号抑制部として機能することにより、制御信号ポート113または制御信号ポート115から入力された制御信号のうちの一方の制御信号(ここでは、制御信号ポート115から入力された制御信号)が抑制される。ここでは、主制御部1000がプログラムに基づく実行処理を行うことにより、取得信号抑制部が実現される。
なお、取得信号抑制部は、主制御基板150上に設けられた、もしくは、主制御基板150の外部の基板等に設けられた集積回路素子(CPU)により実現されてもよい。
【0112】
また、
図6の主制御基板130では、制御信号ポート115から入力された制御信号が抑制されるように、CPU105が、制御信号取得部130Aを制御することにより、取得信号抑制部を実現する設定であってもよい。
【0113】
すなわち、取得信号抑制部では、制御信号ポート115から入力された検知信号を除外される、すなわち、制御信号ポート115から入力された検知信号が比較器137に入力されることが抑制される。
これにより、カウントスイッチ420から送られた検知信号について、CPU105における検出回数の誤りや誤検知の発生を抑止することができる。
【0114】
また、本実施形態3の中継端子板202は、中継端子板202上の制御信号中継線部282における分岐点284cを介して異なる制御信号ポート113、115それぞれに対して送られる制御信号のうちの一方の制御信号を抑制する中継信号抑制部(図示なし)を備えた構成であってもよい。
【0115】
ここで、中継信号抑制部は、中継端子板202上の制御信号中継線部282と、分岐制御信号中継線部285とに接続して設けられた集積回路であってもよい。また、中継信号抑制部は、分岐点284cで分岐されて送られた検知信号の一方を抑制する処理を行う。ここでは、分岐制御信号中継線部285を介して送られる検知信号を抑制する処理を行うものとする。
これにより、分岐点284cで分岐されて送られる同一信号である検知信号の一方を主制御基板130に送られる前に除外することができ、このため、カウントスイッチ420から送られた検知信号について、CPU105における検出回数の誤りや誤検知が発生するのを抑制することが可能となる。
【0116】
なお、本実施形態3では、上述のように、制御信号取得部130A(
図6)、制御信号取得部130B(
図10)それぞれに比較器135および比較器137を設けた構成について説明したが、主制御基板130は、制御信号取得部130Aの全体、または制御信号取得部130Aの内部構成の一部の機能を集積回路により実現する構成を備えていてもよい。
この場合も、主制御基板130は、例えば、分岐制御信号中継線部285を介して送り込まれた検知信号(制御信号)を抑制する処理を行う。
この場合、分岐制御信号中継線部285を介して送り込まれた検知信号を受信しても処理を行わない(反応しない)ため、主制御基板130のCPU105で検知信号を受信した場合の処理が誤って行われるといった誤動作の発生を抑制することができる。
【0117】
以上のように、本実施形態3の遊技機20では、
図6に示すように、空きポートとなり得る制御信号ポート115に対して分岐電力中継線が接続される(実際には、分岐制御信号中継線部285に制御信号中継端子217を介して接続した伝送線185が接続される)ので、主制御基板130における空き端子の発生を抑止することができ、更には、設置される動作部(ここでは、カウントスイッチ)の数や構成が変更された場合でも、変更前の主制御基板130を共通して利用することが可能となる。
すなわち、機種変更が行われる場合に、主制御基板を変更することなく、中継端子板の変更を行うことで、旧機種から新機種への移行を行うことが可能となる。
【0118】
[実施形態4]
次に、実施形態4として、上述の実施形態2に対応する、より具体的な実施形態である遊技機30について、
図1、
図3、
図4、
図5、
図7を用いて説明する。ここで、
図7は、遊技機30の内部回路構成を示す概略説明図である。
遊技機30(
図7)では、上記実施形態1(
図1)、実施形態2(
図5)における動作部400に相当する動作部として、各種アクチュエータが設けられている。
ここで、各種アクチュエータとは、具体的には、第2始動口59に遊技球が入球しやすい開放状態または入球しにくい閉鎖状態に可換に遷移する開閉部材を駆動するアクチュエータAC1、大入賞口55の開口部に設けられた特別電動役物65の開閉動作を作動するアクチュエータAC2、特別電動役物66の開閉動作を駆動するアクチュエータAC3などを示す(
図3、4参照)。
アクチュエータAC1、AC2、AC3はそれぞれ主制御基板150(
図7)から送られた電流(電流供給)によってコイルが励磁され、それぞれに対応する開閉部材や特別電動役物を電磁力で運動を行わせる。
【0119】
なお、本実施形態4においても、上述のように、特別電役制御部1190が大当り遊技制御部1133から受けた指令に従って、アクチュエータAC2を作動させて特別電動役物65を開放させる。また、特別電役制御部1190が大当り遊技制御部1133から受けた指令に従って、アクチュエータAC3を作動させて特別電動役物66を閉鎖させるまた、普通電役制御部1180は、普図抽選制御部1170からの指令に基づき、アクチュエータAC1を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる(
図4参照)。
【0120】
なお、上記アクチュエータAC1、AC2、AC3はそれぞれソレノイドアクチュエータ、モータアクチュエータなどであってもよい。
本実施形態4では、アクチュエータAC1、AC2、AC3を、総称としてソレノイドアクチュエータとする。
【0121】
以下、ソレノイドアクチュエータ440(以下「ソレノイド440」という)を備えた構成である遊技機30について、
図7に基づき説明する。
遊技機30は、主制御基板150(
図5の制御基板100に対応)およびソレノイド440(
図5の動作部400に対応)の間に中継端子板204(
図5の中継端子板200aに対応)を備えている。
主制御基板150は、ソレノイド440に対して電力中継線を介して電流供給を行うと共に、ソレノイド440における駆動動作を制御するための制御信号を出力する。また、中継端子板204は、上記電流供給および制御信号の中継を行う電力中継線および制御信号中継線それぞれの一部を備えている。
【0122】
ソレノイド440は、主制御基板150から供給された電流を利用して特別電動役物65や特別電動役物66における開閉動作を駆動する。具体的には、ソレノイド440に通電することにより、開閉羽根などの開閉部材における開閉動作を駆動する。
例えば、ソレノイド440に通電して駆動すると、1対の開閉羽根が入賞口を開放する開位置に移動し、また、制御信号を送ることにより、ソレノイド440への通電状態を高電圧から低電圧への切り替えることによって、開閉羽根の開位置から入賞口を閉塞する閉位置への移動、また、開閉羽根の閉位置から開位置への移動を制御する。
なお、遊技機30では、主制御基板150から出力される制御信号は主制御基板150の制御信号ポート(送信ポート)123、伝送線193、制御信号中継線部293、および伝送線393を介してソレノイド440に送られる。
【0123】
また、中継端子板204は、
図7に示すように、電力中継線の一部である電力中継線部291と、制御信号中継線(制御信号中継線253a(
図5)に相当)の一部である制御信号中継線部293と、制御信号中継線部293が分岐して制御信号中継端子225の内端子に接続された分岐制御信号中継線部295(分岐制御信号中継線部285a(
図5)に相当)を備えている。ここで、制御信号中継線部293上における分岐点を分岐点284dとする。
また、中継端子板204は、主制御基板150の制御信号ポート123、125それぞれに接続された、異なる複数の制御信号中継端子223、225を備えている。
【0124】
ここで、制御信号ポート123、125それぞれはソレノイド440(動作部))に対して送信される制御信号が出力される出力ポートとする。
なお、制御信号中継端子225の外端子と制御信号ポート125の外端子とは伝送線195を介して接続されている。このため、分岐制御信号中継線部295は制御信号中継端子225を介して制御信号ポート125に接続される。
【0125】
また、中継端子板204は、電力中継線の一部である電力中継線部291が当該中継端子板204上にプリント配設された構成を有する。また、制御信号中継線の一部である制御信号中継線部293はプリントパターンとして中継端子板204上に配設されており、制御信号中継端子223とソレノイド440側の中継端子である動作信号中継端子273に接続されている。また、主制御基板150の制御信号ポート123と中継端子板204の制御信号中継端子223とはそれぞれの外端子が伝送線193を介して接続されている。
【0126】
これにより、本実施形態4の遊技機30では、空きポートとなり得る制御信号ポート125に伝送線195を介して分岐制御信号中継線部295が接続されるので、主制御基板150における空き端子の発生を抑止することができる。
【0127】
[遊技機30における空きポートについて]
ここで、本実施形態4の空きポートについて、
図7、11に基づき説明する。
図11は、旧機種(従来機としての遊技機70)の主要な内部回路構成を示す概略説明図である。
なお、遊技機70は、実施形態4(
図7)と同一の主制御基板150、ソレノイド440を備えている。また、遊技機70は、ソレノイド440と同型のソレノイド640を備えている。ここで、ソレノイド640は、ソレノイド440と消費電力等が同等の構成を有するものとする。
【0128】
上述のように、パチンコ機などの遊技機では機種変更などによって制御基板に対応する被制御機器の数や構造の変更が頻繁に行われる。ここでは、旧機種としての遊技機70から新機種である遊技機30への機種変更が行われるものとする。
【0129】
ここで、ソレノイド440、640を備えた遊技機70について、
図11を用いて説明する。
遊技機70は、主制御基板150とソレノイド440、640との間に中継端子板600(中継端子板204(
図7)に対応)を備えており、この中継端子板600は、主制御基板150からソレノイド440、640それぞれに対して送られる制御信号の中継を行う制御信号中継線の一部を備えている。
【0130】
また、ソレノイド440は、中継端子板600の電力中継端子661に対して電力伝送線391を介して接続され、また、中継端子板600の動作信号中継端子663に対して伝送線393を介して接続されている。また、ソレノイド640は、中継端子板600の電力中継端子662の外端子に対して電力伝送線693を介して接続され、また、中継端子板600の動作信号中継端子665の外端子に対して伝送線694を介して接続されている。
【0131】
中継端子板600は、主制御基板150に対向した側に異なる複数の制御信号中継端子613、615を備え、ソレノイド440、640それぞれに対向した側に異なる複数の動作信号中継端子663、665を備えている。
また、制御信号中継端子613、615はそれぞれ中継端子板600上のプリントパターンと接続される内端子と中継端子板600の外部の機器や基板と伝送線を介して接続される外端子からなる。ここで、制御信号中継端子613、615の外端子はそれぞれ伝送線193、195を介して制御信号ポート123、125に接続されている。
【0132】
また、中継端子板600は、上記制御信号中継線(
図5の制御信号中継線253aに対応)の一部である、プリントパターンとしての制御信号中継線部683、685を有する。
また、制御信号中継線部683は制御信号中継端子613の内端子と動作信号中継端子663の内端子に接続され、制御信号中継線部685は制御信号中継端子615の内端子と動作信号中継端子665の内端子に接続されている。
【0133】
また、遊技機70は、主制御基板150の電力ポート121からソレノイド440、640に接続され、主制御基板150からソレノイド440、640それぞれに対して行われる電流供給を中継する電力中継線を備えている。
ここで、主制御基板150からソレノイド440への電流供給を中継する電力中継線は、主制御基板150の電力ポート121と中継端子板600の電力中継端子611とに接続された電力伝送線191、電力中継端子611の内端子と電力中継端子661の内端子に接続された電力中継線部681、および電力中継端子661とソレノイド440とに接続された電力伝送線391を含む。
【0134】
また、主制御基板150からソレノイド640への電流供給を中継する電力中継線は、主制御基板150の電力ポート121と中継端子板600の電力中継端子611とに接続された電力伝送線191、電力中継端子611の内端子から分岐点までの電力中継線部681、分岐点と電力中継端子662の内端子に接続された分岐電力中継線部687、および電力中継端子662とソレノイド640とに接続された電力伝送線693を含む。
ここで、電力中継線部681、分岐電力中継線部687は、中継端子板600上に配設されたプリントパターンである。
なお、ソレノイド440、640と主制御基板150とを接続する電力中継線はソレノイド440、640のコモンラインであって、ソレノイド440、640それぞれから中継端子板600上の分岐点を介して電力ポート121に接続されている。
【0135】
ここでは、旧機種(遊技機70)から新機種(遊技機30)への機種変更等に伴い、旧機種(
図11)における主制御基板150に中継端子板600を介して接続された、異なる複数のソレノイド440、640のうちの一つ(ここでは、ソレノイド640とする)が新機種(
図7)においては取り外される(不要となる)ものとする。
【0136】
この場合に、新機種である実施形態4(
図7)で使用されないソレノイド640や、このソレノイド640が接続されていた電力伝送線693や伝送線694、中継端子板600上の中継端子(電力中継端子662、動作信号中継端子665、制御信号中継端子615)、分岐電力中継線部687、制御信号中継線部685、主制御基板150における制御信号ポート125、および伝送線195などが未使用状態となる。
ここで、制御信号中継端子615が制御信号ポート125に伝送線195を介して接続されている場合、制御信号中継端子615の内端子が未使用の端子(空き端子)となる。
【0137】
遊技機30では、
図7に示すように、制御信号中継端子225(
図11の制御信号中継端子615に対応)の内端子に対して、検知信号が伝送される分岐制御信号中継線部295が接続されている。
これにより、中継端子板204上における空き端子(制御信号中継端子225)の発生が抑止されると共に、制御信号中継端子225に伝送線195を介して接続された制御信号ポート125が未使用状態(空きポート)となるのを抑止することができる。
更には、この場合、主制御基板を変更することなく、中継端子板の変更を行うことによって、旧機種から新機種への移行を行うことが可能となる。
【0138】
[主制御基板150の構成]
次に、遊技機30および遊技機70における主制御基板150の内部構成について、
図4、
図7、
図11を用いて説明する。ここで、遊技機30および遊技機70における主制御基板150は同等の機能構成を有する。
【0139】
主制御基板150は、電力中継線を介して接続されたソレノイド440に駆動用の電流供給(ここでは、30ボルトとする)を行う電力供給部151を備えている。遊技機70(
図11)では、主制御基板150は、並列に接続されたソレノイドアクチュエータ(以下「ソレノイド」という)440、640に対して電流供給を行っている。
【0140】
また、主制御基板150は、予め設定されたプログラムに基づく係数を行うことで遊技に係る種々の制御を実行すると共に、ソレノイド440またはソレノイド640における駆動制御を行う主制御部1000を有する(
図4参照)。
主制御部1000は、ソレノイド440または640における駆動制御に用いられる駆動制御電流(制御信号に相当)の出力を制御する。
なお、駆動制御電流(制御信号に相当)の出力を制御する機能(出力制御機能)は、主制御基板150上に設けられた、もしくは、主制御基板150の外部の基板等に設けられた集積回路素子(CPU)により実現されてもよい。
【0141】
また、主制御基板150は、ソレノイド440または640における駆動制御に用いられる駆動制御電流の出力を行うドライバ端子155、157を備えている。なお、駆動対象がモータである場合は、モータドライブとする。
なお、ソレノイドドライブ(以下「ドライバ端子」という)155、157は、パワー半導体素子などのドライバ端子であり、ソレノイド440、640における駆動制御用の電流を生成して送出する。
また、主制御基板150は、ドライバ端子155、157における入力端子(IN端子)に電圧印加を行うことで、ドライバ端子155、157における上記駆動制御電流の送出を制御するCPU105を備えている。なお、CPU105は、ドライバ端子155、157の動作に係る制御処理を行う集積回路である。
【0142】
なお、ドライバ端子155、157のGND素子はそれぞれ主制御基板150におけるグランド153に接続され、CPU105からドライバ端子155、157におけるIN端子への入力ラインにはそれぞれ抵抗素子R152とR154が設けられている。また、主制御基板150の備える制御信号ポート123、125はソレノイド440、640に対する駆動制御電流が出力される出力ポートである(
図7、11)。
【0143】
ここで、
図7の主制御基板150に含まれる、CPU105を除く機能構成を制御信号生成部150A、
図11の主制御基板150に含まれる、CPU105を除く機能構成を制御信号生成部150Bとする。
図7の主制御基板150では、ドライバ端子155、157を備えた制御信号生成部150AとCPU105とにより上記の出力制御機能が実現されてもよい。
【0144】
遊技機30は、異なる複数の出力ポート(ここでは、制御信号ポート123、125)から出力される制御信号のうちの一方の制御信号を抑制する出力信号抑制部(図示なし)を備えた構成としてもよい。
ここで、出力信号抑制部は、制御信号ポート125から出力される制御信号(駆動制御電流)を出力前に除外(抑制)する処理を行う。なお、出力信号抑制部は、出力ポートとしての制御信号ポート123、125に接続して設けられている。
ここで、CPU105が制御信号生成部150Aに対して予め設定されたプログラムに基づく制御処理を行うことによって出力信号抑制部を実現してもよい。すなわち、CPU105が制御信号生成部150Aのドライバ端子(ここでは、ドライバ端子157とする)からの駆動制御電流の出力を抑制する制御を行うことにより、出力信号抑制部の機能動作を実現してもよい。
【0145】
また、上記主制御部1000が出力信号抑制部として機能することにより、制御信号ポート123または制御信号ポート125から出力される制御信号のうちの一方の制御信号の出力が抑制される処理を実現してもよい。
ここで、主制御基板150に設けられた主制御部1000がプログラムに基づく実行処理を行うことにより、上記の出力制御機能、出力信号抑制部を実現する構成であってもよい。
なお、出力信号抑制部は、主制御基板150上に設けられた、もしくは、主制御基板150の外部の基板等に設けられた集積回路素子(CPU)により実現されてもよい。
これにより、制御信号ポート123からソレノイド440に送られる制御信号が安定化され、ソレノイド440における誤動作の発生を抑制することができる。
【0146】
また、中継端子板204は、主制御基板150が備えた異なる制御信号ポート123、125(出力ポート)から出力され複数の制御信号中継端子223、225それぞれへと入力された制御信号のうちの一方の制御信号を抑制する中継入力信号抑制部を備えていてもよい。
【0147】
ここで、中継入力信号抑制部は、中継端子板204上の制御信号中継線部293と分岐制御信号中継線部295とに接続して設けられた集積回路であってもよい。また、中継入力信号抑制部は、制御信号中継端子223、225から入力された制御信号の一方の制御信号を、分岐点284dに入力される前に除外する処理を行う。ここでは、分岐制御信号中継線部295から入力される検知信号を除外する処理を行うものとする。
これにより、制御信号ポート123から出力されソレノイド440に送られた制御信号に制御信号ポート125から出力された制御信号が重畳されるのを抑止することができるので、ソレノイド440に送られた制御信号が安定化され、ソレノイド440における誤動作の発生を抑制することができる。
【0148】
以上のように、実施形態4の遊技機30では、空きポートとなり得る制御信号ポート125に対して分岐電力中継線が接続される(実際には、分岐制御信号中継線部295に制御信号中継端子225を介して接続した伝送線195が制御信号ポート125に接続される)ので、主制御基板150における空きポート(空き端子)の発生を抑止することができ、更には、設置される動作部(ここでは、カウントスイッチ)の数や構成が変更された場合でも、変更前の主制御基板150を遊技機30でも共通して利用することが可能となる。また、これにより、遊技機30では、主制御基板150における制御信号を出力する送信ポートに空き端子が発生するのを有効に抑止することができる。
【0149】
なお、上記の実施形態3、4では、主制御基板130、主制御基板150が受信ポートまたは送信ポートの一方を備えた構成について説明したが、主制御基板または演出制御基板が受信ポートおよび送信ポートのどちらも有する構成であってもよい。例えば、CPU105を有する単一の主制御基板内に、上述の制御信号取得部130Aと制御信号生成部150Aが併設された構成であってもよい。
【0150】
[実施形態5]
次に、遊技に関連する演出に用いられる出力手段としての動作部410を備えた実施形態5について、
図2、3、4、5、8を用いて説明する。以下、実施形態5(
図8)の遊技機を遊技機10bとする。
なお、上記出力手段としては、演出表示装置(液晶表示装置)80、スピーカ33、LEDなどの照明装置35、可動式役物(図示なし)等が挙げられる(
図2、3参照)。また、出力手段としては、演出表示装置、スピーカ、装飾ランプなどが設けられた基板(非制御基板)や、演出用の可動式役物を駆動する演出アクチュエータ38(
図4参照)なども含まれる。
【0151】
遊技機10bは、
図8に示すように、上記の動作部410(
図5の動作部400に対応)と演出制御基板300(
図5の制御基板100に対応)との間に、中継端子板200bが設けられた構成を有する。
また、遊技機10bは、演出制御基板300に対して遊技に関連する演出用の制御信号(演出用制御コマンド)を送信する主制御基板110を備えている。演出用制御コマンドには、スピーカ33による音声演出、LEDや冷陰極線管放電管などの照明装置35によるランプ演出、演出表示装置80による図柄演出、および可動式役物などの演出ギミックを駆動する役物演出などを実現するための制御コマンドを含む。
【0152】
演出制御基板300は、遊技に関連する演出に用いられる動作部410に対して制御信号を送ることにより、動作部410による演出動作を駆動する制御を行う。
また、演出制御基板300は、
図8に示すように、演出表示装置80、照明装置35、スピーカ33などにおける動作を制御する演出制御部320を有する。
【0153】
ここで、演出制御部320について、
図2、3、4、8を用いて説明する。
演出制御部320は、主制御部1000の特図選択部1132によって選択された特別図柄、変動パターン決定部1110によって決定された変動パターン、またはボタン37で受け付けた遊技者の操作等に基づいて各種演出を実行する。演出制御部320はボタン37から受け付けた遊技者の操作に応じて演出を可変に切り替えてもよい(
図2、4参照)。また、演出制御部320は演出アクチュエータ38を演出表示装置80の周縁に設けられた可動式役物(いわゆる演出ギミック)の動作を制御してもよい(
図2〜4参照)。
【0154】
ここで、主制御部1000の変動パターン決定部1110は、特図保留制御部1120、特図抽選制御部1130、遊技状態制御部1140、普図保留制御部1160、普図抽選制御部1170と接続しており、これらの機能から信号(データ)を得ることにより、主制御部1000による遊技制御に適った変動パターンを生成することができる。変動パターンには、特別図柄が変動表示を開始してから終了(停止表示)するまでの時間等が規定されている。
【0155】
また、演出制御部320は、特図選択部1132によって選択された特別図柄や変動パターン決定部1110によって決定された変動パターンを用いて演出図柄の変動演出(例えば、リーチ演出等)やその他演出の演出態様を決定し、決定された演出を演出表示装置80、照明装置35またはスピーカ33に実行させる。
なお、実施形態5における演出制御部320は、特図選択部1132によって選択された特別図柄を、変動パターン決定部1110を介して取得しているものとする(
図4参照)。
演出制御部320によって決定される演出態様には、演出表示装置80における図柄変動演出の発展態様の他に、演出表示装置80に表示される背景や色彩、スピーカ33により音声出力される演出音(音楽)、照明装置35の発光色や発光強度、ボタン37の操作を受け付けるタイミング等が含まれうる。
【0156】
次に、遊技機10bの備えた中継端子板200bについて、
図8を用いて説明する。
中継端子板200bは、制御信号中継線253bの一部である制御信号中継線部282bと、演出制御基板300の制御信号ポート304、306それぞれに伝送線183b、185bを介して接続された制御信号中継端子215b、217bと、制御信号中継線部282bから分岐して制御信号中継端子217bの内端子に接続された分岐制御信号中継線部285bを備えている。
【0157】
制御信号中継線部282bは、上述のように、制御信号中継線253b(制御信号中継線253a(
図5)に対応)の一部であり、中継端子板200b上に導電体配設(パターニング)された信号伝送線部分(プリントパターン部分)を示す。また、分岐制御信号中継線部285b(分岐制御信号中継線部285a(
図5)に対応)は、制御信号中継線部282bから分岐した分岐制御信号線の一部であり中継端子板200b上に導電体配設(パターニング)された信号伝送線部分(プリントパターン部分)を示す。
【0158】
演出制御基板300は、遊技の演出に用いられる上記出力手段としての動作部410と、動作部410に対して制御信号を送ることにより動作部410における演出動作を駆動する制御を行う。
なお、この制御信号は、主制御基板110から送り込まれた演出用制御コマンドに基づき演出制御部320により生成される。また、出力手段では、演出制御基板300から送り込まれた制御信号に基づく実行動作が行われることで各種の演出が実現される。また、上記制御信号には、動作部410から演出制御部320に対して送られる制御信号(検知信号)も含まれる。
【0159】
遊技機10bの中継端子板200bは、
図8に示すように、演出制御基板300の制御信号ポート304、306それぞれに対応して接続された異なる複数の制御信号中継端子215b、217bと、動作部410に対して伝送線193bを介して接続した動作信号中継端子219bを備え、演出制御基板300と動作部410との間に設けられている。
また、中継端子板200bは、制御信号中継線253bの一部としての制御信号中継線部282bと、この制御信号中継線部282bから分岐した制御信号中継線の一部である分岐制御信号中継線部285bがそれぞれ異なる制御信号中継端子215b、217bを介して制御信号ポート304、306に接続されている。
【0160】
ここで、中継端子板200bは、演出制御基板300に対向した側に異なる複数の制御信号中継端子215b、217bを備えている。また、中継端子板200bは動作部410に対向した側に動作信号中継端子219bを備えている。
なお、制御信号中継端子215b、217b、動作信号中継端子219bはそれぞれ中継端子板200b上のプリントパターンと接続される内端子と、中継端子板200bの外部の機器や基板と伝送線を介して接続される外端子を含む。
制御信号中継端子215b、217bの外端子はそれぞれ伝送線183b、185bを介して制御信号ポート304、306に接続されており、動作信号中継端子219bの外端子は伝送線193bを介して動作部410に接続されている。
ここで、制御信号中継線253bは、演出制御基板300の制御信号ポート304から伝送線183b、制御信号中継端子215b、制御信号中継線部282b、動作信号中継端子219b、および伝送線193bを含み、演出制御基板300および動作部410の間で送受信される制御信号の中継を行う。
【0161】
また、中継端子板200b上に配設された制御信号中継線部282bは、上述のように、
制御信号中継端子215bの内端子と動作信号中継端子219bの内端子とに接続されたプリントパターンであり、分岐点284bを有する。また、分岐制御信号中継線部285bは、分岐点284bおよび制御信号中継端子217bを両端とする、中継端子板200b上に配設されたプリントパターン信号配線である。
【0162】
なお、遊技機10bにおける制御信号中継線253b、分岐制御信号中継線283bはそれぞれフレキシブルケーブルで構成され、制御基板100および動作部400は、この制御信号中継線253bおよび分岐制御信号中継線283bによる空中配線で接続されていてもよい。このとき、演出制御基板300および動作部410はフレキシブルケーブルを利用した空中配線で接続される。
【0163】
以上のように、遊技機10bでは、演出制御基板300で空きポートとなり得る制御信号ポート306に対して分岐制御信号中継線283bが接続される(実際には、分岐制御信号中継線部285bに制御信号中継端子217bを介して接続した伝送線185bが接続されてる)ので、演出制御基板300における空き端子の発生を抑止することができ、このため、動作部410に含まれる出力手段の数や構成が変更された場合でも、変更前の演出制御基板を共通して利用することが可能となる。すなわち、機種変更が行われる場合に、演出制御基板を変更することなく、出力手段に接続された中継端子板のみを変更することで、旧機種から新機種への移行を行うことが可能となる。
【0164】
[実施形態6]
次に、実施形態6について、
図1、9を用いて説明する。ここで、実施形態6の遊技機を遊技機40とする。
図9は、実施形態6である遊技機40の主要な内部構成を示す概略説明図である。
【0165】
ここで、遊技機40は定電位に接続された電力中継線251を備えると共に、電力中継線251が分岐して制御信号ポート108に対して接続された構成であってもよい。
【0166】
ここで、定電位とは、遊技機40における一定の電圧電位が印加された、電力中継線251の接続対象(定電位接続対象)を示し、例えば、動作電力などの供給が行われる給電端子、定電位が印加された動作部400、フレーム接地などのグランド(アース)などが含まれる。
また、遊技機40における定電位接続対象としては、制御基板100内に設けられた給電端子やグランド(アース)、また、制御基板や中継端子板の外部に設けられた給電端子やグランドなどが含まれる。
【0167】
ここで、制御基板100は、
図9に示すように、電力中継線251が接続された電力ポート102を備えている。また、制御基板100は、電力ポート102および電力中継線251を介して接続された動作部400に電源供給を行う電力供給部131dを備えている。
【0168】
さらに、実施形態6における制御基板100は、動作部400から制御基板100に送られる制御信号が受信される、または、動作部400に対して制御基板100から送られる制御信号が送信される、少なくとも3つの制御信号ポート(ここでは、制御信号ポート104、106、108)を備えている。
【0169】
なお、
図9に示すように、制御信号中継線253における分岐点を分岐点284とする。また、この分岐点284と制御基板100の制御信号ポート106を両端とする信号線を分岐制御信号中継線283とする。
また、電力中継線251における分岐点を電力分岐点254とする。この電力分岐点254と制御基板100の制御信号ポート108を両端とする信号線を分岐電力中継線255とする。
なお、制御基板100には、遊技機40における主制御基板および演算制御基板が含まれる。
【0170】
[遊技機40における空きポートについて]
次に、実施形態6における「空きポート」について説明する。
遊技機では、旧機種から新機種(遊技機40)へと遊技機の機種変更が行われる際に、旧機種における制御基板100に接続された異なる複数の動作部(例えば、動作部D2、D3(図示なし))が新機種においては不要となる、といったことが生じ得る。
このような場合、旧機種で動作部D2、D3それぞれが接続していた制御信号中継線(例えば、L1、L2(図示なし)とする)、また、この制御信号中継線L1、L2が接続していた制御基板100における制御信号ポート(例えば、P1、P2(図示なし)とする)が新機種(遊技機40)では未使用状態(不要)となる。
【0171】
ここで、新機種である遊技機40で旧機種と共通の制御基板100を利用する場合に、旧機種で制御信号中継線L1、L2が接続されていた制御信号ポート106、108(制御信号ポートP1、P2に対応)が未使用ポートとなる。すなわち、ここでは、旧機種で使用されていたが、新機種では未使用状態となり得る、制御信号ポートを「空きポート」といい、実施形態6では、この空きポートが新機種の制御基板100に発生し得る。
【0172】
ここで、遊技機40は、
図9に示すように、空きポートの一つである制御信号ポート106に分岐制御信号中継線283が接続され、更に、別の空きポートである制御信号ポート108に分岐電力中継線255が接続された構成を有する。
【0173】
また、遊技機40は、電力供給の中継伝送を行う一または複数の電力中継線251と、制御基板100および動作部400の間で伝送される制御信号を中継する制御信号中継線253と、を有する。
また、制御基板100および動作部400の間で伝送される制御信号を中継する制御信号中継線253は制御信号ポート104に接続されると共に、この制御信号中継線253が分岐して制御信号ポート106に対して接続されている。また、電力中継線251から分岐された分岐電力中継線255が制御基板100の制御信号ポート108に接続されている。
【0174】
これにより、制御基板100で複数の空きポートが発生するのを抑止することが可能となる。このため、遊技機における機種変更(旧機種から遊技機40への機種変更)や機種の内部構造や機種仕様の変化等があった場合でも制御基板100を共通して利用すること(制御基板の共通化)が可能となる。
【0175】
なお、実施形態6の遊技機40における電力中継線251および分岐電力中継線255、制御信号中継線253、分岐制御信号中継線283それぞれをフレキシブルケーブルで構成し、制御基板100および動作部400が空中配線で接続されていてもよい。
また、制御基板100および動作部400の接続の態様として、制御基板100および動作部400の間に、一または異なる複数の中継端子板(
図5の中継端子板200aに対応)を設け、制御信号中継線253、分岐制御信号中継線283、電力中継線251、および分岐電力中継線255の一部がこの中継端子板上に導電体でパターニングされた構成であってもよい。
【0176】
なお、この中継端子板は制御基板100に設けられた各制御信号ポートに対応した制御信号中継端子(
図6の制御信号中継端子215、217や
図7の制御信号中継端子223、225に対応)を備えているものとする。
ここで、中継端子板上の異なる複数の制御信号中継端子の内端子が「空き端子」(空きポート)となり得るが、電力中継線251または制御信号中継線253から分岐した分岐電力中継線、分岐制御信号中継線が接続された構成とすることにより、中継端子板上で空き端子が生じるのを抑止することができる。
【0177】
また、遊技機40で、例えば、中継端子板の外部に設けられたグランド(「定電位接続対象」に対応)と、この中継端子板とに接続された電力中継線が設けられている場合に、この電力中継線が分岐して、中継端子板上で空き端子となり得る制御信号中継端子の内端子に接続された構成であってもよい。
これにより、旧機種から新機種へと遊技機の機種変更が行われる場合などに、主制御基板や演出制御基板を変更することなく、中継端子板のみを変更することで、旧機種から新機種への移行を行うことが可能となる。
【0178】
以上のように、旧機種の遊技機で構成変更が行われるのに伴い、制御基板100における複数の空き端子が(ここでは、制御信号ポート106、108の2つ)発生し得る場合でも、新機種である遊技機40(
図9)では、一方の空きポート(制御信号ポート106)に分岐制御信号中継線283が接続され、他方の空きポート(制御信号ポート108)には分岐電力中継線255が接続された構成を有するため、新機種で旧機種と共通の制御基板100が利用される場合でも、制御基板100における複数の空きポートが発生するのを抑止することができる。
【0179】
なお、実施形態6では、2つの空きポートに対して電力中継線251から分岐した分岐電力中継線255と制御信号中継線253から分岐した分岐制御信号中継線283とがそれぞれ接続された構成について説明したが、同様に制御基板100における空きポートが2つ、または、それ以上に発生し得る場合には、分岐電力中継線(図の分岐電力中継線255に対応)と、この分岐電力中継線から更に分岐した電力線(再分岐電力中継線:図示なし)とがそれぞれ空きポートに接続された構成としてもよい。
これにより、制御基板100における複数の空きポートの発生が抑止される。
また、電力中継線(
図9の電力中継線251に対応)における異なる2つの分岐点それぞれで分岐した異なる2つの分岐電力中継線(例えば、分岐電力中継線Cと分岐電力中継線Dとする)が制御基板100における空きポートそれぞれに接続された構成であってもよい。
【0180】
また、空きポートとなり得るポートが2つ(または、それ以上)ある場合には、制御信号中継線から分岐した分岐制御信号中継線と、この分岐制御信号中継線から更に分岐した制御信号中継線(再分岐制御信号中継線)とが接続される構成であってもよい。
これにより、制御基板100に複数の空きポートが発生するのを抑止することが可能となる。また、制御信号中継線(
図9の制御信号中継線253に対応)における異なる2つの分岐点それぞれで分岐した分岐制御信号中継線がそれぞれ空きポートに接続された構成であってもよい。
【0181】
すなわち、制御基板100に異なる複数の空きポート(未使用状態の制御信号ポート)がある場合には、動作部400に対して供給される電力を伝送する電力中継線を複数に分岐し、発生し得る空きポートに接続してもよい。また、発生し得る異なる複数の空きポートに対して動作部400と制御基板100との間で制御信号が伝送される制御信号中継線(
図9の制御信号中継線253に相当)を複数に分岐して接続してもよい。
【0182】
また、遊技機40が、定電位接続対象である給電端子、動作部400、グランドなどに一端が接続された電力中継線を有する場合、この電力中継線が分岐して、分岐電力中継線(
図9の分岐電力中継線255に対応)として、制御基板100の空きポートに接続された構成であってもよい。
【0183】
以上のように、実施形態1〜6における遊技機10、10a、20、30、10b、40では、制御基板(主制御基板または演出制御基板)の備える制御信号ポートに電力中継線が分岐して接続されることにより、送信ポートまたは受信ポートとしての制御信号ポートを備えた制御基板(主制御基板または演出制御基板)における空き端子(空きポート)の発生を有効に抑止することができる。さらには、制御基板の備える論理回路が論理固定されるので、制御基板内の電位環境が安定化され、これにより、制御基板における不測の信号の発生を抑制することが可能となる。また、旧機種から新機種へと機種変更が行われる場合などに、主制御基板や演出制御基板を変更することなく、中継端子板のみを変更することで、旧機種から新機種への移行を行うことが可能となる。
【0184】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)動作部との間で制御信号が伝送される制御信号中継線に接続された制御信号ポートを有する制御基板を備え、前記制御信号中継線が分岐して前記制御信号ポートに対して接続されていることを特徴とする遊技機。
(2)前記制御信号ポートそれぞれに対応して接続された異なる複数の制御信号中継端子と、前記制御信号中継線と、を備えると共に、前記制御基板と前記動作部との間に設けられた中継端子板を有し、前記制御信号中継線および前記分岐した制御信号中継線がそれぞれ異なる前記制御信号中継端子を介して前記制御信号ポートに接続されていることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記制御信号ポートは前記動作部から送られた前記制御信号が入力される入力ポートであることを特徴とする(2)に記載の遊技機。
(4)異なる複数の前記入力ポートそれぞれを介して前記制御基板に入力される異なる複数の前記制御信号の一方を抑制する取得信号抑制部を備えたことを特徴とした(3)に記載の遊技機。
(5)前記中継端子板は、前記制御信号中継線における分岐点を介して異なる前記制御信号ポートそれぞれに対して送られる前記制御信号のうちの一方の前記制御信号を抑制する中継信号抑制部を備えたことを特徴とする(2)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(6)前記制御信号ポートは前記動作部に対する前記制御信号が出力される出力ポートであることを特徴とする(2)に記載の遊技機。
(7)異なる複数の前記出力ポートから出力される前記制御信号のうちの一方の前記制御信号を抑制する出力信号抑制部を備えたことを特徴とした(5)に記載の遊技機。
(8)前記中継端子板は、前記制御基板の異なる前記出力ポートから複数の前記制御信号中継端子それぞれへと入力された前記制御信号のうちの一方の前記制御信号を抑制する中継入力信号抑制部を備えたことを特徴とする(6)または(7)のいずれか一つに記載の遊技機。
(9)定電位に接続された電力中継線を備え、前記電力中継線が分岐して前記制御信号ポートに対して接続されていることを特徴とする(1)から(8)のいずれか一つに記載の遊技機。