【文献】
GIBBS B F,ENCAPSULATION IN THE FOOD INDUSTRY: A REVIEW,INTERNATIONAL JOURNAL OF FOOD SCIENCES AND NUTRITION,英国,1999年,V50 N3,P213-224
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記吸湿性糖アルコールは、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトール、ポリグリシトール、およびこれらの吸湿性ポリオールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される、請求項3または請求項4に記載のチューインガム。
前記液体充填部組成物は前記チューインガム組成物の20重量%までを構成し、前記ガム領域は、前記チューインガム組成物の40重量%以上97重量%以下を構成する、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のチューインガム。
前記水不溶性微粒子物質は、石英ガラス、軽石粉、珪藻土、カオリン、ベントナイト、ゼオライト、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびこれらの微粒子物質のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載のクランチ質チューインガム組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願明細書に記載される実施形態は、ポリオール粒子をチューインガムに含めるのに先立って処理されている、ポリオール粒子に関する。ポリオール粒子の処理としては、ポリオール粒子の表面上への1以上のコーティングの付与が挙げられる。この前処理の結果として、本願明細書に記載されるポリオール粒子の特性は、前処理されていないポリオール粒子と比べて改変される。
【0016】
いくつかの実施形態では、ポリオール粒子は、クランチ物質コーティング組成物で処理され、微粒子クランチ物質が与えられる。このクランチ物質コーティング組成物は、ポリオール粒子上にコーティングされる。1つの実施形態では、このクランチ物質コーティング組成物はアラビアガムを含む。クランチ物質コーティング組成物の中にアラビアガムが存在することで、この微粒子クランチ物質に所望のレベルのクランチ質が与えられる。この微粒子クランチ物質をチューインガムに含めることで、ガムの質感(テキスチャ)特性が変性され、高いクランチ質の程度を呈するチューインガムが提供される、この微粒子クランチ物質は、長く続くクランチおよび商業的に許容できる貯蔵時間をもたらす。
【0017】
他の実施形態では、この微粒子クランチ物質を含有するチューインガムが提供される。ガムコアおよびこのガムコア内に含有される微粒子クランチ物質を含むクランチ質チューインガム組成物が、本願明細書に開示される。この微粒子クランチ物質を含有するチューインガム配合物は、クランチ質の質感またはグラニュー糖によってもたらされる感触と類似の感触を有し、かつこのクランチ質の感触を長期間にわたって維持する。
【0018】
いくつかの実施形態では、吸湿性ポリオールの粒子は、無機材料で処理され、低下した吸湿性を有するポリオール組成物が与えられる。この無機材料の粒子は、ポリオール粒子の上にコーティングされる。吸湿性ポリオール粒子、例えばソルビトール粒子を無機材料でコーティングすることで、このポリオールの、周囲環境から水を吸収する能力が効果的に低減されるということが見出された。チューインガムの中に増量剤および/または甘味料として、低下した吸湿性を有するポリオール組成物を含めることで、未処理のポリオールを含有するチューインガム粒子と比べて、当該ガムの吸湿性が効果的に低減される。いくつかのポリオールが企図され、その例としては、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトール、ポリグリシトール、およびこれらのポリオールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群が挙げられるが、これらに限定されない。この無機材料の非限定的な例としては、ヒュームドシリカ、ケイ酸カルシウム、タルク、珪藻土、軽石粉、カオリン、ベントナイト、ゼオライト、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびこれらの無機材料のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される無機材料が挙げられる。
【0019】
いくつかの実施形態では、低下した吸湿性を有するポリオール組成物を含有するチューインガム組成物が提供される。このチューインガム組成物は、中心充填部組成物およびこの中心充填部を取り囲むガム領域を含む多領域チューインガム組成物であることができる。この中心充填部組成物は、液体充填部組成物であることができる。1つの実施形態では、チューインガム組成物であって、液体充填部組成物およびこの液体充填部組成物を取り囲むガム領域を含み、かつこのガム領域がガムベースおよび低下した吸湿性を有するポリオール組成物を含むチューインガム組成物が提供される。
【0020】
本願明細書で使用する場合、用語「中心充填部」は、組成物の最内領域を指す。用語「中心充填部」は、ガムピースの対称性のことを含まず、中心充填部がガムピースのうちの別の領域内にあるということだけを意味する。この中心充填部は、液体充填部または固体充填部であってもよい。いくつかの実施形態では、この中心充填部は、シロップ様またはゼリー様の粘稠度を有する液体充填部である。いくつかの実施形態では、複数の中心充填部または液体充填部が存在することができる。
【0021】
本明細書で使用する場合、用語「液体」は、室温および常圧で容易に流動する、または流体特性を維持するであろう組成物を指す。用語「液体」は、溶液、懸濁液、エマルション、半固体、クリーム、ゲルなどを包含し、完全に液体でなくてもよい。用語「液体」はまた、複数の液体の均一なまたは不均一な混合物である組成物も含む。
【0022】
本願明細書で使用する場合、用語「コーティング」は、菓子コアを少なくとも部分的に取り囲む物質の一領域を指すために使用される。
【0023】
本願明細書で使用する場合、「取り囲む(surround)」、「取り囲んでいる(surrounding)」などの用語は囲むこと(encircling)に限定されない。これらの用語は、すべての側で包囲する(enclosing)かまたは閉じ込める(confining)こと、囲むかまたは包むこと(enveloping)を指してもよく、ガム製品の中の領域に対して対称的または同一の厚みであることに限定されない。
【0024】
本願明細書で使用する場合、用語「実質的に覆う」は、菓子コアの表面積の50%超を覆うコーティング組成物を指す。他の実施形態では、「実質的に覆う」は、菓子コアの表面の55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、98%超、および99%超である被覆を指す。
【0025】
本願明細書で使用する場合、メジアン直径、またはD
50は、直径メジアン(すなわち、中央値(50th percentile))粒径を意味する。換言すれば、D
50は、直径によって測定された場合の、粒子の50%がその値未満に属する、その粒径である。同様に、D
90は、直径によって測定された場合の、粒子の90%がその値未満に属する、その粒径である。粒径は、直径によって粒径を測定するための、当該技術分野で公知のいずれかの好適な方法によって測定することができる。具体的には、粒径は、標準的なメッシュ系列の篩を使用するふるい分析に基づいて決定することができる。
【0026】
微粒子クランチ物質
当該微粒子クランチ物質は、クランチ物質コーティング組成物でコーティングされた第1のポリオールの粒子を含む。この第1のポリオールは、ポリオール粒子が低レベルの吸湿性を有しかつ所望のサイズの微粒子クランチ物質を得ることができる限り、特に限定されない。この第1のポリオールの例としては、水素化されたイソマルチュロース、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、または上記のポリオールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。1つの特定の実施形態では、第1のポリオールは水素化されたイソマルチュロースである。イソマルトとしても知られる水素化されたイソマルチュロースは、二糖アルコールである。イソマルトは、イソマルチュロースを水素化することにより調製することができる。この水素化の生成物は、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(1,6−GPS);1−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(1,1−GPS);1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(1,1−GPM);6−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(1,6−GPM);およびこれらの混合物を含む可能性がある。いくつかの市販のイソマルト物質は1,6−GPS、および1,1−GPMのほとんど等モル量の混合物を含む。他のイソマルト物質は、純粋な1,6−GPS;1,1−GPS;1,6−GP;および1,1−GPMを含むことができる。さらに他のイソマルト物質は、いずれかの比の1,6−GPS;1,1−GPS;1,6−GPM;および1,1−GPMの混合物を含むことができる。
【0027】
1つの実施形態では、当該第1のポリオールは、異性体1,6−GPSおよび1,1−GPMの等モル(50:50)混合物を有する水素化されたイソマルチュロースである。水素化されたイソマルチュロースは、約5%の結晶水を含有する無臭の、白色の、結晶性の、非吸湿性の物質である。
【0028】
この第1のポリオールの粒径は、クランチ物質コーティング組成物でコーティングされるべきポリオール粒子を与えるために、例えば粉砕またはふるい分けにより、操作することができる。第1のポリオールの粒子は、約5mm未満、特定すれば約4mm未満、より特定すれば約3.5mm未満のD
90粒径を有する。1つの実施形態では、第1のポリオールの粒子は、約0.5〜約3.5mmのD
90粒径を有する。
【0029】
当該微粒子クランチ物質の中に存在する第1のポリオールの量は、当該微粒子クランチ物質の重量に基づき、約50〜約98重量%、特定すれば約60〜約80%、より特定すれば、約65重量%〜約75重量%である。
【0030】
当該クランチ物質コーティング組成物は、第1のポリオールの表面上にコーティングされる。1つの実施形態では、このクランチ物質コーティング組成物はアラビアガムを含む。当該クランチ物質コーティング組成物の中にアラビアガムが存在すると、当該微粒子クランチ物質によってもたらされるクランチ質の程度が影響を受ける。この第1のポリオール粒子の表面の少なくとも一部分が当該クランチ物質コーティング組成物でコーティングされている一方で、他の実施形態では、ポリオール粒子の表面全体がコーティングされている。いくつかの実施形態では、このクランチ物質コーティング組成物は、第1のポリオールの粒子を完全に取り囲むかまたはコーティングする。他の実施形態では、このクランチ物質コーティング組成物は、第1のポリオールの粒子を、部分的にのみ取り囲むかまたはコーティングする。
【0031】
いくつかの実施形態では、当該クランチ物質コーティング組成物は、第1のポリオールの粒子への付与(塗布)のためのシロップとして配合される。このクランチ物質コーティング組成物の中に存在するアラビアガムの量は、アラビアガムの量が多いほど高められた粘度につながるというように、シロップの形態にあるときのクランチ物質コーティング組成物の粘度に影響を及ぼす。つまり、アラビアガムの量があまりに多すぎると、当該クランチ物質コーティング組成物のシロップは非常に粘性が高くなり、これにより、このコーティング組成物を第1のポリオールの粒子に付与する際の困難さが高まる。しかしながら、アラビアガム含有量があまりに少ないと、所望のクランチ質の程度を与えるのに十分な量のアラビアガムを第1のポリオールの粒子の上に付与するために必要とされるコーティング工程の数が増える。
【0032】
当該クランチ物質コーティング組成物は、このクランチ物質コーティング組成物の重量に基づき、約5〜約50重量%、特定すれば約10〜約40%、より特定すれば、約20重量%〜約30重量%、さらにより特定すれば約25重量%のアラビアガムを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、このクランチ物質コーティング組成物の中のアラビアガムに対する第1のポリオール粒子の重量比は、約20:1〜約0.2:1である。特に、いくつかの実施形態では、アラビアガムに対するポリオール粒子の重量比は、約10:1〜約0.5:1、より特定すれば約4:1〜約1:1である。
【0034】
このクランチ物質コーティング組成物は、ポリオールも含むことができる。当該クランチ物質コーティング組成物の中に含まれるポリオールは、水素化されたイソマルチュロース、マルチトール、キシリトール、エリスリトールおよびこれらのポリオールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される。このポリオールは、第1のポリオールと同じであってもよいし、または第1のポリオールとは異なってもよい。いくつかの実施形態では、第1のポリオールおよびこのクランチ物質コーティング組成物の中のポリオールは同じである。1つの実施形態では、第1のポリオールおよびこのクランチ物質コーティング組成物の中に含まれるポリオールは、ともに水素化されたイソマルチュロースである。
【0035】
当該クランチ物質コーティング組成物がシロップの形態にあるとき、ポリオールを含めることで、クランチ物質コーティング組成物の粘度が低下し、これにより、そのコーティング組成物を第1のポリオールの粒子に付与する際の容易さが増す。クランチ物質コーティング組成物の中のポリオールは、クランチ物質コーティング組成物の重量に基づき、約30〜約95重量%の量で、特定すれば約50重量%〜約80重量%の量で、より特定すれば約40重量%〜約75重量%の量で、さらにより特定すれば約55重量%〜約65重量%の量で存在する。1つの実施形態では、この第2のポリオールは、クランチ物質コーティング組成物の重量に基づき約60重量%の量で存在する。
【0036】
ポリオール以外の他の物質も、そのような物質が、シロップとして配合されたときの当該クランチ物質コーティング組成物の粘度を効果的に下げることができる限り、粘度低下剤として使用することができる。このような物質は、当該クランチ物質コーティング組成物の粘度を低下させるために、単独で、またはポリオールと組み合わせて使用することができる。
【0037】
シロップとして配合されるとき、当該クランチ物質コーティング組成物は、コーティング組成物の約50重量%までの総固形分含量を有する。クランチ物質コーティング組成物の固形分含量が50重量%よりも高いとき、当該シロップの水分含量は下がり、シロップの増粘が生じ、当該コーティング組成物を第1のポリオールの粒子に付与する際の困難さが増す。
【0038】
この微粒子クランチ物質を作製する方法は、第1のポリオールの粒子をクランチ物質コーティング組成物のシロップでコーティングすることを含む。ひとたびクランチ物質コーティング組成物が付与されると、コーティングされた第1のポリオール粒子は乾燥される。このクランチ物質コーティング組成物は、転動造粒、流動床造粒、噴霧乾燥造粒、またはアグロメレーションなどの様々な方法によって、第1のポリオールの粒子に付与することができる。1つの実施形態では、転動造粒方法が使用される。このような方法は、第1のポリオール粒子を、転動造粒コーティング装置の転動チャンバーの中へと供給すること、当該クランチ物質コーティング組成物シロップをこのポリオール粒子へと噴霧すること(この際、この物質は)、ならびに同時に転動チャンバー内でこの物質を転動および回転させることを含む。ポリオール粒子上のクランチ物質コーティング組成物シロップを乾燥するために、調整された空気がコーティングチャンバーへと循環または強制給気されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、当該方法は、ポリオール粒子の表面上の濡れたコーティング層の乾燥を早めるために、微細なコーティング粉末(例えば微細なポリオール粉末)を濡れたポリオール粒子に付与することを任意に含む。この方法は、このコーティングされたポリオール粒子のアグロメレーションが抑制され、コーティングされた粒子の粒径分布範囲が狭くなる、例えば、より均一になるという点で有利である。しかしながら、プロセス工程の数を減らすことにより生産効率を高めるために、コーティング粉末を使用せずにポリオール粒子をコーティングすることも有利である。
【0040】
所望量のクランチ物質コーティング組成物がポリオール粒子に付与されるまで、特に、十分なクランチ質の程度をもたらすためのアラビアガムの量がポリオール粒子上にコーティングされるまで、コーティング工程は、繰り返される。より特定すれば、当該微粒子クランチ物質が、この微粒子クランチ物質の総重量(乾燥重量)に基づき、約0.5〜約10重量%、特定すれば約2〜約8重量%、より特定すれば約4重量%〜約5重量%の量のアラビアガムを含むまで、当該クランチ物質コーティング組成物は付与される。従って、コーティング工程の総数は、クランチ物質コーティング組成物の中に存在するアラビアガムの量に依存する。このクランチ物質コーティング組成物の中に存在するアラビアガムの量が約25重量%未満であるとき、所望の量のアラビアガムをポリオール粒子上に与えるために、コーティング工程の数は増やされる。しかしながら、当該クランチ物質コーティング組成物の中に存在するアラビアガムの量が約25重量%を超えるとき、当該クランチ物質コーティング組成物のシロップは増粘し始め、当該微粒子クランチ物質にクランチ質の程度の向上をもたらさずに、ポリオール粒子のコーティングをより困難にする。従って、ポリオール粒子上のコーティングの最終厚さは、クランチ物質コーティング組成物の中に存在するアラビアガムの量によって決定される。
【0041】
当該微粒子クランチ物質の最終粒径は、第1のポリオールの粒径およびクランチ物質コーティング組成物の厚さに依存する。1つの実施形態では、当該微粒子クランチ物質は、約0.5mm〜約4mmのD
90粒径を有する。特定すれば、当該微粒子クランチ物質は、約4.0mm未満、より特定すれば約2mm未満、さらにより特定すれば約1.5mm未満の粒径を有することができる。1つの実施形態では、当該微粒子クランチ物質は、約1.0〜約1.4mmのD
90粒径を有する。
【0042】
当該微粒子クランチ物質は、着香剤、染料および/または着色剤を任意に含む。この香料、染料、および着色料は、クランチ物質コーティング組成物のシロップの中に組み込まれる。
【0043】
ポリオール組成物
いくつかの実施形態では、ポリオールの粒子および無機材料の粒子を含むポリオール組成物が提供される。このポリオール組成物の中に含まれるポリオール粒子は、吸湿性ポリオール粒子である。「吸湿性(の)」ポリオールは、その周囲から容易に水を吸収するポリオールを指し、他方で、「非吸湿性(の)」ポリオールは、その周囲から容易に水を吸収しないポリオールを指す。「低吸湿性」を持つポリオールは、その周囲から非常に少ない水しか吸収しない。当該無機材料の粒子は、ポリオール粒子の上にコーティングされ、無機材料の粒子でコーティングされていないポリオールと比べて、低下した吸湿性を有するポリオール組成物を生じる。
【0044】
吸湿性ポリオールの例としては、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトール、ポリグリシトールおよびこれらのポリオールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される吸湿性ポリオールが挙げられる。1つの実施形態では、吸湿性ポリオールはソルビトールである。
【0045】
ソルビトールの吸湿性は、他のポリオールの吸湿性よりもかなり高い。ソルビトールは水に対して高い親和性を有し、相対湿度が約65%に到達すると、環境から水分を吸収し始める。結果として、チューインガム配合物の中にソルビトールを含めると、高相対湿度条件での低品質の表面仕上げおよび全体的な粘着性につながる。さらに、ソルビトールを含む液体充填部チューインガム組成物は、その液体充填部組成物から液体を吸収し、従って、その液体充填部ガムに液体性の喪失をもたらすという好ましくない特性も有する。
【0046】
無機材料を用いた吸湿性ポリオール粒子のコーティングは、当該ポリオールの、環境から水を吸収する能力を効果的に低減するということが見出された。無機材料を用いた吸湿性ポリオール粒子のコーティングは、より微細な等級のポリオールの集塊化の減少を生じるということも見出された。低下した吸湿性を有するポリオール組成物を液体中心充填部チューインガムの中に含めることで、液体中心フィリングからの中心充填部成分の液体性の喪失が効果的に減らされるということがさらに見出された。
【0047】
いくつかの実施形態では、ポリオール組成物であって、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトール、ポリグリシトールおよび上記のポリオールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択されるポリオールの粒子、ならびに無機材料の粒子を含み、この無機材料の粒子は、このポリオール粒子の上にコーティングされているポリオール組成物が提供される。得られたポリオール組成物は低下した吸湿性を有する。
【0048】
当該無機材料の粒子は、50μm未満のD
50粒径を有する。特定すれば、この無機材料の粒子は、30μm未満、特定すれば10μm未満、より特定すれば1μm未満、さらにより特定すれば0.5μm未満、またはなおさらにより特定すれば0.1μm未満のD
50粒径を有する。
【0049】
この無機材料は、ヒュームドシリカ、ケイ酸カルシウム、タルク、珪藻土、軽石粉、カオリン、ベントナイト、ゼオライト、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびこれらの無機材料のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択されるが、これらに限定されるわけではない。
【0050】
いくつかの実施形態では、ポリオール組成物の中の無機材料の粒子に対するポリオールの粒子の重量比は約10:1〜約100:1である。より特定すれば、無機材料の粒子に対するポリオールの粒子の重量比は約24:1〜約99:1である。1つの実施形態では、この無機材料は、ポリオール組成物の中に存在するポリオールの粒子および無機材料の粒子の総重量に基づき、約0.2〜約4重量%の量で存在する。
【0051】
当該無機材料は、ポリオール粒子の表面上に少なくとも部分的にコーティングされている。いくつかの実施形態では、この無機材料は、このポリオールの粒子を完全に取り囲むかまたはコーティングする。他の実施形態では、この無機材料は、ポリオールの粒子を部分的にのみ取り囲むかまたはコーティングする。さらに別の実施形態では、無機材料は、ポリオール粒子の表面を実質的に覆う。無機材料の付与に先立ってポリオール粒子の表面を濡らすために、任意に、アルコールまたは水などの結合用液体が使用される。
【0052】
無機材料の粒子を用いたポリオール粒子のコーティングの後、当該ポリオール組成物の粒子は500μm未満のD
50粒径を有する。特定すれば、当該ポリオール組成物の粒子は、250μm未満、より特定すれば100μm未満、さらにより特定すれば50μm未満、さらにより特定すれば30μm未満のD
50粒径を有する。
【0053】
当該ポリオール組成物を作製する方法は、ポリオールの粒子を無機材料の粒子と合わせることと、粉末をブレンドするために典型的に使用される装置、例えば、リボンブレンダーまたはV blenderの中で、これらの粒子を一緒に混合することを含む。1つの実施形態では、ポリオール粒子がリボンブレンダーに加えられ、その後、所定の時間にわたって無機材料が徐々に加えられる。次いでこれらの粒子は、それらが十分にブレンドされるまで、混合される。
【0054】
理論は明らかではないが、吸湿性ポリオールの粒子を無機材料の粒子でコーティングすることで、そのポリオールの吸湿性の性質が効果的にマスクされ、これにより、ポリオール粒子自体の、液体中心充填部から、あるいは環境から水分を吸収する能力が低下すると考えられる。従って、低下した吸湿性を有するポリオール組成物を増量剤および/または甘味料としてチューインガム組成物の中に含めることで、未処理のポリオールを含有するチューインガム粒子と比べて、表面粘着性が効果的に低減され、ガムの表面仕上げが向上する。さらに、液体中心充填部を含む多領域チューインガムでは、低下した吸湿性を有するポリオール組成物を使用して、液体充填部組成物における液体性の喪失を効果的に低減させることができる。
【0055】
チューインガム組成物
本願明細書に開示されるチューインガム組成物は、製造されるガムのタイプ、すなわちチューインガムまたは風船ガムに合うように変更することができる。本願明細書で使用する場合、用語「風船ガム」および「チューインガム」はほとんど同義で使用され、ともにあらゆるガム組成物を包含することが意図されている。
【0056】
当該チューインガム組成物はコーティングされていてもよいし、またはコーティングされていなくてもよく、厚板、板ガム、ペレット、ボールなどの形態にあることができる。このチューインガム組成物の異なる形態の組成は同様であろうが、原料の比に関して変更されていてもよい。例えば、コーティングされたチューインガム組成物は、より低い百分率の軟化剤を含有することができる。ペレットおよびボールは、硬いシェルを作り出すために砂糖溶液またはシュガーレス溶液のいずれかでコーティングされているチューインガムコアを有する。厚板および板ガムは、通常、チューインガムコアよりも質感が柔らかいように配合される。ある場合には、ヒドロキシ脂肪酸塩または他の界面活性剤活性物は、ガムベースに対して軟化効果を及ぼす。
【0057】
中心充填ガムは、別の好適なチューインガム形態である。このチューインガム部分は、上記のものと類似の組成および製造の態様を有する。しかしながら、中心充填部は、典型的には水性の液体またはゲルであり、これらは、加工の間にガムの中心へと注入される。低下した吸湿性を有するポリオール組成物および/または微粒子クランチ物質は、任意に、充填部の製造中に中心充填部へと組み込まれるか、全体のガム組成物に直接もしくは全体のガム組成物のチューインガム部分へと組み込まれるか、またはその両方でもよいであろう。中心充填ガムは、任意にコーティングすることもできるし、種々の形態で、例えばロリポップの形態で調製することもできる。
【0058】
当該チューインガム組成物は、ガムベース、増量甘味料、高甘味度甘味料、香料、着色剤、感覚剤(センセート)、ならびに、口腔ケア剤、咽頭無痛化剤、香辛料、歯白色化剤、呼気清涼化剤、ビタミン、ミネラル、カフェイン、薬物(例えば、医薬、ハーブ類、および栄養補給剤)、香味調節因子または増強剤、口内湿潤化剤、香味増進組成物、抗酸化物質、無機質アジュバント、増量剤、酸味料、緩衝剤、増粘剤、防腐剤などを含めたいずれかの他の任意の添加物を含む。これらの添加物のうちの少なくとも1つを含む組み合わせが使用されることが多い。
【0059】
当該チューインガム組成物で用いられるガムベースは、所望のベースのタイプ、所望のガムの粘稠度、および最終のチューインガム製品を作製するためにこの組成物で使用される他の成分などの要因に依存して変わってもよい。このガムベースは、当該技術分野で公知のいずれの水に不溶性のガムベースであってもよく、チューインガムおよび風船ガムについて利用されるガムベースを包含する。ガムベースの中の好適なポリマーの具体例としては、天然ならびに合成のエラストマーおよびゴム類が挙げられる。これに関して、ガムベースとして好適であるポリマーとしては、チクル、天然ゴム、クラウンガム、ニスペロ(nispero)、ロシジンハ(rosidinha)、ジェルトング(jelutong)、ペリーロ(perillo)、ニガーグッタ(niger gutta)、ツヌ(tunu)、バラタ(balata)、ガッタパーチャ、レチカプシ(lechi capsi)、ソルヴァ(sorva)、グッタカイ(gutta kay)、これらの混合物などの植物に由来のエラストマーが挙げられるが、これらに限定されない。ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、ポリエチレン、これらの混合物などの合成エラストマーも、有用である。好適なガムベースとしては、ポリ酢酸ビニルおよびその部分加水分解生成物、ポリビニルアルコール、ならびにこれらの混合物などの無毒なビニルポリマーも挙げることができる。利用されるとき、これらのビニルポリマーの分子量は約2,000〜約94,000ダルトン(Da)の範囲であることができる。
【0060】
用いられるガムベースの量は、使用されるベースのタイプ、所望のガムの粘稠度、および最終のチューインガム製品を作製するためにこの組成物で使用される上記他の成分などの種々の要因に依存して、大きく変わることになろう。一般に、ガムベースは、最終のチューインガム組成物の約5重量%〜約50重量%の量、または約15重量%〜約40%の量、より特定すれば最終のチューインガム製品の約20重量%〜約35重量%の量で存在することになろう。
【0061】
ガムベースは、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、グリセリルトリアセテート、グリセリルレシチン、グリセリルモノステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、アセチル化モノグリセリド、グリセリン、これらの混合物などの可塑剤または軟化剤も含むことができる。ワックス、例えば、天然および合成のワックス、硬化植物油、有機ワックス(ポリウレタンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、微結晶性ワックス、脂肪ワックスなど)、ソルビタンモノステアレート、獣脂、ポリプロピレングリコール、これらの混合物なども、ガムベースに組み込むことができる。このような物質は、様々な望ましい質感および粘稠度特性を与えるためにガムベースの中に組み込まれる。これらの原料が低分子量であることから、これらの原料はガムベースの基本構造に侵入でき、これを可塑性、かつ低粘度にする。これらのさらなる物質は、一般に、ガムベースの約18重量%までの量、特定すれば約5重量%〜約18重量%の量、より特定すれば約10重量%〜約14重量%の量で用いられる。
【0062】
1つの実施形態では、当該軟化剤は、市販の米国薬局方(USP)等級などのグリセリンである。グリセリンは、甘く好ましい味のシロップ状の液体であり、甘蔗糖の約60%の甘味を有する。
【0063】
このガムベースは、充填剤および質感付与剤(textural agent)としての役割を果たすことができる無機質アジュバントなどの、有効量の増量剤を含むことができる。このような無機質アジュバントの例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウムなど、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの充填剤またはアジュバント(佐剤)は、種々の量でガムベースにおいて使用することができる。特定すれば、使用されるとき、充填剤の量は、ガムベースの約0重量%〜約60重量%、より特定すればガムベースの約20重量%〜約30重量%の量で存在することができる。
【0064】
使用に好適な追加的な増量剤(担体、エクステンダー)としては、単糖、二糖、多糖、糖アルコールから選択される甘味剤;ポリデキストロース;マルトデキストリン;炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、リン酸二カルシウムなどのミネラル、または上記の甘味剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。増量剤は、最終のガム組成物の約90重量%まで、特定すれば約40重量%〜約70重量%、より特定すればガム組成物の約50重量%〜約65重量%の量で使用することができる。
【0065】
着色剤、抗酸化物質、防腐剤などの、有効量の様々な慣用的な原料が、さらにこのガムベースの中に含まれてもよい。例えば、二酸化チタン、ならびにF.D.&C.染料として公知の食品、薬物および化粧品用途に好適な他の染料を利用してもよい。ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、およびこれらの混合物などの抗酸化物質も含めてよい。チューインガムの技術分野の当業者に公知の他の従来のチューインガム添加物も、当該チューインガムベースにおいて使用することができる。
【0066】
当該ガムベースを含有するチューインガム組成物は、有効量の、非スクロース甘味剤(甘味料)、可塑剤、軟化剤、乳化剤、ワックス、充填剤、増量剤(担体、エクステンダー)、無機質アジュバント、着香剤(香料、香味物質)、着色剤(coloring−agent)(着色料、着色剤(coloring))、抗酸化物質、酸味料、増粘剤など、またはこれらの添加物のうちの少なくとも1つを含む組み合わせから選択される従来の添加物を含むことができる。これらの添加物のうちのいくつかは複数の目的を果たすことができる。例えば、シュガーレスチューインガム組成物では、ソルビトールまたは他の糖アルコールまたはこれらの混合物などの甘味料は、増量剤としても機能することができる。
【0067】
甘味剤としては、糖甘味料、シュガーレス甘味料、高甘味度甘味料、またはこれらの甘味剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。
【0068】
糖甘味料は、一般に糖類を含む。好適な糖甘味料としては、スクロース(砂糖)、デキストロース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(果糖)、ラクトース、転化糖、フラクトオリゴ糖シロップ、部分的に加水分解したデンプン、コーンシロップ固形物(高フルクトースコーンシロップなど)、またはこれらの甘味料のうちの少なくとも1つを含む組み合わせなどの(これらに限定されない)単糖類、二糖類および多糖類が挙げられる。
【0069】
好適なシュガーレス甘味剤としては、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、水素化されたイソマルチュロース(イソマルト)、ラクチトール、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、ステビアまたはこれらのシュガーレス甘味剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせなど(これらに限定されない)の糖アルコール(またはポリオール)が挙げられる。
【0070】
高甘味度甘味料は、水溶性の甘味料、水溶性の人工甘味料、天然に存在する水溶性の甘味料から誘導される水溶性の甘味料、ジペプチド系甘味料、またはこれらの高甘味度甘味料のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含む広い範囲の物質から選択される。
【0071】
当該ガムベースでの使用に好適な、上で論じた可塑剤、軟化剤、無機質アジュバント、着色剤、ワックス類および抗酸化物質も、当該ガム組成物で使用することができる。使用することができる他の従来の添加物としては、レシチンおよびグリセリルモノステアレートなどの乳化剤、メチルセルロース、アルギン酸塩もしくはアルギン酸エステル、カラギーナン、キサンタンガム、ゼラチン、イナゴマメ、トラガント、ローカストビーン、およびカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤(単独で、または他の軟化剤と組み合わせて使用される)、リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸およびこれらの混合物などの酸味料、ならびに無機質アジュバントのカテゴリーですでに論じたものなどの充填剤が挙げられる。使用されるとき、この充填剤は、ガム組成物の約60重量%までの量で利用することができる。
【0072】
着香剤としては、天然香料および人工香料などの当業者に公知の香料が挙げられる。これらの香味物質は、合成の香味油および芳香のある芳香物質ならびに/もしくは植物、葉、花、果実などに由来する油、オレオレジンおよびエキス、またはこれらの香味物質のうちの少なくとも1つを含む組み合わせから選ぶことができる。非限定的な代表的な香味油としては、スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーンの油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズクの油、オールスパイス、セージの油、メース、クヘントウの油、およびケイヒ油が挙げられる。また、有用な香味物質は、バニラ、および柑橘油(レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツが挙げられる)、ならびにフルーツエッセンス(リンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット、などが挙げられる)などの人工の、天然のおよび合成のフルーツ香料である。これらの着香剤は、液体または固体形状で用いてよく、個々にまたは混合物として用いてもよい。一般に使用される香料としては、ペパーミント、メントールなどのミント、人工バニラ、シナモン誘導体、および様々なフルーツ香料が挙げられ、個々にまたは混合物として用いられる。
【0073】
他の有用な香味物質として、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール(methylamisol)などのアルデヒドおよびエステルを使用することができる。一般に、全米科学アカデミー(National Academy of Sciences)によるChemicals Used in Food Processing、出版物1274、63−258頁に記載のもののような、香味物質または食品添加物のいずれも用いてよい。
【0074】
着香剤は、当該技術分野で周知の多くの異なる物理的形態で用いて、香味の初期噴出および/または香味の感覚の長期化を提供するようにしてよい。限定しないが、このような物理的形態には、遊離型(スプレードライ型、粉末型、ビーズ型等)、および封入型、またはこれらの物理的形態のうちの少なくとも1つを含む組み合わせが含まれる。
【0075】
この着香剤は、一般に、チューインガム組成物の約0.1〜約12重量%、より特定すれば約0.1〜約10重量%さらにより特定すれば、約0.5重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0076】
当該組成物で有用な着色剤は、所望の色を生成するのに有効な量で使用される。これらの着色剤としては色素が挙げられ、この色素は、当該ガム組成物の約6重量%までの量で組み込むことができる。1つの実施形態では、色素二酸化チタンは、当該ガム組成物の約2重量%まで、特定すれば約1重量%未満の量で組み込まれる。着色料としては、天然食品着色料、ならびに食品、薬物および化粧品での適用に好適な染料も挙げてよい。これらの着色料は、F.D.&C.色素およびレーキ類として公知である。上記の使用に許容できる物質は、特に水溶性である。F.D.&C.着色料、およびそれらの対応する化学構造のすべての完全な詳説は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第5巻、857〜885頁に示され、この本文は、参照により本願明細書に援用したものとする。
【0077】
当該チューインガム組成物の中に含まれてもよい口腔ケア剤としては、呼気清涼化剤、歯の白色化剤、抗菌薬、歯の鉱化剤、虫歯阻害剤、局所麻酔薬、粘膜保護剤、汚れ除去剤、口腔洗浄剤、漂白剤、減感剤、歯科再石灰化剤、抗菌剤、虫歯予防剤、プラーク酸緩衝剤、界面活性剤および歯石予防剤、またはこれらの口腔ケア剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。このような原料の非限定的な例としては、加水分解剤(タンパク質分解酵素を包含する)、水和シリカ、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムおよびアルミナなどの研磨剤、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸化ブチルオレエート、オレイン酸ナトリウム、フマル酸の塩、グリセロール、ヒドロキシル化レシチン、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤を含めた表面活性剤、ならびに典型的には歯石コントロール成分として用いられるポリリン酸塩などのキレート剤などの他の活性汚れ除去成分を挙げることができる。口腔ケア成分としては、ピロリン酸四ナトリウムおよびトリ−ポリリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、キシリトール、ヘキサメタリン酸ナトリウムも挙げることができる。
【0078】
加えて、好適な口腔ケア剤としては、過酸化カルバミド、過酸化カルシウム、過酸化マグネシウム、過酸化ナトリウム、過酸化水素、およびペルオキシジホスフェートなどの過酸化物が挙げられる。いくつかの実施形態では、硝酸カリウムおよびクエン酸カリウムが含まれる。他の例としては、カゼイングリコマクロペプチド、カルシウムカゼインペプトン−リン酸カルシウム、カゼインホスホペプチド、カゼインホスホペプチド−非晶性リン酸カルシウム(CPP−ACP)、および非晶性リン酸カルシウムを挙げることができる。さらに他の例としては、パパイン、クリラーゼ、ペプシン、トリプシン、リゾチーム、デキストラナーゼ、ミュータナーゼ、グリコアミラーゼ、アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、またはこれらのうちの少なくとも1つを含む組み合わせを挙げることができる。
【0079】
好適な口腔ケア剤としては、予防的作用を高めて、当該口腔ケア成分をより美容的に許容できるものにする界面活性剤が挙げられる。口腔ケア剤として使用される界面活性剤としては、当該組成物に洗浄性および発泡特性を付与する洗浄性物質を挙げることができる。好適な界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、リシノール酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、硬化ココナッツ油脂肪酸のモノ硫酸化モノグリセリドのナトリウム塩などの高級脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸の水溶性の塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高級アルキルスルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホネート、高級アルキルスルホアセテート、ラウリルスルホアセテートナトリウム、1,2−ジヒドロキシプロパンスルホネートの高級脂肪酸エステル、および低級脂肪族アミノカルボン酸化合物の実質的に飽和高級脂肪族アシルアミド、例えば脂肪酸、アルキルまたはアシルラジカルなどの中に12〜16個の炭素を有するものなどが挙げられる。最後に挙げたアミドの例は、N−ラウロイルサルコシン、およびN−ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルサルコシン、またはN−パルミトイルサルコシンのナトリウム、カリウム、およびエタノールアミン塩である。
【0080】
界面活性剤に加えて、口腔ケア成分としては、トリクロサン、クロルヘキシジン、クエン酸亜鉛、硝酸銀、銅、リモネン、および塩化セチルピリジニウムを含む抗菌剤を挙げることができる。
【0081】
虫歯予防剤としては、フッ化物イオン、フッ素をもたらす成分(例えば、無機のフッ化物塩)、可溶性アルカリ金属塩(例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム)、およびフッ化スズ、(例えば、フッ化第一スズおよび塩化第一スズ、フッ化第一スズカリウム(SnF2−KF)、ヘキサフルオロ第二スズ酸ナトリウム、塩化フッ化第一スズなど)を挙げることができる。
【0082】
さらなる例は、以下の米国特許(参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)に含まれる:Reynoldsらの米国特許第5,227,154号、Greenbergらの同第5,378,131号およびHolmeらの同第6,685,916号。
【0083】
当該チューインガムを製造するために有用な装置は、チューインガム製造の技術分野で周知の混合および加熱装置を具え、それゆえ特定の装置の選択は、当業者には明らかである。チューインガムを調製する際には、組成物は、ガムベースを本願明細書に記載される微粒子クランチ物質または低下した吸湿性を有するポリオール組成物、および最終の所望の組成物の他の原料と混合することによって作製される。他の原料は、通常、当業者に周知のとおり、所望の組成物の性質によって決定される、組成物へと組み込まれることになる。最終のチューインガム組成物は、食品技術および医薬品分野で一般に公知の方法を使用して容易に調製される。
【0084】
例えば、ガムベースは、ベースの物理的および化学的構成に悪影響を及ぼすことなくベースを軟化させるのに十分に高い温度に加熱される。利用される最適の温度は、使用されるガムベースの組成に応じて変わるが、このような温度は、過度の実験をすることなく当業者が容易に決定する。このガムベースは、従来、約60℃〜約120℃の範囲に及ぶ温度で、ベースを溶融した状態にするのに十分な時間、溶融される。例えば、ガムベースは、ブレンド物を可塑化するとともに、ベースの硬度、粘弾性および成形性を調節するための、ガムの残りの原料、例えば可塑剤、軟化剤、増量剤、甘味料、微粒子クランチ物質、低下した吸湿性を有するポリオール組成物および/または充填剤、着色剤および着香剤と漸増的に混合される直前に、約30分間の間、そのような条件下で加熱することができる。ガム組成物の均一な混合物が得られるまで、混合は続けられる。そのあと、ガム組成物混合物は、望ましいチューインガムの形状へと形成することができる。
【0085】
本願明細書に記載される多要素系の、液体充填部ガム組成物は、Degadyらの米国特許第6,280,780号明細書(「Degady」)(この特許文献は、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)に記載の方法を含め、当該技術分野で公知のいかなる技術で形成してもよい。Degadyは、中心充填ガムペレットを形成するための装置および方法を記載している。その方法は、まず、チューインガム層の液体充填されたロープを押出すこと、およびそのロープを一連の対のプーリ状ローラ部材を含むサイズ決定機構に通すことを含む。ローラ部材は、打錠機構に導入するのに望ましいサイズおよび形状でガム物質のロープまたはストランドが当該一連のローラを離れるように、ガム物質のロープまたはストランドを「サイズ決定」する。
【0086】
次いで、ロープは、一対の回転チェーンダイ部材を含む打錠機構に導かれる。この一対の回転チェーンダイ部材は、エンドレスのチェーン機構であり、双方がモータおよびギア機構によって同じ速度で回転する。チェーン機構の各々は、ガム物質のピース(ペレットまたは錠剤)が形成されるダイ空洞を対合、形成させる複数の開放湾曲ダイ溝部材を含む。Degadyは、ペレットまたは錠剤の形状をしたピースの形成に限られるが、ガムピースは前記のような他の形状であってもよい。ダイ溝部材の形状を変更して、何らかの所望の形状を提供してもよい。
【0087】
チューインガムは任意に、打錠機構に入れる前、打錠機構を出した後のいずれか、またはその両方に、冷却トンネルを通してもよい。打錠機構に入る前のロープの冷却は、個々のピースの反跳を妨げるのに有利である可能性があり、よって生産性の増大をもたらす可能性がある。
【0088】
ガム物質の冷却済みピースは、次いで順化およびさらなる加工用の保存容器内に送られる。この時点で、ガム物質の冷却済みピースは、回転トンネル機構などのコーティングトンネル機構へと直接送ることができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、チューインガム物質の上に硬質の外側シェルを形成するために、個々のガムピースは、従来の砂糖またはシュガーレスのコーティングプロセスを使用して、水性の外部コーティング組成物でコーティングされる。このようなコーティングは、当該技術分野で公知のいずれかの方法によって付与され、そして硬質またはクランチ質であることができる。一般に、このコーティングは、ガム製品の上に適切な均一なコーティングされ仕上げられた品質の表面を形成するために、数多くの薄層の物質として付与される。ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、および他の結晶性ポリオール(本願明細書に記載されるものを含む)、ならびに任意に香味物質を含むことができる硬質コーティング物質は、ペレットが、コーティング機構またはコーティングトンネルを通過し、その中で転動および回転される際に、ガム物質のペレットに噴霧される。加えて、形成した製品上の連続コーティング層の各々を乾燥するために、調整された空気がコーティングトンネルまたはコーティング機構内に循環されるか、または強制給気される。
【0090】
コーティング自体を通してチューインガム組成物が見えなくなるように、この外側コーティングは、存在する場合、いくつかの薄い、不透明な層を含むことができ、これらを審美的、質感的および保護目的でさらなる1以上の透明層で任意に被覆することもできる。外側コーティングはまた、少量の水およびアラビアガムを含有してもよい。外側コーティングはさらに、ワックスでコーティングできる。外側コーティングは、コーティング溶液の連続的な施用により、各コーティングの間で乾燥しながら従来法にて付与してよい。外側コーティングが乾燥するにつれ、それは通常不透明になり、普通は白色であるが、他の着色剤を添加してもよい。独特の製品の特徴を与えるために、香料もこの外側コーティング組成物に加えることができる。ポリオールコーティングはさらに、ワックスでコーティングされてもよい。このコーティングは、さらに着色された薄片または斑点を含むことができる。
【0091】
種々の他のコーティング組成物、およびソフトパンニング、二重押出または多重押出、積層などが挙げられる(これらに限定されない)、作製する方法も企図される。従って、いくつかの実施形態では、このコーティングは非晶性または結晶性であってもよく、得られた質感は、硬質、クランチ質、クリスピー、軟質、またはチューイーであることができる。
【0092】
クランチ質チューインガム
噛まれている間長く続くクランチを提供しかつ商業的に許容できる貯蔵時間を有するクランチ質チューインガム組成物が本願明細書に開示される。いくつかの実施形態では、このクランチ質チューインガムは、ガムベースおよび微粒子クランチ物質を含むガムコアを有する。この微粒子クランチ物質は、クランチ物質コーティング組成物でコーティングされた第1のポリオールの粒子から構成される。1つの実施形態では、このクランチ物質コーティング組成物はアラビアガムを含む。別の実施形態では、アラビアガムに対する第1のポリオール粒子の重量比は約4:1〜約1:1である。
【0093】
当該クランチ質チューインガムは、いずれのタイプのガム、すなわちチューインガムまたは風船ガムであってもよく、慣用的なガム形態、すなわち板ガム、ブロック、硬コーティングされたペレットなどのいずれで提供されてもよい。1つの実施形態では、このクランチ質チューインガムはペレットガムである。
【0094】
ガムコアはガムベースを含み、本願明細書中でこれまでに記載されたとおりのチューインガムの技術分野で公知のいずれの成分をさらに含むことができる。このクランチ質チューインガムを調製する際には、ガムコアは、ガムベースを当該微粒子クランチ物質および最終の所望の組成物の他の原料と混合することにより作製される。従って、この微粒子クランチ物質は、チューインガム配合物内に内部に、例えばガムコア内に組み込まれる。特定の実施形態によれば、この微粒子クランチ物質は、内部に存在するので、このクランチは、硬コーティングされたガム製品を取り囲むコーティングには由来しない。
【0095】
この微粒子クランチ物質は、噛んでいる間にクランチを与えるサイズ範囲で用いられる。微粒子クランチ物質の粒径は、第1のポリオールの粒径およびクランチ物質コーティング組成物の厚さに依存する。この微粒子クランチ物質は、約0.5mm〜約4mmのD
90粒径を有する。特定すれば、この微粒子クランチ物質は、約4.0mm未満、より特定すれば約2mm未満、さらにより特定すれば約1.5mm未満の粒径を有することができる。1つの実施形態では、この微粒子クランチ物質は、約1.0〜約1.4mmのD
90粒径を有する。
【0096】
完成したチューインガム製品の中で使用される微粒子クランチ物質の量は、クランチ製品を調製する際に得られる最終の粒径分布および所望の効果、すなわち所望の量の「クランチ質」を含めたいくつかの要因に依存する。いくつかの実施形態では、この微粒子クランチ物質は、約10重量%〜約50重量%、特定すれば約20重量%〜約40重量%、より特定すれば約25重量%〜約35重量%の量でガムコアに加えられる。1つの実施形態では、当該微粒子クランチ物質は、チューインガムコアの重量に基づいて、30重量%の量でガムコアに加えられる。
【0097】
これまでに記載されたとおり、当該微粒子クランチ物質は、この微粒子クランチ物質に着色された外観を与えるために、染料および/または着色剤を任意に含有することができる。従って、チューインガム組成物のガムコアの中に着色剤または染料を含有する微粒子クランチ物質が分布することで、「斑点付きの」外観をチューインガムコアに与えることができる。いくつかの実施形態では、着色された微粒子クランチ物質を含むガムコアを含むクランチ質チューインガムが提供され、そしてこのクランチチューインガムは斑点付きの外観を有する。
【0098】
当該ガムコアは、未処理のポリオールをも含むことができる。この未処理のポリオールは、ガムコアの重量に基づいて、約1重量%〜約50重量%の量で、特定すれば約5重量%〜約30重量%の量で、より特定すれば約10〜約20重量%の量でガムコアの中に存在することができる。
【0099】
チューインガム組成物のクランチ質をさらに高めて広げるために、当該クランチ質チューインガム組成物は、水不溶性微粒子物質をさらに含むことができる。
【0100】
この水不溶性微粒子物質は、無機微粒子物質または有機微粒子物質であることができる。
【0101】
1つの実施形態では、この水不溶性微粒子物質は無機微粒子物質である。無機微粒子物質の例としては、石英ガラス、軽石粉、珪藻土、カオリン、ベントナイト、ゼオライト、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびこれらの無機微粒子物質のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態では、水不溶性微粒子物質は石英ガラスである。石英ガラスは、酸化アルミニウム、酸化カリウム、酸化第一鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、および酸化チタンなどの少量の他の金属酸化物と組み合わせて、主に非晶性シリカ(二酸化ケイ素)(特定すれば約75%)から構成される。
【0102】
別の実施形態では、この水不溶性微粒子物質は水不溶性有機微粒子物質である。水不溶性有機微粒子物質の例としては、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸カルシウム、水素化された植物性脂肪(有機溶媒中)、セルロース粉末、微結晶セルロース、親水コロイド、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、デンプン、デキストリン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアセチルフタレート(PVAP)、およびこれらの有機微粒子物質のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択されるものが挙げられる。
【0103】
この水不溶性微粒子物質は小さい粒径を有する。特定すれば、この水不溶性微粒子物質は、約5μm〜約60μm、より特定すれば約8〜約30μm、さらにより特定すれば約10〜約15μmのD
50粒径を有する。1つの実施形態では、この水不溶性微粒子物質は約12μmのD
50粒径を有する。
【0104】
チューインガム組成物の中に含まれるとき、この水不溶性微粒子物質は、使用者によって知覚可能なかすかな研磨特性を呈する。特に、当該水不溶性微粒子物質を含有するチューインガム組成物の咀嚼によって、そのチューインガム組成物が「マイクロスクラバー(micro−scrubbers)」を含有するという知覚が使用者にもたらされる。これによりこの水不溶性微粒子物質は、チューインガム組成物に、そのガムが噛まれているときの感覚的効果(sensory effect)をもたらす。さらに、この水不溶性微粒子物質は水に溶解性ではないので、この水不溶性微粒子物質は、咀嚼の間の、唾液への曝露の際に可溶化されず、従ってこの水不溶性微粒子物質の感覚的効果は噛むことの継続期間にわたって維持される。
【0105】
この水不溶性微粒子物質は、クランチ質チューインガムのガムコアに含まれる。水不溶性微粒子物質は、一般に、ガムコアの重量に基づいて、約0.01〜約10重量%、特定すれば約0.05〜約5重量%、より特定すれば約0.1〜約2重量%、またはさらにより特定すれば約0.5〜約1.5重量%の量で存在する。1つの実施形態では、この水不溶性微粒子物質は、チューインガムコアの重量に基づいて、約1重量%の量で存在する。
【0106】
いくつかの実施形態では、このクランチ質チューインガムは、チューインガムコア上にクランチ質の外側コーティングを含む。このようなコーティングされた組成物は、チューインガム製品の中心またはガムコア部分としてのクランチ質チューインガム組成物、およびこのガムコア部分を取り囲むクランチ質の外側コーティングを含有する。このクランチ質の外側コーティングは、マルチトール、水素化されたイソマルチュロース、エリスリトール、キシリトール、またはこれらのポリオールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせから選択されるポリオールを含む。
【0107】
外側コーティング組成物は、約2〜約60重量%、特定すれば全ガムピースの約25重量%〜約40重量%、より特定すればガムピースの約30重量%の量で存在することができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、コーティングされたクランチ質チューインガムは、約60重量%〜約75重量%の、当該微粒子クランチ物質を含むガムコアと、約25重量%〜約40重量%の、このチューインガムコア上の外側コーティングとを含む。このコーティングされたクランチ質チューインガムは、これまでに記載されたとおりの、当業者に公知の標準的な技法および設備を使用して調製することができる。
【0109】
多要素系チューインガム
低下した吸湿性を有するポリオール組成物を含有する多要素系チューインガムが本願明細書に開示される。この多要素系チューインガム組成物は、少なくとも1つの液体充填部組成物と、この液体充填部組成物に隣接しかつそれを取り囲むガム領域とを含む。1つの実施形態では、液体充填部組成物と、この液体充填部組成物を取り囲むガム領域であって、このガム領域は、ガムベースおよび低下した吸湿性を有するポリオール組成物を含むガム領域とを含むチューインガム組成物が提供される。低下した吸湿性を有するポリオール組成物は、吸湿性ポリオールの粒子および無機材料の粒子を含み、この吸湿性ポリオールの粒子はこの無機材料の粒子でコーティングされている。
【0110】
多要素系チューインガム組成物のガム領域に低下した吸湿性を有するポリオール組成物を含めることで、液体充填部組成物からの液体性の喪失を効果的に下がることが見出された。理論は明らかではないが、吸湿性ポリオールの粒子を無機材料の粒子でコーティングすることにより、ポリオールの吸湿性の性質が効果的にマスクされ、これによりポリオール粒子の、液体中心充填部から、あるいは環境から水分を吸収する能力が低下すると考えられる。従って、チューインガム組成物の中に低下した吸湿性を有するポリオール組成物を、増量剤および/または甘味料として含めることで、未処理のポリオールを含有するチューインガム粒子と比べて、表面粘着性が効果的に低減され、ガムの表面仕上げが向上する。さらに、液体充填部組成物を含むチューインガム組成物では、低下した吸湿性を有するポリオール組成物を使用して、液体充填部組成物における液体性の喪失を効果的に低減させることができる。
【0111】
当該多要素系チューインガムのガム領域はガムベースを含み、本願明細書中にこれまでに記載されたとおりのチューインガムの技術分野で公知のいずれの成分をさらに含むことができる。多要素系チューインガムの中のガム領域は、液体充填部を取り囲んで、液体充填部が移動および時期尚早の放出をするのを防止するための液体バリアを提供する。液体充填部組成物を収容するために、1以上の空洞がガム領域の中に存在することができる。この空洞の形状は、チューインガムピースの最終の構成によって決定される。このガム領域は、全チューインガム組成物の約40〜約97重量%まで、より特定すればチューインガムピースの約55重量%〜約65重量%、さらにより特定すれば約62重量%を構成する。
【0112】
1つの実施形態では、低下した吸湿性を有するポリオール組成物は、ガム領域に含まれるが、これに限定されるわけではない。ガム領域は、ガムベースを、低下した吸湿性を有するポリオール組成物および最終の所望の組成物の他の原料を混合することによって調製される。別の実施形態では、低下した吸湿性を有するポリオール組成物は、チューインガム組成物の総重量に基づき、10重量%を超える量で存在する。特定すれば、低下した吸湿性を有するポリオール組成物は、ガム領域の重量に基づいて、約10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、または80重量%までの量でガム領域に存在する。
【0113】
ガム領域は、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、イソマルト、ラクチトールまたはこれらのポリオールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせから選択されるものなどの、当該技術分野で公知のいずれのポリオールを包含する未処理のポリオールも含むことができる。ソルビトールおよびマルチトールを含む水素化デンプン加水分解物であるLycasinも使用することができる。この未処理のポリオールは、このガム領域の約5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、または50重量%までの量でガム領域に存在する。
【0114】
当該液体充填部組成物は、中心充填部組成物への組み込みについて当該技術分野で公知のいずれの成分も含むことができる。これには、1以上の未処理のポリオールに加えてグリセリンが含まれうる。存在することができる未処理のポリオールとしては、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、およびこれらのポリオールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択されるものが挙げられる。
【0115】
当該液体充填部組成物は、上記のとおり、チューインガムの技術分野で周知の慣用的な原料、例えば着香剤、甘味剤など、およびこれらの混合物をさらに含むことができる。慣用的なチューインガム添加物に加えて、この液体充填部組成物は、医薬、呼気清涼化剤、ビタミン、ミネラル、カフェイン、フルーツジュースなど、およびこれらの混合物などの薬学的添加物も含有することができる。このチューインガム添加物および医薬品は、当該技術分野で周知の多くの異なる物理的形態で用いて、甘味および香味ならびに/もしくは治療活性の初期噴出または甘味および香味ならびに/もしくは治療活性の長期の感覚を提供するようにしてよい。限定しないが、このような物理的形態には、遊離型(スプレードライ型、粉末型、およびビーズ型)、および封入型、ならびにこれらの混合形態が含まれる。
【0116】
当該液体充填部組成物は、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、プロピレングリコールアルギネート、寒天およびトラガカントなどの天然または合成のガムも含むことができる。これらの組成物は、組成物の中の遊離の水の量を減らすことにより、粘度を上昇させる役割を果たす。キサンタンガムは、中心充填部組成物の粘度を上昇させるためにも使用してよい。液体の粘度を上昇させることは、液体がガムピースを通して漏出することを防止することにも役立つ。液体充填部の粘度は、25℃で約300cp〜約6,000cpの範囲である。取り囲むガム領域よりも大きい水分活性を有する液体充填部組成物では、粘度は、25℃で約3,000cp〜約6,000cpの範囲である。
【0117】
当該液体充填部組成物は、当該チューインガム組成物の約20重量%までを構成する。特定すれば、この液体充填部は、全チューインガム組成物の約10重量%までの量で存在する。より特定すれば、この液体充填部は、全チューインガム組成物のおよそ8重量%である。
【0118】
ガム領域は、約0.2〜約0.55重量%の遊離の水分含量とともに、ガム領域の1重量%未満約5重量%までの総水分含有量を有することができる。この液体充填部組成物は、遊離の水分および結合した水分(湿気)を含めて、当該中心充填部の約35重量%までの総水分含有量を有することができる。
【0119】
これまでに論じたように、このポリオール組成物は、未処理の吸湿性ポリオールと比べて、低下した吸湿を呈する。中に液体充填部組成物が含有されているチューインガムの中に低下した吸湿性を有するポリオール組成物を含めることで、液体充填部組成物からの液体充填部成分(疎水性成分および親水性成分を含む)の移動を減少させることができる。いくつかの実施形態では、所定の期間(例えば3ヶ月まで)の後、当該ポリオール組成物を含むチューインガム組成物は、未処理の吸湿性ポリオールを含有するチューインガム組成物と比べて、液体充填部組成物の減少した喪失を呈する。
【0120】
当該多要素系チューインガム組成物は、ガム領域を取り囲む外側コーティングをさらに含むことができる。多領域チューインガム組成物に含まれるとき、外側コーティングは、これまでに記載された方法を含めて、当該技術分野で公知のいずれの方法で付与されてもよい。この外側コーティング組成物は、全ガムピースの約2〜約60重量%、特定すれば約25重量%〜約40重量%、より特定すればガムピースの約30重量%の量で存在することができる。
【0121】
上記の実施形態および他の実施形態は以下の実施例によってさらに説明される。それらの実施例は、特許請求の範囲の有効な範囲を限定することは意図されていない。実施例の中の、ならびに本願明細書および特許請求の範囲全体にわたるすべての部数および百分率は、特段の記載がない限り、最終の組成物の重量基準である。
【実施例】
【0122】
実施例1
微粒子クランチ物質の調製
水素化されたイソマルチュロース(イソマルト)をコアポリオール粒子として使用して、微粒子クランチ物質を調製した。この水素化されたイソマルチュロース物質(Isomaltidex 16500;カーギル(Cargill))は、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(1,6−GPS)および1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール二水和物(1,1−GPM)の50:50ブレンドである。このイソマルト物質は、0.5mm〜3.5mmのD
90粒径を有する。
【0123】
まず、アラビアガム、結晶性のイソマルトおよび水を合わせ、この混合物を加熱することにより、クランチ物質コーティング組成物をシロップとして調製した。アラビアガムに対する結晶性のイソマルトの比は、クランチ物質コーティング組成物の乾燥重量に基づいて、60:40であった。
【0124】
この水素化されたイソマルチュロース(イソマルト)粒子のコーティングを、転動造粒方法を使用して実施した。ポリオール粒子は、転動造粒コーティング装置の転動チャンバーへと供給した。クランチ物質コーティング組成物を、転動チャンバーの中でイソマルト粒子の上へと噴霧し、これらの物質をチャンバーの中で同時に転動および回転させた。イソマルト粒子上のコーティング層を乾燥するために、調整した空気をコーティングチャンバーの中へと循環させるか、または強制給気するかした。コーティングされた粒子の乾燥を促し、かつコーティングされた粒子のアグロメレーションを低減するために、粉末ポリオールをさらに加えた。この実施例では、ポリオールイソマルトを使用したが、しかしながら、他の粉末ポリオールを使用してもよい。粉末ポリオールを乾燥工程の中に含めることは、当該微粒子クランチ物質を製造するためには必要とはされないことに留意されたい。
【0125】
イソマルト粒子の上にコーティングを構築するために、このコーティング工程を何回か繰り返した。この微粒子クランチ物質を形成するために使用したクランチ物質コーティング組成物の乾燥重量に対するイソマルト粒子の重量比は、70:30であった。調製した微粒子クランチ物質の中に存在するアラビアガムの全量は、微粒子クランチ物質の重量に基づき、4〜5重量%であった。
【0126】
実施例2
クランチ質チューインガムの調製
表1に示すガム配合を用いて、ペレットの形態のチューインガムの試料を、従来の方法によって調製した。実施例1に記載したようにして調製した微粒子クランチ物質をこのチューインガム組成物の中に含めた。
【0127】
【表1】
【0128】
上記の表1に示す組成に従ってチューインガム組成物を調製した。まず、ガムベースを約60℃〜約120℃の温度で融解させることにより、このチューインガム組成物を調製した。融解して、標準的な混合機の中に入れると、残りの原料を加え、約1〜約20分間十分に混合した。全部の混合サイクルの完結までこのガムを混合した。得られた混合物を、次に、従来の技法を用いて、例えばペレットへと注型して、所望の最終の形状へと形成した。これらのペレットを、次に、コーティング配合物でコーティングし、ガムコアの表面上にクランチ質の外側コーティングを形成した。ワックスコーティングをさらに付与した。外側コーティング組成物で使用した物質を表2に示す。
【0129】
【表2】
【0130】
最終のチューインガム配合物は、チューインガム配合物の75重量%のガムコアおよび25重量%の外側コーティング(ワックスコートを含む)を含んでいた。
【0131】
水不溶性微粒子物質を含有するクランチ質チューインガム
下記の表に示す一般のガム配合物を用いて、従来の方法を使用して、チューインガム試料を調製する。
【0132】
【表3】
【0133】
上記の表に示す組成に従ってチューインガム組成物を調製する。まず、ガムベースを約60℃〜約120℃の温度で融解させることにより、このチューインガム組成物を調製する。融解して、標準的な混合機の中に入れると、残りの原料を加え、約1〜約20分間十分に混合する。全部の混合サイクルの完結までこのガムを混合する。得られる混合物を、次に、従来の技法を用いて、例えばペレットへと注型して、所望の最終の形状へと形成する。これらのペレットを、次に、実施例2で使用したコーティング配合物と類似のコーティング配合物でコーティングし、ガムコアの表面上にクランチ質の外側コーティングを形成することができる。ワックスコーティングをさらに付与することができる。
【0134】
実施例3
低下した吸湿性を有するポリオール組成物の調製
低下した吸湿性を有するポリオール組成物を作製する方法は、ソルビトールなどのポリオールを、ケイ酸カルシウム、ヒュームドシリカ、タルク、珪藻土、軽石粉、カオリン、ベントナイト、ゼオライト、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムまたはこれらの組み合わせの粒子と合わせることを含む。本実施例はソルビトールを利用するが、他方で、マルチトール、キシリトール、ラクチトール、および/またはポリグリシトールなどの他のポリオールを使用することもできる。
【0135】
リボンブレンダーまたはV blenderなどの、粉末をブレンドするために典型的に使用される装置の中で、ソルビトール粒子をケイ酸カルシウムと一緒に混合する。例えば、ソルビトール粒子がリボンブレンダーに加えられ、混合が開始される。ケイ酸カルシウム粒子がこのソルビトール粒子にゆっくり加えられ、これらの粒子は、それらが十分にブレンドされるまで、混合される。ケイ酸カルシウムに対するソルビトールの比は約24:1〜99:1である。
【0136】
ポリオール粒子は、ポリオール粒子および無機材料の総重量に基づき、約96〜約99重量%の量で存在するが、他方で、無機材料の粒子は、約1〜約4重量%の量で存在する。
【0137】
高相対湿度で行った安定性の検討は、ケイ酸カルシウム粒子でコーティングされたソルビトールは、試験した時間枠の中で、未処理のソルビトール(50〜80%)と比べて有意により少ない量の水(10〜20%)しか吸収しないことを示した。
【0138】
実施例4:
液体中心充填チューインガムの調製
表4〜表6に提示する組成物に従って、3つの領域、ガム領域、液体充填部および外側コーティング、を含むガムピースを調製する。
【0139】
【表4】
【0140】
【表5】
【0141】
【表6】
【0142】
まず、ガムベースを60〜120℃の温度に加熱することにより、ガム領域についての組成物を調製する。次いで、この組み合わせを、実施例3の低下した吸湿性を有する前処理されたソルビトール組成物、およびさらなる未処理のポリオールまたは増量剤と混合する。香料ブレンドを加え、1分間混合する。最後に、甘味料を加え、5分間混合する。
【0143】
次に、まず水素化デンプン加水分解物、キサンタンガムまたはカルボキシメチルセルロースなどの親水コロイド、およびグリセリンのプレミックスを調製することにより、液体充填部組成物を調製する。次に、このプレミックスを、着色料、香料、冷感剤、高甘味度甘味料、およびいずれかのさらなる望ましい原料と合わせ、混合する。
【0144】
上記ガム領域および液体充填部組成物を、次に、一緒に押出して、ペレットへと形成する。ガムピースは、各々、およそ1〜3グラムの総重量を有する。最終のガムピースでは、ガム領域は全ガム組成物の約40〜約97重量%であり、液体充填部は約2〜約10重量%であり、コーティングは約25重量%〜約40重量%である。
【0145】
上記のとおりに調製するガムピースは、12週間のあいだ室温で熟成した後に、この液体充填部組成物の、認識できる液体性の喪失は示さない。実施例A(比較)のコアの中心充填部組成物は、遊離の液体を伴わないペースト状に見え、液体充填部組成物の液体性の喪失を示す。比較として、実施例Bのコアの中心充填部組成物は液体性を呈する。無機の吸湿性の物質でコーティングされたソルビトール粒子を組み込む中心充填部チューインガムピース(実施例B)は、このように、良好な安定性を呈する。特に、低下した吸湿性を有するポリオール組成物から作製した液体中心充填部チューインガムペレットは、中心充填部組成物がガム領域によって吸収されるという形跡もなく、良好な安定性を呈する。また、この中心充填部チューインガムペレットは、ごくわずかの量の収縮しか呈しない。
【0146】
本願明細書で使用する場合、移行句「含む(comprising)」(「comprises」なども)は、「有する(having)」、「包含する(including)」、「含有する(containing)」、または「を特徴とする(characterized by)」と同義であり、これは、包括的またはオープンエンド型であり、請求項の前提部または本体部での使用によらず、付加的な、記載されていない要素または方法の工程を排除しない。
【0147】
単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その、当該、前記(the)」は、文脈と明らかに矛盾する場合を除いて、複数の指示対象を含む。
【0148】
同じ特徴または成分に向けられたすべての範囲の端点は、独立に組み合わせ可能であり、かつ記載された端点を含む。
【0149】
語句「または、もしくは」は「および(ならびに)/もしくは(または)」を意味する。
【0150】
提供は、製造業者、流通業者、または製品を消費者にとって利用可能にする他の販売者によって、成し遂げられうる。
【0151】
本願明細書全体にわたって、「1つの実施形態」、「他の実施形態」、「一実施形態」などの言及は、その実施形態に関連して記載される特定の要素(例えば、特長、構造,および/または特徴)は、本願明細書に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、そしてそれは、他の実施形態で存在することができるし、または存在することができないということを意味する。加えて、記載された要素は、種々の実施形態において、あらゆる好適な態様で組み合わせることができるということを理解されたい。
【0152】
例示的な実施形態を参照して本発明が記載されたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、種々の変更をなすことができ、その実施形態の要素を均等物で置き換えることができるということを理解するであろう。加えて、特定の状況または物質を適合させるために、本発明の本質的範囲から逸脱せずに、本発明の教示に対して多くの改変をなすことができる。それゆえ、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の態様として開示された特定の実施形態に限定されないこと、および本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るすべての実施形態を包含することになろうということが意図されている。