(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0006] 本発明は、特に、患者の一方又は両方の肺を治療するための改良された医療装置、システム及び方法を提供する。本発明の実施の形態は、標的とする気道の軸方向領域まで気道系内に導入することのできる、細長いインプラント構造を使用することが多々ある。標的とする軸方向領域は、気管支を含み又は含まず、また、インプラントは、インプラントが曲り、インプラントが隣接する肺組織を圧縮することを許容することにより、気道内に配備することができる。これは反直観的であるが、全体的な治療法は、インプラントが配備される気道の標的とする軸方向領域の長さよりも長いインプラントを使用することの利点を享受することができる。これは、例えば、肺の表面に近過ぎる、末端の気道組織に対して過度に軸方向応力が加わるのを制限するのを助けることができる。更に、かかる細長いインプラントを使用することは、インプラントにより圧縮される肺組織の全容量を増大させ、また、インプラントの基端を送り込み構造の近く(視界内のような)に維持するのを助け、これにより配備することが望ましくないと考えられる場合、インプラントを退却させることを容易にすることができる。本発明の多くの実施の形態は、肺の気道内から肺組織を局所的に圧縮し、これにより肺のその他の(健常であることが多々ある)部分にて有益な張力を提供する。インプラントの少なくとも一部分を肺内にて逐次的に配備し、また、治療中、治療効果を監視し、また、定性的に且つ(又は)定量的に評価することができる。肺の治療中、肺の機能を評価することは、換気装置等を間欠的に使用することにより直接的測定法を採用することができ、または、映像法、血液酸素の測定等により機能を間接的に評価することもできる。
【0008】
[0007] 一例としての肺容量減少システムは、気道系を介して患者の肺気道内に送り込む方法及び形状とされた細長い本体を有する植え込み型装置を含む。インプラントは、インプラントが送り込み形態にある間に、挿入され且つ配置されて、また、肺の隣接する組織を局所的に圧縮し得るよう配備した形態に変形する。インプラントを変形又は配備する間、細長い本体の一部分は、全体として気道内を側方向に動いて、肺組織を側方向に圧縮し、理想的には、疾患した肺組織が細長い本体の2つ以上の軸方向に分離した部分の間にて圧縮され、細長い本体は弾性的に偏倚され、肺の気道を曲げるようにする。患者の肺を治療するため、かかるインプラントを複数使用することが多々ある。また、肺組織を圧縮する方法も提供され、肺組織は、気道の軸方向領域内から気道の軸方向領域の間にて圧縮されることが多々あり、これは、通常、これらの軸方向領域に沿って伸びる細長い構造を使用し、また、多くの場合、相対的に真直ぐな送り込み形態にて気道系内に挿入された装置の細長い本体を曲げて配備した形態にし、これにより気道系を曲げることによって行われる。
【0009】
[0008] 本発明の別の特徴は、患者の肺を治療する方法を提供する。肺は、複数の分岐する気道を有する気道系を含む。肺の第一の部分は、気道系内から圧縮される。患者の肺の特徴は、第一の部分が圧縮された状態にて評価する。気道系内からの肺の第二の部分は、肺の特徴の評価に応答して圧縮される。
【0010】
[0009] 肺の特徴の評価及び肺の第二の部分の圧縮は、共に、肺の第一の部分を圧縮した後、6時間以内に行うことができる。多くの実施の形態において、肺の第二の部分の圧縮は、肺の第一の部分の圧縮と同一の方法にて完了し、患者は、その間にて位置変更されない。事実上、肺の特徴の評価は、第一の組織の圧縮を完了する数回の呼吸サイクル内にて開始することができる。この評価は、少なくとも一部分、肺内にて機械的に圧縮し、また、効果を効果的に決定するため、その他の組織の応答に誘発された遅れを必要とせずに誘発される肺機能の改善程度を示す。
【0011】
[0010] 治療中、肺を評価するため、各種のシステム及び方法を使用することができる。肺の特徴の評価は、1つの選択として、通常、X線映像法、蛍光透視法、コンピュータ断層撮影法(CT)等を使用し、また、1つの選択として、磁気共鳴撮影法(MRI)、超音波、又はその他の映像形態を使用して、その位置で肺組織を遠隔的に映像化することにより肺組織の密度の変化を識別するステップを備えることができる。
【0012】
[0011] 肺の特徴の評価によって、治療前の1秒間の強制的な呼息(FEV1)容量から肺の第一の部分の圧縮後のFEV1への改善程度が約5%、8%、又は10%程度でさえあることが分かったとき、追加的なインプラントを配備することができる。この結果、その他の治療法を使用して利用可能な場合よりも大きい改善程度の後、追加的なインプラントを配備することがことができ、また、これらのその他の治療の改善程度は、治療後、かなりの期間、明らかとはならない(少なくとも幾つかの場合)ことが認識される。また、FEV1は、直接的に測定することができ、又は、肺機能の効果的な改善程度は、その他の肺の特徴により間接的に表示されることが認識される。
【0013】
[0012] 幾つかの実施の形態において、肺の特徴の評価によって、治療前の残留容量から肺の第一の部分の圧縮後の残留容量への改善程度が約6%、10%、又は20%でさえあることが分かったとき、追加的なインプラントを配備することができる。
【0014】
[0013] 肺特徴の評価によって、治療前の6分間の歩行距離から肺の第一の部分の圧縮後、6分間の歩行距離への改善程度が約8%、10%、又は12%以下であることが分かる。
【0015】
[0014] 肺の特徴の評価によって、血液酸素の治療前測定値から肺の第一の部分の圧縮後、血液酸素の測定値への増加が約1%以であることが分かることかせある。
[0015] 肺の特徴の評価によって、第一の部分の外側の肺の気道は、隣接する肺組織の張力の欠如のため、萎み易いままであることが分かることがある。
【0016】
[0016] 肺の特徴の評価は、また、肺の第一の部分の圧縮後、分配された疾患した非圧縮領域を映像化するステップを備えることができる。非圧縮の疾患領域は、肺の第二の部分を含むことができ、また、第一の部分から分離して、治療が肺内にて分離した疾患領域の局所的な圧縮を実行し、疾患領域よりも健常な肺の分配した組織内にて呼息前の張力を増加させることができる。肺の特徴の評価によって、治療前の肺から外方に膨れる、全体として凸型の形状から肺の第一の部分を圧縮した後、肺内に十分に内方に湾曲していない面への肺の下面に沿った隔膜の形状の変化を識別することができ、この識別は、その位置で肺組織を遠隔的に映像化することにより行なわれる。
【0017】
[0017] 本発明の別の特徴は、患者の肺を治療するシステムを提供する。肺は、複数の分岐する気道を有する気道系を含む。該システムは、第一のインプラントと、肺の評価システムと、第二のインプラントとを備えている。第一のインプラントは、第一のインプラントが気道系に沿って軸方向に伸びるとき、第一の形態から第二の形態へ配備可能である。インプラントの配備は、肺の第一の部分を気道系の内部から側方向に圧縮する。肺の評価システムは、肺に連結可能である。肺の評価システムは、肺の第一の部分の圧縮に応答して肺の特徴を出力する。第二のインプラントは、肺の特徴に応答して、気道系に沿って軸方向に配置可能であり、且つ第一の形態から第二の形態へ配備可能であり、第二のインプラントは肺の第二の部分を気道系の内部から側方向に圧縮する。
【0018】
[0018] 評価システムは、肺の第一の部分を圧縮した6時間以内に肺の第二の部分を圧縮することを可能にし得るよう肺の特徴を出力することができる。インプラントの各々は、例えば、カテーテルから解放されたとき、インプラントの本体部分の間にて曲げることにより、関係した肺組織部分を側方向に圧縮するよう共に連結された複数の細長い本体部分を有することができる。
【0019】
[0019] 多くの実施の形態において、システムは、患者が治療のため配置されている間、患者の体内に挿入可能なインプラントの送り込みシステムを更に備えている。肺の評価システムは、患者が治療のため配置されている間、肺に連結可能であり、このため肺の第二の部分の圧縮は、肺の第一の部分の圧縮と同一の手順にて完了させることができ、そのとき、患者がその間にて位置変更されることはない。
【0020】
[0020] 肺の評価システムによる肺の特徴によって、肺の第一の部分の圧縮が完了する数回の呼吸サイクル内にて肺の第一の部分の圧縮に応答し、肺内の物理的変化による影響を受ける肺機能の改善程度が分かるようにする。
【0021】
[0021] 肺の評価システムは、また、肺組織の密度の変化と、第一の部分の外側の肺の気道はその位置で隣接する肺組織の張力の欠如に起因して萎み易いままであることとの少なくとも一方を示す遠隔映像化システムを備えることができる。
【0022】
[0022] 本発明の別の特徴は、患者の肺を治療するシステムを提供する。肺は、複数の分岐する気道を有する気道系を含む。該システムは、肺の第一の部分を気道系内から圧縮する手段と、第一の部分が圧縮されているとき、患者の肺の特徴を評価する手段と、肺の特徴の評価に応答して気道系内から肺の第二の部分を圧縮する手段とを備えている。
【0023】
[0023] 別の特徴において、本発明は、患者の肺を治療する方法を提供する。肺は、複数の分岐する気道を有する気道系を含む。該方法は、インプラントを気道系を通して前進させるステップを備えている。インプラントは、細長い長さを有し、また、インプラントの末端部分は、気道系内に配備し、末端部分が気道と係合するようにすることができる。インプラントは、好ましくは、インプラントの基端が隣接する気道系に対して末端方向に前進する間、末端部分の基端方向に漸次に配備することができる。この基端の前進は、特に、インプラントがインプラントの長さに沿って肺組織を圧縮するとき、インプラントと気道との間にて軸方向へ装填されるのを阻止するのを助けることができる。
【0024】
[0024] インプラントの末端部分は、肺の表面近くに配備されることが多々ある。インプラントの基端は、肺の表面近くにて局所的な歪みを阻止し得るようインプラントの長さの少なくとも10%だけ、前進するのを許容することができる。この基端の動きを許容することは、肺表面の破裂を避けるのを助けることができる(インプラントの端部と肺の表面との間にて歪み除去効果を提供するのに潜在的に利用可能な組織の量が比較的少ないことを考慮すれば、かかる破裂は生じる可能性がある)。好ましくは、インプラントは、インプラントの基端及び末端が係合する気道組織よりも10%から30%長いものとする(治療前、各々の中心軸線に沿って測定したとき)。
【0025】
[0025] 幾つかの実施の形態において、インプラントは、気管支鏡の管腔を通って前進する。肺を圧縮する間、基端は、気管支鏡内を前進することが許容され、また、気道の軸方向領域よりも長いインプラントを利用することは、インプラントを気管支鏡から機械的に非連結状態にする前に、気管支鏡を使用してインプラントの基端を観察することを容易にする。
【0026】
[0026] 本発明の別の特徴は、患者の肺を治療する方法を提供する。肺は、複数の分岐する気道を有する気道系を含む。気道系の標的とする軸方向領域が識別される。標的とする軸方向領域は、基端及び末端と、また、その間のある長さとを有している。標的とする軸方向領域の長さに応答して、インプラントは選ばれる。インプラントは、標的とする軸方向領域の長さよりも長い本体の長さを含む細長い本体を有している。選んだインプラントの末端は、気道系を通って標的とする軸方向領域の末端に向けて前進させる。細長い本体が肺の一部分を側方向に圧縮するよう標的とする系内にてインプラントを配備する。
【0027】
[0027] 多くの実施の形態において、標的とする軸方向領域の長さが測定される。インプラントは、細長い本体が測定した標的とする軸方向領域よりも少なくとも10%長い長さを有するように選ぶ。標的とする軸方向領域の長さは、測定本体の末端が気道系の取り囲む管腔が十分係合して、更なる末端方向への前進を阻止する迄、測定本体を気管支鏡の末端から末端方向に前進させことにより、また、前進した測定本体の末端と気管支鏡の末端との間の長さを測定することにより、測定することができる。インプラントは、カテーテルを測定本体上にて前進させることにより配備し、カテーテルの末端が測定本体の末端に隣接するようにし、測定本体を引き出し、細長い本体の末端をカテーテルの管腔を通して前進させ、カテーテルの末端に隣接するようにし、また、カテーテルを前進したインプラントから末端方向に引き出すことにより配備することができる。
【0028】
[0028] 細長い本体の基端は、カテーテルの引き出しが開始されるとき、気管支鏡の管腔内に配設することができる。細長い本体は、カテーテルを引き出す間、側方向に曲がり、肺の一部分を側方向に圧縮するようにすることができる。細長い本体の末端の解放した部分は、基端に隣接する細長い本体の基端部分がカテーテルの管腔内に止まる間、気道に穴を開けずに気道系と軸方向に連結される。細長い本体の基端は、インプラントを引き出す間、末端方向に動かすことができる。カテーテル本体の基端は、インプラントがカテーテル及び気管支鏡から機械的に非連結状態とされたとき、気管支鏡の視界内に止まるようにする。
【0029】
[0029] 別の特徴において、本発明は、患者の肺を治療するシステムを提供する。肺は、複数の分岐する気道を有する気道系を含む。システムは、気道系内に前進させることのできる末端を有するカテーテルを備えている。インプラントは、カテーテルの管腔内に受け入れることができ、また、インプラントは、末端部分と、基端に隣接する基端部分とを有する細長い本体を備えている。末端部分は、カテーテルの末端を末端部分から退却させたとき、気道と係合することができる。インプラントの基端は、カテーテルがインプラントの基端部分から基端方向に引き出される間、カテーテル及び取り囲む気道に対して末端方向に前進可能である。
【0030】
[0030] 1つの選択として、カテーテルは、気管支鏡を備え、又は気管支鏡を含む送り込みシステム内に含めるようにしてもよい。インプラントは、110mm以上の長さを有し、また、約120mmから約250mmの範囲の長さを有することも多々ある。
【0031】
[0031] 別の特徴において、本発明は、患者の肺を治療するインプラントを提供する。肺は、複数の分岐する気道を有する気道系を含み、また、インプラントは、気道系を通じて前進可能な細長い本体を備えている。本体は、基端及び末端を有し、非外傷性面は、細長い本体の末端及び基端に隣接して配設し、取り囲む気道系と係合し、且つ細長い本体が気道内から端部間にて肺組織を圧縮するとき、気道系に進入するのを阻止する。インプラントは、非外傷性表面間にて110mm以上の長さを有している。
【0032】
[0032] 多くの実施の形態において、非外傷性端部は、約1mm以上、多くの場合、約1から約3mmの範囲の断面直径を有し、理想的には、約1.5mmの直径を有する実質的に球形であるものとする。
【0033】
[0033] 別の特徴において、本発明は、インプラントを患者の肺内まで送り込む方法を提供する。肺は、気道を含む気道系を有しており、方法は、ガイドワイヤーの末端を気道系内にて末端方向に前進させるステップを備えている。ガイドワイヤーは、ガイドワイヤーの末端までの長さの標識を有している。インプラントの長さは、標識を使用して選ばれ、また、その選んだ長さを有するインプラントは、気道系を介して肺内に前進させ、インプラントの細長い本体が気道に沿って軸方向に伸びるようにする。インプラントは、インプラントが気道内から隣接する肺の組織を圧縮するよう配備する。
【0034】
[0034] 別の特徴において、本発明は、患者の肺を治療するシステムを提供する。肺は、気道を含む気道系を有し、また、システムは、基端及び末端を有する細長いカテーテル本体を備え、末端は、気道系を通して気道まで前進可能である。インプラントは、カテーテルの末端近くに配置することができ、インプラントは、気道内から隣接する肺の組織を圧縮し得るよう送り込み形態から配備した形態へ配備可能な細長い本体を有している。細長い測定本体は、カテーテルに沿って末端方向に伸びることができる。測定本体は、インプラントの細長い本体の長さを選ぶのに適した測定本体の末端とカテーテルとの間にて測定本体の末端の長さの標識を有している。1つの選択として、カテーテルは、気管支鏡を備えるか、又は、気管支鏡を含む送り込みシステム内に含めることができる。
【0035】
[0035] 更に別の特徴において、本発明は、インプラントを患者の肺まで送り込むシステムを提供する。肺は、気道を含む気道系を有している。システムは、基端及び末端を有する細長いカテーテル本体を備え、末端は、気道系を通じて気道まで前進可能である。複数の代替的に選択可能なインプラントが含まれ、インプラントの各々は、細長い本体の歪みを制限し得るよう十分に非規制状態にて保管される、細長い本体を備えている。細長い本体の長さは、通常、相違する。インプラントの各々は、選ばれたとき、関係した細長い本体を軸線に向けて真直ぐにし、且つ細長い本体を管腔内に挿入し、カテーテルが細長い本体を送り込み形態に維持するようにすることにより、カテーテル内に装填することができる。細長い測定本体は、カテーテルに沿って末端方向に伸びることができ、測定本体は、インプラントの細長い本体の長さを選ぶのに適した測定本体の末端方向長さの標識を有している。
【0036】
[0036] 本発明の別の特徴は、患者の肺を治療する方法を提供する。肺は、第一の気道の軸方向領域と、第二の気道の軸方向領域とを含む。第一及び第二の気道の軸方向領域内に伸びるインプラントシステムを使用して第二の気道の軸方向領域に向けて第一の気道の軸方向領域を側方向に押し付けることにより、肺組織の容量は圧縮される。
【0037】
[0037] 気道の軸方向領域の各々は、関係した軸方向領域の中心軸線に沿って伸び、また、気道の軸方向領域は、各々、気道系の細長い長さ部分を備えている(このため、これらの領域は、気道の軸線に沿った幅よりも十分に長い)。圧縮した肺組織の容量は、第一の気道の軸方向領域と第二の気道の軸方向領域との間にて少なくとも部分的に配設されることが多々ある。気道の軸方向領域内にて軸方向に伸びる細長いインプラントの部分を使用して気道の軸方向領域を共に側方向に押し付けることにより、肺組織の容量は圧縮される。例えば、インプラントシステムは、基端部分と、末端部分とを有する細長い本体を備えることができる。細長い本体の末端部分は、第一の気道の軸方向領域を通り、且つ第一及び第二の気道の軸方向領域が互いに軸方向に連結されたとき、第二の気道の軸方向領域と係合することが多々ある。細長い本体の基端部分は、第一の気道の軸方向領域と係合する。細長い本体を基端部分と末端部分との間にて曲げることにより肺組織の容量を圧縮することができる。細長い本体を気道の軸方向領域内にて曲げることは、細長い本体の軸受面を気道の管腔面に対して側方向に押し付け、気道の軸方向領域内にて気道系に曲がりを与えることになる。軸受面は、細長い本体を配備する間、気道表面に進入することはない。特に、細長い本体の一端近くのインプラントの一部分は、時間の経過と共に、係合した気道の管腔壁に進入し、且つ(又は)管腔壁を貫通する。インプラントの効果は、少なくとも一部分、並流的流れと独立的であり、インプラントは、かかる進入に拘らず、治療上の利点を提供し続けることができる。
【0038】
[0038] インプラントは、肺組織の所望の容量に対し所望の圧縮レベルを提供し得るように三次元的又は非平面状の幾何学的形態による利点を享受することができる。例えば、ある表面を、全体として、第一及び第二の気道領域の軸線間に規定することができる。同様の表面は、インプラントの細長い本体部分の局所的軸線間に規定することができる。しかし、多くの実施の形態において、第三の気道の軸方向領域は、第三の気道の軸方向領域内から表面に向けて押し付け、該表面と第三の気道の軸方向領域との間に肺組織の圧縮された容量が少なくとも一部分、配設されるようにすることができる。幾つかの実施の形態において、第四の気道の軸方向領域を第一、第二、及び第三の気道の軸方向領域に向けて押し付け、それらの間に圧縮された肺組織の容量が配設されるようにし、1つの選択として、連続的な細長い本体が気道の軸方向領域の各々を通って伸びるようにする。
【0039】
[0039] 多くの実施の形態において、第三の気道の軸方向領域は、第三及び第四の気道の軸方向領域内からそれぞれ第四の気道の軸方向領域に向けて側方向に押し付けられるようにしてもよい。これらの気道の軸方向領域は、同一の細長い本体の追加的な部分により、又は肺内部に植え込んだ別個の細長い本体を使用することにより、操作することができる。望ましくは、圧縮した肺組織の容量は、十分に大きく且つ十分に圧縮して、圧縮時の肺容量内の張力を増大させ肺の肺機能が改善されるようにする。
【0040】
[0040] 本発明の別の特徴は、患者の肺を治療する方法を提供する。肺は、気道系を含む。該方法は、肺の別の部分を圧縮するのに十分、気道系内から気道系の細長い管腔面領域を押すことにより肺の一部分内の張力を増加させるステップを備えている。
【0041】
[0041] 本発明の別の特徴は、患者の肺を治療するインプラントを提供する。肺は、第一の気道の軸方向領域と、第二の気道の軸方向領域とを含む。インプラントは、第一の局所的軸線を有する第一の細長い本体部分と、第二の局所的軸線を有する第二の細長い本体部分とを備えている。細長い本体部分は、互いに連結されて、第一の細長い本体部分が第一の気道の軸方向領域に沿って軸方向に伸び、また、第二の細長い本体部分が第二の気道の軸方向領域に沿って軸方向に伸びるとき、インプラントが第一の形態から第二の形態へ配備可能であるようにする。細長い本体部分は、第二の形態のとき、肺組織の容量を第一の気道の軸方向領域と第二の気道の軸方向領域との間にて側方向に圧縮する。
【0042】
[0042] 中間の細長い本体部分は、第一の細長い本体部分を第二の細長い本体部分に連結することができる。従って、これらの細長い本体部分は、連続的な細長い本体内に含めることができる。細長い本体は、偏倚させて第一の形態から第二の形態に曲げて、肺組織の容量を圧縮することができる。望ましくは、圧縮は、細長い本体の細長い軸受面を気道の管腔面に対して側方向に押し付けて、気道の軸方向領域内にて(且つ、1つの選択として気道の軸方向領域に沿って)気道系に曲げを与えることにより非外傷的に実行することができる。軸受面は、連続的である必要はなく、また、細長い本体を配備させる間、気道面に進入するのを阻止するのに十分な全体的寸法を有するものとすることができる。第三の細長い本体部分は、第一及び第二の本体部分に連結することができる。肺組織の三次元的圧縮に関する上記の説明と同様に、インプラントが第二の形態にあるとき、第一の軸線と第二の局所的軸線との間にある表面を規定することができる。インプラントは、第二の形態にあるとき、第三の気道の軸方向領域を第三の気道の軸方向領域内から表面に向けて押し付け、表面と第三の気道の軸方向領域との間に、圧縮した肺の容量が少なくとも一部分、配設されるような形態とされる。幾つかの実施の形態において、インプラントは、第三の本体部分に連結されてインプラントが第二の形態にあるとき、第四の気道の軸方向領域を第一、第二及び第三の気道の軸方向領域に向けて押し付けるようにする第四の細長い本体部分を備えている。その間に圧縮した肺組織の容量が配設され、これにより残る肺組織の幾つか又は全ては、治療上、有益な張力を得ることができる。
【0043】
[0043] 圧縮した肺組織の容量は、十分に大きく、また、十分に圧縮して非圧縮の肺容量内の張力を増大させ、肺の肺機能が改善されるようにすることができる。
[0044] 肺の容量減少システムの実施の形態は、第一の形態にて比較的真直ぐな送り込み形態に規制され、且つその位置で、真直ぐではない形態である第二の形態を回復し得るようにされたインプラントを提供し得るようにすることができる。装置及びインプラントは、少なくとも部分的に、少なくとも1%の歪みが加えられた後、完全に回復するばね材料にて出来たものとすることができ、適当な材料は、ニッケル及びチタンを含む金属のような金属を含む。幾つかの実施の形態において、肺容量減少システムのインプラントは、送り込んだ形態にて体温以下に冷却させる。かかる1つの形態において、冷却システムは、温度を感知するフィードバックループにより制御することができ、また、システム内の温度トランスデューサによりフィードバック信号を提供することができる。装置は、37゜C又はより低温に調節したAf温度を有する形態としてもよい。更に、装置の金属の少なくとも一部分は、送り込み形態にてマルテンサイト相に変態するものとし且つ(又は)配備した形態にてマルテンサイト相状態にあるようにすることができる。
【0044】
[0045] 本発明の別の実施の形態において、肺容量減少システムは、患者の肺内に送り込むことができる形態とされ、且つ装置と接触する肺組織をより湾曲したものになるよう形状変更し得るような形態とされた植込み型装置を備えている。幾つかの実施の形態において、装置は、恒久的な第二の形態に形状変化するような形態とされている。更に、又はこれと代替的に、該装置は、第一の形状を有し、且つ送り込み可能な形状に弾性的に歪むような形態とすることができる。更に、幾つかの実施の形態において、植込み型装置は、第一の形状を有し、且つ送り込み装置より送り込み可能な形態へ弾性的に規制され、これにより送り込み装置の除去によりインプラントが反発し、且つその第一の形状に近い形状に変化することが可能であるような形態とすることができる。更にその他の実施の形態において、装置と接触する組織は、血管、気道、肺の切開亀裂又はこれらの組み合わせである。送り込んだ装置は、送り込み可能なインプラントの形態よりも長さが短い形状となるよう形状変化させることができる。更に、インプラントは、末端及び基端を提供し得るような形態とされ、また、両端間の距離は、インプラントが形状変化するとき、減少する。更に、インプラントは、肺の気道の全管腔断面積よりも占有面積が小さく、血管の全管腔断面積よりも小さい面積となるような形態とすることができ、且つ(又は)直径18mm以下の円筒状の形状内に嵌まる送り込み可能な形状を有する形態とすることができる。幾つかの実施の形態において、組織と接触するインプラントの表面積は、インプラントの長さの線形インチ当たり0.000001又は1.0−6平方インチ以上である。その他の実施の形態において、インプラントは、傷の癒合、組織の形態変更、炎症、粒状組織の生成又はこれらの複合的症状を遅くられる材料にて被覆されている。更に、その他の実施の形態において、形状変更したインプラントは、単一の平面内に位置し得るような形態とされている。更に、形状変更したインプラントは、例えば、C字形、S字形又は任意のその他の適当な形状を含む、多様な形状をとることができる。更にその他の実施の形態において、形状変更したインプラントは、1つ以上の平面内に位置し得るような形態とされている。多面状の実施の形態において、形状変更したインプラントは、例えば、野球のボールの縫目の形状、又はコイルの形状を含む、多様な形状をとる形態とされている。幾つかの実施の形態において、形状変更したインプラントは、1つ以上の曲率半径を有している。更に、1つ以上のインプラントが送り込まれ、且つ形状変更されたシステムが提供される。かかるシステムにおいて、装置は、別個の位置へ送り込むことができる。これと代替的に、装置は、送り込む前又は後の何れかにて連結することができる。更に、インプラントは、肺内の共通の領域を占めるよう部分的に配備することができる。更にその他の実施の形態において、肺容量減少システムは、弾性的に曲げ可能な材料にて出来た植込み型装置を提供することができる。該システムは、患者の外側から操作してインプラントの形状を変更し得るようにしたアクチュエータを備えるように更にすることができる。装置を起動させるのに適した機構は、カテーテルを含む。更に、カテーテルは、インプラントを送り込み可能な形態にて規制し得るような形態とすることが更に可能である。幾つかの実施の形態において、システムは、インプラントを患者の肺内に送り込み得るようにしたプッシャを更に備えている。更に、インプラントは、その上に配置されたボールを使用するというような方法等によって、鈍角な末端及び基端を有することができる形態とすることが可能である。更に、装置の長さを跨ぐ中央ワイヤーを提供することができる。装置と解放可能に連結されたプッシャを提供してもよい。
【0045】
[0046] 別の実施の形態において、システムは、インプラントを患者の肺から除去し得るような形態とした再捕捉装置を提供する。該再捕捉装置は、装置の一端と連結し得るようにすることができる。更に、再捕捉装置は、カテーテル又は気管支の作用通路の管腔内にて作用する形態とすることができる。送り込みカテーテルを誘導する弾性的なワイヤーを提供することができる。更にその他の実施の形態において、システムは、カテーテル管腔内に嵌まる弾性的な拡張器装置を更に備えている。拡張器装置は、弾性的ワイヤーを受け入れる管腔を提供し得るような更なる形態とすることができる。少なくとも幾つかの実施の形態において、肺容量減少システムのインプラントは、一定のままである円弧長さを有している。
【0046】
[0047] 本発明の更に別の実施の形態において、肺組織に隣接する管腔内に挿入し得るようにされた細長い本体を備える肺容量減少装置が提供され、該装置は、送り込み形態と、送り込み形態よりも湾曲した配備形態とを有している。幾つかの実施の形態において、細長い本体は、送り込み形態よりも配備形態にてより剛性である。更にその他の実施の形態にて、細長い本体の少なくとも一部分は、配備した形態にあるとき、肺組織の剛性よりも大きい剛性を有する剛性な円弧部を備えている。幾つかの実施の形態において、剛性な円弧部は、装置の基端側半体部の一点から装置の末端側半体部の一点まで伸びている。更にその他の実施の形態において、細長い本体は、配備形態にあるとき、複数の剛性な円弧部を備えている。複数の剛性な円弧部は、また、細長い本体の基端又は末端に円弧部がないように配置してもよい。
【0047】
[0048] 多くの実施の形態において、患者の肺内に送り込み可能な形態とされ、且つ流体がインプラントを経て両方向に流れるのを許容する一方にて、肺組織の形状を変更する形態とされた植込み型装置を備える肺容量減少システムが提供される。
【0048】
[0049] 本発明の更に別の実施の形態において、肺組織を曲げるよう軸線対称ではない形状に形状変更し得るような形態とされた患者の肺内に送り込み可能な形態とした植込み型装置を備える肺容量減少システムが提供される。
【0049】
[0050] 本発明の別の方法に従い、装置を送り込み形態にて気道内に挿入するステップと、装置を配備した形態に曲げて気道の少なくとも一部分の曲率半径を減少させるステップとを備える、患者の肺気道を曲げる方法が提供される。
【0050】
[0051] 本発明の更に別の方法は、装置を送り込み形態にて気道内に挿入するステップと、装置を配備した形態となるように曲げて気道の少なくとも一部分の曲率半径を減少させるステップとを備える、患者の肺気道を曲げる方法を提供する。1つの実施の形態において、曲げるステップは、患者の外側にてアクチュエータを起動させるステップを更に備え、アクチュエータは、装置と作用可能に接続されている。更に別の実施の形態において、曲げるステップは、装置を配備した形態に係止するステップを更に備えている。更に別の実施の形態において、曲げるステップは、装置を非係止状態にし、装置が送り込み形態に戻るのを許容するステップを更に備えている。更に、幾つかの実施の形態において、曲げるステップは、アクチュエータを装置から切り離すステップを更に備えることができる。本発明の方法に適した装置は、複数の非対称型部分を備える装置を含み、挿入するステップは、複数の非対称型部分を気道へ送り込むステップを備え、また、形状記憶材料から成る装置を含む。更に、曲げるステップは、少なくとも1つの非対称型部分を少なくとも別の非対称型部分に対し回転させるステップを更に備えることができる。該方法の幾つかの実施の形態の追加的なステップは、カテーテルを送り込むステップと、形状記憶要素をカテーテルを通して送り込むステップとを更に備えることができる。装置を送り込んだ後、提供された方法に従い、装置は、次に、1つ又はより多くの平面内の任意の形状のみならず、実質的にC字形、S字形、ら旋形状、1つ又はより多くの半径のコイル形状となるよう曲げることができる。本発明の追加的な実施の形態において、挿入するステップは、装置を気管支鏡の作用通路を通して送り込むステップを更に備えている。方法の更に別のステップにおいて、方法は、装置を気道から退却させるステップを更に備えている。該方法の実施の形態は、配備する間、装置の一端に歪み除去効果を提供するステップを更に提供することができる。装置の送り込み形態は、金属をマルテンサイト相に変態させ、又は液体又はガスを送り込む等によりインプラントを冷却することにより実現することができる。冷却した液体又はガスは、体温又は体温以下の温度にて送り込むことができ、37゜C又はより低温にあり、又は0゜C又はより低い温度にある。本発明の幾つかの実施の形態において、インプラント及び取り囲む組織は、0゜C以下又は−15゜C以下まで冷却される。
【0051】
[0052] 本発明の更に別の方法において、装置を気道内に挿入するステップと、気道を曲げるステップとを備える、患者の肺容量を減少させる方法が提供される。該方法は、第二の装置を第二の気道内に挿入するステップと、第一及び第二の装置を互いに接続するステップと、第一の装置を配備した状態に曲げて気道を第一の位置にて曲げ又は変形させるステップと、第二の装置を配備した状態に曲げて気道を第二の位置にて曲げるステップとを更に含むことができる。更に、該方法は、装置を共通の気道と接続するような、2つ又はより多くの装置を接続するステップを含むことができる。該方法の追加的なステップは、気道が連結する継手部にて圧力を付与するステップを含むことができる。該方法の更に別のステップは、1つ又はより多くの気道内に個々に配置される曲げ要素を接続するステップを含むことができる。更に別のステップは、1つ又はより多くの気道内に配置される1つ又はより多くの曲げ要素を曲げるステップを含むことができる。追加的なステップは、気道が配備された状態にてインプラントの形状に順応するような装置の形態とするステップを含む。
【0052】
[0053] 該方法は、細長い本体を複数の代替的な細長い本体から選ぶステップと、その選んだ細長い本体をカテーテル本体内に装填するステップとを更に備えることができる。複数の細長い本体は、格納中又は選ぶ前、細長い本体の歪みを制限し得るよう曲げた形態に向けて曲がるのを許容する。選ばれた細長い本体は、細長い本体を軸線に向けて真直ぐにし、且つ細長い本体をカテーテル内に挿入して、カテーテルが細長い本体を送り込み形態に維持するようにすることでカテーテル本体内に装填される。
【0053】
[0054] 選んだ細長い本体を挿入するステップは、選んだ細長い本体を管状の装填カートリッジ内に装填するステップと、細長い本体を装填カートリッジからカテーテルの管腔内に前進させるステップとを備えることができる。特定の実施の形態において、該方法は、装填カートリッジをカテーテルに装着し、装填カートリッジの管腔がカテーテルの管腔と同軸状となり、且つ装填カートリッジがカテーテルに対し軸方向に固定されるようにするステップを更に備えることができる。装填カートリッジの末端は、カテーテルの基端ハブに固定し、装填カートリッジの管腔がカテーテルの管腔まで滑らかに伸びるようにすることができる。該方法は、細長い本体を装着した装填カテーテル内からカテーテル内までプッシャにて押すステップを更に備えることができる。プッシャは、プッシャを装填カートリッジを通して伸ばすことにより、インプラントをカテーテルの末端から配備する。
【0054】
[0055] 該方法は、細長い本体の基端を肺内にて軸方向に真直にするステップと、カテーテルを細長い本体の末端の上方から基端方向に引き出すステップとを更に備えることができる。
【0055】
[0056] 多くの実施の形態において、該方法は、細長い本体の基端を把み器を使用して把持するステップと、インプラントの配備が理想的でないと決定するステップと、インプラントを把み器を使用してカテーテルの管腔内に退却させるステップとを更に備えている。把み器は、インプラントを配備する前、カテーテル内にて末端方向に伸びている。把み器は、配備中及び配備した後、インプラントを把持する。インプラントを退却させるステップは、把み器を基端方向に緊張させるステップと、カテーテルを末端方向に押して、カテーテルが気道内にてインプラントの細長い本体を軸方向に真直ぐにし、インプラントを気道系から軸方向に引き出すことを容易にするステップとを備えることができる。
【0056】
[0057] 多くの実施の形態において、該方法は、カテーテルの管腔を通って末端方向に伸びるガイドワイヤーを使用してカテーテル本体を前進させるステップを更に備えている。ガイドワイヤーの先端は、操縦を容易にし得るようにカテーテルの軸線から角度が付けられている。ガイドワイヤーは、カテーテルの管腔よりも著しく小さい断面を有している。拡張器は、カテーテルが末端方向に前進するとき、気道系の開口部を非外傷的に拡大する。拡張器は、カテーテルの末端とガイドワイヤーの先端との間にてガイドワイヤーの先端の基端方向に半径方向外方にテーパーが付けられている。該方法は、インプラントを配備する前、拡張器をカテーテルから基端方向に引き出すステップを更に備えている。
【0057】
[0058] 多くの実施の形態において、該方法は、カテーテルを配備するステップと、カテーテル本体を遠隔映像化法の誘導の下、且つ配備中、インプラントの少なくとも末端部分を光学的に映像化することなく、末端方向に前進させるステップとを更に備えている。該方法は、カテーテル本体を気管支鏡を使用して肺内部に前進させるステップと、カテーテルの末端を気管支の視界を超えて末端方向に前進させるステップと、インプラントの少なくとも末端部分を気管支鏡の視界を超えて末端方向に配備するステップとを更に備えることができる。
【0058】
[0059] 多くの実施の形態において、該方法は、ガイドワイヤーの末端までの長さの標識を含むガイドワイヤーを気道系の末端に向けて末端方向に前進させるステップと、細長い本体の長さを標識を使用して選ぶステップとを更に備えている。
【0059】
[0060] 幾つかの実施の形態において、細長い本体は、偏倚されて曲がった配備した形態となるよう曲げられる。管腔は、細長い本体をカテーテル内にて規制することにより細長い本体を送り込み形態に維持する。システムは、複数の代替的に選択可能なインプラントを更に備えることができる。インプラントの各々は細長い本体を備え、また、格納中、細長い本体の歪みを制限し得るよう曲がった形態に向けて解放することができる。各インプラントは、関係した細長い本体を軸線に向けて真直ぐにし、且つ細長い本体を管腔内に挿入してカテーテルが細長い本体を送り込み形態に維持するようにすることにより、カテーテル内に装填することができる。特定の実施の形態において、システムは、基端及び末端を有する管状の装填カートリッジを更に備えることができる。装填カートリッジは、複数の細長い本体から選んだ細長い本体を解放可能に受け入れる。装填カートリッジは、カテーテル本体に連結し、選んだ細長い本体が装填カートリッジ内からカテーテルの管腔内に末端方向に前進させることができる。装填カートリッジの末端は、カテーテルの基端ハブに固定し、装填カートリッジの管腔はカテーテルの管腔まで滑らかに伸びるようにすることができる。また、該システムは、装填カートリッジ及びカテーテル内にて軸方向に可動であり、細長い本体を装着した装填カテーテル内からカテーテル内まで押すことができるプッシャを更に備えることができる。該プッシャは、インプラントに対し末端方向に係合可能なプッシャ面と、該プッシャ面から基端方向に伸びてインプラントをカテーテルの末端から配備させ易くする軸とを有している。
【0060】
[0061] 多くの実施の形態において、該システムは、カテーテルに沿って末端方向に伸びる把み器を更に備えている。該把み器は、インプラントに軸方向に連結され、細長い本体がカテーテルの末端側にあるとき、インプラントをカテーテルの管腔内に退却させ易くする。把み器は、細長い本体を解放し得るように、カテーテルの基端から関節動作可能である。幾つかの実施の形態において、把み器を基端方向に緊張させ、且つカテーテルを末端方向に押すことは、細長い本体がカテーテルの末端側にあり、把み器が把み器と軸方向に連結されているとき、インプラントの退却を実行し、カテーテルは、インプラントの細長い本体を軸方向に真直ぐにし、インプラントを気道系から軸方向に引き出し易くする。
【0061】
[0062] 多くの実施の形態において、システムは、ガイドワイヤーと、拡張器とを更に備えている。該ガイドワイヤーは、カテーテルの管腔を通して末端方向に伸びてカテーテル本体を気道系を通して前進させることができる。ガイドワイヤーの操縦先端は、カテーテルの軸線から角度を付けられている。該ガイドワイヤーは、カテーテルの管腔よりも著しく小さい断面を有している。拡張器は、カテーテルの管腔を通って末端方向に前進し、ガイドワイヤー先端とカテーテルの末端との間にて拡張器が軸方向に配設されるようにする。拡張器は、ガイドワイヤーの先端の基端方向に半径方向外方にテーパーが付けられてカテーテルが末端方向に前進するとき、気道系の開口部を非外傷的に拡大する。幾つかの実施の形態において、該システムは、インプラントの位置決めを容易にし得るようカテーテルの末端に隣接して位置決め可能な1つ又はより多くの放射線不透過性マーカーを更に備えている。
【0062】
[0063] 多くの実施の形態において、該システムは、気管支鏡と、像信号送信機とを更に備えている。気管支鏡は、基端と、末端と、両端部間の管腔とを有している。カテーテルの末端は、管腔内に受け入れることができ、また、気管支鏡の視界を超えて末端方向に前進しインプラントを気管支鏡の視界を超えて末端方向に配備することができる。幾つかの実施の形態において、該システムは、ガイドワイヤーが気道の末端まで伸びるとき、カテーテルの管腔を通して受け入れることのできるガイドワイヤーを更に備えている。ガイドワイヤーは、カテーテル又は気管支鏡とガイドワイヤーの末端との間のガイドワイヤーの末端側長さの標識を有している。該標識は、1つの選択として、ガイドワイヤーの長さに沿って放射線不透過性の目盛りマーキングを備えるようにしてもよい。
【0063】
[0064] 別の実施の形態において、本発明は、患者の肺を治療する方法を提供する。肺は、気道系を含み、また、該方法は、インプラントを第一の端部及び第二の端部を有する気道の軸方向領域内に配備するステップを備えている。インプラントは、インプラントの基端が軸方向領域の第一の端部と係合し、インプラントの末端が軸方向領域の第二の端部と係合し、インプラントが軸方向領域の第一の端部と軸方向領域の第二の端部との間にて気道を曲げるよう配備する。1つの選択として、インプラントの基端、インプラントの末端、及び基端と末端との間のインプラントは、気道に対し側方向に押し、気道系の内部から隣接する肺組織を圧縮するようにする。
【0064】
[0065] 更に別の特徴において、本発明は、患者の肺を治療するインプラントを提供する。肺は、気道系を含み、また、インプラントは、基端及び末端を有する細長い本体を備えている。インプラントは、インプラントを気道の軸方向領域内に挿入するのに適した挿入形態を有し、インプラントの基端が軸方向領域の第一の端部に隣接し、また、インプラントの末端が軸方向領域の第二の端部に隣接し、挿入されたインプラントは、配備した形態へ形状変更し、軸方向領域の第一の端部と軸方向領域の第二の端部との間にて気道に曲がりを与えることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
[0127] 単に1つの背景として、且つ本発明の説明を記載するため、
図1Aは、胸腔11内に主として配置された呼吸系10を示す。この身体部位及び生理学の説明は、本発明の理解を容易にするため記載したものである。当業者は、本発明の範囲及び性質は記載した解剖学的部位の説明のみ限定されるものではないことが理解されよう。更に、本明細書に記載しない、多様な因子の結果として、人間の身体部位の特徴の点にて変更が可能であることが理解されよう。呼吸系10は、空気を鼻8又は口9から右主気管支14及び左主気管支16内に取り込む気管12を含む。空気は右主気管支14から右肺18に入り、左主気管支16から左肺20に入る。右肺18及び左肺20は、共に肺19を構成する。左肺20は、2つの肺葉部から成る一方、右肺18は、3つの肺葉から成り、部分的に、通常、胸郭とも呼ばれる胸腔11の左側部に位置する心臓のための空間を提供する。
【0067】
[0128]
図1Bにより詳細に示したように、主気管支、例えば、左肺20のような肺内に伸びる、例えば、左主気管支16は、二次元的気管支22に分岐し、次に、第三の気管支24に更に分岐し、更に、細気管支26、終末気管支28に分岐し、最後に、肺胞30に更に分岐する。胸腔38は、肺と胸壁との間の空間である。胸腔38は、肺19を保護し、且つ呼吸する間、肺が動くことを許容する。
図1Cに示したように、胸膜40は、胸腔38を規定し、また、2つの層、すなわち臓側胸膜42及び壁側胸膜44から成り、胸膜液の薄い層はその間にある。胸膜液が占有する空間は、胸膜腔46と称される。2つの胸膜層42、44の各々は、極めて多孔性の間葉の漿膜から成っており、この漿膜を通って、少量の間質性流体が不断に胸膜腔46内に浸出する。胸膜腔46内の流体の総量は、通常、僅かである。通常の状態のとき、余剰な流体は、通常、リンパ管により胸膜腔46から圧送される。
【0068】
[0129] 肺19は、現在の文献にて胸腔11内にて浮く弾性的構造として説明されている。肺19を取り囲む胸膜液の薄い膜は、胸腔11内にて肺の動きを潤滑する。余剰な流体を胸膜腔46からリンパ通路内へ吸引することは、肺胸膜42の臓側胸膜面と胸腔44の壁側胸膜面との間にて僅かな吸引作用を維持する。この僅かな吸引作用は、肺19を胸腔11内にて拡張し且つ浮く状態に保つ負圧を生じさせる。負圧がなければ、肺19は、風船のように萎み、且つ空気を気管支12から追い出す。このように、自然の呼吸過程は、肺19及び胸ケージ構造の弾性的反発のため、ほぼ完全に能動的である。この生理学的仕組みのため、胸膜42、44は呼吸するとき、肺19を懸架状態に維持する負圧は消滅し、肺19は、弾性的な反発効果により萎む。
【0069】
[0130] 完全に拡張したとき、肺19は胸腔38を完全に充填し、壁側胸膜44及び臓側胸膜42は接触する。空気の吸入及び吐出により拡張し且つ収縮する過程の間、肺19は、胸腔38内にて行きつ戻りするよう摺動する。胸腔38内の動きは、壁側胸膜44と臓側胸膜42との間の胸膜腔46内に位置するムコイド流体の薄い層により容易とされる。上記にて説明したように、肺胞が肺気腫の場合のように、損傷された(32)とき、呼吸は困難となる。このように、損傷した肺胞を隔離して肺の弾性構造を向上させることは、呼吸を改善することになる。
【0070】
[0131] 従来の可撓性の気管支鏡は、生検鉗子(Biopsy Forceps)についてニエマン(Nierman)への米国特許第4,880,015号明細書に記載されている。
図2A−Dに示したように、気管支鏡50は、例えば、長さ790mmのような、任意の適当な長さの形態とすることができる。気管支鏡50は、2つの主要部分、すなわち作用ヘッド52及び挿入管54から成る形態とすることが更に可能である。作用ヘッド52は、接眼鏡56と、ジオプトリー調節リング58を有する接眼レンズと、吸引管60及び吸引弁61、また、冷ハロゲン光源62、63用のアタッチメントと、アクセスポート又はバイオプシー入口64とを保持しており、これらのポート又はバイオプシー入口を通って色々な装置及び流体は、作用通路66内に進み、且つ気管支鏡の末端から外に出ることができる。作用ヘッドは、通常、長さ580mm及び直径6.3mmである挿入管に装着されている。この挿入管は、光ファイバ束(末端の先端68にて対物レンズ30で終端となる)と、2つの導光管70、70´と、作用通路66とを保持する形態とすることができる。気管支鏡の末端は、前方及び後方にのみ曲がる(72)能力を有し、正確な偏向角度は、使用する器具に依存する。一般的な曲げ範囲は、前方160゜から後方90゜であり、合計250゜である。曲がりは、操作者が作用ヘッド部にて角度係止レバー74及び調節レバー76を調節することにより制御する。肺アクセス装置(Lung Access Device)についてのマチス(Mathis)への米国特許出願第2005/0288550A1号明細書及び肺組織への誘導されたアクセス(Guided Access to Lung Tissue)についてのマチスへの米国特許出願第2005/0288549A1号明細書を参照。
【0071】
[0132]
図3は、気管支鏡SOを有する植込み型装置を備える肺容量減少装置を送り込むため肺容量減少送り込み装置80を使用する状態を示す。肺容量減少システムは、以下により詳細に説明するように、送り込んだ形態にて患者の肺気道に送り込み、次に、配備した形態に変化し得るような形態とされている。装置を配備することにより、取り囲む組織に張力を付与することができ、この張力は、肺の弾性的反発作用を回復することを容易にすることができる。装置は、介入従事者、すなわち外科医が使用する設計とされている。
【0072】
[0133]
図4A−Fは、本発明の1つの特徴に従った、肺容量減少装置110を示し、
図4B−Fは、それぞれ
図4Aの線B−B、C−C、D−D、E−E、F−Fに沿った断面図である。肺容量減少装置110は、配備されたとき、偏向して長手方向軸線Aから外れることができるように、可撓性を提供すべくその長さに沿ってC字形カット部114又は切欠きを有する管状部材112のような、部材を含む。例えば、カット部が管状部材の長さに沿って互いに平行に向き決めされ、且つ同一又は同様の深さDである場合、装置は、配備されたとき(以下に説明)軸線の点の回りにて均一に湾曲する傾向となる。その結果、装置は、スロットの形状により決定された方向に向けて優先的に湾曲し又は曲がる。異なる型式(幅、深さ、向き等)の切欠き又はスロットを使用して本発明の範囲から逸脱せずに、配備した装置の異なる作用上の効果及び形態を実現することができる。
【0073】
[0134] 管状部材112の管腔113内に配置されているのは、起動要素116すなわちプルワイヤーである。該起動要素は、図示したように、断面にて円形の円周を有し、又は任意のその他の適当な断面を有することができる。起動要素116は、キャップ119により、例えば、末端のような、装置110の一端に定着される。キャップ119は、カテーテルに接合し、また、キャップをプルワイヤーに圧着するため末端のクリンプ部を提供することができる。装置の先端を非外傷性とするため、丸味を付けたキャップを提供することもできる。対向端、例えば、基端は、機構120と係合し得る形態とされている。機構は、装置を配備することを可能にする。該機構は、装置110を配備し又は装置を退却させるため非係止状態にしたとき、装置を配備した形態に係止することを可能にし得るような形態に更にすることができる。装置110は、肺容量減少装置(以下に説明)を送り込み得るようにした送り込みカテーテルから脱着させる形態とされている。
【0074】
[0135] 装置の基端における機構120は、装置を適所にて係止すべく使用することのできるラチェット124と係合するリテーナリング122を含み得るようにすることができる。カプラー126は、ラチェット124を保持し、配備されたとき、ラチェットが装置を適所に係止するようにする。基端にてプルワイヤーアイリッドのような、退却アダプタ130が提供される。退却アダプタ130は、処置手順の間、又はその後の手順の間の後の時点にて装置を退却させ得るような形態とされている。ラチェット装置は、配備されたとき、装置を適所に係止するよう中心軸線から伸びるフランジを有している。
【0075】
[0136]
図5A−Bを参照すると、本発明の別の形態に従った肺容量減少装置210が図示されており、
図5Bは、
図5Aの線B−Bに沿った断面図である。管状部材212の管腔213内に配置されているのは、起動要素216すなわちプルワイヤーである。上述したように、起動要素は、図示したように、断面にて円形の円周を有し、又は任意のその他の適当な断面を有することができる。起動要素216は、キャップ219により、例えば、末端のような、装置210の一端に定着される。この実施の形態において、リテーナリング222は、送り込みカテーテルの保持シースを退却させることにより、配備し得るようにされたアンカー223、223´又は歯部を提供する形態とされている。配備されたとき、アンカー223は、気道と接触し、且つ装置を適所に固定する。アンカー223は、自動的に拡大して、配備されたとき、アンカーは気道を通って接近し又は伸びる(例えば、掛止めする)迄、アンカーが装置210の中心軸線Aから伸びるような形態とすることができ、アンカーの拡大量は、設計及び使用する材料によって制御されよう。例えば、形状記憶材料が使用されるとき、アンカーは、所定の角度α、例えば図示した10゜だけ管状部材の長手方向壁から伸びる形態とすることができる。アンカーの設計は、装置の長さにより更に設定することができる。アンカーは、ステントが血管内にて引っ掛る仕方と同様の態様にて配備されたとき、気道に引っ掛る形態とすることができ、又は、アンカーは、摩擦を生じさせる設計としてもよい。配備する前、アンカーは、保持シース(以下に説明)により規制される。
【0076】
[0137]
図6A−Cは、本発明の別の特徴に従った、更に別の肺容量減少装置を示し、
図6B−Cは、
図6Aの線B−B、C−Cにそれぞれ沿った断面図である。この実施の形態にて示したように、肺容量減少装置310は、その長さに沿ったC字形カット部314、314´又は切欠きを有する、管状部材312のような、部材を含み、可撓性を提供して、装置が配備されたとき、長手方向軸線Aから1つ以上の方向に偏向するようにすることができる。この実施の形態において、切欠きは、部材は1つの平面内に位置するとき、部材の両側部にて部材312上に配置される。例えば、カット部が管状部材の長さに沿って互いに平行に向き決めされ、且つ同一又は同様の深さDである場合、装置は、配備されたとき、軸線点の回りにて均一に湾曲する傾向となる。この実施の形態において、配備されたとき、切欠きの形態の結果、アクチュエータ要素316が基端方向に(すなわち使用する者に向けて)引っ張られたとき、「S」字形の配備した形態となる。
【0077】
[0138]
図7は、本発明の別の特徴に従った更に別の肺容量減少装置410を示す。この実施の形態において、管状部材412は、その長さに沿ってら旋状のパターンにて形成された切欠き414、414´、414´´を有している。その結果、起動要素416が使用する者に向けて基端方向に引っ張られたとき、装置は、以下に示したように、曲がってら旋を形成する。
【0078】
[0139]
図8は、シース535内に収容された肺容量減少装置510を示す。該シースは、シリコーンのような重合系の弾性膜とすることができる。該シースは、体腔からの材料が管状部材512の管腔513に入るのを防止することができる。管状部材512の管腔513内にて起動部材516が提供される。
【0079】
[0140]
図9A−Dは、本発明の別の特徴による更に別の肺容量減少装置610を示し、
図9B−Dは、
図9Aの線B−B、C−C、D−Dにそれぞれ沿った断面図である。この実施の形態の肺容量減少装置610は、個別の部分612、612´、612´´から成っている。これらの部分は、例えば、同一の非対称の形態を有する形態とすることができ、アクチュエータ要素616を起動させることにより装置が起動される前に、圧縮可能な空間614が各部分の間にあるようにする。部分の各々は、第一の表面上の止め部を更に備えることができ、該止め部は、対向する部分の表面上の凹部に対向する。理解し得るように、本明細書に開示した多様な構成要素は、起動及び作動を容易にし得るように係止し又は合わさる機構を提供する形態とすることができる。起動要素616が起動されたとき、圧縮可能な空間は減少し、2つの隣接する部分の対向する表面は、所望の結果に依存して、互いに接近し、それらの間の空間を減少させ又は解消する。これらの部分が同一又はほぼ同一の形態を有する場合、装置は、この軸線の点の回りにて均一に円弧部を形成する。これらの部分が同一の形態を有しない場合、選んだ部分の形態及び装置内の部分の構成に依存して、配備されたとき、多様な形態を実現することができる。従前の実施の形態と同様、アクチュエータ要素616は一端にて、例えば、末端にてキャップ619により固定される。これらの部分は、皮下管として形成し、又は射出成形した又は一体の部品として形成することができる。これらの部分を使用することは、表面は圧縮中、互いに接触するから、装置の疲労を避けることができる。材料の選択は、また、生体適合性金属の腐食を防止することもできる。更に、部分の設計は、最終的な形状及び作用のため、大量生産及び均一性を維持するような部分の設計になる。
【0080】
[0141]
図10A−Bは、本発明の1つの特徴に従った肺容量減少装置を形成するとき使用するのに適した部分712、712´を示す。これらの部分は、図示したように、一端にて互いに平行又は非平行の一対の表面を有する全体として円筒状とすることができる。上述した作用を実現するため、第一の表面713は、要素の細長い管状の側部715に対し垂直とすることができる一方にて、対向する表面717は、要素の側部に対し垂直ではない(又は、対向する第一の表面に対して平行ではない)。別の第二の表面上の凹部723と合わさる形態とされた止め部721を1つの表面に設けることができる。キー、キー溝の組み合わせ体のようなその他の機構は、本発明の範囲から逸脱することなく、使用可能である。アクチュエータ要素(上述した)が通過する中央管腔725が提供される。
【0081】
[0142]
図11A−Fに示した、本発明の別の実施の形態において、装置810は、植え込んだとき、それらの形状を回復する形状記憶材料にて形成された複数の個別のワイヤーから成っている。これらのワイヤーは、上述したC字形のような特定の形状をとることができるよう熱処理する。次に、ワイヤーは、送り込みシステム850を通して個別に植え込み、第一のワイヤーが植え込まれたとき、ワイヤーの直径が十分に小さく、ワイヤーは、その以前の形態の形状をとるよう、取り囲む組織により加えられた力に打ち勝つことはできない。しかし、追加的なワイヤーを植え込んだとき、ワイヤー内にて全体として得ることのできる強度の量は、組織により加えられた力に打ち勝ち、ワイヤーは、特に、所望の形状を実現する(
図11F参照)。当該技術の当業者に明らかであるように、所要の形状とされたワイヤーの強度は、使用される材料の量に依存して変更可能である。例えば、より大きい断面積を有する、所要の形状とされたワイヤーは、より小さい断面を有する、所要の形状をしたワイヤーよりも高強度を有する。しかし、より大きい直径のワイヤーは、配備するのに適した形状となるように真直ぐにすることがより難しいため、植え込みは困難である。多数の細いワイヤーが使用される場合、ワイヤーの各々は、個別により可撓性であり、配備がより容易である。しかし、より多数のワイヤーを植え込んだ場合、組み合わさった強度は増大する。幾つかの実施の形態において、例えば、50−100のワイヤーを使用すれば、ワイヤーは、組織により加えられた圧力に打ち勝つ強度を有するような装置810の形態とすることができる点にて有益であろう。ワイヤー810は、ワイヤーを互いに近接した状態に保つべく可撓性のポリマー管内に配備することができる。
【0082】
[0143]
図12は、上述したもののような、肺容量減少装置の基端に配置された係止造作物を示す。該係止造作物は、装置が配備されたとき、配備した装置が起動要素(例えば、参照番号116)上にて張力を保持することを可能にする。係止機構930は、引っ張りストリング933と係合し得るようにしたアイリッド932を有している。係止造作物は、通常、インプラントの内側に休止しており、また、ラチェット936がスロット付き管に対して基端方向Pに対して動いたとき、パチッと開いてタブ934と係合する。また、肺容量減少装置にてストッパ940を採用することもできる。該ストッパは、
図13に図示されている。該ストッパは、配備した装置上に張力を保持し得るようにされている。起動要素が係合し、所望の程度の張力が加えられ、その結果、所望の装置の形状となったとき、ストッパを配備して装置上に張力を維持することができる。該ストッパは、キャップ944内に嵌まり得るようにされたフランジ942を形成するスロット付き管を有する、図示したような形態とすることができる。フランジの各々は、形状記憶材料にて形成し、フランジは、中心軸線Aから離れる方向に伸びてキャップ944の内面と係合するようにすることができる。
【0083】
[0144] 次に、
図14A−Cを参照すると、本発明の肺容量減少装置の基端に適した自動係止式機構1040が示されており、
図14B−Cは、
図14Aの線B−B、C−Cにそれぞれ沿った断面図である。1つ又はより多くのフランジ1042が提供される。該フランジ1042は、規制されないとき、フランジが中心軸線Aから偏向する形態とすることができる。このように、
図14B−Cに示したように、該フランジ1042は、自動係止式機構1040の側部と係合する位置に配置されている。フランジは、装置から伸びる切欠きを形成するような形態とし、又は一体的に形成し、自動係止式機構が依然として、フランジが配備されたとき、中実な管を形成するようにすることができる。
図14Cは、インプラントの保持管1050から引き出された、配備したフランジを示す。フランジの端部と保持管の側部との間の締まり嵌めを使用して、例えば、タップ又はラチェットがインプラント内に戻るのを防止することができる。
【0084】
[0145]
図15A−Cに示した構成要素は、例えば、カテーテルのような送り込み装置が非連結状態とされる迄、装置をその適所に保持するため使用されるラチェット型式のものである。装置は、装置の基端の内面内にてラチェット歯車及び爪を有するラチェット機構を提供する形態とされている。ラチェット機構を保持し、且つラチェット機構が開くのを防止するため、保持シース1152が提供される。該シースは、退却させ、次に、プルワイヤー1116を引っ張り出す。規制されないとき、中心軸線から伸びるフランジ又はタブ1142が設けられる。管1155のスロット1156内を摺動し、且つ幅の広い開口1156と係合するピン1154を提供することができる。プルワイヤー1116を引き出すとき、ラチェットの側部は、
図15Cに示したように、中心軸線Aから変形して離れ、プルワイヤーが外に出るのを許容することができる。ラチェット管1158は、ラチェットを熱硬化して、シース1152が除去されたとき、開く、ニチノール(Nitinol)のような形状記憶材料にて形成することができる。これと代替的に、ラチェット管は、ステンレススチールにて形成してもよい。ステンレススチールを使用するとき、プルワイヤーを止め釘と共に、引き出すことが必要となるであろう。
図15Dは、
図15Aの線D−Dに沿った断面図である。
【0085】
[0146]
図16A−Cは、本発明の植込み型装置と共に使用するのに適した更に別の機構を示し、止め具1254は、ラチェット管1258の内面上に配置されている。2つの管1257、1257´は、装置をその適所に係止するため使用される。第一の管1257が引き出されるとき、第二の管1257´は、止め具1254から偏向して離れ、これにより継手を非係止状態にする可能性がある。止め具1254は、
図16Cに示した断面図にて示したボールの形状の形態とすることができる。このシステムは、送り込み装置を非連結状態にすべく使用することができる。
【0086】
[0147]
図17A−B、
図18は、送り込み装置を非連結状態にする代替的な機構を示す。
図17A−Bに示したように、ラッチバー1357を押し戻すため、プッシュバー1357´が使用される。該ラッチバーは、装置の内部上のリップと係合し得るようにされ、該プッシュバーは、該ラッチバーをリップ1359から偏向させ、且つ
図17Bに示したように、バーを引き出すことを可能にする。
図18にて、保持シース1460が採用され、この保持シース1460は、基端方向に引き出されたとき、ラッチ装置1458のアームが中心軸線Aから偏向し、且つ保持リップ1459から非係合状態になることを可能にする。
図19A−Bは、更に別の実施の形態を示す。図示した実施の形態にて、中央ピン1557が引き出され、このことは、爪1555が緩み、且つラッチバー1558の保持リップ1559から引き出される(中心軸線に向けて)のを許容する。
【0087】
[0148]
図20A−Eは、送り込み装置を作動させ、且つ非連結状態にするとき使用可能なヒッチピンの形態を示す。肺容量減少装置1610の一部分は、その内部に配置された起動要素1616を有するものとして示されている。
図14に示したもののような、係止機構1640は、装置1610の基端と係合する。係留ピンの非連結システム1662は、係止機構1640に装着される。これと代替的に、係留ピンは、ラチェット機構から非連結状態となるようにすることができる。係留ピンシステム1662は、係留ピン1666のループワイヤーと係合する係留ピンワイヤー1644を有している。係留ピンワイヤーが挿入されたとき、該ワイヤーは、係留ピンを係止軸1668と接触する状態に維持する。
【0088】
[0149]
図21は、本発明と共に使用するのに適した起動機構を示す。起動機構1770は、使用する者が握って強く装置を起動させるためのハンドル1771を有している。ハンドルの2つのレバー1772、1772´は、使用する者がレバーを強く握ったとき、互いに向けて前進可能である。1回強く握ることにより起動機構が実現可能な引張り量を制御し又は予め設定するためストッパ1773を提供することができる。末端におけるワイヤーの変位量は、使用する者がレバーを共に強く握ったとき、起動機構の2つのレバーの間に配置されたヒンジ止め式レバー1774にて生ずる、垂直軸線からの変位Xにより示される。
図22は、装置の配備を基端方向に制御する1つの代替的な機構を示す。
図22に示したように、ハンドル1871に向けて引き戻すことのできるトリガー1872を有するピストル型アクチュエータ1870が提供される。ワイヤーの変位量は、トリガーをハンドルに向けて引っ張る距離Xにより制御することができる。
図23に示したもののような、その軸線に対し平行に切削した歯部を有する平歯車1890を使用することにより線形の起動動作をシミュレートすることもできる。
【0089】
[0150]
図24は、使用する者が送り込み装置及びインプラントを制御し得るようにした別の基端側の制御機構1970を示す。該制御機構は、4つのバーの連結機構1974を有する手把み器1972、1972´を含む。使用する者が手把み器を押したとき、装置は、角度付きの形態から平坦な形態にその形態を順応させ、このことは、カテーテルを基端方向(使用する者に向けて)に引っ張り、患者の体内のインプラントを起動させることになる。
【0090】
[0151]
図25に示した装置は、配備する過程中、ニチノールの自動回復式インプラントの温度を制御すべく使用者により使用し得るようにした別の基端側の制御機構2070である。この実施の形態において、冷えた食塩水を末端方向に前進させ(2071)ニチノールインプラントをマルテンサイト状態(すなわち、変態を許容する「柔らかい」微細構造を有する状態)に維持する。食塩水を冷却機構に戻すための戻り路2071´が提供される。マルテン状態を維持することは、インプラントを送り込む間、インプラントの計画した形状を修正することなく、装置が可撓性で且つ柔軟なままであることを可能にする。体温よりも低い冷却した食塩水、液体窒素、液体CO
2又はその他の適当な材料を、インプラントに圧送し(2072)又は循環させることができる。その戻り路にて装置まで循環する材料を冷却するため冷却器2073を提供することができる。幾つかの実施の形態において、例えば、末端の温度センサ、及びフィードバックと共に、植え込み過程中、装置の温度を制御することが望ましいことがあり、また、このフィードバックは、線又は無線の電磁波の形態にて電気信号を介して送信することができる。
【0091】
[0152] 次に、
図26を参照すると、再捕捉装置2080の末端の形態が示されている。植え込んだ装置2010の基端には、植え込んだ装置の外側を取り巻き得るようにした再捕捉装置2080が係合する。該装置は、回収カテーテルと係合し得るようにした高圧バルーン2081を備えている。拡張ポート2082が提供され、該拡張ポートを通じて、例えば、冷たい流体を圧送して、ニチノールタブ2034を偏向させ易くすることができる。タブが偏向し、且つ装置の中心軸線Aに向けて動いたとき、起動ワイヤーを湾曲した状態に維持する係止機構を解放することができ、植え込んだ装置は、真直ぐとなり、且つ引き出すことができる。
図27A−Bは、退却装置2180の1つの代替的な実施の形態を示し、この場合、鉗子を使用してタブに側方向力を付与し、このため、タブを装置の中心軸線に向けて押し付け、起動ワイヤーを保持する係止機構を上述したように解放することを可能にする。
図27Bに示したように、次に、装置を引っ張ることにより、鉗子にて、真直ぐになった装置を引き出すことができる。
【0092】
[0153] 装置のクリップをカテーテルに連結するため、多様な機構を使用することができる。
図28A−Bに示したように、植込み型装置2210は、装置又は送り込みカテーテルの一方を関係したキー2291と、装置又は送り込みカテーテルのもう一方と関係した対向するリングと関係したキー溝2292とを有するリングを備えている。当業者により理解されるように、トルクを制御するため、所望に応じて、1つ又はより多くのキー又はキー溝を提供することができる。
図28Bに示したように、2つのリングは、互いに当接して装置を係止し、且つトルクをカテーテルと装置との間にて伝達することを許容し得るようにされている。
図28Bに示したキー/キー溝の設計は、また、装置の送り込み又は退却のため、また、装置の基端に適用することもできる。
【0093】
[0154]
図29A−Cは、別の退却機構2380を示す。該退却機構は、装置の基端のループ2394内に掛止めし得るようにした掛止め部2393を採用する。掛止め部は、起動機構2316内に組み込んで、掛止め部2393が装置2310の基端の起動機構から伸びている。掛止めされたならば、装置は、係止機構を不作動にし、このことは、アクチュエータ2316の張力を解放する。次に、カテーテルを前進させ係止フランジ2334と係合し、これらのフランジを中心軸線Aに向けて押し、起動機構2316から張力を除去し、且つ装置を引き出し又は再係止することを許容することにより、装置2310を非係止状態にする。
図30A−Bに示した更に別の実施の形態において、例えば、カテーテルと関係した皮下管2495は、装置2410の基端上を摺動し得るようにされている。スネアワイヤー2496は、投げ縄と全く同様に、装置の基端上に嵌まる形態とされている。作動時、スネアワイヤー2496は、装置2410の基端上にてループ状にし、また、基端方向に引っ張って皮下管を装置に向けて末端方向に引っ張る。このことは、その組み合わせ体がインプラントに保持され、係止皮下管を前方に前進させ、タブ又はフランジ2434を非係止状態にすることを可能にする。
【0094】
[0155]
図31A−Dは、多様な配備した形態にて本発明に従った装置2510を示す。
図31Aは、配備前に取った形態のような、長手方向形態を有する装置2510を示す。装置が植え込まれ、且つ軸方向に圧縮され又は張力が加えられた状態に置かれたとき、装置は、優先的に曲がるであろう。実際の優先的な曲がりは、装置の形態に依存して相違するであろう。例えば、
図4−8に示した、スロットの位置、深さ及び方向とし、又は、
図9の部分の壁の方向とする。
図31Bは、例えば、装置2510がその長さに沿って均一に隔てたC字形カット部又は切欠きを有する場合、装置は優先的に曲がり、「C」字形又は切欠きを形成する壁は、互いに接近するか又は互いに把み合い、その結果、配備した装置は、湾曲した「C」字形の形状に優先的に曲がる(
図4−5参照)。その結果、張力が起動装置又はワイヤーに付与されるため、インプラントは変形し、ワイヤーはより短い経路をとる。
図31Cは、
図6に示したような形態を使用して前進させる、「S」字形の形状に配備された装置を示す。理解し得るように、S字形の形状体は、サイン曲線と全く同様に、装置の形態に依存して所望であるように、多くの曲線にて続けることができる。
図31Dは、ら旋状の形態(
図7参照)に配備された装置を示す。当業者がこの開示を検討したとき、理解し得るように、例えば、管状部材のC字形カット部のサイズ及び位置を変更し、又は
図9−10に示した部分の形態を変更することにより、その他の形態を実現することができる。装置が優先的に曲がったとき、装置は肺組織に曲げ力を加え、その結果、肺容量は減少する。理解し得るように、
図31に示した形態から、インプラントは、形状変更されたとき、送り込み可能なインプラントの形態よりも短い長さとなる。この短縮化は、例えば、基端と末端との間の距離が減少したとき、生じる。典型的に、装置の送り込み可能な形状は、直径18mm以下の円筒状の空間内に嵌まるようなものである。このように、インプラントは、インプラントの長さの線形インチ当たり10
-6 平方インチよりも大きい組織と接触することができる。形状変更し又は配備したインプラントは、単一の平面内に位置するよう、又は単一の平面内に位置しないように任意のその他の適当な形態とすることができる。更に、装置は、その長さに沿って変化する曲率を有するようにしてもよい。
【0095】
[0156]
図32は、送り込み装置2680と組み合わさった肺容量減少装置2610を示す。該装置2610は、起動要素2614が提供される管腔2613を有する管状部材2612を提供し得るようにされている。管状部材2612は、その長さに沿って一連のC字形カット部2614を有しており、これらのカット部は、配備されたとき、装置が優先的に曲がるのを可能にする。理解し得るように、説明の目的のため、
図4に示したものと同様の装置が図示されている。本発明の範囲から逸脱することなく、その他の装置を使用することができる。係止機構のフランジ2634と係合し、フランジを中心軸線Aに向けて押し、起動要素2614に加えられた張力を解放し、これにより装置を除去することを可能にする装置2680が提供される。該装置は、中央ロッドを基端方向に引っ張ることにより起動させることができる。その後に切離しカプラー(外部ロッド)を基端方向に引っ張る。
【0096】
[0157]
図33A−Cは、例えば、気管支26内に植え込まれた、本発明による装置2710を示す。
図33Aに示した装置2710は、装置の一端に非外傷性先端2711を提供する形態とされている。装置2710が気管支26内にて起動されたとき、装置は、湾曲し、且つ肺組織に曲げ力を加える。この曲げ圧力の結果、組織は湾曲し、且つそれ自体を圧縮し、肺容量を減少させる。更に、装置の配備の結果、気道は曲がった状態となる可能性がある。
図33Cに示したように、装置は、単一の非外傷性先端を有する形態とし、配備機構2720が装置の基端と容易に相互に接するようにしてもよい。
【0097】
[0158] 幾つかの場合、組織の内部成長が生じるのに十分な時間、装置が植え込まれている場合、その管腔内にて鋭利なブレード(図示せず)を有するトルク運動可能なカテーテル2570を、装置2710の長さに沿って前進させ、
図34A−Bに示したように引き出す前、組織をインプラントから切除できるようにすることができる。このことは、引き出しを容易にし得るよう、装置を気道壁から切除することを可能にする。
【0098】
[0159]
図35A−Cは、装置を肺内に植え込む過程を示す。明らかであるように、装置2810は、ある形態まで前進させ、この形態にて、装置は、気道を通じて肺の解剖学的部位に順応し、また、例えば、気管支に入り、損傷を受けた組織32に対して所望の位置に到達するようにする。次に、起動装置を係合させ、装置を湾曲させ且つ肺組織を起動させた装置に向けて引っ張ることにより装置の起動を行なう(
図35B参照)。肺組織が
図35Cに示したように、所望の程度、引き出される迄、装置の起動は続行する。当業者により理解されるように、組織の引き出しは、例えば、本明細書に開示した形態設定可能な装置の1つを配備したとき、肺組織の標的部分を湾曲させ、且つ圧縮することにより実現することができる。十分に起動されたならば、配備装置は、肺腔から引き出される。
【0099】
[0160] 本発明に従った方法を実行する多様なステップは、当業者により本明細書を検討したとき、理解されるであろう。しかし、説明の目的のため、
図36Aは、装置の挿入(3610)、アクチュエータを作動させることによる装置の起動(3620)、装置を所望の形態に曲げること(3630)、及び装置を配備状態に係止することを含むステップを示す。理解し得るように、装置を曲げるステップは、上述したように、アクチュエータを起動させることにより、又はインプラントを予め設定した形状に復帰させることにより実現することができる。
【0100】
[0161] 1つの実施の形態において、装置の操作は、気管支鏡を患者の肺内に挿入するステップと、次に、気管支内装置又は肺容量減少装置を気管支鏡内に挿入するステップとを含む。次に、装置が気道内に押し込まれる位置である気管支鏡の末端から気管支内装置が出ることを許容する。次に、多様な方法を使用して、装置がその所望の位置にあるかどうかを判断するため、装置の位置決め状態を確認することができる。適当な確認方法は、例えば、蛍光透視法、CTスキャン等のような、視覚化装置を介して視覚化することを含む。その後、装置は、プルワイヤーを基端方向(すなわち、使用する者に向け、且つ患者の身体の外側に向けて)に引っ張ることにより起動させる。この時点にて、装置が望ましいように配置され且つ配備されていることかどうかを判断するため、別の視覚的チェックを行なうことができる。その後、装置を完全に起動させ、ラチェットは、装置をその適所に係止し且つ保持することを許容する。その後、インプラントは、送り込みカテーテルから連結解除し、送り込みカテーテルを除去する。
【0101】
[0162] 肺を緊張させる別の方法が
図36Bに示されており、この図は、装置を可塑的に又は恒久的に曲げることなく曲げ荷重又は力を加えて装置を第一の形状から送り込み可能な形状に変形させるステップ(3640)と、装置が導入されている間、装置を送り込み可能な形状に保持するため、気管支鏡又はその他の送り込みシステムの構成要素を使用して装置を患者の体内に送り込むステップ(3650)と、次に、装置がその最初の形状に復帰することを許容すべく装置を保持すべく使用した拘束具を除去するステップ(3660)とを含むステップを示す。装置が弾性的に復帰することは、装置を近傍の肺組織に力を加えるであろうより曲がった状態にすることになる。この曲げ力は、インプラント近くの組織を局所的に圧縮し、且つ取り囲む領域内にて肺組織に張力を加え、肺の反発力を取り戻し、且つ呼吸効率を改善することになる。第一の形状は、送り込み装置により送り込み可能な形態に弾性的に規制され得るようにされ、これにより、送り込み装置を除去することにより、インプラントが反発し、且つその第一の形状に近い形状に変化することを許容する。
【0102】
[0163]
図37は、ニチノール金属ワイヤー3701にて出来た植込み型装置3703の一例を示す。形状記憶の性質を有するニッケルチタン、チタン、ステンレススチール又はその他の生体適合性金属、又は1%の歪み後、復帰する能力を持つ材料を使用してかかるインプラントを使用することができる。更に、プラスチック、炭素系組成物又はこれら材料の組み合わせが適しているであろう。装置は、フレンチ・ホルンのような形状とされ、また、全体として、単一の平面内に位置するものとすることができる。端部は、ボールの形態にて示した、表面積を最大にする形状にて形成され(3702)、肺組織を掻き取り又はかじる程度を最小にする。ボールは、ワイヤーの一部分を溶融させることにより形成することができるが、これらは、ワイヤーの端部に溶接し、圧着し又は接着される追加的な構成要素としてもよい(3701)。
【0103】
[0164]
図37に示したもののような、ニチノール金属製インプラントは、任意のその他の型式のばねのような、体内にて所望の形状に復帰することができるよう弾性的な形態とし、又は、所望の形状に復帰し得るよう熱により起動させることができる形態にて形成することができる。ニチノールは、マルテンサイト相に冷却し、又はオーステナイト相にまで加温することができる。マルテンサイト相において、金属は、その予定した形状に復帰する。金属がマルテンサイト相に完全に復帰したときの温度は、Af温度(最終オーステナイト)として知られている。金属が調質され、Af温度が体温であり、又は体温よりも低い場合、その材料は、体内にて弾的であるとみなされ、また、単純なばねのように機能するであろう。装置は、冷却して金属内にマルテンサイト相を誘発するようにすることができ、このマルテンサイト相は、装置を可撓性で且つ極めて送り込み易くする。装置は、通常、体温によって加熱することが許容されるため、装置は、自動的にその形状を回復し、それは、金属はオーステナイト相まで遷移して戻るからである。装置が送り込みシステムを通じて嵌まるように歪んだ場合、装置は、マルテンサイト相を誘発するのに十分変形する。この変態は、0.1%の歪みにて生じるであろう。マルテンサイト相を誘発するよう歪んだ装置は、依然としてその当初の形状を回復し、且つその歪みが除去された後、オーステナイト相に変換して戻る。装置が体温以上のAr温度を有する形態とされた場合、装置は、熱せられて、そのオーステナイト相に変換し、且つ体内にてその形状の回復機能を熱的に起動させる。これらの形態の全ては、装置と患者の体内にて起動させるのに十分、作用するであろう。人間の体温は、典型的な人体にて37゜Cであると考えられる。
【0104】
[0165]
図38は、インプラント装置3703を送り込み可能な形状に規制する送り込みカートリッジシステム3800の切欠き図を示す。装置3801は、かかるシステムにて所期の使用する者に出荷することができ、又は、患者、気管支鏡又はカテーテルの送り込み装置内に取り付ける前に、インプラントにより容易に装填して所望の形状にするためのツールとして使用することができる。カートリッジは、図示したルアロックハブ3802のような、解放した端部又は1つ又はより多くのハブを有する封止端又は終端とすることができる。インプラントは、18mmの直径と等しく又はそれ以下の直径まで規制する必要があり、それは、それ以上の場合、声帯の開口部を経て前進させることは難しいからである。
【0105】
[0166]
図39は、野球のボールの縫目と同様の三次元的形状の形状とされた別のインプラント装置3901を示す。ワイヤーは、基端3902が多少真直ぐに伸び且つ他端よりも僅かに長い形状とされている。この基端は、使用する者に最も近い端部があり、また、真直ぐな部分は、再捕捉することをより容易にするであろう。曲がったならば、組織内に押し込まれてアクセスをより難しくするであろう。
【0106】
[0167]
図40は、別のインプラントシステム4001の図である。このシステムは、
図39に示したものと同様であるが、装置を取り囲むワイヤーフレーム4002を追加している。ワイヤーフレームは、例えば、肺組織に付与される軸受面積を増加させるために使用することができる。軸受面積を増大させることにより、組織が支承する圧力は、装置が肺構造を通って成長し、又は炎症性の問題を生じる傾向を減少させると共に、低下する。体内にて荷重を付与する細いワイヤーは、移行し勝ちとなり、このため、我々は、装置は、装置の長さの線形インチ当たり0.000001(1
−6平方インチ)平方インチの表面積を有するような形態とする必要がある。フレームは、組織上にて支承すべき表面積をより大きくするための多数の対策の1つである。
【0107】
[0168]
図41は、本発明に従った装置4101の更に別の例を示す。装置4101は、軸受面積4102を増加させる覆い物を特徴としている。この例において、主ワイヤー3902は、ワイヤーフレーム及び重合系覆い物4102にて被覆されている。覆い物は、生体適合性プラスチック、熱可塑性樹脂、フルオロポリマー、テフロン(Teflon)(登録商標)、ウレタン、金属メッシュ、被覆物、シリコーン又は肺組織への支承圧力を低下させるその他の弾性材料にて出来たものとすることができる。覆い物4103の端部は、使用する者が抗生物質を覆い物内に且つ覆い物外に洗い流すのを許容するように図示したように封止し又は解放したままにすることができる。
【0108】
[0169]
図42は、装置を洗浄することを許容し得るような形態とされた孔部分4203を有する覆い物4205を示す、インプラント装置4201の別の形態を示す。覆い物の端部4202は、装置の端部に対して封止され、2つの構成要素を固定した状態に保ち、また、配備中、1つ又はより多くのその他が摺動するのを防止する。覆い物は、緊密嵌めとなるよう熱接着し、接着し又はシュリンク嵌めすることができる。
【0109】
[0170]
図43は、継手4302にてボールの端部3702に接合したワイヤーフレーム4002を有する装置4301を示す。ボールは、ワイヤーストック材から溶融させ、また、そのとき、ワイヤーフレームを、ボール内に組み込むことができる。ワイヤーフレームは、互いに接着し、互いに圧着し、溶接し又は機械的に係止されようにしてもよい。
【0110】
[0171]
図44は、ワイヤーフレーム4302、主ワイヤー4103及び覆い物4102が装着された別のインプラント装置4401を示す。
[0172]
図45は、互いに掛け止めすることのできる(4501)、1つ又はより多くの装置の1つのシステムを示す。装置3703は、例えば、鈍角なボール形状の端部3702のような両端にて終端となるような形態とされている。装置4502は、解放したカップ及びスロット形状体4503を有する一端にて終端となっており、該形状体は、装置を互いに連結することを許容する。これらの装置は、共に送り込み又はその位置で連結することができる。装置は、肺内の単一の気管内に又は共に連結可能な異なる位置にて取り付けることができる。
【0111】
[0173]
図46は、ボール終端3702を有するコイルの形態にて形成された別の三次元的装置4601を示す。
[0174]
図47、
図48は、装置がその位置で配備されたとき、装置の長さが減少する仕方を示す。
図47にて送り込み形態4802にて示した装置は、また、
図48にて配備した形態4803にて示されている。装置の端部3702間の距離Aは、装置が規制するカートリッジ装置3801により規制されている間、大きい。装置が装填カートリッジ、カテーテル又は気管支鏡により規制されるとき、距離Aは同様である。
図48は、気道4801内にて配備された形態4803にある同一の装置を示し、該気道は、インプラント装置の形状の復帰により変形されている。
図48は、装置の端部3702の間の距離Bは、装置が配備された後、実質的により短いことを示す。
【0112】
[0175] 以前の実施の形態と同様に、
図37−48に示した実施の形態は、送り込み形態にて患者の肺気道まで送り込むことができると共に、配備した形態に変化し、肺気道を曲げることができるような形態とされている。装置は、装置が図面に示したもののような複数の形状体に弾性的に曲がり得る送り込み形態を有することを特徴としている。装置の設計は、装置の両端にて歪み除去が容易であるようなものとすることができる。更に、装置の端部は、送り込み又は配備した形態の何れかにてより弾性的である。
【0113】
[0176] 装置は、標的の組織を治療するため任意の適当な長さとすることができる。しかし、この長さは、通常、例えば、2cmから10cmの範囲とし、通常、5cmである。装置の直径は、1.00mmから3.0mmの範囲とし、好ましくは、2.4mmとすることができる。装置は、60cmから200cm、好ましくは90cmの作用長さを有するカテーテルと共に使用される。
【0114】
[0177] 作用時、
図37−48に示した装置は、気管支鏡法と共に使用することを容易にする最小侵襲性である形態とされている。典型的に、配備中、切開されず、また、肺の胸膜の空間を侵すこともない。更に、肺内での側副換気は、植え込んだ装置の効果に影響を与えることはない。その結果、装置は、同質又は異質の気腫と共に使用するのに適している。
【0115】
[0178]
図37−48に示した装置の各々は、肺組織に曲げ力を付与し得るような形態とされている。例えば、肺組織に曲げ力を付与する
図40に示したようなばね要素を提供することができる。植込み型ばね要素は、肺の気道まで送り込むことのできる形状に規制することができ、また、要素が気道上にて曲げ力を付与して気道が曲がるようにすることを許容するよう非規制状態としてもよい。
【0116】
[0179] 肺容量減少システムの実施の形態は、比較的真直ぐな送り込み形態まで第一の形態にて規制されると共に、真直ぐでない形態である第二の形態にその位置で復帰することを許容されたインプラントを提供し得るようにすることができる。装置及びインプラントは、少なくとも部分的に、少なくとも1%歪んだ後、完全に復帰するばね材料にて形成することができ、適当な材料は、ニッケル及びチタンから成る金属のような、1つの金属を含む。幾つかの実施の形態において、肺容量減少システムのインプラントは、送り込んだ形態にて体温以下に冷却される。かかる1つの実施の形態において、冷却システムは、温度感知フィードバックループにより提供することができ、そのフィードバック信号は、該システム内の温度変換器により提供することができる。装置は、37゜C以下に調節したAf温度を有する形態とすることができる。更に、装置の金属の少なくとも一部分は、送り込み形態にてマルテンサイト相に変態させ且つ(又は)配備した形態にてオーステナイト相状態に変態するものとすることができる。
【0117】
[0180]
図37−48に示したもののような、肺容量減少システムは、患者の肺内に送り込むことができる形態とされ、且つ装置と接触する肺組織をより湾曲させるよう形状変化する形態とされた植込み型装置を備えている。組織の曲率を増すことは、疾患した組織の肺容量を減少させるのを助ける一方にて、このことは、健常な組織の肺容量を増大させることになる。幾つかの場合、装置は、恒久的な第二の形態に形状変化する形態とされている。しかし、当業者により理解されるように、装置は、また、第一の形状を有するような形態とし、且つ送り込み可能な形状に弾性的に変形する形態としてもよい。
【0118】
[0181] 当業者により理解されるように、
図37−48に示した装置は、患者の肺内に送り込み得る形態とされ、且つ液体が患者を経て両方向に流れるのを許容しつつ、肺組織の形状を変化させる形態とすることができる。
【0119】
[0182]
図49は、インプラント装置を送り込むべく使用することのできるシステム4901を示す。システムの多くの構成要素は、インプラントの送り込みに適した箇所まで気管支鏡4902を誘導すべく必要とされるであろう。気道のガイドワイヤーは、末端の先端の僅かな湾曲部を気道の分岐部の適当な気道まで回転させることにより所望の気道内に操縦することのできる末端の柔軟な部分4913を有している。ワイヤーに対してトルクを付与するため、係止式の基端ハンドル4915のような装置を、ワイヤー4912の基端に装着することができる。ワイヤー先端は、参照番号4914で示したボール先端のように鈍角としてもよい。幾つかの実施の形態において、ワイヤーは、拡張器カテーテル4909を通過し得る形態とされており、該拡張器カテーテルは、ワイヤーの直径から送り込みカテーテル4906の直径まで滑らかな直径の遷移部分を提供する形状とされている。拡張器4910の末端の先端は、図示したように、テーパーを付ける必要がある(4911)。拡張器は、送り込みカテーテル4906の解放した端部が予期しない仕方にて肺組織内に喰い込むのを防止する。拡張器ハブ4916は、Y字形接続具として形成し、使用する者が注射器を連結し、放射線不透過性染料を拡張器の管腔を通して注射し、気道の視覚性を向上させるのを許容することができ、このことは、蛍光透視法又はコンピュータ断層撮影法のような、X線誘導システムを使用することを容易にする。送り込みカテーテルは、ワイヤー及び拡張器無しにて使用することもできる。カテーテル4906は、装置がシステムを通じて患者の体内に前進する間、装置を送り込み可能な形状にて規制するような設計とされている。末端4907は、基端4906以外、より柔軟なポリマー又は編組部にて形成することができ、また、末端の先端は、一体的に又は隣接して先端を関係した放射線不透過性材料を更に含み、骨のような、その他の解剖学的位置に対する先端の位置を識別することができる。1つ又はより多くの放射線不透過性マーカーを提供することは、標的の解剖学的部位に対するその位置で装置の末端を位置決めすべくX線誘導システムを使用することを容易にする。送り込みカテーテル4908の基端の終端は、滑らかな連続的管腔を有する装填カートリッジ3801を固定するため係止可能なハブを更に含むようにすることができる。送り込みカテーテル4906は、気管支鏡の側部ポート4905内に導入され、且つ気管支鏡4917から出る状態にて示されている。カメラ4903は、ケーブル4904又はその他の送り込み機構にて気管支鏡の端部に装着され、像の信号をプロセッサ及びモニター装置に伝送する。装填カートリッジ、送り込みカテーテル、拡張器、ガイドワイヤー及びワイヤーナットは、本明細書にて識別した任意の材料にて、又は人間の血管経路内にて使用される同様の製品について放射線医が使用することが周知の材料にて形成することができる。
【0120】
[0183]
図50は、人間の肺内部に配置された送り込みシステム5001を示す。気管支鏡4902は、気道5002内にある。気管支鏡カメラ4903は、ケーブル4904を介してビデオプロセッサ5004に連結されている。像は、処理され、且つケーブル5005を通してモニター装置5006まで送られる。モニター装置は、気管支鏡内の光学要素の丁度、手前にて送り込みカテーテルの像5008のスクリーン5007上の典型的な視覚方向を示す。送り込みカテーテル4907の末端は、使用する者がインプラント装置3703を配置する箇所である、気道5002内の気管支鏡から外に突き出す。インプラント3703は、係止式ハブ接続部3802を介して送り込みカテーテルの基端に連結された装填カートリッジ3801内に装填される。プッシャ把み器装置5009は、把み器カプラー5010によりインプラント3703の基端に連結され、該把み器カプラー5010は、起動プランジャ5012、ハンドル5011、及びプッシャワイヤー内の中央管腔を通って伸びるプルワイヤーを使用してインプラントに係止されている。プッシャをインプラント装置に及び前進するプッシャ/把み器装置5009に解放可能に連結することにより、使用する者は、インプラントを配備した形態にて肺内に前進させることができる。使用する者は、インプラントの配置位置を検査し、且つ送り込み位置が未だ理想的でない場合、インプラントを、送り込みカテーテル内に容易に退却させて戻すことができる。装置は、送り込まれておらず、肺5003の底面は、全体として平坦として示され、また、気道は、全体として真直ぐな状態に示されている。これらは、共に、インプラント装置無しの肺に対して解剖学的に正確である。送り込み位置が正確な場合、使用する者は、プランジャ5012を起動させてインプラントを患者の体内に解放する。
【0121】
[0184]
図51は、インプラントが気道5103内に配備された後の同一のシステムを全体として示す。インプラント5102及びプッシャ5101は、送り込みカテーテル4907を通して気管支鏡4902の末端側の位置まで前進させてある。プッシャ把持ジョー5010は、インプラント5102の基端に未だ係止されるが、インプラントは、気道5103を折り畳んだ形態まで曲げた予定した形状に復帰している。気道を折り畳むことにより、気道構造は、肺内にて効果的に短縮され、インプラントの一部分内の肺組織は、側方向に圧縮されている。気道は、肺組織内に十分に定着されているから、気道は、肺5104の引っ張った床(内方に湾曲した)を示すことにより、図に示した取り囲む肺組織上に張力を提供する。カメラ4903からの像は、信号プロセッサ5004を通じてモニター装置5006に送信され、送り込みカテーテル5101の末端の先端、プッシャ5010の末端の把み器及びインプラント3703の基端を示す。把み器は、患者内にて解放された装置を配置し、連結し且つ退却させるため使用することができる。インプラントは、気道の全体の管腔を塞ぐことなく気道及び肺組織にて作用する。このことは、流体又は空気がインプラント装置を経て気道を通って両方向に通過することができる点にて有益である。
【0122】
[0185]
図52は、患者の身体内に、特に、人間の肺内に配置された送り込みシステム5200を示す。送り込みシステム5200は、全体として、上述したシステム4901又は5001と同様のものとすることができる。気管支鏡4902の末端5240は、軸方向部分と称されることがある、気道部分又は軸方向領域5002に向けて気道系内に伸びている。気管支鏡カメラ4903は、ケーブル4904を介してビデオプロセッサ5004に連結されている。像は処理され、且つケーブル5005を通してモニター装置5006に送られる。モニター装置5006は、気管支鏡内の光学式像捕獲要素の丁度、手前にて送り込みカテーテルの像5008の一部分をスクリーン5007上に示す。幾つかの実施の形態において、気管支鏡は、主気道に隣接する肺の「近い」領域にのみ前進するようにする比較的大きい断面により規制することができる。従って、光学像は、気道系に沿った僅かな距離だけ伸びる視界を有しており、また、インプラントの一部分、殆ど又は全てを気管支鏡4902の視界5242を超えて植え込むことが望ましいことが多々あるであろう。
【0123】
[0186] ガイドワイヤー5203は、気管支鏡4902及び気道系を通して(且つ貫通して)気道5002まで押し進める。上述したように、ガイドワイヤー5203は、1つの選択として、気管支鏡及び(又は)送り込みカテーテルの断面よりも著しく小さい断面とすることができる。代替的な実施の形態は、比較的太い直径のガイドワイヤーを使用してもよい。例えば、ガイドワイヤーと送り込みカテーテルとの間のテーパー付き拡張器に頼ることに代えて、ガイドワイヤーは、送り込みカテーテルの管腔を殆んど又は実質的に充填するのに十分に大きくすることができる一方にて、管腔を通してガイドワイヤーの摺動動作を許容する。適当なガイドワイヤーは、約5Frから約7Frの範囲、理想的には、約5 1/2Frの断面を有することができる一方にて、送り込みカテーテルは、約5Frから9Frの範囲、理想的には、約7Frとすることができる。ガイドワイヤー5203の末端5209は、操縦をし易くすべく上述したように角度を付けることができる。インプラントを内視鏡の作用管腔を通して直接送り込む(別個の送り込みカテーテルを使用して)ことを含む、更なる変更例も可能である。特に、気管支鏡の断面寸法が気管支鏡を標的の気道領域の末端まで前進させるのを許容する場合、気管支鏡自体は1つの選択として遠隔映像法を使用せずに、送り込みカテーテルとして使用することができる。
【0124】
[0187] 蛍光透視システム、超音波映像システム、MRIシステム、コンピュータ断層映像(CT)システム、又は遠隔の像捕獲装置5211を有する幾つかのその他の遠隔式映像化形態は、ガイドワイヤーを誘導することを許容し、このため、ガイドワイヤー及び(又は)送り込みカテーテル5201は、気管支鏡4902の視界を超えて前進させることができる。幾つかの実施の形態において、ガイドワイヤーは、気管支鏡を使用せずに、遠隔式の像誘導の下、前進させることができる。しかし、ガイドワイヤーは、全体として、近くの肺を十分に超えて前進させ、ガイドワイヤーの末端は、1つの選択として、遠方の肺の小さい気道に向けて中間の肺まで且つ(又は)その肺を通して前進させることが多々ある。比較的大きいガイドワイヤーが使用される場合(典型的に、5 1/2Frガイドワイヤーのように、5Fr以上)、ガイドワイヤーの断面は、上述したインプラントを受け入れるのに適した管腔寸法を有する気道の1つの領域までしか前進しないよう制限することができる。ガイドワイヤーは、非外傷性端部を有し、一例としての実施の形態は、取り囲むコイルに固定されたコアワイヤーを含むガイドワイヤー構造を有し、弾性的な又は低縦方向強度のバンパーは、コイルから伸びており、バンパーは、バンパーが軸方向に撓み、且つ組織の損傷を防止することを許容するよう隣接するループ間にて分離しコイルの追加的なループにより形成されることが理想的である。また、バンパーの末端の丸味を付けた表面又はボールは、組織の損傷を阻止することもできる。次に、側方向に可撓性の送り込みカテーテル5201の末端5244は、気管支鏡4902内にて管腔を通し且つガイドワイヤー5203の上方を映像システムの誘導の下、前進させることができ、送り込みカテーテルの末端がガイドワイヤーの末端と実質的に整合される迄、前進させることが理想的である。
【0125】
[0188] ガイドワイヤー5203の末端部分には、長さの標識5206が設けられ、この標識は、末端5209からのガイドワイヤーに沿った距離を表示する。この標識は、スケール番号又は簡単なスケールマーキングを有することができ、カテーテル5201の末端5244は1つ又はより多くの相応する高コントラストのマーカーがあり、ガイドワイヤーの標識及びカテーテルのマーカーは、典型的に、遠隔式映像システムを使用して見ることができる。従って、遠隔式映像カメラ5211は、標識5206を識別し、追跡し又は映像化し、このため、気管支鏡の末端の間と、ガイドワイヤー5203の末端5209との間を伸びるガイドワイヤーの部分の長さ(及びその相対的位置)を提供する。長さ5206の標識は、例えば、放射線不透過性又は超音波マーカーから成るものとし、遠隔式映像化の形態は、例えば、X線、蛍光透視法、誘導システム、コンピュータ断層映像(CT)システム、MRIシステム等から成るものとすることができる。コイルがバンドの上方に配設されて、コアワイヤーに対して規制的な軸方向間隔にて圧着された高コントラストの金属は、典型的に、金、白金、タンタル、イリジウム、タングステン及び(又は)同様のものから成る。ガイドワイヤーの標識の幾つかは、
図52のカテーテルの末端部分を通じて概略図的に示されていることが分かる。このように、長さの標識5206は、気道5002の長さ又は気管支鏡の視界を超える気道系のその他の部分を測定するため、誘導システムを使用し易くし、これにより、適当な長さのインプラントを選ぶことを許容する。
【0126】
[0189] 遠隔式映像化形態物5221は、ケーブル5215を介して映像プロセッサ5224に連結されている。映像プロセッサ5224は、像5228をスクリーン5227上に表示するモニター装置5226に連結される。像5228は、送り込みカテーテル5201及びガイドワイヤー5203の長さ5205、5206の標識をそれぞれ示す。上述したように、細い直径のガイドワイヤーが使用される場合、拡張器5217は、カテーテルの管腔を通して前進させ、拡張器の末端は、カテーテルが前進されているとき、送り込みカテーテル5201の末端から伸びるようにする。拡張器5217は、送り込みカテーテル5201が末端方向に前進するとき、気道系の開口部を非外傷的に拡大させる。拡張器5217は、ガイドワイヤー5203の末端の先端の基端側にて半径方向外方にテーパーが付けられ、カテーテルを遠方の肺に向けて中間肺まで、又はその肺を通して末端方向にカテーテルを前進させる易くする。カテーテルが送り込みのため標的の気道部分5002の末端まで前進されたとき(1つの選択として、インプラントに対する標的領域の末端を識別するため大きい直径のガイドワイヤーが使用されるとき、ガイドワイヤーの上方にてガイドワイヤーの末端まで前進させ、又はカテーテルの断面積がカテーテルを細い直径のガイドワイヤー上を安全に伸ばすことを許容する限り)、気道の長さ(1つの選択として、ガイドワイヤーの末端と気管支鏡の末端との間)が測定される。拡張器5217(使用される場合)及びガイドワイヤー5203は、典型的に、送り込みカテーテル5201から基端方向に引き出され、送り込みカテーテルの開放した管腔を提供し、この管腔から肺容量減少装置又はインプラントを配備することができる。
【0127】
[0190]
図53A、
図53Bは、肺の気道5002を治療するインプラント5300を示す。上述したように、気道5002は、分岐する気道系の一部分から成り、また、配備のため標的の気道は、典型的に、気道の軸線5340を規定する。インプラント5300は、細長い本体5301と、末端5303と、基端5305とを備えている。細長い本体5301は、偏倚されて、上述し、且つ
図53Bに示したように曲がった配備した形態となる。プッシャ把み器装置5009は、起動プランジャ5012により基端5303に連結される。該把み器カプラー5010は、起動プランジャ5010、ハンドル5011、及びプッシャカテーテルの中央管腔を通って伸びるプルワイヤーにより、インプラント5300に連結されている。配備する前、インプラント5300は、例えば、カートリッジ3801のような、管状の装填カートリッジ内に装填し、且つ装填カートリッジからカテーテル5301の管腔内に前進させることができる。プッシャ把み器装置5009は、インプラント5300を送り込みカテーテル5201を通じて前進させることができる。
図53Aに示したように、送り込みカテーテル5201内にて規制されたとき、細長い本体5301は、末端5303と基端5305との間の長軸線を規定する、真直ぐにした形態に維持される。
図53Bに示したように、プッシャ把み器装置5009がインプラント5300を軸方向に真直にし、また、カテーテル5201が気道の軸方向領域5002から基端方向に引っ張られたとき、インプラント5300は、曲がった配備した形態に弾性的に復帰し、気道5002を曲げる。より特定的には、気道軸線5340は、比較的真直ぐな形態から顕著に曲がった形態へ変化し、細長い本体及び取り囲む気道構造は、側方向に動き、これにより隣接する組織を圧縮する。カテーテル5201が細長い本体5301の上方から引き出されたとき、配備状態を評価することができる。使用する者は、カテーテル5201が軸方向に前進している間、インプラント5300を軸方向に真直にし、配備状態が満足し得るものに思えない場合、又は使用する者がインプラント5300を解放すべくプランジャ5012を起動させる場合、インプラントを再捕捉できるようにする。インプラント5300は、例えば、カートリッジ3801のような、管状の装填カートリッジ内に装填し、且つ装填カートリッジからカテーテル5301の管腔内に前進させることもできる。
【0128】
[0191]
図54は、インプラント5300A、5300B、5300Cを含む複数のインプラントを示す。これらのインプラントの各々は、互いに相違する寸法、長さ及び形状を有するものとすることができる。送り込みシステム5200を使用するとき、ガイドワイヤー5203は、気道系の末端付近の標的領域まで前進させることができる。ガイドワイヤー5203は、気道系の取り囲む組織が十分係合するガイドワイヤーの末端により更なる末端方向への前進が制限される迄、末端方向に前進させることができる。次に、送り込みカテーテル5201は、カテーテル5201の末端がガイドワイヤーの末端に隣接するよう前進させることができる。気管支鏡からの長さ5205の標識に沿ったガイドワイヤー5203の末端までの距離は、所望の長さの細長い本体5301を有するインプラントを選ぶべく使用することができる。所望の長さは、標識5206にて示したように、送り込みカテーテル5201の末端と気管支鏡の末端との間の距離よりも短く、より長く又はほぼ同一であるようすることができる。選んだ長さを有する細長い本体5301は、上述したように、気道系を介して、且つプッシャ把み器5009を使用して肺の内部に前進させ、且つ配備することができる。望ましいインプラントの貯蔵寿命及び(又は)自動配備式の細長い本体を使用して(弾性材料の使用、及び(又は)ニチノール(Nitinol
TM)(登録商標)等のような、超弾性材料を使用することを含む)、組織を圧縮するため望ましい配備力を提供すべく、各種寸法の各種のインプラントを弛緩した状態に保管することが望ましい。所望のインプラントの幾何学的形態、又はその他の特徴が特定されたとき、選んだインプラント5300は、プッシャ把み器装置5009を使用して装填カートリッジ5401内に(及びその後、送り込みカテーテル5201の管腔内に)装填することができる。プッシャ把み器装置5009は、基端方向に緊張させ且つ(又は)装填カートリッジ5401を末端方向に押して細長い本体5301が軸方向に真直ぐにすることができる。装填カートリッジ5401及びインプラント5300は、送り込みシステムのその他の構成要素に連結し、また、上述したように、インプラントを気道内に前進させることができる。
【0129】
[0192] 一例としての実施の形態において、配備中、カテーテル5201がインプラントの上方にて基端方向に退却する間、プッシャ把み器5009は末端方向に動く。選んだインプラントは、ガイドワイヤーの末端(従って、送り込みカテーテルの端部)と気管支鏡の末端との間の測定した距離よりも長い長さを有することができる。このことは、送り込む間、互いに向けたインプラントの端部の反発又は動きを受容し、インプラントと組織との間にて過剰な軸方向負荷を与えるのを避けるのを助けることができる。配備する間、プッシャ把み器5009及びインプラントの基端の末端方向への動きは、また、インプラントの基端を気管支鏡の視界中に維持し、従って、インプラントにより圧縮される組織の容量を増大させるのを助けることになる。一例としてのインプラントは、測定した標的の気道の軸方向領域の長さより10%長くし、典型的に10%から約30%長く、理想的には、約20%長いようにする。適当なインプラントは、例えば、125mm、150mm、175mm及び200mmの全体的な円弧長さを有するようにすることができる。
【0130】
[0193]
図55Aは、肺の気道を治療するインプラント5400を示す。インプラント5400は、第一のすなわち基端のインプラント部分5400Aと、第二のすなわち末端のインプラント部分5400Bとを有する細長い本体を備えている。インプラント5400は、基端部分5400Aと末端部分5400Bとの間の第三のインプラント部分5400Cと、第四のインプラント部分5400Dとを更に備えている。インプラント5400の第一の部分5400Aは、第一の局所的軸線5401Aを規定する。第二の部分5400Bは、第二の局所的軸線5401Bを規定する。第三の部分5400Cは、第三の局所的軸線5401Cを規定する。第四の部分5400Dは、第四の局所的軸線5401Dを規定する。局所的軸線に沿って前進させた細長い本体の部分は、1つの選択として真直ぐとすることができるが、湾曲していることが多々あることを認識すべきである。しかし、細長い部分は、局所的軸線に沿って伸びて、取り囲む気道に対して係合し且つ圧縮する細長い軸受面を提供することが分かる。インプラント5400の端部は、ボール5402の形態にて示した非外傷性表面積を有する取り囲む管腔表面と係合する形状にて形成され、気道の管腔壁への穴開けを最小にすることができる。ボールは、インプラント5400の一部分を溶融させることにより形成することができるが、これらのボールは、インプラント5400の端部に溶接、加圧し又は接着される追加的な構成要素としてもよい。
【0131】
[0194]
図55A−Bに示したように、第一の部分5400A、第二の部分5400B、第三の部分5400C及び第四の部分5400Dは、平面5420を横断し、また、
図55Bは、平面5420内にて細長い本体の局所的部分により加えられる圧縮力の方向を示す。第一の部分5400Aは第一の点5422Aにて平面5420と交差するようにすることができる。第二の部分5400Bは第二の点5422Bにて平面5420と交差するようにすることができる。第三の部分5400Cは、第三の点5422Cにて平面5420と交差するようにすることができる。第四の部分5400Dは、第四の点5422Dにて平面5420と交差するようにすることができる。部分5400A、5400B、5400C及び5400Dの間に配設された細長い本体の中間部分5425は、偏倚させ、インプラント5400が真直ぐな形態にて気道内に配置されたとき、また、インプラント5400が真直ぐな形態から曲がった形態に曲がるとき、第一の部分5400A、第二の部分5400B、第三の部分5400C及び(又は)第四の部分5400Dが互いに向けて押し付けられるようにする。より特定的には、また、
図55A、
図55Bに示した丁度、2つの部分を見ると、第一の部分5400A及び第二の部分5400Bは、圧縮面5423のような表面をその間に規定することが多々ある(特に、これらの部分が相対的に平坦である場合)。第一及び第二の部分は、それらの間に配設された組織を圧縮し、且つ平面5423をほぼ圧縮し、このため実質的に平面状のままであるインプラントは、ある容量の組織を圧縮することができる。しかし、圧縮平面5423(第三の部分5400Cの及び第四の部分5400Dのような)から著しく偏位した細長い本体の部分を使用して組織を圧縮することにより、より大きい容量の肺組織を圧縮することができる。圧縮した領域5424は、同一平面状ではないインプラントの追加の部分を使用することがいかに圧縮効果を向上させるかを示す、肺組織の圧縮した容量の断面図を示すものとなる。上述した説明は、
図31D、
図39−42及び
図46等の三次元的インプラントの図面を参照することにより理解されるように、簡略化のため圧縮平面に関して記述したが、インプラントは、ほぼ球形の容量、ほぼ円筒状の容量を圧縮する形状、又はその他の所望の形状を有する形態としてもよい。
【0132】
[0195]
図55Cは、簡略化のため、インプラントの一部分及び気道のみを示す、気道内に配置されたインプラント5400を示す。気道は、第一の基端側気道の軸方向領域5410A、第二の末端側気道の軸方向領域5410B、
第三の気道の軸方向領域5410C、及びこれらの第一の気道の軸方向領域5410Aと第二の気道の軸方向領域5410Dとの間の第四の気道の軸方向領域5410Dから成っている。第一の気道の軸方向領域5410Aは、第一の局所的気道軸線5411Aを規定する。第二の気道の軸方向領域5410Bは、第二の局所的気道軸線5411Bを規定する。第三の気道の軸方向領域5410Cは、第三の局所的気道軸線5411Cを規定する。第四の気道の軸方向領域5410Dは、第四の局所的気道軸線5411Dを規定する。第一の気道の軸方向領域5410A、第二の気道の軸方向領域5410B、第三の気道の軸方向領域5410C及び第四の気道の軸方向領域5410Dは、各々、内側管腔面5413を有している。第一の気道の軸方向領域5410A、第二の気道の軸方向領域5410B、第三の気道の軸方向領域5410C及び第四の気道の軸方向領域5410Dは、互いに軸方向に連結されている。インプラント5400の第一のインプラント部分5400Aは、第一の気道の軸方向領域5410Aと係合することができる。インプラント5400の第二のインプラント部分5400Bは、第二の気道の軸方向領域5410Bと係合することができる。インプラント5400の第三のインプラント部分5400Cは、第三の気道の軸方向領域5410Cと係合することができる。インプラント5400の第四のインプラント部分5400Dは、第四の気道の軸方向領域5410Dと係合することができる。インプラント5400は、それぞれのインプラント部分を内側管腔面5413に対し押し付け、これにより気道系内にて曲りを生じさせ、且つ第一の気道の軸方向領域5410A、第二の気道の軸方向領域5410B、第三の気道の軸方向領域5410C及び(又は)第四の気道の軸方向領域5410Dの間に配設された肺組織の容量を圧縮することにより、第一の気道の軸方向領域5410A、第二の気道の軸方向領域5410B、第三の気道の軸方向領域5410C及び(又は)第四の気道の軸方向領域5410Dを互いに側方向に向けて押し付けることができる。圧縮された肺組織の容量は、十分大きく且つ十分に圧縮されて、非圧縮の肺の容量内の張力を増加させ、このため肺の肺機能が改善されるようにすることができる。
【0133】
[0196]
図56は、本発明の1つの実施の形態に従って肺を治療する方法5200´を示すフロー図である。ステップ5210´は、治療手順を開始する。ステップ5220´は、治療前、患者の肺の特徴を評価する。肺の特徴は、例えば、患者に装着した換気装置を使用し、1つ又はより多くの映像化形態を使用し、血液酸素センサを使用し、トレッドミル又はその他の応力試験等を使用することにより、評価することができる。これらの評価装置の幾つか、特に、酸素センサ、換気装置及び(又は)映像化システムは、1つの選択として、治療前の肺機能を評価し、且つ、処置手順の間、1つ又はより多くの肺の特徴を再評価し又は監視する双方のため使用することができる。
【0134】
[0197] 換気装置は、圧力、容量及び(又は)流れのような、患者の肺パラメータを含む肺機能に関する有用な情報を提供することができる。これらの患者のパラメータは、例えば、圧力対時間、圧力対容量、容量対時間を示すデータ及び(又は)曲線を生成させることにより時間と共に、互いに比較し又は追跡することができる。患者のパラメータは、その他の関連する患者のパラメータを識別するよう一体化し、また、換気装置が圧力被制御モード、容量被制御モード等にて作動している間、測定値を得ることができる。望ましくは、換気装置は、肺を加圧し、気道の抵抗又は肺の閉塞を示す信号を提供するようにする。かかる信号は、特に、肺の治療手順前及び(又は)手順の間、慢性的な閉塞性の肺の病気の患者の評価のため極めて有益である。
【0135】
[0198] 幾つかの実施の形態において、肺及び隔膜を含む胸腔は、所望の肺の特徴を評価し、且つ(又は)確認するため映像化することができ、これらの特徴は、また、隔膜の形状、曲率、位置及び方向、局所的密度又は密度の分布マップ及び(又は)同様のものを含むことができる。胸腔は、蛍光透視法、X線、CTスキャナ、PETスキャナ、MRIスキャナ又はその他の映像化装置及び形態を使用することにより映像化することができる。治療前の画像データは、処理して、処置手順の間、及び処置手順の後、測定データと比較するための定性的又は定量的データを提供することができる。血液酸素量等を含む、追加的なデータを得ることもできる。
【0136】
[0199] 例えば、疾患部分のような、肺の一部分を識別し、ステップ5230´は、この部分(又は、所望の治療効果を提供するのに適した任意のその他の部分)を圧縮する。本明細書にて説明した任意の肺容量減少装置は、その肺部分を圧縮するため使用することができる。代替的な実施の形態は、かかる装置をその他の肺の治療構造物と組み合わせ、又は完全に、本明細書にて説明した実施の形態以外の肺の治療構造物に依存するものとすることができる。ステップ5240´は、例えば、それまでの治療効果を決定するため、肺の一部分が圧縮された後、肺の特徴を評価する。ステップ5250´は、所望の肺の特徴が実現されたかどうかを決定する。
【0137】
[0200] 幾つかの実施の形態において、例えば、治療前の1秒間の強制的な吐出容量(FEV1)から肺のその部分を圧縮した後のFEV1への改善程度が約8%以下である肺特徴の評価が示すとき、望まれる肺の特徴は実現されていない。好ましくは、FEV1の改善程度は、治療の終了前、少なくとも5%以上であり、インプラントは、10%以下の改善、又は更に(5%、20%、50%又は75%以下の改善を継続することができるようにする。幾つかの実施の形態において、例えば、圧縮装置の植え込みは、それ以前の植え込みが顕著であり又は幾つかの最小の閾値以上である、1つ以上の評価パラメータ(FEV1及び本明細書にて識別したその他の評価パラメータ、COPD患者を評価するため知られたその他の評価パラメータ、及び(又は)開発されるその他の評価パラメータを含む)の点にて改善をもたらすとき、継続することができる。これらのパラメータは、治療が完了したとき、全体的なFEV1の改善程度が10%から30%以上の範囲、また、1つの選択として、75%から150%の範囲であるようにすることができる。FEV1は、幾つかの実施の形態にて直接測定することができるが、多くの実施の形態は、その他の測定値に基づいて追加的なインプラントを配備すべきかどうかを決定し、また、これらのその他の測定値は、FEV1の所望の改善程度が実現され又は実現されない可能性があることを示すことが分かる。
【0138】
[0201] FEVIの改善程度が所望の最小の程度であることを示す評価と共に(又はそれ代えて)、ステップ5250´にてある範囲の代替的な計測値又は判定基準値を採用することができる。治療前の残留容量から肺のその部分の圧縮後の残留容量への改善程度が約6%以下であることを肺の特徴の評価(5240)が示すとき、追加的なインプラントの配備により代替的な治療の実施の形態を継続することができる。その他の実施の形態は、残留肺容量の改善程度が10%以下、更に、15%、20%、30%、更に50%以下のとき、続行し、治療の完了後、改善程度が30%又は以上(1つの選択として、15−30%又は約95%以上まで)となるようにすることができる。幾つかの実施の形態において、肺特徴の評価によって、治療前の6分間の歩行距離から肺の第一の部分の圧縮後の6分間の歩行距離への改善程度が分かったとき、インプラントの配備を続けることができる。代替的な歩行距離の改善程度の閾値は、8%以下又は12%以下とし、また、全体的な改善程度は約15%以上とする。この場合にも、評価は、実際の歩行距離の測定値ではなく、映像利用のデータに依存することが多々あるが、これらの評価値は、依然として、所望の特徴が存在し又は存在しないことを示すことができる。
【0139】
[0202] 肺特徴の評価によって、治療前の血液酸素から肺の第一の部分の圧縮後、血液酸素の測定値への酸素飽和の増加が約1%以下であることが分かった場合、追加的なインプラントの配備を続けることを含む、更なる評価の判定基準値を採用することができる。幾つかの実施の形態において、従前のインプラントが測定した酸素飽和の点にて少なくとも0.1%の改善程度をもたらす限り、追加的なインプラントを続けることができる。処置手順が完了したとき、酸素飽和の全体的な改善程度が、例えば、1%から10%の間、又はより可能であれば、45%も高くなることがあろう。幾つかの実施の形態において、肺特徴の評価によって、例えば、隣接する肺組織の張力の欠如のため第一の部分外の肺の気道が萎み易いことが分かったとき、追加的なインプラントを続けることができる。隔膜の曲率の所望の変化を決定するため、胸腔を映像化することによ所望の肺特徴の実現を確認することができる。例えば、患者が治療前、尾方向に又は下方に垂れる隔膜を有するとき、隔膜が平坦となり、又はより上方に湾曲する迄、装置を植え込むことができる。幾つかの実施の形態において、インプラントは、隔膜と肺との間の境界面が肺に対して凹状でない(又は十分に凹状でない)とき、インプラントの配備を継続することができ、このため、全体的な治療は、凸型の形状(肺の下面が治療前の肺の中心から外方に膨れる)から凹状の形状(肺の表面が肺の中心に向けて内方に湾曲する)へと形状を理想的に変化させる。望ましくは、血管酸素含有量及び隔膜の形状は、直ちに利用可能なセンサ及び映像化システムを使用して治療中、測定することができる。所望の肺の特徴が実現された(ステップ5260)場合、治療法を終了させる。所望の肺の特徴が実現されない場合、例えば、肺の別の部分に対してステップ5230´、5240´及び5250´を繰り返す。これらのステップを事前に繰り返した6時間にて、患者の2、3回の呼吸サイクルにて(例えば、15の呼吸サイクル等)ステップ5230´、5240´、5250´を開始し又は完全に繰り返すことができる。
【0140】
[0203]
図57は、患者Pの肺を治療するため上述した方法5200を実行することのできるシステム5300´を示す。システム5300´は換気装置5310と、映像化装置5320と、送り込みシステム5330(理想的には、気管支鏡、送り込みカテーテル、プッシャ/把み器、及び上述したその他の構成要素を含む)と、肺容量減少装置5340とを備えている。患者Pは、治療中、間欠的に又は連続的に、換気装置5310と接続することができる。換気装置5310は、圧力、容量及び流れのような、患者のパラメータを示し、且つ、これらのパラメータを互いに、又は、例えば、圧力対時間、圧力対容量、容量対時間のようなものと比較可能なディスプレイ5313に連結することができる。映像化装置5320は、映像ディスプレイ5326に連結することができる像プロセッサ5323に連結することができる。像プロセッサ5323は、患者Pの胸腔の5320から取得した像を増感し又は後処理し、また、映像ディスプレイ5326は、これらの増感像を示すことができる。肺の気道の内部を視覚化するため、また、肺容量減少装置5340の挿入を容易にするため、気管支鏡5330を使用することができる。
【0141】
[0204]
図58A、
図58Bは、胸腔シミュレータにおける人間の肺の2つの写真を示す。肺は、慢性的な閉塞性肺疾患(COPD)が原因で死亡した人から外植したものである。胸腔は、胸壁の穴を通って突き出す肺の主幹気管支にて封止される。気管支は、穴に対して封止されており、このため真空圧を付与して空気を胸腔内部と肺との間の空間から吸入することができる。このことは、肺を生理学的真空圧レベル(典型的な人間の胸腔の圧力と同様の0.1から0.3psiのような)にてより大きく拡張した状態まで吸引することを許容する。
図58Aは、上述したように、送り込みカテーテルの末端まで送り込まれた長さ175mmのインプラントを示す。カテーテルは、真直ぐな送り込み形態にてインプラントを実質的に規制する。
【0142】
[0205]
図58Bは、カテーテルがインプラントから退却されて、インプラントがその弛緩した形態に向けて戻るのを許容するようにした後のインプラントを示す。該インプラントは、弾性的な再反発により、また、可能であれば、ニチノール金属組成の相変化により実質的にオーステナイトに戻ることでその当初の形状に復帰している。送り込み把み器は、非係止状態とされており、インプラントを気道内にて解放する。
図58A、
図58Bの肺組織を比較することにより、形状の復帰過程(送り込んだ形状から配備した形状に変化する間)、インプラントにより圧縮された肺領域を識別することができる。圧縮された領域は、像の暗又はより暗いグレイな陰影が明確に増大しているため蛍光透視法の像にて視覚化される。より暗い領域は濃い密度領域を識別し、より明るい領域は、密度の濃くない領域を識別する。インプラントは、復帰するとき、その領域を圧縮して肺の領域がより暗くなるようにする。その他の領域は、歪み、又は延びているのが分かり、また、このことは、より明るい領域に復帰した領域として見ることもできる。
【0143】
[0206] インプラントは、血液流に対するガスの制限された交換を行い又は交換を全く行なわない肺内の生理学的領域に配置することができ、その理由は、そのようにすべく使用した肺胞の壁は、病気により劣化し且つ破壊されているからである。これらは、典型的に、機械的強度及び弾性を失った最も劣化した領域である。吸気COPDの患者にて、これらの劣化した領域は、患者を一層良く助けることのできる領域内にてガスを充填する犠牲を払って、最初に、空気にて充填され、その理由は、弱体化した組織は、ガスの充填に対する抵抗を殆んど、又は全く提供しないからである。装置をこれらの領域内に植え込むことにより抵抗が提供され、このため、ガスは、血流に対して元素を効果的に交換することのできる領域内にて充填される。有用な領域は、残る構造物を有し、このため正常な生理学的性質であるため、ガスの充填に対する抵抗力が存在する。インプラントは、有用な領域における正常な生理学的抵抗よりも大きいガス充填抵抗力を配備した領域内にて提供する点にて有益である。このことは、治療前、最も疾患した肺組織の反作用的な「優先的充填」現象を解消し又は減少することになる。
【0144】
[0207] 幾つかの実施の形態において、インプラントは、例えば、カテーテル5201のようなカテーテルを使用することにより真直ぐな形態にて配備し、カテーテルを全体として真直ぐな形状にて保持する。代替的な実施の形態は、気管支の作用管腔を末端方向にて使用し、このため気管支鏡は、送り込みカテーテルとして使用される。規制するカテーテルを除去したとき、インプラントは、配備した形状に反発し、この形状は、一端から第二の端部への距離が減少することによって容易に識別することができる。インプラントの基端は、例えば、プッシャ把み器装置5009にて把持し且つ保持し、インプラントの末端が所望の気道組織に対して係止したままであり、このとき、インプラントの長さは、漸次に、シースが除去される(カテーテルを基端方向に引き出すことにより)。インプラントが解放されたとき、反発するように偏倚され又は端部を接近させる場合、インプラントの基端が配備中、一定の位置に保持されているならば、インプラントの末端部分と気道組織との間にてより大きい引張力が生成されるであろう。従って、インプラントを反発しないよう保持するのではなく、インプラントの基端が解放する間、末端方向に前進することを許容することが望ましいであろうし、それは、これらの反発力は有害であるからである。例えば、インプラントの末端と肺表面との間の距離及び組織の厚さは減少するため、組織にて歪み除去効果は殆んど無く、また、破裂の危険性は過剰となる。更に、インプラントは、把み器により解放された後、短縮する傾向となる。短縮化が生じたならば、インプラントの基端は、気管支の視界を超えて末端方向に移動し、使用する者は、インプラントを確実に退却させることは困難となるであろう。
【0145】
[0208] このように、
図59A−59Cにて概略図的に示したように、幾つかの場合、標的の軸方向領域5505の長さよりも長い長さを有するインプラント5300を配備するため、選ぶことができる。上述したように、ガイドワイヤーの前進が取り囲む気道と係合することにより阻止される迄、ガイドワイヤーを、気管支鏡から末端方向に前進させることができ、ガイドワイヤーは、1つの選択として、断面積が相対的に大きい(約5Fから7Fの範囲、理想的には、約5 1/2Fのサイズを有する)ものとする。このことは、ガイドワイヤーをインプラントの末端に対して標的個所まで前進させることを許容する(但し、それを超えて過剰には前進しない)(インプラントは、約1から約3mmまで、理想的には、約1.5mmの直径を有する非外傷性ボール表面を有するようにすることができる)。
図59Aに示したように、カテーテル5201の末端がガイドワイヤーの末端と整合される迄、又はカテーテル5201の末端には、気道系5002の取り囲む管腔が同様に十分に係合するため、カテーテルの末端が末端方向への更なる前進を制限する迄、カテーテル5201を、ガイドワイヤーの上方にて気管支鏡4902の末端から末端方向に前進させる。気道の標的の軸方向領域の長さ5505を測定する。長さ5505は、前進したカテーテル5201の末端と気管支鏡4902の末端との間の距離であり、また、ガイドワイヤーは、測定後、基端方向に引き出すことができる。測定した長さ5505より長い長さを有するインプラント5300を選び、且つ上述したように、プッシャ把み器5009を使用して、カテーテル5201を通して末端方向に前進させる。測定した標的の軸方向領域よりも少なくとも10%、好ましくは約20%より長い長さを有するインプラントを選ぶことができる。
【0146】
[0209]
図59Bは、インプラント5300を配備する状態を示す。インプラント5300は、カテーテル5201の管腔を通してその末端とカテーテル5201に隣接する位置まで前進させ、インプラントの末端は、(少なくとも最初に)適所にて軸方向に保持され、カテーテルは、インプラントの末端部分の上方から基端方向に引き出される。カテーテル5201が引き出されたとき、インプラント5300は、側方向に曲げられ、気道5002の一部分を圧縮する。
図59Bに示したように、より大きい部分の気道5002は、カテーテル5201が十分に引き出されて、カテーテルが最早、インプラント5300を規制しないとき、インプラント5300にて圧縮することができる。カテーテルが漸次に引き出されるとき、インプラントの基端は、取り囲む気管支及び気道組織に対して末端方向に動く。インプラント5300の基端は、また、インプラント5300がその解放の全体にわたり漸次に短縮した後(気道の軸方向中心に沿って測定したとき)プッシャ把み器5009により解放してもよい。
【0147】
[0210] より長いインプラント5300を使用することにより、インプラント5300の基端は、気道内に供給することができる一方、インプラントの潜在的エネルギが自由にされ肺組織に作用力を付与する(カテーテルがインプラントから引き離される間)。肺の気道を歪ませて、気道の断面が押されてより楕円形の形状となるようにすることができる。より長いインプラントは、気道の管腔をわたって行きつ戻りつするジクザク運動をする傾向となり、このため測定した気道の長さよりも著しく長いインプラントを導入することができる。例えば、150mmの長さ(円弧長さ)のインプラントを、100mm長さの気道内に配備させることができる。長いインプラントは、解放したとき、基端が患者の体内にて失われるようにする非制御状態の反発作用を最小にすることができる。より大きいインプラントは、カテーテルが肺組織を過度に応力を加えることなく、除去される間、使用する者がインプラントを患者の体内に供給することを許容することもできる。更に、長いインプラントの短縮化が生じる場合、インプラントの基端は、依然として、気管支鏡の視界内に止まり、このため、使用する者は、インプラントを確実に退却させる能力を保持することができる。気道の直径に対するインプラントの長さは、
図59A−59Cの概略図よりも遥かに大きくし、インプラントは、肺組織等の容量を圧縮するためより複雑な三次元的曲率を有することを理解すべきである。
【0148】
[0211] 当業者により理解されるように、装置は、気管支鏡を通して送り込むことができるよう製造し且つ配備することができる。起動されたとき、装置は、曲がり又は湾曲して、その後、装置が接触する肺組織を変形させるような形態とすることができる。装置により有利に変形させることのできる肺組織は、気道、血管、装置を導入すべく切開した組織面、又はこれらの任意のものの組み合わせである。肺組織を圧縮することにより、装置は、少なくとも幾つかの場合、肺の弾性的反発力及び張力を増大させる結果となる。更に、幾つかの実施の形態において、肺の機能は、側副換気量に関係なく少なくとも部分的に復帰することができる。更に、肺腔がより効果的に作用することを可能にするより大きい張力が形成されたとき、隔膜は上方に動く場合もある。
【0149】
[0212] 本発明に従った装置は、典型的に、10F以下の小さい断面積を有している。配備前の装置の可撓性は、装置が蛇行した肺の解剖学的部位を通って前進するのを容易にする。配備されたとき、装置は、剛性を保ち、組織の変形効果を保持し、且つ維持することができる。更に、装置の設計は、適所にての調節のみならず、再捕捉、起動の停止及び除去を容易にする。
【0150】
[0213] 本明細書に記載した装置及び構成要素の選択可能な材料は、当該技術の当業者に既知であろうし、例えば、金属(例えば、ステンレススチール、ニッケルチタン合金(ニチノール)、チタンのような形状記憶合金、及びコバルト)及びエンジニアリングプラスチック(例えば、ポリカーボネート)の如き適当な生体適合性材料を含む。例えば、SIM記憶合金要素を内蔵する医療装置(Medical Devices Incorporating SIM Memory Alloy Elements)についてジャーヴィス(Jervis)に対して付与された米国特許第5,190,546号、及び形状記憶合金要素から成る高強度の医療装置(High Strength Medical Devices of Shape Memory Alloy)についてフロメンヴリット(Flomenblit)に対して付与された米国特許第5,964,770号を参照されたい。幾つかの実施の形態において、ポリエチレンエーテルケトン(PEEK)、ポリアクリルアミド、ポリエチレン及びポリスルフォンを含む生体適合性のポリマーのような、その他の材料が幾つかの又はあらゆる構成要素に適しているであろう。
【0151】
[0214] インプラント及び送り込みシステムを形成するため使用したポリマー及び金属は、粒状組織、瘢痕組織及び粘液の形成及び成長を防止する材料にて被覆する必要がある。金属性ステントを配備した後、血管内の平滑筋肉細胞の過形成を捕捉するためステント製品と共に使用される薬剤の多くは、これらの装置に対し極めて良好に作用する。遅速解放の薬剤溶出ポリマー又は溶媒は、患者に対して治療又は予防効果を作用させることのできる任意の物質を含む薬剤の解放を調節するため使用することができる。例えば、薬剤は平滑筋の細胞の活性を阻止するような設計とすることができる。この薬剤は、異常な又は不適当な移行及び(又は)平滑筋細胞の増殖を阻止し、組織物質の蓄積を阻止することを目的としている。薬剤は、小分子量薬剤、ペプチド又はタンパク質を含むことができる。薬剤の例は、アクチノマイシンD又はその誘導体及び類似物(ウィスコンシン州、ミルウォーキーのシグマ・アルドリッチ(Sigma−Aldrich)が製造したもの、又はメルク(Merck)から入手可能なコスメゲン(CONSMEGEN))のような抗増殖物質を含む。アクチノマイシンDの同義語は、ダクチノマイシン、アクチノマイシンIV、アクチノマイシン
1、アクチノマイシンX
1、アクチノマイシンC
1を含む。活性剤は、抗新生物薬、抗炎症薬、抗血小板物質、抗凝結剤、抗フィブリン、抗トロンビン、抗有糸分裂薬、抗生物質、抗アレルギー性物質、そして抗酸化剤物質の属の範囲にも属する。かかる抗血小板物質及び(又は)抗有糸分裂薬の例は、パクリタキセル(例えば、コネチカット州、スタンフォードのブリストル−マイヤーズスクイブ社(Bristol−Myers Squibb Co.)のタキソール(TAXOL)(登録商標名))、ドセタキセル(例えば、ドイツ、フランクフルトのアベンティス社(Aventis S.A.)のタキソテレ(Taxotere)(登録商標名))メトトレキサート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、塩酸ドキソルビシン(例えば、ニュージャージー州、ピーパックのファルマシアアンドアップジョン(Pharmacia & Upjohn)のアドリアマイシン(Adriamycin)(登録商標名))、及びマイトマイシン(例えば、ブリストル−マイヤーズスクイブ社のムタマイシン(Mutamycin)(登録商標名))を含む。かかる抗血小板物質、抗凝結剤、抗フィブリン、及び抗トロンビンの例は、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヘパリノイド、ヒルジン、アルガトロバン、ホルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン及びプロスタサイクリン類似体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗トロンビン)、ジピリダモール、糖たんぱく質 Hh/IIIa血小板細胞膜受容体拮抗薬抗体、組換体ヒルジン、及びアンジオマックス(TM)(マサチューセッツ州、ケンブリッジのビオゲン社(Biogen,Inc))のようなトロンビン阻害剤含む。かかる細胞増殖抑制剤又は抗増殖性物質の例は、アンジオペプチン、カプトリル(例えば、ブリストル−マイヤーズスクイブ社のカポテン(Capoten)(登録商標名)及びカポザイド(Capozide)(登録商標名))のようなアンジオテンシン変換酵素阻害薬、シラザプリル又はHsinopril(例えば、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーションのメルクアンドコーポレーション(Merck & Co.,Inc.)からのプリニビル(Prinivil)(登録商標名)及びプリンジド(Prinzide);カルシウムチャネル遮断薬(ニフェジピンのような)、コルヒチン、線維芽細胞増殖因子(FGF)拮抗薬、魚油(オメガ3脂肪酸)、ヒスタミン拮抗薬、ロバスタチン(HMG−CoA還元酵素抑制剤、コレステロール降下剤、メルクアンドコーポレーションから商標名メバコール(Mevacor)(登録商標名))、単クローン性抗体(血小板由来成長因子(PDGF)受容体に特定的なもののような)、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害薬、プロスタグランジン阻害薬、スラミン、セロトニン阻害薬、ステロイド、チオプロテアーゼ阻害薬、トリアゾロピリミジン(PDGF拮抗薬)、及び酸化窒素を含む。抗アレルギー薬の一例は、ペミロラスト(permirolast)カリウムである。適切なその他の治療物質又は薬剤は、α−インターフェロン、遺伝子改善上皮細胞、タクロリムス、デキサメタゾン、及びラパマイシン及び構造的誘導体又は40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン(ニューヨーク州、ニューヨークのノバルティス(Novartis)から入手可能なエベロリムス(EVEROLIMUS)の商標名にて既知)、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、及び40−O−テトラゾール−ラパマイシンのような、これらの機能的類似物を含む。
【0152】
[0215] 幾つかの実施の形態にて、使用するのに適したその他のポリマー、例えば、30%ガラス充填又は30%炭素充填のような、その他の等級のPEEKは、FDA又はその他の規制機関により植込み型装置にて使用することについて承認を受けていることを条件とする。ガラス充填のPEEKを使用することは、器具の膨張率を小さくし、且つPEEKの撓み弾性率を増大させる必要がある場合に望ましい。ガラス充填PEEKは、強度、剛性又は安定性の向上のため理想的であることが知られている一方、炭素充填PEEKは、PEEKの圧縮強度及び剛性を向上させ、且つその膨張率を低下させることが知られている。更にその他の適当な生体適合性の熱可塑性樹脂又は熱可塑性ポリ凝縮材料は、適当であり、優れた形状記憶性を有し、可撓性及び(又は)偏向可能であり、極めて低い水吸収性、及び優れた摩耗及び(又は)摩損抵抗性を有する材料は、本発明の範囲から逸脱せずに使用することができる。これらは、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)及びポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)を含み、全体として、ポリアーリルエーテルエーテルケトンである。その他の熱可塑性樹脂のみならず、更なるその他のポリケトンを使用することができる。ツール又はツールの構成要素にて使用することのできる適当なポリマーへの言及は、その全てを参考として引用し本明細書に含めた、以下の文献について行うことができる。これらの文献は、生体適合性高分子材料(Bio−Compatible Polymeric Materials)という名称の、ビクトレックス マニファクチャリング リミテッド(Victrex Manufacturing Ltd.)に対して付与された国際公開第WO 02/02158 A1号、生体適合性高分子材料という名称のビクトレックス マニファクチャリング リミテッドに対して付与された国際公開第WO 02/00275 A1号、及び生体適合性高分子材料という名称のビクトレックス マニファクチャリング リミテッドに対して付与された国際公開第WO 02/00270 A1号を含む。カリフォルニア州バークレイのポリマーテクノロジーグループ(Plymer Technology Group)から入手可能なバイオネート(Bionate)(登録商標名)、ポリカーボネートウレタンのようなその他の材料は優れた酸化安定性、生物適合性、機械的強度及び摩損抵抗性のため適している。放射線半透過性であるように設計された器具の部分に対してその他の熱可塑性材料及びその他の高分子量ポリマーを使用することができる。
【0153】
[0216] 本明細書にて説明したインプラントは、コバルト−ニッケル合金(例えば、ELGILOY)、ステンレススチール(316L)、「MP3SN」、「MP2ON」、「ELASTINITE(ニチノール)」、タンタル、タンタル系合金、ニッケルチタン合金、白金、例えば、白金−イリジウム合金のような白金系合金、イリジウム、金、マグネシウム、チタン、チタン系合金、ジルコニウム系合金、又はこれらの組み合わせを含むが、これらにのみ限定されない金属合金又は合金にて出来たものとすることができる。また、本発明の実施の形態に対して生体吸収性又は生体安定性ポリマーにて出来た装置を使用することもできる。「MP35N」、及び「MP2ON」は、ペンシルバニア州、テンキンタウンのスタンダードプレススチールカンパニー(Standard Press Steel Co.)から入手可能なコバルト、ニッケル、クロム及びモリブデンの合金の商標名である。「MP35N」は、コバルト35%、ニッケル35%、クロム20%及びモリブデン10%から成っている。「MP2ON」は、コバルト50%、ニッケル20%、クロム20%及びモリブデン10%から成っている。
【0154】
[0217] 本発明の好ましい実施の形態は、本明細書に示し、且つ説明したが、かかる実施の形態は、単に一例としてのみ示したものであることが当業者に明らかであろう。本発明から逸脱せずに、当該技術の当業者は多数の変形例、変更及び代替例が案出されるであろう。本明細書に記載した本発明の実施の形態に対する色々な代替例は、本発明を実施する際、採用することができることを理解すべきである。以下の請求の範囲は本発明の範囲を規定し、また、これらの請求項及びそれらの等価物の範囲に属する方法及び構造は、これによりカバーされることを意図するものである。以下は、本願の当初の請求項の記載である。
(請求項1)
気道を含む気道系を有する患者の肺までインプラントを送り込む方法において、
ガイドワイヤーの末端までの長さの標識を有するガイドワイヤーの末端を気道系内にて末端方向に前進させるステップと、
前記標識を使用してインプラントの長さを選ぶステップと、
選んだ長さを有するインプラントを気道系を介して肺内に前進させ、インプラントの細長い本体が気道に沿って軸方向に伸びるようにするステップと、
インプラントが気道内から隣接する肺組織を圧縮するよう前記インプラントを配備するステップとを備える、インプラントを患者の肺まで送り込む方法。
(請求項2)
請求項1に記載の方法において、
インプラントを配備する前、前記細長い本体を前記カテーテルの管腔内にて送り込み形態に維持するステップを更に備え、
送り込み形態にある前記細長い本体は、該細長い本体の基端と該細長い本体の末端との間にて軸線に沿って伸び、前記インプラントを配備するステップは、端部の間にてインプラントを曲げて、該インプラントを曲げることにより気道が軸線から離れるように曲げられるようにするステップを含む、方法。
(請求項3)
請求項2に記載の方法において、
前記細長い本体を送り込み形態に維持するステップは、細長い本体をカテーテル内にて規制するステップを備え、
該細長い本体は偏倚されて曲がり、曲がった配備した形態となるようにした、方法。
(請求項4)
請求項3に記載の方法において、
格納中で且つ選ぶ前、細長い本体の歪みを制限し得るよう曲がった形態に向けて曲がるのを許容された複数の代替的な細長い本体から細長い本体を選ぶステップと、
前記細長い本体を軸方向に真直にすることにより選んだ細長い本体をカテーテル本体内に装填するステップと、
カテーテルが細長い本体を送り込み形態に維持するよう前記細長い本体をカテーテル内に挿入するステップとを更に備える、方法。
(請求項5)
請求項4に記載の方法において、
選んだ細長い本体を挿入するステップは、選んだ細長い本体を管状の装填カートリッジ内に装填するステップと、前記細長い本体を装填カートリッジからカテーテルの管腔内に前進させるステップとを備える、方法。
(請求項6)
請求項5に記載の方法において、
前記装填カートリッジの管腔がカテーテルの管腔と同軸状となり、
前記装填カートリッジがカテーテルに対して軸方向に固定されるよう該カートリッジをカテーテルに装着するステップを更に備える、方法。
(請求項7)
請求項6に記載の方法において、
装填カートリッジの管腔がカテーテルの管腔まで滑らかに伸びるよう前記装填カートリッジの末端がカテーテルの基端ハブに固定され、該細長い本体を装着した装填カートリッジの内部からプッシャにてカテーテル内まで押し込むステップを更に備え、
プッシャは該プッシャを装填カートリッジを通して伸ばすことによりインプラントをカテーテルの末端から配備するようにした、方法。
(請求項8)
請求項3に記載の方法において、
前記細長い本体の基端を肺内にて軸方向に真直にするステップと、カテーテルを細長い本体の末端の上方から基端方向に引き出すステップとを更に備える、方法。
(請求項9)
請求項3に記載の方法において、
前記インプラントを配備する前、カテーテル内にて末端方向に伸びる把み器を使用して細長い本体の基端を把持するステップを更に備え、該把持器は、配備中且つ配備後、インプラントを把持し、インプラントの配備が理想状態ではないことを決定するステップと、前記把み器を使用しインプラントをカテーテルの管腔内に退却させるステップを更に備える、方法。
(請求項10)
請求項9に記載の方法において、
インプラントを退却させるステップは、把み器を基端方向に緊張させるステップと、カテーテルがインプラントの細長い本体を気道内にて軸方向に真直ぐにし、インプラントを気道系から軸方向に引き出し易くするようカテーテルを末端方向に押すステップとを備える、方法。
(請求項11)
請求項1に記載の方法において、
ガイドワイヤーの前進中、ガイドワイヤーの先端を向き決めし得るようガイドワイヤーを回転させることにより、ガイドワイヤーを操縦するステップと、
ガイドワイヤーの先端と気道との間の衝撃をガイドワイヤーの先端に配設されたバンパーにて吸収するステップと、気道の断面積が気道とガイドワイヤーとの間の係合を誘発させるとき、ガイドワイヤーの前進を終了させるステップと、
ガイドワイヤーを使用して気道の長さを測定するステップと、
カテーテルをガイドワイヤーの上方にて前進させるステップと、
インプラントを前進させる前、ガイドワイヤーを除去するステップとを更に備える、方法。
(請求項12)
請求項1に記載の方法において、
カテーテルの管腔により受け入れ可能なガイドワイヤーを使用して前記カテーテル本体を前進させるステップを更に備え、
前記ガイドワイヤーの先端は、該先端の基端側にてガイドワイヤーの軸線から角度を付けられて操縦を容易にし、
前記ガイドワイヤーは、カテーテルの管腔よりも著しく小さい断面を有し、カテーテルが末端方向に前進するとき、前記拡張器は、気道系の開口を非外傷的に拡大し、
該拡張器は、カテーテルの末端とガイドワイヤーの先端との間にてガイドワイヤーの先端の基端側にて半径方向外方にテーパーが付けられ、
前記インプラントを配備する前、拡張器をカテーテルから基端方向に引き出すステップを更に備える、方法。
(請求項13)
請求項1に記載の方法において、
カテーテルを配備させるステップと、
遠隔式映像化形態(remote imaging modality)の案内の下、且つ配備中、インプラントの少なくとも末端部分を光学的に映像化することなく、カテーテル本体を末端方向に前進させるステップとを更に備える、方法。
(請求項14)
請求項1に記載の方法において、
カテーテル本体を気管支鏡を使用して肺内に前進させるステップと、
カテーテルの末端を気管支鏡の視界を越えて末端方向に前進させるステップと、
インプラントの少なくとも末端部分を気管支鏡の視界を超えて末端方向に配備するステップとを更に備える、方法。
(請求項15)
請求項1に記載の方法において、
前記標識は、前記ガイドワイヤーの末端方向長さに沿った放射線不透過性マーキングである、方法。
(請求項16)
気道を含む気道系を有する患者の肺を治療するシステムにおいて、
基端と末端とを有し、該末端は気道系を通して気道まで前進可能である細長いカテーテル本体と、
前記カテーテルの末端付近に配置可能なインプラントであって、気道内から隣接する肺組織を圧縮し得るよう送り込み形態から配備した形態まで配備可能な細長い本体を有する前記インプラントと、
前記カテーテルに沿って末端方向に伸びることのできる細長い測定本体であって、前記インプラントの細長い本体の長さを選ぶのに適した、細長い本体の末端までの測定本体の先端長さの標識を有する前記細長い測定本体とを備える、患者の肺を治療するシステム。
(請求項17)
請求項17に記載のシステムにおいて、
前記カテーテルは側方向に可撓性であり、また、末端の基端方向に伸びる管腔を有し、
該管腔は、インプラントを配備する前、前記細長い本体を送り込み形態に維持し得るよう、挿入中、細長い本体を解放可能に受け入れ、
送り込み形態にある前記細長い本体は、該細長い本体の基端と該細長い本体の末端との間にて軸線に沿って伸びることが可能であり、前記インプラントを送り込み形態から配備した形態まで配備するステップは、端部の間にてインプラントを曲げて、該インプラントを曲げることにより、気道が軸線から離れるように曲げられた形態になるようにするステップを含む、システム。
(請求項18)
請求項17に記載のシステムにおいて、
前記細長い本体は、偏倚されて、曲がった配備した形態になるように曲げられ、前記管腔は、前記細長い本体をカテーテル内にて規制することにより送り込み形態に維持する、システム。
(請求項19)
請求項18に記載のシステムにおいて、
複数の代替的に選択可能なインプラントを更に備え、
該インプラントの各々は、細長い本体を備え、且つ格納中、細長い本体の歪みを制限し得るよう曲がった形態に向けて解放され、
インプラントの各々は、関係した細長い本体を軸方向に真直にすることにより、且つカテーテルが細長い本体を送り込み形態に維持するよう細長い本体を管腔内に挿入することにより、カテーテル内に装填可能である、システム。
(請求項20)
請求項19に記載のシステムにおいて、
基端と末端とを有する管状の装填カートリッジを更に備え、
該装填カートリッジは、複数の細長い本体から選んだ細長い本体を解放可能に受け入れ、
前記装填カートリッジは、選んだ細長い本体がカテーテルの管腔内に装填カートリッジ内から末端方向に前進させることができるよう前記カテーテル本体と連結可能である、システム。
(請求項21)
請求項20に記載のシステムにおいて、
装填カートリッジの末端は、該装填カートリッジの管腔がカテーテルの管腔まで滑らかに伸びるよう前記カテーテルの基端側ハブに固定可能であり、
前記細長い本体を、装着した装填カテーテルからカテーテル内まで押すことができるよう前記装填カートリッジ及びカテーテル内にて軸方向に可動のプッシャであって、インプラントに対して末端方向に係合可能なプッシャ面を有する前記プッシャと、該プッシャ面から基端方向に伸びてインプラントをカテーテルの末端から配備し易くする軸とを有する前記プッシャを備える、システム。
(請求項22)
請求項16に記載のシステムにおいて、
カテーテルに沿って末端方向に伸びる把み器を更に備え、
該把み器は、細長い本体がカテーテルの末端側にあるとき、インプラントをカテーテルの管腔内に退却させ易くするためインプラントを軸方向に連結し、
該把み器は、細長い本体を解放し得るよう前記カテーテルの基端から関節動作可能である、システム。
(請求項23)
請求項22に記載のシステムにおいて、
前記把み器を基端方向に緊張させ、且つカテーテルを末端方向に押すことは、細長い本体がカテーテルの末端側にあり、前記インプラントが前記把み器に軸方向に連結されたとき、インプラントを退却させ、前記カテーテルは、該インプラントを気道系から軸方向に引き出し易くするためインプラントの細長い本体を軸方向に真直にする、システム。
(請求項24)
請求項22に記載のシステムにおいて、
前記インプラントの位置決めを容易にし得るよう前記カテーテルの末端に隣接して配置可能な1つ又はより多くの放射線不透過性マーカーを更に備える、システム。
(請求項25)
請求項16に記載のシステムにおいて、
基端と、末端と、両端部の間の管腔とを有する気管支鏡と、像信号送信機とを更に備え、
カテーテルの末端は、管腔内に受け入れ可能であり、また、気管支鏡の視界を越えて末端方向に前進可能であり、インプラントを気管支鏡の視界を越えて末端方向に配備することができるようにした、システム。
(請求項26)
請求項25に記載のシステムにおいて、
前記測定本体は、気管支鏡の管腔を通って気道の末端まで末端方向に前進可能なガイドワイヤーであって、気管支鏡とガイドワイヤーの末端との間のガイドワイヤーの末端方向長さの標識を有する前記ガイドワイヤーを備える、システム。
(請求項27)
請求項26に記載のシステムにおいて、
前記標識は、ガイドワイヤーの末端の長さに沿った放射線不透過性スケールマーキングである、システム。
(請求項28)
気道を含む気道系を有する患者の肺までインプラントを送り込むシステムにおいて、
基端と、末端と、該端部の間の軸線とを有する細長いカテーテル本体であって、該末端は気道系を通して気道まで前進可能である細長いカテーテル本体と、
複数の代替的に選択可能なインプラントであって、インプラントの各々は、細長い本体を備え、且つ格納中、細長い本体の歪みを制限し得るよう曲がった形態に向けて解放され、該インプラントの各々は、関係した細長い本体を軸方向に真直にすることにより、且つカテーテルが細長い本体を送り込み形態に維持するよう細長い本体を管腔内に挿入することにより、カテーテル内に装填可能である、前記複数の代替的に選択可能なインプラントと、
前記カテーテルに沿って末端方向に伸びることのできる細長い測定本体であって、前記インプラントの細長い本体の長さを選ぶのに適した、測定本体の末端長さの標識を有する前記細長い測定本体とを備える、気道を含む気道系を有する患者の肺までインプラントを送り込むシステム。
(請求項29)
複数の分岐する気道を有する気道系を含む患者の肺を治療する方法において、
肺の第一の部分を気道系内から圧縮するステップと、
第一の部分が圧縮された状態にて、患者の肺の特徴を評価するステップと、
肺の特徴の評価に応答して肺の第二の部分を気道系内から圧縮するステップとを備える、患者の肺を治療する方法。
(請求項30)
請求項29に記載の方法において、
肺の特徴の評価及び肺の第二の部分の圧縮は、共に肺の第一の部分を圧縮した後、6時間以内に行われる、方法。
(請求項31)
請求項30に記載の方法において、
肺の第二の部分の圧縮は、肺の第一の部分の圧縮と同一の手順にて完了し、患者は、その間にて位置変更されることはない、方法。
(請求項32)
請求項29に記載の方法において、
肺の特徴の評価は、第一の組織の圧縮の完了後、数回の呼吸のサイクル内で開始され、前記評価は、肺内にて少なくとも部分的に機械的に圧縮することにより誘発された改善した肺機能を示し、また、前記評価は、効果の有効性を決定するため、その他の組織の応答に誘発された遅れを必要としないことを示す評価であるようにした、方法。
(請求項33)
請求項29に記載の方法において、
肺の特徴の評価は、その位置で(in situ)肺組織を遠隔式に映像化することにより肺組織の密度の変化を識別するステップを含む、方法。
(請求項34)
請求項29に記載の方法において、
肺の特徴の評価は、治療前、肺から外方に膨れる、全体として凸形の形状から、肺の第一の部分を圧縮した後、肺内に十分、内方に湾曲していない面まで肺の下面に沿った隔膜の形状の変化をその位置で肺組織を遠隔式に映像化することにより、識別するステップを備える、方法。
(請求項35)
請求項29に記載の方法において、
肺の特徴の評価が、治療前の1秒間の強制的な排気容量(FEV1)から肺の第一の部分の圧縮部分後のFEV1への改善程度が8%以下であることを示すときはいつでも、第二の部分の圧縮が開始されるようにした、方法。
(請求項36)
請求項29に記載の方法において、
肺の特徴の評価が、治療前の残留容量から肺の第一の部分を圧縮した後の残留容量への改善程度が約6%以下であることを示すときはいつでも、第二の部分の圧縮が開始されるようにした、方法。
(請求項37)
請求項29に記載の方法において、
肺の特徴の評価が、治療前の6分間の歩行距離から肺の第一の部分を圧縮した後の、6分間の歩行距離への改善程度が約10%以下であることを示すときはいつでも、第二の部分の圧縮が開始されるようにした、方法。
(請求項38)
請求項29に記載の方法において、
肺の特徴の評価が、治療前の血液酸素量の測定値から肺の第一の部分を圧縮した後、血液酸素量の測定値への増加程度が約1%以下であることを示すときはいつでも、第二の部分の圧縮が開始されるようにした、方法。
(請求項39)
請求項29に記載の方法において、
肺の特徴の評価が、第一の部分の外側の肺の気道は隣接する肺組織内の張力の欠如のため、萎み易いことが分かったとき、第二の部分の圧縮が開始されるようよした、方法。
(請求項40)
請求項29に記載の方法において、
肺の特徴の評価は、肺の第一の部分を圧縮した後、分配した疾患の非圧縮領域を映像化化するステップを備え、非圧縮の疾患領域は、肺の第二の部分を含み、且つ第一の部分から分離され、非圧縮の疾患領域は、肺の第二の領域を含み、且つ第一の部分から分離され、治療は、肺内にて分離した疾患した領域を局所的に圧縮する作用を果たし、疾患した領域よりも健常な肺の分配した組織内の吐気前の張力を増大するようにした、方法。
(請求項41)
複数の分岐する気道を有する気道系を含む患者の肺を治療するシステムにおいて、
第一のインプラントが気道系に沿って軸方向に伸びるとき、第一の形態から第二の形態に配備可能な第一のインプラントであって、インプラントを側方向に配備することにより、肺の第一の部分が気道系内にて側方向に圧縮されるようした前記第一のインプラントと、
肺に連結可能であって、肺の第一の部分の圧縮に応答して肺の特徴を出力する肺の評価システムと、
肺の特徴に応答して、気道系に沿って軸方向に配置可能であり、且つ第一の形態から第二の形態まで配備可能である第二のインプラントであって、肺の第二の部分を気道系内から側方向に圧縮する前記第二のインプラントとを備える、患者の肺を治療するシステム。
(請求項42)
請求項41に記載のシステムにおいて、
インプラントの各々は、配備されたとき、関係した肺の部分を側方向に圧縮し得るよう互いに連結された複数の細長い本体部分を備える、システム。
(請求項43)
請求項41に記載のシステムにおいて、
評価システムは、肺の第一の部分を圧縮した後6時間以内に肺の第二の部分を圧縮することを可能にし得るよう肺の特徴を出力する、システム。
(請求項44)
請求項41に記載のシステムにおいて、
患者が治療のため配置されている間、患者の体内に挿入可能なインプラントの送り込みシステムを更に備え、肺の評価システムは、患者が肺の治療のため配置されている間、肺に連結可能であり、肺の第二の部分の圧縮は、肺の第一の部分の圧縮と同一の手順にて完了させることができ、その間、患者は位置変更されることはないようにした、システム。
(請求項45)
請求項41に記載のシステムにおいて、
肺の評価システムからの肺の特徴は、肺の第一の部分の圧縮を完了後、数回の呼吸サイクル中、肺の第一の部分の圧縮に応答して、肺内の機械的な変化により実現される肺機能の改善程度を示すようにした、システム。
(請求項46)
請求項41に記載のシステムにおいて、
肺の評価システムは肺組織の密度の少なくとも1つの変化を示し、また、第一の部分の外側の肺の気道はその位置で隣接する肺組織内の張力の欠如のため、萎み易いままであることを示す遠隔式映像化システムを備える、システム。
(請求項47)
複数の分岐する気道を有する気道系を含む患者の肺を治療するシステムにおいて、
肺の第一の部分を気道系内から圧縮する手段と、
第一の部分が圧縮された状態にて患者の肺の特徴を評価する手段と、
肺の特徴の評価に応答して肺の第二の部分を気道系内から圧縮する手段とを備える、患者の肺を治療するシステム。
(請求項48)
複数の分岐する気道を有する気道系を含む患者の肺を治療する方法において、
細長い長さを有するインプラントを気道系を通して前進させるステップと、
末端部分が気道と係合するようインプラントの末端部分を気道系内にて配備するステップと、
インプラントの基端が隣接する気道系に対して末端方向に前進する間、インプラントを末端部分の基端側にて漸進的に配備し、インプラントがインプラントの長さに沿って肺組織を圧縮するとき、インプラントと気道との間の軸方向負荷を阻止し得るようにするステップとを備える、患者の肺を治療する方法。
(請求項49)
請求項48に記載の方法において、
インプラントの末端部分を肺の表面近くに配備するステップを更に備え、インプラントの基端は、インプラントの長さの少なくとも10%だけ前進し、肺の表面付近の局所的歪みを阻止することを許容するようにした、方法。
(請求項50)
請求項48に記載の方法において、
インプラントは、肺を圧縮する間、気管支鏡の管腔を通って前進し、インプラントを気管支鏡から機械的に連結解除する前に、気管支鏡を使用してインプラントの基端を視認するステップを更に備える、方法。
(請求項51)
請求項48に記載の方法において、
インプラントは細長い本体を備え、インプラントは、送り込みカテーテルの管腔を通して末端方向に前進させ、送り込みカテーテルは、インプラントを気道内にて軸方向に前進させるのを許容するのに十分、真直ぐな形態になるよう前記細長い本体を規制し、
前記インプラントは、前記送り込みカテーテルを細長い本体の回りから基端方向に引き出すことにより配備され、前記細長い本体は、解放されて、前記細長い本体の端部の間にて肺組織を圧縮するようにした、方法。
(請求項52)
複数の分岐する気道を有する気道系を含む患者の肺を治療する方法において、
食道に向けた基端と、食道から離れる末端と、その端部間の長さとを有する、気道系の標的の軸方向領域を識別するステップと、
前記インプラントが細長い本体を有し、本体の長さは標的の軸方向領域の長さよりも長いよう、標的の軸方向領域の長さに応答してインプラントを選ぶステップと、
選んだインプラントの末端を気道系を通して標的の軸方向領域の末端に向けて前進させるステップと、
前記細長い本体が肺の一部分を側方向に圧縮するよう前記インプラントを標的の系内に配備するステップとを備える、患者の肺を治療する方法。
(請求項53)
請求項52に記載の方法において、前記標的の軸方向領域の長さを測定するステップを更に備え、前記細長い本体が測定した標的の軸方向領域よりも少なくとも10%長い長さを有するようインプラントが選ばれる、方法。
(請求項54)
請求項52に記載の方法において、
測定本体の末端に対して気道系を取り囲む管腔が十分に係合して、末端方向への前進を制限する迄、測定本体を気管支鏡の末端から前進させることにより、また、前進させた測定本体の末端と気管支鏡の末端との間の長さを測定することにより、標的の軸方向領域の長さが測定され、カテーテルを測定本体上にて前進させて、測定本体を引き出すステップとを更に備え、
細長い本体の末端をカテーテルの管腔を通してカテーテルの末端に隣接する位置まで前進させ、カテーテルを前進したインプラントから基端方向に引き出すことによりインプラントが配備されるようにした、方法。
(請求項55)
請求項54に記載の方法において、
カテーテルの引き出しが開始されたとき、細長い本体の基端が気管支鏡の管腔内に配設され、細長い本体は、カテーテルを引き出す間、側方向に曲がって肺の一部分を側方向に圧縮し、細長い本体の末端の解放した部分は、気道系に軸方向に連結される一方、基端に隣接する細長い本体の基端部分は、カテーテルの管腔内に止まり、前記細長い本体の基端は、前記カテーテル本体を引き出す間、末端方向に引き出され、インプラントがカテーテル及び気管支鏡から機械的に連結解除されたとき、前記インプラントの基端は、気管支鏡の視界内に止まるようにした、方法。
(請求項56)
請求項52に記載の方法において、
前記インプラントは、標的の軸方向領域の長さの約120%から標的の軸方向領域の長さの約130%の範囲の長さを有する、方法。
(請求項57)
請求項52に記載の方法において、
前記インプラントは、標的の軸方向領域の長さの約110%の長さを有する、方法。
(請求項58)
請求項52に記載の方法において、
前記インプラントは、約120mmから約250mmの範囲の長さを有する、方法。
(請求項59)
複数の分岐する気道を有する気道系を含む患者の肺を治療するシステムにおいて、
基端と、末端と、その端部の間の管腔とを有するカテーテルであって、その末端が気道系を通して前進可能である前記カテーテルと、
前記管腔により受け入れ可能なインプラントであって、末端部分と、インプラントの基端に隣接する基端部分とを有する細長い本体を備え、末端部分は偏倚され、カテーテルがインプラントの末端部分から基端方向に後退したとき、末端部分は解放されて気道と係合し、前記インプラントの基端は、カテーテルがインプラントの基端から基端方向に引き出される間、気道に対して末端方向に前進可能であるようにした前記インプラントとを備える、患者の肺を治療するシステム。
(請求項60)
請求項59に記載のシステムにおいて、
カテーテルは気管支鏡を備える、システム。
(請求項61)
請求項59に記載のシステムにおいて、
インプラントは110mm以上の長さを有する、システム。
(請求項62)
請求項61に記載のシステムにおいて、
インプラントは約120mmから約250mmの範囲の長さを有する、システム。
(請求項63)
複数の分岐する気道を有する気道系を含む患者の肺を治療するインプラントにおいて、
気道系を通して前進可能であり、基端と、末端とを有する、細長い本体と、
取り囲む気道系と係合し、細長い本体が肺の組織を気道の内部から端部間にて圧縮するとき、気道系を通って侵入するのを阻止し得るよう細長い本体の末端及び基端に隣接して配設された外傷性表面とを備え、
該インプラントは、非外傷性表面の間にて110mm以上の長さを有する、患者の肺を治療するインプラント。
(請求項64)
請求項63に記載のシステムにおいて、
非外傷性端部は約1mm以上の長さを有する、システム。
(請求項65)
請求項63に記載のシステムにおいて、
インプラントは約120mmから約250mmの範囲の長さを有する、システム。
(請求項66)
気道の測定装置において、
基端と、末端とを有する細長い本体と、
5Fr以上の寸法を有する非外傷性表面を含む末端と、
細長い本体に沿って伸びる末端までの長さの標識とを備える気道の測定装置。