【実施例】
【0091】
特に断らない限り、実施例及び明細書の残りの部分における部、比率(%)、比などは全て重量を基準としたものである。
【0092】
PIM Aの調製(MEK及びトルエン暴露で使用する)
2.0Lの三口丸底フラスコの中で、33.4365gの3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダン−5,5’,6,6’−テトロール(テトロール)及び19.8011gのテトラフルオロテレフタロニトリル(TFTN)を、900mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。溶液は、機械的撹拌機で撹拌され、溶液に窒素を1時間曝気した。この溶液に、81.4480gの炭酸カリウムを加えた。フラスコを67℃の油浴に入れた。混合物をこの高温で、窒素環境中、67.5時間攪拌した。重合混合物が、9.0Lの水に注がれた。形成された沈殿物を減圧濾過で分離し、600mLのメタノールで洗浄した。単離させた物質を受け皿に広げ、一晩風乾させた。固形物を広口瓶に入れ、真空下で4時間にわたって68℃で乾燥させた。生じた黄色い粉末を、450mLのTHFに溶解させた。溶液を、9.0Lのメタノールにゆっくりと注いだ。形成された沈殿物を減圧濾過で分離した。単離させた物質を受け皿に広げ、一晩風乾させた。固体を広口瓶に入れ、真空下で4時間にわたって68℃で乾燥させた。メタノール内の沈殿をもう一度行った。生じた乾燥させた明るい黄色いポリマーは43.21gであった。光散乱検出を用いるGPCによるポリマーの分析は、物質が約35,800g/molの数平均分子量(M
n)を有することを示した。
【0093】
PIM Bの調製(参照相関を生成するために用いる)
8オンス(240mL)の琥珀色の広口瓶の中で、5.6161gの3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダン−5,5’,6,6’−テトロール(テトロール)及び3.3000gのテトラフルオロテレフタロニトリル(TFTN)を、150mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。6.0004gの炭酸カリウムをこの溶液に追加した。広口瓶を65℃のローンドロメータ(laundrometer)に入れた。この混合物をこの高温で62時間にわたって攪拌した。重合混合物を1.5Lの水に注ぎ込んだ。形成された沈殿を減圧濾過で分離し、300mLのメタノールで洗浄した。単離した材料を広口瓶に入れ、真空下で18時間にわたって58℃で乾燥させた。生じた黄色い粉末を100mLのテトラヒドロフランに溶解させた。この溶液を、1.5Lのメタノールにゆっくりと注いだ。形成された沈殿物を減圧濾過で分離した。分離した材料を広口瓶に入れ、真空下で18時間にわたって58℃で乾燥させた。メタノール中での沈殿をもう一度実行した。生じた乾燥させた明るい黄色いポリマーは7.09gであった。光散乱検出を用いるGPCによるポリマーの分析は、物質が約35,600g/molの数平均分子量(M
n)を有することを示した。
【0094】
センサ素子の作成
センサ素子を、ALCONOX LIQUI−NOX清浄液(Alconox(White Plains、New York))中に30〜60分の間浸漬することによって洗浄した後、スライドの両面を毛ブラシでこすって洗い、水道のお湯ですすいだ後、最後に脱イオン水(DI water)ですすいだ、440×440mmパネル(厚さ1.1mm、Schott North America(Elmsford,New York)から入手のD−263 T Standardガラス)から切断した2”×2”(5.1cm×5.1cm)のSchottガラススライドの上に作成した。スライドは、表面への粉塵の堆積を防止するために風乾で遮蔽された。乾燥した清潔なスライドを、Entegris(Chaska、Minnesota)から入手した7.6cmのウエハーキャリアの中で保管した。
【0095】
第1の導電性電極は、厚さ1.16mmのステンレス鋼からレーザ切断して作られた、単一の矩形開口部を有し、上部縁が0.46インチ(1.2cm)、底部縁が0.59インチ(1.5cm)、及び左右の縁が0.14インチ(0.35cm)である、2インチ(5cm)×2インチ(5cm)の正方形マスク(MASK A)を使用して、10.0nmのチタン(Alfa Aesar(Ward Hill,Massachusetts)よりチタン片として入手、9.5mm×9.5mm、純度99.9+%)を毎秒0.1nm(nm/秒)の速度で、及び150.0nmのアルミニウム(Alfa Aesarよりショットとして入手、4〜8mm、Puratronic等級99.999%)を0.5nm/秒の速度で電子ビームにより蒸発コーティングすることによって、Schottガラススライドの上に堆積された。全てのマスクは、マスクの鋭角によって短絡する可能性を最小限に抑えるために、使用前に面取りを行った。蒸着プロセスは、INFICON(East Syracuse,New York)からのINFICON XTC/2 THIN FILM DEPOSITION CONTROLLERを用いて制御した。
【0096】
PIM材料の4重量パーセントクロロベンゼン溶液は、小さな広口瓶の中で構成成分を混合し、この混合物をローラーミルの上に一晩又はポリマーが実質的に溶解するまで置き、次に1ミクロンのACRODISCフィルタ(1ミクロンのガラス繊維を有するACRODISC 25mmシリンジフィルタとしてPALL Life Sciences(Ann Arbor,Michigan)から入手)に通して濾過することによって調製された。形成されたあらゆる気泡が消えるように、この溶液を一晩放置した。
【0097】
第1の導電性電極は、試料(即ち、その上に導電性電極を有するガラススライド)をWS−400B−8NPP−LITE SINGLE WAFERスピン処理装置(Laurell Technologies,Corp.(North Wales,Pennsylvania)製)に入れ、約0.5mLのクロロベンゼンを第1の導電性電極の上に置いた後、1000rpmのスピンコーティングサイクルを1分にわたって行うことによって洗浄された。
【0098】
次に、PIM材料の4重量パーセント溶液を、同じスピンコーティング条件下で第1の導電性電極上にコーティングした。スピンコーティング後、アセトンを浸した綿棒でコーティングの小区画を除去することによって、PIMの厚さ測定を、AMBiOS Technology(Santa Cruz、California)からのModel XP−1表面形状測定装置を使用して行った。厚さ測定で用いたパラメータは、スキャン速度0.1mm/sec、スキャン長さ5mm、範囲10マイクロメートル、針圧0.20mg、及びフィルターレベル4であった。PIMコーティングの厚さは、概ね500〜600nmの範囲であった。コーティング後に、全ての試料を100℃で1時間ベーキングした。
【0099】
パターン化された第2の銀電極を、鉛直方向に0.22インチ(0.56cm)だけ及び水平方向に0.48インチ(1.2cm)だけ分離された、高さ0.60インチ(1.5cm)×幅0.33インチ(0.84cm)の4つの矩形インクパッチの2×2アレイを作り出すパターンに従って、PIM材料の上にインクジェット印刷した。第2の電極をインクジェット印刷するために、ビットマップ画像(インチ当たり702ドット(1センチメートル当たり276ドット))を形成し、XY堆積システムにダウンロードした。銀ナノ粒子ゾルを堆積させるのに使用したプリントヘッドは、液滴体積10ピコリットル及び128ジェット/オリフィスのDIMATIX SX3−128プリントヘッド(FUJIFILM Dimatix(Santa Clara,California))であり、プリントヘッドアセンブリは長さ約6.5cm、及びジェット間の間隔は508ミクロンであった。この電極を敷設するために使用される銀ナノ粒子ゾルは、Cabotから名称AG−IJ−G−100−S1で入手した。銀ナノ粒子ゾルは、エタノール約15〜40重量パーセント、エチレングリコール15〜40重量パーセント、及び銀20重量パーセントであった。試料は、多孔質アルミニウム真空プラテンの使用により、インクジェット印刷プロセスの間、しっかりと固定された。印刷が完了したら、試料を多孔質アルミニウム真空プラテンから取り外し、電気こんろの上に125℃にて15分にわたって置いた。
【0100】
活性電極を堆積させた後、DGP−40LT−25C(銀ナノ粒子インク、ANP(244 Buyong industrial complex,Kumho−ri,Buyong−myeon,Chungwon−kun,Chungcheongbuk−do,South Korea)より入手)を用いて接続電極を作成した。試験中の電気コンタクトを容易にするために、小さな画家用の筆を使用して第2の導電性電極への接続部をペイントした。この接続部を塗った後、センサを150℃にて1時間焼成した。
【0101】
このセンサ製造プロセスは、約50mm×50mmのガラス基材の上に、4個一組のセンサ素子の約8mm×10mmの活性領域(接続電極で覆われていない第1及び第2の導電性電極の重複部の下の領域)をもたらした。個々のセンサ素子は、前(活性)面が損傷しないようにセンサ素子を支持しつつ、後(非活性)面で標準的なガラススコアリングカッターを用いて、試料をさいの目状に切断して製造した。さいの目状に切断してセンサ素子とした後、これらセンサを、Entegris(Chaska,Minnesota)の3.81cmのウェハホルダで保管した。
【0102】
有機蒸気に暴露されたセンサ素子の静電容量測定
試験の前に、全ての試料を、対流式オーブンを使用して150℃にて1時間にわたって焼成させた。全ての試験は、水分を除去するためにDRIERITE防湿剤(W.A.Hammond Co.,Ltd.(Xenia,Ohio))に、及びあらゆる有機汚染物質を除去するために活性炭に通過された空気中で実施された。試験チャンバは、1回に4種類のセンサ試料を測定できた。蒸気試験は、システムを通過する10L/分の乾燥空気流を用いて実施された。様々な蒸気レベルは、500マイクロリットルガスタイトシリンジ(Hamilton Company(Reno,Nevada)から入手)を装着したKD Scientificシリンジポンプ(KD Scientific Inc.(Holliston,Massachusetts)から入手可能)を用いて生成した。シリンジポンプは、500mLの三つ口フラスコの中に吊るされた濾紙片の上に有機液体を供給した。紙を通過する乾燥空気流が溶媒を蒸発させた。シリンジポンプを制御することによって様々な速度で溶媒を供給すると、様々な濃度の蒸気が発生した。シリンジポンプは、試験実施中に蒸気プロファイルを生成できるLABVIEW(National Instruments(Austin,Texas)から入手可能なソフトウェア)プログラムで制御した。MIRAN IR分析器(Thermo Fischer Scientific,Inc.(Waltham、Massachusetts)から入手可能)を用いて、設定濃度を確認した。第1の導電性電極と第2の導電性電極との間に1ボルト、1000Hzを印加するLCRメータ(Instek America,Corp.(Chino,California)よりINSTEK MODEL 821 LCRメータとして入手可能)を使用して、静電容量を測定した。シリンジポンプを制御する同一のLABVIEWプログラムを用いて、このデータを収集し、保存した。
【0103】
本開示の選択された実施形態
第1の実施形態において、本開示は、ライブラリの作成方法を提供し、該方法は、
a)標準温度にて第1の検体蒸気の既知の濃度(Y)に暴露しながら、参照静電容量センサ素子の静電容量(C
ref)を測定する工程と、ここで、前記参照静電容量センサ素子が、第1の導電性電極と第2の導電性電極との間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質誘電体材料の層を含み、前記検体蒸気の少なくとも一部が、前記ミクロ孔質誘電体材料の細孔内に吸収される、
b)前記標準温度にて前記第1の検体蒸気の不在下で、前記参照静電容量センサ素子の基準静電容量(C
ref base)を測定する工程と、
c)真の参照静電容量C
ref trueを決定する工程と、ここで、
C
ref true=C
ref−C
ref base、
d)第2の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、前記参照静電容量センサ素子の静電容量(C
n2)を測定する工程と、
e)相対参照静電容量(C
n2 ref)を決定する工程と、ここで、
C
n2 ref=(C
n2−C
ref base)/C
ref true、
f)第2の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で、工程d)及びe)を繰り返す工程と、
g)C
n2 refと前記第2の検体蒸気の濃度との間の第1の参照相関を決定する工程と、
h)前記第1の参照相関をコンピュータ可読媒体上に記録する工程と、を含む。
【0104】
第2の実施形態において、本開示は、前記コンピュータ可読媒体が持続性半導体メモリ素子を含む、第1の実施形態に記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0105】
第3の実施形態において、本開示は、前記第1の検体蒸気と前記第2の検体蒸気とが異なる、第1又は第2の実施形態に記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0106】
第4の実施形態において、本開示は、前記相関が数学的である、第1〜第3の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0107】
第5の実施形態において、本開示は、前記第1の検体蒸気及び前記第2の検体蒸気が同じ化学化合物からなる、第1〜第4の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0108】
第6の実施形態において、本開示は、前記第2の検体蒸気が水蒸気である、第1〜第5の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0109】
第7の実施形態において、本開示は、前記標準温度が40℃〜80℃の範囲である、第1〜第6の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0110】
第8の実施形態において、本開示は、
i)第3の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、前記参照静電容量センサ素子の静電容量(C
n3)を測定することと、
j)C
n3 refを決定することと、ここで、C
n3 ref=(C
n3−C
ref base)/C
ref true、
k)前記第3の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で工程i)及びj)を繰り返すことと、
l)C
n3 refと前記第3の検体蒸気の前記濃度との間の2の参照相関を決定することと、
m)前記第2の参照相関を前記コンピュータ可読媒体上に記録することと、を更に含む、第1〜第7の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0111】
第9の実施形態において、本開示は、第1〜第8の実施形態のいずれか1つのライブラリの作成方法に従って作成された参照ライブラリを含む情報が格納されたコンピュータ可読媒体を含む電子素子を準備する。
【0112】
第10の実施形態において、本開示は、
少なくとも一体構造の静電容量センサ素子に給電するように適合された操作回路と、ここで、該一体構造の静電容量センサ素子が、前記参照静電容量センサ素子と実質的に同一構成のものである、
前記操作回路と電気的に導通している検出モジュールと、ここで、該検出モジュールが、前記一体構造の静電容量センサ素子から電気信号を受け取るように適合される、
前記検出モジュール及び前記コンピュータ可読媒体に通信可能に接続されるプロセッサモジュールと、ここで、該プロセッサモジュールが、
対応する参照相関が前記校正ライブラリの中に存在する、特定の検体蒸気の未知の濃度に暴露しながら、前記一体構造の静電容量センサ素子の前記静電容量C
unk)を得、
前記一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(C
int base)を得、
相対静電容量C
unk rel=(C
unk−C
int base)/R
convを得、ここで、R
convは、次を含む方法によって得られる:
前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露すること、ここで、前記一体構造のセンサ素子は、2つの電極の間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質材料の層を含み、及び、前記第2の検体の少なくとも一部は、前記ミクロ孔質材料の細孔内に吸着される;
前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(C
int meas1)を測定すること;
前記一体構造のセンサ素子を前第2の検体の既知の第2の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第2の静電容量(C
int meas2)を測定することと;
差(ΔC
int meas)を得ること、ここで、
ΔC
int meas=|C
int meas1−C
int meas2|、
前記第2の検体の前記第1の蒸気濃度における参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(C
n2 ref1)と、前記検体の前記第2の蒸気濃度における前記参照センサ素子の第2の相対参照静電容量(C
n2 ref2)との間の差(ΔC
n2 ref)を得ること、ここで、ΔC
n2 ref=|C
n2 ref1−C
n2ref2|;及び
R
convをΔC
int meas/ΔC
n2 refとして算出すること;
C
unk relを前記参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較して、前記検体蒸気の真の濃度を得、及び、
次の少なくとも一方を行う:
前記真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録する;又は
前記真の濃度をディスプレイ部材に通信する;ように適合される、
前記ディスプレイ部材及び前記プロセッサモジュールに通信可能に接続される通信インターフェイスモジュールと、を更に含み、
前記操作回路が、少なくとも前記検出モジュール、プロセッサモジュール、ディスプレイ部材、及び通信インターフェイスモジュールに電力を供給する、第8の実施形態に記載の電子素子を準備する。
【0113】
第11の実施形態において、本開示は、前記操作回路が、前記一体構造の静電容量センサ素子を加熱するように適合された加熱素子と電気的に導通している、第10の実施形態に記載の電子素子を準備する。
【0114】
第12の実施形態において、本開示は、前記電子素子が、前記操作回路と電気的に導通している一体構造の静電容量センサ素子を更に含み、前記一体構造の静電容量センサ素子が参照静電容量センサ素子と同一構成のものである、第10又は第11に記載の実施形態に記載の電子素子を準備する。
【0115】
第13の実施形態において、本開示は、校正された電子センサの製造方法を提供し、該方法は、
第11又は第12の実施形態に記載の電子素子を準備することと、
前記一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(C
int base)を得ることと、
次を含む方法によってR
convを得ることと:
前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露すること、ここで、前記一体構造のセンサ素子は、2つの電極の間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質材料の層を含み、及び、前記第2の検体の少なくとも一部は、前記ミクロ孔質材料の細孔内に吸着される;
前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(C
int meas1)を測定すること;
前記一体構造のセンサ素子を前第2の検体の既知の第2の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第2の静電容量(C
int meas2)を測定すること;
差(ΔC
int meas)を得ること、ここで
ΔC
int meas=|C
int meas1−C
int meas2|;
前記第2の検体の前記第1の蒸気濃度における参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(C
n2 ref1)と、前記検体の前記第2の蒸気濃度における前記参照センサ素子の第2の相対参照静電容量(C
n2 ref2)と間の差(ΔC
n2 ref)を得ること、ここで、
ΔC
n2 ref=|C
n2 ref1−C
n2 ref2|;
R
convを ΔC
int meas/ΔC
n2 refとして算出すること;及び
前記校正された電子センサを準備するために、R
conv及びC
int baseを前記電子素子に格納すること;を含む。
【0116】
第14の実施形態では、本開示は、第13の実施形態の校正された電子センサの製造方法に従って作成される、校正された電子センサを地供する。
【0117】
第15の実施形態では、本開示は、校正された電子センサの使用方法を提供し、該方法は、
第14の実施形態に従って校正された電子センサを準備することと、
前記標準温度にて前記特定の検体蒸気の前記の未知の濃度に暴露しながら、前記一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(C
unk)を測定することと、
相対静電容量C
unk rel=(C
unk−C
int base)/R
convを得ることと、
C
unk relを、前記参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、前記検体蒸気の前記真の濃度を得ることと、
次の少なくとも一方を行うことと:
前記検体蒸気の真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録すること;又は
前記検体蒸気の真の濃度を前記ディスプレイ部材に通信すること;を含む。
【0118】
第16の実施形態において、本開示は、ライブラリの作成方法を提供し、該方法は、
a)標準温度にて第1の検体蒸気の既知の濃度(Y)に暴露しながら、参照静電容量センサ素子の静電容量(C
n1)を測定する工程と、ここで、前記参照静電容量センサ素子は、第1の導電性電極と第2の導電性電極との間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質誘電体材料の層を含み、及び、前記検体蒸気の少なくとも一部が、前記ミクロ孔質誘電体材料の細孔内に吸収される、
b)前記標準温度にて前記第1の検体蒸気の不在下で、前記参照静電容量センサ素子の基準静電容量(C
ref base)を測定する工程と、
c)相対参照静電容量(C
n1 ref)を決定する工程と、ここで、
C
n1 ref=(C
n1−C
ref base)/C
ref base、
d)前記第1の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で、工程a)及びc)を繰り返す工程と、
e)C
n1 refと、前記第1の検体蒸気の前記濃度との間の第1の参照相関を決定する工程と、
f)前記第1の参照相関をコンピュータ可読媒体上に記録する工程と、を含む。
【0119】
第17の実施形態において、本開示は、前記コンピュータ可読媒体が持続性半導体メモリ素子を含む、第16の実施形態に記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0120】
第18の実施形態において、本開示は、前記相関が数学的である、第16又は第17の実施形態に記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0121】
第19の実施形態において、本開示は、前記第1の検体蒸気が水蒸気である、第16〜第18の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0122】
第20の実施形態において、本開示は、前記標準温度が40℃〜80℃の範囲である、第16〜第19の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0123】
第21の実施形態において、本開示は、
g)第2の検体蒸気の既知の濃度に暴露しながら、前記参照静電容量センサ素子の前記静電容量(C
n2)を測定することと、
h)C
n2 refを決定することと、ここで、C
n2 ref=(C
n2−C
ref base)/C
ref base、
i)前記第2の検体蒸気の少なくとも2つの追加の異なる濃度で工程g)及びh)を繰り返すことと、
j)第2の参照相関を決定することと、ここで、該第2の参照相関は、C
n2 refと前記第2の検体蒸気の濃度との間の数学的又はグラフ的相関を含む、
k)前記第2の参照相関を前記コンピュータ可読媒体上に記録することと、を更に含む、第16〜第20の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0124】
第22の実施形態において、本開示は、第16〜第21の実施形態のいずれか1つに記載のライブラリの作成方法に従って作成された参照ライブラリを含む情報が格納されたンピュータ可読媒体を含む電子素子を準備する。
【0125】
第23の実施形態において、本開示は、
少なくとも一体構造の静電容量センサ素子に給電するように適合された操作回路と、ここで、該一体構造の静電容量センサ素子が、前記参照静電容量センサ素子と実質的に同一構成のものである、
前記操作回路と電気的に導通している検出モジュールと、ここで、該検出モジュールが、前記一体構造の静電容量センサ素子から電気信号を受け取るように適合される、
前記検出モジュール及び前記コンピュータ可読媒体に通信可能に接続されるプロセッサモジュールと、ここで、該プロセッサモジュールが、
対応する参照相関が前記校正ライブラリの中に存在する、特定の検体蒸気の未知の濃度に暴露しながら、前記一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(C
unk)を得、
前記一体構造の静電容量センサ素子の前記基準静電容量(C
int base)を得、
相対静電容量(C
unk rel)=(C
unk−C
int base)/C
int baseを得、
C
unk relを、前記参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、前記検体蒸気の前記真の濃度を得、及び
次の少なくとも一方を行う:
前記真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録する;又は
前記真の濃度をディスプレイ部材に通信する;ように適合される、
前記ディスプレイ部材及び前記プロセッサモジュールに通信可能に接続される通信インターフェイスモジュールと、を更に含み、
前記操作回路が、少なくとも前記検出モジュール、プロセッサモジュール、ディスプレイ部材、及び通信インターフェイスモジュールに電力を供給する、第21の実施形態に記載のライブラリの作成方法を提供する。
【0126】
第24の実施形態において、本開示は、前記操作回路が、前記一体構造の静電容量センサ素子を加熱するように適合された加熱素子と電気的に導通している、第23の実施形態に記載の電子素子を準備する。
【0127】
第25の実施形態において、本開示は、前記電子素子が、前記操作回路と電気的に導通している一体構造の静電容量センサ素子を更に含み、前記一体構造の静電容量センサ素子が参照静電容量センサ素子と同一構成のものである、第23又は第24の実施形態に記載の電子素子を準備する。
【0128】
第26の実施形態において、本開示は、校正された電子センサの製造方法を提供し、該方法は、
第24又は第25の実施形態に記載の電子素子を準備することと、
次を含む方法によって、前記一体構造の静電容量センサ素子の基準静電容量(C
int base)を得ることと:
前記一体構造のセンサ素子を前記第1の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露すること、ここで、前記一体構造のセンサ素子は、2つの電極の間に配置され、かつこれらと接触するミクロ孔質材料の層を含み、及び、前記第2の検体の少なくとも一部は、前記ミクロ孔質材料の細孔内に吸着される;
前記一体構造のセンサ素子を前記第2の検体の既知の第1の蒸気濃度に暴露しながら、前記一体構造のセンサ素子の第1の静電容量(C
int meas1)を測定すること;
前記第1の検体の前記第1の蒸気濃度における参照センサ素子の第1の相対参照静電容量(C
n1 ref1)を得ること;
C
int baseをC
int meas1/(1+C
n1 ref1)として算出すること;及び
前記校正された電子センサを準備するために、C
int baseを前記電子素子に格納すること;を含む。
【0129】
第27の実施形態において、本開示は、第26の実施形態の校正された電子センサの製造方法に従って作成される、校正された電子センサを準備する。
【0130】
第28の実施形態において、本開示は、校正された電子センサの使用方法を提供し、該方法は、
第27の実施形態に記載の校正された電子センサを準備することと、
前記標準温度にて前記特定の検体蒸気の前記未知の濃度に暴露しながら、前記一体構造の静電容量センサ素子の静電容量(C
unk)を測定することと、
相対静電容量(C
unk rel)=(C
unk−C
int base)/C
int baseを得ることと、
C
unk relを、前記参照ライブラリの中の対応する参照相関と比較し、前記検体蒸気の前記真の濃度を得ることと、
次の少なくとも一方を行うことと:
前記検体蒸気の真の濃度を前記コンピュータ可読媒体上に記録すること;又は
前記検体蒸気の真の濃度を前記ディスプレイ部材に通信すること;を含む。
【0131】
当業者であれば、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく本開示の様々な改変及び変更を行うことが可能であり、また、本開示は上記に記載した例示的な実施形態に不要に限定されるべきではない点は理解されるべきである。