(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016893
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】基地局とユーザ機器とにおいて同期化を実行するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20161013BHJP
H04W 28/16 20090101ALI20161013BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20161013BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W28/16
H04W72/04 111
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-508885(P2014-508885)
(86)(22)【出願日】2012年4月25日
(65)【公表番号】特表2014-517583(P2014-517583A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】IB2012000988
(87)【国際公開番号】WO2012172399
(87)【国際公開日】20121220
【審査請求日】2013年12月27日
(31)【優先権主張番号】201110114697.1
(32)【優先日】2011年5月2日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,タオ
(72)【発明者】
【氏名】リム,セイオウ サイアン
【審査官】
桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】
Potevio,Random Access on SCell for Supporting Multi-TA[online], 3GPP TSG-RAN WG2#74 R2-113067,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_74/Docs/R2-113067.zip>,2011年 5月 1日
【文献】
Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,The need of maintaining multiple TA timers[online], 3GPP TSG-RAN WG2#73bis R2-112209,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73bis/Docs/R2-112209.zip>,2011年 4月 4日
【文献】
Potevio,Signalling for TA group configuration[online], 3GPP TSG-RAN WG2#76 R2-115812,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_76/Docs/R2-115812.zip>,2010年11月 6日
【文献】
Samsung,Main issues in supporting multi-TAs[online], 3GPP TSG-RAN WG2#73bis R2-112305,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73bis/Docs/R2-112305.zip>,2011年 4月 5日
【文献】
CATT,Initial Consideration on Multiple TA[online], 3GPP TSG-RAN WG2#73bis R2-111840,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73bis/Docs/R2-111840.zip>,2011年 4月 3日
【文献】
Qualcomm Incorporated,Supporting multiple timing advance groups[online], 3GPP TSG-RAN WG2♯68bis R2-100423,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_68bis/Docs/R2-100423.zip>,2010年 1月12日
【文献】
ZTE,Discussion on Multiple TA[online], 3GPP TSG-RAN WG2#73bis R2-111908,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73bis/Docs/R2-111908.zip>,2011年 4月 4日
【文献】
Nokia Siemens Networks, Nokia Corporation,Multiple Timing Advance[online], 3GPP TSG-RAN WG2#73bis R2-111897,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73bis/Docs/R2-111897.zip>,2011年 4月 5日
【文献】
Potevio,Multi-TA assignment[online], 3GPP TSG-RAN WG2#74 R2-113069,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_74/Docs/R2-113069.zip>,2011年 5月 1日
【文献】
New Postcom,Analysis of basic Multi-TA requirements for CA[online], 3GPP TSG-RAN WG2#74 R2-113137,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_74/Docs/R2-113137.zip>,2011年 5月 1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局において同期化を実行するための方法であって、
所定の規則に基づいてセルを1つまたは複数のグループへと分割するステップを具備し、伝送の際に使用するユーザ機器のためのタイミング・アドバンス(TA)を獲得するために、物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)プロシージャがセルの前記1つまたは複数のグループの内の一つのグループに関して実行される、分割するステップであって、
前記グループの固有の識別情報を提供し、
前記グループが二次セルのみを備え、
前記二次セルのうちの1つは、主要な二次セルとして指定されることができ、
主要な二次セルが存在しない場合は、前記PRACHプロシージャは、グループ内の二次セルのすべての、または任意の数の二次セルに対して実行され、前記PRACHプロシージャのうちの1つのPRACHプロシージャが成功するときに、他の完了されていないPRACHプロシージャが直ちに終了し、
主要な二次セルが存在する場合は、前記PRACHプロシージャは、前記主要な二次セル上で実行される、ステップ、
を含む方法。
【請求項2】
前記PRACHプロシージャは、
前記グループの前記固有の識別情報が、セル・インデックスである場合に、二次セルが属する前記グループの前記識別情報に割り付けられた前記インデックスと、前記基地局が前記ユーザ機器に前記二次セルを割り付けるときの前記二次セルに割り付けられたセル・インデックスとが同一であるとき、
前記グループの前記固有の識別情報が、前記グループのインデックスである場合に、二次セルが属する前記グループの前記インデックスが、前記基地局が前記ユーザ機器に前記二次セルを割り付けるときの任意の既存のグループ・インデックスとは異なるとき、または、
前記基地局が、物理専用制御チャネル(PDCCH)命令信号を送信した場合に、起動される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PDCCH命令信号は、前記主要な二次セル上で、またはアクティブな状態にある他のセル上で送信されるが、そのキャリア表示フィールド(CIF)は、前記主要な二次セルを指し示す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記主要な二次セルが構成解除される場合には、前記グループ内の他の二次セルのうちの1つが前記主要な二次セルとして再選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記主要な二次セルが、非アクティブ化される場合には、前記PDCCH命令信号は、アクティブな状態にある他のセル上で送信されるが、そのCIFは、前記主要な二次セルを指し示し、または前記PDCCH命令信号は、非アクティブ化された前記主要な二次セル上で送信される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記主要な二次セルを選択するステップは、
前記基地局により、二次セル構成RRCメッセージ中に二次セルを前記主要な二次セルとして識別するステップ、あるいは
前記ユーザ機器により、所定の判断基準に基づいて二次セルを前記主要な二次セルとして選択するステップ、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ機器が所定の判断基準に基づいて二次セルを前記主要な二次セルとして選択する場合には、もし前記基地局によって所定の判断基準に基づいて前記ユーザ機器に割り付けられ且つ前記グループに属する新しい二次セルが主要な二次セルになるべきであるときには、前記新しい二次セルは、前記主要な二次セルとして選択されるが、前記以前の主要な二次セルは、前記グループ内の通常の二次セルになる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ユーザ機器において同期化を実行するための方法であって、
伝送の際に使用するタイミング・アドバンス(TA)を獲得するために、セルのグループに関して物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)プロシージャを実行するステップであって、
前記グループの固有の識別情報を提供し、
前記グループが二次セルのみを備え、
前記二次セルのうちの1つは、主要な二次セルとして指定されることができ、
主要な二次セルが存在しない場合は、前記PRACHプロシージャは、グループ内の二次セルのすべての、または任意の数の二次セルに対して実行され、前記PRACHプロシージャのうちの1つのPRACHプロシージャが成功するときに、他の完了されていないPRACHプロシージャが直ちに終了し、
主要な二次セルが存在する場合は、前記PRACHプロシージャは、前記主要な二次セル上で実行される、ステップ、
を含む方法。
【請求項9】
基地局において同期化を実行するための装置であって、該装置は、
所定の規則に基づいてセルを1つまたは複数のグループへと分割するように構成されたセル・グループ分割手段を具備し、伝送の際に使用するユーザ機器のためのタイミング・アドバンス(TA)を獲得するために、物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)プロシージャがセルの1つまたは複数のグループの内の一つのグループに関して実行される、セル・グループ分割手段であって、
前記グループの固有の識別情報を提供し、
前記グループが二次セルのみを備え、
前記二次セルのうちの1つは、主要な二次セルとして指定されることができ、
主要な二次セルが存在しない場合は、前記PRACHプロシージャは、グループ内の二次セルのすべての、または任意の数の二次セルに対して実行され、前記PRACHプロシージャのうちの1つのPRACHプロシージャが成功するときに、他の完了されていないPRACHプロシージャが直ちに終了し、
主要な二次セルが存在する場合は、前記PRACHプロシージャは、前記主要な二次セル上で実行される、セル・グループ分割手段、
を備える、装置。
【請求項10】
ユーザ機器において同期化を実行するための装置であって、該装置は、
セルのグループに関してPRACHプロシージャを実行して、伝送の際に使用するタイミング・アドバンス(TA)を獲得するように構成された物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)プロシージャ実行手段であって、
前記グループの固有の識別情報を提供し、
前記グループが二次セルのみを備え、
前記二次セルのうちの1つは、主要な二次セルとして指定されることができ、
主要な二次セルが存在しない場合は、前記PRACHプロシージャは、グループ内の二次セルのすべての、または任意の数の二次セルに対して実行され、前記PRACHプロシージャのうちの1つのPRACHプロシージャが成功するときに、他の完了されていないPRACHプロシージャが直ちに終了し、
主要な二次セルが存在する場合は、前記PRACHプロシージャは、前記主要な二次セル上で実行される、PRACHプロシージャ実行手段、
を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通信の分野に関する。詳細には、本発明の実施形態は、基地局とユーザ機器とにおいて同期化を実行するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信の分野においては、ユーザ機器は、セル内の複数のユーザ機器のロケーション間および移動速度間の差のために、前もって物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)プロシージャを実行し、基地局とのアップリンク通信を実行する必要がある。PRACHプロシージャ中に、ユーザ機器は、PRACHチャネル上でプリアンブルを基地局に対して送信する。基地局は、どの位置に、またどの時間にPRACHチャネルが現れるかを知っているので、基地局は、PRACHチャネルが現れる位置および時間、ならびにユーザ機器によって送信されるプリアンブルが実際にPRACHチャネル上で受信される時間に基づいて、ユーザ機器についてのタイミング・アドバンス(TA:Timing Advance)を計算することができ、また応答メッセージ内でTAをユーザ機器に対して提供する。その後に、ユーザ機器は、TAを利用して、TAを取得することを必要とするトリガ条件がもう一度発生する前に、基地局とのアップリンク通信を実行することができる。
【0003】
LTE(ロング・ターム・エボリューション)システムのリリース10(R10)(例えば、
図1に示されるようなシステム100)においては、基地局101は、ユーザ機器に対してサービスを提供する一次セル(Pセル(Pcell:Primary Cell))102をユーザ機器に割り付ける。いくつかの条件においては、基地局101は、さらに、1つまたは複数の二次セル(Sセル(Scell:Secondary Cell)103a、103b、および103c(一般にSセル103と呼ばれる)をユーザ機器に割り付ける必要があることもある。当業者に知られているように、R10においては、セル102とセル103は共に、同じ周波数帯域内に位置しているように同じTAを使用する。したがって、ユーザ機器は、これらのセル内で複数のPRACHプロシージャを実行して、それぞれのセル内のアップリンク通信を実行する必要はない。一般に、PRACHプロシージャをPセル102上で一度実行するだけで十分であり、また取得されたTAは、Sセル103によって同等に使用される可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】LTE(ロング・ターム・エボリューション)システムのリリース10(R10)
【非特許文献2】LTEシステムのR11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者等は、LTEシステムのR11(例えば、
図2に示されるようなシステム200)においては、PセルとそれぞれのSセルとによって使用されるTAが異なるような様々なシーンが存在することを見出している。例えば、これらのセルは、異なる周波数帯域上に位置していてもよい。もちろん、これは、例示のシーンにすぎない。アップリンク通信を実行するためには、最も直接的な解決法は、ユーザ機器が、それぞれのセルにおいてPRACHプロシージャを実行して、それらのセルに特有の対応するTAを取得することである。明らかに、この手法は、TAと、維持される必要があるタイム・アラインメント・タイマ(TAT:timeAlignmentTimer)の数を増大させ、またPRACHプロシージャのオーバーヘッドを増大させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題を解決するために、本発明の実施形態は、基地局において同期化を実行するための方法を提供しており、本方法は、PRACHプロシージャがセルの1つまたは複数のグループ(単数または複数)からのグループに関して実行され、それにより伝送に使用するために、ユーザ機器についてTAを獲得するように、所定の規則に基づいてセルを1つまたは複数のグループ(単数または複数)へと分割するステップを含むことができる。
【0007】
別の態様においては、本発明の実施形態は、伝送に使用するためにTAを獲得するように、セルのグループに関してPRACHプロシージャを実行するステップを含む、ユーザ機器において同期化を実行するための方法を提供している。
【0008】
さらなる一態様においては、本発明の実施形態は、PRACHプロシージャがセルの1つまたは複数のグループ(単数または複数)からのグループに関して実行され、それにより伝送に使用するためにユーザ機器についてTAを獲得するように、所定の規則に基づいてセルを1つまたは複数のグループ(単数または複数)へと分割するように構成されたセル・グループ分割手段を備える、基地局において同期化を実行するための装置を提供している。
【0009】
またさらなる態様においては、本発明の実施形態は、セルのグループに関してPRACHプロシージャを実行して、伝送に使用するためにTAを獲得するように構成されたPRACHプロシージャ実行手段を備える、ユーザ機器において同期化を実行するための装置を提供している。
【0010】
本発明の利点は、所定の規則に基づいてセルを1つまたは複数のグループ(単数または複数)へと分割することにより、TAとTATの数が削減され、PRACHプロシージャのオーバーヘッドもまた低減されることにある。
【0011】
もちろん、これらの利点は、例示的なものにすぎず、本発明の他のより多くの利点が、当業者によって理解されるであろう。
【0012】
添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより、本発明の実施形態についての上記および他の目的、特徴、利点が、より分かりやすいものになるであろう。図面内では、本発明の複数の実施形態が、例示的かつ非限定的に示されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】先行技術において基地局と、その基地局によってサービスされるセルとを備えるシステムを示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、基地局と、その基地局によってサービスされるセルとを備えるシステムを示す概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、基地局において同期化を実行するための一方法を示すフロー・チャートである。
【
図4】本発明の一実施形態による、ユーザ機器において同期化を実行するための一方法を示すフロー・チャートである。
【
図5】本発明の一実施形態による、基地局において同期化を実行するための装置を示すブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、ユーザ機器において同期化を実行するための装置を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態から恩恵を受けることになる部類の装置についての図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下においては、本発明の原理と精神とが、様々な例示の実施形態を参照して説明されることになる。これらの実施形態の提供は、当業者が、本発明をよりよく理解し、またさらに実施することを可能にするものにすぎず、本発明の範囲を限定することは決して意図していないことを理解されたい。
【0015】
本発明の実施形態は、基地局およびユーザ機器において同期化を実行するための方法および装置を提供している。
【0016】
以下においては、本発明の原理および精神が、本発明の複数の代表的な実施形態を参照して詳細に説明されることになる。
【0017】
最初に、
図2と一緒に
図3を参照すると、
図2は、本発明の一実施形態による、基地局と、その基地局によってサービスされるセルとを備えるシステム200の概略図を示しているが、
図3は、本発明の一実施形態による、基地局において同期化を実行するための方法300のフロー・チャートを示している。
【0018】
図3に示されるように、本方法300は、ステップS301を含み、すなわち、所定の規則に基づいてセルを1つまたは複数のグループ(単数または複数)へと分割するステップを含み、PRACHプロシージャがセルの1つまたは複数のグループ(単数または複数)の内の一つのグループに関して実行され、それにより伝送に使用するためにユーザ機器のためのTAを獲得するようにすることができる。
【0019】
特に、
図2を参照すると、
図2に示されるように、基地局201は、ユーザ機器が、それぞれのセルに関してPRACHプロシージャを実行する代わりに、グループG1またはG2に関してPRACHプロシージャを実行するように、所定の規則に基づいて、Pセル202とSセル203aとをグループG1へと、またSセル203bとSセル203cとをグループG2へと分割することができる。
【0020】
もちろん、当業者なら、それらの図において、セルの数、ならびにグループに含まれるセルの数は、単に例示的なものにすぎず、本発明を限定するものではないことを理解するであろう。さらに、当業者なら、所定の規則は、基地局またはそのオペレータによって規定されるどのような規則ともすることができ、例えば、同じ周波数帯域におけるセルを1つのグループへと分割していることを理解するであろう。もちろん、これは、例示的なものにすぎず、また本発明は、それだけには限定されるものではない。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、基地局201は、さらに、グループの固有の識別情報を提供することができることが好ましい。当業者なら、例えば、セルの1つのグループだけがユーザ機器のために存在しているという極端な条件においては、グループについて固有の識別情報を提供することが、不必要になることを理解するであろう。したがって、このステップは、オプションであり、強制的なものではない。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、固有の識別情報は、例えば、グループ内のセルのセル・インデックス、またはグループのインデックスとすることができる。もちろん、当業者なら、上記は、単に例示的なものにすぎず、本発明を限定するためのものではないことを理解することができる。当業者なら、グループを一意に識別することができる任意の識別情報が、本発明において使用され得ると考えるであろう。
【0023】
例えば、グループG1は、Pセル202と、Sセル203aとを含むことが、
図2から分かる。言い換えれば、グループG1は、少なくとも一次セルを含んでいる。
【0024】
この種類のグループでは、本発明のいくつかの実施形態によれば、グループの固有の識別情報が、グループ内のセルのセル・インデックスである場合には、
図2におけるグループG1の固有の識別情報は、例えば、一次セルPセル202のセル・インデックス、すなわち、0とすることができる(一次セルについてのインデックスが0であることが、当業者には知られている)。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態によれば、グループの固有の識別情報が、グループのインデックスである場合には、
図2におけるグループG1の固有の識別情報は、例えば、0に設定されることが好ましい可能性がある。当業者に知られているように、Pセルの確立は、RRC接続確立メッセージを通して実施される。グループG1の固有の識別情報が0に設定される場合には、PセルのRRC接続確立メッセージを修正することが、不必要であり、これは有利である。
【0026】
しかしながら、Sセルでは、当業者なら、Sセルをユーザ機器に割り付けるときに、基地局が、二次セルを構成する際に使用するための無線リソース再構成(RRC:Radio Resource Re−configuration)メッセージに対して、Sセルが属するグループの識別情報を表すためのインデックス・フィールドを加えることができることを理解するであろう。Sセルが、Pセルを含むグループに属するときに、Sセルが属するグループの識別情報は、セル・インデックスによって表されているか、またはグループ・インデックスによって表されているかにかかわらず、0に設定されることが好ましいことが、容易に理解される。
【0027】
当業者なら、Pセルを含んでいるそのようなグループは、R10システムにおける全体としてのセルと違いがなく、したがってR10システムにおいてPRACHプロシージャを実行する手法と同じである手法が採用されてもよいことを理解するであろう。すなわち、ユーザ機器は、Pセル上でPRACHプロシージャを実行して、グループ内のどのようなセルのためにも適用可能なTAを獲得する。上記理由のために、これについては、ここでは詳細に説明されないであろう。
【0028】
例えば、グループG2は、Sセル203bと、Sセル203cとを含むことができることが、さらに、
図2から分かる。言い換えれば、グループG2は、単に二次セルを含んでいるにすぎない。
【0029】
そのような種類のグループでは、本発明のいくつかの実施形態によれば、グループが、新しいインデックスをグループに割り当てることを通して一意に識別される場合には、グループ内の二次セルのレベルを差別化することは不必要になる(以下で説明されるように、二次セルのうちのある種のセルは、主要な二次セルとして指定される可能性があるが、他の二次セルは、通常の二次セルである)。言い換えれば、すべての二次セルは、同じレベルにある通常の二次セルである。この場合には、例えば、グループG2の固有の識別情報が、二次セルを構成する際に使用するためにRRCメッセージにおいて任意に指定される(またその値が、どのような制限も受けない)ことが好ましい可能性がある。具体的には、基地局は、二次セルを構成する際に使用するRRCメッセージに対して、Sセルが属するグループの識別情報を表すためのインデックス・フィールドを加える。
【0030】
主要な二次セルが存在していないそのような場合には、ユーザ機器は、グループ内の二次セルのすべての、またはどのような任意の数(任意の規則に基づいて基地局によって指定される)に対してもPRACHプロシージャを実行することができる。PRACHプロシージャのうちの1つのPRACHプロシージャが成功するときに、他の完了されていないPRACHプロシージャが直ちに終了して、PRACHオーバーヘッドを節約することが好ましい。成功したPRACHプロシージャを通して獲得されるTAは、他のSセルに対して使用可能とされることができる。
【0031】
グループ内のセルのセル・インデックスを使用して、グループを一意に識別する場合には、グループ内の主要な二次セルは、主要な二次セルのセル・インデックスが、グループの識別情報として使用され得るように指定されることが好ましい。例えば、
図2において、Sセル203bは、G2グループについての主要な二次セルとして選択されることが仮定され、したがって、Sセル203bのセル・インデックスは、グループG2の識別情報として使用される可能性がある。当業者なら、基地局が、Sセル203cをユーザ機器に割り付けるときに、Sセル203cがSセル203bのグループに属すると判定する場合には、Sセル203bのセル・インデックスを表すフィールドが、Sセル203cについてのRRCメッセージに追加されて、Sセル203cが、Sセル203bのグループに属することを明示的に示すことを理解するであろう。
【0032】
主要な二次セルが指定されている場合には、PRACHプロシージャは、主要な二次セル(この例におけるSセル203b)上で実行されることが好ましい。もちろん、当業者なら、PRACHプロシージャがまた、主要な二次セルが指定されていない場合と同じ手法で実行され得ることを理解するであろう。すなわち、ユーザ機器は、グループ内の二次セルのすべての、またはどのような任意の数(任意の規則に基づいて基地局によって指定される)に対してPRACHプロシージャを実行することができる。1つのPRACHプロシージャが成功するときに、他の完了していないPRACHプロシージャは、直ちに終了して、PRACHオーバーヘッドを節約する。成功したPRACHプロシージャを通して獲得されるTAは、他のSセルに使用可能にされることもある。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態によれば、PRACHプロシージャは、以下の場合において、起動される可能性がある:
グループの固有の識別情報が、セル・インデックスである場合に、二次セルが属するグループの識別情報に割り付けられたインデックスと、基地局がユーザ機器に二次セルを割り付けるときの二次セルに割り付けられたセル・インデックスとが同一であるとき;または、
グループの固有の識別情報が、グループのインデックスである場合に、二次セルが属するグループのインデックスが、基地局がユーザ機器に二次セルを割り付けるときの任意の既存のグループ・インデックスとは異なるときに、起動される可能性がある。
【0034】
当業者なら、上記2つの場合は共に、ユーザ機器に基地局によって現在割り付けられている二次セルが、どのような既存のグループにも属さないが、それ自体上で新しいグループを形成することを示すことを理解するであろう。この場合には、ユーザ機器は、その二次セル上でPRACHプロシージャを実行してTAを獲得することが必要であり、そうでない場合には、基地局を用いて後続のオペレーションを実行することは、不可能になることを知っている。
【0035】
本発明の他の実施形態においては、基地局は、例えば、物理専用制御チャネル(PDCCH:Physical Dedicated Control Channel)命令信号を送信して、PRACHプロシージャを起動することができる。
【0036】
当業者なら、G1グループでは、PDCCH命令信号は、一次セル上で送信され得ることを理解するであろう。
【0037】
指定された主要な二次セルを有するG2グループでは、PDCCH命令信号は、主要な二次セル上で、またはアクティブな状態にある他のセル(例えば、この例におけるSセル203b)上で送信され得るが、そのキャリア表示フィールド(CIF:Carrier Indication Field)は、主要な二次セルを指し示して、ユーザ機器に、主要な二次セル上でPRACHプロシージャを実行することが必要であることを通知する。
【0038】
さらに、指定された主要な二次セルのないグループG2においては、PDCCH命令信号は、グループG2内のアクティブな状態にある任意の二次セル上で、またはG2グループの外部のアクティブな状態にある他の任意のセル上で送信される可能性があるが、そのCIFは、グループ内のどのような任意の二次セルをも指し示し、またはそのCIFは、当該グループを指し示す。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態によれば、主要な二次セルが構成解除される場合には、グループ内の他の二次セルのうちの1つが主要な二次セルとして再選択される必要がある。これは、主要な二次セルのセル・インデックスを使用して、それが位置しているグループを識別すること、および主要な二次セル上でPDCCH命令信号を送信することが必要とされるからである。主要な二次セルが存在しない場合に主要な二次セルを再指定することは、当然、必要である。
【0040】
しかしながら、本発明のいくつかの実施形態によれば、主要な二次セルが存在し続けるので、主要な二次セルの非アクティブ化は、グループを識別することに影響を及ぼさず、したがって、そのセル・インデックスは、連続して使用される可能性がある。しかしながら、その上でPRACHを送信することを確実にするためには、本発明の一実施形態によれば、PDCCH命令信号が、アクティブな状態において他のセル上で送信されるべきであるが、信号のCIFは、非アクティブ化された主要な二次セルを指し示し、またはPDCCH命令信号が連続して非アクティブ化された主要な二次セル上で送信されるべきであることを指示することが、必要とされる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態によれば、主要な二次セルを選択する2つの手法が存在しており、すなわち、第1に、基地局は、二次セル構成のRRCメッセージ中に主要な二次セルとしてある二次セルを識別し、そこでは、識別するやり方は、任意とすることができ、例えば、セル(すなわち、主要な二次セルまたは通常の二次セル)のレベルを示すフィールドをメッセージ内に加えることとすることができるが、本発明は、それだけには限定されてない。第2に、ユーザ機器は、所定の判断基準に基づいて主要な二次セルとして二次セルを選択する。もちろん、これらは、例示的なものにすぎず、また本発明は、それだけには限定されない。
【0042】
第2の場合では、例えば、ユーザ機器は、主要な二次セルとして、二次セルのうちの最高のインデックス値、または最低のインデックス値を有する二次セルを選択することができる。この選択は、ユーザ機器と、基地局との間の同期化に基づいて基地局と共用されることもある。この場合には、以下の状態が起こる可能性がある。すなわち、基地局によって所定の判断基準に基づいてユーザ機器に割り付けられ、またグループに属する新しい二次セルが主要な二次セルになるべきである場合には、ユーザ機器は、その新しい二次セルを主要な二次セルとして選択するが、以前の主要な二次セルは、グループ内で通常の二次セルになる。
【0043】
基地局によって実行される方法を導入した後に、ユーザ機器において同期化を実行するための一方法が、
図4を参照して説明されることになる。
【0044】
方法400は、ステップS401を、すなわち、伝送に使用するためのTAを獲得するために、セルのグループに関してPRACHプロシージャを実行するステップを含むことができることが、
図4から分かる。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態によれば、グループが、一次セルを含む場合に、PRACHプロシージャは、一次セル上で実行される可能性がある。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態によれば、グループが、単に二次セルを含んでいるにすぎない場合には、PRACHプロシージャは、PRACHプロシージャが成功するまで、二次セル上で実行される可能性がある。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態によれば、二次セルのうちの1つが、所定の判断基準に基づいて、主要な二次セルとして選択されることもある。この場合には、PRACHプロシージャは、主要な二次セル上で実行される可能性がある。
【0048】
次に、
図5を参照すると、この図は、本発明の一実施形態による、基地局において同期化を実行するための装置500のブロック図を示すものである。
【0049】
具体的には、本装置は、例えば、所定の規則に基づいてセルを1つまたは複数のグループ(単数または複数)へと分割するように構成されたセル・グループ分割手段501を備え、PRACHプロシージャがセルの1つまたは複数のグループ(単数または複数)農地の一つのグループに関して実行され、それにより伝送の際に使用するTAをユーザ機器のために獲得することが、
図5から分かる。
【0050】
当業者なら、本装置500は、図において示されていない他の手段を備えることもでき、またこれらの手段の機能は、
図2および3を参照して上記で説明されるような方法の機能に類似していることを理解することになり、これについては、ここでは詳細に説明されないであろう。
【0051】
次に、
図6を参照すると、この図は、本発明の一実施形態による、ユーザ機器において同期化を実行するための装置600のブロック図を示すものである。
【0052】
具体的には、本装置は、例えばセルのグループに関してPRACHプロシージャを実行して、伝送の際に使用するTAを獲得するように構成されたPRACHプロシージャ実行手段601を備えることができることが、
図6から分かる。
【0053】
当業者なら、本装置600は、図において示されていない他の手段を備えることもでき、またこれらの手段の機能は、
図4を参照して上記で説明されるような方法の機能に類似していることを理解することになり、これについては、ここでは詳細に説明されないであろう。
【0054】
最後に、
図7を参照すると、この図は、本発明の実施形態から恩恵を受けることになる部類の装置、例えば、移動局10、またより詳細には、例えば、モバイル電話の図を示すものである。しかしながら、以下で示された、また説明されるべき移動局は、本発明から恩恵を受けることになる部類の移動局を単に示すにすぎず、これは、したがって、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではないことに留意されたい。移動局の複数の実施形態は、例示の目的のために以下で説明されることになるが、ポータブル・デジタル・アシスタント(PDA:portable digital assistant)、ページャ、ラップトップ、他の種類の電子システムなど、他の装置もまた、本発明の実施形態を簡単に適用することもできる。
【0055】
移動局10は、ここで示され、また説明されるこれらの手段を含めて、本発明の例示の実施形態による1つまたは複数の機能を実行する様々な手段を備える。しかしながら、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、移動局は、1つまたは複数の類似した機能を実行するためのオプションの手段を備えることもできることを理解されたい。より具体的には、例えば、
図7に示されるように、アンテナ12以外に、移動局は、送信機48と、受信機50と、プロセッサ52とをさらに備えており、ここで、プロセッサ52は、信号を送信機と受信機とにそれぞれ供給し、また送信機と、受信機とから信号を受信する。これらの信号は、セルラー方式システムについての適用可能なエア・インターフェース規格による信号情報を含んでおり、またユーザによって生成されるユーザの音声および/またはデータを含んでもいる。これに関して、移動局は、1つまたは複数のエア・インターフェース規格と、通信プロトコルと、変調タイプと、アクセス・タイプとを利用することにより、動作することができる。より具体的には、移動局は、様々な第1世代(1G)の通信プロトコル、第2世代(2G)の通信プロトコル、2.5Gの通信プロトコル、および/または第3世代(3G)の通信プロトコルのうちの任意のプロトコルに従って動作することができる。例えば、移動局は、2Gのワイヤレス通信プロトコルIS−136(TDMA)、GSM、およびIS−95(CDMA)に従って動作することができる。別の例では、移動局は、2.5Gのワイヤレス通信プロトコルGPRS、EDGEなどに従って動作することができる。別の例では、移動局は、例えば、WCDMAワイヤレス・アクセス技術においてUMTSネットワークを適用して、3Gのワイヤレス通信プロトコルに従って動作することができる。まるでデュアル・モードの電話、またはより高次のモードの電話(例えば、デジタル/アナログまたはTDMA/CDMA/アナログの電話)のように、いくつかのNAMPS移動局およびTACS移動局はまた、本発明の教示から恩恵を受けることもできる。
【0056】
プロセッサ52は、移動局10のオーディオ機能と論理機能とを実施するために必要とされる回路を備えることを理解されたい。例えば、プロセッサは、デジタル信号プロセッサ・デバイスと、マイクロプロセッサ・デバイスと、様々な種類のA/Dコンバータと、D/Aコンバータと、他のサポート回路とを備えることができる。移動局の制御機能と信号処理機能とは、それらの対応する容量に従ってこれらのデバイスの間で分散される。プロセッサは、内部のボイス・コーダ(VC:voice coder)52aをさらに備えることができ、また内部データ・モデム(DM:data modem)52bを備えることができる。さらに、プロセッサは、メモリに記憶される1つまたは複数のソフトウェア・プログラムを動作させることができる機能を備えることができる(これについては、以下で説明されることになる)。
【0057】
移動局10はまた、従来のイヤフォンまたはスピーカ54と、リンガ56と、マイクロフォン58と、ディスプレイ60と、ユーザ入力インターフェースとを備えるユーザ・インターフェースを備えており、これらのすべては、プロセッサ52に結合される。示されてはいないが、移動局は、移動局を動作させることにより必要とされる様々な回路に電力を供給するためのバッテリを備えることができ、また機械的な振動を検出可能な出力としてオプションとして提供する。移動局がデータを受信することを可能にするユーザ入力インターフェースは、移動局がデータを受信することを可能にする複数のデバイス内の任意のデバイスを、例えば、キーパッド62と、タッチ・ディスプレイ(図示されず)と、ジョイスティック(図示されず)と、他の入力デバイスとを備えることができる。キーパッドを備える例示の実施形態においては、キーパッドは、従来のディジット(0〜9)キーと、他の関連のあるキー(#、*)と、移動局を動作させるための他のキーとを備えている。
【0058】
移動局10は、メモリを、例えば、加入者識別モジュール(SIM:Subscriber Identification Module)70や取り外し可能ユーザ識別モジュール(R−UIM:Removable User Identification Module)などのメモリをさらに備えることができ、このメモリは、一般に、モバイル・ユーザに関連する情報要素を記憶する。SIM以外にも、移動局は、他の着脱可能メモリおよび/または固定メモリを備えることができる。これに関して、移動局は、揮発性メモリ72、例えば、揮発性ランダム・アクセス・メモリ(RAM:Random Access Memory)を備えることができ、この揮発性メモリは、データを一時的に記憶するためのキャッシュ・エリアを備える。移動局は、埋込み可能であり、かつ/または着脱可能であるとすることができる他の不揮発性メモリ74をさらに備えることもできる。不揮発性メモリは、追加して、または代わりに、例えば、EEPROMおよびフラッシュ・メモリなどを含むことができる。メモリは、移動局によって使用されて、移動局の機能を実施することができる、任意の複数のソフトウェア・アプリケーションと、命令と、複数の情報と、データとを記憶することができる。本発明の実施形態によれば、例えば、移動局10の不揮発性メモリ74のうちのメモリは、1つまたは複数の機能を実施するために必要とされるソフトウェア、他のデータ、および/または設定を記憶することができる。この点において、各特徴は、一般に、移動局がソフトウェアを実行しており、かつ/またはデータおよび他の設定を使用しているときに、実行可能である対応する機能に関する。しかしながら、ここで使用される場合、用語「特徴(feature)」は、関連のある機能を示すだけでなく、メモリに記憶される最下層のソフトウェア、他のデータ、および/または設定を示してもいる。それは、本発明を実施するために必要ではないが、移動局を端末ユーザに対して配布する前に、様々な機能が、メモリに記憶される可能性がある。例えば、製造期間中に、または端末ユーザに配布される前に、移動局のある種の他のポイントが、分配される。以下で説明されるように対応する機能を開始する前に、メモリに記憶される様々なデータが使用不能にされ、したがって移動局によって動作させられる可能性はない。各機能のステータスは、様々に規定されることもあり、例えば、対応する機能に関連するフラグを利用して、機能が開始されているか、または使用不能であるように保持されているかを示す。
【0059】
本発明の実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組合せを用いて実施される可能性がある。ハードウェア部分は、特殊なロジックによって実施される可能性があり、ソフトウェア部分は、メモリに記憶され、またマイクロプロセッサや専用の設計されたハードウェアなど、適切な命令実行システムによって実行される可能性がある。当業者なら、上記の装置および方法が、コンピュータ実行可能命令を用いて、かつ/またはプロセッサ制御コードの形で実施される可能性があり、例えば、そのようなコードは、磁気ディスク、CD、DVD−ROMなどのキャリア媒体、読出し専用メモリ(ファームウェア)などのプログラマブル・メモリ、または光信号キャリアや電子信号キャリアなどのデータ・キャリア上で提供されることを理解することができる。本発明における装置とそれらのモジュールとは、超大規模集積回路やゲート・アレイなどのハードウェア回路により、論理的なチップやトランジスタなどの半導体により、またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイやプログラマブル論理デバイスなどのプログラマブル・ハードウェア・デバイスによって実施され、あるいは様々な種類のプロセッサによって実行されるソフトウェアによって実施され、または上記のハードウェア回路とソフトウェアとの組合せによって実施されることもある。
【0060】
同期化デバイスの複数の手段または副次的手段が、上記の詳細な表現で述べられているが、そのような分割は、単に非強制的なものにすぎないことに留意されたい。実際には、本発明の実施形態によれば、上記で説明された2つ以上の手段の特徴および機能は、1つの手段の形で実施されることもある。同様に、上記で説明された1つの手段の特徴および機能は、さらにさらに分割されて、複数の手段の形で実施される可能性もある。
【0061】
それに加えて、本発明の方法のオペレーションは、図面において特定の順序で説明されているが、それは、これらのオペレーションがこの特定の順序に従って実行される必要がはなく、またその必要を暗示するものでもない。または望ましい結果が、すべての示されたオペレーションを実行することにより達成され得るにすぎない。それどころか、フロー・チャートに示されるような複数のステップについての実行の順序は、変更されることがある。追加として、または代わりに、いくつかのステップは、省略される可能性があり、複数のステップは、1つのステップへと統合される可能性があり、あるいは1つのステップは、実行のために複数のステップへと分割される可能性もある。
【0062】
本発明は、複数の実施形態に関連して説明されているが、本発明は、開示された実施形態だけには限定されないことを理解されたい。反対に、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲に含まれる様々な修正形態および同等な構成を対象として含むことを意図している。添付の特許請求の範囲についての範囲は、最も広い説明を満足させ、またすべてのそのような修正形態と、同等な構造および機能とを含んでいる。