(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6016902
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】遮蔽エレメントを備えたコーミング機械
(51)【国際特許分類】
D01G 19/22 20060101AFI20161013BHJP
D01G 19/04 20060101ALI20161013BHJP
D01G 19/28 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
D01G19/22
D01G19/04
D01G19/28
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-513873(P2014-513873)
(86)(22)【出願日】2012年5月25日
(65)【公表番号】特表2014-518961(P2014-518961A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】CH2012000119
(87)【国際公開番号】WO2012167390
(87)【国際公開日】20121213
【審査請求日】2015年5月22日
(31)【優先権主張番号】00955/11
(32)【優先日】2011年6月6日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】590005597
【氏名又は名称】マシーネンファブリク リーター アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Maschinenfabrik Rieter AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ジャック ピューレン
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ヴィル
【審査官】
山本 杏子
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭57−013676(JP,U)
【文献】
特開昭57−056524(JP,A)
【文献】
実開昭60−025768(JP,U)
【文献】
特開昭60−239525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01G 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーミング機械であって、
下側のニッパプレート(12)と可動に支持された上側のニッパプレート(14)とトップコーム(11)とを備えた往復旋回可能なニッパユニット(1)と、
該ニッパユニット(1)の下においてハウジング(50)の内部に回転可能に支持されたコームシリンダ(4)と、を備え、
前記ハウジング(50)は負圧源(P)に接続されていて、
少なくとも1つの開口(R2)を有し、該開口(R2)は、前記ニッパユニット(1)と、後続の第1のローラ対(24)との間の空間(R)に接続されており、
第1のローラ対(24)に第2のローラ対(25)が後置されており、第1及び第2のローラ対(24,25)の上側の押圧ローラ(24b,25b)の上に、回転可能なクリーニングエレメント(34)が取り付けられている、コーミング機械において、
前記ニッパユニット(1)と前記クリーニングエレメント(34)との間の領域に、遮蔽エレメント(30)が取り付けられており、
該遮蔽エレメント(30)は、長手方向において、前記クリーニングエレメント(34)の長さにわたって延在しており、上方に向かって延びている前記遮蔽エレメント(30)の、長手方向に延在している下縁部(31)が、第1のローラ対(24)の前記押圧ローラ(24b)の周面(U1)に対して0.1mm〜7mmの間隔(a)をおいて配置されていることを特徴とする、コーミング機械。
【請求項2】
前記押圧ローラ(24b)の周面(U1)と前記長手方向下縁部(31)との間における前記間隔(a)は、1mm〜5mmである、請求項1記載のコーミング機械。
【請求項3】
前記遮蔽エレメントは、プレート(30)から成っている、請求項1又は2記載のコーミング機械。
【請求項4】
第1及び第2のローラ対(24,25)の押圧ローラ(24b,25b)及び前記遮蔽エレメント(30)は、機械フレーム(MS)における旋回可能なフレーム(40)に支持もしくは固定されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項5】
前記遮蔽エレメント(30)は、該遮蔽エレメント(30)の長手方向に延びていて且つ前記ニッパユニット(1)のトップコーム(11)に向かって突出している第1のカバー(55)を備えており、この場合該第1のカバー(55)の自由端部は、前記ニッパユニット(1)が前方の死点位置にある場合に、前記トップコーム(11)に対して所定の間隔(s)を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項6】
前記トップコーム(11)は、該トップコーム(11)の長手方向に延びる第2のカバー(56)を備えており、該第2のカバー(56)の自由端部は、前記遮蔽エレメント(30)の方向を指していて、鉛直方向で見て、前記遮蔽エレメント(30)の前記第1のカバー(55)の上又は下を延びており、前記ニッパユニット(1)がその前方の死点位置にある場合に、前記第1のカバー(55)及び前記第2のカバー(56)は、鉛直方向で見て、互いに部分的に重なっている、請求項5記載のコーミング機械。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項記載のコーミング機械において使用される遮蔽エレメント(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーミング機械であって、下側のニッパプレートと可動に支持された上側のニッパプレートとトップコームとを備えた往復旋回可能なニッパユニットと、該ニッパユニットの下においてハウジングの内部に回転可能に支持されたコームシリンダとを備え、前記ハウジングは負圧源に接続されていて、少なくとも1つの開口を有し、該開口は、前記ニッパユニットと、後続の第1のローラ対との間の空間に接続されており、第1のローラ対に第2のローラ対が後置されており、第1及び第2のローラ対の上側の押圧ローラの上に、回転可能なクリーニングエレメントが取り付けられている、コーミング機械に関する。
【0002】
往復旋回可能なニッパユニット(単に「ニッパ」と呼ぶ)を備えた公知のコーミング機械では、閉鎖されたニッパから進出する繊維タフトは、コームシリンダのコーミングセグメントによって捕捉されてコーミングされる。この場合ニッパは後方のポジションに位置している。次いでニッパは、前方の死点位置に旋回させられ、この死点位置において、後続の裂断ローラ対に対して最も小さな間隔を有する。後方のポジションから前方のポジションへのニッパの移動中に、ニッパは開放され、次いで、コーミングされた繊維タフトの、ニッパから進出している端部は、既に形成された繊維フリースの端部と重ねられて継ぎ合わされる。この継ぎ合わせ過程時に、繊維タフトの端部を正確にかつ適正な位置において繊維フリースの端部に載せることが必要である。
【0003】
コームシリンダのコーミングセグメントがコーミング過程を終了した後で、コーミングセグメントはコームシリンダの回転運動によって下方に向かって、回転するブラシローラの作用領域に達する。そしてこのブラシローラによって、コーミングセグメントの針布に固着したコーミング除去された成分が、取り除かれる。コームシリンダ及びブラシローラは、負圧源に接続されているハウジング内に支持されている。これによってコーミング除去された成分(短繊維、ネップ、塵埃、その他の汚れ)は、ハウジングの下に接続された通路を介して吸い込まれ、廃棄装置に送られる。
【0004】
負圧源を用いて引き出される空気体積は、特にニッパ及び裂断ローラの領域に位置する、ハウジングの開口を通して、コーミング機械の周囲から再びハウジング内に供給される。負圧源による空気体積の吸込みは、連続して、つまり上に述べた継ぎ合わせ過程の間も行われる。
【0005】
今日ますます高くなるニップ数(Kammspielzahl)において、最適な継ぎ合わせ過程を行うことは、ますます困難になっており、さらなる処置が必要となっている。また、ハウジングをクリーンに保つためには、コーミング除去された成分の排出も、高いニップ数に合わせられている。空気体積を多く吸い込むことによって、ハウジングもしくはコームシリンダをクリーンに保つことが保証されるが、このような多量の空気循環及び空気流は、継ぎ合わせ過程中に不都合を生ぜしめることになる。すなわちこの場合ニッパユニットと後続の裂断ローラとの間の領域に、繊維タフトに向かって下方に流れる極めて大きな空気流が存在すると、繊維タフトと繊維フリースの端部との重ね合わせ(継ぎ合わせ)がきれいにできなくなり、これによって、形成された繊維フリースにおいて孔が生じることがある。このことは、次いで形成されるコーミング機械スライバにおける品質の劣化を惹起する。さらに、上に述べた継ぎ合わせ領域における空気流は、高いニップ数に基づいてますます高速で回転するクリーニングエレメント(ブラシローラ;プラッシュを備えた掻き取りローラ;等)によっても、不都合な影響を受けることがある。
【0006】
ゆえに本発明の課題は、公知の構成における欠点を排除して、高いニップ数においても最適な継ぎ合わせプロセスを保証する装置を提供することである。
【0007】
この課題を解決するために本発明の構成では、ニッパユニット(もしくはニッパユニットに固定されたトップコーム)とクリーニングエレメントとの間の領域に、遮蔽エレメントが取り付けられており、該遮蔽エレメントは、クリーニングエレメントの長さにわたって延在しており、上方に向かって延びている遮蔽エレメントの長手方向下縁部が、第1のローラ対の押圧ローラの周面に対して0.1mm〜7mmの間隔をおいて配置されている。
【0008】
このような装置によって、負圧源によって生ぜしめられた空気流を良好にコントロールすることができる。第1及び第2のローラ対の各押圧ローラの上において回転するクリーニングエレメントを、提案の遮蔽エレメントによって分離することによって、クリーニングエレメントによって生ぜしめられる空気流をも、第1のローラ対とニッパとの間における開口に対して抑制することができる。同時にまた、小さな貫通開口が遮蔽エレメントとトップコームとの間に形成される。すなわち供給された空気体積は、この領域において減じられる。これによって、継ぎ合わせ過程が、上から減じられて供給される空気によって不都合な影響を受けないことを、達成することができる。継ぎ合わせ領域(この領域では繊維タフトの端部が繊維フリースの端部に載置される)における空気速度もしくは空気体積が、あまりに大きい場合には、繊維タフトの端部が、コームシリンダに向かって下方に押圧される危険があり、これによって、両端部の重ね合わせ(継ぎ合わせ)がきれいでなくなり、かつエラーを有することになる。
【0009】
本発明の好適な態様では、押圧ローラの周面と遮蔽エレメントの長手方向下縁部との間における間隔は、好ましくは1mm〜5mmである。この間隔が小さく選択されればされるほど、ニッパと後続のローラ対(裂断ローラとも呼ばれる)との間における貫通開口に対する、クリーニングエレメントの分離が良好になる。他方において、押圧ローラにおける繊維材料の固定時にラップ(Wickel)が形成されないように、ひいては損傷を排除するためには、前記間隔はあまりに小さくてはいけない。
【0010】
別の態様では、遮蔽エレメントは、プレートとして形成されている。プレートは、狭い取付け状況にもかかわらず、当該領域に問題なく取り付けることができる。さらに、平らなプレートには、繊維材料の堆積物が形成され得ない。
【0011】
特に好適な態様では、遮蔽エレメントは、機械フレームに旋回可能に取り付けられたフレームに固定されており、このフレームは同時に、第1及び第2のローラ対の押圧ローラをも保持している。このように構成されていると、フレームを、押圧ローラ及び遮蔽エレメントと一緒に構成ユニットとして、前もって組み立てることができる。同様に、遮蔽エレメントを、クリーニングを目的として、その運転位置から外方旋回させることができる。
【0012】
本発明の別の態様では、遮蔽エレメントは、該遮蔽エレメントの長手方向に延びていてニッパユニットのトップコームに向かって突出しているカバーを備えており、この場合該カバーの自由端部は、ニッパユニットが前方の死点位置にある場合に、トップコームに対して所定の間隔を有している。
「前方の死点位置」という概念は、ニッパが第1のローラ対に対して最も小さな間隔を有し、かつこの箇所において、後方の死点位置に向かってニッパの旋回運動の逆転が行われる、ニッパの位置を意味する。これによって当て付け領域における空気速度をさらに減じることができる。追加的なカバーは、吸い込まれた空気体積に対する障害物として作用する。この妨害作用をさらに高める、本発明の別の態様では、ニッパに固定されたトップコームが、該トップコームの長手方向に延びるカバーを備えており、該カバーの自由端部は、遮蔽エレメントの方向を指していて、鉛直方向で見て、遮蔽エレメントのカバーの上又は下を延びており、両カバーの高さの和は、ニッパユニットがその前方の死点位置にある場合に、該両カバーの領域における遮蔽エレメントとトップコームとの間の間隔よりも大きい。すなわち遮蔽エレメントのカバーとトップコームのカバーとは一緒にラビリンスとして作用し、これによって、供給された空気体積の空気速度を、この領域においてさらに低減することができる。
【0013】
本発明のさらに別の利点については、以下において図示の実施形態を参照しながら詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明のように取り付けられた遮蔽装置を備えた、ニッパユニットの領域における公知のコーミング機械のコーミングヘッドを概略的に示す側面図である。
【
図2】
図1に示したのとは別の実施形態を示す部分図である。
【0015】
図1には、公知のニッパユニット1(以下、単に「ニッパ」と呼ぶ)が示されており、このニッパ1は、クランクアーム2,3を介して旋回運動可能に支持されている。この場合2つのクランクアーム2はそれぞれ、コームシリンダ4の側部において該コームシリンダ4のコームシリンダ軸5に旋回可能に支持されている。コームシリンダ4は、その周囲の一部にコーミングセグメント7を有する。旋回アーム2の他方の端部は、ニッパフレーム8における軸10に回動可能に取り付けられている。後方の旋回アーム3(この旋回アームも2つ設けられていてよい)は、図示されていないニッパ軸に回動不能に支持されている。旋回アーム3の、反対側に位置する自由端部は、軸9を介して、ニッパフレーム8に回動可能に結合されている。
【0016】
通常、コーミング機械には複数のコーミングヘッドが、互いに並んで位置するように配置されており、この場合各コーミングヘッドは1つのニッパ1を有する。しかしながら図示の実施形態では、ただ1つのコーミングヘッドにおける遮蔽エレメントの本発明による固定形態を、図示及び記載する。
【0017】
ニッパ1は主として、ニッパフレーム8に堅固に結合された下側のニッパプレート12と、上側のニッパプレート14(部分的にニッパカッタとも呼ぶ)とから成っており、この上側のニッパプレート14は、2つの旋回アーム15,15′に固定されている。両旋回アーム15,15′は、旋回軸16を介して旋回可能にニッパフレーム8に取り付けられている。旋回アーム15,15′は、各1つのばねストラット18に結合されており、両ばねストラット18は、さらに軸20を介して、駆動される偏心体21に支持されている。処理すべき繊維材料Wの材料流れ方向Fで見て、ニッパ1の下流には第1のローラ対24が設けられている。このローラ対24は実地においては、「裂断ローラ対又は裂断シリンダ対」とも呼ばれ、裂断クランプラインKを形成するために、下側の裂断ローラ24aと、この裂断ローラ24aと共働する裂断押圧ローラ24bとから成っている。第1のローラ対24の下流には第2のローラ対25が配置されており、この第2のローラ対25のところで、生ぜしめられた継ぎ合わせ箇所(Loetstelle)がさらに補強される。
【0018】
押圧ローラ24b,25b(該押圧ローラ24b,25bはゴムブランケットを備えている)から、付着した成分を取り除くために、押圧ローラ24b,25bの上にはクリーニングローラ34(図示の実施形態ではブラシローラ)が、自由回転可能に支持されている。この場合ブラシローラ34はその自重で、押圧ローラ24b,25bの周面U1,U2に接触していて、摩擦で押圧ローラによって駆動される。ブラシローラ34はその軸35を介してスリット38内で、軸35に対して平行に移動可能及び自由回転可能に支持されている。スリット38(1つだけが図示されている)は、ブラシローラ34の両端部においてフレーム40に設けられていて、このフレーム40は、軸41を中心にして旋回可能に、コーミング機械の機械フレームMSに支持されている。同様に両押圧ローラ24b,25bはその軸A1,A2を介して自由回転可能にフレーム40に支持されていて、フレーム40を介して遮蔽エレメント30と一緒に休止位置に旋回させることができる(
図1の点線で示された位置参照)。この旋回動作の前に、ブラシローラ34はスリット38から持ち上げられる。押圧ローラ24b,25bは、摩擦によって、駆動装置(図示せず)に結合された下側のローラ24a,25aによって駆動される。駆動装置はこの場合、一般に知られているように、ピルガーステップ運動(Pilgerschrittbewegung)を生ぜしめる。
【0019】
略示されているトップコーム11は、図示されていない手段によってニッパフレーム8に固定されており、繊維材料Wの端部Eが、後続の第1のローラ対24のクランプポイントKの方向に、既に存在する繊維フリースVの端部E1の運動によって搬送される場合に、トップコーム11内に繊維材料W(例えばラップ又はスライバ)の繊維タフトFBが引き込まれる。この過程は、
図1に点線で示されている。
【0020】
ニッパ1の内部には、供給ローラ27が回転可能に支持されており、この供給ローラ27は、図示されていない駆動装置に接続されていて、供給されたラップWを部分的に搬送するために、断続的な回転運動を実施する。供給ローラ27は軸28を有し、この軸28を介して供給ローラ27は、両端部において、図示されていない軸受で、ニッパフレーム8の軸受受容部に回転可能に支持される。供給ローラ27の駆動は、上側のニッパプレート14の運動によって制御される公知のラチェット駆動装置を用いて行うことができる。しかしながらまた、供給ローラ27の駆動を、上側のニッパプレート14の運動とは無関係に独立して行うことも可能であり、この場合供給ローラ27の駆動は、例えば、GB−PS933946に示されているように、カム板を用いて行うこともできる。さらにまた、例えばDE−PS231797に記載されているように、この構成において使用されるカム板を、直接コームシリンダ軸に取り付けることも可能である。供給ローラ27の駆動は、ニッパ1の前進又は後退において行うことも、又は前進及び後退において部分的に行うこともできる。供給ローラ27は、繊維材料Wを断続的に、下側のニッパプレート12のニッパリップに向かって搬送する。
【0021】
コーミングは、閉鎖されたニッパ1において、このニッパ1が後方位置(図示せず)に位置している場合に行われる。この場合繊維材料(繊維タフトFBとも呼ぶ)の、ニッパから突出している端部は、コームシリンダ4のコーミングセグメント7の領域に達し、コーミングされる。コーミング過程中に繊維材料Wを固定するクランプ力は、略示されたばねストラット18によって生ぜしめられ、このばねストラット18は、軸20及び偏心体21を介して機械フレームMSに旋回可能に取り付けられている。
【0022】
コーミング過程後に、ニッパ1は、最前位の位置に旋回させられ、この際に同時に開放される。この場合、繊維タフトFBのコーミングされた端部は、予め部分的に戻し搬送された繊維フリースVの端部の上に載せられ、次いで繊維フリースの搬送運動によって、第1のローラ対24のクランプポイントKに引き渡される。上記運動経過中に、繊維タフトFBは、ニッパフレーム8に固定されたトップコーム11のニードルの領域に達する。第1のローラ対24の回転運動によって、クランプポイントK内に達している繊維タフトFBの繊維は、繊維タフトFBから引き出され、フリースVの端部と継ぎ合わされる。この場合繊維タフトFBはトップコーム11を貫いて引っ張られる。繊維フリースVは、後続の第2のローラ対25を介してフリーステーブルVTに搬出され、次いで公知の装置を介して1つのスライバにまとめられ、さらに搬送される。
【0023】
コームシリンダ4の下には、ブラシローラ44がハウジング50内に回転可能に支持されており、このハウジング50内にはコームシリンダ4もまた位置している。ブラシローラ44は、図示されていない駆動装置に結合され、剛毛45を有する。ブラシローラ44はこれらの剛毛45で、コーミングセグメント7の針布に係合し、該針布におけるコーミング除去された成分を取り除く。負圧源Pによって生ぜしめられた吸込み空気流SAの作用下で、ハウジング50の下側領域における開口51を介して、コーミング除去された成分と、ブラシローラ44によってコーミングセグメント7から除去された部分とは、図示されていない廃棄箇所に送られる。吸込み空気流SAによって排出された空気体積は、ハウジング50の上側に設けられた開口を通して、コーミング機械の周囲空気から再びハウジング50に供給される。このような開口は、例えばRで示すように、ニッパ1、もしくはニッパ1に固定されたトップコーム11と、後続の第1のローラ対24との間に設けられている。別の開口R1は、ニッパ1の後方領域に設けられている。上方にニッパ1に向かって、ハウジング50に開口R2が設けられている。
【0024】
このような開口の配置形態は一例であり、空気体積を補償するために空気をコーミング機械の周囲空気から補充する、さらに別の開口が、ハウジングに設けられていてもよい。
【0025】
開口Rを通して吸い込まれた空気体積の影響を、当て付け過程もしくは継ぎ合わせ過程の邪魔にならないような特定の値に保つために、旋回可能なフレーム40には、プレート30として形成された遮蔽エレメントが固定されている。このプレート30は調節可能に取り付けられていてもよい。この場合プレート30の下側の長辺つまり長手方向下縁部31は、第1のローラ対24の押圧ローラ24bの周面U1に対して小さな間隔a(0.1〜7mm)をおいて延びている。これによって一方の側では、ブラシローラ34(これはプラッシュを備えたローラであってもよい)の領域が大部分開口Rに対して分離され、かつ他方の側では、ハウジング50内に空気を補充するための供給開口が小さくなる。これによって、継ぎ合わせ部の領域において生ぜしめられる空気速度に対する影響が得られる。
【0026】
図2及び
図3(
図2の拡大図)の実施形態では、プレート30に追加的な遮蔽体55が取り付けられており、この遮蔽体55はプレート30の長手方向に延びていて、トップコーム11に向かって突出している。この場合「長手方向」という概念は、「繊維材料の搬送方向Fに対して横方向」ということを意味する。「トップコーム」という概念は、トップコームホルダと、該トップコームホルダに固定されたコーム針布とを含む。追加的に、トップコーム11には、プレート30に向かって突出する別の遮蔽体56が取り付けられており、この遮蔽体56は、トップコーム11の長手方向に、かつ遮蔽体55に対して平行にかつ間隔をおいて延びている。この場合においても、トップコーム11の長手方向は、繊維材料Wの搬送方向に対して横方向に延びている。
図3に示す前側の死点位置において、遮蔽体55はトップコーム11に対して間隔sを有しており、これに対して遮蔽体56は、プレート30に対して間隔uを有している。中央領域において両遮蔽体55,56は互いに重なっており、その結果、吸い込まれる空気に抵抗を加えるラビリンスが形成される(矢印参照)。これによって、継ぎ合わせ領域における空気速度を追加的に減じることができ、ひいては継ぎ合わせプロセスに対する不都合な影響が排除される。ラビリンスを形成するためにカバー55,56が鉛直方向において重なることは、
図3に点線で示された位置から、実線で示された最前位の位置(死点位置)にニッパ1が前進運動する間に行われる。つまり継ぎ合わせ過程が始まるや否や、空気流は既にカバー55,56の間において変向される。
【0027】
遮蔽エレメントを上記のように取り付けることによって、高いニップ数にも拘わらず、継ぎ合わせ過程中に品質劣化が生じることが、簡単に阻止される。