(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に従う粉砕天然炭酸カルシウムBは、例えば白亜、方解石若しくは大理石から、又はそれらの混合物から、調製される。
【0018】
用語「天然炭酸カルシウム」とは、化学的に得られる合成炭酸カルシウム(「沈降炭酸カルシウム」としてよく知られたもの)から区別されるべきものである。
【0019】
好ましくは、組成物に加えられる粉砕天然炭酸カルシウムBの量は、本発明に従う組成物の総重量に対して37〜50重量部の範囲とする。
【0020】
好ましくは、前記粉砕天然炭酸カルシウムBは、BET法に従って測定して3m
2/gより厳格に小さい比表面積を有し、10〜24個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪酸又はそのカルシウム塩、マグネシウム塩若しくは亜鉛塩から選択される塩又はそれらの混合物で表面処理されたもの、好ましくはステアリン酸又はそのカルシウム塩、マグネシウム塩若しくは亜鉛塩で表面処理されたものである。
【0021】
好ましくは、架橋可能なポリオルガノシロキサンAは、直鎖状であって、展開された式:
【化3】
を有する。
(ここで、
置換基R
1は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ飽和又は不飽和の一価C
1〜C
13炭化水素ベース基を表し、この基は置換又は非置換であり、そして脂肪族、脂環式又は芳香族であり、
置換基R
2は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ飽和又は不飽和の一価C
1〜C
13炭化水素ベース基を表し、この基は置換又は非置換であり、そして脂肪族、脂環式又は芳香族であり、
置換基R
3は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ直鎖状又は分岐鎖状C
1〜C
6アルキル基を表し、
nはポリオルガノシロキサンAに1000〜1000000mPa・sの範囲の25℃における動的粘度を与えるのに充分な値を有し、そして
指数aは0又は1であり、指数bは0又は1である。)
【0022】
別の好ましい実施形態に従えば、アルコキシル化基を少なくとも1個含むポリオルガノシロキサンAは、触媒として有効量の少なくとも1種の官能化触媒Gの存在下で、
a)次式のシロキシル単位を含む少なくとも1種のポリオルガノシロキサンA':
【化4】
(ここで、
x+yは0、1、2又は3であり、
置換基R
1は同一であっても異なっていてもよく、それぞれアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール又はアラルキル基より成る群から選択される一価のC
1〜C
30炭化水素ベース基を表し、そして
このポリオルガノシロキサンA'中には、≡SiOH基を含むシロキシル単位が少なくとも2個存在する)
と、
b)次式の少なくとも1種のポリアルコキシル化シランH:
【化5】
[ここで、
zは0又は1であり、
記号R
2は一価のC
1〜C
13炭化水素ベース基を表し、そして
記号R
3は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ一価のC
1〜C
6炭化水素ベース基又はアルコキシアルキル基(随意にエステル官能基を有するもの)を表す]
とを、随意に現場で反応させることによって、得られたものである。
【0023】
好ましくは、官能化触媒Gは、水酸化リチウム又は水酸化カリウムである。水酸化リチウムは商品として広く入手可能である。これは、アルコール中の溶液状、例えばメタノール又はエタノール中の溶液状で用いるのが好ましい。
【0024】
官能化によるアルコキシル化基含有ポリオルガノシロキサンの調製は、例えば仏国特許第2638752A1号明細書に記載されている。
【0025】
別の好ましい実施形態に従えば、ポリオルガノシロキサンA'は、25℃において50〜5000000mPa・sの粘度を有するα,ω−ジヒドロキシポリジオルガノシロキサンポリマーであるのが好ましい。
【0026】
窒素原子を少なくとも1個含む基を少なくとも1個有する少なくとも1種のポリアルコキシシランDの例には、例えば下記の式(6)のものがある。
【化6】
[ここで、
zは1又は2であり、
記号R
5は窒素原子を少なくとも1個含む基又はラジカルを表し、
記号R
4は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ一価のC
1〜C
6炭化水素ベース基又はアルコキシアルキル基(随意にエステル官能基を有するもの)を表す。]
【0027】
本発明に従って有用な窒素原子を少なくとも1個含む基を少なくとも1個有す
るポリアルコキシシランDの例としては、次の化合物を挙げることができる。
【化7】
【0028】
好ましくは、ポリアルコキシシランDは、組成物の総重量に対して0.1〜5重量部の範囲の量で、組成物中に存在させる。
【0029】
また、ポリアルコキシシランD以外のポリアルコキシル化シランHのような慣用の接着促進剤を、本発明に従う組成物に加えることもできる。これらは、シリコーン市場で入手可能な製品である;さらに、周囲温度から硬化する組成物中におけるそれらの使用は、周知である;これは特に、仏国特許第1126411A号、同第1179969A号、同第1189216A号、同第1198749A号、同第1248826A号、同第1314649A号、同第1423477A号、同第1432799A号及び同第2067636A号の各明細書に記載されている。
【0030】
ポリアルコキシル化シランHの例としては、以下のものを挙げることができる。
【化8】
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)及び
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)。
【0031】
フィラーEの導入目的は、本発明に従う組成物の硬化の結果として得られるエラストマーに対して、必要に応じて、良好な機械的及び流動学的特徴を付与することである。例えば、平均粒子寸法が0.1μm未満である超微粉砕無機フィラーが用いられる。これらのフィラーの中には、ヒュームドシリカ及び沈降シリカがある;それらのBET比表面積は一般的に40m
2/g超である。これらのフィラーはまた、もっと粗く粉砕した製品、例えば平均粒径が0.1μm超のものの形にあることもできる。斯かるフィラーの例としては、石英粉末、ケイ藻土シリカ、粉砕天然炭酸カルシウムB以外の炭酸カルシウム(この炭酸カルシウムは、有機酸又は有機酸のエステルで随意に表面処理されたものであることができる)、焼成クレー、ルチル型酸化チタン、鉄、亜鉛、クロム、ジルコニウム又はマグネシウムの酸化物、様々な形のアルミナ(水和又は非水和)、窒化ホウ素、リトポン、メタホウ酸バリウム、硫酸バリウム及びガラスミクロビーズを挙げることができる;それらの比表面積は一般的に30m
2/g未満である。これらのフィラーは、様々な有機ケイ素化合物で処理することによって表面変性されたものであってよい。これらの有機ケイ素化合物は、この用途に通常用いられているものであり、オルガノクロロシラン、ジオルガノシクロポリシロキサン、ヘキサオルガノジシロキサン、ヘキサオルガノジシラザン又はジオルガノシクロポリシラザンであることができる(仏国特許第1126884号、同第1136885号及び同第1236505号並びに英国特許第1024234号の各明細書)。処理されたフィラーは、大抵の場合、それらの重量の3〜30%の有機ケイ素化合物を含有する。該フィラーは、様々な粒子寸法のいくつかのタイプのフィラーの混合物から成ることができる;従って、例えばこれらは、BET比表面積40m
2/g超の微粉砕シリカ30〜70%と、比表面積30m
2/g未満の粗粉砕シリカ70〜30%とから成ることができる。これらのフィラーは、表面処理されていることができる。好ましくは、組成物の総重量に対して0.1〜10重量部のフィラーEが加えられる。
【0032】
本発明に従う縮合触媒Cは、水素原子以外の原子で置換されたイミン官能基を有するグアニジンである。用語「置換イミン」とは、Rが水素原子以外である官能基>C=N−Rを意味するものとする。本発明に従う縮合触媒Cは、一般的に組成物の総重量に対して0.1〜5重量部、より一層好ましくは組成物の総重量に対して0.1〜1重量部の量で、組成物に加えられる。
【0033】
1つの好ましい実施形態に従えば、縮合触媒Cは、一般式(I)に相当するグアニジンである。
【化9】
[ここで、
R
1基は同一であっても異なっていてもよく、互いに独立して、直鎖状若しくは分岐鎖状一価アルキル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基(環は置換若しくは非置換であり、そして1個以上のヘテロ原子を含んでいることができる)又はフルオロアルキル基を表し、
R
2基は水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状一価アルキル基、シクロアルキル基、環で置換されたアルキル基(環は置換若しくは非置換であり、そして1個以上のヘテロ原子を含んでいることができる)、芳香族基、アリールアルキル基、フルオロアルキル基、アルキルアミン基又はアルキルグアニジン基を表し、そして
R
3基は直鎖状若しくは分岐鎖状一価アルキル基、シクロアルキル基、環で置換されたアルキル基(環は置換若しくは非置換であり、そして1個以上のヘテロ原子を含んでいることができる)、アリールアルキル基、フルオロアルキル基、アルキルアミン基又はアルキルグアニジン基を表し、
R
2基が水素原子ではない場合、R
2基とR
3基とが結合して、随意に1個以上の置換基で置換された3員、4員、5員、6員又は7員脂肪族環を形成することもできる。]
【0034】
それらは、1,2,3−三置換及び1,2,3,3−四置換グアニジンであり、それらは、液状であり、無色であり、無臭であり、そしてシリコーンマトリックス中に可溶であるという利点を有する。このタイプの触媒の例は、国際公開WO2009/118307に記載されている。
【0035】
好ましくは、次の触媒(A1)〜(A6)が用いられる。
【化10】
【0036】
別の好ましい実施形態に従えば、前記縮合触媒Cは、次式のグアニジンである。
【化11】
[ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5基は同一であっても異なっていてもよく、互いに独立して、直鎖状若しくは分岐鎖状一価アルキル基、シクロアルキル基、(シクロアルキル)アルキル基(環は置換若しくは非置換であり、そして1個以上のヘテロ原子若しくはフルオロアルキル基を含んでいることができる)、芳香族基、アリールアルキル基、フルオロアルキル基、アルキルアミン基又はアルキルグアニジン基を表し、
R
1、R
2、R
3又はR
4基は対になって結合して3員、4員、5員、6員又は7員脂肪族環(随意に1個以上の置換基で置換されていてよい)を形成することもできる。]
【0037】
これらは五置換グアニジンであり、液状であり、無色であり、無臭であり、そしてシリコーンマトリックス中に可溶であるという利点を有する。
【0038】
1つの特定的な実施形態に従えば、次の化合物(A7)〜(A9)が好ましい。
【化12】
【0039】
これらは、例えば2008年11月25日付け仏国特許出願第0806610号明細書に記載されている。
【0040】
チキソトロープ剤の例としては、次のものを挙げることができる。
・無機増粘剤、ホウ酸及びホウ酸塩、チタン酸塩、アルミン酸塩又はジルコン酸塩;
・ヒドロキシル基を有する化合物;
・ポリエチレン及び/又はポリプロピレンをベースとする化合物;
・環状アミン官能基を含む化合物;
・ポリエーテルタイプの化合物又はポリエーテル基を含む化合物、並びに
・フルオロ樹脂、好ましくはポリフルオロエチレン(PFE)をベースとするもの、さらにより一層好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE又はテフロン(登録商標))をベースとするもの。
【0041】
本発明の別の主題は、本発明に従う前記のポリオルガノシロキサン組成物を水の存在下で架橋させることによって得られるエラストマーに関する。
【0042】
本発明の別の主題は、パワートレインの油で汚染された表面に対して良好な接着性を有するシリコーンガスケットを製造するために、本発明に従う前記のポリオルガノシロキサン組成物X又は本発明に従う前記のエラストマーを使用することに関する。
【0043】
最後に、本発明の最後の主題は、パワートレインの少なくとも1種の部品のシール及び組立て方法にも関し、この方法は、次の工程a)〜d)を含む:
a)本発明に従う前記のポリオルガノシロキサン組成物Xを用意し、
b)前記ポリオルガノシロキサン組成物Xを前記部品の少なくとも1つの接触領域に連続式で又は不連続式で、随意にビーズの形で、適用し、
c)前記ポリオルガノシロキサン組成物Xを周囲空気によって又は予め水を添加しておくことよって提供される湿分の存在下で架橋させてシリコーンエラストマーを生成させてガスケットを形成させ、
d)前記部品とパワートレインの別の部品とを、形成されたシールがパワートレインのこれら2つの部品の間の組立て及びシーリングを保証するように、組立てる。
【0044】
自動車の分野においては、シリコーンエラストマーはしばしばシリコーンシールの形で用いられる。用語「シリコーンシール」には、いくつかのタイプのガスケット、即ち「流し込み」シール(FS)(扁平シールとも称される)及び形材シール(PS)[部品上造形(profiles sur piece)シール(JPP)](「造形シール」とも称される)が包含される。
【0045】
「流し込み」シール(FS)は一般的に、組立てるべき2つの金属又はプラスチック部品の間の接触領域に組成物のペースト状ビーズ(帯状物)(cordon pateux)を適用した後に、形成される。最初に一方の部品上にペースト状ビーズを付着させ、次いでもう一方の部品を最初の部品に適用する;これにより、エラストマーに転化させる前にビーズの平坦化(押潰し)がもたらされる。このタイプのシールは、通常は分解されることのない組立体(油だめシール、タイミングケースシール等)を対象としたものである。
【0046】
「形材」シール(PS)は、特に輸送及び自動車分野において、例えばシリンダーヘッドカバー、油ポンプ、水ポンプ、貯水槽、油だめ、タイミングケース又はクラッチガイドのような分解できてはならないすべてのエンジン部品へのシーリング用途に、用いられる。「形材」シール(PS)は一般的に、組立てられるべき2つの部品間の接触領域に組成物のペースト状ビーズを適用した後に、形成される。しかしながら、一方の部品にペースト状ビーズを付着させた後に、ビーズを架橋させてエラストマーを形成させ、その後に第1の部品に第2の部品を押し当てる。その結果として、シールを受け取った部品に押し当てられた部品はこのシールに付着しないので、組立体は容易に分解できるようになる。さらに、このシールは、そのエラストマー性状のおかげで、上にシールを形成させるべき表面の不規則性に適合する。結果として、互いに接触させるべき表面を念入りに機械加工したり、得られる組立体をきつく縛っておいたりすることが、不要となる。これらの特徴は、組立体の部品を補強し強化することが通常意図される固定シール、スペーサー又はリブを用いないことをある程度可能にする。「形材」シールは一般的に、卵形の断面を持つシリコーンエラストマーの堅固なビーズであり、明確な形材に従って塗布され、分解できる2つ(以上)の部品のシーリングを提供する。
【0047】
本発明の方法において用いられる組成物は周囲温度において、密閉環境中でさえ、素早く硬化するので、その結果、これらの組成物の硬化から得られるシリコーンガスケットは、制約が多い工業的製造条件下で製造することが可能となる。これらは、例えば、組成物を塗布するための自動式の装置を備えた自動車産業の通常の組立てライン上で製造することができる。この自動式装置は多くの場合混合ヘッド及び塗布ノズルを有し、後者は製造されるシールのアウトラインに沿って動く。この装置によって製造されて配給される組成物は、一方で組成物が混合ヘッド中で固化するのを防ぐため、他方でシールを形成させるべき部品上にペースト状ビーズを塗布した後に完全な架橋を得るために、適切に調節された硬化時間を有するのが好ましい。これらの「造形」シールは、シリンダーヘッドカバーのシール、ギアボックスケースカバーのシール、タイミングスペーサーのシール及びさらに油だめのシールにとって特に好適である。
【0048】
部品は様々なものであることができ、様々な性状のものであることができ、ガラス、アルミニウム、プラスチック又は金属製のものであることができる。
【0049】
本発明に従う方法の別の特定実施形態に従えば、パワートレインの部品は、シリンダーヘッド、油だめ、シリンダーヘッドカバー、タイミングケース、支持バー、エンジンシリンダーブロック、ギアボックス、水ポンプ、ポジティブクランクケースベンチレーションボックス、水フィルター、油フィルター、油ポンプ、パワートレインの電子部品を含むハウジング又はクラッチハウジングより成る群から選択される。
【0050】
一般的に、前記シリコーン組成物は、連続シール若しくは不連続シールの形で、又は連続層若しくは不連続層の形で、部品に塗布される。連続層また不連続層を形成させるためには、慣用の付着又はコーティング技術を用いることができる。
【0051】
そのままの組成物を湿った雰囲気中で固体状基材上に付着させた後に、エラストマーを与えるための硬化プロセスが起こり、これは付着させた塊の外側から内側へと行われる。最初に表面においてスキンが形成され、次いで深部に架橋が続いていく。スキン形成の完了(これは表面の非粘着性感触によって反映される)には、数分間の時間を要する;この時間は組成物を取り囲む雰囲気の相対湿度及び該組成物の架橋しやすさに依存する。
【0052】
1構成型ベースは、例えば欧州特許公開第141685号公報、欧州特許公開第147323号公報、欧州特許公開第102268号公報、欧州特許公開第21859号公報、仏国特許第2121289号明細書及び仏国特許第2121631号明細書に詳細に記載されているので、これらを参考文献とする。
【0053】
本発明のその他の利点及び特徴は、以下の実施例を読めば明らかになるだろう。以下の実施例は、例示として与えたものであり、何ら限定的意味を持たない。
【実施例】
【0054】
I)様々な配合物の成分
【0055】
Catalyst 51015:メタノール中の水酸化リチウム水和物の溶液
VTMO:ビニルトリメトキシシラン
MEMO:γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン
DAMO:N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
AMEO:3−アミノプロピルトリエトキシシラン
Tyzor(登録商標)PITA:(iPrO)
2Ti(エチルアセトアセテート)
2(供給元Dupont)
Tyzor(登録商標)PITA SM:(iPrO)
2Ti(エチルアセトアセテート)
280%とメチルトリメトキシシラン20%との混合物(供給元Dupont)
TnBT:テトラブトキシチタネート
Silica A150:ヒュームドシリカ(比表面積150m
2/g)
Silica AE55:オクタメチルテトラシロキサンで処理されたヒュームドシリカ
BLR(登録商標)3:脂肪酸で処理された粉砕炭酸カルシウム(供給元Omya)
Omyabond(登録商標)520FL:脂肪酸(ステアリン酸)で処理された粉砕炭酸カルシウム(供給元Omya)
Hakuenka(登録商標)CCRS:脂肪酸で処理された沈降炭酸カルシウム(供給元Shiraishi)
Sifraco又はSikron(登録商標)C600:粉砕石英(供給元Sibelco)
【0056】
調製される生成物DiCyG:N,N−ジシクロヘキシル−N’−メチル−N”−ブチルグアニジン又は
1−ブチル−2,3−ジシクロヘキシル−1−メチルグアニジン:
【化13】
【0057】
17.78gのN−ブチル−N−メチルアミン(0.204モル)と21.05gのジシクロヘキシルカルボジイミド(0.102モル)との混合物を3時間加熱還流する。GC分析は、ジシクロヘキシルカルボジイミドの転化率が99.5%超であることを示した。無色の最終混合物を1ミリバール下で60℃において2時間濃縮して、所期のグアニジンに相当する無色でほとんど無臭で中程度に粘性のある液体29.9gが得られた(収率99.7%)。
【0058】
1H NMR/CDCl
3 (ppm): 0.89 (3 H, t), 1-1.4 (10 H, m), 1.47 (2 H, quint), 1.5-2 (12 H, several m), 2.67 (3 H, s), 2.90 (1 H, m), 2.97 (1 H, m), 3.06 (2 H, t).
【0059】
II)増量用フィラーの性状
【0060】
増量用フィラーの性状の影響を研究した。次の表に、用いた様々な増量用フィラーの特徴を与える。比表面積はBET法によって測定される。
【0061】
【表1】
【0062】
例1
【0063】
「バタフライ」型撹拌機を備えた混合機中に、ヒドロキシル基OHを0.06重量%含有するα,ω−ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンオイル620g及びビニルトリメトキシシラン48gを導入する。「バタフライ」を200rpmにおいて2分間回転させることによって、この混合物を均質化させる。次いで、官能化触媒、即ち水酸化リチウム水和物のメタノール溶液2.4gを加え、次いで400rpmにおいて均質化させる。次いでオクタメチルテトラシクロシロキサンで処理したヒュームドシリカ36gを160rpmの中庸撹拌速度で加え、次いで400rpmにおいて4分間分散させる。同様にして、BLR(登録商標)3炭酸カルシウム480gを加える。次いでこの媒体を50ミリバールの部分真空下で130rpmにおいて撹拌しながら脱ガス処理に付し、次いで窒素下でN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン6g及びN,N−ジシクロヘキシル−N’−メチル−N”−ブチルグアニジン7.2gを加え、400rpmにおいて分散させる。この媒体を40ミリバール下で130rpmにおいて撹拌しながら2回目の脱ガス処理に付す。最後にこの混合物を密閉プラスチックカートリッジに移し、大気中の湿分から隔離する。
【0064】
例2
【0065】
「バタフライ」型撹拌機を備えた混合機中に、ヒドロキシル基OHを0.06重量%含有するα,ω−ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンオイル620g及びビニルトリメトキシシラン48gを導入する。「バタフライ」を200rpmにおいて2分間回転させることによって、この混合物を均質化させる。次いで、官能化触媒、即ち水酸化リチウム水和物のメタノール溶液2.4gを加え、次いで400rpmにおいて均質化させる。次いでオクタメチルテトラシクロシロキサンで処理したヒュームドシリカ36gを160rpmの中庸撹拌速度で加え、次いで400rpmにおいて4分間分散させる。同様にして、Omyabond(登録商標)520FL炭酸カルシウム480gを加える。次いでこの媒体を50ミリバールの部分真空下で130rpmにおいて撹拌しながら脱ガス処理に付し、次いで窒素下でN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン6g及びN,N−ジシクロヘキシル−N’−メチル−N”−ブチルグアニジン7.2gを加え、400rpmにおいて分散させる。この媒体を40ミリバール下で130rpmにおいて撹拌しながら2回目の脱ガス処理に付す。最後にこの混合物を密閉プラスチックカートリッジに移し、大気中の湿分から隔離する。
【0066】
対照例1
【0067】
「バタフライ」型撹拌機を備えた混合機中に、ヒドロキシル基OHを0.06重量%含有するα,ω−ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンオイル620g及びビニルトリメトキシシラン48gを導入する。「バタフライ」を200rpmにおいて2分間回転させることによって、この混合物を均質化させる。次いで、官能化触媒、即ち水酸化リチウム水和物のメタノール溶液2.4gを加え、次いで400rpmにおいて均質化させる。次いでオクタメチルテトラシクロシロキサンで処理したヒュームドシリカ36gを160rpmの中庸撹拌速度で加え、次いで400rpmにおいて4分間分散させる。同様にして、Hakuenka(登録商標)CCRS炭酸カルシウム480gを加える。次いでこの媒体を50ミリバールの部分真空下で130rpmにおいて撹拌しながら脱ガス処理に付し、次いで窒素下でN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン6g及びN,N−ジシクロヘキシル−N’−メチル−N”−ブチルグアニジン7.2gを加え、400rpmにおいて分散させる。この媒体を40ミリバール下で130rpmにおいて撹拌しながら2回目の脱ガス処理に付す。最後にこの混合物を密閉プラスチックカートリッジに移し、大気中の湿分から隔離する。
【0068】
対照例2
【0069】
「バタフライ」型撹拌機を備えた混合機中に、ヒドロキシル基OHを0.06重量%含有するα,ω−ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンオイル620g及びビニルトリメトキシシラン48gを導入する。「バタフライ」を200rpmにおいて2分間回転させることによって、この混合物を均質化させる。次いで、官能化触媒、即ち水酸化リチウム水和物のメタノール溶液2.4gを加え、次いで400rpmにおいて均質化させる。次いでオクタメチルテトラシクロシロキサンで処理したヒュームドシリカ36gを160rpmの中庸撹拌速度で加え、次いで400rpmにおいて4分間分散させる。同様にして、Sikron(登録商標)C600粉砕石英480gを加える。次いでこの媒体を50ミリバールの部分真空下で130rpmにおいて撹拌しながら脱ガス処理に付し、次いで窒素下でN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン6g及びN,N−ジシクロヘキシル−N’−メチル−N”−ブチルグアニジン7.2gを加え、400rpmにおいて分散させる。この媒体を40ミリバール下で130rpmにおいて撹拌しながら2回目の脱ガス処理に付す。最後にこの混合物を密閉プラスチックカートリッジに移し、大気中の湿分から隔離する。
【0070】
調製した各配合物の特性を下記の方法で評価する。
【0071】
生成物の機械的特性の評価
【0072】
2mm厚のフィルムの形のシールを前もって23℃、相対湿度50%において7日間架橋させる。次いで、生成したエラストマーの機械的特性を測定するために、フィルムから試験片を切り取る。
・ショアーA硬度(SAH)は、DIN規格53505に従って2mm厚の3つの重ね合わせた四角形を用いて測定される。
・破壊強さ(BS)(MPa)は、AFNOR規格NFT46002に従ってH2試験片を用いて測定される。破断点伸び(E/B)(%)及び弾性率(100%モジュラス)(MPa)も同様。
【0073】
引張剪断応力による接着性の評価のための試験
【0074】
1mm厚のシリコーンエラストマーの平行六面体シールを2つのAG3アルミニウム試験ストリップの間に適用する。こうして得られた試験片を、23±2℃、50±5%の相対湿度において14日間架橋させた後に、引張剪断応力を加えた。接着結合を、引張強さ(MPa)及び破断のタイプ(凝集プロファイルの割合%)によって特徴付けする。高凝集プロファイルの破断が求められる。AluAG3品質のアルミニウムの試験片を前もって酸化物層を除去するためにスクレープし、次いで溶剤で洗浄して乾燥させる。
【0075】
エンジンオイルで汚染されたAluAG3に対する接着性の評価のために、シリコーンシールを適用する前に試験ストリップをヘプタン中のエンジンオイルの溶液中に浸漬し、次いで取り出し、適用箇所に残留オイルの薄いフィルムが得られるまで空気乾燥させる。接着結合を再び、引張強さ(MPa)及び破断のタイプ(凝集プロファイルの割合%)によって特徴付けする。高凝集プロファイルの破断が求められる。
【0076】
エンジンオイルに対する耐性の評価
【0077】
2mm厚のフィルムの形のシールを前もって23℃、相対湿度50%において14日間架橋させる。次いで、生成したエラストマーの機械的特性を測定するために、フィルムから四角い試験片及びH2試験片を切り取る。次いでこれらの試験片をフラスコ中に入れ、Elf diesel Evolution 5W30エンジンオイル中に浸漬する。次いでこのフラスコを150℃において3日間貯蔵する。冷却後、試験片を取り出し、紙タオルで慎重に拭き、以下の測定を行う:
・DIN規格53505に従って2mm厚の3つの重ね合わせた四角形を用いたショアーA硬度(SAH)、
・AFNOR規格NFT46002に従ってH2試験片を用いた破壊強さ(BS)(MPa)、並びに破断点伸び(E/B)(%)及び弾性率(100%モジュラス)(MPa)。
・油中での処理の前後に計量することによる膨潤
膨潤(%)=100×(m
油処理−m
初期)/(m
初期)
【0078】
次の表2に、調製した各配合物について測定した特性を与える。
【0079】
【表2】
【0080】
本発明に従う炭酸カルシウムを含有する配合物(例1及び例2)だけが、エンジンオイルで汚染されたAG3アルミニウム上に凝集プロファイルを得ることを可能にする。
【0081】
III)本発明に従う粉砕天然炭酸カルシウムBの含量
【0082】
本発明に従う増量用フィラー(粉砕天然炭酸カルシウムB)の含量の影響を研究した。
【0083】
例3
【0084】
バタフライ」型撹拌機を備えた混合機中に、ヒドロキシル基OHを0.06重量%含有するα,ω−ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンオイル560g及びビニルトリメトキシシラン48gを導入する。「バタフライ」を200rpmにおいて2分間回転させることによって、この混合物を均質化させる。次いで、官能化触媒、即ち水酸化リチウム水和物のメタノール溶液2.4gを加え、次いで400rpmにおいて均質化させる。次いでヒュームドシリカ36gを160rpmの中庸撹拌速度で加え、次いで400rpmにおいて4分間分散させる。同様にして、BLR(登録商標)3炭酸カルシウム540gを加える。次いでこの媒体を50ミリバールの部分真空下で130rpmにおいて撹拌しながら脱ガス処理に付し、次いで窒素下でN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン6g及びN,N−ジシクロヘキシル−N’−メチル−N”−ブチルグアニジン7.2gを加え、400rpmにおいて分散させる。この媒体を40ミリバール下で130rpmにおいて撹拌しながら2回目の脱ガス処理に付す。最後にこの混合物を密閉プラスチックカートリッジに移し、大気中の湿分から隔離する。
【0085】
対照例3
【0086】
「バタフライ」型撹拌機を備えた混合機中に、ヒドロキシル基OHを0.06重量%含有するα,ω−ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンオイル746g及びビニルトリメトキシシラン48gを導入する。「バタフライ」を200rpmにおいて2分間回転させることによって、この混合物を均質化させる。次いで、官能化触媒、即ち水酸化リチウム水和物のメタノール溶液2.4gを加え、次いで400rpmにおいて均質化させる。次いでヒュームドシリカ96gを160rpmの中庸撹拌速度で加え、次いで400rpmにおいて4分間分散させる。同様にして、BLR(登録商標)3炭酸カルシウム300gを加える。次いでこの媒体を50ミリバールの部分真空下で130rpmにおいて撹拌しながら脱ガス処理に付し、次いで窒素下でN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン6g及びN,N−ジシクロヘキシル−N’−メチル−N”−ブチルグアニジン3.6gを加え、400rpmにおいて分散させる。この媒体を40ミリバール下で130rpmにおいて撹拌しながら2回目の脱ガス処理に付す。最後にこの混合物を密閉プラスチックカートリッジに移し、大気中の湿分から隔離する。
【0087】
対照例4
【0088】
「バタフライ」型撹拌機を備えた混合機中に、ヒドロキシル基OHを0.06重量%含有するα,ω−ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンオイル650g及びビニルトリメトキシシラン48gを導入する。「バタフライ」を200rpmにおいて2分間回転させることによって、この混合物を均質化させる。次いで、官能化触媒、即ち水酸化リチウム水和物のメタノール溶液2.4gを加え、次いで400rpmにおいて均質化させる。次いでヒュームドシリカ66gを160rpmの中庸撹拌速度で加え、次いで400rpmにおいて4分間分散させる。同様にして、BLR(登録商標)3炭酸カルシウム420gを加える。次いでこの媒体を50ミリバールの部分真空下で130rpmにおいて撹拌しながら脱ガス処理に付し、次いで窒素下でN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン6g及びN,N−ジシクロヘキシル−N’−メチル−N”−ブチルグアニジン7.2gを加え、400rpmにおいて分散させる。この媒体を40ミリバール下で130rpmにおいて撹拌しながら2回目の脱ガス処理に付す。最後にこの混合物を密閉プラスチックカートリッジに移し、大気中の湿分から隔離する。
【0089】
次の表に、調製した各配合物について上記の評価試験に従って測定した特性を示す。
【0090】
【表3】
【0091】
結果は、エンジンオイルで汚染された表面上で凝集プロファイルを得るためには、本発明に従う粉砕天然炭酸カルシウムを最小含量で加えることが必要であることを示している。例えば、本発明に従う粉砕炭酸カルシウムBLR(登録商標)3を配合物中に35重量%より多く含有する配合物だけが、エンジンオイルで汚染された表面上で凝集を得ることを可能にする。BLR(登録商標)3を40重量%含有する配合物について、汚染された表面上での接着性が最も良好であることが観察される。表3中の「重量%」値は、組成物の総重量に対する重量%値に相当する。
【0092】
IV)触媒及び接着促進剤の系
【0093】
触媒-接着促進剤系を下記の例及び対照例に詳述するように変化させた。
【0094】
調製例1
【0095】
「バタフライ」型撹拌機を備えた混合機中に、ヒドロキシル基OHを0.04重量%含有するα,ω−ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンオイル522g、OHを1.1重量%含有するシリコーン樹脂64g、トリメチルシリル鎖末端を含むポリジメチルシロキサンオイル(粘度100mPa・sのものと1000000mPa・sのものとの混合物)172g及びビニルトリメトキシシラン52gを導入する。「バタフライ」を200rpmにおいて2分間回転させることによって、この混合物を均質化させる。次いで、官能化触媒、即ち水酸化リチウム水和物のメタノール溶液9.5gを加え、次いで400rpmにおいて均質化させる。次いでヒュームドシリカ78gを160rpmの中庸撹拌速度で加え、次いで400rpmにおいて4分間分散させる。同様にして、BLR(登録商標)3炭酸カルシウム626gを加える。撹拌後に、チキソトロープ添加剤4.9gを加える。次いでこの媒体を50ミリバールの部分真空下で130rpmにおいて撹拌しながら脱ガス処理に付す。
【0096】
例5及び対照例5〜9
【0097】
不活性雰囲気下において調製例1に様々な触媒及び接着促進剤を下記の表4に特定した割合で加え、次いで混合する。次いでこの媒体を40ミリバール下で脱ガス処理に付す。次いでこの混合物を密閉プラスチックカートリッジに移し、大気中の湿分から隔離する。各配合物を上記の評価試験に付す。結果を下記の表4に与える。
【0098】
【表4】
【0099】
触媒N,N−ジシクロヘキシル−N’−メチル−N”−ブチルグアニジンA(4)又はDiCyGを本発明に従う炭酸カルシウム及び窒素原子を少なくとも1個含む基を少なくとも1個有するポリアルコキシシランと組み合わせて含む配合物(例5)は、オイル中での処理後に満足できる硬度を示し、汚染された表面に対して良好な接着性を示す。N,N−ジシクロヘキシル−N’−メチル−N”−ブチルグアニジンA(4)を上記のグアニジンA(1)〜A(3)及びA(5)〜A(9)に置き換えて実施した試験も、同様の結果を示す。
【0100】
表4の結果は、チタン触媒を含有する配合物(Tyzor(登録商標)PITA又はTnBTを用いた対照例5〜8)は7日間の架橋後に許容できる機械的特性を有するエラストマーを得ることを可能にするが、しかしそれらのオイルに対する耐性及び汚染表面に対する接着性はどのポリアルコキシシラン(MEMO、DAMO又はAMEO)を用いた場合にも所望の用途に適合するものではない、ということを示している。
【0101】
本発明に従うグアニジン触媒をテトラメチルグアニジン(TMG、対照例9)(これは非置換イミン官能基、即ち>C=N−Hタイプの官能基を持つグアニジンである)に置き換えた場合、エラストマーは硬度を測定することができる程度に架橋せず、全く使用に耐えないものだった。