(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
薄肉部が形成された上下一対の平行ビームのそれぞれの端部が固定部と可動部で接続一体化されたロバーバル機構である起歪体と、前記固定部に固定されて前記一対のビーム間に配設された過荷重防止用ストッパとを備え、前記可動部の前記固定部に対向する内側面には、起歪体の幅方向に延びるストッパ係合用凹部が設けられ、前記ストッパは、その基端部が前記固定部に固定されてその先端部が前記凹部内に所定のクリアランスをもって配置されたロードセルであって、
前記ストッパの先端部は、前記起歪体の可動部よりも幅広に形成されて、前記可動部の幅方向外側に突出することを特徴とするロードセル。
前記ストッパの基端部は、前記固定部の左右の外側面の少なくとも一方と面接触する幅広の側板部を備え、該側板部が前記固定部の左右の外側面に固定されたことを特徴とする請求項1に記載のロードセル。
前記側板部は、前記ストッパの先端部の幅方向両側にそれぞれ設けられ、該一対の側板部がそれぞれ前記固定部の左右の外側面に固定されたことを特徴とする請求項2に記載のロードセル。
前記ストッパの基端部は、前記固定部の基端面に面接触する端板部を備え、該端板部が前記固定部の基端面に固定されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のロードセル。
前記ストッパは、前記起歪体の幅方向に2つに分割されており、該2つの分割ストッパそれぞれが前記起歪体の固定部に固定されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のロードセル。
【背景技術】
【0002】
ロバーバル型ロードセルは、例えば商工業用はかり等に使用されており、上下それぞれ2ヶ所の合計4ヶ所に薄肉部を有する起歪体を備え、この起歪体の根元側が片持ちに固定され、先端側に荷重が負荷されるように構成されている。4ヶ所の薄肉部は、荷重を負荷した際に2ヶ所が引張側、残り2ヶ所が圧縮側となり、引張側と圧縮側のそれぞれに歪ゲージが接着されている。4つの歪ゲージは接続されて、ホイートストンブリッジ回路が構成されている。
【0003】
このような構成のロードセルでは、ロードセル(起歪体)に過荷重が加わった際の薄肉部の過剰変形を防止するため、過荷重防止用のストッパが設けられている。
【0004】
過荷重防止用ストッパは通常、ロードセルの近辺にロードセルとは別体に設けており、たとえば、卓上商業秤では、ロードセルを上下で固定する支持フレームとハウジング底板間に、ねじ式の別体ストッパが設けられている(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
この別体ストッパは、荷重の種類に応じて設ける必要があり、たとえば、垂直下荷重(すなわち秤量皿の中央付近に測定物を落下させた場合の荷重)に対しては、ロードセルの先端に1個または2個設けられている。また、ねじりの垂直下荷重(秤量皿の四隅付近に測定物を落下させた場合の荷重)に対しては、ロードセルの四隅に一個ずつ合計4個設けられている。前者はセンターストッパと呼ばれており、後者は四隅ストッパと呼ばれている。
【0006】
さらに、下荷重だけでなく上荷重に対するストッパも必要とされており、垂直上荷重やねじりの垂直上荷重に対してストッパを設ける必要がある。ここで、垂直上荷重とは、たとえば垂直の過荷重が負荷された場合(すなわち秤量物を秤に落下させた場合)にストッパで下向きの荷重を受けると、衝撃的な荷重の反力でロードセルが上方向に跳ね上げられ、逆に上方向に伝達される過荷重である。別の例としては、秤量皿を持って計量装置を運んでしまった場合などにも発生する。
【0007】
一方、ねじりの垂直上荷重とは、秤量皿の四隅付近に測定物を落下させた場合、ロードセルにねじり荷重が負荷され、落とされた側に下方向荷重が発生することで、皿の反対側が逆の上方向にねじられて伝達される過荷重である。これらの上荷重の場合にもストッパが必要とされているが、別体ストッパの場合には、荷重のタイプ毎にストッパが必要となるため、ストッパの数が増加するという問題があった。
【0008】
さらに別体ストッパの場合は、ロードセルの開発効率が悪いという問題や、ロードセルの組立効率や加工効率が悪いという問題もある。具体的に説明すると、別体ストッパはロードセルの起歪体に対して所定のクリアランスをもって配置されているが、このクリアランスは、荷重負荷時のロードセルのたわみと、支持フレームやハウジング底板といったロードセル支持部材のたわみを合算したもので決まるため、秤としての形状が決まって実験してからでないと、クリアランスが決まらない。したがって、開発期間が長くなってしまい、開発効率が悪いという欠点があった。
【0009】
また、ロードセルの組立時は、隙間ゲージ等でクリアランスを決めた状態で組み立て作業を行うため、時間がかかるという問題もある。さらに、別体のストッパの場合は、過荷重負荷時にロードセル支持部材も変形するため、ロードセルに伝わる過荷重を完全には防止できないという欠点もあった。
【0010】
このような問題を解消する方法として、ストッパを内蔵したストッパ一体型ロードセルが提案されている。
【0011】
たとえば特許文献2では、起歪体の固定部と可動部に水平同軸状の円孔がそれぞれ形成され、固定部の円孔に嵌合固定された円柱状のストッパが可動部の円孔内に挿通配置されている。このロードセルによれば、上下左右に過荷重が加わった際に、可動部の円孔内周面がストッパ外周面に当接することで、過荷重による起歪体の変形を防止できる。また、円柱状のストッパのみからなる簡易な構造なので、ロードセルの加工や組立を簡単に行うことができる。
【0012】
また、特許文献3の図第6図、第7図には、水平に延びる断面角型のストッパおよび挿通孔を有するロードセルが記載されている。この特許文献3のロードセルも同様に、ロードセルの加工や組立を簡単に行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献2,特許文献3に示す、ストッパ一体型ロードセルでは、第1には、ねじれ方向の過荷重を十分に抑制できないという問題がある。すなわち、特許文献2や特許文献3では、ねじれ方向に過荷重が加わった場合に起歪体がストッパと当接する範囲は、変位が大きいロードセル(起歪体)の幅方向の端部(以下、エッジ部ともいう)ではなく、変位の小さい起歪体の幅方向中央部付近に限られるため、ねじれ方向の過荷重に対してはストッパとして十分に機能しない。
【0015】
第2には、クリアランスの調整が面倒である。即ち、隙間ゲージ等でクリアランスを測定しつつストッパを固定部に固定するが、ストッパが起歪体の幅方向中央部に配設されているため、クリアランスの測定そのものが面倒で、ロードセルの組立作業の効率が悪い。
【0016】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、ねじれ方向の過荷重による変形も確実に防止することのでき、さらには開発効率や組立効率を向上させることのできるロードセルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1に記載の発明は、前記した目的を達成するために、薄肉部が形成された上下一対の平行ビームのそれぞれの端部が固定部と可動部で接続一体化されたロバーバル機構である起歪体と、前記固定部に固定されて前記一対のビーム間に配設された過荷重防止用ストッパとを備え、前記可動部の(前記固定部に対向する)内側面には、起歪体(該可動部)の幅方向に延びるストッパ係合用凹部が設けられ、前記ストッパは、その基端部が前記固定部に固定されてその先端部が前記凹部内に所定のクリアランスをもって配置されたロードセルであって、
前記ストッパの先端部を前記起歪体の可動部よりも幅広に形成して、前記可動部の幅方向外側に突出するように構成した。
【0018】
本発明によれば、可動部よりも幅が大きいストッパの先端部は、可動部の幅方向外側に突出した形態となる。したがって、起歪体(の可動部)の凹部のエッジ部に対向する位置には、ストッパの先端部が面で配置された形態となるので、起歪体(の可動部)にねじれ方向の過荷重が作用した際に、起歪体(の可動部)のエッジ部がストッパに必ず当接し、起歪体への過荷重の伝達を確実に防止する。即ち、前記した第1の問題が解決される。
【0019】
また、本発明によれば、ストッパの先端部が可動部の両外側に突出しているので、その突出部を利用してクリアランスを調整しながらロードセルの組立作業を行うことができる。即ち、前記した第2の問題が解決される。
【0020】
さらに本発明によれば、過荷重防止用ストッパを内蔵したストッパ一体型の起歪体で構成されているので、起歪体の形状だけでクリアランスを決定することができ、ロードセルの開発効率が向上する。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、前記ストッパの基端部は、前記固定部の幅方向の外側面に面接触する幅広の側板部を備え、該側板部を前記固定部の外側面に固定するように構成した。
【0022】
本発明によれば、ストッパの基端部に設けた幅広の側板部と、固定部の外側面との接触面積が大きい分、ストッパの固定が強固となる。
【0023】
また、側板部を固定部に固定する際は、起歪体の幅方向外側からネジ等で固定することができるので、ロードセルの組立作業を効率良く行うことができる。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項2の発明において、前記側板部を、前記ストッパの先端部の幅方向両側にそれぞれ設け、該一対の側板部をそれぞれ前記固定部の左右の外側面に固定するように構成した。
【0025】
本発明によれば、2つの側板部が固定部を挟み込んだ形態になるので、ストッパの固定がさらにいっそう強固となる。
【0026】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1の発明において、前記ストッパの基端部は、前記固定部の基端面に面接触する端板部を備え、該端板部を前記固定部の基端面に固定するように構成した。
【0027】
ストッパの基端部に設けた端板部を固定部の基端面にネジ等で締め付け固定しても、その締付トルクは、ストッパの先端部におけるクリアランスが変化する方向には作用しない。したがって、ストッパを正確な位置に容易に組み付けることができる。
【0028】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1において、前記ストッパは、前記起歪体の幅方向に2つに分割されており、該2つの分割ストッパをそれぞれ前記起歪体の固定部に固定するように構成した。
【0029】
本発明によれば、2つの分割ストッパを起歪体の幅方向外側からネジ等でそれぞれ固定することができるので、ロードセルの組立作業を効率良く行うことができる。
【0030】
請求項6に記載の発明は、請求項1において、前記ストッパを、上下高さが一定で、水平断面コ字型(略U字型)に形成し、一対のコ字横棒状部(直線状棒状部)を前記起歪体の固定部の左右の外側面に固定するように構成した。
【0031】
本発明によれば、ストッパは、金属材を断面コ字型に押し出し成形後、所定幅に切断したり、正面視矩形状の金属板を2箇所で略直交するように屈曲して成形することで、簡単に製造できる。即ち、ストッパを低コストで製造することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明のロードセルによれば、過荷重防止用ストッパの先端部が可動部の幅方向外側に突出した形態となるので、起歪体に作用するねじれ方向の過荷重による薄肉部の過剰な変形を長期にわたり確実に防止できるとともに、ストッパの先端部の可動部外側への突出部を利用してロードセルの組立作業を簡単に行うことができ、さらにロードセルの形状だけでクリアランスを決定できてロードセルの開発効率を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に従って、本発明に係るロードセルの好ましい実施形態について説明する。
図1は、本発明が適用された第1の実施形態のロードセル10を示す斜視図であり、
図2はロードセル10の分解斜視図であり、
図3は
図1のIII−III線に沿う断面図である。
【0035】
これらの図に示すように、ロードセル10は主として、起歪体12、歪ゲージ20、過荷重防止用ストッパ30で構成される。
【0036】
起歪体12は、アルミ等の金属材から成り、たとえば一定形状に押し出し成形したものを一定の幅で切断し、必要に応じて切削加工することによって製造される。この起歪体12には、幅方向(矢印α方向)に貫通する略眼鏡状の貫通孔13が形成されており、この貫通孔13が形成されることによって、起歪体12は、平行に配設された上ビーム14と下ビーム15、上下一対のビーム14,15の両端部をそれぞれ接続する固定部16と可動部17、上ビーム14と下ビーム15のそれぞれ対向する位置に設けられた2個所の薄肉部18を備えたロバーバル機構を構成している。薄肉部18は合計4個形成されており、可動部17に負荷をかけて起歪体12が変形した際に2個の薄肉部18は引っ張られ、残りの2個の薄肉部18は圧縮される。
【0037】
図では、引張側の薄肉部は18aで、圧縮側の薄肉部は18bで示されており、本実施の形態では、上ビーム14の引張側(図の右側)の薄肉部18(18a)に2個の歪ゲージ20が貼り付けられ、上ビーム14の圧縮側(図の左側)の薄肉部18(18b)に2個の歪ゲージ20が貼り付けられている。なお、歪ゲージ20の配置や数はこれに限定されるものではなく、例えば、4箇所全ての薄肉部18に1個ずつ貼り付けてもよい。このように配置された歪ゲージ20は電気的に接続されて、ブリッジ回路が構成されている。
【0038】
一方、固定部16は、ケース等の装置本体(不図示)に固定される部分であり、本実施の形態では、底面にネジ孔(不図示)が形成され、下側からネジ止めされて装置本体に固定される。起歪体12における固定部16の反対側には、可動部17が設けられている。可動部17は、秤量皿(不図示)が接続される部分であり、本実施の形態では上面にネジ孔21が形成され、秤量皿(不図示)の支持部材等が上側からネジ止めにより固定される。この可動部17の内側の側面(貫通孔13に臨む側面)には、起歪体12の幅方向に延びるストッパ係合用凹部19が形成されている。凹部19は、起歪体12の幅方向において一定の形状に形成されており、凹部19の内側には、ストッパ30の先端部32の一部が配置されている。
【0039】
過荷重防止用ストッパ30は、凹部19内に配置される先端部32と、起歪体12の固定部の側面に固定される基端部34を備え、起歪体12と同じ材質(たとえばアルミ材)によって一体的に形成されている。なお、ストッパ30の材質は、起歪体12と同じであることが好ましいが、添加する成分が異なる合金(たとえば起歪体と成分の異なるアルミ合金)などを用いてもよく、また、起歪体12の素材と同程度のバネ性を有する材料を用いてもよい。
【0040】
ストッパ先端部32は、貫通孔13の内側に非接触で配置可能な形状(例えば所定の厚みをもったプレート状)に形成されている。また、先端部32は、起歪体12の幅よりも大きい幅に形成されており、ストッパ30を起歪体12に固定した時に、
図3符号32bで示すように、可動部17の幅方向外側に突出する。さらにストッパ先端部32の先端32aは、可動部17の凹部19内に非接触で配置され、上面および下面が平行で平坦に形成された先端部32は、凹部19内に配置された際に、凹部19の上下面との間に所定のクリアランスが形成される。
【0041】
一方、ストッパ基端部34は、起歪体12の固定部16の外側面に面接触する部位である幅広板状の側板部36を備え、ストッパ先端部32の幅方向の一方端側に繋がっている。したがって、
図3に示すように、ストッパ30は全体として水平断面L型に形成されている。また、側板部36は、
図2に示すように、先端部32の厚さ(上下方向の寸法)よりも上下方向に大きく(幅広に)形成されるとともに、上下2箇所にネジ25用の挿通孔35が形成されている。この挿通孔35の位置に合わせて、固定部16の外側面にネジ孔22が形成されている。
【0042】
このように構成されたストッパ30は、まず、その先端部32を起歪体12の貫通孔13に挿通させるとともに、先端部32の先端32aを可動部17の凹部19内に配置し、側板部36を固定部16の外側面に面接触させる。このとき、ストッパ30の先端部32が起歪体12よりも幅広に形成されているので、ストッパ30の先端部32は、起歪体12の可動部17の両側に突出した状態になる。次に、その突出部分32b(
図3参照)に位置決め用の治具(不図示)を当てて、先端部32と凹部19の上下面とのクリアランスを調整した後、その状態を保ったまま、ネジ25を挿通孔35に挿通しネジ孔22に締め付ける。これにより、ストッパ30が起歪体12(の凹部19)に対し位置決めされた状態で固定される。
【0043】
次に、上記の如く構成されたロードセル10の作用について説明する。
【0044】
ロードセル10では、ストッパ30の先端部32が起歪体12の可動部17よりも幅広に形成されて、ストッパ30の先端部32が、
図3符号32bに示すように、可動部17の両外側に突出した形態になっている。このロードセル10において、可動部17に垂直方向の過荷重が作用した場合、可動部17の凹部19の下面または上面がストッパ30の先端部32の上面または下面に当接し、起歪体12への過荷重の伝達が防止されて、薄肉部18の過剰変形が抑制される。
【0045】
また、このロードセル10において、可動部17にねじれ方向の過荷重が作用した場合には、起歪体12の幅方向端部である、凹部19の延在方向の端部(エッジ部)19aが最大に変位して、このエッジ部19aがストッパ先端部32に当接する位置に最大荷重が伝達されるが、エッジ部19aの上下に対向する位置では、ストッパ30の先端部32が面積を有している。即ち、エッジ部19aの上下に対向する位置には、ストッパ部30の先端部32の平面領域が延在している。このため、起歪体12にねじれ方向の過荷重が加わった場合には、エッジ部19aがストッパ30の先端部32(の平面領域)に必ず当接して、所定値以上の過大過荷重が起歪体に伝達されず、薄肉部18の過剰変形が抑制される。
【0046】
このように本実施の形態によれば、垂直方向の過荷重に対してだけでなく、ねじれ方向の過荷重に対しても、薄肉部の過剰変形を抑制する上で有効である。
【0047】
また、本実施の形態によれば、ストッパ30が起歪体12に内蔵一体化されているため、起歪体12の形状のみでストッパ30と起歪体12間のクリアランスを決定することができ、ロードセルの開発効率を向上させることができる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、ストッパ30の先端部32が起歪体12の可動部17から幅方向の両側に突出しているので、その突出部分32bを利用することでストッパ30を正確な位置に容易に固定することができ、ロードセルの組立効率を向上させることができる。さらに本実施の形態によれば、ストッパ30を起歪体12の外側からネジ止め固定するようにしたので、ロードセルの組立効率をいっそう向上させることができる。
【0049】
図4は、本発明の第2の実施形態のロードセル10Aの分解斜視図を示しており、
図5はロードセル10Aの中央付近の水平断面(
図3と同じ位置での断面)を示している。
【0050】
この第2の実施形態のロードセル10Aでは、前記した第1の実施形態のロードセル10と、ストッパ40の形状だけが相違し、その他の部分は、ロードセル10と同一であるので、相違するストッパ40について詳しく説明し、ロードセル10と同様の構成・作用を有する部材については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0051】
第2の実施形態のストッパ40は、第1の実施形態のストッパ30と比較して、端板部48が設けられている点で異なっている。
【0052】
即ち、ストッパ40は、一体的に形成された先端部42と基端部44から成り、先端部42は第1の実施形態と同様に起歪体12の可動部17よりも大きい幅に形成される。
【0053】
基端部44は、側板部46と端板部48とで構成され、側板部46は、第1の実施形態の側板部36と同様に、起歪体12の固定部16の外側面に面接触する板状部位で、先端部32の幅方向の一方端で繋がっており、該側板部46には、ネジ25用の挿通孔45が設けられている。
【0054】
一方、端板部48は、起歪体12の長手方向の端面(固定部16の基端面)に面接触する板状部位であり、側板部46に対し直交する方向に延出している。したがって、第2の実施形態のストッパ40は、全体として水平断面コ字型(略U字型)に形成されている。端板部48には、ネジ26が挿通される複数の挿通孔47が形成されており、起歪体12の固定部16には、この挿通孔47に対応する位置にネジ孔23が形成されている。挿通孔47やネジ孔23の数や配置は特に限定するものではないが、たとえば上下に3列、左右に2列の合計6箇が設けられている。また、ネジ26はネジ25よりも小さいものが使用され、仮止用として使用される。
【0055】
なお、本実施の形態では、ネジ25とネジ26を併用し、ネジ26を仮止め用として用いたが、これに限定するものではなく、ネジ25とネジ26で同じサイズのものを用いてもよいし、ネジ25のみ、または、ネジ26のみを用いるようにしてもよい。
【0056】
上記の如く構成された第2の実施形態では、まず、ストッパ40の先端部42を起歪体12の貫通孔13に挿通させるとともに、先端部42の先端42aを可動部17の凹部19内に配置する。そして、側板部46を固定部16の外側面に面接触させるとともに、ストッパ40の端板部48を固定部16の基端面に面接触させる。このとき、ストッパ40の先端部42が起歪体12よりも幅広に形成されているので、ストッパ40の先端部42は、
図5の符号42bに示すように、起歪体12の可動部17の両側に突出した形態となる。
【0057】
次に、その突出部分42bに位置決め用の治具(不図示)を当てて、凹部19の上下面と先端部42間のクリアランスを調整した後、その状態を保ったまま、端板部48の挿通孔47に挿通したネジ26を、固定部16のネジ孔23に締め込んで、ストッパ40の仮止めを行う。このとき、ネジ26の締付トルクは、クリアランスを変化させる方向に作用しないので、正確なクリアランスのままストッパ40を仮止め固定できる。
【0058】
次に、ネジ25を側板部46の挿通孔45に挿通し、固定部16のネジ孔22に締め込み、ストッパ40を固定する。これにより、ストッパ40は、直交する2つの面がそれぞれ面接触した状態で固定部16に固定されるので、より強固に固定される。
【0059】
図6は、第3の実施形態のロードセル10Bの分解斜視図を示しており、
図7は、そのロードセル10Bの中央付近の水平断面(
図3と同じ位置での断面)を示している。なお、前述の第i1,第2の実施形態のロードセル10,10Aと同様の構成・作用を有する部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0060】
第3の実施形態のストッパ50は、第1の実施形態のストッパ30と比較して、幅方向に2つに分割されている点で大きく異なっている。即ち、この第3の実施形態のストッパ50は、幅方向に2つに分割された部分(以下、分割ストッパ50X、50Yという)を備えている。
【0061】
分割ストッパ50Xは、一体的に形成された先端部52Xと基端部54Xとから成り、先端部52Xは、起歪体12の貫通孔12に挿通可能に形成されるとともに、その幅が可動部17の幅の半分よりも大きく形成されている。また、先端部52Xには、後述のボルト27が挿通される挿通孔59Xが形成されている。分割ストッパ50Xの基端部54Xは、固定部16の外側面に面接触する側板部56Xを備え、この側板部56Xには、ネジ25用の挿通孔55Xが形成されている。側板部56Xは、先端部52Xの幅方向の一方端に繋がっており、分割ストッパ50Xは、
図7に示すように、全体として水平断面L字型に形成されている。
【0062】
一方、分割ストッパ50Yは、分割ストッパ50Xと幅方向に面対称に形成されており、一体的に形成された先端部52Yと基端部54Yとを備える。先端部52Yは、起歪体12の貫通孔12に挿通可能に形成されるとともに、その幅が可動部17の幅の半分よりも大きく形成されている。また、先端部52Yには、後述のボルト27が挿通される挿通孔59Yが形成されている。基端部54Yは側板部56Yを備えており、この側板部56Yは、前述の側板部56Xが面接触する固定部16の側面とは反対側の側面に面接触するようになっている。また側板部56Yには、ネジ25用の挿通孔55Yが形成されている。
【0063】
このように構成された分割ストッパ50X、50Yは、まず、それぞれを起歪体12に固定する。すなわち、先端部52X、52Yを起歪体12の貫通孔13に挿通させるとともに、先端部52X、52Yの先端52Xa、52Yaを可動部17の凹部19内に配置し、さらに側板部56X、56Yを固定部16の外側面に面接触させる。そして、先端部52X、52Yにおける可動部17からの突出部分52Xb、52Ybに位置決め用の治具(不図示)を当ててクリアランスを調整した後、その状態を保ったまま、ネジ25を側板部56X、56Yの挿通孔55X、55Yに挿通し、固定部16のネジ孔22に締め込む。次に、ボルト27を先端部52X、52Yの挿通孔59X、59Yに挿通し、ナット28に締め込み、分割ストッパ50X、50Yを連結する。なお、分割ストッパ50X、50Yの連結は、分割ストッパ50X、50Yの固定よりも先に行ってもよいし、分割ストッパ50X、50Yを固定部16に仮止めし、分割ストッパ50X、50Yを連結した後に、分割ストッパ50X、50Yを固定部16に本止めするようにしてもよい。
【0064】
上記の如く構成された第3の実施形態のストッパ50では、連結一体化された先端部52X、52Yの全幅が、可動部17の幅よりも大きく設定されている。したがって、前述の実施形態と同様に、ねじれ方向の過荷重の負荷を確実に防止することができる。
【0065】
また、第3の実施形態のストッパ50は、分割ストッパ50X、50Yが幅方向両側から固定部17を挟み込む形態で固定されるので、より強固な固定となる。
【0066】
図8は、第4の実施形態のロードセル10Cの分解斜視図を示しており、
図9は、ロードセル10Cの中央付近の水平断面(
図3と同じ位置での断面)を示している。なお、前述の実施形態と同様の構成・作用を有する部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0067】
第4の実施形態のストッパ60は、第3の実施形態のストッパ50と比較して、端板部68X、68Yが設けられている点で異なっている。
【0068】
第4の実施形態のストッパ60は、幅方向に分割された2つの分割ストッパ60X、60Yで構成される。分割ストッパ60Xは、一体的に形成された先端部62Xと基端部64Xとから成り、先端部62Xは、起歪体12の貫通孔13に挿通可能に形成されるとともに、その幅が可動部17の幅の半分よりも大きく形成されている。また、先端部62Xには、後述のボルト27が挿通される挿通孔69Xが形成されている。分割ストッパ60Xの基端部64Xは、固定部16の外側面に面接触する側板部66Xと、側板部66Xに対し直交して延出し、固定部16の基端面に面接触する端板部68Xを備え、側板部66Xには、ネジ25用の挿通孔65Xが形成され、端板部68Xには、ネジ26用の挿通孔67Xが形成されている。
【0069】
一方、分割ストッパ60Yは、分割ストッパ60Xと幅方向に面対称に形成されており、一体的に形成された先端部62Yと基端部64Yとを備えている。先端部62Yは、起歪体12の貫通孔13に挿通可能に形成されるとともに、その幅が可動部17の幅の半分よりも大きく形成される。また、先端部62Yには、後述のボルト27が挿通される挿通孔69Yが形成されている。基端部64Yは、側板部66Yと端板部68Yを備え、側板部66Yには、ネジ25用の挿通孔65Yが形成され、端板部68Xには、ネジ26用の挿通孔67Xが形成されている。
【0070】
このように構成された分割ストッパ60X、60Yは、まず、それぞれを起歪体12に固定する。すなわち、先端部62X、62Yを起歪体12の貫通孔13に挿通させるとともに、先端部62X、62Yの先端62Xa、62Yaを可動部17の凹部19内に配置し、さらに側板部66X、66Yを固定部16の外側面に面接触させ、端板部68X、68Yを固定部16の基端面に面接触させる。そして、先端部62X、62Yにおける可動部17から外側に突出した部分62Xb、62Ybに位置決め用の治具(不図示)を当ててクリアランスを調整した後、その状態を保ったまま、ネジ26を端板部68X、68Yの挿通孔67X、67Yに挿通し、固定部16のネジ孔23に締め込んで、分割ストッパ60X、60Yを固定部16に仮止めする。このとき、ネジ26の締付トルクはクリアランスを変化させる方向に作用しないので、分割ストッパ60X、60Yを起歪体12(の凹部19)も対し正確な位置に固定することができる。
【0071】
次にボルト27を先端部62X、62Yの挿通孔69X、69Yに挿通し、ナット28に締め込み、分割ストッパ60X、60Yを連結一体化する。そして、ネジ25を側板部66X、66Yの挿通孔65X、65Yに挿通し、固定部16のネジ孔22に締め込む。
【0072】
上記の如く構成された第4の実施形態のストッパ60では、連結された先端部62X、62Yの全幅が、可動部17の幅よりも大きく設定されている。したがって、前述の実施形態と同様に、可動部17に作用するねじれ方向の過荷重に対しても、薄肉部18の過剰変形を抑制する上で有効である。
【0073】
また、第4の実施形態のストッパ60は、固定部17に対して、直交する方向を含む3方向から固定されているので、固定がより強固になる。
【0074】
なお、上述した第3、第4の実施形態では、分割ストッパ50X、60Xと分割ストッパ50Y、60Yとを面対称の形状としたがこれに限定するものではなく、先端部52X、62Xと先端部52Y、62Yを合わせた幅が可動部17よりも大きく形成されて、可動部17の外側に突出する形状であればよい。たとえば先端部52Xの幅と先端部52Yの幅が異なってもよい。
【0075】
また、上述した第3、第4の実施形態では、分割ストッパ50X、60Xと分割ストッパ50Y、60Yとが連結されるように構成されているが、これに限定するものではなく、連結せずに使用してもよい。
【0076】
図10は、第5の実施形態のロードセル10Dの分解斜視図を示しており、
図11は、ロードセル10Dの中央付近の水平断面(
図3と同じ位置での断面)を示している。なお、前述の実施形態と同様の構成・作用を有する部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0077】
第5の実施形態のストッパ70は、例えば、所定の厚みを有する金属板をコ状に折り曲げ加工して、水平断面コ字型(略U字型)に形成されている。そして、折り曲げ箇所に挟まれた中央部分を先端部72として利用し、両端を基端部74として利用している。先端部72は、その幅が可動部17の幅よりも大きく形成されている。一方、基端部74、74は、起歪体12の固定部16を挟み込んだ状態で配置され、固定部16の両側面にネジ25によって固定されている。
【0078】
上記の如く構成された第5の実施形態では、ストッパ70の先端部72が可動部17の幅よりも大きく形成されて、
図11の符号72aに示すように、ストッパ70の先端部72が可動部17の外側に突出している。
【0079】
即ち、エッジ部19aの上下に対向する位置には、ストッパ70の先端部72平面領域が延在している。このため、起歪体12にねじれ方向の過荷重が加わった場合には、エッジ部19aがストッパ70の先端部72(の平面領域)に必ず当接して、所定値以上の過大過荷重が起歪体12に伝達されず、薄肉部18の過剰変形が抑制される。
【0080】
また、ストッパ70は金属板の折り曲げ加工のみで簡単に製造することができるので、製造コストを削減することができる。
【0081】
また、ストッパ70は、金属材を断面コ字型に押し出し成形後、所定幅に切断することで製造したものであってもよく、そのような構造のストッパ70においても、簡単に製造することができるので、製造コストを削減することができる。
【0082】
なお、
図12に示す第5の実施形態の変形例であるロードセル10D’では、第5の実施形態のストッパ70よりも幅狭に形成されたストッパ70’を用いたもので、起歪体12の固定部16の側面に座繰り加工を施し、この座繰り部分12aにストッパ70’の基端部74を取り付けるようにしてもよい。この場合にも、ストッパ70’の先端部72が可動部17の幅よりも大きく形成されるようにすることによって、ロードセル10Dと同様の効果を得ることができる。
【0083】
なお、本発明は、可動部17の内側面に形成したストッパ係合用凹部19のエッジ部19aに対向する上下位置に、過荷重防止用ストッパの平面領域が形成されていればよく、たとえば
図13に示す第6の実施態様のロードセル10Eであってもよい。
【0084】
即ち、第6の実施態様のストッパ80は、二枚の板状ストッパ80X、80Yから成り、各板状ストッパ80X、80Yが起歪体12の固定部16の左右の側面にネジ25で固定されている。その固定位置には座繰り加工が施されており、板状ストッパ80X、80Yは、その座繰り部12aの深さよりも大きな厚みを有している。
【0085】
したがって、各ストッパ80X、80Yを固定部16に固定した際、各板状ストッパ80X、80Yの先端部は、符号80Xb、80Ybに示すように、可動部17の両側面から外側に突出して、エッジ部19aに対向する位置に板状ストッパ80X、80Yの平面領域が延在している。このように構成されたストッパ80の場合にも、ねじれ方向の過負荷を確実に防止する。即ち、所定値以上の過大過荷重が起歪体12に伝達されず、薄肉部18の過剰変形が抑制される。