(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
【0013】
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、
図1及び
図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、
図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。
図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す平面図である。
図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
【0014】
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
【0015】
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。この下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、上皿28及び下皿29は、1つの皿で構成されてもよい。
【0016】
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
【0017】
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、第1ゲート15、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、大入賞口13、2つの普通入賞口14、第2ゲート16、及び上記電動チューリップ17が設けられている。
【0018】
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、及び普通入賞口14のいずれかに入球して入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
【0019】
第1始動領域としての第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動領域としての第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
【0020】
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
【0021】
また、本実施形態では、第2特別図柄判定を始動させる始動口として第2始動口12を備えている場合について説明するが、第2特別図柄判定を始動させる始動口として、普通電動役物が作動したか否かに関わらず遊技球が入賞可能な始動口を設けてもよい。このような構成としては、特定の領域を通過した遊技球が第1始動口11と第2始動口12とに交互に入賞するような構成が一例として挙げられる。また、第1始動口11と第2始動口12とのどちらにも遊技球が入賞可能であるもののいずれか一方の方が他方よりも入賞し易いような構成(例えば、遊技球を第1始動口11又は第2始動口12に振り分ける振分部材を第1始動口11の方が入賞し易くなるように動作させるといった構成)が他の例として挙げられる。
【0022】
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
【0023】
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(
図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
【0024】
第2始動口12は、
図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球が第1ゲート15又は第2ゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、第1ゲート15又は第2ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
【0025】
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
【0026】
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示装置5、スピーカ24、演出役物7、盤ランプ25等が設けられている。また、枠部材3には、
図1には示されていない枠ランプ37(
図7参照)が内蔵されている。
【0027】
液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、液晶表示装置5の表示画面は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この表示画面には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留表示画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
【0028】
スピーカ24は、液晶表示装置5で行われる表示演出と同期するように楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
【0029】
演出役物7は、液晶表示装置5の前面側における液晶表示装置5の表示画面の右側に配置されている。この演出役物7には発光素子(例えばLED)が内蔵されており、演出役物7は、演出役物7自体の動きと光との両方或いは一方によって各種の演出を行う。演出役物7の概略構成及び動作については、
図4〜
図6に基づいて後に詳述する。
【0030】
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
【0031】
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び十字キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。十字キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
【0032】
[表示器4の構成例]
図3は、
図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、
図3に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、ラウンド表示器48等を有して構成されている。
【0033】
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
【0034】
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
【0035】
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技中の大入賞口13の開放パターンを表示する。
【0036】
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
【0037】
[演出役物7の概略構成]
次に、
図4を参照しつつ、演出役物7の概略構成について説明する。ここで、
図4は、演出役物7の各姿勢と検知信号の状態とについて説明するための説明図である。本実施形態における演出役物7は、略ラグビーボール形状のものであって、その正面側に特定のキャラクタの顔を模した装飾が施されている。この演出役物7は、本実施形態では、上記のキャラクタの顔が首を横に振るような首振り動作と、頭頂部を回動中心として振り子のように左右に揺動する揺動動作との2種類の動作を行えるように構成されている。
【0038】
図4(A)には、演出役物7が初期姿勢に維持された状態が示されている。演出役物7は、上記の揺動動作を行っていないときには、液晶表示装置5に表示されている演出画像の視認性を極力低下させないように、下端部が上端部よりも若干右側に位置するように若干左側に傾いた初期姿勢を維持している(
図4(A)参照)。上記の首振り動作は、演出役物7がこのような初期姿勢に維持された状態で行われる。
【0039】
[第1役物演出の概要]
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、遊技者に大当たりに対する期待感を抱かせるための予告演出として、特別図柄及び装飾図柄が変動表示されているときに、第1役物演出として、演出役物7の首振り動作が行われる場合がある。図には表れていないが、演出役物7は、所定の駆動伝達機構を介して首振り動作用モータ1611(
図8参照)と駆動伝達可能に連結されており、この首振り動作用モータ1611の正転と逆転とを交互に繰り返すことによって、演出役物7が首を振るような首振り動作を行う。このように、演出役物7は、初期姿勢に配置された状態で、首振り動作用モータ1611の駆動力によって姿勢変化する。
【0040】
[第2役物演出の概要]
また、パチンコ遊技機1では、同じく遊技者に大当たりに対する期待感を抱かせるための予告演出として、特別図柄及び装飾図柄が変動表示されているときに、第2役物演出として、演出役物7の揺動動作が行われる場合がある。図には表れていないが、演出役物7は、所定の駆動伝達機構を介して揺動動作用モータ1612(
図8参照)と駆動伝達可能に連結されており、この揺動動作用モータ1612を正転させてから反転させることによって、演出役物7が振り子のように揺動する揺動動作を行う。この揺動動作では、演出役物7は、初期姿勢(第1位置の一例)、原点姿勢(原点位置の一例)、及び回動姿勢(第2位置の一例)の少なくとも3姿勢に姿勢変化可能である。
【0041】
初期姿勢(
図4(A)参照)は、演出役物7の下端部が上端部よりも若干右側に位置する演出役物7の一姿勢である。本実施形態における初期姿勢は、演出役物7の首振り動作の回転軸を垂直にした状態から演出役物7を右側に約5度回動させた姿勢に設定されている。図には表れていないが、演出役物7は、初期姿勢に配置されると、演出役物7の右側に位置するメカストッパとして機能する部材と当接する。このため、演出役物7は、初期姿勢よりも更に右側に揺動した姿勢には姿勢変化できないように構成されている。
【0042】
原点姿勢(
図4(B)参照)は、本実施形態では、演出役物7の首振り動作の回転軸を垂直にした状態から演出役物7を左側に約3度回動させた姿勢に設定されている。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第2役物演出中においては、演出役物7が原点姿勢に配置されたときのステップ数を基準として、揺動動作用モータ1612のステップ数管理が行われる。
【0043】
回動姿勢(
図4(C)参照)は、本実施形態では、演出役物7の首振り動作の回転軸を垂直にした状態から演出役物7を左側に約30度回動させた姿勢に設定されている。なお、
図4(C)に示されている回動姿勢は一例であって、演出役物7は、この回動姿勢よりも更に左側に回動した姿勢にも姿勢変化可能に構成されている。
【0044】
このように、演出役物7は、初期姿勢から原点姿勢を介して少なくとも回動姿勢へと姿勢変化可能に構成されている。
【0045】
図には示されていないが、演出役物7の上方には、原点姿勢検知センサ1632(
図8参照)が設けられている。この原点姿勢検知センサ1632は、演出役物7が原点姿勢(原点位置)に配置されたことを検知するものである。本実施形態では、原点姿勢検知センサ1632として、発光部と受光部とが所定の間隔を隔てて対向配置されたフォトインタラプタが使用される。原点姿勢検知センサ1632では、受光部が受光した光の輝度に応じた信号レベルのセンサ信号(電気信号)が生成され、生成されたセンサ信号がランプ制御基板150に出力される。
【0046】
図には示されていないが、演出役物7の基端部には、第2役物演出中の演出役物7の回動動作に伴って原点姿勢検知センサ1632の発光部と受光部との間の空間を通過する遮光片が設けられている。
【0047】
演出役物7が初期姿勢に配置された状態では、原点姿勢検知センサ1632の発光部から受光部への光路が開放されている。このため、原点姿勢検知センサ1632からHIGH信号が出力される。これに対して、演出役物7が初期姿勢から原点姿勢へと姿勢変化すると、演出役物7の遮光片が原点姿勢検知センサ1632の発光部と受光部との間の空間に進入する。これにより、発光部から受光部への光が遮光片によって遮られて、原点姿勢検知センサ1632から出力されるセンサ信号がHIGH信号からLOW信号に変化する(
図4(A)及び(B)参照)。
【0048】
したがって、ランプ制御基板150のランプCPU151(
図7参照)は、原点姿勢検知センサ1632から出力されるセンサ信号がHIGH信号からLOW信号に変化したか否かに基づいて、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かを判定することが可能である。
【0049】
なお、演出役物7が原点姿勢から回動姿勢へと姿勢変化すると、その途中で原点姿勢検知センサ1632の発光部から受光部への光路が開放されて、原点姿勢検知センサ1632から出力されるセンサ信号がLOW信号からHIGH信号に変化することになる(
図4(B)及び(C)参照)。
【0050】
[揺動動作用モータ1612の駆動制御と原点検知処理について]
図5は、演出役物7の動作制御と原点検知処理との一例について説明するための説明図である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第2役物演出中の揺動動作用モータ1612の駆動制御に関して、第1速度期間、第2速度期間、第3速度期間、原点検知期間(第4速度期間)、加速期間等が設けられている。
【0051】
第1速度期間は、第2役物演出の開始時において揺動動作用モータ1612を第1速度で回転(ここでは正転)させる期間である。具体的には、揺動動作用モータ1612の始動によって揺動動作用モータ1612に過度の負荷が掛からない程度の第1速度で揺動動作用モータ1612を例えば30ステップだけ正転させる期間である。なお、この第1速度期間においては、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かを原点姿勢検知センサ1632からのセンサ信号に基づいて判定する判定処理は行われない。
【0052】
第2速度期間は、第1速度期間に続いて、揺動動作用モータ1612を第2速度で回転(ここでは正転)させる期間である。具体的には、第1速度よりも速い第2速度で揺動動作用モータ1612を例えば30ステップだけ正転させる期間である。なお、この第2速度期間においても、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かを原点姿勢検知センサ1632からのセンサ信号に基づいて判定する判定処理は行われない。
【0053】
第3速度期間は、第2速度期間に続いて、揺動動作用モータ1612を第3速度で回転(ここでは正転)させる期間である。具体的には、第2速度よりも速い第3速度で揺動動作用モータ1612を例えば30ステップだけ正転させる期間である。なお、この第3速度期間においては、本実施形態では、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かを原点姿勢検知センサ1632からのセンサ信号に基づいて判定する判定処理が1回だけ行われる。具体的には、第3速度期間に移行してから揺動動作用モータ1612が20ステップ回転すると、上記の判定処理が行われる。
【0054】
ところで、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かを繰り返し判定しているときには、判定処理を正確に行うことができなくなる等の理由により、揺動動作用モータ1612の回転速度を変化させることができない。このため、揺動動作用モータ1612を始動させるのと同時に演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かの判定を開始してしまうと、演出役物7の始動時の揺動動作用モータ1612の回転速度を低く抑える必要がある関係上、演出役物7が原点姿勢に配置されたと判定されるまでは演出役物7の動作スピードを上げることができず、その結果、演出役物7の動作スピードを所定の速度まで上げるのに必要以上に時間を要してしまうことになる。
【0055】
このため、本実施形態では、演出役物7が原点姿勢に配置されたと判定される可能性が極めて低い第1速度期間及び第2速度期間については、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かの判定処理を行わずに、第1速度期間から第2速度期間へと移行する際と、第2速度期間から第3速度期間へと移行する際に、それぞれ揺動動作用モータ1612の回転速度を上昇させることとしている。
【0056】
原点検知期間(第4速度期間)は、揺動動作用モータ1612を第4速度で回転させると共に、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かの判定を繰り返し実行する期間である。本実施形態では、揺動動作用モータ1612を始動させてからそのステップ数が第1ステップ数(ここでは、30×3=90ステップ)に達すると原点検知期間となる。この原点検知期間は、途中で演出役物7が原点姿勢に配置されたと判定されることがなければ、原点検知期間になってから揺動動作用モータ1612が第2ステップ数(ここでは第1ステップ数と同じ90ステップ)だけ回転するまで継続される(
図5(A)参照)。
【0057】
このように、演出役物7を初期姿勢から姿勢変化させた場合に、揺動動作用モータ1612を90ステップだけ回転させて演出役物7の回動距離が第1距離に達した後は、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かが繰り返し判定される。これに対して、演出役物7を初期姿勢から姿勢変化させた場合に、揺動動作用モータ1612を80ステップだけ回転させて演出役物7の回動距離が第2距離に達すると、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かの判定が1回だけ行われる。
【0058】
この原点検知期間に移行してから揺動動作用モータ1612が第2ステップ数だけ回転するまでに、原点姿勢検知センサ1632から出力されるセンサ信号がHIGH信号からLOW信号に変化して演出役物7が原点姿勢に配置されたと判定された場合、そのときの揺動動作用モータ1612のステップ数が基準ステップ数に設定され、その基準ステップ数を基準として、以降の揺動動作用モータ1612の駆動制御が行われる。本実施形態では、このようにして原点検知期間内に演出役物7が原点姿勢に配置されたと判定された場合、
図5(B)に例示されるように、その時点で原点検知期間が終了して加速期間に移行する。この加速期間は、揺動動作用モータ1612の回転速度を第4速度よりも更に上昇させるための期間である。なお、ここでは演出役物7の原点姿勢が検知されて基準ステップ数が設定済みであるため、この加速期間以降は、少なくとも第2役物演出が終了するまでは、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かを判定する判定処理は行われない。
【0059】
ところで、原点検知期間に移行してから揺動動作用モータ1612を第2ステップ数だけ回転させるまでに演出役物7が原点姿勢に配置されたと判定されない場合には、原点姿勢検知センサ1632が故障している可能性が極めて高く、原点姿勢を検知できない状況では、その後の揺動動作用モータ1612の駆動制御を正確に行うことは不可能である。したがって、原点検知期間に移行してから揺動動作用モータ1612を第2ステップ数だけ回転させるまでに演出役物7が原点姿勢に配置されたと判定されなかった場合には、揺動動作用モータ1612を停止させて、その後の駆動制御を行わないこととしている(
図5(A)参照)。
【0060】
なお、
図5においては、主に原点検知期間における判定処理について説明するために、第3速度期間において行われる判定処理の図示が省略されている。
【0061】
図6は、演出役物7の動作制御と原点検知処理との他の一例について説明するための説明図である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第2役物演出に使用されるのと同じ演出役物7を用いて、上述した第1役物演出が行われる。この第1役物演出が行われた後に第2役物演出が行われる場合、以下のような問題が生じる可能性がある。
【0062】
すなわち、第1役物演出は、演出役物7を初期姿勢に維持した状態で演出役物7に首振り動作を行われる演出であるが、このような演出役物7の首振り動作が行われると、その動作の影響で、第1役物演出の途中で演出役物7の姿勢が初期姿勢から原点姿勢側にずれてしまう場合がある。そして、演出役物7がこのようにして初期姿勢から姿勢ずれした状態で第2役物演出が開始されてしまうと、そのずれ量によっては、
図6に例示されるように、揺動動作用モータ1612の駆動を開始してからそのステップ数が原点検知期間の始期を規定する第1ステップ数(本実施形態では90ステップ)に達する前に演出役物7が原点姿勢になってしまう。この場合、原点検知期間において原点姿勢検知センサ1632からのセンサ信号がHIGH信号からLOW信号へと変化することはなく、原点検知期間中は原点姿勢検知センサ1632からの検知信号がLOW信号からHIGH信号へと変化することになる。また、例えば原点姿勢検知センサ1632の発光部が故障している場合、受光部によって発光部からの光が受光されないため、原点姿勢検知センサ1632からLOW信号が出力され続けることになる。このように、演出役物7が位置ずれした状態で第2役物演出が行われると、原点検知期間中に原点姿勢検知センサ1632からのセンサ信号がHIGH信号からLOW信号へと変化することがなく、LOW信号からHIGH信号に変化するか、或いはLOW信号に固定されたままの状態となるため、原点姿勢検知センサ1632が故障しているか否かに関わらず、原点検知エラーが起こることになる。このような原点検知エラーが起こった場合、そのまま揺動動作用モータ1612を駆動させると揺動動作用モータ1612や演出役物7の駆動伝達機構が故障する可能性があるため、揺動動作用モータ1612が直ちに停止され、揺動動作用モータ1612が停止した状態が維持されることになる。
【0063】
そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、上記のような位置ずれが生じることを考慮して、第3速度期間において、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かを原点検知期間に先立って事前判定することとしている(
図6参照)。具体的には、揺動動作用モータ1612の駆動を開始してからのステップ数が第1ステップ数よりも少ない第3ステップ数(例えば80ステップ)に達した段階で、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かを判定する。ここで、原点姿勢検知センサ1632からHIGH信号が入力されており、演出役物7が原点姿勢に配置されていないと判定された場合には、揺動動作用モータ1612の駆動制御が続行されて演出役物7の姿勢変化が継続される。これは、原点検知期間になってから演出役物7が原点姿勢になる(原点検知期間になってから原点姿勢検知センサ1632からのセンサ信号がHIGH信号からLOW信号に変化する)可能性が高く、また、原点姿勢検知センサ1632が故障している可能性も低いためである。
【0064】
一方、原点姿勢検知センサ1632からLOW信号が出力されており、演出役物7が既に原点姿勢に配置されていると判定された場合、演出役物7が既に原点姿勢になっており(センサ信号がHIGH信号からLOW信号に変化してから演出役物7が更に姿勢変化しており)、また、原点姿勢検知センサ1632が故障している可能性もあるため、揺動動作用モータ1612を停止させることとしている。
【0065】
揺動動作用モータ1612を駆動させてからの総ステップ数が第1ステップ数と第2ステップ数とを足し合わせたステップ数に達したタイミングで原点検知エラーであると判定して揺動動作用モータ1612を停止する場合、演出役物7が液晶表示装置5の表示画面を覆った状態で停止することになり、液晶演出の演出効果を著しく低下させるおそれがある。これに対して、上記の構成によれば、原点検知エラー或いは原点姿勢検知センサ1632の故障を第3速度期間において検知できるため、より早い段階で演出役物7を停止させることができ、液晶表示装置5の表示画面において演出役物7に覆われる領域が大きくなって液晶演出の演出効果が低下するのを効果的に抑制することができる。
【0066】
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。
図7に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されていてもよい。
【0067】
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
【0068】
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ開閉部113、第1ゲートスイッチ114、第2ゲートスイッチ115、大入賞口スイッチ116、大入賞口制御部117、普通入賞口スイッチ118、及び表示器4を構成する各表示器41〜48が接続されている。
【0069】
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ開閉部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。第1ゲートスイッチ114は、遊技球が第1ゲート15を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2ゲートスイッチ115は、遊技球が第2ゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
【0070】
大入賞口スイッチ116は、大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口制御部117は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ118は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は4つの普通入賞口14を有しているため、4つの普通入賞口スイッチ118を備えているが、
図7においては、普通入賞口スイッチ118を1つだけ表記している。
【0071】
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ116、又は普通入賞口スイッチ118からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。
【0072】
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、大入賞口制御部117を介して大入賞口13を開閉して大当たり遊技を実行する。
【0073】
また、メインCPU101は、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17を作動させることにより、第2始動口12を一時的に開放する。
【0074】
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜48に
図3に基づいて上述した処理を実行させる。
【0075】
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
【0076】
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
【0077】
[画像音響制御基板140の構成例]
画像音響制御基板140は、図には示されていないが、統括CPU、制御用ROM、制御用RAM、VDP(Video Display Processor)、音響DSP(Digital Signal Processor)等を有して構成されている。統括CPUは、制御用ROMに記憶されたプログラムに基づいて、演出制御基板130において演出内容が設定された演出を表現する画像や音を制御する際の演算処理を行う。制御用RAMは、統括CPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
【0078】
統括CPUは、演出制御基板130からのコマンド及び制御用ROMに記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDP及び音響DSPに出力することにより、VDP及び音響DSPの動作を制御する。
【0079】
図には示されていないが、VDPは、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示装置5に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、統括CPUからの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングで液晶表示装置5に出力する。
【0080】
図には示されていないが、音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMとが接続されている。音響DSPは、統括CPUからの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
【0081】
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、ランプCPU151、ランプROM152、及びランプRAM153を備えている。ランプCPU151は、ランプROM152に記憶されたプログラムに基づいて、演出役物7、遊技盤2に設けられた盤ランプ25、枠部材3に内蔵された枠ランプ37等の動作又は発光を制御する際の演算処理を行う。ランプRAM153は、ランプCPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
【0082】
ランプROM152には、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、演出役物7に内蔵された発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37等のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、演出役物7の動作パターンを示すデータである。
【0083】
ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM153に読み出して、演出役物7の発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37等の各発光素子の発光を制御する。
【0084】
また、ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM153に読み出して、演出役物7を動作させる各ステッピングモータ(首振り動作用モータ1611と揺動動作用モータ1612)の駆動を制御する。ランプCPU151は、上述した第1役物演出及び第2役物演出を実現するために、役物制御部160(
図8参照)を介して演出役物7の動作を制御する。
【0085】
[役物制御部160の構成例]
図8は、役物制御部160の構成例を示すブロック図である。
図8に例示されるように、役物制御部160は、首振り動作用駆動制御回路1601、揺動動作用駆動制御回路1602、首振り動作用モータ1611、揺動動作用モータ1612、正面姿勢検知センサ1631、原点姿勢検知センサ1632等を有して構成されている。
【0086】
首振り動作用駆動制御回路1601は、演出役物7と駆動伝達可能に連結された首振り動作用モータ1611の駆動を制御する。揺動動作用駆動制御回路1602は、演出役物7と駆動伝達可能に連結された揺動動作用モータ1612の駆動を制御する。
【0087】
ランプCPU151は、ランプROM152から読み出した動作パターンデータに応じたパルス信号を、首振り動作用駆動制御回路1601、又は揺動動作用駆動制御回路1602に出力する。これにより、首振り動作用駆動制御回路1601(又は揺動動作用駆動回路1602)からパルス信号に応じた励磁信号が首振り動作用モータ1611(又は揺動動作用モータ1612)に出力される。これにより、各動作用モータ1611,1612の回転が制御される。
【0088】
正面姿勢検知センサ1631は、演出役物7が正面を向いた正面姿勢(例えば
図4(A)参照)に配置されたことを検知するセンサである。この正面姿勢検知センサ1631は、例えば、演出役物7に設けられた上記の遮光片とは別の遮光片を、演出役物7が正面姿勢に配置された際に検知して、その検知信号をランプ制御基板150へと出力するフォトインタラプタにより構成される。
【0089】
原点姿勢検知センサ1632は、演出役物7が上記の原点姿勢(例えば
図4(A)参照)に配置されたことを検知するセンサである。この原点姿勢検知センサ1632は、上述したように、例えば、演出役物7に設けられた上記の遮光片を、演出役物7が原点姿勢に配置された際に検知して、その検知信号をランプ制御基板150へと出力するフォトインタラプタにより構成される。
【0090】
ランプCPU151は、正面姿勢検知センサ1631の検知結果、首振り動作用モータ1611のステップ数、ランプROM152から読み出した動作パターンデータなどに基づいて、演出役物7に首振り動作を行わせる第1役物演出中の首振り動作用モータ1611の駆動を、首振り動作用駆動制御回路1601を介して制御する。
【0091】
また、ランプCPU151は、原点姿勢検知センサ1632の検知結果、揺動動作用モータ1612のステップ数、ランプROM152から読み出した動作パターンデータなどに基づいて、演出役物7に揺動動作を行わせる第2役物演出中の揺動動作用モータ1612の駆動を、揺動動作用駆動制御回路1602を介して制御する。
【0092】
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、
図9を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、
図9は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、
図9に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、
図9以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
【0093】
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
【0094】
ここで、大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻る。
【0095】
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、
図10に基づいて後に詳述する。
【0096】
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、
図13に基づいて後に詳述する。
【0097】
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
【0098】
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17を作動させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
【0099】
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の処理で大当たりであると判定した場合に、大入賞口制御部117を制御して大入賞口13を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。
【0100】
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
【0101】
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
【0102】
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図10は、
図9のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、
図10に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、
図11に基づいて後に詳述する。
【0103】
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、
図12に基づいて後に詳述する。
【0104】
そして、メインCPU101は、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
【0105】
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図11は、
図10のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。
図11に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
【0106】
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS213〜ステップS216)。
【0107】
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図12は、
図10のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。
図12に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(具体的には第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
【0108】
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
【0109】
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS223〜ステップS226)。
【0110】
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、
図13を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、
図13は、
図9のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
図13に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
【0111】
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
【0112】
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上ではないと判定された場合(ステップS305:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。逆に、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、メインCPU101は、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
【0113】
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。具体的には、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第2特別図柄判定用の保留記憶領域に記憶されている最古の取得情報を判定用記憶領域にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域側にシフトさせる。また、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1特別図柄判定用の保留記憶領域に記憶されている最古の取得情報を判定用記憶領域にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域側にシフトさせる。
【0114】
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す判定図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、
図14に基づいて後に詳述する。
【0115】
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン選択処理については、
図15に基づいて後に詳述する。
【0116】
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で設定した図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
【0117】
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が開始され、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示が開始される。
【0118】
ステップS312の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
【0119】
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
【0120】
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
【0121】
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS309の処理で設定した判定図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この判定図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
【0122】
このように、メインCPU101は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
【0123】
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。
【0124】
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図14は、
図13のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値(メインROM102に記憶されている当選値)と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
【0125】
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
【0126】
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3092:YES)、メインROM102に記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照すると共に、ステップS214又はステップS224の処理で取得した図柄乱数に基づいて、大当たりの種類を決定する(ステップS3093)。具体的には、取得した図柄乱数に対応する図柄を図柄決定テーブルから読み出すことによって、大当たりの種類を決定する。
【0127】
そして、メインCPU101は、決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されて、その図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
【0128】
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3095)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。
【0129】
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図15は、
図13のステップS310における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、
図13のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。
【0130】
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3101:NO)、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数がメインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3103)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3103:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3103:NO)、ハズレ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。
【0131】
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3106)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
【0132】
また、ハズレ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて特別図柄判定の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
【0133】
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
【0134】
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
【0135】
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
【0136】
以下、
図16を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、
図16は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、
図16に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、
図16以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
【0137】
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、
図17に基づいて後に詳述する。
【0138】
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたと判定した場合(ステップS11:YES)、その旨を通知するための操作コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS12)。この操作コマンドが画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信されることによって、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
【0139】
サブCPU131は、演出ボタン26及び十字キー27がいずれも操作されていないと判定した場合(ステップS11:NO)、又はステップS12の処理を実行した場合、送信処理を実行する(ステップS13)。具体的には、ステップS10やステップS12の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯や演出役物7の動作による演出の実行等がランプ制御基板150に対して指示される。
【0140】
ステップS13の処理に続いて、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS14)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板140から送信されるので、そのデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24によって行われている演出と同期するように、演出役物7や盤ランプ25等の演出媒体による演出がランプ制御基板150によって制御される。
【0141】
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
図17は、
図16のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。
図17に例示されるように、サブCPU131は、まず、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、例えば、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて特別図柄の変動時間を特定し、その変動開始コマンドを受信してからその変動時間が経過したか否かに基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する。
【0142】
サブCPU131は、変動演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS101:NO)、ステップS311の処理(
図13参照)に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS102)。ここで、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS102:YES)、上述した乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM133に格納する(ステップS103)。そして、その変動開始コマンドを解析する(ステップS104)。
【0143】
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
【0144】
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、装飾図柄の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS105)。この変動演出パターン設定処理については、
図18に基づいて後に詳述する。
【0145】
次に、サブCPU131は、装飾図柄の変動表示中に実行する各種予告演出の内容を設定する予告演出パターン設定処理を実行する(ステップS106)。この予告演出パターン設定処理については、
図19に基づいて後に詳述する。
【0146】
ステップS106の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS105の処理で設定した変動演出パターンの変動演出の開始、及びステップS106の処理で設定した一部の予告演出の開始を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS107)。この変動演出開始コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが決定された変動演出が、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によって実現されることになる。
【0147】
このステップS107の処理に応じた変動演出は、第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドを受信した場合には、第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が開始されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されるまで行われる。また、第2特別図柄判定に係る変動開始コマンドを受信した場合には、第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示が開始されてから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されるまで行われる。
【0148】
一方、サブCPU131は、変動演出の実行中であると判定した場合(ステップS101:YES)、役物演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS109)。具体的には、変動演出中に第1役物演出又は第2役物演出を行う場合にはその役物演出の種類を示す情報と、役物演出の開始タイミングを示す情報とがステップS106の予告演出パターン設定処理によって設定されるので、サブRAM133に役物演出開始タイミング情報が記憶されており、且つその役物演出開始タイミング情報が示すタイミングであるか否かを判定する。
【0149】
サブCPU131は、役物演出開始タイミングであると判定した場合(ステップS109:YES)、役物演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS110)。この役物演出開始コマンドは、役物演出の開始を指示するコマンドであって、第1役物演出及び第2役物演出のどちらの役物演出の開始を指示するかを示す情報(役物演出種別情報)が含まれる。この役物演出開始コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、第1役物演出又は第2役物演出が開始されることになる。
【0150】
サブCPU131は、ステップS110の処理を実行した場合、又は役物演出開始タイミングではないと判定した場合(ステップS109:NO)、役物演出終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS111)。具体的には、変動演出中に第1役物演出又は第2役物演出を行う場合には、その役物演出の種類を示す情報と役物演出の開始タイミングを示す情報とに加えて、役物演出の終了タイミングを示す情報がステップS106の予告演出パターン設定処理によって設定されるので、サブRAM133に役物演出終了タイミング情報が記憶されており、且つその役物演出終了タイミング情報が示すタイミングであるか否かを判定する。
【0151】
サブCPU131は、役物演出終了タイミングであると判定した場合(ステップS111:YES)、役物演出の終了を指示する役物演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS112)。この役物演出終了コマンドがステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることにより、実行中の役物演出が終了されることになる。
【0152】
サブCPU131は、ステップS112の処理を実行した場合、又は役物演出終了タイミングではないと判定した場合(ステップS111:NO)、ステップS316の処理(
図13参照)に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS113)。ここで、図柄確定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS113:YES)、例えば特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS114)。この変動演出終了コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、ステップS107の処理に応じて開始された変動演出が終了することになる。
【0153】
[演出制御基板130による変動演出パターン設定処理]
図18は、
図17のステップS105における変動演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。ステップS104の処理に続いて、サブCPU131は、
図18に例示されるように、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれているリーチ演出に係る設定情報に基づいて、今回の特別図柄の変動表示に伴ってリーチ有り演出を行う必要があるか否かを判定する(ステップS1051)。
【0154】
サブCPU131は、リーチ有り演出を行う必要がないと判定した場合(ステップS1051:NO)、装飾図柄の変動表示を開始してから終了するまでのリーチ無し演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1052)。
【0155】
サブROM132には、リーチ演出を伴わない変動演出に関して、ハズレリーチ無し演出テーブルが記憶されている。このハズレリーチ無し演出テーブルには、例えば、3秒用、8秒用、18秒用、36秒用というように、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応する演出テーブルが複数設けられている。ステップS1052において、サブCPU131は、これら複数の演出テーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1の演出テーブルを選択する。例えば設定情報に特別図柄の変動時間が3秒であることを示す変動パターンの設定情報が含まれている場合、3秒用の演出テーブルを選択する。
【0156】
各演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。サブCPU131は、乱数更新処理が行われる毎に適宜更新される演出乱数について、上記ステップS103の処理によって変動開始コマンドを受信した時点の値を取得しておく。そして、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。これにより、リーチ演出を含まない変動演出の変動演出パターンが設定される。
【0157】
サブCPU131は、このようにしてステップS1052の処理を行った場合、変動開始コマンドに含まれている図柄の設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において判定図柄が停止表示されるのに伴って液晶表示装置5に停止表示させる装飾図柄を設定する(ステップS1053)。
【0158】
一方、サブCPU131は、リーチ有り演出を行う必要があると判定した場合(ステップS1051:YES)、上記ステップS1052の処理と同様にリーチ有り演出用或いは大当たり用の演出テーブルを用いて、リーチ成立までの変動演出パターンを設定する(ステップS1055)。
【0159】
ステップS1055の処理に続いて、サブCPU131は、例えば遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて、リーチ成立時に有効ライン上において左列及び右列に擬似停止表示させるリーチ図柄を設定する(ステップS1056)。なお、このリーチ図柄は、上記設定情報とは無関係に、演出乱数を用いた抽選処理を行ってランダムに決定するようにしてもよい。
【0160】
ステップS1056の処理に続いて、サブCPU131は、リーチ成立後の変動演出パターンを設定する(ステップS1057)。具体的には、変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、及びストーリーリーチ演出のうちのどのリーチ演出を行うか、ノーマルリーチ演出又はSPリーチ演出を行う場合には変動演出中にストーリーリーチ演出に発展させるか否か等を設定する。
【0161】
このステップS1057の処理が行われた場合、ステップS1052の処理が行われた場合と同様に、上述したステップS1053に処理が進められる。
【0162】
[演出制御基板130による予告演出パターン設定処理]
図19は、
図17のステップS106における予告演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。ステップS105の処理に続いて、サブCPU131は、
図19に例示されるように、役物演出を実行するか否かを判定する(ステップS1601)。具体的には、例えば遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報や、特別図柄の変動パターンの設定情報に基づいて、役物演出を実行するか否かを判定する(ステップS1061)。
【0163】
このステップS1061における判定基準は特に限定されるものではないが、例えば、「大当たり」であることを示す図柄の設定情報が変動開始コマンドに含まれている場合には無条件に役物演出を実行すると判定したり、「ハズレ」であることを示す図柄の設定情報が変動開始コマンドに含まれているとしても特別図柄の変動パターンが特定の変動パターン(例えば変動時間が60秒を超えるような変動パターン)である場合には役物演出を実行すると判定したりするといった判定基準が例として挙げられる。
【0164】
サブCPU131は、役物演出を実行すると判定した場合(ステップS1061:YES)、役物演出種別を設定する(ステップS1062)。具体的には、例えば受信した変動開始コマンドに含まれている図柄の設定情報や特別図柄の変動パターンに基づいて、今回の変動演出中に第1役物演出と第2役物演出とのどちらの役物演出を行うかを決定して、その決定結果を示す情報を設定情報としてサブRAM133にセットする。
【0165】
なお、このステップS1062における決定基準は特に限定されるものではないが、例えば「大当たり」であることを示す図柄の設定情報を含む変動開始コマンドを受信した場合には、第1役物演出よりも第2役物演出の方が選択され易くなるように規定されたテーブルを用いた抽選処理を行って、その抽選結果に基づいて役物演出種別を設定する方法が例として挙げられる。また、「ハズレ」であることを示す図柄の設定情報を含む変動開始コマンドを受信した場合には、第2役物演出よりも第1役物演出の方が選択され易くなるように規定されたテーブルを用いた抽選処理を行って、その抽選結果に基づいて役物演出種別を設定する方法が例として挙げられる。
【0166】
次に、サブCPU131は、役物演出の開始タイミングを設定する(ステップS1063)。具体的には、今回の変動パターンに対して、変動演出を開始してからどれだけの時間が経過したタイミングで役物演出を開始するかを決定して、その決定結果を示す情報を設定情報としてサブRAM133にセットする。そして、同様に、役物演出の終了タイミングを設定する(ステップS1064)。これらの開始タイミング及び終了タイミングは、例えば液晶表示装置5におけるリーチ成立タイミングなどを考慮して、適切なタイミングに設定される。
【0167】
サブCPU131は、ステップS1064の処理を実行した場合、又は今回の変動演出中には役物演出を実行しないと判定した場合(ステップS1061:NO)、擬似連続予告演出やステップアップ予告演出などの他の予告演出に関する設定処理を実行する(ステップS1065)。
【0168】
なお、ここでは、役物演出に関する設定処理を行った後に他の予告演出に関する設定処理を行う場合について説明したが、他の実施形態では、他の予告演出に関する設定処理を先に行い、その設定結果を考慮して、役物演出に関する設定処理を行うようにしてもよい。
【0169】
[画像音響制御基板140による画像音響制御処理]
図20は、画像音響制御処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、
図20に例示されている一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
【0170】
図20に例示されるように、画像音響制御基板140の統括CPUは、まず、ステップS107(
図17参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS501)。ここで、変動演出開始コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS501:NO)、後述するステップS503に処理が進められる。
【0171】
統括CPUは、変動演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS501:YES)、変動演出開始コマンドに含まれている変動演出に関する設定情報及び制御用ROMに記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成し、生成した制御信号をVDP及び音響DSPに出力することによって、VDP及び音響DSPに変動演出を開始させる(ステップS502)。これにより、液晶表示装置5が装飾図柄を変動表示させると共に、スピーカ24がこの演出と同期する演出音を出力する変動演出が開始されることになる。
【0172】
なお、以下に説明する各処理についても、演出制御基板130から受信したコマンド及び制御用ROMに記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成し、生成した制御信号をVDP及び音響DSPに出力することによって実現される。
【0173】
統括CPUは、ステップS502の処理を実行した場合、又は変動演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS501:NO)、ステップS110(
図17参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された役物演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS503)。ここで、役物演出開始コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS503:NO)、後述するステップS507に処理が進められる。
【0174】
統括CPUは、役物演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS503:YES)、役物演出開始コマンドに含まれている役物演出種別情報に基づいて、実行開始が指示された役物演出が第1役物演出であるか否かを判断する(ステップS504)。ここで、実行開始が指示された役物演出が第1役物演出であると判断した場合(ステップS504:YES)、第1役物演出用画像の表示開始を指示するのに必要な制御信号を生成してVDPに出力することにより、第1役物演出用の演出画像の表示を開始させる(ステップS505)。逆に、実行開始が指示された役物演出が第1役物演出ではないと判断した場合(ステップS504:NO)、第2役物演出用画像の表示開始を指示するのに必要な制御信号を生成してVDPに出力することにより、第2役物演出用の演出画像の表示を開始させる(ステップS506)。
【0175】
統括CPUは、ステップS505の処理を実行した場合、ステップS506の処理を実行した場合、又は役物演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS503:NO)、ステップS112(
図17参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された役物演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS507)。ここで、役物演出終了コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS507:NO)、後述するステップS509に処理が進められる。
【0176】
統括CPUは、役物演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS507:YES)、ステップS505の処理又はステップS506の処理によって開始させた役物演出用画像の表示を終了させる(ステップS508)。
【0177】
統括CPUは、ステップS508の処理を実行した場合、又は役物演出終了コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS507:NO)、ステップS114(
図17参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS509)。ここで、変動演出終了コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS509:NO)、後述するステップS511に処理が進められる。
【0178】
統括CPUは、変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS509:YES)、ステップS502の処理によって開始させた変動演出を終了させる(ステップS510)。
【0179】
統括CPUは、ステップS510の処理を実行した場合、又は変動演出終了コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS509:NO)、データ送信制御処理を実行する(ステップS511)。具体的には、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。
【0180】
これに対して、演出制御基板130は、画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24によって行われる演出と同期するように、ランプ制御基板150によって各種演出動作などが制御されることになる。
【0181】
なお、ここでは演出制御基板130から受信したコマンドに基づいて液晶表示装置5で行われる変動演出の制御について説明したが、スピーカ24からの演出音の出力制御は、液晶表示装置5における変動演出と対応したものとなるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0182】
[ランプ制御基板150によるランプ制御処理]
次に、
図21を参照しつつ、ランプ制御基板150において実行されるランプ制御処理について説明する。ここで、
図21は、ランプ制御基板150において実行されるランプ制御処理の一例を示すフローチャートである。ランプ制御基板150は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、演出制御基板130からのコマンド、及び演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信される画像音響制御に関するデータに基づいて、
図21に例示されている一連の処理を一定時間毎に繰り返し実行する。
【0183】
ランプ制御基板150のランプCPU151は、まず、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信された画像音響制御に関するデータを受信するデータ受信処理を実行する(ステップS601)。ランプCPU151は、このステップS601の処理によって受信した画像音響制御に関するデータに基づいて、液晶表示装置5やスピーカ24による演出と同期するように、各種演出手段(演出役物7など)を制御する。
【0184】
ステップS601の処理に続いて、ランプCPU151は、ステップS107(
図17参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS602)。ここで、変動演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS602:YES)、受信した変動演出開始コマンドに対応する発光パターンデータをランプROM152から読み出してランプRAM153にセットすることにより、演出役物7の発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37などの各発光素子の発光パターンを設定する(ステップS603)。そして、セットした発光パターンデータに基づいて、これらの各発光素子の発光制御を開始する(ステップS604)。
【0185】
ランプCPU151は、ステップS604の処理を実行した場合、又は変動演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS602:NO)、ステップS110(
図17参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された役物演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS605)。ここで、役物演出開始コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS605:NO)、後述するステップS611に処理が進められる。
【0186】
ランプCPU151は、役物演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS605:YES)、受信した役物演出開始コマンドに含まれている役物演出種別情報に基づいて、実行開始が指示された役物演出が第1役物演出であるか否かを判断する(ステップS606)。ここで、実行開始が指示された役物演出が第1役物演出であると判断した場合(ステップS606:YES)、第1役物演出制御処理を実行する(ステップS607)。具体的には、受信した役物演出開始コマンドに対応する第1役物演出用の演出役物7の動作パターンデータをランプROM152からランプRAM153に読み出し、読み出した動作パターンデータに応じたパルス信号を首振り動作用駆動制御回路1601に出力する。これにより、上述したように演出役物7に首振り動作を行わせる第1役物演出が行われる。
【0187】
ランプCPU151は、実行開始が指示された役物演出が第1役物演出ではないと判断した場合(ステップS606:NO)、演出役物7に第2役物演出を行わせる第2役物演出制御処理を開始する(ステップS608)。この第2役物演出制御処理については、
図22に基づいて後に詳述する。
【0188】
ランプCPU151は、ステップS607の処理を実行した場合、ステップS608の処理を実行した場合、又は役物演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS605:NO)、ステップS114(
図17参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS611)。ここで、変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS611:YES)、ステップS604の処理で開始した発光制御を終了する(ステップS612)。
【0189】
[ランプ制御基板150による第2役物演出制御処理]
図22は、
図21のステップS608の処理によって開始される第2役物演出制御処理の詳細フローチャートである。この第2役物演出制御処理は、ランプCPU151が受信した役物演出開始コマンドに対応する第2役物演出用の演出役物7の動作パターンデータをランプROM152からランプRAM153に読み出し、読み出した動作パターンデータに応じたパルス信号を、原点姿勢検知センサ1632の検知結果、及び揺動動作用モータ1612のステップ数に応じたタイミングで適宜出力することによって実現される。
【0190】
ランプCPU151は、第2役物演出制御の開始タイミングになると、揺動動作用駆動制御回路1602を介して揺動動作用モータ1612の正転駆動を開始させる(ステップS6081)。この揺動動作用モータ1612の正転駆動は、上述した第1速度にて行われる。
【0191】
ステップS6081の処理に続いて、ランプCPU151は、第1速度期間の終期であるか否かを判定する(ステップS6082)。具体的には、本実施形態では、揺動動作用モータ1612を始動させてからの揺動動作用モータ1612のステップ数が30ステップに達すると第1速度期間が終了して第2速度期間に移行させることになるので、揺動動作用モータ1612を始動させてからの揺動動作用モータ1612のステップ数が30ステップになったか否かに基づいて、第1速度期間の終期であるか否かを判定する。ここで、第1速度期間の終期ではないと判定された場合(ステップS6082:NO)、ステップS6082に処理が戻される。
【0192】
ランプCPU151は、第1速度期間の終期であると判定した場合(ステップS6082:YES)、揺動動作用駆動制御回路1602を介して揺動動作用モータ1612の回転速度を第1速度から第2速度に変更する(ステップS6083)。
【0193】
ステップS6083の処理に続いて、ランプCPU151は、第2速度期間の終期であるか否かを判定する(ステップS6084)。具体的には、本実施形態では、揺動動作用モータ1612を始動させてからの揺動動作用モータ1612のステップ数が60ステップに達すると第2速度期間が終了して第3速度期間に移行させることになるので、揺動動作用モータ1612を始動させてからの揺動動作用モータ1612のステップ数が60ステップになったか否かに基づいて、第2速度期間の終期であるか否かを判定する。ここで、第2速度期間の終期ではないと判定された場合(ステップS6084:NO)、ステップS6084に処理が戻される。
【0194】
ランプCPU151は、第2速度期間の終期であると判定した場合(ステップS6084:YES)、揺動動作用駆動制御回路1602を介して揺動動作用モータ1612の回転速度を第2速度から第3速度に変更する(ステップS6085)。
【0195】
ランプCPU151は、このようにして第3速度期間に移行させると、揺動動作用モータ1612を始動させてからの揺動動作用モータ1612のステップ数が第3ステップ数(本実施形態では80ステップ)であるか否かを判定する(ステップS6086)。すなわち、
図6に例示されている第3速度期間における原点検知に関する判定タイミングであるか否かを判定する。ここで、揺動動作用モータ1612のステップ数が第3ステップ数ではないと判定された場合(ステップS6086:NO)、ステップS6086に処理が戻される。
【0196】
ランプCPU151は、揺動動作用モータ1612のステップ数が第3ステップ数であると判定した場合(ステップS6086:YES)、原点姿勢検知センサ1632から出力されるセンサ信号がLOW信号であるか否かに基づいて、演出役物7が既に原点姿勢に配置されているか否かを判定する(ステップS6087)。
【0197】
ランプCPU151は、原点姿勢検知センサ1632から出力されるセンサ信号がHIGH信号であり、演出役物7が未だ原点姿勢に配置されていないと判定した場合(ステップS6087:NO)、第3速度期間の終期であるか否かを判定する(ステップS6089)。具体的には、本実施形態では、揺動動作用モータ1612を始動させてからの揺動動作用モータ1612のステップ数が90ステップに達すると第3速度期間が終了して原点検知期間(第4速度期間)に移行させることになるので、揺動動作用モータ1612を始動させてからの揺動動作用モータ1612のステップ数が90ステップになったか否かに基づいて、第3速度期間の終期であるか否かを判定する。ここで、第3速度期間の終期ではないと判定された場合(ステップS6089:NO)、ステップS6089に処理が戻される。
【0198】
ランプCPU151は、第3速度期間の終期であると判定した場合(ステップS6089:YES)、揺動動作用駆動制御回路1602を介して揺動動作用モータ1612の回転速度を第3速度から第4速度に変更する(ステップS6090)。
【0199】
ステップS6090の処理に続いて、ランプCPU151は、原点姿勢検知センサ1632から出力されるセンサ信号がHIGH信号からLOW信号に変化したか否かに基づいて、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かを判定する(ステップS6091)。
【0200】
ランプCPU151は、演出役物7が原点姿勢に配置されたと判定した場合(ステップS6091:YES)、揺動動作用モータ1612を始動させてからの現在のステップ数を基準ステップ数に設定して、その設定情報をランプRAM153にセットする(ステップS6092)。
【0201】
ステップS6092の処理に続いて、ランプCPU151は、揺動動作用モータ1612の加速制御を開始する(ステップS6093)。具体的には、揺動動作用駆動制御回路1602を介して、揺動動作用モータ1612の回転速度を第4速度から更に上昇させる。
【0202】
ステップS6093の処理に続いて、ランプCPU151は、演出役物7が原点姿勢に配置されてからの揺動動作用モータ1612のステップ数が所定ステップ数に達したか否かを判定する(ステップS6094)。具体的には、ステップS6092の処理でランプRAM153にセットした基準ステップ数に対して、揺動動作用モータ1612が更に所定ステップ数だけ正転されたか否かを判定する。ここで、揺動動作用モータ1612のステップ数が所定ステップ数に達していないと判定された場合(ステップS6094:NO)、ステップS6094に処理が戻される。
【0203】
ランプCPU151は、揺動動作用モータ1612のステップ数が所定ステップ数に達したと判定した場合(ステップS6094:YES)、揺動動作用モータ1612の定速制御を開始する(ステップS6095)。詳細な説明は省略するが、この定速制御が開始されると、揺動動作用モータ1612の正転及び逆転が交互に繰り返される。
【0204】
ランプCPU151は、ステップS112(
図17参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された役物演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS6096)。ここで、役物演出終了コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS6096:NO)、ステップS6096に処理が戻される。
【0205】
ランプCPU151は、役物演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS6096:YES)、揺動動作用モータ1612を停止させ(ステップS6097)、演出役物7を初期姿勢に復帰させる初期姿勢復帰処理を実行する(ステップS6098)。
【0206】
一方、ランプCPU151は、ステップS6091において、演出役物7が原点姿勢に配置されていないと判定した場合(ステップS6091:NO)、原点検知期間の終期であるか否かを判定する(ステップS6100)。具体的には、本実施形態では、揺動動作用モータ1612を始動させてからの揺動動作用モータ1612のステップ数が
図6に示されている第1ステップ数と第2ステップ数とを加算したステップ数に達すると原点検知期間の最も遅い終期となるので、揺動動作用モータ1612を始動させてからの揺動動作用モータ1612のステップ数が第1ステップ数と第2ステップ数とを加算したステップ数(本実施形態では180ステップ)になったか否かに基づいて、原点検知期間の終期であるか否かを判定する。ここで、原点検知期間の終期ではないと判定された場合(ステップS6100:NO)、ステップS6091に処理が戻される。逆に、原点検知期間の終期であると判定された場合(ステップS6100:YES)、ステップS6101に処理が進められる。
【0207】
ランプCPU151は、演出役物7が原点姿勢に配置されていると判定した場合(ステップS6087:YES)、又は原点検知期間の終期であると判定した場合(ステップS6100:YES)、揺動動作用モータ1612を停止させ(ステップS6101)、例えば液晶表示装置5にエラーメッセージを表示させるための所定のエラー処理を実行する(ステップS6102)。
【0208】
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、演出役物7の移動距離が第1距離に達した後(原点検知期間に移行した後)は演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かが繰り返し判定されるのに対して、演出役物7の移動距離が第1距離よりも短い第2距離に達したこと(揺動動作用モータ1612の始動からのステップ数が第3ステップ数に達したこと)を条件として、上記の判定が事前に行われる。このため、第1距離及び第2距離(本実施形態では、第1ステップ数及び第3ステップ数)を適切な値に設定しておくことにより、原点検知エラーが生じたとしても早い段階で揺動動作用モータ1612を停止させることができるため、演出役物7の揺動動作開始前の位置ずれが原因で生じた原点検知エラーによって液晶演出などの演出の演出効果が低下するのを容易に抑制することができる。
【0209】
ところで、初期姿勢に配置されている演出役物7を姿勢変化させた場合、その姿勢変化の影響で、演出役物7が初期姿勢から原点姿勢側に姿勢ずれしてしまうおそれがある。本実施形態によれば、このような状況下において、演出役物7の動作開始前の姿勢ずれが原因で生じた原点検知エラーによって液晶演出などの演出の演出効果が低下するのを効果的に抑制することができる。
【0210】
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、演出役物7が初期姿勢に配置された状態で演出役物7を姿勢変化させる姿勢変化手段として、首振り動作用駆動制御回路1601及び首振り動作用モータ1611を備えている場合について説明したが、必ずしもこのような姿勢変化手段を備えている必要はなく、本発明は、例えば演出役物7の自重や他の演出役物の動作による振動の影響などによって、演出役物7が揺動動作を開始する前に初期姿勢から原点姿勢側に姿勢変化してしまうような場合にも適用可能である。なお、他の実施形態では、例えば演出役物7をその長手方向に伸縮させる演出役物7の変形手段を備えていてもよい。
【0211】
また、上記実施形態では、揺動動作用モータ1612を第3ステップ数(例えば80ステップ)だけ回転させて演出役物7の移動距離(本実施形態では演出役物7の先端部の回動距離)が第2距離に達したことを条件として演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かの判定を行い、揺動動作用モータ1612を第1ステップ数(例えば90ステップ)だけ回動させて演出役物7の移動距離(本実施形態では演出役物7の先端部の回動距離)が第1距離に達した後は判定処理を繰り返し実行する場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、演出役物7の揺動動作開始前の姿勢のずれ量に応じて、第3ステップ数や第1ステップ数を他の値に設定してもよい。また、上記実施形態では、演出役物7の回動距離が第2距離に達したことを条件として上記の判定を1回だけ行う場合について説明したが、他の実施形態では、この判定を複数回行うようにしてもよい。
【0212】
また、上記実施形態では、演出役物7が原点姿勢に配置されたか否かを繰り返し判定する前に演出役物7の動作速度をできるだけ上昇させておくために、第1速度期間から第3速度期間の3つの速度期間が設けられている場合について説明したが、速度期間の数はこれに限定されるものではなく、4つ以上の速度期間が設けられていてもよいし、1又は2つの速度期間が設けられていてもよい。また、他の実施形態では、第3速度期間だけでなく、第2速度期間においても事前判定を行うようにしてもよい。
【0213】
また、上記実施形態では、本発明の演出役物が揺動動作を行う演出役物7である場合について説明したが、演出役物は、例えばスライド移動するような演出役物であってもよい。すなわち、演出役物の動作態様は、どのようなものであっても構わない。
【0214】
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。