【実施例3】
【0034】
[乾燥試験の実験の詳細]
「30SPFの日焼け止め含有の瘢痕用シリコーンゲル」の詳細
上の実施例1に記載の「30SPF日焼け止めシリコーン瘢痕用ゲル」は、以下のFDAに認可された日焼け止め活性成分:10.0%のオクトクリレン、7.5%のオクチノキサート、5.0%のオクチサレート、及び6.0%のオキシベンゾン、を添加した「コントロール処方の瘢痕ゲル」の成分を含有する。更に、エモリエントエステルである、8.0%のミリスチレン酸イソプロピルを分散剤として添加した。
【0035】
「1%の酢酸ヒドロコルチゾン含有の瘢痕用シリコーンゲル」の詳細
上の実施例2に記載の「1%のヒドロコルチゾンシリコーン含有の瘢痕用ゲル」は、FDAに認可された抗炎症薬、1%重量/重量の酢酸ヒドロコルチゾンを添加した「コントロール処方の瘢痕ゲル」の成分を含有する。また、5.0%のプロピレングリコール(保湿剤と皮膚調整剤)及びソルビトールの異性体の無水物のジメチルエーテルである溶媒である10.0%のジメチルイソソルビドを、酢酸ヒドロコルチゾンの皮膚浸透をより良くするのに用いた。
【0036】
[手順]
30個のプラスチックの秤量ボートにラベルを貼り、O’Haus EPI 14化学てんびんで正確に計量した。「コントロール処方の瘢痕ゲル」のサンプルを、プラスチックの秤量ボート上の薄膜に塗り広げ、初期重量を記録した(T=0)。35℃に設定したLunaire社の人工気候室に、このサンプルを置き、それから取り出して、5、10、40、60、180、240、300及び1440分間隔で秤量した。このプロセスを、「30SPF日焼け止め剤含有の瘢痕用シリコーンゲル」と「1%の酢酸ヒドロコルチゾン含有の瘢痕用シリコーンゲル」について繰り返した。この比較試験の結果を、以下の表1−コントロール処方の瘢痕ゲルの蒸発試験の結果;表2−30SPF日焼け止め剤含有のシリコーンゲルの蒸発試験の結果、及び表3−1%の酢酸ヒドロコルチゾンシリコーン含有のゲルの蒸発試験の結果に載せた。各表から得られたデータは、
図1に一覧にして示した。
【0037】
[使用した器具]
(30)5.25”×3.50”×1.0”のプラスチックの秤量ボート
(1)目盛り付きのO’Haus EPI 14 Explorer Pro 化学てんびん
(1)35℃に設定したLunaire社の型番号GEO932M−4の人工気候室
【0038】
[結果]
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
[計算]
以下のように重量損失パーセントの値を計算した:
【数1】
【0042】
nは、5、10、40、60、180、240、300、及び1440分に記録した重量である。
【0043】
例:「T=5分のときの1%の酢酸ヒドロコルチゾンシリコーンゲル」の重量損失パーセントを、これに沿って決定する。
【数2】
【0044】
適切な時間間隔(5,10、40、60、180、240、300、及び1440)における、3つの製品のそれぞれの重量損失パーセントの値の平均値を求め、図に示した、
図1を参照されたい。
【0045】
[計算]
1.コントロール処方の瘢痕ゲル、「30SPFの日焼け止め含有の瘢痕用シリコーンゲル」及び「1%の酢酸ヒドロコルチゾン含有の瘢痕用シリコーンゲル」は、全て180分のところで比較的安定な乾燥重量に達した。
【実施例4】
【0046】
[SPF試験の実験の詳細]
タイトル: 日焼け止め剤を含有する処方箋の静的日焼け防止指数(SPF)の評価
目 的: FDAの最終医薬品基準に準じて、店頭販売(OTC)の日焼け止め剤を含有する処方箋と8%のホモサラート規格(HMS)の静的SPFを、ボランティア人材において測定する。
試験製品: 試験調合物−SPF30と予想される
試験様式: 非ランダム化、盲検評価
結 果: 5対象が試験を完了した。試験の調合物である、試験製品の平均SPFは、33.1(n=5,標準偏差=2.0)であった。試験製品は、静的SPF30+
1とラベルする条件である、FDAの最終医薬品基準を満たす。
有害事象: 有害事象は報告されなかった。
【0047】
[概要]
試験の一日目に、各対象に、キセノンアーク太陽シミュレータから背中の非保護の部位に、一連のUVを投与した。二日目に、暴露部位の周辺に伸びる、軽度の紅斑を生成するUV最小投与量として、最小紅斑量(MED)を決定した。次いで、100mgの試験製品と100mgのHMS規格品を、背中の隣接する50cm
2面積に塗り広げた(8%のホモサラート(HMS)規格品は、ニュージャージー州、フェアフィールド、コスメテック ラボラトリーズ株式会社により提供された)。
【0048】
試験製品は、SPF30と予想され、HMS規格の日焼け止め剤は、SPF4と予想された。15分の乾燥期間の後、日焼け止め剤で保護した試験領域に、SPF30を塗布したときのMEDの0.76乃至1.32倍のUV線量を投与した。HMS規格の日焼け止め剤で保護した領域に、MEDと4の製品の0.64乃至1.56倍のUV線量を投与した。第二の保護されていない部位にも、一連のUV線量を投与した。三日目に、日焼け止めで保護した部位と保護しない部位のMEDを測定した。各日焼け止め剤のSPFは、最終的なMEDに対する、各日焼け止め剤で保護した部位のMEDの比として計算する。
【0049】
FDA日焼け止め医薬品基準1に準じる、静的な日焼け止め指数を決定する詳細な手順をプロトコルで述べる。
【0050】
ランプ1、2、7、8、10、13及び14に関する較正の詳細をランプ較正に示す。
【0051】
FDA最終医薬品基準に準じて、ラベル表示されたSPFを、以下のように計算する:
ラベル表示されたSPF=平均SPF値−A
小数点一位を切り捨てる。
SPF値>31のときは、試験製品を、SPF30+とラベル表示する。
ここでは、A=ts/sqrt(n)であり、95%の信頼区間を意味する。
t=生徒の分布の上位5%
s=標準偏差
n=対象の数
【0052】
パネルが有効なときは、HMS規格の日焼け止め剤のSPFが、予想されるSPF(すなわち、4.47±1.279)の標準偏差内にあり、HMS規格の日焼け止めの平均SPFに関して95%の信頼区間は、値4を含むはずである。
【0053】
[結果]
インフォームドコンセントを書面で提出した、男性2人と女性3人の5人の対象が、試験を終えた。全ての手順を終えた対象は、皮膚のタイプがIの人を2人、皮膚のタイプがIIの人を2人、及び皮膚のタイプがIIIの人を1人含んでいた。年齢は、21才乃至38才で、平均年齢は30.4才であった(n=5、標準偏差=7.1)。対象の層と静的SPFの結果を表4に挙げる。
【0054】
試験の調合物である、試験製品の平均静的SPFは、33.1であった(n=5、標準偏差=2.0)。HMS規格の平均SPFは、4.4(n=5、標準偏差=0.4)であった。
【0055】
[プロトコルからの逸脱]
プロトコルからの逸脱が、対象04で報告された。反復MEDと最終SPF評価は、22時乃至24時以外の時間枠(各々21時50分と21時54分と)で行った。プロトコルからの逸脱は、試験の結果に影響を与えなかった。
【0056】
[登録]
対象03は、一日目の手順中に、禁止薬物を理由に資格を剥奪され、対象05と対象06は、手順誤りを理由に資格を剥奪された。これらの対象のデータを、この報告に含まなかった。
【0057】
【表4】
対象03−禁止薬物服用により資格剥奪
対象05−手順誤りにより資格剥奪
対象06−手順誤りにより資格剥奪
【0058】
[結論]
参考文献の試験調合物である試験製品は、静的SPF30+
1とラベルする条件である、FDAの最終医薬品基準を満たす。
【0059】
[参考文献]
1.米国の食品及び薬物の投与;店頭販売のヒト用日焼け止め薬物製品;最終医薬品基準;21CRF部分310、352、700及び740。Federal Register 64(98)、1999年5月21日、27666−27693頁。
【0060】
[プロトコル]
目 的: FDAの最終医薬品基準
1に準じる、店頭販売(OTC)の日焼け止め剤含有の処方箋の静的SPFを測定する。
試験製品: SPF30と予測
試験様式: 非ランダム化、盲検評価
対 象: 皮膚のタイプI、II及び/又はIII
1を有する、5人の男性及び/又は女性の条件を満たしたボランティアが、試験製品を終える。スポンサから許可を得て、最大20人の追加の対象を登録し、FDA最終医薬品基準試験
1の条件を満たした。
【0061】
[序論]
FDA最終医薬品基準
1には、静的日焼け防止指数を決定する手順が記載されている。静的SPFは、日焼け止めで保護された皮膚と保護されていない皮膚の紫外線放射の最小紅斑量の比率により定義される。最小紅斑量(MED)は、投与の22乃至24時間後に、境界がはっきりと明確な軽度の紅斑(日光皮膚炎)を生じさせる紫外線(UV)の吸収量である。太陽放射を模したキセノンアークランプを用いて、時間を決めてUV放射量を投与した。技術者は、較正済みの放射計を用いて太陽シミュレータの出力を測定して、紅斑的に効果的な放射照度が一定であることを保証した。紅斑に効果的な放射照度の測定値を記録した。
【0062】
[目的]
この試験の目的は、FDA最終医薬品基準
1に準じて、店頭販売(OTC)の日焼け止め剤含有の処方箋の静的SPFを測定することであった。
【0063】
[様式]
非ランダム化、盲検評価をした。
【0064】
[対象]
最大25人の健康な男性と女性のボランティアを含む対象は、1製品につき皮膚タイプI、II及び/又はIII
1に関して試験を終えた(下記を参照されたい)。
【表5】
*対象によって報告された、1時間の夏の日光暴露に対する反応
【0065】
対象は、試験に参加する前1週間内及び試験参加中に使用したOTC又は処方薬を報告した。対象は、以下の基準も満たした。
【0066】
[試験対象患者基準]
・法的効力のある書面によるインフォームドコンセントを提出する、18才以上の者
・試験の約束を守り、指示に従う意思があり、かつこれらをできる者
・全般的に健康である者
・試験の間は、日光や日焼けランプを避ける意思のある者
【0067】
[除外基準]
・UV放射に対する異常反応歴又は試験製品の任意の成分に対して異常な反応歴を有する者
・日光皮膚炎、日焼け、活発な真皮の病変、まだらな肌の色合い、又は母斑、傷、若しくはホクロなど試験の手順を妨害する可能性のある任意の疾患を有する者
・例えば、光感受性物質、抗ヒスタミン、鎮痛薬、又は抗炎症薬など、試験結果に影響を及ぼす可能性のある任意の薬物を使用する者
・妊娠、授乳、又は試験に参加することにより危険性が高まる可能性のある状態にある者
・過去3ヶ月において、日焼け用ベッド又は日焼けランプに暴露した者
【0068】
[試験手順]
全ての手順(製品塗布、UV線量、及び評価)を、対象の同じ部位で行なった。
【0069】
[1日目]
[対象の登録]
候補となった対象は、試験室に出向いて、試験の手順について完全な説明を受けた。対象が、この試験の条件に賛同し、参加を希望した場合は、同意書及び健康に関する個人情報の公開を承認する署名を行い、簡単な薬物歴書を提供した。まだらな皮膚色及び傷はないか、背中、ベルトライン、及び肩甲骨を、ウッドランプを用いて検査した。技術者は、対象の問診票に記入し、条件を満たす対象を試験に登録した。対象の番号を試験の登録順に割り当てた。
【0070】
[MED線量投与]
時間を定めたUV線量を5回連続で、25パーセントずつ増量して、背中、肩甲骨の真下、及びベルトラインの上に投与した。MEDのUV線量、時間線量が終わったら、ランプの測定値をMEDフォームに表示した。
【0071】
UV暴露、光感受性物質、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、及び抗炎症剤を避けるよう、対象に指示し、かつUV線量完了の22時乃至24時間後に試験室に戻るよう指示した。
【0072】
[2日目]
[MED決定]
対象は、反応の評価のために、MED線量の完了の22時乃至24時間以内に試験室に戻り、非指示的に質問されて、服薬順守を評価され、併用薬を同定され、有事事象を観察される。訓練を受けた評価者による、UVの暴露部位の反応を、450乃至550ルクスの温蛍光又はタングステン照明下で、表6に示す評価基準を用いて等級分けした。
【0073】
【表6】
【0074】
少なくとも2(明らかに明確な境界を有する軽度の紅斑)の等級の紅斑を生じさせる、一連のうちの第一暴露部位としてMEDを決定した。紅斑の等級の進行は、投与されたUV線量と一致した。
【0075】
日焼け反応があると判断されたら、対象は、おそらくタイプIVであり、試験に適任ではない。このケースでは、この対象を、試験から除外し、交替させた。各UV暴露部位の等級、すべてのコメント、及び評価時間を記録した。
【0076】
実際のスケジュールで必要であれば、対象は、その時に試験室を離れ、2日目の処置を終えるべく1週間以内に戻ることが許可された。
【0077】
[SPF決定のための製品の塗布]
試験の参加を中断していた場合は、この対象は、非指示的に質問されて、服薬順守を評価され、併用薬を同定され、有事事象を観察される。
【0078】
試験の技術者は、テンプレートと消えないマーカーを用いて、ベルトラインと肩甲骨の間の、対象の背中上の指定箇所に50cm
2の矩形を複数描いた。次いで技術者は、100mgの試験製品をその指定された矩形内に塗布し、100mgのHMS規格を隣接する矩形に塗布した。材料を領域全域にわたり「点々と」をつけ指サックを用いて全域に均一な膜が塗布されるまで優しく伸ばすことにより、この日焼け止め剤を塗布した。
【0079】
技術者は、製品処方指示書、試験の部位の位置、及び塗布した時間を記録した。
【0080】
[静的SPF決定用のUV線量]
少なくとも15分かけて、技術者は、時間を定めたUV線量を、徐々に増やしながら続けて7回、試験製品で処理した部位に投与した。この一連の線量は、各試験製品の予想されるSPFの製品、対象のMED、及び以下の数字によって決定した。
【表7】
【0081】
技術者は、各試験製品につき、完了した回数及びランプの効果的な放射照度の測定値を記録した。
【0082】
[HMS規格用UV線量]
少なくとも15分かけて、技術者は、時間を定めたUV線量を、徐々に増やしながら続けて7回、HMS規格部位に投与した。一連の線量は、HMS規格SPF(4)の製品、対象のMED、及び以下の数字により決定した。
【表8】
【0083】
技術者は、HMS規格用のUV線量、完了した回数及びランプの効果的な放射照度の測定値を記録した。
【0084】
[反復MED決定用のUV線量]
技術者は、背中の非保護領域に、時間を定めたUV線量を続けて5回、25パーセントずつ増やして投与した。一連の5回の線量は、以下に示す中心の当初MEDを含んでいた。
【表9】
【0085】
反復MED用のUV線量、完了した回数及びランプの効果的な放射照度測定値を記録した。
【0086】
技術者は、静的SPF用のUV線量、HMS規格のSPF、及び反復MEDの完了後22時間乃至24時間以内に、評価のために試験室に戻るよう対象に指示した。
【0087】
[3日目]
[静的SPF及び反復MED用のUV線量に対する反応の評価]
対象は、試験室に戻ると、非指示的に質問されて、服薬順守を評価され、併用薬を同定され、有事事象を観察された。製品の塗布又はUV線量の投与に関与していない、訓練を受けた評価者が、表6に表示した基準を用いて、UV線量を受けた全ての部位を等級分けした。試験製品を塗布して、UV線量を投与した技術者は、評価者を補助することは許可されたが、この技術者が、UV反応の等級について、評価者に影響を与えることは許可されなかった。日焼け止め剤が処理された全ての部位の反応の等級を記録した。
【0088】
[SPFの計算]
技術者は、上記のように反復MEDを決定して、各対象のSPF値を計算した。
【0089】
反復MEDが決定できない場合、最終MEDが反復MEDされた。このケースでは、初期MEDを、最終MEDとして使用する。
【0090】
SPF値を、最終MEDに対する、日焼け止め剤で保護した部位のMEDの比率として計算した。
【0091】
ラベルされたSPFを、20人の対象に基づいて、以下のように算出した。
平均SPF値−A
(小数第一位を切り捨てる)
ここでは、A=ts/sqrt(n)
t=生徒の分布の上位5%
s=標準偏差
n=対象の数
【0092】
パネルが有効であるときは、HMS規格の日焼け止め剤のSPFが、予想されるSPF(すなわち、4.47±1.279)の標準偏差内にあり、HMS規格の日焼け止め剤の平均SPFに関する95%の信頼区間は、値4を含むはずである。
【0093】
[有事事象]
あらゆる有事事象を、対象のファイルと、必要に応じて得られる即時の治療において記録した。致命傷である又は緊急処置と定義されるいかなる深刻な有事事象も、24時間以内にスポンサーに報告した。全ての有事事象を、スポンサーに報告した。
【0094】
[対象の交替]
服薬順守をしない又は有事事象により不適格と見なされた対象を全て交替させた。対象のデータに、SPF値に関して望み通りの計算ができない理由がある場合は、その対象を交替させることになっていた。
【0095】
[参考文献]
1.米国の食品及び薬物の投与;店頭販売のヒト用日焼け止め薬物製品;最終医薬品基準;21CRF部分310、352、700、及び740。Federal Register 64(98)、1999年5月21日、27666−27693頁。
【0096】
【表10】