(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えば歯車切削盤やフライス盤等の多くの切削機械、および平面研削盤、円筒研削盤等の研削機械では、切削(研削)加工時に切削工具(ツール、砥石等)や切削(研削)対象(加工物、ワーク)に向って切削油(クーラント)を噴射することによって潤滑および冷却を行うとともに、切削屑(切り子)を洗浄(除去)している。加工に供給された切削油には多量の切削屑が混入し、切削や研削に伴う加工熱により切削油の温度が上昇するため、これらの加工機械に付設された切削油循環装置によって濾過および冷却されてから再び加工機械に供給される。このような切削油循環装置には濾過タンクが設けられており、加工機械に供給されて切削屑が混入した切削油が濾過タンクの内部で濾過されて加工機械に再循環される。
【0003】
切削油循環装置に設けられた濾過タンクの従来例として、特許文献1に開示されているものがある。この濾過タンク(濾過器)は、タンク状の容器の内部に水平に設けられた多孔板の上部に数本の支持棒が平行に架設され、これらの支持棒の上に面状濾過部材が弛みを持って多孔板の上面に接触するように載置されている。このため、面状濾過部材は側面視で上下に蛇行している。この面状濾過部材の上方の空間がクリーンサイド、下方の空間がダーティーサイドとなっており、加工機械に供給されて切削屑が混入した高温な切削油がクリーンサイドに流入し、面状濾過部材によって濾過されてからクリーンサイドに流れ落ち、再び加工機械に供給される。
【0004】
上記のように、面状濾過部材を濾過タンクの内部で上下に蛇行させて設けたことにより、面状濾過部材の表面積を濾過タンクの面積よりも大幅に増大させることができ、これによって切削油の濾過効率(濾過流量)を向上させて大型の加工機械にも対応できるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このように面状濾過部材を上下に蛇行するように濾過タンクの内部に設けても、より大型の加工機械や、複数の加工機械に対応するのには限界があり、そのためには切削油循環装置を大型化せざるを得なかった。また、上下に蛇行するように設けられた面状濾過部材の面積が大きいことから、濾過性能が高いことと引き換えに、この大面積な面状濾過部材を交換する際における交換作業が大掛かりになるという課題があった。さらに、面状濾過部材の交換直後と交換直前とでは、その濾過性能に大きな差が生じるため、切削油の濾過品質に差が出るという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、切削油等の循環液体の濾過能力および冷却能力を高めて、大型の機械類、あるいは複数の機械類における切削油等の循環液体の濾過および温度制御を可能にする、もしくは同程度の濾過能力を得ながら、単位濾過部材面積あたりの設置面積を小さくして小型化を図り、併せて濾過部材の交換の手間を省き、濾過された循環液体の品質を一定に保つことのできる循環液体濾過装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明
の第1態様に係る循環液体濾過装置は、工作機械および油圧機器における潤滑、冷却および作動用の循環液体を濾過および温度管理して再循環させる循環液体濾過装置であって、前記循環液体が貯留される濾過タンクと、前記濾過タンクに前記循環液体が流入する流入部と、前記濾過タンクから前記循環液体が流出する流出部と、前記濾過タンクの内部空間を上下に区画し、その上方の空間を前記流入部に繋がるダーティーサイド、下方の空間を前記流出部に繋がるクリーンサイドとするロールシート状の濾過部材と、前記クリーンサイドに配設されて前記循環液体の温度を制御する温度制御管と、を具備し
、前記濾過部材は、前記濾過タンクの水平方向一端側から他端側に向かって上下に蛇行するように配設され、前記温度制御管は、前記濾過部材の蛇行形状の谷間の空間に配置され、平面視で前記濾過タンクの幅方向に蛇行しつつ、側面視で高さ方向に蛇行して3次元的に湾曲し、その山形に突出した部分が前記濾過部材の蛇行形状の谷間の空間に入り込む形状になっていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、濾過タンク内部で循環液体の温度が制御されるため、従来では濾過タンクの外部に別設されていた温度制御用のタンクを省くことができ、これによって循環液体濾過装置のコンパクト化を図ることができる。また、温度制御管はダーティーサイドではなくクリーンサイドに設けられており、濾過部材を透過した後の循環液体の温度が制御されるため、例えば循環液体が冷却されてその粘性が高まっても、濾過部材における透過率、即ち濾過能力が低下することがない。
したがって、切削油等の循環液体の濾過能力を高め、濾過部材の交換の手間を省き、濾過された循環液体の品質を一定に保つことができる。あるいは、従来と同程度の濾過能力を得ながら、単位濾過部材面積あたりの設置面積を小さくして循環液体濾過装置の小型化を図ることができる。
また、上記構成によれば、クリーンサイドのスペースを有効に利用して、濾過タンクの高さ方向の寸法を大きくすることなく充分な長さの温度制御管を配設することができ、これによって切削油循環装置のコンパクト化を図ることができる
。
【0010】
また、本発明に係る循環液体濾過装置は、前記第
1の態様において、前記濾過部材は、前記濾過タンクの水平方向一端側から他端側に向かって上下に蛇行するように配設され、前記流入部は、上下に蛇行する前記濾過部材の谷間部分の上に前記循環液体を放流する複数の放流部を備えていることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、スラリー状の切削屑が混合したような切削油を濾過部材の全面に亘って均一に透過させることができ、濾過効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明に係る循環液体濾過装置によれば、切削油等の循環液体の濾過能力および冷却能力を高めて、大型の機械類、もしくは複数の機械類における切削油等の循環液体の濾過および冷却を可能にする、もしくは同程度の濾過能力を得ながら、単位濾過部材面積あたりの設置面積を小さくして小型化を図り、併せて濾過部材の交換の手間を省き、濾過された循環液体の品質を一定に保つことができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態について、
図1〜
図10を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る切削油循環装置(循環液体濾過装置)の概念的な全体構成図である。この切削油循環装置1は、例えば歯車研削盤、フライス盤、旋盤、研削盤といった各種の加工機械2(工作機械)に付設され、これらの加工機械2に供給される潤滑、洗浄および冷却用の切削油3(循環液体)を濾過および温度管理して再循環させる装置であり、クリーンタンク4と、ダーティータンク5と、濾過タンク6と、複数のポンプP1〜P4を備えて構成されている。クリーンタンク4は、加工機械2に供給される前の清浄な切削油3を貯留するタンクであり、ダーティータンク5は、加工機械2に供給された後の汚れた切削油3を貯留するタンクであり、濾過タンク6は、ダーティータンク5から送られる汚れた切削油3を濾過するとともに冷却等の温度管理を行うタンクである。
【0019】
クリーンタンク4に貯留された清浄な切削油3は、ポンプP1,P2により、それぞれ加工機械2に設けられた図示しない潤滑ノズル、洗浄ノズルから噴射されて切削加工に供給される。このように使用された切削油3は、切削加工に伴う多量の切削屑が混入して汚れ、且つ温度が上昇した状態でダーティータンク5に送られる。
【0020】
ダーティータンク5に送られた切削油3は、後述するように、ダーティータンク5の内部に仕切板27で形成された迷路構造によって切削屑等の異物を大まかに除去されてからポンプP3に吸引されて濾過タンク6に送られる。濾過タンク6には、その上部と下部に、それぞれ切削油3が流入する流入部8と切削油3が流出する流出部9が設けられている。また、濾過タンク6の内部空間はロールシート状の濾過部材11(フィルタ)よって上下に区画され、濾過部材11の上方の空間が流入部8に繋がるダーティーサイドDS、濾過部材11の下方の空間が流出部9に繋がるクリーンサイドCSとなっている。
【0021】
濾過部材11は、後に詳述する濾過部材送給機構12によって濾過タンク6の水平方向一端側から送り出され、濾過タンク6の内部を上下左右に蛇行しながら通過し、濾過タンク6の水平方向他端側で回収されるようになっている。また、濾過タンク6の上面には、濾過タンク6内の切削油3の温度管理を行うチラー14が載置され、このチラー14から延出する温度制御管15がクリーンサイドCS内に配設されている。流入部8から濾過タンク6のダーティーサイドDSに流入した切削油3は、濾過部材11を透過することによって細かい切削屑まで完全に除去されてクリーンサイドCSに流れ、ここでさらに温度制御管15に触れることによって温度を制御(例えば冷却)された後、ポンプP4に吸引されて流出部9から流れ出し、クリーンタンク4に還流して加工機械2に再循環される。
【0022】
〔第1参考実施形態〕
図2は、本発明の第1参考実施形態を示す濾過タンク6Aの縦断面図である。
この濾過タンク6Aにおいて、流入部8と流出部9は、それぞれ濾過タンク6Aの水平方向一端側と他端側に設けられている。本参考実施形態では、例えば流入部8が濾過タンク6Aの上面の一端側に設けられ、流出部9が流入部8に対して反対側となる濾過タンク6Aの側面下部から水平に延出するパイプ状に設けられている。なお、流出部9は濾過タンク6Aの底面よりも少し高い位置に設けられ、濾過タンク6Aの底面に溜まった微細な異物やスラッジ等が流出部9から流出しないようになっている。
【0023】
前述したように、濾過タンク6Aの内部に配設されたロールシート状の濾過部材11により、濾過タンク6Aの内部空間が、上側のダーティーサイドDSと、下側のクリーンサイドCSとに区画されている。濾過部材11は、濾過部材送給機構12により、矢印「→」で示すように濾過タンク6Aの水平方向一端側、特に本参考実施形態では流出部9が設けられている端部側から送り出されて、濾過タンク6Aの水平方向他端側、即ち流入部8が設けられている端部側に向かって送給される。この送給は、常時少しずつ連続的に行ってもよいが、通常は固定されていて、所定のタイミングで濾過タンク6Aの内部スパン分が一斉交換される。その交換頻度は、加工機械2の可動状況に応じて適宜調整される。
【0024】
濾過部材送給機構12は、流出部9の上方に設置されて濾過部材11のロール11aを保持するロール保持部18と、このロール保持部18が設けられた側とは反対側(流入部8側)となる濾過タンク6Aの端部に設けられた繰出しローラ19および濾過部材回収部20と、濾過タンク6Aの内部に架設された例えば9本のガイドローラ21とを備えて構成されている。繰出しローラ19とガイドローラ21は、濾過タンク6Aの幅方向に架設され、ガイドローラ21は側面視(
図2参照)において濾過タンク6Aの長手方向(
図2に向かって左右方向)に沿って上下に蛇行するように、1つおきに上下に異なる高さで配置されている。
【0025】
濾過部材11は、ロール11aから引き出された後、最も流出部9に近いガイドローラ21の下側をくぐり、以後、上側のガイドローラ21の上方と下側のガイドローラ21の下方を交互に通ることにより濾過タンク6A内を上下に蛇行しながら流出部9側に進み、最後に繰出しローラ19を経由して濾過部材回収部20の内部に折り畳まれて回収される。濾過部材11は濾過タンク6A内で上下に蛇行するものの、その側面視における平均送給軌道L1は水平である。なお、
図1に示すチラー14と温度制御管15は
図2において省略されている。
【0026】
以上のように構成された濾過タンク6Aは、その内部空間をダーティーサイドDSとクリーンサイドCSに区画するロールシート状の濾過部材11が、濾過部材送給機構12によって濾過タンク6Aの水平方向一端側から送り出され、濾過タンク6Aの内部を上下に蛇行しながら通過し、濾過タンク6Aの水平方向他端側で回収されるように構成されている。このように、濾過部材11が濾過タンク6Aの内部を上下に蛇行するように配置され、且つこの濾過部材11が濾過タンク6Aの水平方向一端側から他端側に向かって送られる構成であることにより、濾過タンク6Aの内部における濾過部材11の表面積を大きくするだけでなく、濾過部材11のメッシュが切削屑により詰まれば、濾過部材11を矢印「→」の向きに一定量巻き取ることにより適宜清浄な濾過部材11を濾過タンク6Aの内部に送り込むことができる。濾過部材11は、濾過部材送給機構12によって自動的に給送および回収されるため、濾過タンク6Aを開けて濾過部材11を交換する手間が掛からない。
【0027】
したがって、濾過タンク6Aにおける切削油3の濾過能力を飛躍的に高めるとともに、濾過部材11の交換の手間を省き、濾過された切削油3の品質を一定に保つことができる。これにより、大型の切削機械、もしくは複数の切削機械の切削油を濾過および冷却することができる。あるいは、従来と同程度の濾過能力を得ながら濾過部材11の面積を小さくして濾過タンク6Aの設置面積を小さくし、切削油循環装置1全体の小型化を図ることができる。
【0028】
しかも、濾過タンク6Aの流入部8と流出部9が、それぞれ濾過タンク6Aの水平方向一端側と他端側とに設けられ、濾過部材送給機構12による濾過部材11の送給方向が、流出部9側から流入部8側に送られる方向となっているため、濾過部材11が連続的、もしくは段階的(コマ送り的)に送られる場合には次のような効果が得られる。
即ち、多量の切削屑を含んで流入部8から濾過タンク6内のダーティーサイドDSに流入した切削油が、濾過部材回収部20に回収される直前の位置にある濾過部材11の上に放流される。そして、ダーティーサイドDS内を下方に沈む切削屑のうち、目の荒いものは、その大半が流入部8の直下の濾過部材11の上に着床し、次回濾過部材11が送られる際にすぐに濾過部材11と共に濾過部材回収部20に回収されて濾過タンク6Aの外部に搬出される。このため、目の荒い切削屑を濾過タンク6内の奥に進ませることなく、比較的早い段階で濾過タンク6Aの外部に搬出することができる。
そして、比較的目の細かい切削屑のみが切削油の流れに乗ってダーティーサイドDS内を濾過部材11の中間部分よりも上流側(流出部9側)、即ち濾過部材11の比較的清浄な部分まで移動し、ここで濾過される。
【0029】
上記のように、濾過部材11の清浄な部分に目の荒い切削屑が堆積してしまうことがないため、濾過部材11の濾過能力を高めることができる。もしくは、従来と同程度の濾過能力を得ながら濾過タンク6Aの設置面積を小さくすることができる。
【0030】
〔第2参考実施形態〕
図3は、本発明の第2参考実施形態を示す濾過タンク6Bの縦断面図である。
この濾過タンク6Bは、
図2に示す第1参考実施形態の濾過タンク6Aと比較して、濾過部材11の平均送給軌道L2の高さが、その水平方向一端側と他端側とで異なるように傾斜している点以外は同一の構成であるため、他の同一構成部には同一符号を付して説明を省略する。
【0031】
この濾過タンク6Bでは、濾過部材送給機構12を構成する9本のガイドローラ21が、側面視において、濾過タンク6Bの長手方向(
図3に向かって左右方向)に沿って上下に蛇行するように、1つおきに上下に異なる高さで配置されており、しかも、濾過部材11の平均送給軌道L2の高さが、流入部8側で低く、流出部9側で高くなるように配置されている。つまり、濾過部材11の平均送給軌道L2が低い側の上方に流入部8が設けられ、平均送給軌道L2が高い側の下方に流出部9が設けられている。そして、濾過部材送給機構12は第1参考実施形態の濾過タンク6Aと同様に、濾過部材11を流出部9側から流入部8側に向かって送給する。
【0032】
このように構成された濾過タンク6Bは、濾過部材11の平均送給軌道L2の高さが濾過タンク6の水平方向一端側と他端側とで異なるように傾斜しているため、第1参考実施形態の濾過タンク6Aのように濾過部材11を蛇行させながらも平均送給軌道L1を水平にした場合と比べて、濾過タンク6Bの内部における濾過部材11の表面積を一層大きくし、切削油3の濾過能力を高めることができる。あるいは、従来と同程度の濾過能力を得ながら切削油循環装置1の小型化を図ることができる。
【0033】
また、濾過部材11の平均送給軌道L2が低い側の上方に流入部8が設けられ、平均送給軌道L2が高い側の下方に流出部9が設けられているため、例えばスラリー状の切削屑が切削油3に混合していて、切削屑が切削油3に対して沈澱しにくい場合であっても、ダーティーサイドDS内を流入部8側から流出部9側に向かって流れる切削油3の流速を均一にし、この切削油3を濾過部材11の全面に亘って均一に透過させることができ、これによって濾過部材11の濾過効率を高めることができる。
【0034】
〔第3参考実施形態〕
図4は、本発明の第3参考実施形態を示す濾過タンク6Cの縦断面図である。
この濾過タンク6Cは、
図2に示す第1参考実施形態の濾過タンク6Aと比較して、流入部8aと流出部9aの形状および位置関係が異なる点以外は同一の構成であるため、他の同一構成部には同一符号を付して説明を省略する。
【0035】
この濾過タンク6Cでは、流入部8aが濾過タンク6Cの上面の一端側を縦方向に貫通するパイプ状に形成されており、この流入部8aが濾過タンク6Cの内部で直角に屈折し、濾過タンク6Cの長手方向に延びて切削油3の液面上を水平に延びる水平部8bとなっている。この水平部8bには、下方に向かって開口する複数の孔状の放流部8cが穿設されている。これらの放流部8cの位置は、濾過タンク6Cの内部で上下に蛇行するように配設された濾過部材11の谷間部分の真上に整合している。一方、流出部9aは、濾過タンク6Cの長手方向中央部の側面下方から延出するパイプ状に形成されている。流入部8aから濾過タンク6Cに流入した切削油3は、水平部8bに設けられた放流部8cから、上下に蛇行する濾過部材11の谷間部分の上に放流される。その後、濾過部材11を透過して濾過された切削油3が流出部9aから排出される。
【0036】
このように、流入部8aから延びる水平部8bを濾過部材11の上方で濾過タンク6Cの長手方向に延びるパイプ状に形成し、この水平部8bに穿設した複数の孔状の放流部8cから、上下に蛇行する形状の濾過部材11の谷間部分の上に切削油3を放流するように構成したことにより、汚れた切削油3を濾過部材11の全面に亘って均等に透過させることができる。したがって、例えばスラリー状の切削屑が混合し、切削屑が切削油3に対して沈澱しにくい場合であっても、このように汚れた切削油3を効率良く濾過し、濾過効率を高めることができる。
【0037】
〔第
4参考実施形態〕
図5は、本発明の第
4参考実施形態を示す濾過タンク6Dの縦断面図である。
この濾過タンク6Dは、
図2に示す第1参考実施形態の濾過タンク6Aと比較して、濾過部材11bの張設状態および濾過部材送給機構12aの構成が異なる点と、温度制御管15が配設されている点以外は同一の構成であるため、他の同一構成部には同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
この濾過タンク6Dにおいては、ロールシート状の濾過部材11bが上下に蛇行しないフラットな状態で張設されている。つまり、濾過部材送給機構12aが備える2本のガイドローラ21の間に濾過部材11bが張設されており、濾過部材11bの中間部分を支持するガイドローラは設けられていない。但し、濾過部材11bの中間部分を支持するガイドローラが設けられていても本発明の効果を低減するものではない。濾過部材11bは、濾過部材送給機構12aにより、濾過タンク6Dの流出部9が設けられている端部側から送り出されて流入部8が設けられている端部側に向かって送給される。この濾過部材11bによって濾過タンク6Dの内部空間が上側のダーティーサイドDSと下側のクリーンサイドCSに区画され、クリーンサイドCSには
図1にも示す温度制御管15が配設されている。この温度制御管15には、チラー14(
図1参照)によって冷却された冷媒が流通するようになっている。
図6に示すように、温度制御管15は濾過タンク6Dの平面輪郭範囲内で幅広く蛇行するように配設されている。ダーティーサイドDSから濾過部材11bを透過してクリーンサイドCSに流れた切削油3は、温度制御管15に触れることによって適温に冷却される。
【0039】
このように、クリーンサイドCSに温度制御管15を配設したことによって、濾過タンク6Dの内部で切削油3の温度を制御することができる。このため、従来では濾過タンク6Dと別に設けられていた温度制御用のタンクを省くことができ、これによって切削油循環装置1のコンパクト化を図ることができる。なお、温度制御管15はダーティーサイドDSではなくクリーンサイドCSに設けられており、濾過部材11bを透過した後の切削油3の温度が制御されるため、例えば切削油3が冷却されてその粘性が高まっても、濾過部材11bにおける透過率、即ち濾過能力が低下することがない。また切削屑の付着等により温度制御管15表面の伝熱効率を低下させることもない。
【0040】
〔第
5参考実施形態〕
図7は、本発明の第
5参考実施形態を示す濾過タンク6Eの縦断面図である。
この濾過タンク6Eは、
図4に示す第3参考実施形態の濾過タンク6Cと比較して、クリーンサイドCSに温度制御管15が配設されている点以外は同一の構成であるため、他の同一構成部には同一符号を付して説明を省略する。なお、温度制御管15の構成は
図5および
図6に示す第
4参考実施形態のものと同様である。
【0041】
この濾過タンク6Eの場合は、
図4に示す第3参考実施形態の濾過タンク6Cと同じく、流入部8a(水平部8b)から濾過タンク6Eに流入した切削油3が、水平部8bに設けられた複数の放流部8cから、上下に蛇行する濾過部材11の谷間部分の上に放流される。その後、濾過部材11を透過して濾過された切削油3が温度制御管15に触れることにより適温に冷却されて流出部9aから排出される。本構成によれば、汚れた切削油3を濾過部材11の全面に亘って均等に透過させて濾過効率を高めるとともに、濾過された切削油3を濾過タンク6Eの内部で温度制御することができ、従来では濾過タンク6Eの外部に別設されていた温度制御用のタンクを省いて切削油循環装置1のコンパクト化を図ることができる。
【0042】
〔実施形態〕
図8は、本発明
の実施形態を示す濾過タンク6Fの縦断面図である。
この濾過タンク6Fは、
図7に示す第5参考実施形態の濾過タンク6Eと比較して、温度制御管15aの形状が異なる点以外は同一の構成であるため、他の同一構成部には同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
ここでの温度制御管15aは、濾過部材11の蛇行形状の谷間の空間を利用するように配置されている。即ち、温度制御管15aは、平面視では
図6に示すようにタンク幅方向に蛇行しつつ、側面視では高さ方向にも蛇行していて3次元的に湾曲した形状となっており、その山形に突出した部分が、濾過部材11の蛇行形状の谷間の空間に入り込むようになっている。
【0044】
このため、濾過タンク6F内で上下に蛇行するように配設された濾過部材11の、クリーンサイドCSにおけるデッドスペースを有効に利用し、濾過タンク6Fの高さ方向の寸法を大きくすることなく、充分な長さの温度制御管15aを配設することができ、これによって切削油循環装置1のコンパクト性、即ち小さな設置面積を保つことができる。
【0045】
〔第
6参考実施形態〕
図9は、本発明の第
6参考実施形態を示すダーティータンク5の斜視図、
図10は
図9のX-X線に沿うダーティータンク5の横断面図である。ダーティータンク5は、その一端側の端面下部に入口25を有し、他端側の上面に出口26を有している。そして、ダーティータンク5の内部空間は仕切板27によって迷路構造とされており、入口25から流入した切削油を上下左右前後方向に3次元的に蛇行させることにより、流路の途中で切削油の流れが澱む場所が数ヶ所に発生するように構成されている。切削油は出口26から排出される。
【0046】
例えば、ダーティータンク5の内部は仕切板27によって平面視で8つの小部屋28に区画されており、各仕切板27の上辺または下辺に設けられた切り欠き状の連通口29によって隣接する小部屋28同士が連通している。連通口29は、ダーティータンク5の長手方向に沿う仕切板27には下縁側に設けられ、短手方向に沿う仕切板27には上縁側に設けられており、これによって切削油は、
図9および
図10中に矢印で示すように、平面視で各小部屋28をシグザグに流れ、且つ側面視で各小部屋28の内部を上下方向に流れるようになっている。
【0047】
加工機械2からダーティータンク5に送られる多量の切削屑を含んだ切削油3は、ダーティータンク5内部の迷路構造により、その流れが澱みがちになり、澱みの部分では流速が低下するため、切削屑等の異物がタンクの底部に沈澱する。したがって、切削油は切削屑等の異物を大まかに除去されてから、
図1に示すポンプP3によって出口26から吸い上げられて濾過タンク6(6A〜6F)に送られ、濾過される。このため、濾過タンク6に流入する切削屑の量が大幅に減少し、これによって濾過タンク6の濾過部材11(11b)の目詰まりを遅延させて濾過能力を向上させることができる。
【0048】
なお、本発明は上記の各実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更を加えることができる。例えば、第1〜第
6参考実施形態、およ
び実施形態に示す濾過タンク6A〜6Fの構造を適宜組み合わせてもよい。
また、上記各実施形態では、切削機械の切削油を濾過および循環させる切削油循環装置に本発明を適用した例について説明したが、これに限らず、例えば油圧機器の作動油や、他の種類の機械類の循環液体を濾過循環させる装置に適用してもよい。要するに、ここで述べた循環液体とは、切削油に限らず、クーラントや作動油等、幅広い種類の循環液体のどれであってもよく、その場合の構成も本願発明の権利範囲に含まれるものとする。