(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記報酬更新部は、前記ユーザに対応付けられた報酬が有するランクよりも一ランク上位のランクを有する報酬を、前記選択されたマス目に対応付けて前記記憶部に格納し、以後、前記対応付け部が前記ゲームにおいて用いる報酬とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のサーバ。
前記報酬更新部は、変更された前記報酬を、前記選択されたマス目に対応付けて前記記憶部に格納し、以後、前記対応付け部が前記ゲームにおいて用いる報酬とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のサーバ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0020】
(1)本実施形態の概略
本実施形態では、ユーザは、景品取得ゲームを行うと共に、付加的な景品(好ましくは、景品取得ゲームにより付与される景品(報酬)とは異なる種類の景品(報酬)。所謂「おまけ」)が付与されるルーレットゲームを行う。ユーザは、景品取得ゲームを行う際に、ルーレットを回転させるマス数を指定する。携帯端末は、ユーザからの指示に応じて、景品取得ゲーム及びルーレットゲームの実行をサーバに要求する。サーバは、携帯端末からの要求に応じて、景品取得ゲームを実行すると共に、ルーレットゲームを実行する。
ルーレットゲームでは、所定数(例えば、四つ)のマス目を有するルーレットが用意される。各マス目には、互いに異なる付加的な景品が対応付けられている。ユーザからの指示に応じてルーレットを回転させ、止まったマス目に対応する付加的な景品がユーザに付与される。次のマス目は、現在のマス目、ユーザにより指定されたマス数、及び他ユーザにより指定されていたマス数に基づいて決定される。他ユーザは、過去にルーレットゲームを行ったことのあるユーザのうちからランダムに選択される。
サーバは、景品取得ゲームの実行により選択された景品をユーザに付与する。また、サーバは、ルーレットゲームの実行により選択された付加的な景品もユーザに付与する。付加的な景品が付与されることに加えて、付与される付加的な景品が他ユーザの関与により変化するため、景品取得ゲームの興趣が向上することになる。
【0021】
(2)ゲームシステム1の構成
図1は、ゲームシステム1の概略構成の一例を示す。
【0022】
ゲームシステム1は、少なくとも一台の携帯端末2と、サーバ3とを備える。携帯端末2とサーバ3とは、通信ネットワークを介して相互に接続され、例えば、基地局4、移動体通信網5、ゲートウェイ6、及びインターネット7を介して相互に接続される。携帯端末2で実行されるプログラム(例えば、閲覧プログラム)と、サーバ3で実行されるプログラム(例えば、ゲームプログラム)とは、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol, HTTP)等の通信プロトコルを用いて通信を行う。
【0023】
(2.1)携帯端末2の構成
図2は、携帯端末2の概略構成の一例を示す。
【0024】
携帯端末2は、基地局4、移動体通信網5、ゲートウェイ6、及びインターネット7を介してサーバ3に接続し、サーバ3と通信を行う。携帯端末2は、ユーザによる操作部23(ボタン等)の操作に応じて、景品取得ゲーム及びルーレットゲームの実行をサーバ3に要求する。また、携帯端末2は、サーバ3から景品取得ゲーム及びルーレットゲームの実行に係る表示データを受信して表示する。そのために、携帯端末2は、端末通信部21と、端末記憶部22と、操作部23と、表示部24と、端末処理部25とを備える。
【0025】
なお、本実施形態では、携帯端末2として、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)を想定するが、本発明はこれに限定されるものではない。携帯端末2は、本発明が適用可能であればよく、例えば、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、タブレットPC等でもよい。
【0026】
端末通信部21は、所定の周波数帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を備え、携帯端末2を無線通信ネットワークに接続する。端末通信部21は、基地局4により割り当てられるチャネルを介して、基地局4との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式等による無線信号回線を確立し、基地局4との間で通信を行う。そして、端末通信部21は、端末処理部25から供給されたデータをサーバ3等に送信する。また、端末通信部21は、サーバ3等から受信したデータを端末処理部25に供給する。
【0027】
端末記憶部22は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを備える。端末記憶部22は、端末処理部25での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、端末記憶部22は、ドライバプログラムとして、操作部23を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部24を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、アプリケーションプログラムとして、景品取得ゲーム及びルーレットゲームの実行に係る表示データの取得及び表示を行うプログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、データとして、景品取得ゲーム及びルーレットゲームの実行に係る表示データ、映像データ、画像データ等を記憶する。さらに、端末記憶部22は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0028】
操作部23は、携帯端末2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパッド、キーボード等である。ユーザは、操作部23を用いて、文字、数字等を入力することができる。操作部23は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの指示として、端末処理部25に供給される。
【0029】
表示部24も、映像、画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部24は、端末処理部25から供給された映像データに応じた映像、画像データに応じた画像等を表示する。
【0030】
端末処理部25は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。端末処理部25は、携帯端末2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。端末処理部25は、携帯端末2の各種処理が端末記憶部22に記憶されているプログラム、操作部23の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、端末通信部21、表示部24等の動作を制御する。端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部25は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0031】
(2.1.1)端末処理部25の構成
端末処理部25は、少なくとも閲覧実行部251を備える。これらの各部は、端末処理部25が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして携帯端末2に実装されてもよい。
【0032】
閲覧実行部251は、景品取得ゲーム及びルーレットゲームの実行に係る表示データの取得及び表示を行う。即ち、ユーザからの指示に応じて、景品取得ゲーム及びルーレットゲームの実行に係る表示データの取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する。また、閲覧実行部251は、対応する表示データを、サーバ3から端末通信部21を介して受信する。閲覧実行部251は、受信した表示データに基づいて描画データを作成する。即ち、閲覧実行部251は、受信した表示データを解析して制御データ及び内容データを特定し、特定した制御データに従って同じく特定した内容データをレイアウトし、描画データを作成する。そして、閲覧実行部251は、作成した描画データを表示部24に出力する。
【0033】
(2.2)サーバ3の構成
図3(a)は、サーバ3の概略構成の一例を示す。
【0034】
サーバ3は、携帯端末2からの要求に応じて、景品取得ゲーム及びルーレットゲームを実行する。また、サーバ3は、景品取得ゲーム及びルーレットゲームの実行に係る表示データを作成して携帯端末2に送信する。そのために、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ記憶部32と、サーバ処理部33とを備える。
【0035】
サーバ通信部31は、サーバ3をインターネット7に接続するための通信インターフェース回路を備え、インターネット7との間で通信を行う。そして、サーバ通信部31は、携帯端末2等から受信したデータを、サーバ処理部33に供給する。また、サーバ通信部31は、サーバ処理部33から供給されたデータを、携帯端末2等に送信する。
【0036】
サーバ記憶部32は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを備える。サーバ記憶部32は、サーバ処理部33での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部32は、アプリケーションプログラムとして、景品取得ゲーム及びルーレットゲームを実行し、その結果に係る表示データを作成するゲームプログラム等を記憶する。また、サーバ記憶部32は、データとして、ユーザを管理するユーザ管理テーブル(
図3(b))、付加的な景品を管理する景品管理テーブル(
図3(c))、ルーレットゲームの実行履歴を管理する実行履歴管理テーブル(
図3(d))等を記憶する。さらに、サーバ記憶部32は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0037】
図3(b)は、ユーザ管理テーブルのデータ構造の一例を示す。ユーザ管理テーブルには、各ユーザについて、当該ユーザの識別番号(ID)、名前、画像データのファイル名、所持する付加的な景品のID、ルーレットの各マス目に対応付けられている付加的な景品のID、現在のマス目、各マス目に対応付けられ得る付加的な景品が有するランクのうちの最上位のもの(以下、「最上位ランク」という)等が含まれる。なお、ランクについては後述する。
【0038】
図3(c)は、景品管理テーブルのデータ構造の一例を示す。景品管理テーブルには、各付加的な景品について、当該付加的な景品のID、名前、画像データのファイル名、ランク等が含まれる。
【0039】
図3(d)は、実行履歴管理テーブルのデータ構造の一例を示す。実行履歴管理テーブルには、ルーレットゲームの各実行について、当該実行のID、時刻、当該実行に係るユーザのID、当該ユーザにより指定されたマス数等が含まれる。
【0040】
サーバ処理部33は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。サーバ処理部33は、サーバ3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。サーバ処理部33は、サーバ3の各種処理がサーバ記憶部32に記憶されているプログラム等に応じて適切な手順で実行されるように、サーバ通信部31等の動作を制御する。サーバ処理部33は、サーバ記憶部32に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部33は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0041】
(2.2.1)サーバ処理部33の構成
サーバ処理部33は、景品取得ゲーム実行部331と、ルーレットゲーム実行部332と、ルーレット更新部333とを備える。これらの各部は、サーバ処理部33が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとしてサーバ3に実装されてもよい。
【0042】
サーバ処理部33は、景品取得ゲーム及びルーレットゲームの実行を制御し、適宜景品取得ゲーム実行部331、ルーレットゲーム実行部332等に処理の実行を指示する。
【0043】
携帯端末2からサーバ通信部31を介して、ユーザ認証要求を受信した場合に、サーバ処理部33は、受信したユーザ認証要求を解析してユーザID及びパスワードを特定する。そして、サーバ処理部33は、特定したユーザID及びパスワードをパラメータとして、不図示のユーザ認証部に処理の実行を指示する。
【0044】
不図示のユーザ認証部によりユーザが認証された場合に、サーバ処理部33は、ゲーム開始画面表示データを作成する。即ち、サーバ処理部33は、特定したユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザのルーレットに係る付加的な景品のID及び現在のマス目を抽出する。また、サーバ処理部33は、抽出した付加的な景品のIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されている景品管理テーブルを参照し、対応する付加的な景品の画像データのファイル名を抽出する。そして、サーバ処理部33は、特定したユーザIDを含み、抽出したファイル名が示す画像を含むルーレットの状態を示す画像、マス数の指定を受け付けるドロップダウンリスト、ゲームの実行の指示を受け付けるボタン等を所定のレイアウトで表示させるためのゲーム開始画面表示データを作成する。
【0045】
サーバ処理部33は、作成したゲーム開始画面表示データを、サーバ通信部31を介して携帯端末2に送信する。
【0046】
図4は、携帯端末2の表示画面の一例を示す。
【0047】
図4(a)は、ゲーム開始画面表示データに基づいて表示されるゲーム開始画面400を示す。画面上にはルーレットの状態を示す画像401が、画面中央左にはドロップダウンリスト402が、画面下には「回す」ボタン403が、それぞれ表示されている。ドロップダウンリスト402の押下によりマス数が指定され、「回す」ボタン403の押下によりゲームの実行が端末通信部21を介してサーバ3に要求される。
【0048】
携帯端末2からサーバ通信部31を介して、ゲーム実行要求を受信した場合に、サーバ処理部33は、受信したゲーム実行要求を解析してマス数及びユーザIDを特定する。また、サーバ処理部33は、特定したユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザのルーレットに係る付加的な景品のIDを抽出しておく。そして、サーバ処理部33は、特定したユーザIDをパラメータとして、景品取得ゲーム実行部331に処理の実行を指示する。
【0049】
また、サーバ処理部33は、特定したマス数及びユーザIDをパラメータとして、ルーレットゲーム実行部332に処理の実行を指示する。
【0050】
サーバ処理部33は、ゲーム終了画面表示データを作成する。即ち、サーバ処理部33は、抽出しておいた付加的な景品のIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されている景品管理テーブルを参照し、対応する付加的な景品の画像データのファイル名を抽出する。また、サーバ処理部33は、特定したユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザのルーレットに係る現在のマス目を抽出する。そして、サーバ処理部33は、特定したユーザIDを含み、抽出したファイル名が示す画像を含むルーレットの状態を示す画像、景品取得ゲーム実行部331により返戻された景品のIDに対応する景品を取得した旨、及びルーレットゲーム実行部332により返戻された他ユーザのIDに対応する他ユーザの関与により、同じくルーレットゲーム実行部332により返戻された付加的な景品のIDに対応する付加的な景品を取得した旨を示すテキスト、ゲーム開始画面への遷移の指示を受け付けるボタン等を所定のレイアウトで表示させるためのゲーム終了画面表示データを作成する。
【0051】
サーバ処理部33は、作成したゲーム終了画面表示データを、サーバ通信部31を介して携帯端末2に送信する。
【0052】
図4(b)は、ゲーム終了画面表示データに基づいて表示されるゲーム終了画面410を示す。画面上にはルーレットの状態を示す画像411が、画面中央左には景品及び付加的な景品を取得した旨を示すテキスト412が、画面下には「戻る」ボタン413が、それぞれ表示されている。「戻る」ボタン413の押下により、ゲーム開始画面への遷移が、端末通信部21を介してサーバ3に要求される。
【0053】
図4(c)は、
図4(b)に示されるゲーム終了画面410に続いて表示されるゲーム開始画面420を示す。画面上には、ルーレットの更新後の状態を示す画像421が表示されている。
【0054】
以下、景品取得ゲーム実行部331による処理について説明する。
【0055】
景品取得ゲーム実行部331は、景品をユーザに付与する。例えば、景品取得ゲーム実行部331は、現在時刻等を種として発生させた擬似乱数を用いて、複数の景品のうちからランダム抽選により景品を選択する。そして、景品取得ゲーム実行部331は、与えられたユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザの所持する景品として、選択した景品のIDを格納する。
【0056】
景品取得ゲーム実行部331は、付与した景品のIDをサーバ処理部33に返戻した後に、処理を終了する。
【0057】
以下、ルーレットゲーム実行部332による処理について説明する。
【0058】
ルーレットゲームでは、現在のマス目、ユーザにより指定されたマス数、及び他ユーザにより指定されていたマス数に基づいて次のマス目が決定される。例えば、現在のマス目から時計回りにユーザにより指定されたマス数だけマス目を移動させた後に、反時計回りに他ユーザにより指定されていたマス数だけマス目を移動させる(即ち、ユーザにより指定されたマス数及び他ユーザにより指定されていたマス数の差分だけマス目を移動させる)ことにより、次のマス目が決定される。
【0059】
また、ルーレットゲームでは、止まったマス目に対応する付加的な景品が変更される。例えば、各付加的な景品は、その価値を示す複数のランクのうちのいずれか一つを有しており、止まったマス目に対応する付加的な景品が、その景品が有するランクよりも一ランク上位のランクを有する付加的な景品に変更される。また、止まったマス目に対応する付加的な景品が最上位のランクを有する場合に、すべてのマス目に対応する付加的な景品が最下位のランクを有する付加的な景品に変更される。さらに、止まったマス目に対応する付加的な景品が最上位のランクよりも一ランク下位のランクを有し、且つ止まったマス目以外のすべてのマス目に対応する付加的な景品が最上位のランクを有する場合に、すべてのマス目に対応する付加的な景品が最上位のランクよりもさらに上位のランクを有する付加的な景品に変更される。
【0060】
図5は、ルーレットの状態遷移の一例を示す。
【0061】
図5(a)に示されるルーレットは、マス目1〜4を有する。各マス目には、付加的な景品1〜4がそれぞれ対応付けられている。各付加的な景品は、いずれも最下位のランク「1」を有する。現在のマス目は、マス目1である。
【0062】
ユーザによりマス数「3」が指定されたとし、ランダムに選択された他ユーザによりマス数「1」が指定されていたとすると、次のマス目はマス目3となる。そして、対応する付加的な景品3がユーザに付与される(
図5(b))。
【0063】
付加的な景品3は、そのランク「1」よりも一ランク上位のランク「2」を有する付加的な景品5〜8のうちからランダムに選択された付加的な景品(例えば、付加的な景品5)に変更される(
図5(c))。
【0064】
同様に、
図5(d)に示されるルーレットは、マス目1〜4を有する。また、各マス目には、付加的な景品1、2、5、9がそれぞれ対応付けられている。付加的な景品1、2はいずれも最下位のランク「1」を有し、付加的な景品5はランク「2」を有し、付加的な景品9は最上位のランク「3」を有する。現在のマス目は、マス目3である。
【0065】
ユーザによりマス数「2」が指定されたとし、ランダムに選択された他ユーザによりマス数「1」が指定されていたとすると、次のマス目はマス目4となる。そして、対応する付加的な景品9がユーザに付与される(
図5(e))。
【0066】
付加的な景品9は、最上位のランク「3」を有するため、すべての付加的な景品が、最下位のランク「1」を有する付加的な景品に変更される(
図5(f))。
【0067】
同様に、
図5(g)に示されるルーレットは、マス目1〜4を有する。また、各マス目には、付加的な景品10、11、8、9がそれぞれ対応付けられている。付加的な景品8はランク「2」を有し、付加的な景品9〜11はいずれも最上位のランク「3」を有する。現在のマス目は、マス目4である。
【0068】
ユーザによりマス数「1」が指定されたとし、ランダムに選択された他ユーザによりマス数「2」が指定されていたとすると、次のマス目はマス目3となる。そして、対応する付加的な景品8がユーザに付与される(
図5(h))。
【0069】
付加的な景品8は、最上位のランク「3」よりも一ランク下位のランク「2」を有し、且つ付加的な景品9〜11はいずれも最上位のランク「3」を有するため、すべての付加的な景品が、最上位のランク「3」よりもさらに上位のランク「4」を有する付加的な景品に変更される(
図5(i))。
【0070】
以上の機能を実現するために、まず、ルーレットゲーム実行部332は、他ユーザを選択する。即ち、ルーレットゲーム実行部332は、サーバ記憶部32に記憶されている実行履歴管理テーブルを参照し、現在時刻等を種として発生させた擬似乱数を用いて、ルーレットゲームの実行のうち、他ユーザによるものをランダムに選択する。
【0071】
ルーレットゲーム実行部332は、次のマス目を算出する。即ち、ルーレットゲーム実行部332は、与えられたユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザのルーレットに係る現在のマス目を抽出する。そして、ルーレットゲーム実行部332は、抽出した現在のマス目、選択した実行に係るマス数(他ユーザにより指定されていたマス数)、及び与えられたマス数(ユーザにより指定されたマス数)に基づいて次のマス目を算出する。例えば、ルーレットゲーム実行部332は、次式を計算することにより、次のマス目を算出する。
n=(((c−1)+u
1−u
2)modN)+1 ・・・(式1)
ここで、cは現在のマス目、u
1はユーザにより指定されたマス数、u
2は他ユーザにより指定されていたマス数、Nは全マス数、nは次のマス目である。
【0072】
ルーレットゲーム実行部332は、次のマス目に対応する付加的な景品をユーザに付与する。即ち、ルーレットゲーム実行部332は、与えられたユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザを特定する。また、ルーレットゲーム実行部332は、特定したユーザのルーレットに係る付加的な景品のうち、算出した次のマス目に係るもののIDを抽出する。そして、ルーレットゲーム実行部332は、抽出した付加的な景品のIDを、特定したユーザの付加的な景品として格納する。
【0073】
ルーレットゲーム実行部332は、次のマス目及び与えられたユーザIDをパラメータとして、ルーレット更新部333に処理の実行を指示する。
【0074】
ルーレットゲーム実行部332は、次のマス目及び与えられたマス数を格納する。即ち、ルーレットゲーム実行部332は、与えられたユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザのルーレットに係る現在のマス目として、算出した次のマス目を格納する。また、ルーレットゲーム実行部332は、ルーレットゲームの当該実行のIDを採番すると共に、現在時刻を取得する。そして、ルーレットゲーム実行部332は、サーバ記憶部32に記憶されている実行履歴管理テーブルを参照し、採番したID、取得した現在時刻、与えられたユーザID、及び同じく与えられたマス数を対応付けて格納する。
【0075】
ルーレットゲーム実行部332は、選択した他ユーザのID及び付与した付加的な景品のIDをサーバ処理部33に返戻した後に、処理を終了する。
【0076】
以下、ルーレット更新部333による処理について説明する。
【0077】
ルーレット更新部333は、次のマス目に対応する付加的な景品のランクが最上位ランクであるか否かを判定する。即ち、ルーレット更新部333は、与えられたユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザを特定する。また、ルーレット更新部333は、特定したユーザのルーレットに係る最上位ランクを抽出する。また、ルーレット更新部333は、特定したユーザのルーレットに係る付加的な景品のうち、与えられた次のマス目に係るもののIDを抽出する。また、ルーレット更新部333は、抽出した付加的な景品のIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されている景品管理テーブルを参照し、対応する付加的な景品のランクを抽出する。そして、ルーレット更新部333は、抽出した付加的な景品のランクが同じく抽出した最上位ランクであるか否かを判定する。
【0078】
次のマス目に対応する付加的な景品のランクが最上位ランクである場合に、ルーレット更新部333は、すべてのマス目に対応する付加的な景品を最下位ランクのものに変更する。即ち、ルーレット更新部333は、既定の最下位ランクをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されている景品管理テーブルを参照し、対応する付加的な景品を特定する。また、ルーレット更新部333は、現在時刻等を種として発生させた擬似乱数を用いて、特定した付加的な景品のうちから全マス目分の付加的な景品をランダムに選択し、そのIDを抽出する。そして、ルーレット更新部333は、抽出した付加的な景品のIDを、特定したユーザのルーレットに係る付加的な景品として格納する。また、ルーレット更新部333は、特定したユーザのルーレットに係る最上位ランクとして、既定の最上位ランクを格納する。
【0079】
一方、次のマス目に対応する付加的な景品のランクが最上位ランクではない場合に、ルーレット更新部333は、次のマス目に対応する付加的な景品を一ランク上位のものに変更する。即ち、ルーレット更新部333は、抽出した付加的な景品のランクよりも一ランク上位のランクをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されている景品管理テーブルを参照し、対応する付加的な景品を特定する。また、ルーレット更新部333は、現在時刻等を種として発生させた擬似乱数を用いて、特定した付加的な景品のうちからいずれかをランダムに選択し、そのIDを抽出する。そして、ルーレット更新部333は、抽出した付加的な景品のIDを、特定したユーザのルーレットに係る付加的な景品のうち、与えられた次のマス目に係るものとして格納する。
【0080】
ルーレット更新部333は、すべてのマス目に対応する付加的な景品のランクが最上位ランクであるか否かを判定する。即ち、ルーレット更新部333は、特定したユーザのルーレットに係る付加的な景品のIDを抽出する。また、ルーレット更新部333は、抽出した付加的な景品のIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されている景品管理テーブルを参照し、対応する付加的な景品のランクを抽出する。そして、ルーレット更新部333は、抽出した付加的な景品のランクがいずれも同じく抽出した最上位ランクであるか否かを判定する。
【0081】
すべてのマス目に対応する付加的な景品のランクが最上位ランクである場合に、ルーレット更新部333は、すべてのマス目に対応する付加的な景品をさらに上位ランクのものに変更する。即ち、ルーレット更新部333は、既定の上位ランクをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されている景品管理テーブルを参照し、対応する付加的な景品を特定する。また、ルーレット更新部333は、現在時刻等を種として発生させた擬似乱数を用いて、特定した付加的な景品のうちから全マス目分の付加的な景品をランダムに選択し、そのIDを抽出する。そして、ルーレット更新部333は、抽出した付加的な景品のIDを、特定したユーザのルーレットに係る付加的な景品として格納する。また、ルーレット更新部333は、特定したユーザのルーレットに係る最上位ランクとして、既定の最上位ランクを格納する。
【0082】
そして、ルーレット更新部333は、処理を終了する。
【0083】
一方、すべてのマス目に対応する付加的な景品のランクが最上位ランクではない場合にも、ルーレット更新部333は、処理を終了する。
【0084】
(3)ゲームシステム1の動作
図6は、ゲームシステム1の動作シーケンスの一例を示す。なお、以下に説明する動作シーケンスは、予め端末記憶部22及びサーバ記憶部32に記憶されているプログラムに基づいて、主に端末処理部25及びサーバ処理部33により、携帯端末2及びサーバ3の各要素と協働して実行される。
【0085】
ユーザは、操作部23を介して端末処理部25に、景品取得ゲーム及びルーレットゲームの実行に係る表示データの取得及び表示を行うプログラムの実行を指示する。端末処理部25は、当該プログラムに基づいて処理を開始する。即ち、当該プログラムにより実現される閲覧実行部251は、ユーザにより操作部23を介してユーザID及びパスワードが入力された場合に、入力されたユーザID、パスワード等を含むユーザ認証要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS600)。
【0086】
携帯端末2からサーバ通信部31を介して、ユーザ認証要求を受信した場合に、サーバ処理部33は、受信したユーザ認証要求を解析してユーザID及びパスワードを特定する。そして、サーバ処理部33は、特定したユーザID及びパスワードをパラメータとして、不図示のユーザ認証部に処理の実行を指示する(ステップS602)。
【0087】
不図示のユーザ認証部によりユーザが認証された場合に、サーバ処理部33は、ゲーム開始画面表示データを作成する(ステップS604)。
【0088】
サーバ処理部33は、作成したゲーム開始画面表示データを、サーバ通信部31を介して携帯端末2に送信する(ステップS606)。
【0089】
サーバ3から端末通信部21を介して、ゲーム開始画面表示データを受信した場合に、閲覧実行部251は、受信したゲーム開始画面表示データに基づいて描画データを作成する。また、閲覧実行部251は、作成した描画データを表示部24に出力し、ゲーム開始画面を表示させる(ステップS608)。
【0090】
ゲーム開始画面において、ユーザにより操作部23を介してマス数が指定され、ゲームの実行が指示された場合に、閲覧実行部251は、指定されたマス数、受信したゲーム開始画面表示データに含まれるユーザID等を含むゲーム実行要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS610)。
【0091】
携帯端末2からサーバ通信部31を介して、ゲーム実行要求を受信した場合に、サーバ処理部33は、受信したゲーム実行要求を解析してマス数及びユーザIDを特定する。そして、サーバ処理部33は、特定したユーザIDをパラメータとして、景品取得ゲーム実行部331に処理の実行を指示する(ステップS612)。
【0092】
図7(a)は、景品取得ゲーム実行部331の動作フローの一例を示す。
【0093】
景品取得ゲーム実行部331は、景品をユーザに付与する(ステップS700)。
【0094】
景品取得ゲーム実行部331は、付与した景品のIDをサーバ処理部33に返戻した後に(ステップS702)、処理を終了する。
【0095】
図6に戻り、サーバ処理部33は、特定したマス数及びユーザIDをパラメータとして、ルーレットゲーム実行部332に処理の実行を指示する(ステップS614)。
【0096】
図7(b)は、ルーレットゲーム実行部332の動作フローの一例を示す。
【0097】
ルーレットゲーム実行部332は、他ユーザを選択する(ステップS710)。
【0098】
ルーレットゲーム実行部332は、次のマス目を算出する(ステップS712)。
【0099】
ルーレットゲーム実行部332は、次のマス目に対応する付加的な景品をユーザに付与する(ステップS714)。
【0100】
ルーレットゲーム実行部332は、次のマス目及び与えられたユーザIDをパラメータとして、ルーレット更新部333に処理の実行を指示する(ステップS716)。
【0101】
図7(c)は、ルーレット更新部333の動作フローの一例を示す。
【0102】
ルーレット更新部333は、次のマス目に対応する付加的な景品のランクが最上位ランクであるか否かを判定する(ステップS730)。
【0103】
次のマス目に対応する付加的な景品のランクが最上位ランクである場合に(ステップS730−Yes)、ルーレット更新部333は、すべてのマス目に対応する付加的な景品を最下位ランクのものに変更する(ステップS732)。
【0104】
そして、ルーレット更新部333は、処理を終了する。
【0105】
一方、次のマス目に対応する付加的な景品のランクが最上位ランクではない場合に(ステップS730−No)、ルーレット更新部333は、次のマス目に対応する付加的な景品を一ランク上位のものに変更する(ステップS734)。
【0106】
ルーレット更新部333は、すべてのマス目に対応する付加的な景品のランクが最上位ランクであるか否かを判定する(ステップS736)。
【0107】
すべてのマス目に対応する付加的な景品のランクが最上位ランクである場合に(ステップS736−Yes)、ルーレット更新部333は、すべてのマス目に対応する付加的な景品をさらに上位ランクのものに変更する(ステップS738)。
【0108】
そして、ルーレット更新部333は、処理を終了する。
【0109】
一方、すべてのマス目に対応する付加的な景品のランクが最上位ランクではない場合にも(ステップS736−No)、ルーレット更新部333は、処理を終了する。
【0110】
図7(b)に戻り、ルーレットゲーム実行部332は、次のマス目及び与えられたマス数を格納する(ステップS718)。
【0111】
ルーレットゲーム実行部332は、選択した他ユーザのID及び付与した付加的な景品のIDをサーバ処理部33に返戻した後に(ステップS720)、処理を終了する。
【0112】
図6に戻り、サーバ処理部33は、ゲーム終了画面表示データを作成する(ステップS616)。
【0113】
サーバ処理部33は、作成したゲーム終了画面表示データを、サーバ通信部31を介して携帯端末2に送信する(ステップS618)。
【0114】
サーバ3から端末通信部21を介して、ゲーム終了画面表示データを受信した場合に、閲覧実行部251は、受信したゲーム終了画面表示データに基づいて描画データを作成する。また、閲覧実行部251は、作成した描画データを表示部24に出力し、ゲーム終了画面を表示させる(ステップS620)。
【0115】
以上説明してきたように、付加的な景品を付与することに加えて、付与される付加的な景品を他ユーザの関与により変化させることにより、ゲームの興趣を向上させ、ユーザをゲームに惹きつけ続けることが可能となる。
【0116】
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、止まったマス目に対応する付加的な景品が最上位のランクを有する場合に、すべてのマス目に対応する付加的な景品を最下位のランクを有する付加的な景品に変更するとしたが、止まったマス目に対応する付加的な景品だけを最下位のランクを有する付加的な景品に変更してもよい(
図5(f’))。これにより、ゲームの興趣をさらに向上させることが可能となる。
【0117】
また、本実施形態では、他ユーザを、過去にルーレットゲームを行ったことのあるユーザのうちからランダムに選択するとしたが、過去にルーレットゲームを行ったことのあるユーザのうちから候補ユーザをランダムに選択し、ユーザに提示した後に、候補ユーザのうちからランダムに選択してもよい。あるいは、候補ユーザのうちからユーザに選択させてもよい。
例えば、ゲーム開始画面400(
図4(a))において、「回す」ボタン403が押下された場合に、他ユーザ選択画面800(
図8(a))を表示する。画面左には候補ユーザの画像、名前、指定されたマス数等801が表示されており、名前及びマス数については伏せ字で表示されている。また、画面右にはラジオボタン802が表示されており、その押下により対応する候補ユーザが他ユーザとして選択される。さらに、画面下には「決定」ボタン803が表示されており、その押下により他ユーザの選択が端末通信部21を介してサーバ3に要求される。
これにより、ゲームに対する公平感を向上させることが可能となる。
【0118】
また、各ランクに属する付加的な景品の一覧を表示可能としてもよい。
例えば、ゲーム開始画面400’(
図8(b))において、付加的な景品一覧表示画面820(
図8(c))へのリンク810を表示し、このリンクが選択された場合に、付加的な景品一覧表示画面820を表示する。ランク毎に、画面左には付加的な景品の名前821が、画面右には対応する付加的な景品のルーレットへの出現確率822が、それぞれ表示されている。
これにより、ゲームに対する公平感をさらに向上させることが可能となる。
【0119】
また、他ユーザに対してメッセージを送信可能としてもよい。
例えば、ゲーム終了画面410’(
図8(d))において、メッセージ入力画面840(
図8(e))へのリンク830を表示し、このリンクが選択された場合に、メッセージ入力画面840を表示する。画面上にはメッセージの入力欄841が、画面下には「送る」ボタン842が、それぞれ表示されている。「送る」ボタン842の押下により、他ユーザに対するメッセージの送信が、端末通信部21を介してサーバ3に要求される。
これにより、ユーザ間のコミュニケーションを活性化させることが可能となる。
【0120】
また、端末処理部25及びサーバ処理部33が備える各機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
【0121】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。