特許第6017021号(P6017021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6017021異なる厚さの電池を識別する装置、方法及び電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017021
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】異なる厚さの電池を識別する装置、方法及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20161013BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20161013BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   H01M2/10 J
   H01M10/48 P
   H04M1/00 A
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-509281(P2015-509281)
(86)(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公表番号】特表2015-524140(P2015-524140A)
(43)【公表日】2015年8月20日
(86)【国際出願番号】CN2012077846
(87)【国際公開番号】WO2013174059
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2014年10月30日
(31)【優先権主張番号】201210162828.8
(32)【優先日】2012年5月22日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】馬 凱
(72)【発明者】
【氏名】房 建 民
【審査官】 ▲辻▼ 弘輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−071980(JP,A)
【文献】 特開2012−085522(JP,A)
【文献】 特開2008−178214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 10/48
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる厚さの電池を識別する装置であって、
電子デバイスの電池室部に近接するバックルスイッチ、及び前記バックルスイッチと接続された制御回路を備え、
前記バックルスイッチは、前記電子デバイスに薄い電池が取り付けられた際、取り付け終わった後第1状態にあり、前記電子デバイスに厚い電池が取り付けられた際、取り付け終わった後第2状態にあるように設置され、
前記制御回路は、前記バックルスイッチの状態により、前記電子デバイスに取り付けられたのが、薄い電池であるか、厚い電池であるかを識別するように設置され、
前記バックルスイッチはバックル、ばね部材及びスイッチ部品を備え、前記スイッチ部品は1ピン、第2ピン及び第3ピンを備え、
前記制御回路はベースバンド処理チップを備え、
前記第1状態の場合、前記ばねは前記バックルを反発して外へ弾出させ、前記スイッチ部品は力を受けないので押し下げられなく、前記第1ピンは短絡接地状態にあり、前記第2ピンは前記第1ピンに接続されなく未接続状態にあり、前記第2ピンは1つのプルアップ抵抗を通過した後、前記ベースバンド処理チップの汎用入力出力(GPIO)ポートに接続され、前記第3ピンはスイッチ部品の接触点であり、前記第3ピンは該第1状態で接触されなく、前記第1ピンと第2ピオフになる状態にあり、
前記第2状態の場合、前記バックルは前記ばねをプレスして前記スイッチ部品を押し下げ、前記スイッチ部品は力を受けて押し下げられ、前記第1ピンは短絡接地状態にあり、前記第3ピンは該第2状態で接触され、前記第2ピンと前記第1ピンを接続し、前記第2ピンは接地状態にあり、前記第1ピンと第2ピ接触する状態にある、異なる厚さの電池を識別する装置。
【請求項2】
記バックルは、スロットにより前記電子デバイスのケース内に嵌められ、前記バックルの前記電池室に近接する側に弧状接触面が設けられ、他側にスロットが設けられ、前記ばね部材はそれぞれ前記スロット及び前記スイッチ部品に接続され、
前記バックルスイッチは、
電池が電池室に取り付けられた際、前記電池が前記バックル側の前記弧状接触面と接触するとともに、前記バックルの他側のばね部材を押し込み、厚い電池が前記電池室に取り付けられた際、前記バックルが押し下げられ、前記ばね部材が押し込まれた後前記スロットを触発して前記スイッチ部品を押し下げ、薄い電池が前記電池室に取り付けられた際、前記バックルが押し下げられなく、前記ばね部材の弾力により前記スイッチ部品を弾出するように設置される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バックルと前記ばね部材の数は1つ又は複数である請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御回路は、さらに、前記電子デバイスに取り付けられた電池を識別した後、それぞれ相応の電源管理モジュールを利用して、前記電子デバイスの電源を電量計算及び/又は電量表示するように設置される請求項1、2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記スイッチ部品は、機械プレス接点スイッチ、フレキシブル回路基板(FPC)式スイッチ又はスタイラス式スイッチを備える請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記スイッチ部品は、
前記電子デバイスのマザーボードに溶接され、
又は、前記スイッチ部品での弾力ピンは前記マザーボードの金属接点にプレスタッチされ、
又は、前記スイッチ部品の金属接点は前記マザーボードに設置された弾力ピンでプレスタッチされるように設置される請求項2に記載の装置。
【請求項7】
異なる厚さの電池を識別する方法であって、
電子デバイス内の電池室に近接する箇所に制御回路と接続されるバックルスイッチを設置することと、
前記電子デバイスに薄い電池が取り付けられた際、取り付け終わった後前記バックルスイッチは第1状態にあり、前記電子デバイスに厚い電池が取り付けられた際、取り付け終わった後前記バックルスイッチは第2状態にあることと、
前記制御回路は前記バックルスイッチの状態により、前記電子デバイスに取り付けられたのが、薄い電池であるか、厚い電池であるかを識別することと、を含み、
前記バックルスイッチはバックル、ばね部材及びスイッチ部品を備え、前記スイッチ部品は1ピン、第2ピン及び第3ピンを備え、前記制御回路はベースバンド処理チップを備え、
前記第1状態の場合、前記ばねは前記バックルを反発して外へ弾出させ、前記スイッチ部品は力を受けないので押し下げられなく、前記第1ピンは短絡接地状態にあり、前記第2ピンは前記第1ピンに接続されなく未接続状態にあり、前記第2ピンは1つのプルアップ抵抗を通過した後、前記ベースバンド処理チップの汎用入力出力(GPIO)ポートに接続され、前記第3ピンはスイッチ部品の接触点であり、前記第3ピンは該第1状態で接触されなく、前記第1ピンと第2ピオフになる状態にあり、
前記第2状態の場合、前記バックルは前記ばねをプレスして前記スイッチ部品を押し下げ、前記スイッチ部品は力を受けて押し下げられ、前記第1ピンは短絡接地状態にあり、前記第3ピンは該第2状態で接触され、前記第2ピンと前記第1ピンを接続し、前記第2ピンは接地状態にあり、前記第1ピンと第2ピ接触する状態にある、異なる厚さの電池を識別する方法。
【請求項8】
記バックルはスロットにより前記電子デバイスのケース内に嵌められ、前記バックルの前記電池室に近接する側に弧状接触面が設けられ、他側にスロットが設けられ、前記ばね部材はそれぞれ前記スロット及び前記スイッチ部品に接続され、
電池が電池室に取り付けられた際、前記電池が前記バックル側の前記弧状接触面と接触されるとともに、前記バックルの他側のばね部材を押し込み、
厚い電池が前記電池室に取り付けられた際、前記バックルが押し下げられ、前記ばね部材が押し込まれた後前記スロットを触発して前記スイッチ部品を押し下げ、薄い電池が前記電池室に取り付けられた際、前記バックルが押し下げられなく、前記ばね部材の弾力により前記スイッチ部品を弾出する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記スイッチ部品は前記電子デバイスのマザーボードに溶接され、
又は、前記マザーボードに金属接点が設置され、前記スイッチ部品での弾力ピンは前記金属接点にプレスタッチされ、
又は、前記マザーボードに弾力ピンを設置し、前記弾力ピンは前記スイッチ部品の金属接点にプレスタッチされる請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記制御回路は前記電子デバイスに取り付けられた電池を識別した後、それぞれ相応の電源管理モジュールを利用して、前記電子デバイスの電源を電量計算及び/又は電量表示することをさらに含む請求項7、8又は9に記載の方法。
【請求項11】
電子デバイスであって、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置を備える電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスに適用される再充電可能な電池の技術分野に関し、特に異なる厚さの電池を識別する装置、方法及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、再充電可能な電池を電源とする携帯型電子デバイス、例えば移動端末、ノートパソコン、タブレットパソコンなどの市場の需要は急速に増加している。これらの電子デバイスの機能と応用が増加するほど、電力消費量は多くなり、デバイスが電池容量に頼ることが多くなる。しかし、従来の電池技術の制限により、電池の容量は常に電池の体積と比例する。デバイスの電量の持続性能と携帯性を兼ねることが困難であり、このように多くの電子デバイスに2つのセットひいては複数のセットの選択可能な電池を配置し、同一のデバイス電池のスロットに異なる需要に対応する異なる容量と体積の電池を変換して使用する。このような応用は、同時にいくつかの問題、例えば異なる容量電池の識別と電量計算及び電量表示などの問題をもたらす。
【0003】
リチウム電池は高電力貯蔵、長使用年数、軽重量及びメモリ効果などの利点を有し、既に従来の携帯型デバイスに広く使用されている。mAhは電池容量の計測単位であり、具体的には電池における外部使用のために放電可能な電子の総数であり、物理的な標準単位でクーロンと言う。クーロンの国際標準単位は、電流に時間を掛けるアンペア秒であり、即ち1mAh=0.001アンペア*3600秒=3.6アンペア秒=3.6クーロンである。
【0004】
従来の電子デバイスは、主に以下の3種の方法で電量の計算を達成する。
【0005】
1.電池電圧を直接に監視制御する方法:電池電圧を直接に監視制御する方法は簡単で操作しやすいが、該方法の精度が低く(20%)、且つ電池に対する保護の有効性が不足する。
【0006】
2.電池モデリング方法:電池モデリング方法は効果的に電量の測量精度(5%)を向上させ、簡単で操作しやすく、電池の初期推定をする必要がないが、データシートの確立は複雑な過程であり、且つ異なる容量又はタイプの電池に対する互換性も悪い。
【0007】
3.クーロン計検出法:クーロン計は正確的に電池の電量変化を追跡し、精度が1%に達するが、クーロン計は電池の初期推定の問題が存在し、定格容量、現在容量及び現在の電流損失を知る必要があり,且つ電流抵抗の精度は直接、電量の精度に影響する。
【0008】
現在、その中でもクーロン計検出法は最も正確で効果的であるため、主流であるスマートフォン端末及びタブレットパソコンなどの電子デバイスは、クーロン計検出法を採用することが多い。クーロン計検出法は、固定容量電池の電量計算と電量表示の問題のみしか解決することができず、異なる容量の電池に対して、クーロン計検出法は電量を正確的に計算して表示することができない。このため、どのようにして簡単に、高速に、正確に、異なる容量の電池を識別するかは、現在解決する必要がある技術課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施形態において、電子デバイスに使用したのは、薄い電池であるか、厚い電池であるかを識別し、さらに異なるドライバーを採用して電池を管理する、異なる厚さの電池を識別する装置、方法及び電子デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態の異なる厚さの電池を識別する装置は、電子デバイスの電池室部に近接するバックルスイッチ、及び前記バックルスイッチと接続された制御回路と、を備え、
前記バックルスイッチは、前記電子デバイスに薄い電池が取り付けられた際、状態がオンであり、前記電子デバイスに厚い電池が取り付けられた際、状態がオフであるように設置され、
前記制御回路は、前記バックルスイッチのオン・オフ状態により、前記電子デバイスに取り付けられたのは、薄い電池であるか、厚い電池であるかを識別するように設置される。
【0011】
選択的に、前記バックルスイッチは、バックル、ばね部材及びスイッチ部品を備え、前記バックルは、スロットにより前記電子デバイスのケース内に嵌められ、前記バックルの前記電池室に近接する側に弧状接触面が設けられ、他側にスロットが設けられ、前記ばね部材はそれぞれ前記スロット及び前記スイッチ部品に接続されるように設置され、
前記バックルスイッチは、
電池が電池室に取り付けられた際、前記電池が前記バックル側の前記弧状接触面と接触し、且つ前記バックルの他側のばね部材を押し込み、厚い電池が前記電池室に取り付けられた際、前記バックルが押し下げられ、前記ばね部材が押し込まれた後前記スロットを触発して前記スイッチ部品を押し下げ、薄い電池が前記電池室に取り付けられた際、前記バックルが押し下げられなく、前記ばね部材の弾力により前記スイッチ部品を弾出するように設置される。
【0012】
選択的に、前記制御回路はベースバンド処理チップを備え、前記バックルスイッチは前記ベースバンド処理チップのGPIOポートと接続され、前記ベースバンド処理チップは、前記GPIOポートのレベル状態により、前記バックルスイッチのオン・オフ状態を確定する。
【0013】
選択的に、前記バックルと前記ばね部材の数は1つ又は複数である。
【0014】
選択的に、前記制御回路は、さらに、前記電子デバイスに取り付けられた電池を識別した後、それぞれ相応の電源管理モジュールを利用して、前記電子デバイスの電源を電量計算及び/又は電量表示するように設置される。
【0015】
選択的に、前記スイッチ部品は、機械プレス接点スイッチ、FPC式スイッチ、スタイラス式スイッチを含む。
【0016】
選択的に、前記スイッチ部品は、
前記マザーボードに溶接され、
又は、前記スイッチ部品での弾力ピンは前記マザーボードの金属接点にプレスタッチされ、
又は、前記スイッチ部品の金属接点は前記マザーボードに設置された弾力ピンでプレスタッチされるように設置される。
【0017】
なお、本発明の実施形態の異なる厚さの電池を識別する方法は、
電子デバイス内の電池室に近接する箇所に制御回路と接続されたバックルスイッチを設置すること、
前記電子デバイスに薄い電池が取り付けられた際、前記バックルスイッチの状態はオンであり、前記電子デバイスに厚い電池が取り付けられた際、前記バックルスイッチの状態はオフであること、
前記制御回路は、前記バックルスイッチのオン・オフ状態により、前記電子デバイスに取り付けられたのが、薄い電池であるか、厚い電池であるかを識別すること、を含む。
【0018】
選択的に、前記制御回路は、ベースバンド処理チップを備え、前記バックルスイッチが前記ベースバンド処理チップのGPIOポートと接続され、前記ベースバンド処理チップは、前記GPIOポートのレベル状態により、前記バックルスイッチのオン・オフ状態を確定する。
【0019】
選択的に、前記バックルスイッチは、バックル、ばね部材及びスイッチ部品を備え、前記バックルはスロットにより前記電子デバイスのケース内に嵌められ、前記バックルの前記電池室に近接する側に弧状接触面が設けられ、他側にスロットが設けられ、前記ばね部材はそれぞれ前記スロット及び前記スイッチ部品に接続され、
電池が電池室に取り付けられた際、前記電池が前記バックル側の前記弧状接触面と接触し、且つ前記バックル他側のばね部材を押し込みし、
厚い電池が前記電池室に取り付けられた際、前記バックルが押し下げられ、前記ばね部材が押し込まれた後前記スロットを触発して前記スイッチ部品を押し下げ、薄い電池が前記電池室に取り付けられた際、前記バックルが押し下げられなく、前記ばね部材の弾力により前記スイッチ部品を弾出する。
【0020】
選択的に、前記スイッチ部品は前記マザーボードに溶接され、又は、前記マザーボードに金属接点が設置され、前記スイッチ部品での弾力ピンは前記金属接点にプレスタッチされ、又は、前記マザーボードに弾力ピンを設置し、前記弾力ピンは前記スイッチ部品の金属接点にプレスタッチされる。
【0021】
選択的に、該方法は、前記制御回路が前記電子デバイスに取り付けられた電池を識別した後、それぞれ相応の電源管理モジュールを利用して、前記電子デバイスの電源を電量計算及び/又は電量表示することをさらに含む。
【0022】
本発明の実施形態は、以上に記載された装置を備える電子デバイス、をさらに提供する。
【発明の効果】
【0023】
従来の技術と比べて、本発明の実施形態は少なくとも以下の利点を有する。
【0024】
1.簡単、正確に電池タイプを判断し、コストが低くし、達成方法は簡単で、達成が簡単で、実行しやすい。
【0025】
2.コストを低下し、厚さという2種の電池技術案を採用する際構造部材(後ろケース、電池カバーなどを含む)を変更する必要がなく、1セットの構造部材を共用できる。
【0026】
3.バックル式スイッチは、電池を固定する機能を果たし、異なる厚さの電池を採用する際電池を変位する必要がなく、装置のユーザ利便性が良い。
【0027】
4.ユーザは、単独に選択プログラムを操作する必要がない場合に自動に電池タイプを識別し、さらに管理し、ユーザ利便性が良い。
【0028】
ここで、説明する図面は、本発明の実施形態を更に理解するためのものであり、本発明の一部を構成し、本発明の模式的な実施形態及びその説明は本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1a】それぞれ電子デバイスに2種の異なる厚さの電池を設置する模式図である。
図1b】それぞれ電子デバイスに2種の異なる厚さの電池を設置する模式図である。
図2図2は本発明の実施形態によるバックルスイッチの制御回路模式図である。
図3図3は本発明の実施形態によるバックルスイッチ付きの携帯電話端末の分解模式図である。
図4図4は本発明の実施形態によるバックルスイッチの模式図である。
図5a】それぞれ本発明の実施形態によるバックルスイッチ付きの携帯電話端末の内部組み立て模式図である。
図5b】それぞれ本発明の実施形態によるバックルスイッチ付きの携帯電話端末の内部組み立て模式図である。
図6a】それぞれ本発明の実施形態によるバックルスイッチ付きの携帯電話端末の電池組み立て模式図である。
図6b】それぞれ本発明の実施形態によるバックルスイッチ付きの携帯電話端末の電池組み立て模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本実施形態は、異なる厚さの電池を識別する装置及び方法を提供し、具体的には以下の技術案を採用する。
【0031】
前記装置は、バックルスイッチ、及び制御回路を備え、
前記電子デバイスに薄い電池が取り付けられた際、前記バックルスイッチの状態はオンであり、前記電子デバイスに厚い電池が取り付けられた際、前記バックルスイッチの状態がオフであり、
前記制御回路は、前記バックルスイッチの状態により、前記電子デバイスに取り付けられたのが、薄い電池であるか、厚い電池であるかを識別する。
【0032】
前記バックルスイッチは、バックル、ばね部材及びスイッチ部品を備え、前記バックルの1側に電池本体の側面と接触された弧状接触面が設けられ、他側にばね部材スロットが設けられ、前記ばね部材はそれぞれ前記スロット及び前記スイッチ部品に接続される。
【0033】
好ましくは、バックルスイッチの機械部分は、1つ又は複数の上表面が円弧面で下表面が平面であるバックル(該バックルの側面にばね部材スロットを有する)、ばね部材、マザーボードに接続されたスイッチ部品からなり、該スイッチ部品は、機械的スイッチ又はFPC(フレキシブル回路基板)スイッチであってよい。
【0034】
好ましくは、バックルスイッチは、回路接続において1つのSPDTスイッチとして、オン、オフという2つの状態を有し、状態オンは高レベルでプルアップする状態であり、状態オフは接地する状態である。バックルスイッチのスイッチ状態は電池とバックルスイッチの相対位置で決定されたものであり、バックルスイッチの状態情報はGPIOバスによりベースバンドチップにフィードバックされ、ベースバンドチップは状態情報を取得した後異なる状態で対応の電池情報管理電源管理モジュールを利用して電池を管理する。端末デバイスに薄い電池が取り付けられる際、取り付け終わった後、バックルが跳ねて、バックルスイッチ状態がオンであり、端末デバイスに厚い電池が取り付けられた際、取り付け終わった後バックルが押し下げられ、バックルスイッチの状態がオフである。
【0035】
電池をマザーボードの上方から電池室に置く際、電池の一端はバックルの上表面に接触し、円弧面をプレスして力を受けさせ、側面へ電池室の側面溝に縮み込まれ、電池の厚さが薄いときには、厚さのストロークを経った後側面バックルが力を受けなくて弾出し、スイッチ状態がオフであり、電池の厚さが厚いときには、厚さのストロークを経て側面バックルがまだ厚い電池のストロークにおいて力を受けて、且つ弾出しなく、スイッチ状態がオンである。
【0036】
好ましくは、マザーボードでのスイッチ部品を接続することは、多種の形態を採用することができ、機械プレス接点スイッチ、FPC式スイッチ、スタイラス式スイッチなどであってよく、異なるスイッチ形態の選択により、接続方法も異なり、スイッチを直接にマザーボードに溶接することであってよく、マザーボードに金属接点を設置し、スイッチでの弾力ピンが接点にプレスタッチされることであってよく、又はマザーボードに弾力ピンを設置し、弾力ピンがスイッチの金属接点にプレスタッチされることなどであってよい。
【0037】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳しく説明する。説明する必要があるのは、衝突しない場合に、本発明における実施形態及び実施形態における特徴を互いに任意に組み合わせることができる。
【0038】
以下の実施形態において、携帯電話端末を例として本発明の具体的な実施形態を説明するが、本発明の技術思想は携帯電話端末に応用することに限定されたものではなく、同様にノートパソコン、タブレットパソコンなどの他の電子デバイスに応用することができる。
【0039】
図1aと図1bに示すように、携帯電話端末を例として、同じ種類の電子デバイスの後ろケース3にそれぞれ厚さが異なる電池、即ち薄い電池12と厚い電池11を組み立てる模式図を示す。
【0040】
図2に本発明の実施形態のバックルスイッチの制御回路模式図を示す。図2に示すように、機械的スイッチの基本的な動作原理は、機械的スイッチの内部にS1、S2、S3という3つの作業pinピンが含まれ、一般的な場合にpinピンS3は直接に接地として使用し、pinピンS1とS2は実際の使用状況に応じて定義を確定することである。
【0041】
本発明の実施形態におけるスイッチ状態は、主に以下の2種の状態を有する。
【0042】
状態1:S1は短絡接地状態にあり、S2は未接続状態にあり、1つのプルアップ抵抗回路網を通過した後、GPIOポートに接続され、S3は機械的スイッチの接触点であり、S3が接触されないときには、スイッチS1とS2はオフ状態にある。
【0043】
状態2:S1は短絡接地状態にあり、S3が接触されないときには、スイッチpinピンS2とS1を接続し、S3で接触された後、S2は未接続状態からS1と接続する状態に変更し、接地状態にあり、スイッチはS1とS2が接触する状態にある。
【0044】
該制御回路に1種の状態(高又は低状態)を必要とすれば、ベースバンド処理チップが周辺デバイスに対する状態制御を達成し、相応の機能を達成することができる。一般的な場合にはGPIO(General Purpose Input Output,汎用IOポート)ポート部に携帯電話における常用のアナログ電圧AVDD(数値が2.8Vである)を採用し、GPIOポートに1つの抵抗Rserialを直列接続してプルアップ処理するとともに、1つの並列キャパシタンスCparallelを予め設置し、幾つかの干渉信号をフィルタ除去することに用いられる。
【0045】
機械的スイッチは状態1にあるとき、S2が未接続状態にあるので、回路に1つの無限大の抵抗と等価となり、等価の無限大の抵抗がRserialと抵抗分割器ネットワークを構成し、GPIOポート部の電圧はAVDDの電圧と同じであり、このときの、GPIOは高レベルである。
【0046】
機械的スイッチは状態2にあるとき、S2は接地状態にあるので、回路に1つのゼロオーム抵抗と等価となり、ゼロオーム抵抗がRserialと抵抗分割器ネットワークを構成するとき、GPIOポート部の電圧が零であり、このとき、GPIOは1つの低レベルである。
【0047】
GPIOポートの高低レベルの2種の状態は、それぞれ厚さという2種の電池タイプに対応するので、ベースバンド処理チップにこのGPIOポート部の高低レベルを判断することにより、電池の厚さのタイプを判断することができ、それにより異なる電量の制御を達成する。
【0048】
図3は、携帯電話端末を例とするバックルスイッチ付きの識別装置の分解図であり、携帯電話端末は、マザーボード4、前ケース5及び後ろケース3を備え、マザーボード4にバックルスイッチアセンブリが設けられ、後ろケース3に2つのスロットが設置され、バックルスイッチアセンブリのバックル7はスロットにより後ろケース3内に嵌められ、一部が表面から露出し、バックル7の上円弧面が上へ向かって、バックルの側面に柱体が設置され、ばね6に挿し込まれることができ、ばね6がマザーボードに接続されたスイッチ部品8と(スイッチ部品8とマザーボードの接続方法は溶接、ネジ固定などの方法又は多種の方法の結合であってよい)接続する。
【0049】
バックル7が力を受けた際、側面がばね6をプレスし、バックルの柱体はスイッチ部品8をプレスしてスイッチ部品8が力を受けて押し下げられ、バックル7が力を受けない際、ばね6はバックル7を外へ反発し、スイッチ部品8が力を受けなくて、跳ねる。厚い又は薄い電池を組み立てる際、いずれもバックル7の上円弧面をプレスして力を受けさせ、内へ縮み込む。
【0050】
図4は、本発明の実施形態のバックルスイッチの模式図である。図において2つのバックルを例として、その中の1つのバックルがマザーボードでのスイッチ部品と接続してスイッチを検出し、及び電池を固定する作用を果たし、他の1つが構造部材と接続して電池を固定する作用のみを果たす。バックルの側面に柱体を有し、バックルの上円弧面が圧力を受けた際、柱体は内へばねをプレスして且つスイッチ部品を押え、スイッチ部品は状態1から状態2に変更する。電池を取り付けて起動する際、ベースバンド処理チップはスイッチ部品の状態を検出し、状態1であると、ベースバンド処理チップは薄い電池状態情報を利用して電池を管理し、状態2であると、ベースバンド処理チップは厚い電池状態情報を利用して電池を管理する。
【0051】
図5は、厚いと薄い電池がバックルスイッチ付きの識別装置に組み立てられた組み立て図であり、薄い電池12の高さは低いので、スイッチ部品8が薄い電池の高さストロークを経った後力を受けなく、バックル7は薄い電池12を落ちないように係合し、ばね6はバックル7を反発して外へ弾出させ、スイッチ部品8は力を受けないので押し下げられなく、厚い電池11の高さは高いので、バックル7は厚い電池11が係合された後継続的に力を受けて、バックル7はばね6をプレスしてスイッチ部品8を押し下げ、スイッチ部品8は力を受けて押し下げられ、状態が変更する。また、図5において2つのバックルを例とし、その中の1つがマザーボードでのスイッチ部品と接続してスイッチを検出し及び電池を固定する作用を果たし、他の1つが構造部材と接続されて電池を固定する作用を果たす。
【0052】
図6は、バックルスイッチ付きの識別装置の携帯電話端末電池の組み立て模式図である。2つのバックルを例とする携帯電話端末を例として、薄い電池12が組み立てられたとき、バックル7が先に縮み込み、組み立てを完成した後バックル7が弾出して且つ薄い電池12を係合し、このとき、スイッチ状態が状態1であり、厚い電池11が組み立てられたとき、バックル7が縮み込まれ、組み立てを完成した後、バックル7は弾出しなく、この際、スイッチ状態が状態2である。
【0053】
以上のように、本発明の実施形態は、簡単な制御回路とバックルスイッチの合わせを利用して、正確に厚い電池と薄い電池を判断する構造を提供し、スイッチは識別機能を果たすとともにバックル構造として薄い電池を固定することができ、異なる厚さの電池に対して1セットの構造部材を使用することができ、同時に相応の電池情報を利用してそれを管理することができる。本発明の実施形態は、構造が簡単で、コストが低く、且つ電子デバイスにおける厚いと薄い電池を正確的に判断することができるという利点を有する。
【0054】
以上は本発明の好ましい実施形態のみであり、本発明を限定するためのものではなく、本発明はさらに他の多種の実施形態を有することができ、本発明の主旨及びその実質を逸脱しない場合に、当業者は、本発明の実施形態により各種の相応の変更と変形をすることができるが、これらの相応の変更と変形はすべて本発明に付属する請求の範囲の保護範囲に属すべきである。
【0055】
明らかに、当業者は、前記の本発明の各モジュール又は各ステップは汎用の計算装置で達成することができ、それらは単一の計算装置に集中してもよいし、又は複数の計算装置からなるネットワークに配布されてもよく、選択的に、それらは計算装置が実行可能なプログラムコードで達成することができ、それにより、それらを記憶装置に記憶して計算装置で実行することができ、且つある場合には、それと異なる順序で表示又は記載されたステップを実行することができ、又はそれらをそれぞれ各集積回路モジュールに製造し、又はそれらの中の複数モジュール又はステップを単一の集積回路モジュールに製造することにより達成することができる。このように、本発明はいずれの特定なハードウェアとソフトウェアの結合に限定されたものではないこと理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の実施形態の装置は、構造が簡単で、コストが低く、且つ電子デバイスにおける厚い電池と薄い電池を正確的に判断することができる。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b