特許第6017043号(P6017043)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6017043-陶芸品の製造方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017043
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】陶芸品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 33/24 20060101AFI20161013BHJP
   C04B 38/06 20060101ALI20161013BHJP
   A01G 9/02 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   C04B33/24 Z
   C04B38/06 C
   A01G9/02 101V
   A01G9/02 101U
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-527300(P2015-527300)
(86)(22)【出願日】2014年7月15日
(86)【国際出願番号】JP2014068780
(87)【国際公開番号】WO2015008745
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2015年10月14日
(31)【優先権主張番号】特願2013-149501(P2013-149501)
(32)【優先日】2013年7月18日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】593205037
【氏名又は名称】水谷 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100090985
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】水谷 勝
【審査官】 小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−032237(JP,A)
【文献】 特開昭52−038513(JP,A)
【文献】 特開平10−130073(JP,A)
【文献】 特開昭54−038306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 33/24
A01G 9/02
C04B 38/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可塑性坏土を使用して陶芸成形品を手作り成形するに際して、香気を発生する香気発生成分を含有せしめ、かつ成形作業中に香気が発散する坏土を用いて手作り成形することを特徴とする陶芸品の製造方法。
【請求項2】
香気発生成分が、桧、桂皮、白檀、沈香、伽羅等の香気発生植物であることを特徴とする請求項1記載の陶芸品の製造方法。
【請求項3】
可塑性坏土を使用して陶芸品の成形物を手作り成形するに際して、(1)香気を発生する香気発生成分と(2)焼成により消失して多数の空洞を形成せしめる多数の細粒からなる消失成分を含有せしめ、かつ成形作業中に香気が発散する可塑性坏土を用いて手作り成形し、次いで成形物を乾燥後、焼成して多孔質の陶芸品を製造することを特徴とする陶芸品の製造方法。
【請求項4】
(1)香気を発生する香気発生成分と(2)焼成により消失して多数の空洞を形成せしめる多数の細粒からなる消失成分が、桧、桂皮、白檀、沈香、伽羅等の香気発生植物の粉砕物であることを特徴とする請求項3記載の陶芸品の製造方法。
【請求項5】
可塑性坏土を使用して成形物を手作り成形するに際して、桧、桂皮、白檀、沈香、伽羅等の香気発生植物の粉砕物を含有せしめ、かつ成形作業中に香気が発散する可塑性坏土を用いて手作り成形し、次いでその成形物を乾燥後、焼成して多孔質の吸水性陶芸品を製造することを特徴とする陶芸品の製造方法。
【請求項6】
可塑性坏土を使用して成形物を手作り成形するに際して、桧、桂皮、白檀、沈香、伽羅等の香気発生植物の粉砕物と粘土粉末を混合した後、水を加えて混練して香気発生植物の粉砕物を含有せしめ、かつ成形作業中に香気が発散する可塑性坏土を調製し、それを用いて成形物を手作り成形し、次いでその成形物を乾燥後、焼成して多孔質の吸水性陶芸品を製造することを特徴とする陶芸品の製造方法。
【請求項7】
可塑性坏土を使用して成形物を手作り成形するに際して、桧、桂皮、白檀、沈香、伽羅等の香気発生植物の粉砕物と粘土粉末と水とを混合・混練して香気発生植物の粉砕物を含有せしめ、かつ成形作業中に香気が発散する可塑性坏土を調製し、それを用いて成形物を手作り成形し、次いでその成形物を乾燥後、焼成して多孔質の吸水性陶芸品を製造することを特徴とする陶芸品の製造方法。
【請求項8】
多孔質の吸水性陶芸品が、植木鉢であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の陶芸品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は陶芸品の製造方法に関し、特に陶芸成形品を手作り成形する際に、爽快な気分で作業ができ、優良な陶芸作品の創作に寄与する陶芸品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、陶芸作品であるやきものの成形方法には、(1)ろくろ成形、(2)手びねり成形、(3)たたら成形、(4)起こし成形、(5)押し出し成形、(6)プレス成形など目的や形状に応じて様々な方法がある。
(1)ろくろ成形は、回転するロクロの天板の上に載せられた粘土の固まり(坏土)を手指で押さえ込み、粘土を所望の形に成形するもので、粘土の固まりを、まず円柱形に挽き伸ばし、内側と外側から手指やヘラで挟みつけ、締めながら少しずつ目的の形へと成形する。
熟練すれば大きなものから小さなものまで比較的早く成形でき、量産も可能でやきもの作りの基本となっている。
(2)手びねり成形は、小さな茶碗などを掌に載せるようにして作る初歩的なものから、粘土で紐(ひも)を作って、それを積み上げて茶椀や傘立(かさたて)を成形する紐作り成形まで、手を使って成形する方法の総称の様に言われている方法である。
(3)たたら成形は、厚さのきまった棒状の板(たたら板)を使って、板と同じ厚さの素地土の板(たたら)を作って成形する方法で、長方形の板を組み合わせて箱を作ったり、石膏型(せっこうがた)にたたらを押しつけて、石膏型と同じ形状の皿などを作ったりする。
(4)起こし成形は、型起こし成形ともいい、起こし成形の型には、外型と内型の2種類がある。
(5)押し出し成形は、粘土(坏土)を金型などを用いてところ天のように、同じ形のものを押し出して作る方法で、使われる素地土は、水分含有量が20 〜25%程度である。
(6)プレス成形は、タイルのように単純な形のものを量産するのに適した成形方法で、乾燥した粉末を金型に入れ圧力をかけて押し固める方法である。
【0003】
以上のような成形方法で、優良な陶芸作品を成形する段階においては、創作作業を人手で精神統一をしながら注意深く行うものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業中の周囲の騒音や振動やその他ストレス等の影響で、精神を集中して創作作業を行うのが至難であり、その結果満足し得ない成形品ができてしまう問題が生じる。
特に、華麗な盆栽を植えて自然を楽しむ盆栽鉢等の創作においては、爽快な気分のもとで精神統一をして、盆栽植木鉢陶芸品を作成したいものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するものであり、下記構成の陶芸成形品の製造方法である。
[1] 可塑性坏土を使用して陶芸成形品を手作り成形するに際して、香気を発生する香気発生成分を含有せしめ、かつ成形作業中に香気が発散する坏土を用いて手作り成形することを特徴とする陶芸品の製造方法。
[2] 香気発生成分が、桧、桂皮、白檀、沈香、伽羅等の香気発生植物であることを特徴とする[1]記載の陶芸品の製造方法。
[3] 可塑性坏土を使用して陶芸品の成形物を手作り成形するに際して、(1)香気を発生する香気発生成分と(2)焼成により消失して多数の空洞を形成せしめる多数の細粒からなる消失成分を含有せしめ、かつ成形作業中に香気が発散する可塑性坏土を用いて手作り成形し、次いで成形物を乾燥後、焼成して多孔質の陶芸品を製造することを特徴とする陶芸品の製造方法。
[4] (1)香気を発生する香気発生成分と(2)焼成により消失して多数の空洞を形成せしめる多数の細粒からなる消失成分が、桧、桂皮、白檀、沈香、伽羅等の香気発生植物の粉砕物であることを特徴とする[3]記載の陶芸品の製造方法。
[5] 可塑性坏土を使用して成形物を手作り成形するに際して、桧、桂皮、白檀、沈香、伽羅等の香気発生植物の粉砕物を含有せしめ、かつ成形作業中に香気が発散する可塑性坏土を用いて手作り成形し、次いで成形物を乾燥後、焼成して多孔質の吸水性陶芸品を製造することを特徴とする陶芸品の製造方法。
[6] 可塑性坏土を使用して成形物を手作り成形するに際して、桧、桂皮、白檀、沈香、伽羅等の香気発生植物の粉砕物と粘土粉末を混合した後、水を加えて混練して香気発生植物の粉砕物を含有せしめ、かつ成形作業中に香気が発散する可塑性坏土を調製し、それを用いて成形物を手作り成形し、次いでその成形物を乾燥後、焼成して多孔質の吸水性陶芸品を製造することを特徴とする陶芸品の製造方法。
[7] 可塑性坏土を使用して成形物を手作り成形するに際して、桧、桂皮、白檀、沈香、伽羅等の香気発生植物の粉砕物と粘土粉末と水とを混合・混練して香気発生植物の粉砕物を含有せしめ、かつ成形作業中に香気が発散する可塑性坏土を調製し、それを用いて成形物を手作り成形し、次いでその成形物を乾燥後、焼成して多孔質の吸水性陶芸品を製造することを特徴とする陶芸品の製造方法。
[8] 多孔質の吸水性陶芸品が、植木鉢であることを特徴とする[5]〜[7]のいずれか1項に記載の陶芸品の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本願発明によれば、陶芸品を粘土(坏土)で成形する際に、粘土生地(坏土)から香気が発散してきて、創作者に爽快な気分を与えるため、容易に精神統一がはかられ、かつ心地良く作業ができるので優良な成形品を製作することができる。
また、香気発生物として桧等の香木の破砕細片を混入させた粘土生地を使用して植木鉢等を製造すれば、良好な作業雰囲気で成形ができると共に、多孔質で吸水性の良い盆栽植木鉢等の陶芸品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本願発明の香気成分を含有した可塑性粘土(坏土)を使用して陶芸成形品を手作り成形をしている状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願発明で原材料として使用される、可塑性坏土は通常、天然の水分を含んだ可塑性の粘土、あるいは粘土粉末に水を添加混練して調製された可塑性の粘土であり、一般に水分含有量が20〜25%である。
その粘土に、例えば桧屑、好ましくは平均粒径50〜500μmの桧屑、を外割で25%添加混練するには、数回に分けて添加・混練を行うことが好ましい。
すなわち、桧屑を最初は5%分を添加・混練し、次いで10%分を添加・混練し、最後に10%分を添加・混練する。
このように、添加混練を数回にわたって繰り返し行うことにより、桧屑を粘土生地に容易に均質に添加・混練することができる。
一度に、25%の桧屑を添加・混練しても、均質に混ぜることは殆ど不可能である。
また、粘土粉末に平均粒径50〜500μmの桧屑を外割で25%程度添加混合し、それに水を添加しながら混練すれば、容易に均質な混練物とすることができる。
なお、可塑性粘土を調製する際に、粘性を改善するためにメチルセルロース、ポリアクリル酸等の増粘剤を添加・混合してもよい。
香気を発生する香気発生成分としては、粘土生地に均質に混ざるものであれば何でもよく、例えばラベンダー香油、ばら香油等の香油、あるいはそれらのマイクロカプセル、又は桧、白檀、杉、松、桂皮、沈香、伽羅、薄荷、等の香気発生植物(香木)の細砕物、を使用することができる。
そして、特に個々の陶芸成形作業者毎に、各人の好みの香気を出す種類の成分を添加・混練した粘土を用意しておくことが好ましい。
その添加量は香気発生のみを目的とする場合は、極めて少ない量で良いが、多孔質の盆栽植木鉢などの陶芸品を製造する場合は、細孔の必要量等を考慮して、香木屑等を必要量添加・混練することが好ましい。
【実施例】
【0009】
以下の実施例は、本発明を実施する場合の好ましい例を具体的に示すことを意図するものであって、本発明がこれらの実施例によって限定されることは意図されていない。
【0010】
実施例1:
まず、桧を細かく破砕して、平均粒径100μmの桧屑を用意した。
次いで、第1工程として、可塑性粘土(信楽粘土)100重量部に対して、前記桧屑を5重量部添加混練した後、更に第2工程として、その添加・混練物に桧屑を10重量部を追加して添加・混練した。更に第3工程として、第2工程で得られた混練物に桧屑を10重量部を添加・混練した。
以上のようにして、可塑性粘土(信楽粘土)100重量部に対して、合計25重量部の桧屑を添加・混練した。
そこで、得られた桧屑25重量部添加粘土をろくろ上に載せて、盆栽植木鉢の成形作業を行った。
成形作業中において、粘土生地から桧の爽やかな香りが発散され、爽快な気分で創作をすることができ、十分に満足し得る作品が出来上がった。
なお、桧から出る香気成分のヒノキチョールは、爽やかな香気を与えるばかりでなく、抗菌作用も発揮するため、作業者の手指に少しの創傷があっても悪化することがなく、手指の皮膚病等の悪化を防止することができる。
図1は、本願発明の可塑性坏土を使用して陶芸成形品を手作り成形をしている状態の説明図であり、1は香気発生成分含有の可塑性粘土(坏土)、2はろくろ、3は創作者の手指である。
次に、成形を終えた成形体を自然乾燥してから、素焼窯に入れて約900℃で素焼きした。その際、桧屑は燃焼して消失し、焼成物素地には連続細孔の空洞が生成した。
その後、素焼きした成形体を本焼き窯に入れて1250℃で焼成した。その結果、吸水性の良い多孔質焼成物素地の盆栽植木鉢が製造された。
【0011】
実施例2:
まず、桧を細かく破砕して、平均粒径100μmの桧屑を用意した。
次いで、第1工程として、信楽粘土粉末140重量部に対して、前記桧屑を44重量部を添加・混合した後、更に第2工程として、その添加・混合物に水35重量部を添加して混練した。その結果、桧屑と粘土粉と水が容易に混合・混練され、均質な桧屑含有可塑性粘土が調製された。
使用した信楽粘土粉末は、例えば信楽粘土に多量の水を加えて泥漿としたものを、水簸し、フイルタープレスにかけて脱水した後、乾燥し、粉砕して得られたもので、含水率は10%以下である。
そこで、得られた桧屑含有可塑性粘土をろくろ上に載せて、盆栽植木鉢の成形作業を行った。
成形作業中において、粘土生地から桧の爽やかな香りが発散され、爽快な気分で創作をすることができ、十分に満足し得る作品が出来上がった。
【0012】
実施例3〜7:
これら実施例2〜7では、粘土粉末に香気発生成分を添加して混合するので、可塑性粘土に香気発生成分を添加・混合する場合に比して、簡単に均等に混合することができる。すなわち、可塑性粘土に香気発生成分を添加・混合すると、可塑性粘土が弾性固体状物質であるところ、香気発生成分は粉末又は液状物質であるため、相性が悪く均等に混合することは至難である。
そこで、先ず粘土粉末に香気発生成分添加混合し、次いで/又は同時に水を添加しながら混合して可塑性粘土を調製することが好ましい。こうすることによって、容易に均一混合が達成される。
【0013】
実施例3:
まず、信楽粘土粉末1360gに水340gとラベンダー香油1.7gを同時に混合・混練してラベンダー香油を含有せしめた香気成分含有可塑性坏土を調製した。
配合比(重量%)は、信楽粘土粉末80%、水19.9%、ラベンダー香油0.1%であった。
他に、ラベンダー香油添加量を、(1)0.01%、(2)0.05%、(3)1.0%の各添加量の香気成分含有可塑性坏土を調製して、香りのテストをした。
その結果、(1)0.01%のものは僅かだけの香りで、物足りなく、(2)0.05%のものは香りが薄く、また、(3)1.0%のものは少しきつい香りであった。0.1%添加量のものが非常に好ましいものであった。
【0014】
実施例4:
実施例3のラベンダー香油に換えて、バラ香油を使用した。
その結果は、実施例3の場合と同様であって、バラ香油0.1%添加のものが非常に好ましいものであった。
【0015】
実施例5:
実施例3のラベンダー香油に換えて、オレンジ香油を使用した。
その結果は、実施例3の場合と同様であって、オレンジ香油0.1%添加のものが非常に好ましいものであった。
【0016】
実施例6:
まず、信楽粘土粉末1380gに月桂樹葉乾燥粉末51.6gを添加・混合し、次いでそれに水252.4gを添加して混練し、月桂樹葉乾燥粉末を含有せしめた香気成分含有可塑性坏土を調製した。
配合比(重量%)は、信楽粘土粉末80%、水17%、月桂樹葉乾燥粉末3%であった。
他に、月桂樹葉乾燥粉末添加量を、(1)0.5%、(2)1%、(3)2%の各添加量の香気成分含有可塑性坏土を調製して、香りのテストをした。
その結果、(1)のものはほんの少しだけの香りで、(2)のものは香りが薄く物足りなく、また、(3)のものはまだ香りが十分でなかった。3%添加量のものが非常に好ましいものであった。
【0017】
実施例7:
まず、信楽粘土粉末1385gにシナモン樹皮乾燥粉末88.8gを添加・混合し、次いでそれに水3017gを添加して混練し、シナモン樹皮乾燥粉末を含有せしめた香気成分含有可塑性坏土を調製した。
配合比(重量%)は、信楽粘土粉末78%、水17%、シナモン樹皮乾燥粉末5%であった。
他に、シナモン樹皮乾燥粉末添加量を、(1)0.5%、(2)1%、(3)3%の各添加量の香気成分含有可塑性坏土を調製して、香りのテストをした。
その結果、(1)のものはほんの少しだけの香りで、(2)のものは香りが薄く物足りなく、また、(3)のものはまだ香りが十分でなかった。5%添加量のものが非常に好ましいものであった。
【0018】
実施例8:
まず、信楽粘土粉末1256gにラベンダー花乾燥粉末135gを添加・混合し、次いでそれに水284gを添加して混練し、ラベンダー花乾燥粉末を含有せしめた香気成分含有可塑性坏土を調製した。
配合比(重量%)は、信楽粘土粉末75%、水17%、ラベンダー花乾燥粉末8%であった。
他に、ラベンダー花乾燥粉末添加量を、(1)0.5%、(2)1%、(3)3%の各添加量の香気成分含有可塑性坏土を調製して、香りのテストをした。
その結果、(1)のものはほんの少しだけの香りで、(2)のものは香りが薄く物足りなく、また、(3)のものはまだ香りが十分でなかった。8%添加量のものが非常に好ましいものであった。
【符号の説明】
【0019】
1:香気発生成分含有の可塑性粘土(坏土)
2:ろくろ
3:創作者の手指
図1