(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017060
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】フード付き磁気インペラアセンブリを備える容器
(51)【国際特許分類】
B01F 13/08 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
B01F13/08 Z
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-545053(P2015-545053)
(86)(22)【出願日】2013年11月5日
(65)【公表番号】特表2016-504184(P2016-504184A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】US2013068373
(87)【国際公開番号】WO2014085034
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2015年7月28日
(31)【優先権主張番号】61/731,128
(32)【優先日】2012年11月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・モリッシー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ペレイラ
【審査官】
増田 健司
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/063845(WO,A1)
【文献】
特開2012−165764(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0219780(US,A1)
【文献】
国際公開第2008/040569(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/015571(WO,A1)
【文献】
特開2005−907(JP,A)
【文献】
特表2008−504118(JP,A)
【文献】
特開2007−276881(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0028990(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 13/08
B01F 7/00
B01F 15/02
B65D 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体用の使い捨て容器であって、
折り畳み式の可撓性材料から形成された閉鎖容積部と、
該容器内にある1個以上の入口と、
該容器内にある1個以上の出口と、
該容器の該閉鎖容積部内に少なくとも部分的に取り付けられたインペラアセンブリと を備え、
該インペラアセンブリは、少なくとも1個の可動ブレードと、該少なくとも1個のブレードの上及びその周囲に配置された保護フードとを備え、前記折り畳み式の可撓性材料が折り畳まれた状態にある際、前記保護フードは、前記折り畳まれた可撓性材料を、前記少なくとも1個のブレードによる損傷から保護し、該インペラアセンブリは、該容器に密閉されている、使い捨て容器。
【請求項2】
前記保護フードは、液体が流れることのできる1個以上の開口を有する頂部表面を備える、請求項1に記載の使い捨て容器。
【請求項3】
前記保護フードは、液体が流れることができる、前記インペラアセンブリの軸に対して垂直な1個以上の開放領域を備える、請求項1に記載の使い捨て容器。
【請求項4】
前記保護フードがドーム状である、請求項1に記載の使い捨て容器。
【請求項5】
前記少なくとも1個のブレードの上及びその周囲にある前記保護フードの配置は、該少なくとも1個のブレードが該保護フードに接触しないものである、請求項1に記載の使い捨て容器。
【請求項6】
前記少なくとも1個のブレードの上及びその周囲にある前記保護フードの配置は、該少なくとも1個のブレードが前記容器に接触しないものである、請求項1に記載の使い捨て容器。
【請求項7】
前記インペラアセンブリが磁気駆動される、請求項1に記載の使い捨て容器。
【請求項8】
流体処理システムであって、
請求項1に記載の容器と、
接線流ろ過ユニットと、該容器から該接線流ろ過ユニットへ、そして該容器に戻る流れをもたらす導管と
を備える流体処理システム。
【請求項9】
流体を混合する方法であって、
流体用の容器を準備し、ここで、該容器は、
折り畳み式の可撓性材料から形成された閉鎖容積部と、
1個以上の入口と、
1個以上の出口と、
該閉鎖容積部内に少なくとも部分的に装着されたインペラアセンブリと
を備え、該インペラアセンブリは、少なくとも1個の可動ブレードと、該少なくとも1個のブレードの上及びその周囲に配置された保護フードとを備え、前記保護フードは、前記折り畳まれた可撓性材料を、前記少なくとも1個のブレードによる損傷から保護し、該インペラアセンブリは該容器に密閉され;
混合される流体を該容器に導入し;そして
該少なくとも1個の可動ブレードを作動させること
を含む方法。
【請求項10】
前記少なくとも1個の可動ブレードが磁気駆動される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記保護フードは、間隔の空いた複数の開口部を有し、該複数の開口部は、開口部の第1リングと、該第1リングの半径方向内側に配置された開口部の第2リングとを含む請求項1に記載の使い捨て容器。
【請求項12】
前記開口部の第2リングの半径方向内側に配置された開口部の第3リングを更に含む請求項11に記載の使い捨て容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2012年11月29日に出願された米国仮出願第61/731128号(その開示を参照によりここで援用する)の優先権を主張する。
【0002】
分野
ここで説明する実施形態は、使い捨て容器、及び好ましくは磁気により駆動しかつ該容器に連結されるインペラアセンブリであって、該インペラアセンブリのブレード又は羽根の少なくとも一部をフードが取り囲むものに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
伝統的に、流体は、ステンレス鋼容器を利用するシステムで処理されてきた。これらの容器は、再利用することができるように、使用後に滅菌される。滅菌手順は、高価でかつ面倒なだけでなく、時間的に無駄である。
【0004】
製造の際における大きな柔軟性を与えかつ装置の有効な再生を行うために必要な時間を短縮するために、製造業者は、製品バッチで一度使用され、その後処分される使い捨て滅菌バッグを利用し始めている。
【0005】
これら使い捨てバッグの使用例は、少なくとも一方が液体であり、他方が液体又は固体である2種以上の成分を混合させるためのシステムであり、このバッグは、これらの成分を可能な限り均一に混合させるための手段を有する。
【0006】
例えば、ワクチンの製造の際にしばしば関与する液体は、アジュバントとしてアルミニウム塩を含有する。アルミニウム塩は、身体の免疫応答を増強させることによってワクチンの有効性を改善させる。残念ながら、このアルミニウム塩は、0.2μmよりも大きい粒度を有するため、滅菌ろ過は一般に選択肢ではない。その結果、ワクチンを移す必要がある容器の数を最小限にすることが好都合な場合が多い。というのは、それぞれの移送は、無菌性の潜在的な突破口であり、生じる汚染を除去することはできないからである。したがって、ワクチンを、柔軟な使い捨てバッグなどの、これらのワクチンが出荷されるのと同じ容器内で混合することができることが好都合である。
【0007】
別の例は、細胞が懸濁液又はマイクロキャリア中にあり、バッグが該バッグの内側の周りに液体、ガス及び場合によっては細胞を循環させるための手段を有するバイオリアクター又は発酵槽である。
【0008】
従来の混合バッグの多くは、使い捨てバッグを交換するタンクの形状を模倣するように、バッグの底部が円錐を形成するシリンダのような形状である。この形状はバッグの内容物を混合させるのに役立つが、輸送及び貯蔵には役立たない。
【0009】
従来の他の混合バッグはキューブ状に形成されている。このキューブ形状は、輸送及び貯蔵に役立つが、混合のためには良い形状ではない。というのは、キューブの角は、容易に、混合が妨げられるデッドスポットになる場合があるからである。
【0010】
典型的には、混合又は循環のための手段は、バッグ内に収容される磁気結合インペラ及びリモートでインペラを回転させるバッグの外側にある磁石モータである。しかし、このような2D混合バッグの問題は、例えば流体レベルが低くなったとき又はバッグに流体が含まれていないときには初期出荷時にミキサーのインペラが接触しバッグの対向面に損傷を与える場合があることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、容器内の液体レベルが低い場合や容器が空の場合にも容器を損傷させない混合装置を備える、容器の入口及び容器の出口での発泡を最小化又は防止するための手段を有する流体用の使い捨て、好ましくは変形可能容器を提供することが望ましい。さらに、入口に入る流体が出口から離れて向かい、それにより入ってくる流体と容器内の流体との混合を達成する当該容器を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
概要
所定の実施形態によれば、ここに開示されるのは、流体用の変形可能バッグなどの使い捨て容器であって、1個以上の入口と、1個以上の出口と、該容器内において該容器に含まれる又は加えられた1種以上の成分を混合、分散、均質化及び/又は循環させるためのインペラアセンブリとを有するものである。所定の実施形態によれば、インペラアセンブリは、インペラアセンブリの可動ブレード又は羽根の少なくとも一部を取り囲み、かつ、該ブレード又は羽根の少なくとも一部の上にある保護フードを有する。所定の実施形態によれば、このフードは、ブレード又は羽根を取り囲み、かつ、ブレード又は羽根の高さにわたって円弧を描く。さらに具体的には、所定の実施形態では、フードは、インペラブレードの周囲及び上にドーム形状又は半球形状に成形されている。フードは、好ましくはインペラの軸線に垂直な1個以上、好ましくは2個以上の開口領域を有し、それを通して流体を押し引きすることができ(インペラブレード又は羽根の設計及び動作に応じて)、これは、ブレードが動いているときに良好な流体液循環を可能にする。フードは、出荷及び貯蔵の両方の間並びに特に低い液体レベルでの使用時にインペラアセンブリに対して容器表面のための保護装置として機能する。さらに、フードは、いくつかの実施形態では、発泡を防止しかつ乱流、すなわち混合効率を向上させるように特に低い液体レベルでボルテックスブレーカーとして作用することができる。所定の実施形態では、インペラは磁気により駆動される。
【0013】
フードは、該フードの上部表面が固体である場合にはボルテックスブレーカーとして作用することができ、そのため最初にはインペラアセンブリ又はインペラアセンブリへの開口部から離れて流体を向ける。インペラアセンブリから離れた流体の初期の偏向は、インペラでの1以上の渦の形成を最小限に抑える又は防止する。
【0014】
所定の実施形態では、フードの頂部表面は1個以上の開口部を有し、これを通して液体をインペラブレード又は羽根の設計及び動作に応じて押し出し又は引っ張ることができる。
【0015】
また、開示されるのは、容器内において流体を混合するためのシステムであり、該システムは、容器、インペラアセンブリ部材及び該インペラアセンブリ用のドライブを備える。
【0016】
また、開示されるのは、保護フードを備えるインペラアセンブリにより容器内の流体を混合させる方法である。この方法は、容器内に流体を導入し、ここで、該容器内にはインペラアセンブリが少なくとも部分的に収容され、かつ、該容器内に密封されており、そして該インペラアセンブリの該ブレード又は羽根を駆動させて該バッグ内の流体を攪拌することを含む。インペラアセンブリ上の保護フードは、ブレードからバッグを保護し、かつ、回転ブレードによって形成され得るいかなる渦をも破壊する。所定の実施形態では、インペラアセンブリ用のドライバはバッグの外部にあり、かつ、磁気によりインペラアセンブリを駆動させる。
【0017】
また、開示されるのは、1個以上の入口及び1個以上の出口を有する使い捨て容器と、該容器に含まれる又は添加された1種以上の成分を混合、分散、均質化及び/又は循環させるための該容器内にあるインペラアセンブリであって、該インペラアセンブリのブレード又は羽根の少なくとも一部を取り囲み、かつ、該ブレード又は羽根の少なくとも一部の上にある保護フードを有するものと、接線流ろ過ユニット及び導管であって、該容器から該接線流ろ過ユニットへの流れを生じさせ、そしてそれを該容器に戻すためのものとを備える流体処理システムである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、所定の実施形態に係る混合部材の上面図である。
【
図2】
図2は、
図1の線A−Aに沿って得られた混合部材の断面図である。
【
図3】
図3は、2Dバッグ内の混合部材の斜視図である。
【
図4】
図4は、例1に係るサンプリング位置を示すインペラアセンブリを有する容器の正面図である。
【
図5】
図5は、別の実施形態に係る混合部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
所定の実施形態の詳細な説明
所定の実施形態によれば、流体を受け取りかつ保持するように設計された使い捨て容器は、超高分子量ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度又は中密度ポリエチレンを含めたポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン酢酸ビニル(
EVA);ポリ塩化ビニル(PVC);ポリ酢酸ビニル(PVA);エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA共重合体);異なる熱可塑性樹脂のブレンド;異なる熱可塑性樹脂の共押出物;異なる熱可塑性樹脂の多層積層物など重合体組成物から形成される単層又は多層可撓性壁から形成できる。「異なる」とは、EVOHの1以上の層を有するポリエチレン層などの異なる重合体タイプのみならず、同一の重合体タイプであるが、分子量、直鎖状又は分枝状重合体、充填剤などの特性の異なるものも含むことを意味する。典型的には、医療グレード及び好ましくは動物質を含まないプラスチックが使用される。これらは、一般に、蒸気、エチレンオキシド又はベータ若しくはガンマ放射線などの放射線などによって滅菌できる。ほとんどは、良好な引張強度、低いガス移動を有し、かつ、透明又は少なくとも半透明のいずれかである。好ましくは、この材料は、溶接可能でありかつ支持されていない。好ましくは、該材料は、透明又は半透明であり、内容物の目視監視を可能にする。この容器は、1個以上の入口、1個以上の出口及び1個以上の任意のベント通路を備えることができる。容器の部分を溶接などによって密封して、いかなる流体も流れることができない領域を創り出すことができ、これにより、流体を受け取る容器の容積の形状を変更することができる。例が
図4に示されており、そこでは、容器の左下及び右下三角部38、39は密閉され、かつ、入口又は出口とは流体連通していないため、混合される流体を全く含有しない。
【0020】
所定の実施形態では、容器は、単回使用のために滅菌可能で、流体状態のバイオ医薬品流体などの内容物を収容でき、かつ、容器の内部に混合装置を部分的に又は完全に収容することができる閉鎖容積部を画定する使い捨ての変形可能な折り畳み式バッグとすることができる。閉鎖容積部を好適な弁機構などによって開いて、該容積部に流体を導入し、そして例えば混合が完了した後に流体をそこから排出することができる。
【0021】
容器は、二次元又は「枕」バッグであることができ、又は三次元バッグであることができる。容器の特定の形状は限定されない。
【0022】
各容器は、その内部に部分的に又は完全に、該容器内に含まれる1種以上の液体、気体及び/又は固体を混合又は循環させるためのインペラアセンブリを収容する。所定の実施形態によれば、インペラアセンブリは、1個以上のブレードを備え、該ブレードは、軸の周りの回転や振動などによって移動可能である。所定の実施形態では、回転運動を、接触している流体を混合する力に変換する。インペラアセンブリは保護フードを有し、該保護フードは、ブレード及びブレードと該フードの下面との間の液体の自由な動きを可能にするように、該フードの下面とブレードの外形寸法との間に空間が収容された状態で、ブレードの一部上に形成される。
【0023】
各容器は、1個以上の入口と出口、及び任意に、導電率、pH、温度、溶存ガスなどのパラメータについて容器内の液体を検知するための滅菌ガスベント及びポートといった他の特徴を備えることができる。
【0024】
一実施形態では、使い捨て容器は、流体を容器に充填しそしてそれを空にするのを容易にするために、固体支持体容器内に配置される。
【0025】
図1及び
図2を参照すると、使い捨て容器内に配置されるのに適したインペラアセンブリ10が示されている。インペラアセンブリ10は、基部14と、1個以上の可動ブレード又は羽根16と、保護フード18とを備える。所定の実施形態では、保護フード18は、1個以上のリブ又は脚部19により基部に連結されている。複数のリブ19を使用する場合には、好ましくは、これらは等しく間隔を開けて配置される。間隔を開けて配置されたリブ19間の開放領域は、インペラブレードが回転し、かつ、インペラアセンブリの内部への流体のアクセスを与える軸に対して略垂直である。ブレード16の数及び形状は特に限定されないが、ただし、これらが作動時に容器内の流体の十分な撹拌を与えることを条件とする。基部14及びフード18は、1個以上の可動ブレードのためのハウジングを画定し、かつ、容器の目的の液体内容物とは反応しない、又はそうでなければそれに干渉しないポリエチレンなどの好適なプラスチック材料から作製できる。また、1個以上のブレードは、ポリエチレンなどのプラスチック材料又はポリプロピレン共重合体などのガンマ線照射に対して抵抗性のある任意の重合体から構成できる。
【0026】
所定の実施形態では、基部14は、混合インペラオーバーモールドマグネット23などの、インペラの磁性基体を収容する軸方向に延在する部材22を備え、ここで、該ブレード19は部材22上に軸方向に延在し、この場合、磁気インペラが駆動マグネットによって駆動されたときにそれらは自由に回転する。所定の実施形態では、インペラアセンブリ10を使い捨て容器12内に設置すると、延在部材22は、容器12の外側に突出し、そしてこのもの及び/又は基部14は容器12にシールされる。インペラアセンブリ10の残りの部分は容器12内に収容される。好ましくは、インペラアセンブリは、容器が混合位置にある場合(吊り下げ位置など)及び容器の入口30に近接している場合(
図3)には、容器の底部に又はその付近に設置される。
【0027】
保護フード18は、インペラアセンブリ10にわたって配置され、かつ、輸送、貯蔵中及び使用中にブレード16との接触による損傷から容器を保護する。また、フード18は、混合中に形成され、それによって混合中の乱流を増加させることのある任意の渦を破壊するのにも役立つ。強化された混合が達成される。
【0028】
所定の実施形態では、フード18は、ドーム又は半球形状のものであり、かつ、フード18の中心に近づくにつれて基部14からフードの下側までの軸方向距離が増大するようにしてインペラブレード16の周囲及び上方に配置される。フード18は、ブレードが静止状態か稼働状態かを問わずフード18には接触しないように形成されかつブレード16上に配置されなければならない。所定の実施形態では、フード18は、容器を損傷する恐れのある鋭い端部又は切断端部を生じさせないようになだらかな変化で先細になっている。
【0029】
フード18の頂部表面は、フードとの接触時に容器の損傷を避けるために滑らかでなければならない。所定の実施形態では、フード18の頂部表面は、流体をインペラアセンブリ10の内部に又はそれから通すのを可能にするように、中に形成される複数の間隔の開いた開口部26を備える。
図1に示す実施形態では、間隔を開けて設けられた開口部の第1リングが頂部表面の外周縁付近に配置され、間隔を開けて設けられた開口部の第2リングが第1リングの半径方向内側に配置され、開口部の第3リングが第2リングの半径方向内側に配置される。
図1に示す実施形態では、間隔を開けて設けられた開口部の第1リングは12個の開口部を備える。間隔を開けて設けられた開口部の第2リングは12個の開口部を備え、間隔を開けて設けられた開口部の第3リングは6個の開口部を備える。当業者であれば、開口部の特定の数及びパターンは、
図1に示された実施形態に限定されるものではないことを理解するであろう。示された実施形態では、リング内の各開口部は同じサイズであり、かつ、略円形であるが、開口部の形状及び直径は限定されない。
図3は、開口部の異なるパターンを示しており、その際、外周リングの径方向内側の開口部の配置は、さらに無作為化される。開口部は、ドリルなどの様々な手段によって形成できる。
【0030】
好ましくは、フードは、容器を保護するように成形されたドームであり、アセンブリは、液体を中に引っ張るための側開口部と、液体を外に出すためのフード内開口部とを有する。一般に、フード内における空き領域の量は、バッグを損傷から保護するフードの能力と、インペラアセンブリの混合効率との間のトレードオフである。ユニットが効率的に機能するためには、フード内の側開口部(すなわち脚部間の空間)から流体を引っ張ることができるようにする必要がある。また、頂部を介して流体を外に出すことができるようにする必要もある(すなわちフード内の開口についての必要性)。頂部上に空き領域が多ければ多いほど、混合効率は良好である。開口部のサイズが大きすぎる場合には、容器材料がそれらを介して垂れ下がってインペラに触れ、容器に損傷を与える可能性がある。
【0031】
図3に示される実施形態では、使い捨て容器12をポリエチレンなどの溶着可能なプラスチックから作製し、そして密封する。容器12の内部への流体のアクセスは、第1導管32に密封されている入口30を介し、該容器から出る流体のアクセスは、第2導管(図示せず)に密封されている出口(図示せず)を介する。
【0032】
所定の実施形態では、インペラアセンブリの少なくとも一部は容器の内部にあり、インペラアセンブリ用のドライバ35は容器12の外部にある。
【0033】
図5及び
図6は、インペラアセンブリ10’の別の実施形態を示す。この実施形態では、リブ又は脚部19’は、
図1の実施形態よりも高く基部14’から上方に延び、そして基部14’の脚部19’とフード18’との間の領域は、
図1の実施形態よりも大きい。次に流体がこれらの領域を介してインペラアセンブリ10’の内部から入り、そしてそこから出るが、フード18’自体の表面に開口部は設けられていない。
図6は、基部14’にシールされかつフード18’の面に対向する容器12(この場合にはフィルム)を示す。容器とブレード16との間の接触は回避される。
【0034】
操作時には、インペラアセンブリは、軸方向に延在する部材22が容器の内部の外側に配置された状態で、容器の内部に密閉されている。導管が容器の入口に接続され、入口は、好ましくはインペラアセンブリ付近に配置される。混合される成分は、導管及び入口を介して容器に導入される。外部インペラドライブを使用してインペラアセンブリのブレードを作動させ、容器の内容物の混合を開始させる。所望の混合が達成されたときに、内容物を1以上の出口を介して容器から取り出す。
【実施例】
【0035】
例1
様々な沈降時間後に光学密度測定を使用してインペラアセンブリがCaCO
3を均質化する能力を評価した。混合時間の影響を決定し、そしてバッグ内の様々な混合位置での混合を特徴付けた。
【0036】
手順:
バッグをオーハウス重量計の上に置き、そしてゼロに合わせた。次に、150gのCaCO
3を500mlビーカーに加え、続いてバッグ内に注いだ。重量が10kgになるまでRO水をバッグに加えた。バッグをミックススタンドに掛けた。1×1インチの正方形のシリコーンをカットし、次の5箇所でバッグの外表面に取り付けた:中心線上に、出口から上に2インチ(位置1)で出発し、これより上4インチが位置2であり、これよりも上4インチが位置3であり、3の左側に5インチが位置4である。3の右側に5インチが位置5である(
図4参照)。バッグの内容物を沈降させ、そして沈降時間を記録した。
【0037】
ミキサーを800rpm(最大の80%)で開始し、ストップウォッチを開始した。
【0038】
15mlのサンプルを次の時間で5箇所のそれぞれから別々のシリンジで採取した:2分、11分及び20分。これらのサンプルのそれぞれを標識された15mlのバイアル中で堆積させた。シリンジをサンプル間で徹底的にすすいだ。
【0039】
バイアルを徹底的に振盪させ、次いで濁度計で測定した。
【0040】
この手順を、2時間の沈降時間後及び20時間の沈降時間後に実施した。
【0041】
結果
【表1】
【0042】
考察
上記結果をMinitabの(バージョン16)バランスANOVAの手順で分析した。ANOVAは、分散分析(ANalysis Of VAriance)として知られている統計的分析手法の頭字語である。以下は、得られたANOVA表である。
【0043】
【表2】
【0044】
変数がデータに固有の一般的なノイズレベル(「誤差」として知られる)よりも統計的に有意に大きい効果を及ぼすとみなされるためには、0.050以下の「P」値を有しなければならない。「P」値が低ければ低いほど、変数はより有意である。
【0045】
高い「P」値から分かるように(沈降時間=0.154、混合時間=0.733、位置=0.472)、沈降時間も混合時間も位置(バッグ内の)も統計的有意性に近づかなかった。全てが0.050よりもはるかに高かった。
【0046】
また、混合時間及びバッグ内の位置の影響に有意性
がないことは、低い決定係数(R
2)でも示唆される。この図は、モデルNTU=f(沈降時間、混合時間、バッグ内の位置)によって説明されるデータのばらつきの%を推定する。R
2は、変動0.00%が3つの変数によって説明できたことを示す。
【0047】
結論
1.2分で、CaCO
3は、2時間又は20時間にわたって沈降されるかどうかを問わず、バッグ内で完全に混合される。さらに混合しても、混合物の良好な均質化は得られない。
2.均質化は、バッグ内の全ての位置に均等に分布していた。
【0048】
例2
混合容積部の範囲
目的:
バッグ内における混合の最低レベルを決定する。
手順:
例1で使用したCaCO
3溶液を満たした同じバッグを使用して、製造による任意の変動を防止した。この溶液を2分間混合した。バッグを約1Lのレベルまで排出した。バッグをミキサーから取り出し、そしてその重量を確認した。
バッグを再度吊るし、そして飛散が発生するまで(その際には排水を停止した)排水し続けた。バッグを再秤量して飛散レベルを決定し、そして沈降時間を記録した。
【0049】
結果:
バッグを1.050kgまで排出した。飛散は全く発生しなかった。バッグを0.496kgにまで排出し続けた。飛散及び発泡は明白であった。
【0050】
結論
インペラは、0.75Lまで動作し続けることができる。
【0051】
例3
目的:
混合が500rpm(最大能力の50%)及び800rpm(80%)で生じることを実証する。
【0052】
手順:
バッグをオーハウス重量計上に置き、ゼロにした。150gのCaCO
3を500mLのビーカーに加え、続いてバッグにそれを注入した。重量が10kgになるまでRO水をバッグに加えた。バッグをミックススタンドに掛けた。
1x1インチの正方形のシリコーンをカットし、次の5箇所でバッグの外表面に取り付けた:中心線上に、出口から上2インチ (位置1)、これより上4インチ(位置2)、これより上4インチ(位置3)、3の左側に5インチ(位置4)及び3の右側に5インチ(位置5)。
沈降時間を記録した。
ミキサーを500rpm(最大の50%)で開始し、ストップウォッチを開始した。
サンプルを次の時間に5箇所のそれぞれから採取した:2分、11分及び20分。15mLのサンプルをシリンジで採取し、そして標識された15mlのバイアル中で堆積させた。複数のシリンジを使用して様々な位置からサンプルを採取した。シリンジをサンプル間で徹底的にすすいだ。
バイアルを徹底的に振盪させ、次いで濁度計に置き、測定した。
この手順を、20時間の沈降時間に実施し、それらの結果を例1からの20時間沈降データと比較した。これらのデータを、ミキサーを800rpmで回転させながら集めた。
【0053】
結果:
【表3】
【0054】
上記結果をMinitabの(バージョン16)バランスANOVAの手順で分析した。ANOVAは、分散分析(ANalysis Of VAriance)として知られている統計的分析手法の頭字語である。以下は、得られたANOVA表である。
【0055】
結果:20時間沈降のみ
【表4】
【0056】
変数がデータに固有の一般的なノイズレベル(「誤差」として知られる)よりも統計的に有意に大きい影響を及ぼすとみなされるためには、0.050以下の「P」値を有しなければならない。「P」値が低ければ低いほど、変数はより有意である。
【0057】
それらの「P」値から分かるように(混合時間=0.479、位置=0.574、速度=0.083)、混合時間も位置(バッグ内の)も混合速度も統計的有意性のあるものではなかった。全てが統計的有意性についての0.050の臨界値よりも高かった。ただし、混合速度は近づいた。そのため、混合速度をさらに精査した。下のグラフは、混合速度によってグラフ化されたNTUを示す。
【0058】
【表5】
【0059】
上記グラフから、中心から離れた一つデータポイントのため、混合速度が近づいて統計的有意性を達成するのに近づいたことは明らかである。このバイアルを再確認したが、それでも455NTUでは高かった。いかなる汚れもこのバイアルでは明らかではなかった。より曇っていたという事実を目視により確認した。
【0060】
また、混合時間、位置及び速度の影響に有意性ないことは、低い決定係数(R
2)でも示唆される。この図は、モデルNTU=f(混合時間、位置、速度)によって説明されるデータのばらつきの%を推定する。R
2は、変動の2.67%が3つの変数によって説明できたことを示す。
【0061】
結論
CaCO
3は、80%の速度(800rpm)のときと同様に50%の速度(500rpm)でもよく均一に混合された。
【符号の説明】
【0062】
10 インペラアセンブリ
12 容器
14 基部
16 可動ブレード
18 保護フード
19 リブ
22 延在部材
23 混合インペラオーバーモールドマグネット
26 開口部
30 入口
35 ドライバ