(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ドライバは、前記移動部材の動作が再開されてから、第3所定期間経過時に前記移動部材の移動速度が所定の速度になるように、前記移動部材の移動速度を徐々に加速させる、請求項6又は請求項7に記載の寝床揺動装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る寝床揺動装置について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0026】
[実施形態1]
まず、
図1(a)及び
図1(b)を参照して、本発明の実施形態1に係る寝床揺動装置100の構成について説明する。
【0027】
図1(a)は、実施形態1に係る寝床揺動装置100の構成を示す平面図であり、
図1(b)は、実施形態1に係る寝床揺動装置100の構成を示す正面図である。
【0028】
図1(a)、及び
図1(b)に示すように、寝床揺動装置100は、寝床の一例であるベットBの下方に配置されてベットBを支持する。本実施形態では、ベットBの長手方向Lを前後方向とし、前後方向に直交するベットBの幅方向Wを左右方向として説明する。
【0029】
寝床揺動装置100は、第1揺動機構1、第2揺動機構2、モーター3、及びシャフト4を備える。
【0030】
第1揺動機構1及び第2揺動機構2は、前後方向に間隔をあけて配置される。本実施形態では、第1揺動機構1が配置される側を寝床揺動装置100(ベットB)の前側とし、第2揺動機構2が配置される側を寝床揺動装置100(ベットB)の後側として説明する。また、前側から見て右側を寝床揺動装置100(ベットB)の右側として説明し、前側から見て左側を寝床揺動装置100(ベットB)の左側として説明する。
【0031】
第1揺動機構1は、ベットBの前側に設けられた2本の脚BLを支持し、第2揺動機構2は、ベットBの後側に設けられた2本の脚BLを支持する。
【0032】
モーター3は、駆動力を発生する。本実施形態において、モーター3は、第1揺動機構1に駆動力を伝達する。モーター3は、正逆回転可能である。モーター3は、例えば、制御可能なDCブラシレスモーター(いわゆるサーボモーター)である。
【0033】
シャフト4は、一方の端部が第1揺動機構1と接続し、他方の端部が第2揺動機構2と接続する。シャフト4は、第1揺動機構1から第2揺動機構2へ駆動力を伝達する。
【0034】
次に、
図2を参照して、実施形態1に係る寝床揺動装置100の構成について詳細に説明する。
図2は、実施形態1に係る寝床揺動装置100の構成を示す斜視図である。
【0035】
図2に示すように、寝床揺動装置100は、操作部5を更に備える。
【0036】
操作部5は、寝床揺動装置100に対するユーザーからの指示を受け付ける。本実施形態において、操作部5は、電源スイッチ51、モード切替スイッチ52、及びタイマースイッチ53を含む。電源スイッチ51は、寝床揺動装置100のON/OFFを切り替えるためのスイッチである。ユーザーは、電源スイッチ51を操作することにより、外部電源から寝床揺動装置100への交流電圧の供給を開始し、寝床揺動装置100をONにすることができる。一方、ユーザーは、電源スイッチ51を操作することにより、外部電源から寝床揺動装置100への交流電圧の供給を停止し、寝床揺動装置100をOFFにすることができる。
【0037】
モード切替スイッチ52は、寝床揺動装置100の動作モードを切り替えるためのスイッチである。本実施形態において、寝床揺動装置100は、4つの動作モードを有する。ユーザーは、モード切替スイッチ52を操作することによって、4つの動作モードの中から所望の動作モードを選択することができる。
【0038】
タイマースイッチ53は、寝床揺動装置100の動作時間を設定するためのスイッチである。ユーザーは、タイマースイッチ53を操作することによって、寝床揺動装置100の動作時間(以下、タイマー時間と記載する。)を設定することができる。
【0039】
第1揺動機構1及び第2揺動機構2は、揺動部材110及び筐体120を含む。モーター3は、第1揺動機構1の筐体120の前面に設けられる。操作部5は、第1揺動機構1の筐体120の右側面に設けられる。
【0040】
次に、
図3を参照して、寝床揺動装置100の構成について更に詳細に説明する。
図3は、実施形態1に係る寝床揺動装置100の構成を示すブロック図である。
【0041】
図3に示すように、寝床揺動装置100は、スイッチ6、ドライバ7、及び制御部8を更に備える。
【0042】
スイッチ6は、第1スイッチ61及び第2スイッチ62を含む。第1スイッチ61及び第2スイッチ62は、押下されると、押下されたことを示す信号を制御部8が備える自己保持回路82へ送信する。
【0043】
制御部8は、寝床揺動装置100の動作を制御する。制御部8は、自己保持回路82に加え、AC/DCコンバータ81、及びモード信号生成部83を備える。自己保持回路82は、正逆回転制御回路の一例である。
【0044】
AC/DCコンバータ81は、電源スイッチ51を介して商用電源9から交流電圧が供給されると、所定の電圧値を有する直流電圧を生成する。直流電圧は、自己保持回路82及びモード信号生成部83へ供給される。
【0045】
自己保持回路82は、電源スイッチ51が操作されて寝床揺動装置100がONになると、正回転指示信号又は逆回転指示信号の生成を開始する。正回転指示信号は、モーター3を正回転させる信号である。逆回転指示信号は、モーター3を逆回転させる信号である。正回転指示信号及び逆回転指示信号は、AC/DCコンバータ81から供給された交流電圧を用いて生成される。また、自己保持回路82は、寝床揺動装置100がONの際に、第1スイッチ61が押下されたことを示す信号を受信すると、逆回転指示信号を生成する。一方、自己保持回路82は、寝床揺動装置100がONの際に、第2スイッチ62が押下されたことを示す信号を受信すると、正回転指示信号を生成する。正回転指示信号及び逆回転指示信号は、ドライバ7へ送信される。自己保持回路82は第1スイッチ61又は第2スイッチ62が押下されるまで、モーター3に流れる電流の向きを保持する。換言すると、第1スイッチ61又は第2スイッチ62が押下されると、モーター3に流れる電流の向きが反転する。なお、正回転指示信号及び逆回転指示信号は、反転指示信号の一例である。
【0046】
モード信号生成部83は、モード切替スイッチ52が操作されることによって選択された動作モードに応じたモード信号を生成する。モード信号は、AC/DCコンバータ81から供給された直流電圧を用いて生成される。モード信号は、選択された動作モードに対応する回転数となるようにモーター3の回転を制御するための信号である。モード信号は、ドライバ7へ出力される。
【0047】
ドライバ7は、モーター3の動作を制御する。ドライバ7は、駆動信号生成部71及び静止タイマー72含む。駆動信号生成部71は、静止タイマー72を介して自己保持回路82から正回転指示信号又は逆回転指示信号を受信する。駆動信号生成部71は、正回転指示信号又は逆回転指示信号を受信すると、駆動信号を生成してモーター3へ出力する。詳しくは、駆動信号生成部71は、正回転指示信号を受信すると、モーター3を正回転させる駆動信号を生成する。一方、駆動信号生成部71は、逆回転指示信号を受信すると、モーター3を逆回転させる駆動信号を生成する。
【0048】
静止タイマー72は、自己保持回路82から出力される信号が切り替わると計時を開始する。具体的には、静止タイマー72は、自己保持回路82から出力される信号が正回転指示信号から逆回転指示信号へ切り替わった場合、又は逆回転指示信号から正回転指示信号へ切り替わった場合に計時を開始する。本実施形態において、静止タイマー72は、スローダウン期間と駆動停止期間との合計時間を計時する。スローダウン期間は、例えば、2秒間である。駆動停止期間は、例えば、2分間である。駆動停止期間及びスローダウン期間は、変更可能である。なお、駆動停止期間は、第1所定期間の一例であり、スローダウン期間は、第2所定期間の一例である。
【0049】
静止タイマー72は、スローダウン期間の間及び駆動停止期間の間、駆動信号生成部71への正回転指示信号及び逆回転指示信号の出力を停止する。
【0050】
駆動信号生成部71は、正回転指示信号及び逆回転指示信号が静止タイマー72から出力されなくなるとスローダウン処理を実行する。具体的には、駆動信号生成部71は、スローダウン期間が経過した時にモーター3が停止するように、モーター3の回転速度を徐々に減速させる駆動信号を生成する。
【0051】
スローダウン期間が経過すると、駆動信号生成部71は、駆動停止期間の間、駆動信号の生成を停止する。この結果、駆動停止期間の間、モーター3の回転が停止する。以下、駆動停止期間の間、駆動信号生成部71による駆動信号の生成が停止される処理を「駆動停止処理」と記載する場合がある。
【0052】
駆動停止期間が経過すると、静止タイマー72は、駆動信号生成部71への正回転指示信号又は逆回転指示信号の出力を開始する。静止タイマー72による正回転指示信号又は逆回転指示信号の出力が開始されると、駆動信号生成部71は、駆動信号の生成を再開してスローアップ処理を実行する。具体的には、駆動信号生成部71は、スローアップ期間が経過した時に、モーター3が所定の回転数で回転するように、モーター3の回転速度を徐々に加速させる駆動信号を生成する。所定の回転数は、動作モードに応じた回転数である。所定の回転数は、例えば、50rpmである。なお、スローアップ期間は、第3所定期間の一例である。スローアップ期間は、例えば、2秒間である。スローアップ期間は、変更可能である。
【0053】
スローアップ期間が経過すると、駆動信号生成部71は、モーター3が所定の回転数で回転するように駆動信号を生成し続ける。
【0054】
AC/DCコンバータ81及びドライバ7は、電源スイッチ51及びタイマースイッチ53を介して商用電源9と接続する。電源スイッチ51が操作されて、商用電源9と、AC/DCコンバータ81及びドライバ7との間が導通状態になると、寝床揺動装置100がON状態になる。その後、電源スイッチ51が操作されて、商用電源9と、AC/DCコンバータ81及びドライバ7との間が非導通状態になるまで寝床揺動装置100のON状態が維持される。一方、寝床揺動装置100がON状態の際に、タイマー時間(例えば、6時間)が設定されると、タイマー時間が経過するまでの間、商用電源9と、AC/DCコンバータ81及びドライバ7との導通状態は維持される。その後、設定されたタイマー時間が経過すると、商用電源9と、AC/DCコンバータ81及びドライバ7との間は、非導通状態となる。
【0055】
続いて、
図4(a)〜
図4(c)を参照して揺動部材110の構成について説明する。
図4(a)は、第1揺動機構1が備える揺動部材110を示す斜視図であり、
図4(b)は、第1揺動機構1が備える揺動部材110を示す正面図であり、
図4(c)は、第1揺動機構1が備える揺動部材110を示す側面図である。
【0056】
図4(a)に示すように、揺動部材110は、平板部111、及び係合部112を含む。平板部111は、平面視したときの形状が長方形である。本実施形態において、平板部111の長手方向の長さは、
図1を参照して説明したベットBの幅方向Wに沿って設けられた2本の脚BLの間隔に対応する。平板部111には、2つのネジ穴111aが形成されている。
【0057】
図4(b)に示すように、2つのネジ穴111aは、平板部111を厚さ方向に貫通する。2つのネジ穴111aは、ベットBの脚BLに対応する位置に形成されている。本実施形態では、2つのネジ穴111aにネジSが螺着されることによって、ベットBの脚BLが平板部111に固定される。
【0058】
係合部112は、平板部111の下面111Bに設けられる。係合部112を正面視したときの形状は、円弧形状である。係合部112は、下方が開口している。
【0059】
揺動部材110は、正面視したときの形状がL字形状の当接部材113を更に備える。当接部材113は、平板部111の左端部111Lの下面111Bに設けられる。当接部材113は、当接部113a、及び垂下部113bを含む。垂下部113bは、下面111Bから下方に突出する。当接部113aは、垂下部113bの下端から左側に突出する。詳しくは、当接部113aは、平板部111の左端よりも更に左側に突出する。
【0060】
図4(c)に示すように、係合部112の前後方向の長さは、平板部111の前後方向の長さと同じである。
【0061】
なお、第2揺動機構2が備える揺動部材110は、当接部材113を備えない点を除いて、第1揺動機構1が備える揺動部材110の構成と略同じである。
【0062】
次に、
図5(a)、及び
図5(b)を参照して、筐体120の構成について説明する。
図5(a)は、第1揺動機構1が備える筐体120を示す斜視図であり、
図5(b)は、第1揺動機構1が備える筐体120を示す背面図である。
【0063】
図5(a)に示すように、筐体120は、上面が開口する有底の箱状である。筐体120を正面視したとき、筐体120の上面は、中央が凹状になるように湾曲している。筐体120は、上面の左側端部及び右側端部に上壁121を有する。
【0064】
また、
図5(b)に示すように、筐体120の背面には、開口122が形成されている。開口122には、
図1を参照して説明したシャフト4が挿通される。
【0065】
なお、第2揺動機構2が備える筐体120の構成は、シャフト4が挿通される開口が前面に設けられる点を除いて、第1揺動機構1が備える筐体120の構成と略同じである。
【0066】
続いて、
図6〜
図8を参照して、第1揺動機構1の構成について説明する。
図6は、第1揺動機構1が備える筐体120の内部を底面側から見た図である。
図7は、第1揺動機構1が備える筐体120の内部を正面側から見た図である。
図8は、
図7に示すVIII−VIII線に沿った断面を示す図である。
【0067】
図6に示すように、第1揺動機構1は、筐体120の内部にウォームギア130、及びネジ軸140を備える。ウォームギア130は、駆動力伝達機構の一例である。
【0068】
ウォームギア130は、ウォーム131、及びウォームホイール132によって構成される。ウォーム131は、シャフト4及びモーター3が備える出力軸31と同軸上に配置される。ウォーム131の一方の端部131aは、出力軸31と接続する。これにより、モーター3からの駆動力がウォーム131を介してウォームホイール132へ伝達される。また、ウォーム131の他方の端部131bは、シャフト4と接続する。このため、ウォーム131に伝達された駆動力がシャフト4へ伝達される。
【0069】
ネジ軸140は、ウォームホイール132が回転することによって回転する。詳しくは、ネジ軸140は、ウォームホイール132の回転軸上に配置されてウォームホイール132に固定されている。このため、ネジ軸140は、ウォームホイール132の回転軸を軸心として回転する。
【0070】
図7に示すように、筐体120の内部には、揺動部材110が配置される。ネジ軸140は、筐体120の下壁123から左側の上壁121まで延在する。
【0071】
第1揺動機構1は、ボールナット150及び揺動支持部160を更に備える。ボールナット150は、移動部材の一例である。
【0072】
ボールナット150は、ネジ軸140に螺合する。ボールナット150及びネジ軸140は、ボールネジを構成する。ボールナット150は、ネジ軸140の回転に伴って第1方向D1及び第2方向D2へ移動する。本実施形態において、第1方向D1は、下方から上方へ向かう方向である。第2方向D2は、上方から下方へ向かう方向である。本実施形態では、ネジ軸140が正回転するとボールナット150の移動方向が第1方向D1となる。また、ネジ軸140が逆回転するとボールナット150の移動方向が第2方向D2となる。
【0073】
ボールナット150は、平板部111の左端部111Lにおいて、平板部111に接続されている。詳しくは、ボールナット150は、平板部111に半固定状態で取り付けられる。なお、ボールナット150は、連結部材を介して平板部111と連結してもよい。連結部材は、例えば、板状の部材であり得る。
【0074】
第1スイッチ61、及び第2スイッチ62は、平板部111の左端部111Lを挟むように配置される。詳しくは、第1スイッチ61は、左端部111Lの上方に配置される。第2スイッチ62は、左端部111Lの下方に配置される。
【0075】
揺動支持部160は、円柱部161を含む。円柱部161は、平板部111の左右方向における所定の位置で係合部112と係合するように配置される。これにより、揺動部材110が揺動支持部160によって揺動可能に支持される。揺動支持部160は、円柱部161と係合部112との間の位置にフッ素樹脂層162を含む。フッ素樹脂層162は、例えば、テフロン(登録商標)樹脂層である。
【0076】
図8に示すように、円柱部161の前後方向の長さは、筐体120の前後方向の長さと同じである。
【0077】
次に、
図3、及び
図9〜
図11を参照して、第1揺動機構1の動作について説明する。
図9及び
図10は、第1揺動機構1が備える筐体120の内部を左側面側から見た図である。詳しくは、
図9は、第1スイッチ61に当接部113aが当接した後のボールナット150の動作を示す。
図10は、第2スイッチ62に当接部113aが当接した後のボールナット150の動作を示す。
図11は、第1揺動機構1が備える揺動部材110の揺動動作を示す図である。
【0078】
図9に示すように、ネジ軸140(モーター3)が正回転して、ボールナット150(平板部111の左端部111L)が上方へ向けて移動し続けると、当接部113aによって第1スイッチ61が押下される。第1スイッチ61が押下されると、スローダウン処理が実行される。これにより、ボールナット150の移動速度が徐々に減速してスローダウン期間経過時にボールナット150の動作が停止する。駆動停止期間の間、ボールナット150の移動動作は停止する。
【0079】
スローダウン期間及び駆動停止期間が経過すると、モーター3の回転が正回転から逆回転に切り替わるとともに、スローアップ処理が実行される。これにより、ボールナット150の移動方向が第1方向D1(上方向)から第2方向D2(下方向)へ切り替わるとともに、ボールナット150の移動速度が徐々に加速する。スローアップ期間経過時、ボールナット150の移動速度は、所定の速度となる。
【0080】
ボールナット150が下方に移動し続けると、
図10に示すように、当接部113aによって第2スイッチ62が押下される。第2スイッチ62が押下されると、第1スイッチ61が押下された場合と同様にスローダウン処理、駆動停止処理が実行される。スローダウン期間及び駆動停止期間が経過すると、モーター3の回転が逆回転から正回転に切り替わるとともにスローアップ処理が実行される。これにより、ボールナット150の移動方向が第2方向D2から第1方向D1へ切り替わるとともに、ボールナット150の移動速度が徐々に加速する。スローアップ期間経過時、ボールナット150の移動速度は、所定の移動速度となる。以降、同様に、当接部113aが第1スイッチ61又は第2スイッチ62を押下する度に、モーター3の回転が正回転と逆回転との間で順次切り替わる。したがって、ボールナット150は、上方及び下方へ移動する動作を繰り返す。更に、本実施形態では、スローダウン処理、駆動停止処理、及びスローアップ処理が実行される。
【0081】
図9及び
図10を参照して説明したようにボールナット150が上方及び下方へ移動する動作を繰り返すことによって、
図11に示すように、揺動部材110は、揺動支持部160を支点として揺動する。揺動部材110の揺動角度は、角度θ1から角度θ2までの間で変化する。揺動角度は、水平に対して平板部111がなす角度である。角度θ1は、例えば、−8.3度である。角度θ2は、例えば、9.5度である。なお、角度θ1及び角度θ2は、垂下部113bの長さ、及びスイッチ6の取り付け位置を調整することによって変更可能である。
【0082】
揺動部材110は、所定の周期で揺動する。所定の周期は、第1周期パターン、第2周期パターン、第3周期パターン、及び第4周期パターンを含む。本実施形態において、第1周期パターンは、2時間/1周期である。第2周期パターンは、30分/1周期である。第3周期パターンは、10分/1周期である。第4周期パターンは、4分/1周期である。所定の周期は、動作モードが選択されることによって決定される。
【0083】
続いて、
図12、及び
図13を参照して、第2揺動機構2の構成について説明する。
図12は、第2揺動機構2が備える筐体120の内部を底面側から見た図である。
図13は、第2揺動機構2が備える筐体120の内部を正面側から見た図である。
【0084】
図12に示すように、第2揺動機構2は、軸受190、ウォームギア130、ネジ軸140、及び揺動支持部160を備える。なお、第2揺動機構2には、スイッチ6は設けられない。
【0085】
ウォームギア130を構成するウォーム131は、シャフト4と同軸上に配置される。ウォーム131の一方の端部131aは、軸受190に回転可能に支持されている。ウォーム131の他方の端部131bは、シャフト4と接続する。したがって、モーター3の駆動力が第2揺動機構2のウォーム131にシャフト4を介して伝達される。
【0086】
図13に示すように、第1揺動機構1と同様に第2揺動機構2が備える筐体120の内部には、揺動部材110が配置される。また、第2揺動機構2は、筐体120の内部にボールナット150を更に備える。第2揺動機構2が備えるボールナット150及び揺動支持部160の構成は、
図7を参照して説明した第1揺動機構1が備えるボールナット150及び揺動支持部160の構成と同様である。なお、第2揺動機構2が備える揺動部材110の揺動動作と第1揺動機構1が備える揺動部材110の揺動動作とが同期するように、第2揺動機構2のボールナット150の位置が調整されている。これにより、第1揺動機構1が備える揺動部材110及び第2揺動機構2が備える揺動部材110の揺動動作に伴ってベットBが安定して揺動する。
【0087】
次に、
図14(a)及び
図14(b)を参照して、寝床揺動装置100の揺動動作による作用について説明する。
図14(a)及び
図14(b)は、寝床揺動装置100の揺動動作による作用を示す図である。詳しくは、
図14(a)及び
図14(b)は、背面側(ベットBの上で横になっている人Hの頭部側)から見た寝床揺動装置100を示す。なお、
図14(a)及び
図14(b)のダブルハッチングで示す部位A1、A2は、圧迫されている部位を示す。
【0088】
図14(a)及び
図14(b)に示すように、揺動部材110が揺動するとベットBも揺動する。ベットBが揺動すると、人HのベットBと接触している部位にかかる圧力が変化する。
【0089】
詳しくは、
図14(a)に示すように、揺動部材110が角度θ1をなす位置まで揺動すると、ベットBが左下がりになる。ベットBが左下がりになると、人HのベットBと接触している部位のうち、ベットBの右側に位置する部位にかかる圧力F2が減少し、ベットBの左側に位置する部位A1(例えば、肩)にかかる圧力F1が増加する。この結果、ベットBの右側に位置する部位が圧迫から解放され、ベットBの左側に位置する部位A1が圧迫される。
【0090】
一方、
図14(b)に示すように、揺動部材110の揺動角度が角度θ2をなす位置まで揺動すると、ベットBは、右下がりになる。ベットBが右下がりになると、人HのベットBと接触している部位のうち、ベットBの左側に位置する部位にかかる圧力F1が減少し、ベットBの右側に位置する部位A2にかかる圧力F2が増加する。この結果、ベットBの左側に位置する部位が圧迫から解放され、ベットBの右側に位置する部位A2が圧迫される。
【0091】
図14(a)及び
図14(b)に示すように、ベットBが揺動動作を繰り返すことによって、ベットBの上に横になっている人Hの圧迫される部位が変化する。この結果、長時間同じ部位が圧迫されることを抑制することができる。したがって、長時間同じ部位が圧迫されることに起因して発生する床ずれが起こりにくくなる。
【0092】
続いて、
図15を参照して、スローダウン処理、駆動停止処理、及びスローアップ処理について説明する。
図15は、揺動部材110の揺動角度(θ)と時間(t)との関係を示す図である。
図15において、縦軸は、揺動部材110の揺動角度(θ)を示し、横軸は、時間(t)を示す。
【0093】
図15に示すように、揺動部材110は、揺動角度θが角度θ1をなす位置と角度θ2をなす位置との間で揺動する。揺動部材110は、所定の周期パターンTで揺動する。時刻t1は、揺動部材110が第1スイッチ61に当接した時刻を示す。時刻t2は、スローダウン期間経過時の時刻を示す。時刻t3は、駆動停止期間経過時の時刻を示す。時刻t4は、スローアップ期間経過時の時刻を示す。時刻t5は、揺動部材110が第2スイッチ62に当接した時刻を示す。時刻t6は、スローダウン期間経過時の時刻を示す。時刻t7は、駆動停止期間経過時の時刻を示す。時刻t8は、スローアップ期間経過時の時刻を示す。
【0094】
時刻t1になるまでの間、揺動部材110の揺動角度θは、角度θ2に向けて一定の割合で変化する。揺動部材110が第1スイッチ61に当接すると(時刻t1になると)、時刻t1から時刻t2までの間(スローダウン期間)、スローダウン処理が実行される。このため、揺動部材110の揺動角度θは、角度θ2に向けて所定の割合よりも緩やかに変化する。時刻t2から時刻t3までの間(駆動停止期間)、揺動部材110の揺動角度θは、角度θ2のままで変化しない。すなわち、揺動部材110の揺動動作は停止している。時刻t3から時刻t4までの間(スローアップ期間)、揺動部材110の揺動角度θは、角度θ2から角度θ1に向けて所定の割合よりも緩やかに変化する。時刻t4が経過すると、揺動部材110の揺動角度θは、角度θ1に向けて一定の割合で変化する。
【0095】
その後、揺動部材110が第2スイッチ62に当接すると(時刻t5になると)、時刻t5から時刻t6までの間(スローダウン期間)、スローダウン処理が実行される。このため、揺動部材110の揺動角度θは、角度θ1に向けて所定の割合よりも緩やかに変化する。時刻t6から時刻t7までの間(駆動停止期間)、揺動部材110の揺動角度は、角度θ1のまま変化しない。すなわち、揺動部材110の揺動動作は停止している。時刻t7から時刻t8までの間(スローアップ期間)、揺動部材110の揺動角度θは、角度θ1から角度θ2に向けて所定の割合よりも緩やかに変化する。時刻t8が経過すると、揺動部材110の揺動角度θは、角度θ2に向けて一定の割合で変化する。
【0096】
第2揺動機構2が備える揺動部材110は、第1揺動機構1が備える揺動部材110と同じ周期パターンTで揺動する。第2揺動機構2が備える揺動部材110の揺動動作は、第1揺動機構1が備える揺動部材110の揺動動作と同期している。
【0097】
以上のように、寝床揺動装置100は、スローダウン処理、駆動停止処理、及びスローアップ処理を実行する。この結果、ベットBに横になっている人Hに安心感を与えることができる。
【0098】
以上、実施形態1について説明した。本実施形態によれば、寝床揺動装置100は、ベットBの下方に配置されて、所定の周期パターンTでベットBを揺動させることができる。このため、寝床揺動装置100は、被介護者に床ずれが発生することを抑制できるとともに、被介護者の快適性を維持することができる。また、健常者が日常的に利用しても快適である。更に、健常者に床ずれが発生することを抑制できる。
【0099】
また、本実施形態によれば、寝床揺動装置100は、移動部材としてボールナット150を使用している。このため、揺動部材110は、静音を保ったまま揺動することができる。
【0100】
また、本実施形態によれば、寝床揺動装置100は、円柱部161と揺動部材110との間の位置にフッ素樹脂層162を含む。この結果、揺動部材110の揺動動作をよりスムーズに行うことができる。
【0101】
また、本実施形態によれば、第1揺動機構1及び第2揺動機構2は、1つのモーター3から発生する駆動力によって揺動した。したがって、第1揺動機構1が備える揺動部材110及び第2揺動機構2が備える揺動部材110の揺動動作は、同期した状態を維持することができる。
【0102】
なお、本実施形態において、上面が湾曲している筐体120を例に説明したが、筐体120の形状はこれに限定されない。例えば、
図16に示すように、筐体120は、直方体形状であってもよい。
【0103】
また、本実施形態において、係合部112は、係合部112の前後方向の長さが揺動部材110の前後方向の長さと同じである場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、係合部112の前後方向の長さは揺動部材110の前後方向の長さよりも短くてもよい。この場合、係合部112は、前後方向に沿って複数設けられてもよい。
【0104】
[実施形態2]
続いて、
図17〜
図30を参照して、実施形態2に係る寝床揺動装置200について説明する。実施形態2では、第1揺動機構1及び第2揺動機構2の構成が実施形態1と異なる。以下、実施形態2について実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と重複する事項の説明は割愛する。
【0105】
まず、
図17及び
図18を参照して、実施形態2に係る寝床揺動装置200の構成について説明する。
図17は、実施形態2に係る寝床揺動装置200の構成を示す斜視図である。
【0106】
図17に示すように、寝床揺動装置200は、実施形態1と同様、第1揺動機構1、第2揺動機構2、モーター3、シャフト4、及び操作部5を備える。第1揺動機構1及び第2揺動機構2は、揺動部材210及び筐体220を含む。モーター3及び操作部5は、第1揺動機構1が備える筐体220に設けられる。
【0107】
図18は、実施形態2に係る寝床揺動装置200の構成を示すブロック図である。
【0108】
図18に示すように、寝床揺動装置200は、実施形態1と同様に、スイッチ6、ドライバ7及び制御部8を更に備える。スイッチ6、ドライバ7、及び制御部8の構成は、実施形態1に係る寝床揺動装置100の構成と同じである。
【0109】
続いて、
図19(a)〜
図19(c)を参照して、実施形態2に係る揺動部材210の構成について第1揺動機構1が備える揺動部材210を例に説明する。なお、第2揺動機構2が備える揺動部材210の構成は、第1揺動機構1が備える揺動部材210の構成と同様であるため、その説明は割愛する。
図19(a)は、実施形態2に係る第1揺動機構1が備える揺動部材210を示す斜視図であり、
図19(b)は、
図19(a)に示すXIXB−XIXB線に沿った断面を示す図であり、
図19(c)は、
図19(a)に示すXIXC−XIXC線に沿った断面を示す図である。
【0110】
図19(a)に示すように、揺動部材210は、平板部211、及び2つの接合部212を含む。平板部211は、実施形態1に係る平板部111の構成と同様である。
【0111】
各接合部212は、平板部211の左側の端から右側の端まで延在する。各接合部212は、左側端部がテーパー形状である。詳しくは、各接合部212の左側端部の下面が左上方へ向けて傾斜する。
【0112】
図19(b)に示すように、2つの接合部212は、平板部211の前側端部、及び後側端部にそれぞれ設けられる。2つの接合部212は、平板部211の下面211Bから下方にそれぞれ突出する。すなわち、揺動部材210を側面視したときの形状は、略C字形状である。2つの接合部212には、接合部212を前後方向に貫通する貫通孔212aがそれぞれ形成されている。2つの貫通孔212aには、第1揺動機構1が備える支持棒221が挿入される。本実施形態において、支持棒221は、揺動支持部の一例である。
【0113】
図19(c)に示すように、2つの接合部212には、接合部212を前後方向に貫通する接合孔212bがそれぞれ形成されている。
【0114】
続いて、
図20(a)及び
図20(b)を参照して、実施形態2に係る筐体220の構成について説明する。
図20(a)は、実施形態2に係る第1揺動機構1が備える筐体220を示す斜視図であり、
図20(b)は、実施形態2に係る第1揺動機構1が備える筐体220を示す背面図である。
【0115】
図20(a)に示すように、筐体220は、上面が開口する有底の箱状である。筐体220の前面及び背面には、支持孔222aがそれぞれ形成されている。2つの支持孔222aには、
図19(b)を参照して説明した支持棒221の各端部が挿入される。支持棒221の長さは、筐体220の前後方向の長さと略同である。
【0116】
図20(b)に示すように、筐体220を背面視したときの形状は、山形状である。筐体220の上面は、中央より左側に頂点Cを有する。各支持孔222aは、頂点Cの下方に形成される。各支持孔222aの筐体220における左右方向の位置は、頂点Cの筐体220における左右方向の位置と一致する。また、実施形態1と同様に、筐体220の背面には、開口223が形成されている。開口223には
図17を参照して説明したシャフト4が挿入される。
【0117】
なお、第2揺動機構2が備える筐体220の構成は、シャフト4が挿通される開口が前面に設けられる点を除いて、第1揺動機構1が備える筐体220の構成と略同じである。
【0118】
次に、
図21〜
図28を参照して、第1揺動機構1の構成について説明する。
図21は、実施形態2に係る第1揺動機構1が備える筐体220の内部を正面側から見た図である。なお、理解を容易にするために前側の接合部212は図示していない。
【0119】
図21に示すように、揺動部材210は、平板部211が筐体220の上面の開口を覆うように配置される。2つの接合部212は、筐体220の前面と筐体220の背面とによって挟まれる。第1揺動機構1は、シリンダ240、及び係止棒224を更に備える。
【0120】
シリンダ240は、シリンダチューブ241、及びロッド242を備える。ロッド242は、棒状部材の一例である。
【0121】
本実施形態において、シリンダチューブ241の形状は、中空の円筒状である。
【0122】
ロッド242は、シリンダチューブ241に挿入される。ロッド242は、第1方向D1及び第2方向D2へ往復運動可能にシリンダチューブ241によって支持される。本実施形態において、第1方向D1は、シリンダチューブ241の基端241k側から先端241s側へ向かう方向であり、第2方向D2は、シリンダチューブ241の先端241s側から基端241k側へ向かう方向である。ロッド242は、先端242sにロッドヘッド243を有する。ロッドヘッド243は、円筒形状である。ロッドヘッド243の正面視したときの形状は、略円形である。ロッドヘッド243の正面視したときの中央部分には、係止孔243aが形成されている。なお、ロッドヘッド243の形状は、円筒形状に限定されない。
【0123】
図22(a)は、実施形態2に係るロッドヘッド243及びその近傍を示す拡大図である。詳しくは、ロッドヘッド243を右側から見た図である。
図22(b)は、
図21に示すXXIIB−XXIIB線に沿った断面を示す拡大図である。
【0124】
図22(a)に示すように、ロッドヘッド243(ロッド242)は、係止棒224を介して揺動部材210に接続する。具体的には、係止孔243aは、ロッドヘッド243を前後方向に貫通する。係止孔243aには、係止棒224が挿通される。係止棒224には、2つのネジ溝が形成されている。一方のネジ溝は、係止棒224の一方の端面から係止棒224の長手方向に沿って延伸する。他方のネジ溝は、係止棒224の他方の端面から係止棒224の長手方向に沿って延伸する。係止棒224の一方の端部224a(前面側の端部)は、前面側の接合部212の接合孔212bに挿入される。前面側の接合孔212bから露出する係止棒224の一方の端面からネジSが螺着される。ネジSは、そのツバ部が前面側の接合部212の前面に当接するようにネジ溝に螺着される。
【0125】
同様に、係止棒224の他方の端部224b(背面側の端部)は、背面側の接合部212の接合孔212bに挿入される。背面側の接合孔212bから露出する係止棒224の他方の端面からネジSが螺着される。ネジSは、そのツバ部が背面側の接合部212の背面に当接するようにネジ溝に螺着される。
【0126】
図22(b)に示すように、揺動部材210は、支持棒221を介して筐体220に揺動可能に支持される。具体的には、支持棒221の一方の端部221a(前面側の端部)は、揺動部材210の前面側の貫通孔212a及び筐体220の前面側の支持孔222aに挿入される。支持棒221には、2つのネジ溝が形成されている。一方のネジ溝は、支持棒221の一方の端面から支持棒221の長手方向に沿って延伸する。他方のネジ溝は、支持棒221の他方の端面から支持棒221の長手方向に沿って延伸する。筐体220の前面側の支持孔222aから露出する支持棒221の一方の端面からネジSが螺着される。ネジSは、そのツバ部が筐体220の前面に当接するように螺着される。
【0127】
同様に、支持棒221の他方の端部221b(背面側の端部)は、揺動部材210の背面側の貫通孔212a及び筐体220の背面側の支持孔222aに挿入される。筐体220の背面側の支持孔222aから露出する支持棒221の他方の端面からネジSが螺着される。ネジSは、そのツバ部が筐体220の背面に当接するように螺着される。
【0128】
図23は、実施形態2に係る第1揺動機構1が備える筐体220の内部を底面側から見た図である。
図23に示すように、シリンダチューブ241の後方の外面には、第1スイッチ61及び第2スイッチ62が設けられている。第1スイッチ61は、シリンダチューブ241の先端241s側に設けられる。第2スイッチ62は、シリンダチューブ241の基端241k側に設けられる。第1スイッチ61及び第2スイッチ62はシリンダチューブ241の長手方向において対向する。
【0129】
ロッド242は、当接部材244を更に備える。当接部材244は、線形の部材である。当接部材244は、シリンダ240の外面を伝ってシリンダ240の長手方向に沿って延在する。詳しくは、当接部材244の基端244k側の端部は、ロッド242の先端242sと接続する。当接部材244の基端244k側の端部は、U字状に湾曲している。当接部材244のU字状に湾曲した後の部分は、シリンダチューブ241の基端241k側に向けて延びる。当接部材244の先端244sは、第1スイッチ61と第2スイッチ62との間に位置する。
【0130】
図24は、実施形態2に係る当接部材244及びその近傍を示す拡大図である。詳しくは、シリンダ240を後方から見た図である。
図24に示すように、当接部材244は、当接部244a及び支持部244bを含む。支持部244bの基端は、ロッド242の先端242s側と接続する。支持部244bの先端は、当接部244aと接続する。当接部244aは、支持部244bの先端から第1スイッチ61と第2スイッチ62との間の位置に向けて突出する。
【0131】
続いて、
図25を参照して、第1揺動機構1の構成について更に詳細に説明する。
図25は、実施形態2に係る第1揺動機構1が備えるシリンダ240及びその近傍を示す拡大図である。詳しくは、
図25は、シリンダ240を左上方から見た図である。
【0132】
図25に示すように、第1揺動機構1は、ベベルギアボックス230、3つのカップリング部材250、ネジ軸261、及びボールナット262を更に備える。ネジ軸261及びボールナット262は、ボールネジを構成する。ベベルギアボックス230は、駆動力伝達機構の一例である。本実施形態では、ロッド242及びボールナット262が移動部材を構成する。
【0133】
ベベルギアボックス230は、第1回転軸231、第2回転軸232、第1ギア234、及び第2ギア235を備える。第1回転軸231の一端231aは、カップリング部材250によってモーター3が備える出力軸31とカップリングされている。第1回転軸231は、第1ギア234を軸支する。第1ギア234は、第2ギア235と噛み合っている。第2ギア235は、第2回転軸232に軸支されている。第2回転軸232の一端232aは、カップリング部材250によってネジ軸261の基端261kとカップリングされている。したがって、モーター3からの駆動力がネジ軸261に伝達される。本実施形態において、モーター3が正回転するとネジ軸261も正回転する。モーター3が逆回転すると、ネジ軸261も逆回転する。また、第1回転軸231の他端231bは、カップリング部材250によってシャフト4とカップリングされている。このため、モーター3からの駆動力がシャフト4に伝達される。第1ギア234及び第2ギア235は、例えば、スパイラルギアである。
【0134】
シリンダチューブ241は、先端241s側が開口している。ロッド242は、中空の円筒状であり、基端242k側が開口している。ロッド242の開口がシリンダチューブ241の基端241kと対向するように、ロッド242がシリンダチューブ241の内部に挿入される。ネジ軸261は、シリンダチューブ241及びロッド242の内部に配置される。
【0135】
ネジ軸261には、ボールナット262が螺合している。ボールナット262は、ロッド242の内周面に固定されている。ボールナット262は、ネジ軸261が回転すると、ネジ軸261の軸方向、すなわち、シリンダ240の長手方向に沿って移動する。詳しくは、ネジ軸261が正回転すると、ボールナット262は、第1方向D1へ移動する。一方、ネジ軸261が逆回転すると、ボールナット262は、第2方向D2へ移動する。
【0136】
ボールナット262が第1方向D1又は第2方向D2へ移動すると、ロッド242も第1方向D1又は第2方向D2へ移動する。この結果、シリンダ240が伸縮する。
【0137】
続いて、
図26〜
図28を参照して、第1揺動機構1の動作について説明する。
図26及び
図27は、実施形態2に係る第1揺動機構1が備えるシリンダ240の伸縮動作を示す図である。詳しくは、
図26は、当接部材244が第1スイッチ61に当接した後のシリンダ240の動作を示す。
図27は、当接部材244が第2スイッチ62に当接した後のシリンダ240の動作を示す。
図28は、実施形態2に係る揺動部材210の揺動動作を示す図である。なお、
図28では、理解を容易にするために、前側の接合部212は図示していない。
【0138】
図26に示すように、当接部材244が第1スイッチ61に当接すると、実施形態1と同様にして、スローダウン処理、駆動停止処理が実行された後、スローアップ処理が実行される。その結果、ネジ軸261(モーター3)の回転が正回転から逆回転に切り替わる。これにより、ボールナット262の移動方向が第1方向D1から第2方向D2へ切り替わる。ボールナット262が第2方向D2へ移動し続けると、シリンダ240が縮み、当接部材244(当接部244a)が第2スイッチ62に当接する。当接部材244が第2スイッチ62に当接すると、実施形態1と同様にして、スローダウン処理、及び駆動停止処理が実行される。
【0139】
その後、
図27に示すように、スローアップ処理が実行されて、ネジ軸261の回転が逆回転から正回転に切り替わる。これにより、ボールナット262の移動方向が第2方向D2から第1方向D1へ切り替わる。
【0140】
ボールナット262が第1方向D1へ移動し続けると、シリンダ240が伸びて当接部材244(当接部244a)が第1スイッチ61に当接する。以降、同様に、当接部材244が第1スイッチ61又は第2スイッチ62に当接する度に、ボールナット262(ロッド242)の移動方向が第2方向D2と第1方向D1との間で切り替わる。したがって、ボールナット262は、第1方向D1及び第2方向D2へ往復運動する。更に、本実施形態では、スローダウン処理、駆動停止処理、及びスローアップ処理が実行される。
【0141】
図26及び
図27を参照して説明したように、ボールナット262(ロッド242)が第1方向D1及び第2方向D2へ往復運動すると、ロッド242は、第1方向D1及び第2方向D2へ往復運動する。この結果、
図28に示すように、シリンダ240は、シリンダ240の長手方向に沿って伸縮運動する。
【0142】
ロッドヘッド243は、
図22(a)を参照して説明したように、係止棒224を介して接合部212と連結している。
図28に示すように、ベベルギアボックス230は、出力軸31及びシャフト4を軸心として揺動可能に筐体220に支持されている。更に、揺動部材210は、ロッドヘッド243よりも左側の位置で支持棒221によって筐体220に揺動可能に支持されている。これらの構成により、シリンダ240が伸縮運動すると、ロッドヘッド243が
図28に示す矢印R1方向及び矢印R2方向に沿って揺動運動し、ベベルギアボックス230が出力軸31及びシャフト4を軸心として揺動する。これにより、接合部212の右側端部に上方又は下方への力が作用する。この結果、揺動部材210が支持棒221を支点として揺動する。揺動部材110の揺動角度は、角度θ1から角度θ2までの間で変化する。なお、角度θ1及び角度θ2は、スイッチ6の取り付け位置を調整することによって調整可能である。
【0143】
続いて、
図29、及び
図30を参照して、第2揺動機構2の構成について説明する。
図29は、実施形態2に係る第2揺動機構2が備える筐体220の内部を底面側から見た図である。
図30は、実施形態2に係る第2揺動機構2が備えるシリンダ240及びその近傍を示す拡大図である。
【0144】
図29に示すように、第2揺動機構2は、軸受け290を備える。軸受け290は、筐体220に固定されている。
【0145】
図30に示すように、第2揺動機構2は、第1揺動機構1と同様に、ベベルギアボックス230、シリンダ240、及び3つのカップリング部材250を備える。なお、第2揺動機構2には、スイッチ6は設けられない。
【0146】
ベベルギアボックス230を構成する第1回転軸231の一端231aは、カップリング部材250によってシャフト4とカップリングされている。第1回転軸231の他端231bは、軸受け290によって回転可能に支持されている。モーター3は、シャフト4を介して、第2揺動機構2が備えるベベルギアボックス230に駆動力を伝達する。ベベルギアボックス230に伝達された駆動力は、ネジ軸261に伝達される。
【0147】
第1揺動機構1と同様に、ネジ軸261には、ボールナット262が螺合している。第2揺動機構2が備えるシリンダ240の構成は、当接部材244を備えない点を除いて、
図25を参照して説明した第1揺動機構1が備えるシリンダ240の構成と同様である。したがって、第1揺動機構1が備えるシリンダ240と同様に、モーター3の回転が正回転と逆回転との間で切り替わることによって、第2揺動機構2が備えるシリンダ240が伸縮運動する。
【0148】
第2揺動機構2が備える揺動部材210の揺動動作と第1揺動機構1が備える揺動部材210の揺動動作とが同期するように、第2揺動機構2のボールナット262の位置が調整されている。これにより、第1揺動機構1が備える揺動部材210及び第2揺動機構2が備える揺動部材210の揺動動作に伴ってベットBが安定して揺動する。なお、実施形態1と同様に、揺動部材210は所定の周期パターンで揺動する。
【0149】
以上、実施形態2について説明した。本実施形態によれば、寝床揺動装置200は、ベットBの下方に配置されて、所定の周期パターンTでベットBを揺動させることができる。このため、寝床揺動装置200は、被介護者に床ずれが発生することを抑制できるとともに、被介護者の快適性を維持することができる。また、健常者が日常的に利用しても快適である。更に、健常者に床ずれが発生することを抑制することができる。
【0150】
また、本実施形態によれば、ロッド242を往復運動させる部材としてボールナット262が使用されている。このため、揺動部材210は、静音を保ったまま揺動することができる。
【0151】
また、本実施形態によれば、第1揺動機構1及び第2揺動機構2は、1つのモーター3から発生する駆動力によって揺動した。したがって、第1揺動機構1が備える揺動部材210及び第2揺動機構2が備える揺動部材210の揺動動作は、同期した状態を維持することができる。
【0152】
また、本実施形態では、揺動部材210を揺動される機構としてシリンダ240及びベベルギアボックス230が使用されている。このため、寝床揺動装置200は、より安価に生産することができる。また、寝床揺動装置200は、量産可能である。
【0153】
なお、本実施形態において、第1ギア234及び第2ギア235がスパイラルギアである場合を例に説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、第1ギア234及び第2ギア235は、ストレートカットのギアであってもよい。
【0154】
また、本実施形態では、駆動力伝達機構として交差軸式の一種であるベベルギアが使用されたが、本発明は、これに限定されない。例えば、駆動力伝達機構として、食い違い軸式のギア(ウォームギア)が使用されてもよい。
【0155】
以上、本発明の実施形態について、図面(
図1〜
図30)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【0156】
例えば、本発明の実施形態では、寝床揺動装置は、1つのモーター3と1つの第1揺動機構1とを備えた形態であったが、寝床揺動装置の形態はこれに限定されない。例えば、寝床揺動装置は、2つのモーター3と2つの第1揺動機構1とを備えた形態であってもよい。
【0157】
また、本発明の実施形態において、制御部8がスローダウン処理、駆動停止処理、及びスローアップ処理を実行する場合を例に説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、制御部8は、スローダウン処理、及びスローアップ処理を実行しなくてもよい。また、制御部8は、スローダウン処理、及びスローアップ処理に加え、駆動停止処理を実行しなくてもよい。
【0158】
また、本発明による実施形態において、ベットBを揺動させる機構が2つである場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ベットBを揺動させる機構は1つ又は3つ以上であってもよい。
【0159】
また、本発明による実施形態において、寝床揺動装置がベットBの脚BLを支持する場合を例に説明したが、本発明は、ベットBの脚BLを支持する構成に限定されない。例えば、本発明の寝床揺動装置は、ベットBのフレームを支持する構成であってもよい。
【0160】
また、本発明による実施形態において、寝床揺動装置は、ベットBを揺動させたが、本発明はこれに限定されない。例えば、寝床揺動装置は、布団を支持する支持板を更に備え、支持板を揺動させてもよい。
【0161】
また、本発明による実施形態では、操作部5が操作されることによって寝床揺動装置の動作が制御される場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、寝床揺動装置は、リモートコントロール装置を更に備え、リモートコントロール装置が操作されることによって寝床揺動装置の動作が操作されてもよい。
【解決手段】寝床揺動装置100は、寝床を揺動させる。寝床揺動装置100は、駆動源3及び揺動機構1を備える。揺動機構1は、駆動源3から駆動力が伝達されて寝床を揺動させる。揺動機構1は、移動部材、揺動部材110及び揺動支持部160を含む。移動部材は、駆動源3から駆動力が伝達されて、第1方向及び第1方向とは反対の第2方向へ移動する。揺動部材110は、移動部材に接続するとともに、寝床を支持する。揺動支持部160は、揺動部材110を揺動可能に支持する。揺動部材110は、移動部材が第1方向及び第2方向へ移動することによって揺動支持部160を支点として揺動する。揺動部材110が揺動することによって、寝床が揺動する。