特許第6017078号(P6017078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6017078
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】トリミングテーブルの固定棒用可動装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20161013BHJP
【FI】
   A01K13/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-64623(P2016-64623)
(22)【出願日】2016年3月28日
【審査請求日】2016年7月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599160664
【氏名又は名称】株式会社ドリーム産業
(74)【代理人】
【識別番号】100115370
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 彰
(72)【発明者】
【氏名】金田 崇司
(72)【発明者】
【氏名】金田 光博
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−30515(JP,A)
【文献】 米国特許第4003341(US,A)
【文献】 実開昭63−160156(JP,U)
【文献】 特開2007−319082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 13/00
A01K 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリミングテーブルに設置されるペットのリードを係止する固定棒を可動にするためのトリミングテーブルの固定棒用可動装置であって、前記トリミングテーブルの天板裏に固定される回転本体部と、前記回転本体部から前記トリミングテーブルの端部方向に延びる可動アームと、前記可動アームの回転をサポートするとともに揺れを防止する回転サポート部とを備え、前記可動アームの先端部に前記固定棒を挿入して任意の位置に固定できる挿入固定部が形成され、前記可動アームの可動範囲が所定の角度に設定されており、前記固定棒が前記可動アームの前記挿入固定部に固定された状態において前記トリミングテーブルの端部外周を前記可動範囲内で回動自在に設置されていることを特徴とするトリミングテーブルの固定棒用可動装置。
【請求項2】
前記可動アームの可動範囲が140〜180度に設定されており、前記回転サポート部に設けられたアーム固定具により前記可動アームが任意の位置に固定されることを特徴とする請求項1に記載のトリミングテーブルの固定棒用可動装置。
【請求項3】
トリミングテーブルに設置されるペットのリードを係止する固定棒を可動にするためのトリミングテーブルの固定棒用可動装置であって、前記トリミングテーブルは円形天板及びその天板裏の中心部に取り付けられた1本の脚部支柱から構成され、前記脚部支柱に回動自在に取り付けられる回転中心部と、前記回転中心部から前記トリミングテーブルの端部方向に延びる可動アームとを備え、前記可動アームの先端部に前記固定棒を挿入して任意の位置に固定できる挿入固定部が形成され、前記可動アームの可動範囲が360度に設定されており、前記固定棒が前記可動アームの前記挿入固定部に固定された状態において前記トリミングテーブルの端部外周を前記可動範囲内で回動自在に設置されていることを特徴とするトリミングテーブルの固定棒用可動装置。
【請求項4】
前記トリミングテーブルの天板裏に前記可動アームの回転をサポートするとともに揺れを防止する回転サポート部を備え、前記回転サポート部に設けられたアーム固定具により前記可動アームが任意の位置に固定されることを特徴とする請求項3に記載のトリミングテーブルの固定棒用可動装置
【請求項5】
前記固定棒が前記可動アームの前記挿入固定部に固定された状態において前記固定棒の前記挿入固定部の上方位置に落下防止手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のトリミングテーブルの固定棒用可動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリミングテーブルに設置されるペットのリードを係止する固定棒を可動にするためのトリミングテーブルの固定棒用可動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、犬や猫などのペットのための美容室では、ペットの毛や爪のカット、耳掃除、ブラッシングなどを行うのにトリミングテーブルが用いられている。
【0003】
トリミングテーブルの一例は、図6に示すように、トリマーが立った姿勢でペットをトリミングする高さに位置決め可能な四角形状の天板100を有し、この天板100からペットが落下するのを防止するために、天板100の縁部にペットのリード130を係止する固定棒120が万力110及び固定具111を用いて固定されている。この固定棒120は、天板100から垂直に起立する支柱部120aと、支柱部120aの上端で屈曲して水平方向に延びるリード係止部120bとを備えた逆L字状の形状を有している。
【0004】
また、トリミングテーブルの他例は、図7に示すように、トリマーが立った姿勢でペットをトリミングする高さに位置決め可能な円形状の天板200を有し、この天板200からペットが落下するのを防止するために、天板200の縁部に形成された差し込み孔210にペットのリード230を係止する固定棒220が挿通され固定具211を用いて固定されている。この固定棒220は、天板200から垂直に起立する支柱部220aと、支柱部220aの上端で屈曲して水平方向に延びるリード係止部220bとを備えた逆L字状の形状を有している。
【0005】
しかし、上述した従来のトリミングテーブルでは、トリミング中にペットのリード130、230を係止する固定棒120、220が天板100,200の所定位置に常に固定された状態にあるため、固定棒120、220の支柱部120a、220a及びリード係止部120b、220bがトリマーの視界に入りトリミング作業に支障をきたすことがあり、又ハサミが固定棒120、220の支柱部120a、220aに当たり邪魔になるという問題があった。
【0006】
なお、本願出願人は、トリミングに関連する技術として、以下に示すような発明を提案し、既に特許権を取得している(特許第5751652号、登録日:平成27年5月29日)。
【0007】
特開2015−226499号公報(特許文献1)には、ペットのトリミングに必要な部材及び作業場を任意の場所に簡単に設置できる。トリミングボックス内においてトリミングした毛を効率的に集毛するとともに、トリミングした毛が外部に飛散するのを防止することを目的として、小型で簡便に組み立てられ持ち運び可能なボックスからなり、ボックス内にはトリミングに必要な部材が立体的にコンパクトに収納され、トリマーが作業する作業場が折りたたみ可能に形成され、空気循環型のクリーニング装置、エアーカーテン装置、イオン発生装置を備えている「トリミングボックス」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2015−226499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、トリミング中にペットのリードを係止する固定棒を所望の位置に配置することができると共に、トリミング中に固定棒の落下を防止することができるトリミングテーブルの固定棒用可動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、トリミングテーブルに設置されるペットのリードを係止する固定棒を可動にするためのトリミングテーブルの固定棒用可動装置であって、前記トリミングテーブルの天板裏に固定される回転本体部と、前記回転本体部から前記トリミングテーブルの端部方向に延びる可動アームと、前記可動アームの回転をサポートするとともに揺れを防止する回転サポート部とを備え、前記可動アームの先端部に前記固定棒を挿入して任意の位置に固定できる挿入固定部が形成され、前記可動アームの可動範囲が所定の角度に設定されており、前記固定棒が前記可動アームの前記挿入固定部に固定された状態において前記トリミングテーブルの端部外周を前記可動範囲内で回動自在に設置されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記可動アームの可動範囲が140〜180度に設定されており、前記回転サポート部に設けられたアーム固定具により前記可動アームが任意の位置に固定されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、トリミングテーブルに設置されるペットのリードを係止する固定棒を可動にするためのトリミングテーブルの固定棒用可動装置であって、前記トリミングテーブルは円形天板及びその天板裏の中心部に取り付けられた1本の脚部支柱から構成され、前記脚部支柱に回動自在に取り付けられる回転中心部と、前記回転中心部から前記トリミングテーブルの端部方向に延びる可動アームとを備え、前記可動アームの先端部に前記固定棒を挿入して任意の位置に固定できる挿入固定部が形成され、前記可動アームの可動範囲が360度に設定されており、前記固定棒が前記可動アームの前記挿入固定部に固定された状態において前記トリミングテーブルの端部外周を前記可動範囲内で回動自在に設置されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に前記トリミングテーブルの天板裏に前記可動アームの回転をサポートするとともに揺れを防止する回転サポート部を備え、前記回転サポート部に設けられたアーム固定具により前記可動アームが任意の位置に固定されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4に記載の前記固定棒が前記可動アームの前記挿入固定部に固定された状態において前記固定棒の前記挿入固定部の上方位置に落下防止手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、トリミングテーブルの固定棒用可動装置に可動アームの回転をサポートするとともに揺れを防止する回転サポート部を備え、可動アームの可動範囲を所定の角度(140〜180度)に設定することにより、トリミング中にペットのリードを係止する固定棒30を可動範囲(140〜180度)内で可動させることができ、可動アームは回転サポート部にサポートされた状態で可動し揺れも防止されるため、固定棒の動きが安定する。
【0016】
また、円形天板及びその天板裏の中心部に取り付けられた1本の脚部支柱を有するトリミングテーブルの固定棒用可動装置に可動範囲が360度の可動アームを備えることにより、トリミング中にペットのリードを係止する固定棒を可動範囲(360度)内で可動させることができる。
【0017】
また、ペットのリードを係止する固定棒の挿入固定部の上方位置に落下防止手段を設けることにより、固定棒の落下を防止でき安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】トリミングテーブルの固定棒用可動装置の一例を示す側面図である。
図2】トリミングテーブルの固定棒用可動装置の一例を示す底面図である。
図3】トリミングテーブルの固定棒用可動装置の他例を示す側面図である。
図4】トリミングテーブルの固定棒用可動装置の他例を示す底面図である。
図5】天板の種類と可動アームの可動パターンを示す説明図である。
図6】従来のトリミングテーブルの一例を示す斜視図である。
図7】従来のトリミングテーブルの他例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態の一例について図を参酌しながら説明する。
図1はトリミングテーブルの固定棒用可動装置の一例を示す側面図、図2は トリミングテーブルの固定棒用可動装置の一例を示す底面図である。
【0020】
図1及び図2に示すように、本発明にかかるトリミングテーブルの固定棒用可動装置10は、トリミングテーブル1の天板2の裏面に取り付け板11aを介してネジ等により固定される回転本体部11と、回転本体部11からトリミングテーブル1の天板2の端部方向に延びる可動アーム12と、可動アーム12の回転をサポートするとともに揺れを防止する回転サポート部13と、から構成される。ペットのリードを係止する固定棒30は、図1に示すように、天板2から垂直に起立する支柱部30aと、支柱部30aの上端で屈曲して水平方向に延びるリード係止部30bとを備えた逆L字状の形状を有している。
【0021】
可動アーム12の先端部には、ペットのリードを係止する固定棒30を挿入した状態で固定具16を用いて任意の高さに位置決めして固定することができる挿入固定部15が形成されている。
【0022】
図2に示すように、回転サポート部13には円弧状の溝部13aが形成され、可動アーム12の可動範囲が140〜180度に設定されている。このため、ペットのリードを係止する固定棒30が可動アーム12の挿入固定部15に固定された状態において、トリミングテーブル1の天板2の端部外周を前記可動範囲内で固定棒30が回動自在に設置される。また、回転サポート部13にはアーム固定具14が設けられており、可動アーム12を任意の位置に固定することができる。
【0023】
固定棒30の支柱部30aには、図1に示すように、挿入固定部15の上方位置に落下防止手段31が設けられている。これにより、トリミング中に固定棒30の落下を防止することができる。落下防止手段31は、支柱部30aの外周面に嵌着させるリング、ストッパ部材により構成される。
【0024】
上記の各構成からなるトリミングテーブルの固定棒用可動装置10を使用する際は、トリミング中にペットのリードを係止する固定棒30の位置を変更したい場合、可動アーム12を回転させて固定棒30を可動範囲(140〜180度)内で可動させる。この時、可動アーム12は、回転サポート部13にサポートされた状態で可動し揺れも防止されるため、固定棒30の動きが安定する。また、回転サポート部13のアーム固定具14を操作して、固定棒30を所望の位置に簡単に固定できる。さらに、固定棒30の支柱部30aに落下防止手段31を設けることにより、固定棒30の落下を防止でき安全性が向上する。
【0025】
次に、図3はトリミングテーブルの固定棒用可動装置の他例を示す側面図、図4はトリミングテーブルの固定棒用可動装置の他例を示す底面図である。
【0026】
図3及び図4に示すように、本発明にかかるトリミングテーブルの固定棒用可動装置20は、トリミングテーブル1の円形状天板2の裏面の中心部に取り付けられた1本の脚部支柱3に、円形状天板2の裏面に取り付け板21aを介してネジ等により固定され且つ回動自在に取り付けられる回転中心部21と、回転中心部21からトリミングテーブル1の円形状天板2の端部方向に延びる可動アーム22と、から構成される。ペットのリードを係止する固定棒30は、図3に示すように、天板2から垂直に起立する支柱部30aと、支柱部30aの上端で屈曲して水平方向に延びるリード係止部30bとを備えた逆L字状の形状を有している。
【0027】
可動アーム22の先端部には、ペットのリードを係止する固定棒30を挿入した状態で固定具24を用いて任意の高さに位置決めして固定することができる挿入固定部23が形成されている。
【0028】
図4に示すように、可動アーム22の可動範囲が360度に設定されている。このため、ペットのリードを係止する固定棒30が可動アーム22の挿入固定部23に固定された状態において、トリミングテーブル1の円形状天板2の端部外周を前記可動範囲内で固定棒30が回動自在に設置される。なお、可動アーム22の回転をサポートするとともに揺れを防止する回転サポート部(図示省略)を設け、アーム固定具(図示省略)により可動アームを任意の位置に固定する構成を採用してもよい。
【0029】
固定棒30の支柱部30aには、図3に示すように、挿入固定部23の上方位置に落下防止手段31が設けられている。これにより、トリミング中に固定棒30の落下を防止することができる。落下防止手段31は、支柱部30aの外周面に嵌着させるリング、ストッパ部材により構成される。
【0030】
上記の各構成からなるトリミングテーブルの固定棒用可動装置20を使用する際は、トリミング中にペットのリードを係止する固定棒30の位置を変更したい場合、可動アーム22を回転させて固定棒30を可動範囲(360度)内で可動させる。また、固定棒30の支柱部30aに落下防止手段31を設けることにより、固定棒30の落下を防止でき安全性が向上する。
【0031】
図5は、天板の種類と可動アームの可動パターンを示す説明図である。
(1)天板の一辺の各隅部に可動範囲(140〜180度)の可動アームを設置するパターン(図1図2参照)
(2)天板の円弧状の端部に可動範囲(140〜180度)の可動アームを設置するパターン(図1図2参照)
(3)天板の円弧状の両端部に可動範囲(140〜180度)の可動アームを設置するパターン(図1図2参照)
(4)円形状の天板に可動範囲(140〜180度)の可動アームを設置するパターン(図1図2参照)
(5)円形状の天板に可動範囲(360度)の可動アームを設置するパターン(図3図4参照)
【符号の説明】
【0032】
1 トリミングテーブル
2 天板
3 脚部支柱
10 固定棒用可動装置
11 回転本体部
11a 取り付け板
12 可動アーム
13 回転サポート部
13a 溝部
14 アーム固定具
15 挿入固定部
16 固定具
20 固定棒用可動装置
21 回転中心部
21a 取り付け板
22 可動アーム
23 挿入固定部
24 固定具
30 固定棒
30a 支柱部
30b リード係止部
31 落下防止手段
100 天板
110 万力
111 固定具
120 固定棒
120a 支柱部
120b リード係止部
130 リード
200 天板
210 差し込み孔
211 固定具
220 固定棒
220a 支柱部
220b リード係止部
230 リード
【要約】
【課題】トリミング中にペットのリードを係止する固定棒を所望の位置に配置することができるトリミングテーブルの固定棒用可動装置を提供する。
【解決手段】トリミングテーブル1の天板2裏に固定される回転本体部11と、回転本体部11からトリミングテーブル1の端部方向に延びる可動アーム12と、可動アーム12の回転をサポートするとともに揺れを防止する回転サポート部13とを備え、可動アーム12の先端部に固定棒を挿入して任意の位置に固定できる挿入固定部15が形成され、可動アーム12の可動範囲が所定の角度に設定され、固定棒がトリミングテーブル1の端部外周を可動範囲内で回動自在に設置される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7