(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フィルムにより密封構造の袋状に形成された気密体と、基端部が気密体に気密状に挿着されていると共に、先端部にエアー供給源に接続される逆止弁付き接続具を設けたエアー供給ホースと、基端部が気密体に気密状に挿着されていると共に、先端部に安全弁を設けた弁取り付けホースと、合成樹脂材により袋状に形成され、前記気密体をエアー供給ホース及び弁取り付けホースの先端部がそれぞれ外方へ突出する状態で収容するカバー体と、合成繊維製の織布により袋状に形成され、前記気密体及びカバー体をエアー供給ホース及び弁取り付けホースの先端部がそれぞれ外方へ突出する状態で収容する内装体と、合成繊維製のたて糸と合成繊維製のよこ糸とを筒状に織成したジャケットの内周面にライニング層を形成して成る消防用ホースと同じ構造のホースを裏返して形成した筒状の外装体又は円筒状織物に塗装を施した筒状の外装体とを備え、前記外装体は、前記気密体、カバー体及び内装体を少なくとも逆止弁付き接続具及び安全弁の先端部分が外装体の一端部から外方へ突出する状態で収容すると共に、両端部が閉じられた状態で偏平な袋状に形成されていることを特徴とする薄型エアージャッキ。
フィルムにより密封構造の袋状に形成された気密体と、基端部が気密体に気密状に挿着されていると共に、先端部に分岐継手を設けたエアー供給ホースと、前記分岐継手にそれぞれ接続されたエアー供給源に接続される逆止弁付き接続具及び安全弁と、合成樹脂材により袋状に形成され、前記気密体をエアー供給ホースの先端部が外方へ突出する状態で収容するカバー体と、合成繊維製の織布により袋状に形成され、前記気密体及びカバー体をエアー供給ホースの先端部が外方へ突出する状態で収容する内装体と、合成繊維製のたて糸と合成繊維製のよこ糸とを筒状に織成したジャケットの内周面にライニング層を形成して成る消防用ホースと同じ構造のホースを裏返して形成した筒状の外装体又は円筒状織物に塗装を施した筒状の外装体とを備え、前記外装体は、前記気密体、カバー体及び内装体を少なくとも逆止弁付き接続具及び安全弁の先端部分が外装体の一端部から外方へ突出する状態で収容すると共に、両端部が閉じられた状態で偏平な袋状に形成されていることを特徴とする薄型エアージャッキ。
前記気密体は、ガスバリア性に優れた多層フィルム又は単層フィルムにより密封構造の矩形の袋状に形成されており、対向する二つの辺にエアー供給ホース及び弁取り付けホースの基端部がそれぞれ挿入される傾斜姿勢のホース取り付け筒部を備え、また、前記エアー供給ホース及び弁取り付けホースは、その基端部が気密体の各ホース取り付け筒部内にそれぞれ挿入されており、ホース取り付け筒部の外周面の一部又は全部が締め付け手段により気密状に締め付けられて抜け止めされていることを特徴とする請求項1に記載の薄型エアージャッキ。
前記気密体は、ガスバリア性に優れた多層フィルム又は単層フィルムにより密封構造の矩形の袋状に形成されており、一つの辺にエアー供給ホースの基端部が挿入される傾斜姿勢のホース取り付け筒部を備え、また、前記エアー供給ホースは、その基端部が気密体のホース取り付け筒部内に挿入されており、ホース取り付け筒部の外周面の一部又は全部が締め付け手段により気密状に締め付けられて抜け止めされていることを特徴とする請求項2に記載の薄型エアージャッキ。
前記多層フィルムをナイロン多層フィルムとし、また、単層フィルムを熱可塑性ポリウレタンフィルムとしたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の薄型エアージャッキ。
前記気密体の各ホース取り付け筒部とエアー供給ホース及び弁取り付けホースの基端部とは、気密体の内方に位置し、エアー供給ホース及び弁取り付けホースの先端部は、気密体の外方向に位置していることを特徴とする請求項3に記載の薄型エアージャッキ。
前記気密体のホース取り付け筒部とエアー供給ホースの基端部とは、気密体の内方に位置し、エアー供給ホース先端部は、気密体の外方向に位置していることを特徴とする請求項4に記載の薄型エアージャッキ。
前記エアー供給ホース及び弁取り付けホースの基端部外周面と気密体のホース取り付け筒部内周面との間にそれぞれ接着剤層を介在させたことを特徴とする請求項3に記載の薄型エアージャッキ。
前記気密体の外周縁部両面の一部若しくは全てにテープ製又は布製若しくは樹脂シート製の補強片を貼り付けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄型エアージャッキ。
前記カバー体は、合成樹脂チューブ又は合成樹脂シートにより少なくとも一辺が開放された矩形の袋状に形成されており、開放された辺に隣接する辺にエアー供給ホース及び弁取り付けホースの先端部側をそれぞれ外部へ引き出せる引き出し穴を形成したことを特徴とする請求項1に記載の薄型エアージャッキ。
前記カバー体は、合成樹脂チューブ又は合成樹脂シートにより少なくとも一辺が開放された矩形の袋状に形成されており、開放された辺に隣接する辺にエアー供給ホースの先端部側を外部へ引き出せる引き出し穴を形成したことを特徴とする請求項2に記載の薄型エアージャッキ。
前記内装体は、合成繊維製の帯状の織布から成り、帯状の織布の両端部を重ね合わせてその重なり部分を縫着又は接着すると共に、内装体の内方に気密体及びカバー体を収容して内装体の内面で気密体の両端部を保持する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄型エアージャッキ。
前記外装体は、合成繊維製のたて糸と合成繊維製のよこ糸とを筒状に織成したジャケットの内周面に熱可塑性ポリウレタンエラストマー製のライニング層を形成した消防用ホースと同じ構造のホースを裏返したもの又は円筒状織物に塗装を施したものであり、少なくとも逆止弁付き接続具及び安全弁の先端部分が外装体の基端部開口から外方へ突出する状態で消防用ホース又は円筒状織物の両端部開口を金具、溶着及び縫着のうち少なくとも何れか一つにより閉じて偏平な袋状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の薄型エアージャッキ。
前記外装体は、合成繊維製のたて糸と合成繊維製のよこ糸とを筒状に織成したジャケットの内周面に熱可塑性ポリウレタンエラストマー製のライニング層を形成した消防用ホースと同じ構造のホースを裏返したもの又は円筒状織物に塗装を施したものであり、少なくとも逆止弁付き接続具及び安全弁の先端部分が外装体の基端部開口から外方へ突出する状態で消防用ホース又は円筒状織物の両端部開口を金具、溶着及び縫着のうち少なくとも何れか一つにより閉じて偏平な袋状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の薄型エアージャッキ。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の重量物を持ち上げたりするジャッキには、従前から油圧式ジャッキや機械式ジャッキ等が使用されている。
これらのジャッキは、何れも縮んだ時の高さが高く、狭い隙間へ挿入することができないうえ、重たくて取扱性に劣ると云う問題があった。
【0003】
そこで、上述した問題を解決する袋構造のエアージャッキ装置が開発され、特開2000−247587号(参考文献1参照)として公開されている。
【0004】
即ち、前記エアージャッキ装置20は、
図12〜
図14に示す如く、矩形状のゴムチューブ21と、ナイロン織布又はアラミド織布により矩形に形成され、ゴムチューブ21を収容する外囲体22と、ゴムチューブ21にエアーを供給するエアージョイント23とを備えており、ゴムチューブ21及び外囲体22の対向する一組の辺が、それぞれ金属板24とネジ25及びナット26とにより挟持されると共に、ゴムチューブ21及び外囲体22の対向する他の組の辺が、それぞれV字状に内側に折り込まれている。
【0005】
また、ゴムチューブ21と外囲体22との間及び外囲体22の表面には、それぞれ外囲体22を挟んで二組の金属製補強板27が配置されている。この二組の金属製補強板27は、リベット28により結合されている。
【0006】
更に、外囲体22の表面側の金属製補強板27には、それぞれゴム板29が固着されており、このゴム板29のうち、上側のゴム板29には、自動車車体の下部フレーム30が入り込む凹溝31が形成されている。
【0007】
而して、前記エアージャッキ装置20は、持ち上げようとする重量物の下面に配置した後、エアージョイント23より圧搾空気をゴムチューブ21内に注入すると、ゴムチューブ21が膨張すると共に、これに伴って外囲体22も膨張し、重量物を持ち上げることができる。
【0008】
このエアージャッキ装置20は、ゴムチューブ21及び織布製の外囲体22を使用しているため、外観形状を全体的に薄くすることができ、狭い隙間に差し込んで重量物を持ち上げることができる。
【0009】
しかし、前記エアージャッキ装置20は、織布製の外囲体22内にゴムチューブ21を収容しているため、外囲体22とゴムチューブ21との摩擦抵抗が極めて大きくなり、外囲体22及びゴムチューブ21に荷重が掛かった状態でゴムチューブ21が膨らむときに、ゴムチューブ21が均等に膨らまず、ゴムチューブ21に部分的に大きな負荷がかかってゴムチューブ21が破裂する虞があり、安全性に劣ると云う問題があった。
【0010】
また、前記エアージャッキ装置20は、ゴムチューブ21を膨らませるときにゴムチューブ21内に圧搾空気を入れ過ぎることがあり、最悪の場合には、ゴムチューブ21が破裂する虞があった。
【0011】
更に、前記エアージャッキ装置20は、ゴムチューブ21及び外囲体22の両端部を金属板24で挟持すると共に、外囲体22の中央部表面側に金属製補強板27及びゴム板29を取り付けているため、厚みを極端に薄くすることができず、最小の厚みが6cm程度となっている。その結果、極めて狭い隙間には、挿入することができず、使用できないと云う問題があった。
【0012】
更に、前記エアージャッキ装置20は、ゴムチューブ21を膨らませなければならないため、例えば、手動式の自転車の空気入れではゴムチューブ21を膨らませ難く、使用時にはエアーコンプレッサーが必要となり、取扱性及び操作性に劣ると云う問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、安全性に優れていると共に、極めて狭い隙間でも差し込めて自動車等の重量物を持ち上げることができ、しかも、自転車の空気入れやコンプレッサー等でもエアーを供給できて取扱性及び操作性に優れている薄型エアージャッキを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の第1の発明は、フィルムにより密封構造の袋状に形成された気密体と、基端部が気密体に気密状に挿着されていると共に、先端部にエアー供給源に接続される逆止弁付き接続具を設けたエアー供給ホースと、基端部が気密体に気密状に挿着されていると共に、先端部に安全弁を設けた弁取り付けホースと、
合成樹脂材により袋状に形成され、前記気密体をエアー供給ホース及び弁取り付けホースの先端部がそれぞれ外方へ突出する状態で収容するカバー体と、合成繊維製の織布により袋状に形成され、前記気密体及びカバー体をエアー供給ホース及び弁取り付けホースの先端部がそれぞれ外方へ突出する状態で収容する内装体と、
合成繊維製のたて糸と合成繊維製のよこ糸とを筒状に織成したジャケットの内周面にライニング層を形成して成る消防用ホースと同じ構造のホースを裏返して形成した筒状の外装体又は円筒状織物に塗装を施した筒状の外装体とを備え、前記外装体は、前記気密体、カバー体及び内装体を少なくとも逆止弁付き接続具及び安全弁の先端部分が外装体の一端部から外方へ突出する状態で収容すると共に、両端部が閉じられた状態で偏平な袋状に形成されていることに特徴がある。
【0016】
本発明の第2の発明は、フィルムにより密封構造の袋状に形成された気密体と、基端部が気密体に気密状に挿着されていると共に、先端部に分岐継手を設けたエアー供給ホースと、前記分岐継手にそれぞれ接続されたエアー供給源に接続される逆止弁付き接続具及び安全弁と、
合成樹脂材により袋状に形成され、前記気密体をエアー供給ホースの先端部が外方へ突出する状態で収容するカバー体と、合成繊維製の織布により袋状に形成され、前記気密体及びカバー体をエアー供給ホースの先端部が外方へ突出する状態で収容する内装体と、
合成繊維製のたて糸と合成繊維製のよこ糸とを筒状に織成したジャケットの内周面にライニング層を形成して成る消防用ホースと同じ構造のホースを裏返して形成した筒状の外装体又は円筒状織物に塗装を施した筒状の外装体とを備え、前記外装体は、前記気密体、カバー体及び内装体を少なくとも逆止弁付き接続具及び安全弁の先端部分が外装体の一端部から外方へ突出する状態で収容すると共に、両端部が閉じられた状態で偏平な袋状に形成されていることに特徴がある。
【0017】
本発明の第3の発明は、前記第1の発明において、前記気密体は、ガスバリア性に優れた多層フィルム又は単層フィルムにより密封構造の矩形の袋状に形成されており、対向する二つの辺にエアー供給ホース及び弁取り付けホースの基端部がそれぞれ挿入される傾斜姿勢のホース取り付け筒部を備え、また、前記エアー供給ホース及び弁取り付けホースは、その基端部が気密体の各ホース取り付け筒部内にそれぞれ挿入されており、ホース取り付け筒部の外周面の一部又は全部が締め付け手段により気密状に締め付けられて抜け止めされていることに特徴がある。
【0018】
本発明の第4の発明は、前記第2の発明において、前記気密体は、ガスバリア性に優れた多層フィルム又は単層フィルムにより密封構造の矩形の袋状に形成されており、一つの辺にエアー供給ホースの基端部が挿入される傾斜姿勢のホース取り付け筒部を備え、また、前記エアー供給ホースは、その基端部が気密体のホース取り付け筒部内に挿入されており、ホース取り付け筒部の外周面の一部又は全部が締め付け手段により気密状に締め付けられて抜け止めされていることに特徴がある。
【0019】
本発明の第5の発明は、前記第3の発明又は第4の発明において、前記多層フィルムをナイロン多層フィルムとし、また、単層フィルムを熱可塑性ポリウレタンフィルムとしたことに特徴がある。
【0020】
本発明の第6の発明は、前記第3の発明において、前記気密体の各ホース取り付け筒部とエアー供給ホース及び弁取り付けホースの基端部とは、気密体の内方に位置し、エアー供給ホース及び弁取り付けホースの先端部は、気密体の外方向に位置していることに特徴がある。
【0021】
本発明の第7の発明は、前記第4の発明において、前記気密体のホース取り付け筒部とエアー供給ホースの基端部とは、気密体の内方に位置し、エアー供給ホース先端部は、気密体の外方向に位置していることに特徴がある。
【0022】
本発明の第8の発明は、前記第3の発明又は第4の発明において、前記気密体のホース取り付け筒部を備えていない対向する二つの辺を、それぞれ内方へ折り込んだことに特徴がある。
【0023】
本発明の第9の発明は、前記第3の発明において、前記エアー供給ホース及び弁取り付けホースの気密体のホース取り付け筒部への挿入長さをそれぞれ
3cm以上としたことに特徴がある。
【0024】
本発明の第10の発明は、前記第4の発明において、前記エアー供給ホースの気密体のホース取り付け筒部への挿入長さを
3cm以上としたことに特徴がある。
【0025】
本発明の第11の発明は、前記第3の発明において、前記エアー供給ホース及び弁取り付けホースの基端部外周面と気密体のホース取り付け筒部内周面との間にそれぞれ接着剤層を介在させたことに特徴がある。
【0026】
本発明の第12の発明は、前記第4の発明において、前記エアー供給ホースの基端部外周面と気密体のホース取り付け筒部内周面との間
に接着剤層を介在させたことに特徴がある。
【0027】
本発明の第13の発明は、前記第1の発明又は第2の発明において、前記気密体の外周縁部両面の一部若しくは全てにテープ製又は布製若しくは樹脂シート製の補強片を貼り付けたことに特徴がある。
【0028】
本発明の第14の発明は、前記第1の発明又は第2の発明において、前記逆止弁付き接続具を、ワンタッチジョイント式の逆止弁付きカプラーとしたことに特徴がある。
【0029】
本発明の第15の発明は、前記第1の発明において、前記カバー体は、合成樹脂チューブ又は合成樹脂シートにより少なくとも一辺が開放された矩形の袋状に形成されており、開放された辺に隣接する辺にエアー供給ホース及び弁取り付けホースの先端部側をそれぞれ外部へ引き出せる引き出し穴を形成したことに特徴がある。
【0030】
本発明の第16の発明は、前記第2の発明において、前記カバー体は、合成樹脂チューブ又は合成樹脂シートにより少なくとも一辺が開放された矩形の袋状に形成されており、開放された辺に隣接する辺にエアー供給ホースの先端部側を外部へ引き出せる引き出し穴を形成したことに特徴がある。
【0031】
本発明の第17の発明は、前記第1の発明又は第2の発明において、前記内装体は、合成繊維製の帯状の織布から成り、帯状の織布の両端部を重ね合わせてその重なり部分を縫着又は接着すると共に、内装体の内方に気密体及びカバー体を収容して内装体の内面で気密体の両端部を保持する構成としたことに特徴がある。
【0032】
本発明の第18の発明は、前記第1の発明において、前記外装体は、合成繊維製のたて糸と合成繊維製のよこ糸とを筒状に織成したジャケットの内周面に熱可塑性ポリウレタンエラストマー製のライニング層を形成した消防用ホースと同じ構造のホースを裏返したもの又は円筒状織物に塗装を施したものであり、少なくとも逆止弁付き接続具及び安全弁の先端部分が外装体の基端部開口から外方へ突出する状態で消防用ホース又は円筒状織物の両端部開口を金具、溶着及び縫着のうち少なくとも何れか一つにより閉じて偏平な袋状に形成されていることに特徴がある。
【0033】
本発明の第19の発明は、前記第2の発明において、前記外装体は、合成繊維製のたて糸と合成繊維製のよこ糸とを筒状に織成したジャケットの内周面に熱可塑性ポリウレタンエラストマー製のライニング層を形成した消防用ホースと同じ構造のホースを裏返したもの又は円筒状織物に塗装を施したものであり、少なくとも逆止弁付き接続具及び安全弁の先端部分が外装体の基端部開口から外方へ突出する状態で消防用ホース又は円筒状織物の両端部開口を金具、溶着及び縫着のうち少なくとも何れか一つにより閉じて偏平な袋状に形成されていることに特徴がある。
【0034】
本発明の第20の発明は、前記第1の発明又は第2の発明において、前記エアー供給ホースの一部分と外装体の一部分とを金属リングによるかしめ加工により固定したことに特徴がある。
【発明の効果】
【0035】
本発明の薄型エアージャッキは、フィルムにより形成した袋状の気密体を合成樹脂材により形成した袋状のカバー体に収容し、これらを更に合成繊維製の内装体及び消防用ホースと同じ構造の外装体又は円筒状織物に塗装を施した筒状の外装体に順次収容しているため、カバー体によって気密体と内装体との摩擦抵抗が大幅に低減されることになり、その結果、薄型エアージャッキに荷重がかかった状態で気密体が膨らむときに気密体が均等に膨らみ、気密体に部分的に負荷がかかると云うことがなく、気密体の破裂を防止することができ、安全性に優れている。
【0036】
本発明の薄型エアージャッキは、気密体に安全弁を設けた弁取り付けホースを取り付けているため、気密体を膨らませるときに気密体内に圧搾空気を入れ過ぎても、安全弁から過剰な圧搾空気が排出されるので、気密体が破裂すると云うことが無く、より安全性に優れている。
【0037】
本発明の薄型エアージャッキは、気密体をガスバリア性に優れた多層フィルム又は単層フィルムにより形成しているため、気密体の気密性が極めて優れたものになり、また、外装体に消防用ホースと同じ構造のホースを裏返したもの又は円筒状織物に塗装を施したものを使用しているため、外装体の耐久性及び耐破裂性が大幅に向上することになり、使用中にエアーが抜けたり、外装体が破裂したりすると云うことがなく、より安全性に優れている。
【0038】
本発明の薄型エアージャッキは、袋状の気密体、袋状のカバー体、袋状の内装体及び筒状の外装体から成るため、これらを偏平状にしたときにその厚みを極めて薄くすることができ、その結果、極めて狭い隙間でも差し込むことができて自動車等の重量物を持ち上げることができる。
【0039】
本発明の薄型エアージャッキは、矩形の袋状に形成された気密体の対向する辺にエアー供給ホース及び弁取り付けホースの基端部がそれぞれ挿入されるホース取り付け筒部を形成し、各ホース取り付け筒部にエアー供給ホース及び弁取り付けホースの基端部をそれぞれ挿入して各ホース取り付け筒部の外周面の一部又は全部を締め付け手段により締め付けてエアー供給ホース及び弁取り付けホースを抜け止めするようにしているため、気密体にエアー供給ホース及び弁取り付けホースを挿入するための穴を開ける場合に比較して気密体の強度を保つことができると共に、エアー供給ホース及び弁取り付けホースが気密体から抜け難くなるうえ、ホース取り付け筒部とエアー供給ホース及び弁取り付けホースとの間の気密性が高められ、気密体からエアーが抜け難くなる。
【0040】
本発明の薄型エアージャッキは、気密体にエアーを供給するエアー供給ホースの先端部に逆止弁付き接続具を設け、この逆止弁付き接続具をワンタッチジョイント式の逆止弁付きカプラーとしているため、媒介ホースを変えることで、手動式の自転車の空気入れ又はコンプレッサー若しくは足踏み式ポンプでもエアーを供給することができ、取扱性及び操作性に優れている。
【0041】
本発明の薄型エアージャッキは、エアー供給ホース及び弁取り付けホースの基端部を取り付ける各ホース取り付け筒部が気密体の内方に位置しているため、気密体の膨張時に各ホース取り付け筒部が外力を受けることが無く、気密体の各ホース取り付け筒部が破れるのを防止することができる。
【0042】
本発明の薄型エアージャッキは、気密体のホース取り付け部を備えていない二つの辺を、それぞれ内方へ折り込んでいるため、気密体が膨張しても前記二つの辺が無理に引き伸ばされることが無く、密封体の両端部(ホース取り付け筒部を備えていない二つの辺)が破れるのを防止することができる。
【0043】
本発明の薄型エアージャッキは、気密体が膨らんだときにエアー供給ホース及び弁取り付けホースの一部分が気密体の内圧により外装体の内周面側へ強く押え付けられるため、エアー供給ホースが気密体から抜け難くなり、エアー供給ホースの抜け止めに必要以上の強度を必要としない。
【0044】
本発明の薄型エアージャッキは、エアー供給ホース及び弁取り付けホースの気密体のホース取り付け筒部への挿入長さをそれぞれ数cm以上としているため、エアー供給ホース及び弁取り付けホースが気密体からより抜け難くなる。
【0045】
本発明の薄型エアージャッキは、エアー供給ホース及び弁取り付けホースの基端部外周面と気密体のホース取り付け筒部内周面との間に接着剤層を介在させているため、エアー供給ホース及び弁取り付けホースが気密体からより一層抜け難くなると共に、ホース取り付け筒部とエアー供給ホース及び弁取り付けホースとの気密性がより高められ、気密体からエアーがより抜け難くなる。
【0046】
本発明の薄型エアージャッキは、気密体の外周縁部両面の一部若しくは全てにテープ製又は布製若しくは樹脂シート製の補強片を貼り付けているため、気密体の外周縁部の一部若しくは全部が補強され、気密体に圧搾空気を注入しても、気密体の外周縁部が破れ難くなる。
【0047】
本発明の薄型エアージャッキは、内装体が合成繊維製の帯状の織布から成り、帯状の織布の両端部を重ね合わせてその重なり部分を縫着又は接着すると共に、内装体の内方に気密体及びカバー体を収納して内装体の内面で気密体の両端部を保持するようにしているため、気密体が膨らんだときに気密体の両端部が内装体により保持されるので、気密体の両端部が破れ難くなる。
【0048】
本発明の薄型エアージャッキは、外装体に消防用ホースと同じ構造のホースを裏返したもの又は円筒状織物に塗装を施したものを使用しているため、外装体の耐摩耗性及び耐候性等が向上すると共に、外装体の強度向上を図ることができる。
【0049】
本発明の薄型エアージャッキは、エアー供給ホースの一部分と外装体の一部分とを金属リングによるかしめ加工により固定しているため、エアー供給ホースがより抜け難くなる。
【0050】
本発明の薄型エアージャッキは、基端部が気密体に気密状に取り付けられた一本のエアー供給ホースの先端部に二股状の分岐継手を取り付け、この二股の分岐継手にそれぞれ逆止弁付き接続具と安全弁とを取り付けているため、弁取り付けホースを省略することができ、薄型エアージャッキの組み立て作業の簡略化及び組み立て時間の短縮を図れる。また、この薄型エアージャッキは、逆止弁付き接続具、安全弁、エアー供給ホース、分岐継手が外装体の一方の長辺に片寄った状態で配設されているため、外装体の他方の長辺部分は、気密体、カバー体、内装体及び外装体だけの厚みとなるので極めて狭い隙間にも差し込むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び
図2は本発明の実施形態に係る薄型エアージャッキ1を示し、当該薄型エアージャッキ1は、普通自動車や特殊自動車等の自動車の修理・点検等を行う際に自動車を持ち上げたり、或いは、地震や台風等により倒壊した建物等の所要箇所を持ち上げて下敷きになっている人を救助したりするのに用いるものである。
【0053】
即ち、前記薄型エアージャッキ1は、フィルムにより密封構造の矩形の袋状に形成された気密体2と、基端部が気密体2に気密状に挿着されると共に、先端部にエアー供給源に接続される逆止弁付き接続具3を設けたエアー供給ホース4と、基端部が気密体2に気密状に挿着されると共に、先端部に安全弁5を設けた弁取り付けホース6と、摩擦抵抗の少ない合成樹脂材により矩形の袋状に形成され、前記気密体2をエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の先端部がそれぞれ外方へ突出する状態で収容するカバー体7と、合成繊維製の織布により矩形の袋状に形成され、前記気密体2及びカバー体7をエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の先端部がそれぞれ外方へ突出する状態で収容する内装体8と、消防用ホースと同じ構造のホースを裏返して形成した筒状の外装体9又は強度のある円筒状織物に塗装を施した筒状の外装体9とを備え、前記外装体9は、前記気密体2、カバー体7及び内装体8を少なくとも逆止弁付き接続具3及び安全弁5の先端部分が外装体9の一端部から外方へ突出する状態で収容すると共に、両端部が閉じられた状態で偏平な袋状に形成されている。
【0054】
前記気密体2は、
図3(a)に示す如く、ガスバリア性に優れた多層フィルム又は単層フィルムにより長方形状に形成された二枚のフィルム材を重ね合わせ、二枚のフィルム材の一方の短辺を除いて二枚のフィルム材の外周縁部を幅数mmに亘って溶着2b(熱溶着又は超音波溶着若しくは高周波溶着)することにより、長方形の袋状に形成されており、対向する長辺に、エアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の基端部がそれぞれ挿入される傾斜姿勢のホース取り付け筒部2aを備えている。前記二つのホース取り付け筒部2aは、それぞれ気密体2の内方に位置しており、気密体2の内部と外部とを連通状態にしている。
ここでガスバリア性に優れた多層フィルム又は単層フィルムとは、酸素透過度が40cc/m
2・atm・day以下で且つ透湿度が8g/m
2・day以下の多層フィルム又は単層フィルムを言う。
【0055】
前記気密体2は、
図3(b)及び(c)に示す如く、エアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の基端部を気密体2の各ホース取り付け筒部2aにそれぞれ挿入して気密状に取り付けた後、気密体2の開口している辺(短辺)を溶着2b(熱溶着又は超音波溶着若しくは高周波溶着)して閉じることにより、密封構造の長方形の袋状に構成されている。
【0056】
また、気密体2のエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6を取り付けていない二つの辺(短辺)は、
図3(d)及び
図5に示す如く、それぞれ気密体2の内方へV字状(気密体2の内方に位置する部分が断面形状V字状になっている)に折り込まれており、気密体2が膨張しても前記二つの辺(短辺)が無理に引き伸ばされないようにしている。これにより、気密体2の両端部(ホース取り付け筒部2aを備えていない二つの辺)が破れるのを防止することができる。尚、気密体2の二つの辺(短辺)は、図示していないが、気密体2の内方へW字状(気密体2の内方に位置する部分が断面形状W字状になっている)に折り込んでも良い。
【0057】
更に、気密体2の短辺側の両端部外面と、エアー供給ホース4及び弁取り付けホース6に対向する部分で且つ気密体2の長辺側の両端部外面には、
図2及び
図4に示す如く、ダクトテープ製の補強片10が貼り付けられており、気密体2の外周縁部の一部を補強するようにしている。
【0058】
この実施形態においては、気密体2には、ガスバリア性に優れて柔軟性のある3層フィルム、即ち、MICS化学株式会社製のトリプルナイロン(商品名)が使用されており、気密体2は、長方形状の二枚のフィルム材をインパルス式溶着で溶着2bすることにより形成されている。このトリプルナイロンは、厚みが70μm、引張強度が45MPa、引張伸度が350%、引裂強度が140N/mm、衝撃強度が140N・cm、突き刺し強度が5.0N、酸素透過度が40cc/m
2・atm・day、透湿度が8g/m
2・dayとなっている。
【0059】
また、この実施形態においては、気密体2の長さは約56cmに、気密体2の幅は約28cmに、気密体2の溶着部の幅は5mmに、気密体2の各ホース取り付け筒部2aの長さは約5cm〜10cmにそれぞれ設定されている。
【0060】
尚、上記の実施形態においては、気密体2を3層フィルムにより形成したが、他の実施形態においては、気密体2を熱可塑性ポリウレタンフィルムやポリ乳酸フィルム、PET・PEN・PBTフィルム等のポリエステルフィルム、EVOH・PVA・バリアNy等のバリア性樹脂フィルム等の単層フィルムにより形成しても良く、或いは、気密体2を4層フィルム(例えば、ダイアミロンM-G708(商品名))、5層フィルム(例えば、フィルミックスHB(商品名)やファイブバリアー(商品名))等で形成しても良い。
【0061】
また、上記の実施形態においては、気密体2の外周縁部両面の一部分に補強片10を貼り付けるようにしたが、他の実施形態においては、気密体2の外周縁部両面の全てに補強片10を貼り付けるようにしても良い。
【0062】
更に、上記実施形態においては、気密体2にダクトテープ製の補強片10を貼り付けるようにしたが、他の実施形態においては、気密体2にアルミテープ製又は布粘着テープ製若しくはガムテープ製の補強片10を貼り付けるようにしても良く、或いは、気密体2に布製の補強片10や合成樹脂シート製の補強片10を両面粘着テープ又は接着剤により貼り付けるようにしても良い。
【0063】
前記エアー供給ホース4は、特殊ポリウレタン樹脂製の耐圧ホースにより形成されており、その基端部が気密体2の一方のホース取り付け筒部2a内に挿入され、ホース取り付け筒部2aの外周面の一部又は全部を締め付け手段で締め付けることにより抜け止めされていると共に、その先端部には、エアー供給源(図示省略)に接続される逆止弁付き接続具3が設けられている。
【0064】
この実施形態においては、前記締め付け手段として、糸11(ポリエステル糸)が用いられている。即ち、エアー供給ホース4の基端部は、
図3(b)に示す如く、気密体2の外方から一方のホース取り付け筒部2a内に挿入され、気密体の内方に位置するホース取り付け筒部2aの外周面の一部(又は全部)に糸11(ポリエステル糸)を緊密に巻き付けて接着剤を塗布することにより抜け止めされている。
【0065】
また、エアー供給ホース4の基端部外周面と気密体2のホース取り付け筒部2a内周面との間には、接着剤層(図示省略)が介在されており、エアー供給ホース4の基端部がホース取り付け筒部2aから抜けないようにしていると共に、エアー供給ホース4の基端部外周面と気密体2のホース取り付け筒部2a内周面との間の気密性が保たれるようにしている。
【0066】
更に、エアー供給ホース4は、気密体2のホース取り付け筒部2aへの挿入長さが数cm以上、好ましくは3cm以上となるようにホース取り付け筒部2aに挿入されており、エアー供給ホース4が気密体2から容易に抜けない程度に設定されている。
【0067】
この実施形態においては、エアー供給ホース4のホース取り付け筒部2aへの挿入長さは、ホース取り付け筒部2aの長さとほぼ同じ長さに設定されている。
【0068】
前記エアー供給ホース4の先端部に設けた逆止弁付き接続具3は、ソケットタイプで且つワンタッチジョイント式の逆止弁付きカプラーから成り、エアー供給源である自転車の空気入れ又はコンプレッサー若しくは足踏み式ポンプに媒介ホース(何れも図示省略)を介してワンタッチで接続できる構成となっている。
【0069】
尚、上記の実施形態においては、逆止弁付き接続具3をソケットタイプで且つワンタッチジョイント式の逆止弁付きカプラーとしたが、他の実施形態においては、逆止弁付き接続具3をプラグタイプで且つワンタッチジョイント式の逆止弁付きカプラーとしても良い。
【0070】
前記弁取り付けホース6は、特殊ポリウレタン樹脂製の耐圧ホースにより形成されており、その基端部が気密体2の他方のホース取り付け筒部2a内に挿入され、ホース取り付け筒部2aの外周面の一部又は全部を締め付け手段で締め付けることにより抜け止めされていると共に、その先端部には、安全弁5がホースニップル12を介して金属リング13(アルミリング)によるかしめ加工により取り付けられている。
【0071】
この実施形態においては、前記締め付け手段として、糸11(ポリエステル糸)が用いられている。即ち、弁取り付けホース6の基端部は、
図3(b)に示す如く、気密体2の外方から他方のホース取り付け筒部2a内に挿入され、気密体2の内方に位置するホース取り付け筒部2aの外周面の一部(又は全部)に糸11(ポリエステル糸)を緊密に巻き付けて接着剤を塗布することにより抜け止めされている。
【0072】
また、弁取り付けホース6の基端部外周面と気密体2のホース取り付け筒部2a内周面との間には、接着剤層(図示省略)が介在されており、弁取り付けホース6の基端部がホース取り付け筒部2aから抜けないようにしていると共に、弁取り付けホース6の基端部外周面と気密体2のホース取り付け筒部2a内周面との間の気密性が保たれるようにしている。
【0073】
更に、弁取り付けホース6は、気密体2のホース取り付け筒部2aへの挿入長さが数cm以上、好ましくは3cm以上となるようにホース取り付け筒部2aに挿入されており、弁取り付けホース6が気密体2から容易に抜けない程度に設定されている。
【0074】
この実施形態においては、弁取り付けホース6のホース取り付け筒部2aへの挿入長さは、ホース取り付け筒部2aの長さとほぼ同じ長さに設定されている。
【0075】
前記弁取り付けホース6の先端部に設けた安全弁5は、エアーの過剰供給よって気密体2内の圧力が最大使用圧(0.7MPa)より0.1MPa高くなったときに気密体2内のエアーを自動的に逃がして気密体2内の圧力を所定圧に戻し、気密体2の破裂を防止するようになっている。この安全弁5の設定圧は、0.8MPaとなっている。
【0076】
尚、上記の実施形態においては、締め付け手段として、糸11を用い、気密体2の各ホース取り付け筒部2aの外周面に糸11を緊密に巻き付けてエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6を各ホース取り付け筒部2aから抜け止めするようにしているが、他の実施形態においては、締め付け手段として、金属リング(図示省略)や熱収縮チューブ(図示省略)を用いても良い。即ち、エアー供給ホース4及び弁取り付けホース6をそれぞれ挿入した各ホース取り付け筒部2aを金属リング(図示省略)によりかしめ加工してエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6を各ホース取り付け筒部2aから抜け止めするようにしても良く、或いは、エアー供給ホース4及び弁取り付けホース6をそれぞれ挿入した各ホース取り付け筒部2aを熱収縮チューブ(図示省略)により締め付け固定してエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6を各ホース取り付け筒部2aから抜け止めするようにしても良い。
【0077】
前記カバー体7は、
図2及び
図6に示す如く、摩擦抵抗の少ない合成樹脂チューブ(ポリエチレンチューブ)により一端又は両端が開放された長方形の袋状に形成されており、開放された辺(短辺)に隣接する辺(長辺)には、エアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の先端部をそれぞれ外部へ引き出せる引き出し穴7aが形成されている。このカバー体7は、気密体2を完全に収容できる大きさに形成されている。
ここで、摩擦抵抗の少ない合成樹脂とは、静止摩擦係数が0.1〜0.3、動摩擦係数が0.04〜0.3の合成樹脂を言う。
【0078】
尚、上記の実施形態においては、カバー体7をポリエチレンチューブにより形成したが、他の実施形態においては、カバー体7をポリエチレンシートにより袋状に形成しても良く、或いは、カバー体7をフッ素樹脂等の摩擦抵抗の少ない合成樹脂チューブ又は合成樹脂シートにより形成しても良い。例えば、カバー体7をテフロンシートにより形成しても良い。
【0079】
前記内装体8は、
図2及び
図7に示す如く、強度性及び摩耗性に優れて伸びが少ないアラミド繊維の帯状の織布から成り、帯状の織布の両端部を重ね合わせ、その重なり部分を縫着8aすることにより環状で且つ平面形状が長方形状に形成されている。
【0080】
また、内装体8には、気密体2及びカバー体7が収容されており、内装体8の両端の折り畳み部分内面で気密体2の両端部を保持するようにしている。
【0081】
更に、内装体8の長手方向の両端部両側辺は、収納した気密体2及びカバー体7が内装体8の側辺から外方へ飛び出さないように適宜の長さだけ逢着8bされている。
【0082】
尚、上記の実施形態においては、内装体8をアラミド繊維製の織布から形成するようにしたが、他の実施形態においては、内装体8をポリエステル繊維製の織布やポリプロピレン繊維製の織布、ポリエチレン繊維の織布、ポリスチレン繊維の織布、ビニロン繊維の織布、LCP繊維(ゼクシオン)の織布、ポリアリレート繊維(ベクトラン)の織布、PBO繊維(ザイロン)の織布、超高分子量ポリエチレン繊維(ダイニーマ)の織布等により形成するようにしても良い。
【0083】
また、上記の実施形態においては、帯状の織布を縫着8aして内装体8を形成したが、他の実施形態においては、帯状の織布を接着剤により接着して内装体8を形成するようにしても良い。
【0084】
前記外装体9は、
図1、
図2及び
図8に示す如く、合成繊維製のたて糸と合成繊維製のよこ糸とを筒状に織成したジャケットの内周面に熱可塑性ポリウレタンエラストマー製のライニング層を形成して成る消防用ホースと同じ構造のホースにより形成されており、ライニング層が外側を向くようにホースを裏返して使用している。このホースには、構造、合成樹脂の性質、密着強さ、機能、耐摩耗性等において消防用ホースの型式試験(日本消防検定協会の行う型式試験)に適合するものが使用されている。
尚、合成繊維製のたて糸及びよこ糸には、ポリエステルフィラメント糸やアラミドフィラメント糸等が使用されている。
【0085】
また、外装体9は、エアー供給ホース4の先端部と逆止弁付き接続具3と安全弁5とが外装体9の一端開口から外方へ突出する状態で気密体2、カバー体7及び内装体8を収容し、両端部開口を複数の金具14(鳩目金具)と超音波溶着9aにより閉じることによって偏平な袋状に形成されており、その大きさは、気密体2、カバー体7及び内装体8を収容できる大きさに設定されている。この外装体9は、その外面側に熱可塑性ポリウレタンエラストマー製のライニング層が形成されているため、耐摩耗性に極めて優れていると共に、機械的強度が高く、また、幅広い使用温度で弾性があり、更に、衝撃強度が強くて低温屈曲に強く、耐油性や耐薬品性、耐菌性等が良好であると云う利点がある。
【0086】
更に、外装体9の一方の表面には、薄型エアージャッキ1の中心位置を表す環状の中心マーク15と、薄型エアージャッキ1の注意事項等を記載したコーションマーク16とがそれぞれ設けられている。
【0087】
尚、上記の実施形態においては、ライニング層を熱可塑性ポリウレタンエラストマーにより形成したが、他の実施形態においては、ライニング層を他の合成樹脂、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)により形成しても良い。
【0088】
また、上記の実施形態においては、外装体9に消防用ホースと同じ構造のホースを裏返したものを使用するようにしたが、他の実施形態においては、外装体9に強度のある円筒状織物に塗装を施したものを使用するようにしても良い。例えば、強度のある円筒状織物としては、ポリエステル帆布製の円筒状織物が使用され、また、塗装には、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等が使用されている。
【0089】
更に、上記の実施形態においては、外装体9の両端部を金具14と超音波溶着
9aにより閉じるようにしたが、他の実施形態においては、外装体9の両端部を金具14と
縫着により閉じるようにしても良く、或いは、外装体9の両端部を溶着9a又は
縫着のみで閉じるようにしても良い。
【0090】
次に、薄型エアージャッキ1の製造方法について説明する。
【0091】
先ず、一方の短辺が開放された気密体2の各ホース取り付け筒部2aにエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の基端部をそれぞれ挿入し、気密体2の内方に位置する各ホース取り付け筒部2aの外周面の一部に糸11を緊密に巻き付けて接着剤を塗布する(
図3(a)及び
図3(b)参照)。このとき、エアー供給ホース4及び弁取りホースの基端部外周面と各ホース取り付け筒部2a内周面との間に接着剤層を介在させる。これにより、エアー供給ホース4及び弁取り付けホース6は、気密体2のホース取り付け筒部2aに気密状に取り付けられる。
【0092】
気密体2の各ホース取り付け筒部2aにエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の基端部をそれぞれ取り付けたら、気密体2の開口している一方の短辺を溶着2bして気密体2を密封する(
図3(c)参照)。
【0093】
気密体2を密封構造としたら、気密体2の短辺側の両端部を内部に折り込むと共に、気密体2の短辺側の両端部外面と、エアー供給ホース4及び弁取り付けホース6に対向する部分で且つ気密体2の長辺側の両端部外面とにダクトテープ製の補強片10を貼り付ける(
図3(d)及び
図4参照)。
【0094】
気密体2に補強片10を貼り付けたら、気密体2をカバー体7内に収容し、カバー体7の各引き出し穴7aからエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の先端部をそれぞれカバー体7の外方に引き出す(
図6参照)。
【0095】
気密体2をカバー体7内に収容したら、気密体2及びカバー体7を内装体8内に収容し、エアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の先端部をそれぞれ内装体8の外方に引き出す(
図7参照)。
【0096】
最後に、気密体2及びカバー体7を収容した内装体8を筒状の外装体9内に収容し、エアー供給ホース4の先端部分と逆止弁付き接続具3と弁取り付けホース6の先端部に設けた安全弁5とを外装体9の一端部開口から外方へ突出させ、外装体9の両端部を複数の金具14(鳩目金具)と溶着9aにより閉じると共に、エアー供給ホース4の一部分と外装体9の一部分とを金属リング13によるかしめ加工により固定する(
図8参照)。
【0097】
このようにして製造された薄型エアージャッキ1は、長さ約60cm、幅約24cm、厚さ約6mm(エアー供給ホース4、弁取り付けホース6、逆止弁付き接続具3及び安全弁5を除く)の大きさに形成されており、最大9,400kg程度までの重量物を持ち上げることができるようになっている。
また、この薄型エアージャッキ1の耐圧は2.1MPa、使用温度範囲は−20℃〜80℃、質量は1m当たり1170gとなっている。
【0098】
尚、薄型エアージャッキ1の製造方法は、上記の実施形態に限定解釈されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0099】
而して、前記薄型エアージャッキ1を用いて重量物、例えば、フォークリフトを持ち上げる場合について説明する。
【0100】
先ず、二枚の板材を一定の間隔を空けて地面に置き、その上に金属板を載せると共に、金属板の上にフォークリフトを載せる。次に、地面と金属板との隙間に薄型エアージャッキ1を挿入し、エアー供給ホース4を前記隙間から外方へ引き出す。その後、エアー供給ホース4の先端部に設けた逆止弁付き接続具3を媒介ホースを介して空気供給源(自転車の空気入れ又はコンプレッサー若しくは足踏み式ポンプ)に接続し、空気供給源を操作して気密体2に圧搾空気を注入して行く。そうすると、気密体2が膨張すると共に、これに伴って外装体9も膨張し、フォークリフトを持ち上げることができる。
【0101】
上述した薄型エアージャッキ1は、次のような優れた効果を奏することができる。
(1)薄型エアージャッキ1は、フィルムにより形成した袋状の気密体2を摩擦抵抗の少ない合成樹脂材により形成した袋状のカバー体7で覆っているため、カバー体7によって気密体2と内装体8との摩擦抵抗が大幅に低減されることになり、その結果、薄型エアージャッキ1に荷重がかかった状態で気密体2が膨らむときに気密体2が均等に膨らみ、気密体2に部分的に負荷がかかると云うことがなく、気密体2の破裂を防止することができて安全性に優れている。
(2)薄型エアージャッキ1は、気密体2に安全弁5を設けた弁取り付けホース6を取り付けているため、気密体2を膨らませるときに気密体2内にエアーを入れ過ぎても、安全弁5から過剰なエアーが排出されるので、気密体2が破裂すると云うことが無く、より安全性に優れている。
(3)薄型エアージャッキ1は、気密体2の気密性が優れていると共に、外装体9の耐久性及び耐破裂性等が優れているため、使用中にエアーが抜けたり、或いは、使用中に外装体9が破裂したりすると云うことがなく、安全性に極めて優れている。
(4)薄型エアージャッキ1は、フィルム製の気密体2、合成樹脂チューブ製のカバー体7、合成繊維製の内装体8、消防用ホースと同じ構造の外装体9等から構成されているため、偏平状にしたときにその厚みが極めて薄くなり、極めて狭い隙間でも差し込むことができる。
(5)薄型エアージャッキ1は、エアー供給ホース4の先端部に逆止弁付きカプラーを設けているため、媒介ホースを変えることで、手動式の自転車の空気入れ又はコンプレッサー若しくは足踏み式ポンプでもエアーを供給することができ、取扱性及び操作性に優れている。
(6)薄型エアージャッキ1は、気密体2の両端部をそれぞれ内方へ折り込んでいるため、気密体2が膨張しても両端部が無理に引き伸ばされることが無く、密封体の両端が破れるのを防止することができる。
(7)薄型エアージャッキ1は、気密体2に形成した二つの筒状のホース取り付け筒部2aにエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の基端部をそれぞれ挿入し、各ホース取り付け筒部2aの外周面に糸11を緊密に巻き付けているため、気密体2にエアー供給ホース4を挿入するための穴を開ける場合に比較して気密体2の強度を保つことができると共に、エアー供給ホース4及び弁取り付けホース6が気密体2から抜け難くなるうえ、ホース保持筒部とエアー供給ホース4との間の気密性が高められてエアーが抜け難くなる。(8)薄型エアージャッキ1は、
図9に示す如く、気密体2が膨らんだときにエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の一部分が気密体2の内圧により外装体9の内周面側へ強く押え付けられるため、エアー供給ホース4が気密体2から抜け難くなり、エアー供給ホース4の抜け止めに必要以上の強度を必要としない。
(9)薄型エアージャッキ1は、エアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の気密体2の各ホース取り付け筒部2aへの挿入長さをそれぞれ数cm以上とし、且つエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6の基端部外周面と気密体2のホース取り付け筒部2a内周面との間に接着剤層を介在させているため、エアー供給ホース4及び弁取り付けホース6が気密体2からより一層抜け難くなると共に、ホース取り付け筒部2aとエアー供給ホース4及び弁取り付けホース6との気密性がより高められてエアーがより抜け難くなる。
(10)薄型エアージャッキ1は、気密体2の外周縁部にテープ製の補強片10を貼り付けているため、気密体2の外周縁部が補強され、気密体2にエアーを注入しても、気密体2の外周縁部が破れ難くなる。
(11)薄型エアージャッキ1は、気密体2が膨らんだときに気密体2の両端部がアラミド繊維の織布から成る内装体8により保持されるので、気密体2の両端部が破れ難くなる。
(12)薄型エアージャッキ1は、外装体9に消防用ホースと同じ構造のホースを裏返したものを使用しているため、外装体9の耐摩耗性及び耐候性等が向上すると共に、外装体97の強度向上を図ることができる。
(13)薄型エアージャッキ1は、エアー供給ホース4の一部分と外装体9の一部分とを金属リング13によるかしめ加工により固定しているため、エアー供給ホース4がより抜け難くなる。
(14)薄型エアージャッキ1は、気密体2の各ホース取り付け筒部2aが気密体2の内方に位置しているため、気密体2の膨張時に各ホース取り付け筒部2aが外力を受けることが無く、気密体2の各ホース取り付け筒部2aが破れるのを防止することができる。
【0102】
尚、上記の実施形態においては、薄型エアージャッキ1を長さが約60cmmで幅が約24cmの長方形状に形成したが、他の実施形態においては、薄型エアージャッキ1を正方形状に形成しても良く、或いは、長尺状に形成するようにしても良い。
【0103】
図10及び
図11は本発明の他の実施形態に係る薄型エアージャッキ1を示し、当該薄型エアージャッキ1は、普通自動車や特殊自動車等の自動車の修理・点検等を行う際に自動車を持ち上げたり、或いは、地震や台風等により倒壊した建物等の所要箇所を持ち上げて下敷きになっている人を救助したりするのに用いるものである。
【0104】
即ち、前記薄型エアージャッキ1は、フィルムにより密封構造の矩形の袋状に形成された気密体2と、基端部が気密体2に気密状に挿着されていると共に、先端部に分岐継手17を設けたエアー供給ホース4と、前記分岐継手17にそれぞれ接続されたエアー供給源に接続される逆止弁付き接続具3及び安全弁5と、摩擦抵抗の少ない合成樹脂材により矩形の袋状に形成され、前記気密体2をエアー供給ホース4の先端部が外方へ突出する状態で収容するカバー体7と、合成繊維製の織布により矩形の袋状に形成され、前記気密体2及びカバー体7をエアー供給ホース4の先端部が外方へ突出する状態で収容する内装体8と、消防用ホースと同じ構造のホースを裏返して形成した筒状の外装体9又は円筒状織物に塗装を施した筒状の外装体9とを備え、前記外装体9は、前記気密体2、カバー体7及び内装体8を少なくとも逆止弁付き接続具3及び安全弁5の先端部分が外装体9の一端部から外方へ突出する状態で収容すると共に、両端部が閉じられた状態で偏平な袋状に形成されている。
【0105】
前記薄型エアージャッキ1は、基端部が気密体2に気密状に取り付けられた一本のエアー供給ホース4の先端部に二股状の分岐継手17を取り付け、この二股の分岐継手17に接続されたそれぞれ別々の接続用ホース4a,4bの先端部に逆止弁付き接続具3と安全弁5とを取り付けたものであり、弁取り付けホース6を省略したものである。
また、エアー供給ホース4の先端部、分岐継手17、接続用ホース4a,4b及び安全弁5は、外装体9から外へ出た状態となっており、何らかの原因により破損した場合に取り替え修理を簡単且つ容易に行えるようにしている。このとき、分岐継手17の位置は、外装体9の一端から1cm以上の位置とする。
【0106】
尚、上記の実施形態においては、二本の接続用ホース4a,4bの長さを変えたが、他の実施形態においては、二本の接続用ホース4a,4bの長さを同じにしても良い。
【0107】
また、上記の実施形態においては、分岐継手17を外装体9の外に出すようにしたが、他の実施形態においては、分岐継手17を外装体9内に収容するようにしても良い。
【0108】
この薄型エアージャッキ1のその他の構成は、
図1及び
図2に示す薄型エアージャッキ1と同様構造に構成されており、
図1及び
図2に示す薄型エアージャッキ1と同じ部材・部位には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0109】
図10及び
図11に示す薄型エアージャッキ1は、
図1及び
図2に示す薄型エアージャッキ1と同様の作用効果を奏することができる。しかも、
図10及び
図11に示す薄型エアージャッキ1は、弁取り付けホース6を省略しているため、
図1及び
図2に示す薄型エアージャッキ1に比較して組み立て作業の簡略化及び組み立て時間の短縮を図れる。また、
図10及び
図11に示す薄型エアージャッキ1は、逆止弁付き接続具3、安全弁5、エアー供給ホース4、分岐継手17が外装体9の一方の長辺に片寄った状態で配設されているため、外装体9の他方の長辺部分は、気密体2、カバー体7、内装体8及び外装体9だけの厚みとなるので極めて狭い隙間にも差し込むことができる。
【0110】
尚、
図1に示す薄型エアージャッキ1は、安全弁5の先端部分のみを外装体9の外に出すようにしたが、弁取り付けホース6の先端部を外装体9の外に出し、安全弁5全体を外装体9の外に出すようにしても良い。
【0111】
また、
図1及び
図10に示す薄型エアージャッキ1は、何れもエアー供給ホース4の先端部を外装体9の一端から外方へ数cm突出させるようにしたが、エアー供給ホース4に数mの長さのものを使用し、逆止弁付き接続具3の位置を外装体9の一端から大きく突出させるようにしても良い。このようにすれば、薄型エアージャッキ1を水中で使用することができ、地上に位置する逆止弁付き接続具3から薄型エアージャッキ1にエアーを供給すれば、例えば、水中に沈んだ自動車等の重量物を動かしたり、浮かせたりすることが可能となる。この場合、エアー供給ホース4の長さは、最大長さで5m位とする。また、
図1に示す薄型エアージャッキ1を水中で使用する場合、弁取り付けホース6をエアー供給ホース4と同じ程度の長さとし、安全弁5が地上に位置するようにする。尚、薄型エアージャッキ1を水中で使用する場合にエアー供給ホース4の長さが足りないときには継ぎ手(図示省略)を用いて別のエアー供給ホース4を継足せば良い。
本発明の薄型エアージャッキは、フィルムにより密封構造の袋状に形成された気密体(2)と、それぞれ基端部が気密体(2)に気密状に挿着されていると共に、先端部にエアー供給源に接続される逆止弁付き接続具(3)を設けたエアー供給ホース(4)と、先端部に安全弁(5)を設けた弁取り付けホース(6)と、合成樹脂材により袋状に形成され、前記気密体(2)を前記両ホース(4、6)の先端部がそれぞれ外方へ突出する状態で収容するカバー体(7)と、合成繊維製の織布により袋状に形成され、前記気密体等(2、7)を前記両ホース(4、6)の各先端部を外方へ突出させて収容する内装体(8)と、消防用ホースと同じ構造のホースを裏返して形成した筒状の外装体(9)又は円筒状織物に塗装を施した筒状の外装体(9)とを備え、前記外装体(9)は、前記気密体等(2、7、8)を少なくとも逆止弁付き接続具(3)及び安全弁(5)の先端部分が外装体(9)の一端部から外方へ突出する状態で収容し、両端部が閉じられた状態で偏平な袋状に形成されている。