(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定局は、隣接する前記固定局間で無線通信可能な距離に1台のみ配置されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の無線通信ネットワークシステム。
前記制御局は、前記固定局に故障が発生していない場合には、有線で接続された1台の前記固定局を経由して前記移動体と通信する一方、前記固定局に故障が発生している場合には、有線で接続された1台の前記固定局又は有線で接続された他の前記固定局を経由して前記移動体と通信することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の無線通信ネットワークシステム。
前記制御局は、前記固定局に対して応答指令を発信し、該固定局から応答がない場合に、前記応答指令の発信先である前記固定局が故障していると判定することを特徴とする請求項5に記載の無線通信ネットワークシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
最初に、無線通信ネットワークシステムの概要について説明する。
無線通信ネットワークシステムは、移動体の移動経路を複数に分割した制御ゾーンごとに、所定間隔を隔てつつ複数配置されて隣接するもの同士で順次無線通信する伝播型の固定局と、固定局の少なくとも1台と有線で接続されて他の固定局を介して移動体と通信する制御局と、を有している。そして、無線通信ネットワークシステムにおいては、隣接する制御ゾーンの制御局同士が有線で接続されている。また、無線通信ネットワークシステムにおいては、固定局が故障する可能性に鑑み、制御局と移動体とは、制御局と有線で接続された1台の固定局を経由して通信すると共に、制御局と有線で接続された他の固定局を経由して通信する、冗長構成が採用されている。ここで、制御局は、制御ゾーンの境界に夫々配置された2台の固定局と、制御ゾーンの中間に配置された2台の固定局と、の少なくとも一方と有線で接続される。なお、「制御ゾーンの中間」とは、制御ゾーンの境界を除く部分のことをいう。
次に、無線通信ネットワークシステムの具体的な実施形態について説明する。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、無線通信ネットワークシステムの第1実施形態の一例を示す。
【0011】
移動体としての列車10の移動経路20(鉄道路線)を複数に分割した各制御ゾーン30では、1台の制御局SC(Station Computer)としての拠点制御装置40によって、無線通信ネットワークの制御と列車10の管理などが行われる。列車10の進行方向及びその反対方向に位置する端部には、車上無線機50(50A及び50B)が夫々搭載されている。列車10の車上無線機50A及び50Bは、夫々、故障などに備えて二重化されており、列車10の前後に夫々搭載された車上装置(図示せず)と有線で接続されている。また、列車10の移動経路20には、複数の沿線無線機60(固定局)が所定間隔ΔLを隔てつつ配置されている。沿線無線機60を配置する所定間隔ΔLは、沿線無線機60の必要台数を削減するために、例えば、隣接する沿線無線機60の間で無線通信可能な距離に1台のみ配置されるような間隔とすることができるが、これに限定されるわけではない。各沿線無線機60は、所定の通信スケジュールに従って、自分に割り当てられた通信タイミングで隣接する沿線無線機60同士で順次送信する、TDMAを利用した伝播型の無線通信方式を採用している。
【0012】
ここで、通信スケジュールの一例について、
図2を参照して説明する。
通信スケジュールは、4つのフレームを1周期とした制御周期を有し、車上無線機50及び沿線無線機60の通信タイミングなどを規定したものである。1フレームは、所定時間(例えば、500[ms])を有し、これを均等に10分割した10個のタイムウインドウからなる。タイムウインドウは、26個のタイムスロットからなり、各タイムスロットにはタイムスロット番号TS0〜25が夫々付されている。タイムウインドウは、1つの測距タイムスロットと、2つの車上タイムスロットと、3つの周期タイムスロットと、4つの車上中継タイムスロットと、12のデータ伝送タイムスロットと、を含んでいる。
【0013】
測距タイムスロットは、タイムスロットTS0〜4を一体的に使用し、測距を行うタイミングを規定する。車上タイムスロットは、タイムスロットTS5〜6を個別に使用し、車上無線機50が送信を行うタイミングを規定する。同期タイムスロットは、タイムスロットTS7〜9を個別に使用し、同期捕捉・維持を行うタイミングを規定する。車上中継タイムスロットは、タイムスロットTS10〜13を個別に使用し、車上無線機50が中継を行うタイミングを規定する。データ伝送タイムスロットは、タイムスロットTS14〜25を個別に使用し、沿線無線機60がデータ伝送を行うタイミングを規定する。なお、各タイムスロットにおいては、TDMAを実現するために、時間的に重複しないタイミングが規定されている。
【0014】
そして、車上無線機50及び沿線無線機60は、タイムスロットにより規定されたタイミングでのみ他の無線機への送信が許可され、それ以外の時間では、他の無線機のデータを受信できるように制御されている。このとき、車上無線機50及び沿線無線機60では、その計時機能である時計の同期がとられているので、このようなことが可能となる。
【0015】
また、隣接する制御ゾーン30の拠点制御装置40同士は、情報伝達効率が良好な接続をすべく、例えば、同軸ケーブル又は光ファイバケーブルなどの有線ケーブル70で接続されている。このため、隣接する制御ゾーン30の間で、例えば、列車10の管理を引き継ぐために、列車10の運行情報などが有線ケーブル70で伝達されるので、沿線無線機60の情報伝達負荷を軽減することができる。そして、タイムウインドウに余裕ができ、例えば、1台の拠点制御装置40が管理可能な列車10の台数を増やすことができる。
【0016】
さらに、拠点制御装置40は、有線ケーブル80を介して、制御ゾーン30の中間に位置する沿線無線機60と接続されていると共に、有線ケーブル70の途中から分岐する有線ケーブル90を介して、制御ゾーン30の両端の境界CZIに夫々配置された2台の沿線無線機60と接続されている。有線ケーブル80により拠点制御装置40に接続されている沿線無線機60は、例えば、駅のプラットホームに設置されるので、その配設方向に位置する沿線無線機60との通信を可能とするため、プラットホームの両端部に夫々設置されている。
【0017】
ここで、有線ケーブル70,80及び90により拠点制御装置40に接続されている沿線無線機60を、他の沿線無線機60から区別するため、「拠点無線機60」と呼ぶこととする。また、拠点無線機60及び沿線無線機60を区別する必要がない場合には、これを「無線機60」と呼ぶこととする。
【0018】
次に、かかる構成からなる無線通信ネットワークシステムの作用について説明する。
ここでは、説明の都合上、各制御ゾーン30には、
図3に示すように、左方から右方に向かう方向に、拠点無線機60A,沿線無線機60B〜60E,2台の拠点無線機60F及び60G,沿線無線機60H〜60K並びに拠点無線機60Lがこの順番で12台設置されているものとする。また、無線機60A〜60Lによる情報伝達には、拠点制御装置40から各無線機60A〜60Lに対して送信されるメッセージとしての「コマンド」、各無線機60A〜60Lから拠点制御装置40に対して送信(返信)されるメッセージとしての「レポート」が含まれるものとする。
【0019】
拠点制御装置40は、有線ケーブル80で接続された拠点無線機60F及び60Gから制御ゾーン30の境界CZIに位置する拠点無線機60A及び60Lまでコマンドを送信すると共に、各無線機60A〜60Lから送信されたレポートを受信する。拠点制御装置40がコマンドを送信する場合には、拠点制御装置40は、拠点無線機60F及び60Gに有線でコマンドを送信する。拠点無線機40から送信されたコマンドを受信した拠点無線機60F及び60Gは、タイムスロットにより規定されたタイミング(以下、「所定タイミング」という。)で、コマンドを隣接する沿線無線機60E及び60Hに無線で夫々送信する。コマンドを受信した沿線無線機60E及び60Hは、所定タイミングで、コマンドを隣接する沿線無線機60D及び60Iに無線で夫々送信する。そして、このようなことを順次繰り返し、コマンドは、矢印Aで示すように、制御ゾーン30の境界CZIに位置する拠点無線機60A及び60Lまで夫々伝達される。
【0020】
また、各無線機60A〜60Lは、例えば、コマンドによりレポートを返送することが指示されている場合、コマンドを受信した後、所定タイミングで、制御ゾーン30の中間に位置する拠点無線機60F及び60G側で隣接する無線機60B〜60Kにレポートを送信する。そして、レポートが拠点無線機60F及び60Gまで伝達されると、このレポートは、所定タイミングで、有線ケーブル80を介して拠点制御装置40に送信される。従って、各無線機60A〜60Lからのレポートは、矢印Bで示すように、拠点制御装置40まで伝達される。
【0021】
このとき、例えば、列車10が沿線無線機60J及び60Kの間を走行していると、沿線無線機60Jから無線で送信されたコマンドは、隣接する沿線無線機60Kに加えて、列車10の後部に搭載された車上無線機50Bにも伝達される。また、沿線無線機60Kから無線で送信されたコマンドは、隣接する拠点無線機60Lに加えて、列車10の前部に搭載された車上無線機50Aにも伝達される。列車10の車上無線機50A及び50Bに伝達されたコマンドは、車上装置に夫々送信され、所定規則に則って選択されたコマンドのみが処理される。
【0022】
列車10の車上装置で処理されたコマンドの処理結果などを含むレポートは、所定タイミングで、車上無線機50A及び50Bの無線通信可能範囲に位置する、沿線無線機60K及び60Jに無線で夫々送信される。車上無線機50Aからのレポートを受信した沿線無線機60Kは、所定タイミングで、レポートを隣接する沿線無線機60Jに無線で送信する。このレポートを受信した沿線無線機60Jは、所定タイミングで、レポートを隣接する沿線無線機60Iに無線で送信する。そして、このレポートは、制御ゾーン30の中間に位置する拠点無線機60Gまで順次伝達された後、所定タイミングで、有線ケーブル80を介して拠点制御装置40に送信される。一方、列車10の車上無線機50Bからのレポートを受信した沿線無線機60Jは、所定タイミングで、レポートを隣接する沿線無線機60Iへと送信し、同様な処理により、レポートが拠点制御装置40まで伝達される。
【0023】
ここで、制御ゾーン30に配置された無線機60A〜60Lのうち、
図4に示すように、沿線無線機60Kに故障が発生した場合について考察する。
無線機60A〜60Lの故障発生は、次のようにして検知することができる。即ち、無線機60A〜60Lは、コマンドによりレポート生成が要求されている場合、コンタクトレポート,無線機状態レポート及び無線機間リンク状態レポートをまとめたレポートを生成する。拠点制御装置40は、制御ゾーン30に配置された各無線機60A〜60Lに対して、レポート生成を要求するコマンドを所定回数(例えば、12回)送信(発信)する。そして、拠点制御装置40は、レポート生成を要求するコマンドを送信した無線機60A〜60Lから1回でもレポートが戻ってこない場合、即ち、応答がない場合に、その無線機が故障したと診断する。なお、拠点制御装置40は、無線機が故障したと診断した後、その無線機からレポートが戻ってきたら、その無線機の故障が復帰したと診断する。
【0024】
拠点制御装置40は、例えば、列車10を管理するためのコマンドを、有線ケーブル80を介して拠点無線機60F及び60Gに送信する。この場合、拠点無線機60Gの右方における情報伝達路は、沿線無線機60Kが故障していることから、沿線無線機60Jで切断されてしまい、沿線無線機60K及び拠点無線機60Lへの情報伝達ができなくなってしまう。そこで、拠点無線機40は、沿線無線機60Kの故障を検知すると、拠点無線機60F及び60Gに加えて、破線の矢印Cで示すように、有線ケーブル70及び90により接続された拠点無線機60Lにコマンドを送信し、ここからコマンドを無線通信できるようにする。なお、破線の矢印Dは、拠点無線機60Lから拠点制御装置40にレポートを返信する情報伝達経路を示す。
【0025】
このようにすれば、例えば、沿線無線機60Kの近傍を走行している列車10は、拠点無線機60Lから送信されたコマンドを車上無線機50Aで受信できると共に、沿線無線機60Jから送信されたコマンドを車上無線機50Bで受信できるようになる。このため、制御ゾーン30の中間に配置された拠点無線機60Fの左方又は拠点無線機60Gの右方において、沿線無線機60B〜60E及び60H〜60Kのいずれか1つが故障しても、列車10は2つの情報伝達経路からコマンドを受信することが可能となり、情報伝達経路を二重化した冗長構成を維持しつつ、情報伝達負荷を軽減することができる。
【0026】
要するに、拠点制御装置40は、沿線無線機60B〜60E及び60H〜60Kのいずれかに故障が発生していない場合には、有線で接続された拠点無線機60F及び60Gを経由して列車10と通信する一方、沿線無線機60B〜60E及び60H〜60Kのいずれかに故障が発生している場合には、有線で接続された拠点無線機60F若しくは60G又は60A若しくは60Lを経由して列車10と通信する。
【0027】
また、制御ゾーン30に配置された無線機60A〜60Lは、隣接する2つ先の無線機まで情報を伝達する必要がないため、その設置間隔を広げることが可能となり、設置台数の削減によりコスト低減,工期短縮などを図ることもできる。
なお、制御ゾーン30に配置される無線機は、図示する台数に限らず、それ以外の台数であってもよい(以下同様)。
【0028】
[第2実施形態]
図5は、無線通信ネットワークシステムの第2実施形態の一例を示す。
【0029】
制御ゾーン30に配置された拠点無線機60A,60F,60G及び60Lは、有線ケーブル70,80及び90により拠点制御装置40に接続されているが、故障などにより他の沿線無線機60B,60E,60H及び60Kに通信できなくなるおそれがある。このため、第2実施形態に係る無線通信ネットワークシステムでは、先の第1実施形態を基本として、拠点無線機60A,60F,60G及び60Lを二重化した構成が採用されている。
【0030】
このようにすれば、拠点無線機60A,60F,60G又は60Lにおいて、二重化された無線機の一方が故障しても、他の無線機への通信が不可能となることがなく、無線通信ネットワークシステムの堅牢性を確保することができる。
【0031】
なお、無線通信ネットワークシステムの他の構成、作用・効果、並びに、沿線無線機60B〜60E若しくは60H〜60Kのいずれかが故障した場合の作用については、先の実施形態と同様であるので、その説明は省略するものとする。必要があれば、先の実施形態の説明を参照されたい(以下同様)。
【0032】
[第3実施形態]
図6は、無線通信ネットワークシステムの第3実施形態の一例を示す。
第3実施形態に係る無線通信ネットワークシステムでは、先の第2実施形態を基本として、制御ゾーン30の境界CZIに配置された拠点無線機60A及び60Lは、夫々、隣接する制御ゾーン30の拠点無線機60L及び60Aと共用の有線ケーブル70及び90を介して、拠点制御装置40に接続されている。
【0033】
この場合、制御ゾーン30の境界CZIにおいては、拠点無線機60A又は60Lが故障したときの情報伝達経路を確保するため、2つの制御ゾーン30に属する拠点無線機60A及び60Lを配置する間隔は、他の無線機を配置する所定間隔ΔLの半分とする。また、拠点無線機60A及び60Lとこれに隣接する沿線無線機60B及び60Kとの間隔も、所定間隔ΔLの半分とする。そして、制御ゾーン30の境界CZIに配置された拠点無線機60A又は60Lが故障した場合には、隣接する制御ゾーン30の拠点無線機60L又は60Aからコマンドを送信することで、故障した拠点無線機60A又は60Lに隣接する沿線無線機60B又は60Kへコマンドを伝達できるようにする。
このようにすれば、制御ゾーン30の境界CZIに拠点無線機60A及び60Lを設置する工事が簡単となり、コスト低減,工期短縮などを図ることができる。
【0034】
[第4実施形態]
図7は、無線通信ネットワークシステムの第4実施形態の一例を示す。
【0035】
第4実施形態に係る無線通信ネットワークシステムでは、先の第2実施形態又は第3実施形態を基本として、制御ゾーン30の中間に配置された拠点無線機60E及び60Fのみが、有線ケーブル80により拠点制御装置40に接続されている。
【0036】
このようにすれば、制御ゾーン30に配置する拠点無線機の台数を削減することが可能となり、コスト低減,工期短縮などを図ることができる。
そして、制御ゾーン30に配置された沿線無線機60A〜60D及び60G〜60Jのうち、例えば、沿線無線機60Iに故障が発生した場合には、次のようにして、情報伝達経路を二重化した冗長構成が実現される。
【0037】
即ち、拠点制御装置40は、有線ケーブル80を介して、コマンドを拠点無線機60E及び60Fに送信する。コマンドを受信した拠点無線機60E及び60Fは、隣接する沿線無線機60D及び60Gにコマンドを無線で夫々送信する。コマンドを受信した沿線無線機60D及び60Gは、隣接する沿線無線機60C及び60Hにコマンドを無線で夫々送信する。このようにして、図中において、拠点無線機60Eの左方に位置する境界CZIに配置された沿線無線機60Aまでコマンドが伝達される。一方、拠点無線機60Fの右方に位置する沿線無線機60Iが故障していることから、沿線無線機60Hから沿線無線機60Iへとコマンドを伝達できなくなる。
【0038】
この場合、沿線無線機60Iの故障を検知した拠点制御装置40は、破線の矢印Cで示すように、有線ケーブル70で接続された隣接する制御ゾーン30の拠点制御装置40を経由して、隣接する制御ゾーン30の拠点無線機60Eへとコマンドを送信する。このコマンドを受信した拠点無線機60Eは、隣接する沿線無線機60Dにコマンドを無線で送信する。そして、境界CZIを越えて、沿線無線機60Iに故障が発生した制御ゾーン30の沿線無線機60Jまでコマンドを伝達する。
【0039】
従って、制御ゾーン30の中間に配置された拠点無線機60E及び60Fのみが、有線で拠点制御装置40に接続されていても、二重化された情報伝達経路を実現することができる。
なお、拠点無線機としては、制御ゾーン30の中間に配置された無線機に限らず、その境界CZIに配置された無線機でもよい。
【0040】
[第5実施形態]
図8は、無線通信ネットワークシステムの第5実施形態の一例を示す。
【0041】
第5実施形態に係る無線通信ネットワークシステムでは、
図5に示す第2実施形態を基本として、制御ゾーン30の境界CZIに配置された2台の拠点無線機60A及び60Iのみが、有線ケーブル70及び90により拠点制御装置40に接続されている。
【0042】
このようにすれば、制御ゾーン30に配置する拠点無線機の台数を削減することが可能となり、コスト低減,工期短縮などを図ることができる。
そして、制御ゾーン30に配置された沿線無線機60B〜60Hのうち、例えば、沿線無線機60Cに故障が発生した場合には、次のようにして、情報伝達経路を二重化した冗長構成が実現される。
【0043】
即ち、拠点制御装置40は、有線ケーブル70及び90を介して、コマンドを拠点無線機60Aに送信する。コマンドを受信した拠点無線機60Aは、隣接する沿線無線機60Bにコマンドを無線で送信する。ここで、沿線無線機60Cに故障が発生しているので、沿線無線機60Bから沿線無線機60Cへとコマンドを伝達できない。
【0044】
そこで、沿線無線機60Cの故障を検知した拠点制御装置40は、破線の矢印Cで示すように、有線ケーブル70及び90を介して、コマンドを拠点無線機60Iに送信する。コマンドを受信した拠点無線機60Iは、隣接する沿線無線機60Hにコマンドを無線で送信する。コマンドを受信した沿線無線機60Hは、隣接する沿線無線機60Gにコマンドを無線で送信する。そして、このようなことを繰り返し、コマンドが沿線無線機60Dまで伝達される。
【0045】
従って、制御ゾーン30の境界CZIに配置された2第の拠点無線機60A及び60Iのみが、有線で拠点制御装置40に接続されていても、二重化された情報伝達経路を実現することができる。
【0046】
なお、各実施形態において、その一部を他の実施形態で説明した構成に置き換えてもよく、また、複数の実施形態で説明した構成を適宜組み合わせるようにしてもよい。