特許第6017166号(P6017166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6017166-加熱調理器具 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017166
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】加熱調理器具
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/08 20060101AFI20161013BHJP
   F24C 3/02 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   F24C3/08 L
   F24C3/02 H
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-84432(P2012-84432)
(22)【出願日】2012年4月3日
(65)【公開番号】特開2013-213625(P2013-213625A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2015年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】591031902
【氏名又は名称】シンポ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073287
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 聞一
(72)【発明者】
【氏名】田中 利明
(72)【発明者】
【氏名】浅川 智哉
(72)【発明者】
【氏名】仲田 祐一郎
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−125940(JP,A)
【文献】 特開平01−097420(JP,A)
【文献】 特開昭61−072941(JP,A)
【文献】 特開平11−083038(JP,A)
【文献】 特開平10−170003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C3/08
F24C3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方開口状の箱体を有し、該箱体の内部にバーナを備えた加熱部が、上方開口部に焼肉用調理具が着脱可能に配置されると共に、箱体の底部にドレインパンが配置され、上記加熱部の外周部と箱体の内周面との間に帯環状の遮熱板を配置し、上記ドレインパンをリング状に形成して中央部に支持周壁部を立ち上げ形成し、上記加熱部を、上記支持周壁部の内側に収容したバーナと、上記支持周壁部の上方に配置した加熱板とで構成し、該加熱板を、上記支持周壁部の上部に設置した受け具に設置し、上記受け具は、外周側下方へテーパー状且つ中央開口状の載置板の上面に円周方向に配置された複数枚の支持板を立設固定して、該支持板上に上記加熱板を載置可能にし、上記支持板における上記載置板の外周部からの突出部位の先端部を上記遮熱板の内周面に固定したことを特徴とする加熱調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周壁部を有する箱体内にバーナが配置されたガス燃焼式の加熱調理器具において、ガスバーナからの熱影響による箱体の加熱を抑制して、箱体の焦げ付きを軽減する様にした、卓上又はテーブル組込式の加熱調理器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス燃焼式加熱調理器具、特に焼肉、焼魚、焼鳥等の焼物料理に用いるガス燃焼式加熱調理器具では、基本的に、箱体内に、バーナを備えた加熱部が、箱体の上方開口部にロストル、焼き網等が配置されると共に、箱体の底部にドレインパンが配置されているのが一般的であり、ドレインパンは、箱体内の底部に設置するか、或いは箱体の底部に一体形成されている。そして、加熱調理時に焼きカス、肉汁等がロストル、焼き網等より落下することから、焼きカス、肉汁等を受け、而も過熱防止機能をも併せ持たせるために、ドレインパンに水を溜める様にしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−27439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術にあっては、特に日本風の焼肉調理の場合、食材の表面を可能な限り乾かない状態で少々焼き焦がすことで、ジューシーで香ばしい食味を得るために、バーナの火力を、一般的な家庭用のガスコンロより強くする必要があることから、箱体の周壁部が過熱状態になり易く、特に卓上で使用する加熱調理器具の場合、箱体の周壁部とバーナ或いは該バーナ上に設置された熱板との間隙が狭く、その結果、加熱調理時に飛散し箱体の周壁部内面に付着した肉汁等が焦げ付き易くなるなど、解決せねばならない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記従来技術に基づく、加熱部を収容状態の箱体が過熱状態に成り易い課題に鑑み、上方開口状の箱体を有し、該箱体の内部にバーナを備えた加熱部が、上方開口部に焼肉用調理具が着脱可能に配置されると共に、箱体の底部にドレインパンが配置され、上記加熱部の外周部と箱体の内周面との間に帯環状の遮熱板を配置し、上記ドレインパンをリング状に形成して中央部に支持周壁部を立ち上げ形成し、上記加熱部を、上記支持周壁部の内側に収容したバーナと、上記支持周壁部の上方に配置した加熱板とで構成し、該加熱板を、上記支持周壁部の上部に設置した受け具に設置し、該受け具に上記遮熱板を固定し、上記受け具は、外周側下方へテーパー状且つ中央開口状の載置板の上面に円周方向に配置された複数枚の支持板を立設固定して、該支持板上に上記加熱板を載置可能にし、上記支持板における上記載置板の外周部からの突出部位の先端部を上記遮熱板の内周面に固定することによって、加熱部からの熱を可能な限り遮断し箱体の周壁部を可能な限り過熱しない様にして、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0006】
要するに本発明は、上方開口状の箱体を有し、上方開口状の箱体を有し、該箱体の内部にバーナを備えた加熱部が、上方開口部に焼肉用調理具が着脱可能に配置されると共に、箱体の底部にドレインパンが配置され、上記加熱部の外周部と箱体の内周面との間に帯環状の遮熱板を配置し、上記箱体の上方開口部に焼肉用調理具が配置され、上記ドレインパンをリング状に形成して中央部に支持周壁部を立ち上げ形成し、上記加熱部を、上記支持周壁部の内側に収容したバーナと、上記支持周壁部の上方に配置した加熱板とで構成し、該加熱板を、上記支持周壁部の上部に設置した受け具に設置し、該受け具に上記遮熱板を固定し、上記受け具は、外周側下方へテーパー状且つ中央開口状の載置板の上面に円周方向に配置された複数枚の支持板を立設固定して、該支持板上に上記加熱板を載置可能にし、上記支持板における上記載置板の外周部からの突出部位の先端部を上記遮熱板の内周面に固定したので、加熱部におけるバーナからの熱は、遮熱板の熱遮断作用により周囲には拡散せずに殆どがバーナの真上へ誘導されることから、第1に、箱体の周壁部の過熱を抑制して、肉汁、吹きこぼれ等の汚れ付着による焦げ付きを防止出来るため、箱体の洗浄を容易化することが可能となり、特に店舗で使用するのであれば洗浄作業の負荷を低減化することが出来ると共に、ドレインパンの表面加工の損耗を抑止することが出来、特に周壁部内面にフッソ樹脂加工を施した箱体には有効であり、第2に加熱調理面の温度が上昇し焼き性能が向上するため、焼き斑を軽減させることが出来、第3に、ドレインパンの水の蒸発を抑制することが出来る。
【0007】
上記箱体の上方開口部に焼肉用調理具が配置され、上記ドレインパンをリング状に形成して中央部に支持周壁部を立ち上げ形成し、上記加熱部を、上記支持周壁部の内側に収容したバーナと、上記支持周壁部の上方に配置した加熱板とで構成し、該加熱板を、上記支持周壁部の上部に設置した受け具に設置し、該受け具に上記遮熱板を固定したので、焼物用、特に焼肉用の加熱調理器具として、バーナ及び赤熱化した加熱板からの輻射熱の箱体への到達量をきわめて低く抑えることが出来るため、箱体の周壁部の過熱を抑制することが出来、而も遮熱板が支持周壁部に対し着脱可能な加熱板受け具に固定されているため、洗浄作業等での取扱性を向上させることが出来る。
更に、上記受け具は、外周側下方へテーパー状且つ中央開口状の載置板の上面に複数枚の支持板を固定して、該支持板上に上記加熱板を載置可能にしたので、加熱板からの下方気流がドレインパンの水面に直接触れる面積を減少させるべく、載置板により斜め下方に誘導することが出来るため、ドレインパンの水の蒸発量を抑制出来、よって水の補給頻度を低く抑えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る加熱調理器具の概略断面図である。
図2】本発明に係る加熱調理器具の実施例1の断面図である。
図3図2の加熱調理器具に使用する加熱板受け具の平面図である。
図4図3のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。
図1に示す様に、本発明に係る加熱調理器具は、基本的に上方開口状の箱体1を有し、該箱体1の内部にバーナ2を備えた加熱部3が配置されると共に、箱体1の底部にドレインパン4が配置され、上記加熱部3の外周部と箱体1の内周面との間に帯環状の遮熱板5を配置している。
又、箱体1の上方開口部6には、実施例1におけるロストル、焼き網等の焼肉用調理具7を着脱可能に配置する様に成っている。
以下、具体的に説明する。
【実施例1】
【0011】
図2に示す様に、本発明に係る加熱調理器具の実施例1は、卓上の焼肉用加熱調理器具で、上記と同様の箱体1、バーナ2を備えた加熱部3、ドレインパン4及び遮熱板5を備え、箱体1の上方開口部6に焼肉用調理具7が配置されている。
【0012】
ドレインパン4は箱体1に一体形成され、このドレインパン4をリング状に形成して中央部に支持周壁部8を立ち上げ形成している。
【0013】
加熱部3は、支持周壁部8の内側に収容したバーナ2と、支持周壁部8の上方に配置した加熱板9とで構成し、該加熱板9は、支持周壁部8の上部に設置した受け具10上に載置されている。
【0014】
受け具10は、図3、4に示す様に、外周側下方へテーパー状且つ中央開口状の載置板11と、該載置板11の上面に円周方向に等間隔で配置し立設固定された複数枚の支持板12、12a …とを有し、該支持板12、12a …を載置板11の外周部より外側へ突出させ、この突出部位の先端部を遮熱板5の内周面に固定し、支持板12、12a …上に加熱板9を載置可能にしている。
【0015】
そして、調理時には、バーナ2により赤熱化された加熱板9からの輻射熱と、加熱板9の切起こしを通過した炎及び熱で焼肉用調理具7を加熱し、バーナ2及び加熱板9からの輻射熱が、遮熱板5により周囲には拡散せずに、殆どが遮熱板5を加熱させたり、バーナの真上へ誘導されて、箱体1への到達量が大幅に減少して、該箱体1が過熱状態にならない。
【実施例2】
【0018】
尚、上記実施例では、卓上の加熱調理器具であったが、無煙ロースターを含むテーブル組込式の焼肉用ロースター(図示せず)であっても良い。
【符号の説明】
【0019】
1 箱体
2 バーナ
3 加熱部
4 ドレインパン
5 遮熱板
6 上方開口部
7 焼肉用調理具
8 支持周壁部
9 加熱板
10 受け具
11 載置板
12、12a … 支持板
図1
図2
図3
図4