特許第6017178号(P6017178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6017178太陽電池モジュールの取付構造及び太陽光発電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017178
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】太陽電池モジュールの取付構造及び太陽光発電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20161013BHJP
   H01L 31/042 20140101ALI20161013BHJP
   E04B 1/82 20060101ALI20161013BHJP
   E04H 5/00 20060101ALI20161013BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20161013BHJP
   E01F 8/00 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   H02J3/38 130
   H01L31/04 500
   E04B1/82 B
   E04H5/00
   H02M7/48 E
   H02M7/48 R
   E01F8/00
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-108322(P2012-108322)
(22)【出願日】2012年5月10日
(65)【公開番号】特開2013-236503(P2013-236503A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】505398941
【氏名又は名称】東日本高速道路株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】395014596
【氏名又は名称】株式会社アイアールエフ
(73)【特許権者】
【識別番号】000140111
【氏名又は名称】株式会社荏原電産
(74)【代理人】
【識別番号】100109243
【弁理士】
【氏名又は名称】元井 成幸
(72)【発明者】
【氏名】松田 友也
(72)【発明者】
【氏名】津田 剛彦
(72)【発明者】
【氏名】小柳 隆志
(72)【発明者】
【氏名】岡野 史明
【審査官】 宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−064919(JP,A)
【文献】 特開2005−252163(JP,A)
【文献】 特開2001−111087(JP,A)
【文献】 特開平07−036556(JP,A)
【文献】 特開2002−271989(JP,A)
【文献】 特開2009−159773(JP,A)
【文献】 特開平08−185235(JP,A)
【文献】 特開2001−049908(JP,A)
【文献】 特開2000−214938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F3/00−8/02
E04B1/62−1/99
E04H5/00−5/12、
7/00−7/32、
12/00−14/00
H01L31/02、
31/0216−31/0224、
31/0236、
31/0248−31/0256、
31/0352−31/036、
31/0392−31/078、
31/18、
51/42−51/48
H02J3/00−7/12、
7/34−7/36
H02M7/42−7/98
H02S10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮音壁の走行路とは逆側の背面側に、太陽電池セルが直列接続される太陽電池モジュールが縦方向に並べて取り付けられ、前記太陽電池モジュールの各々が上方に向かうに従って前記遮音壁に近づくように傾斜して設けられる太陽電池モジュールの取付構造であって、
前記遮音壁の背面側に固定される上側保持部と前記上側保持部とは別体の下側保持部とで、それぞれの前記太陽電池モジュールの上端側と下端側がそれぞれ保持され、
前記上側保持部が前記下側保持部よりも外側方向への突出量が小さく形成され、
上下に並べて設けられる上側の前記太陽電池モジュールの前記下側保持部と下側の前記太陽電池モジュールの前記上側保持部が別体とされて、上下に配置される前記太陽電池モジュールが相互の距離を調整可能に取り付けられると共に、
夏至の南中高度の太陽光によって前記太陽電池モジュールの受光面に発生する日陰が、前記受光面の上端から前記太陽電池モジュールが発電可能な規定領域未満となるように設定して、前記太陽電池モジュールが取り付けられることを特徴とする太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項2】
前記発生する日陰が、前記太陽電池モジュールの最上行の太陽電池セルの受光面の一部に留まるように設定して、前記太陽電池モジュールが取り付けられることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項3】
遮音壁の走行路とは逆側の背面側に、太陽電池セルが直列接続される太陽電池モジュールが縦方向に並べて取り付けられ、前記太陽電池モジュールの各々が上方に向かうに従って前記遮音壁に近づくように傾斜して設けられる太陽電池モジュールの取付構造であって、
前記遮音壁の背面側に固定される上側保持部と前記上側保持部とは別体の下側保持部とで、それぞれの前記太陽電池モジュールの上端側と下端側がそれぞれ保持され、
前記上側保持部が前記下側保持部よりも外側方向への突出量が小さく形成され、
上下に並べて設けられる上側の前記太陽電池モジュールの前記下側保持部と下側の前記太陽電池モジュールの前記上側保持部が別体とされて、上下に配置される前記太陽電池モジュールが相互の距離を調整可能に取り付けられると共に、
夏至の南中高度の太陽光によって前記太陽電池モジュールの受光面に発生する日陰が、前記太陽電池モジュールの受光面にかからないように設定して、前記太陽電池モジュールが取り付けられることを特徴とする太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項4】
前記上側保持部の外側方向の先端で走行路に沿う方向に延びる先端部分が、前記下側保持部の外側方向の先端で走行路に沿う方向に延びる先端部分と、前記下側保持部の直下で前記上側保持部で保持されている前記太陽電池モジュールの受光面の上端とを結ぶ線よりも、内側に設けられることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項5】
請求項1〜の何れかに記載の太陽電池モジュールの取付構造で取り付けられる前記太陽電池モジュールを少なくとも一部に有することを特徴とする太陽光発電装置。
【請求項6】
太陽電池モジュールから得られる電力を直流から交流に変換して出力するパワーコンディショナーを備える請求項記載の太陽光発電装置であって、
前記パワーコンディショナーが、
太陽電池モジュールから入力される電力の直流電圧を昇圧する昇圧回路と、
昇圧された電力を直流から交流に変換して出力するインバータと、
前記太陽電池モジュールの発電電力が制御電源として供給され、駆動動作を制御する駆動制御部を有し、
前記太陽電池モジュールの発電電力を一時的に蓄え、前記パワーコンディショナーの起動時の補助電力を供給する補助コンデンサが前記昇圧回路に設けられることを特徴とする太陽光発電装置。
【請求項7】
前記駆動制御部の制御電源が、前記太陽電池モジュールの出力側と前記昇圧回路の間の分岐から供給される第1の制御電源と、前記インバータの出力側と外部系統電源の間の分岐から供給される第2の制御電源とを所定条件に応じて選択して供給されることを特徴とする請求項記載の太陽光発電装置。
【請求項8】
太陽電池モジュールの異常検出装置を備える請求項5〜7の何れかに記載の太陽光発電装置であって、
前記異常検出装置として、
一の太陽電池モジュールの発電電圧と他の太陽電池モジュールの発電電圧を取得し、前記一の太陽電池モジュールの発電電圧と前記他の太陽電池モジュールの発電電圧とを相互比較し、その比較結果が所定条件の許容範囲外の状態が所定設定時間を超える場合に、発電電圧の低い方の太陽電池モジュールを異常と判定する異常検出部と、
前記異常と判定した太陽電池モジュールの異常を告知する告知部と、
を備えることを特徴とする太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮音壁の背面側に太陽電池モジュールを取り付ける際の太陽電池モジュールの取付構造及び太陽光発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路、自動車専用道路、線路等の走行路には、住居環境の騒音対策として、遮音壁が付帯設備として設置されることがある。遮音壁は、自動車等の走行路の側部に沿って設置され、自動車等の走行で発生する騒音を抑制し、近隣の住居環境を良好に保つことを可能にする。
【0003】
また、近年では自然エネルギーの活用の重要性が高まっており、太陽電池モジュールの設置が進んできている。しかしながら、一般的な太陽電池モジュールの設置は、水平面への拡がりが大きく、水平面の遮蔽面積が多くなるため、植物の生育、緑地の保全や増進の弊害となるという問題がある。
【0004】
そのため、遮音壁を利用し、太陽電池モジュールを縦方向に並べるように配置する構造が提案されている。例えば特許文献1には、シート状の太陽電池モジュールが遮音壁の背面に沿うように配置され、遮音壁の背面に取付具によって固定されると共に、シート状の太陽電池モジュールが縦方向に並べるように配置されている構造が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、背面板に凹部が設けられ、天井面が凹部の入口に向かうに従って上方に傾斜する凹部内にパネル型の太陽電池モジュールが収納配置され、高さが選択される上下一組ずつのスペーサーを介し、太陽電池モジュールが背面板に隙間を開けて角度調整可能に連結されると共に、太陽電池モジュールが縦方向に並べるように配置されている構造が記載されている。
【0006】
また、特許文献3には、太陽電池モジュールの裏面補強板に形成された一対の係止部を遮音壁壁面に設けた一対の鈎状の係止部に嵌合して遮音壁壁面に太陽電池モジュールを固定すると共に、太陽電池モジュールを遮音壁壁面に対して角度を付けて固定することが開示され、更に、特許文献3では、発電効率の観点から、受光面が垂直面となす角度が60度程度となるように太陽電池モジュールを設置することが好ましいとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−270006号公報
【特許文献2】特開2011−1720号公報
【特許文献3】特開平9−209315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、太陽電池モジュールは太陽光をより多く受光し、効率的な発電を行うために、通常は受光面を斜めに傾斜させて設置され、遮音壁の外面に太陽電池モジュールを設置する場合には、太陽電池モジュールが上方に向かうに従って遮音壁に近づくように傾斜して設置することが望ましい。そして、この太陽電池モジュールの傾斜角度等の設置条件は、太陽光の受光量を最大にすることを基準に設定されるのが一般的である。
【0009】
しかしながら、本願発明者の鋭意検討の結果、太陽電池モジュールは一部に日陰が生じ、太陽電池モジュールを構成する直列接続の太陽電池セルの一部が受光せず、この太陽電池セルが発電しなくなった場合、この発電しない太陽電池セルの影響により、太陽電池モジュールの全体が発電しなくなる事態が生ずることが判明した。このような事態が複数の太陽電池モジュールで生ずると、太陽電池モジュールで構成される太陽光発電装置の発電効率が大きく低下する要因となるため、太陽電池モジュールに生ずる日陰を可能な限り低減することが求められる。
【0010】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、太陽電池モジュールに発生する日陰を可能な限り抑制し、太陽電池モジュールや太陽電池モジュールで構成される太陽光発電装置の高い発電効率を確保することができ、太陽光発電で利用可能な電力を増加させることができる太陽電池モジュールの取付構造、及びこの取付構造を用いる太陽光発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の太陽電池モジュールの取付構造は、遮音壁の走行路とは逆側の背面側に、太陽電池セルが直列接続される太陽電池モジュールが縦方向に並べて取り付けられ、前記太陽電池モジュールの各々が上方に向かうに従って前記遮音壁に近づくように傾斜して設けられる太陽電池モジュールの取付構造であって、前記遮音壁の背面側に固定される上側保持部と前記上側保持部とは別体の下側保持部とで、それぞれの前記太陽電池モジュールの上端側と下端側がそれぞれ保持され、前記上側保持部が前記下側保持部よりも外側方向への突出量が小さく形成され、上下に並べて設けられる上側の前記太陽電池モジュールの前記下側保持部と下側の前記太陽電池モジュールの前記上側保持部が別体とされて、上下に配置される前記太陽電池モジュールが相互の距離を調整可能に取り付けられると共に、夏至の南中高度の太陽光によって前記太陽電池モジュールの受光面に発生する日陰が、前記受光面の上端から前記太陽電池モジュールが発電可能な規定領域未満となるように設定して、前記太陽電池モジュールが取り付けられることを特徴とする。
この構成によれば、太陽電池モジュールの上側保持部を下側保持部よりも外側方向への突出量を小さくし、太陽高度が最も高くなる夏至の南中高度の太陽光に対して、太陽電池モジュールの受光面に発生する日陰が受光面の上端から規定領域未満となるように設定して太陽電池モジュールを取り付けることにより、通常日陰が生ずる太陽電池モジュールの受光面の上部に関して、より高度の高い太陽に対応した受光を確保して、太陽電池モジュールの受光面に発生する日陰を可能な限り抑制することができ、発電しない太陽電池セルの発生、及びその影響による太陽電池モジュールの全体が発電しなくなる事態を極力抑制することができる。従って、太陽電池モジュールや太陽電池モジュールで構成される太陽光発電装置の高い発電効率を確保することができ、太陽光発電で利用可能な電力を増加させることができる。また、夏の電力需要が非常に大きくなる時刻における安定した発電を実現することができ、電力需要の高い時期と時間帯に対応する電力供給の安定性を高めることができる。また、既存の遮音壁の背面板や外装板を利用してこれに取り付けることが可能であり、太陽電池モジュールを良好な作業性、低コストで設置することができ、既設遮音壁の有効利用も十分に図ることができる。また、上側保持部と下側保持部を別体とし、上下に配置される太陽電池モジュール相互の距離を調整可能に取り付けることにより、上下の太陽電池モジュール相互の距離を必要に応じて適宜調整し、太陽電池モジュールの受光面に発生する日陰が受光面の上端から規定領域未満となるように設定し、太陽電池モジュールを容易に取り付けることが可能となる。また、太陽電池モジュールの上下間の距離を調整して日陰の抑制或いは防止を図ることにより、下側保持部や太陽電池モジュール等の遮音壁外側への突出量を規制範囲内など所定範囲内に留めることができる。
【0012】
本発明の太陽電池モジュールの取付構造は、前記発生する日陰が、前記太陽電池モジュールの最上行の太陽電池セルの受光面の一部に留まるように設定して、前記太陽電池モジュールが取り付けられることを特徴とする。
この構成によれば、発生する日陰が太陽電池モジュールの最上行の太陽電池セルの受光面の一部に留まるように設定して最上行の太陽電池セルの発電を確保し、発電しない太陽電池セルの発生、及びその影響による太陽電池モジュールの全体が発電しなくなる事態をより確実に抑制することができる。
【0013】
本発明の太陽電池モジュールの取付構造は、遮音壁の走行路とは逆側の背面側に、太陽電池セルが直列接続される太陽電池モジュールが縦方向に並べて取り付けられ、前記太陽電池モジュールの各々が上方に向かうに従って前記遮音壁に近づくように傾斜して設けられる太陽電池モジュールの取付構造であって、前記遮音壁の背面側に固定される上側保持部と前記上側保持部とは別体の下側保持部とで、それぞれの前記太陽電池モジュールの上端側と下端側がそれぞれ保持され、前記上側保持部が前記下側保持部よりも外側方向への突出量が小さく形成され、上下に並べて設けられる上側の前記太陽電池モジュールの前記下側保持部と下側の前記太陽電池モジュールの前記上側保持部が別体とされて、上下に配置される前記太陽電池モジュールが相互の距離を調整可能に取り付けられると共に、夏至の南中高度の太陽光によって前記太陽電池モジュールの受光面に発生する日陰が、前記太陽電池モジュールの受光面にかからないように設定して、前記太陽電池モジュールが取り付けられることを特徴とする。
この構成によれば、太陽電池モジュールの上側保持部を下側保持部よりも外側方向への突出量を小さくし、太陽高度が最も高くなる夏至の南中高度の太陽光に対して、太陽電池モジュールの受光面に発生する日陰が太陽電池モジュールの受光面にかからないように設定して太陽電池モジュールを取り付けることにより、通常日陰が生ずる太陽電池モジュールの受光面の上部に関して、より高度の高い太陽に対応した受光を確保して、太陽電池モジュールの受光面に発生する日陰を無くし、発電しない太陽電池セルの発生、及びその影響による太陽電池モジュールの全体が発電しなくなる事態を防止することができる。従って、太陽電池モジュールや太陽電池モジュールで構成される太陽光発電装置の高い発電効率を確保することができ、太陽光発電で利用可能な電力を増加させることができる。また、夏の電力需要が非常に大きくなる時刻における安定した発電を実現することができ、電力需要の高い時期と時間帯に対応する電力供給の安定性を高めることができる。また、既存の遮音壁の背面板や外装板を利用してこれに取り付けることが可能であり、太陽電池モジュールを良好な作業性、低コストで設置することができ、既設遮音壁の有効利用も十分に図ることができる。また、上側保持部と下側保持部を別体とし、上下に配置される太陽電池モジュール相互の距離を調整可能に取り付けることにより、上下の太陽電池モジュール相互の距離を必要に応じて適宜調整し、太陽電池モジュールの受光面に発生する日陰が受光面にかからないように設定し、太陽電池モジュールを容易に取り付けることが可能となる。また、太陽電池モジュールの上下間の距離を調整して日陰の抑制或いは防止を図ることにより、下側保持部や太陽電池モジュール等の遮音壁外側への突出量を規制範囲内など所定範囲内に留めることができる。
【0014】
本発明の太陽電池モジュールの取付構造は、前記上側保持部の外側方向の先端で走行路に沿う方向に延びる先端部分が、前記下側保持部の外側方向の先端で走行路に沿う方向に延びる先端部分と、前記下側保持部の直下で前記上側保持部で保持されている前記太陽電池モジュールの受光面の上端とを結ぶ線よりも、内側に設けられることを特徴とする。
この構成によれば、上側の下側保持部で遮光されずに太陽電池モジュールに入射可能な太陽光が、この太陽電池モジュールを保持する上側保持部で遮られることを防止することができ、上側に位置する下側保持部で遮光されない太陽光の太陽電池モジュールによる受光を確保することができる。
【0015】
本発明の太陽光発電装置は、本発明の太陽電池モジュールの取付構造で取り付けられる前記太陽電池モジュールを少なくとも一部に有することを特徴とする。
この構成によれば、高い発電効率で、利用可能な電力量の安定性に優れる太陽光発電装置を得ることができる。
【0016】
本発明の太陽光発電装置は、太陽電池モジュールから得られる電力を直流から交流に変換して出力するパワーコンディショナーを備える上記太陽光発電装置であって、前記パワーコンディショナーが、太陽電池モジュールから入力される電力の直流電圧を昇圧する昇圧回路と、昇圧された電力を直流から交流に変換して出力するインバータと、前記太陽電池モジュールの発電電力が制御電源として供給され、駆動動作を制御する駆動制御部を有し、前記太陽電池モジュールの発電電力を一時的に蓄え、前記パワーコンディショナーの起動時の補助電力を供給する補助コンデンサが前記昇圧回路に設けられることを特徴とする。
この構成によれば、パワーコンディショナーの起動時に必要な大きな電力を、その際の太陽電池モジュールの発電と補助コンデンサに蓄えられた電荷の双方から得ることができ、太陽電池モジュールの発電量が少ない場合にもパワーコンディショナーを起動、運転し、太陽光発電による利用可能な電力を一層増加することができる。
【0017】
本発明の太陽光発電装置は、前記駆動制御部の制御電源が、前記太陽電池モジュールの出力側と前記昇圧回路の間の分岐から供給される第1の制御電源と、前記インバータの出力側と外部系統電源の間の分岐から供給される第2の制御電源とを所定条件に応じて選択して供給されることを特徴とする。
この構成によれば、太陽電池モジュールの発電する直流電力、パワーコンディショナーから出力される交流電力、外部系統電源から供給される交流電力を適切に調整して利用し、パワーコンディショナーをより持続的に運転することが可能となり、太陽光発電による利用可能な電力をより一層増加することができる。
【0018】
本発明の太陽光発電装置は、太陽電池モジュールの異常検出装置を備える上記太陽光発電装置であって、前記異常検出装置として、一の太陽電池モジュールの発電電圧と他の太陽電池モジュールの発電電圧を取得し、前記一の太陽電池モジュールの発電電圧と前記他の太陽電池モジュールの発電電圧とを相互比較し、その比較結果が所定条件の許容範囲外の状態が所定設定時間を超える場合に、発電電圧の低い方の太陽電池モジュールを異常と判定する異常検出部と、前記異常と判定した太陽電池モジュールの異常を告知する告知部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、一の太陽電池モジュールと他の太陽電池モジュールの発電電圧を相対的に比較し、所定設定時間を条件として異常を検出することにより、一時的に日陰になった場合など太陽電池モジュールに対する太陽光が一時的に不足した場合に誤って異常検出することを回避することができ、現に異常が発生している太陽電池モジュールの異常を検出することができる。また、太陽電池モジュールが発電していない異常に加え、太陽電池モジュールの発電電圧が低下している異常も異常として検出することができる。更に、異常の太陽電池モジュールが太陽光発電に及ぼす影響の早期且つ確実な是正が可能となり、太陽光発電による利用可能な電力の増加に資する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の太陽電池モジュールの取付構造或いは太陽光発電装置によれば、通常日陰が生ずる太陽電池モジュールの受光面の上部に関して、より高度の高い太陽に対応した受光を確保して、太陽電池モジュールの受光面に発生する日陰を可能な限り抑制する或いは無くすことができ、発電しない太陽電池セルの発生、及びその影響による太陽電池モジュールの全体が発電しなくなる事態を極力抑制或いは防止することができる。従って、太陽電池モジュールや太陽電池モジュールで構成される太陽光発電装置の高い発電効率を確保することができ、太陽光発電で利用可能な電力を増加させることができる。また、夏の電力需要が非常に大きくなる時刻における安定した発電を実現することができ、電力需要の高い時期と時間帯に対応する電力供給の安定性を高めることができる。また、既存の遮音壁の背面板や外装板を利用してこれに取り付けることが可能であり、太陽電池モジュールを良好な作業性、低コストで設置することができ、既設遮音壁の有効利用も十分に図ることができる。
【0020】
また、太陽電池モジュールが遮音壁の背面側に縦方向に並べて取り付けられ、水平面への拡がりが小さいことから、良好な植物の生育、緑地の保全・増進に資すると共に、太陽電池モジュールの各々が上方に向かうに従って遮音壁に近づくように傾斜して設けられることから、高速道路の遮音壁など高い位置に設けられることが多い遮音壁背面側の太陽電池モジュールにおいて、周辺住民等に与えるグレアを極力抑制することができ、周辺環境の保全にも資するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による第1実施形態の太陽電池モジュールの取付構造を示す縦断面図。
図2図1の部分拡大図。
図3】(a)及び(b)は第1実施形態の太陽電池モジュールの取付構造における太陽電池モジュールに対する太陽光の入射を示す説明図。
図4】第1実施形態の取付構造による太陽電池モジュールを有する太陽光発電装置を示すブロック図。
図5】太陽電池モジュールに生ずる日陰と発電量の関係を示すグラフ。
図6】本発明による第2実施形態の太陽電池モジュールの取付構造を示す拡大縦断面図。
図7】パワーコンディショナーの回路例の回路説明図。
図8】太陽電池モジュールと異常検出装置の例を示す説明図。
図9図8の異常検出装置のブロック図。
図10図8及び図9の異常検出装置における異常検出処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第1実施形態の太陽電池モジュールの取付構造及び太陽光発電装置〕
本発明による第1実施形態の太陽電池モジュールの取付構造及び太陽光発電装置について説明する。
【0023】
第1実施形態の太陽電池モジュールの取付構造は、図1及び図2に示すように、遮音壁600の走行路とは逆側の背面側に太陽電池モジュール10を縦方向に並べて取り付けるものであり、太陽電池モジュール10の各々は、上方に向かうに従って遮音壁600に近づくように傾斜して設けられ、その上端側と下端側が、遮音壁600の背面側である背面板若しくは外装板等に固定される上側保持部20と下側保持部30でそれぞれ保持されている。
【0024】
太陽電池モジュール10は、直列接続される太陽電池セル11がマトリクス状に行列配置され、太陽電池セル11が設けられている領域が受光面12になっている。太陽電池モジュール10の上縁と下縁には太陽電池セル11が設けられていない受光面でない非受光領域13が設けられ、太陽電池モジュール10は、この非受光領域13において、上側保持部20と下側保持部30で保持されている。
【0025】
上側保持部20は、走行路の方向に延びる略台形筒状の基体21を有し、基体21の下部から所定の傾斜角度で設けられる一対の保持片22・22間に溝状の凹部23が形成され、溝状の凹部23も走行路の方向に延設されている。凹部23には、太陽電池モジュール10の上端側である上縁の非受光領域13が嵌め込まれ、太陽電池モジュール10の上縁が凹部23で保持されている。
【0026】
上側保持部20には、基体21の上部から略垂直方向に突出して取付板24が設けられており、取付板24やこれと連続する基体21の垂直面211が遮音壁600に沿うように配置され、取付板24に形成されている取付孔に挿入されるボルト41及びナット42等の取付具により、上側保持部20が遮音壁600に取り付けられている。
【0027】
上側保持部20は、後述する下側保持部30よりも外側方向(遮音壁600を挟んで走行路と逆側の方向)への突出量が小さく形成され、本例では上側保持部20の基体21の外側方向の先端(走行路に沿う方向に延びる先端部分)の突出量が、下側保持部30の外側の保持片32の先端(走行路に沿う方向に延びる先端部分)の突出量よりも小さくなるように設定して形成されている。
【0028】
更に、本例では、上側保持部20の外側方向の先端で走行路に沿う方向に延びる先端部分である基体21の先端が、下側保持部30の外側方向の先端で走行路に沿う方向に延びる先端部分である保持片32の先端と、下側保持部30の直下で、この上側保持部20で保持されている太陽電池モジュール10の受光面12の上端とを結ぶ線よりも、内側に設けられている。これにより、上側の下側保持部30で遮光されずに太陽電池モジュール10に入射可能な太陽光が、この太陽電池モジュール10を保持する上側保持部20で遮られることを防止することができ、上側に位置する下側保持部30で遮光されない太陽光の太陽電池モジュール10による受光を確保することが可能になっている。
【0029】
また、上側保持部20の基体21の外側方向の先端と外側の保持片22との間は、下方に向かうに従って遮音壁600に近づくように傾斜する傾斜面212になっており、上縁を保持している太陽電池モジュール10の受光面12に対する太陽光の入射をより確実にしている。
【0030】
下側保持部30は、走行路の方向に延びる略三角形筒状の基体31を有し、基体31の外側先端近傍の上部から所定の傾斜角度で突出する一対の保持片32・32間に溝状の凹部33が形成され、溝状の凹部33も走行路の方向に延設されている。凹部33には、太陽電池モジュール10の下端側である下縁の非受光領域13が嵌め込まれ、太陽電池モジュール10の下縁が凹部33で保持されている。
【0031】
下側保持部30には、基体31の下部から略垂直方向に突出して取付板34が設けられ、取付板34は、その内面が下側保持部30の基体31の垂直面311よりも外側に位置するように形成されている。下側保持部30の基体31の垂直面311は遮音壁600に沿うように配置され、取付板34は遮音壁600の背面と並行するように配置される。
【0032】
最下端に取り付けられる下側保持部30以外では、垂直面311と取付板34との間の段差において、取付板34と遮音壁600との間に前述の上側保持部20の取付板24が挿入して配置され、取付板24と取付板34が重なって配置されている。そして、重なって配置された取付板24、34の対応する位置に形成されている取付孔に挿入されるボルト41及びナット42等の取付具により、下側保持部30が遮音壁600に取り付けられている。また、最下端の下側保持部30は、垂直面311と取付板34との間の段差に必要に応じてスペーサー等が設けられ、取付板34に形成されている取付孔に挿入されるボルト41及びナット42等の取付具により、遮音壁600に取り付けられる。
【0033】
更に、下側保持部30の基体31の外側の保持片32の外面に相当する外側方向の先端から取付板34にかけては、下方に向かうに従って遮音壁600に近づくように傾斜する傾斜面312になっており、下側保持部30の下側に配置される太陽電池モジュール10の受光面12に対する後述の太陽光の照射を確保可能になっている。
【0034】
また、同じ太陽電池モジュール10の上縁を保持する上側保持部20と下側保持部30は、上側保持部20と下側保持部30にそれぞれボルト締め等で固定される連結部材43を介して相互に連結され、連結部材43による上側保持部20と下側保持部30の固定により、上側保持部20と下側保持部30相互の間に、規格化された所定の離間距離を容易且つ確実に確保することが可能になっている。更に、この所定の離間距離を開けた上側保持部20の凹部23と下側保持部30の凹部33は、対応する位置で略同一の傾斜角度で配置され、この状態の凹部23、33に太陽電池モジュール10が嵌め込まれることにより、太陽電池モジュール10が所定の傾斜角度で配置されるようになっている。
【0035】
尚、本実施形態の上側保持部20と下側保持部30は別体で、上下に並べて設けられる上側の太陽電池モジュール10の下側保持部30と下側の太陽電池モジュール10の上側保持部20も別体であることから、上下に配置される太陽電池モジュール10・10相互の距離を調整して取り付けを行うことが可能である。例えば上下の太陽電池モジュール10・10相互の距離をより長くするように配置し、取付板24、34を重ねずに遮音壁600に固定することができる。この際、取付板34と遮音壁600との間には必要に応じてスペーサーを設ける、或いは取付板34を垂直面311と面一で形成する構成等とすることが可能である。
【0036】
このように上側保持部20と下側保持部30を別体とすることにより、上下に配置される太陽電池モジュール10・10相互の距離が調整可能な取り付けを行うことができ、上下の太陽電池モジュール10・10相互の距離を必要に応じて適宜調整し、後述の如く太陽電池モジュール10の受光面12に発生する日陰が受光面12の上端から規定領域未満となるように設定、或いは太陽電池モジュール10の受光面12に発生する日陰が受光面12にかからないように設定し、太陽電池モジュール10を容易に取り付けることが可能となる。また、太陽電池モジュール10・10の上下間の距離を調整して日陰の抑制或いは防止を図ることにより、下側保持部30や太陽電池モジュール10等の遮音壁外側への突出量を規制範囲内など所定範囲内に留めることが可能となる。
【0037】
そして、第1実施形態の取付構造では、夏至の南中高度の太陽光によって太陽電池モジュール10の受光面12に発生する日陰が、受光面12の上端から規定領域未満となるように設定して、上側保持部20、下側保持部30の外側方向先端の走行路に沿う方向に延びる先端部分における外側方向への突出量、太陽電池モジュール10の傾斜角度、上下の太陽電池モジュール10・10相互の距離等を規制し、太陽電池モジュール10が取り付けられており、本例では、発生する日陰が、太陽電池モジュール10の最上行の太陽電池セル11の受光面12の一部に留まるように設定して、太陽電池モジュール10が取り付けられている。
【0038】
即ち、図3の太陽光L1、L2、L3において、水平線Hからの傾斜角度が最も急峻な太陽光L3が夏至の南中高度の太陽光である場合、これよりも太陽高度が低い場合に対応する傾斜角度の緩い太陽光L1、L2は、上側に位置する下側保持部30や上側保持部20で遮光されずに太陽電池モジュール10の受光面12の上端に入射し、受光面12に日陰が発生しない。他方において、夏至の南中高度の太陽光である太陽光L3では、太陽電池モジュール10の受光面12の上端から日陰領域Sを発生させるが、この日陰領域Sが規定領域未満になるように、本例では最上行の太陽電池セル11の受光面12の一部に留まるように設定して、発電しない太陽電池セル11の発生や太陽電池モジュール10が発電しない事態が極力抑制されている。尚、この規定領域は、発電しない太陽電池セル11が発生せずに、太陽電池モジュール10が発電可能な領域である。
【0039】
また、夏至の南中高度の太陽光によって太陽電池モジュール10の受光面12に発生する日陰が、受光面12の上端から規定領域未満となるように設定することに代え、夏至の南中高度の太陽光によって太陽電池モジュール10の受光面12に発生する日陰が、太陽電池モジュール10の受光面12にかからないように設定して、上側保持部20、下側保持部30の外側方向先端の走行路に沿う方向に延びる先端部分における外側方向への突出量、太陽電池モジュール10の傾斜角度、上下の太陽電池モジュール10・10相互の距離等を規制し、太陽電池モジュール10が取り付けられるようにすることも可能である。
【0040】
即ち、図3の太陽光L1、L2において、水平線Hからの傾斜角度がL2よりも急峻な太陽光L1が夏至の南中高度の太陽光である場合に、太陽光L1でも、上側に位置する下側保持部30や上側保持部20で遮光されずに太陽電池モジュール10の受光面12の上端に入射し、受光面12に日陰が発生しないように設定して、発電しない太陽電池セル11の発生や太陽電池モジュール10が発電しない事態を防止するように、太陽電池モジュール10を取り付ける。
【0041】
ここで参考として、太陽電池モジュールに生ずる日陰と発電量の関係について図5に示す。図5は、71Wの太陽電池モジュール10を4枚直列に接続し、そのうちの1枚の太陽電池モジュール10の1つの太陽電池セル11に、日陰(影)をつけた場合の日陰と発電量の関係を示している。定格発電量は284W(71W×4枚)である。影の長さを変えていき、影の長さが10mm位から、影をつけた太陽電池セル11の太陽電池モジュール10の発電量が減少していくこと、影の長さが30mm以上では該当する太陽電池モジュール10が発電していないことが分かる。
【0042】
そして、第1実施形態の太陽光発電装置200は、第1実施形態の太陽電池モジュール10の取付構造で取り付けられる太陽電池モジュール10を、その全部に対応する太陽電池モジュールとして或いは一部に対応する太陽電池モジュールとして有するものとして構成される(図4参照)。図4の太陽光発電装置200は、複数の太陽電池モジュール10を直列接続する等により太陽電池アレイ100が構成され、太陽電池モジュール10に対する異常検出装置500が設けられている。異常検出装置500は、例えば太陽電池アレイ100の太陽電池モジュール10中の所定の複数個数毎に設けられ、後述する図8図10の例のように対応する複数個数の太陽電池モジュール10の異常を検出して告知するようになっている。
【0043】
更に、太陽光発電装置200には、太陽電池アレイ100に対応してパワーコンディショナー300が設けられており、パワーコンディショナー300によって太陽電池アレイ100から得られる電力を直流から交流に変換し、外部系統電源400に出力して連系させるようになっている。
【0044】
第1実施形態の太陽電池モジュール10の取付構造或いは太陽光発電装置200は、通常日陰が生ずる太陽電池モジュール10の受光面12の上部に関して、より高度の高い太陽に対応した受光を確保して、太陽電池モジュール10の受光面12に発生する日陰を可能な限り抑制する或いは無くすことができ、発電しない太陽電池セル11の発生、及びその影響による太陽電池モジュール10の全体が発電しなくなる事態を極力抑制或いは防止することができる。従って、太陽電池モジュール10や太陽電池モジュール10で構成される太陽光発電装置200の高い発電効率を確保することができ、太陽光発電で利用可能な電力を増加させることができる。また、夏の電力需要が非常に大きくなる時刻における安定した発電を実現することができ、電力需要の高い時期と時間帯に対応する電力供給の安定性を高めることができる。また、上側保持部20と下側保持部30により、既存の遮音壁の背面板や外装板を利用してこれに取り付けることが可能であり、太陽電池モジュール10を良好な作業性、低コストで設置することができ、既設遮音壁の有効利用も十分に図ることができる。
【0045】
〔第2実施形態の太陽電池モジュールの取付構造及び太陽光発電装置〕
次に、本発明による第2実施形態の太陽電池モジュールの取付構造及び太陽光発電装置について説明する。
【0046】
第2実施形態の太陽電池モジュールの取付構造及び太陽光発電装置200は、基本的な構成は第1実施形態と同一であるが、図6に示すように、取付構造における別体の上側保持部20aと下側保持部30aが第1実施形態と異なる。
【0047】
上側保持部20aは、走行路の方向に延びる細長板状の基板21aを有し、断面視で基板21aの下端に略L字形の保持片22aが設けられていると共に、基板21aの上端から屈曲して略垂直方向に突出する取付板23aが設けられている。取付板23aは、ボルト41及びナット42等の取付具により、遮音壁600に取り付けられる。また、基板21aには、別体の断面視略Z字形の保持片24aがスペーサーを介してネジ留めされ、所定の傾斜角度で並行して延びる保持片22aの先端部と保持片24aの先端部との間に空間が形成されるようになっており、この空間に太陽電池モジュール10の上縁の非受光領域13が所定の傾斜角度で嵌め込まれている。
【0048】
上側保持部20aの外側方向の先端は、別体の保持片24aの外側方向の先端(走行路に沿う方向に延びる先端部分)であり、その突出量は下側保持部30aの外側方向の先端よりも当然に小さくなっており、更に、上側保持部20aの外側方向の先端で走行路に沿う方向に延びる先端部分が、下側保持部30aの外側方向の先端で走行路に沿う方向に延びる先端部分と、下側保持部30aの直下で、この上側保持部20aで保持されている太陽電池モジュール10の受光面12の上端とを結ぶ線よりも、当然に内側に設けられている。
【0049】
下側保持部30aは、走行路の方向に延びる細長板状の基板31aを有し、断面視で基板31aの上端に略L字形の保持片32aが設けられていると共に、基板31aの下端から屈曲して略垂直方向に突出する取付板33aが設けられている。取付板33aは、ボルト41及びナット42等の取付具により、遮音壁600に取り付けられる。また、基板31aには、別体の断面視略L字形の保持片34aがネジ留めされ、所定の傾斜角度で並行して延びる保持片32aの先端部と保持片34aの先端部との間に空間が形成されるようになっており、この空間に太陽電池モジュール10の下縁の非受光領域13が所定の傾斜角度で嵌め込まれている。尚、図示例の上側保持部20aと外側保持部30aは連結されていないが、連結部材で連結することも可能である。
【0050】
第2実施形態の取付構造も第1実施形態と同様に、夏至の南中高度の太陽光によって太陽電池モジュール10の受光面12に発生する日陰が、受光面12の上端から規定領域未満となるように設定して、本例では、発生する日陰が、太陽電池モジュール10の最上行の太陽電池セル11の受光面12の一部に留まるように設定して、太陽電池モジュール10が取り付けられている。また、第1実施形態と同様に、夏至の南中高度の太陽光によって太陽電池モジュール10の受光面12に発生する日陰が、太陽電池モジュール10の受光面12にかからないように設定して、太陽電池モジュール10が取り付けられるようにすることも可能である。また、第2実施形態における太陽光発電装置200も第1実施形態と同様である。
【0051】
第2実施形態では、上側保持部20aと下側保持部30aをより簡単な構成とすることにより、コスト低減を図ることができる。また、上側保持部20aの外側方向の先端が、太陽電池モジュール10の上縁を外側から保持する保持片24aの先端となることから、下側保持部30aの外側方向への突出量や太陽電池モジュール10の傾斜角度如何に関わらず、上側保持部20aにより、太陽電池モジュール10の受光面12の上端への太陽光の入射が遮光されることをほぼ無くすことができ、設計や設置構造の自由度を高めることができる。また、上側保持部20aと下側保持部30aを元からそれぞれに遮音壁600に固定する構成であることから、上下の太陽電池モジュール10・10相互の距離調整も容易となる。その他、第1実施形態と対応する構成により、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0052】
〔第1、第2実施形態におけるパワーコンディショナーの例〕
次に、第1、第2実施形態の太陽光発電装置200におけるパワーコンディショナーの例について説明する。
【0053】
本例のパワーコンディショナー300は、図7に示すように、上記取付構造で取り付けられた複数の太陽電池モジュール10を直列或いは並列に接続して構成される太陽電池アレイ100に接続して設けられ、上記取付構造等で取り付けられる太陽電池モジュール10から得られる電力、即ち太陽電池アレイ100から得られる電力を直流から交流に変換し、外部系統電源400に出力して連系させる。図示例の外部系統電源400は、三相3線式AC200Vであり、401はU相、V相、W相にそれぞれ対応する電線である。
【0054】
パワーコンディショナー300は、太陽電池モジュール10或いは太陽電池アレイ100から得られる電力を直流から交流に変換して出力するものであり、入力側の開閉器301と逆流防止ダイオード302を介して太陽電池アレイ100に接続されると共に、出力側の開閉器303を介して外部系統電源400に接続され、入力される直流電力を平滑する平滑用コンデンサC1と、入力される直流電力を昇圧する昇圧回路310と、直列接続されている2個の電圧分割用コンデンサC2、C3と、昇圧された電力を直流から交流に変換して出力するインバータ320と、駆動動作を制御する駆動制御部330、駆動制御部330の動作用の電源を供給する第1電源供給部340及び第2電源供給部350を備える。
【0055】
昇圧回路310は、昇圧用インダクタLと、ダイオードDと、環流ダイオードD1が逆並列に接続されているスイッチング素子S1を有し、スイッチング素子S1が昇圧型インダクタLとダイオードDとの間に接続されている。更に、昇圧回路310には、太陽電池アレイ100からの直流電力の入力側に補助コンデンサC4が並列に接続されており、太陽電池アレイ100から入力される電力を補助コンデンサC4に一時的に蓄え、大きな電力が必要になるパワーコンディショナー300の起動時に、昇圧回路310で必要な電力を太陽電池アレイ100からの電力と補助コンデンサC4に蓄えられた補助電力の双方で供給し、より少ない発電量の場合にもパワーコンディショナー300の起動を補助コンデンサC4に蓄えられた電荷で補助することが可能である。
【0056】
インバータ320は、三相線間電圧制御型でハーフブリッジ型であり、環流ダイオードD2〜D5が逆並列にそれぞれ接続されているスイッチング素子S2〜S5を4組有し、直列接続されるスイッチング素子S2、S3と直列接続されるスイッチング素子S4、S5が並列に接続されている。直列接続のスイッチング素子S2、S3の中点と、直列接続のスイッチング素子S4、S5の中点からは、それぞれ出力(U相、W相)が取り出されると共に、電圧分割用コンデンサC2、C3の中点から接地相(V相)が取り出されている。
【0057】
駆動制御部330は、演算処理部や記憶部等を有するマイクロコンピュータで構成され、記憶部に設定されている制御プログラムに従い、昇圧回路310のスイッチング素子S1のオン/オフ制御や、インバータ320のスイッチング素子S2〜S5のオン/オフ制御等のパワーコンディショナー300の全体の制御を行う。尚、パワーコンディショナー300には、例えば太陽電池アレイ100が発電している直流電力の出力電圧を検出する電圧検出器、太陽電池アレイ100の出力電流を検出する電流検出器、電圧分割用コンデンサC2、C3による直流リンク電圧を検出する電圧検出器、インバータ320の出力交流電流を検出する電流検出器、外部系統電源400の三相線間電圧を検出する電圧検出器(図示省略)等が適宜設けられ、これらの検出信号が駆動制御部330に取り込まれ、駆動制御部330が所定の制御動作を行うようになっている。
【0058】
そして、昇圧回路310の入力側に相当する平滑用コンデンサC1の両側から分岐して第1電源供給部340に太陽電池アレイ100の直流電力が入力可能になっており、駆動制御部330の制御によって開閉器304が開閉され、開閉器304が閉じた状態で第1電源供給部340に太陽電池アレイ100の直流電力が入力される。第1電源供給部340は、入力された太陽電池アレイ100の直流電力を降圧等して調整し、駆動制御部330に供給する。
【0059】
また、外部系統電源400と接続する出力側の開閉器303とインバータ320との間においてW相とV相の電線401から分岐して、第2電源供給部350に外部系統電源400の交流電力やインバータ320から出力される交流電力が入力可能になっており、駆動制御部330の制御によって開閉器305が開閉され、開閉器305が閉じた状態で第2電源供給部350に交流電力が入力される。第2電源供給部350は、入力された太陽電池アレイ100の交流電力を降圧、AC/DC変換等して調整し、駆動制御部330に直流電力として供給する。
【0060】
駆動制御部330は、太陽電池アレイ100は通常の発電を行っている場合には、開閉器304を閉じて第1電源供給部340により太陽電池アレイ100の発電した直流電力の一部を制御電源として供給を受け、例えば検出する直流リンク電圧或いは検出する太陽電池アレイ100の出力電圧等或いはこれらの値からの算出値等を、その記憶部に記憶されている閾値或いは外部系統電源400の電圧等或いはその算出値等と対比し、太陽電池アレイ100の直流リンク電圧が閾値未満の場合など所定条件を充足した場合に、開閉器304をオフ、開閉器305をオンにして、第2電源供給部350によりインバータ320の出力側から取り出される電力、即ち外部系統電源400の交流電力或いはインバータ320から出力される交流電力の一部を制御電源として供給を受けるようになっており、換言すれば第1の制御電源と第2の制御電源が所定条件に応じて選択して駆動制御部330に供給される。
【0061】
駆動制御部330が第2電源供給部350から制御電源の供給を受けている場合、第1電源供給部340から駆動制御部330に供給されていた太陽電池アレイ100の直流電力の一部が、パワーコンディショナー300で自己消費されずに昇圧回路310に入力され、直流リンク電圧の昇圧に寄与し、太陽電池アレイ100の発電している直流電力の外部系統電源400への逆潮流の状態を維持或いは回復することが可能となる。従って、例えば早朝、夕方、曇天時など、太陽電池アレイ100の発電量が少ない場合にも、パワーコンディショナー300の運転が可能となり、このときの発電電力を有効活用することができる。尚、太陽電池アレイ100の直流リンク電圧が閾値以上の場合など所定条件を充足した場合には、開閉器304をオン、開閉器305をオフにして、第2電源供給部350から第1電源供給部350に駆動制御部330への制御電源の供給元を切り替えるようにする。
【0062】
本例のパワーコンディショナー300を備える太陽光発電装置200は、補助コンデンサC4により、パワーコンディショナー300の起動時に必要な大きな電力を、その際の太陽電池モジュール10或いは太陽電池アレイ100の発電と補助コンデンサC4に蓄えられた電荷の双方から得ることができ、発電量が少ない場合にもパワーコンディショナー300を起動、運転し、太陽光発電による利用可能な電力を一層増加することができる。また、太陽電池モジュール10或いは太陽電池アレイ100の発電する直流電力、パワーコンディショナー300から出力される交流電力、外部系統電源400から供給される交流電力を適切に調整して利用し、パワーコンディショナー300をより持続的に運転することが可能となり、太陽光発電による利用可能な電力をより一層増加することができる。
【0063】
〔第1、第2実施形態における異常検出装置の例〕
次に、第1、第2実施形態の太陽光発電装置200における異常検出装置500の例について説明する。
【0064】
本例の異常検出装置500は、上記取付構造で取り付けられる複数の太陽電池モジュール10に設けられるものであり、異常検出装置500は、図8に示すように、異常検出部510と、分岐線520と、告知部に相当する異常表示部530とから構成される。図8の例では、接続線50で直列接続されている4個の太陽電池モジュール10a〜10dに対して、この異常検出装置500が1個設けられている。異常表示部530は、各太陽電池モジュール10a〜10dにそれぞれ対応する異常表示灯531を有し、異常表示灯531のいずれか或いは複数が点灯或いは点滅することで、対応する太陽電池モジュール10a〜10dのいずれか或いは複数の異常を告知するようになっている。
【0065】
分岐線520は、直列接続の太陽電池モジュール10a〜10dの一端に相当する太陽電池モジュール10aの一端に接続されている接続線50と、太陽電池モジュール10a、10bを相互に接続する接続線50と、太陽電池モジュール10b、10cを相互に接続する接続線50と、太陽電池モジュール10c、10dを相互に接続する接続線50と、直列接続の太陽電池モジュール10a〜10dの他端に相当する太陽電池モジュール10dの他端に接続されている接続線50にそれぞれ接続されており、各分岐線520は、各々の接続線50と異常検出部510を接続している。各々の接続線50の電圧V1、V2、V3、V4、V5は、分岐線520を介して異常検出部510に取り込まれる。
【0066】
異常検出部510は、図9に示すように、電圧取得部511と、電圧比較部512と、異常判定部513と、表示制御部514を有する。電圧取得部511、電圧比較部512、異常判定部513、表示制御部514の各々は、CPUなど演算処理部、記憶部等で構成され、その記憶部には、所定記憶領域に制御プログラムや処理で用いる所定データが記憶され、各部は制御プログラムに従って所定動作を行う。
【0067】
電圧取得部511は、分岐線520から入力される各々の接続線50の電圧V1、V2、V3、V4、V5から、太陽電池モジュール10aの発電電圧Va=V2−V1、太陽電池モジュール10bの発電電圧Vb=V3−V2、太陽電池モジュール10cの発電電圧Vc=V4−V3、太陽電池モジュール10dの発電電圧Vd=V5−V4をそれぞれ算出して取得する。
【0068】
電圧比較部512は、一の太陽電池モジュール10の発電電圧と他の太陽電池モジュール10の発電電圧との相対的な比較値が許容範囲内であるか否かを判定するための比較式と、その比較式で用いられる設定係数若しくは設定値を記憶部に記憶しており、この比較式と設定係数を用いて、数ミリ秒〜1秒毎など適宜のタイミング等で、一の太陽電池モジュール10の発電電圧と他の太陽電池モジュール10の発電電圧を比較し、その比較値が許容範囲外であるか否かを判定する。
【0069】
この比較式は、例えば一の太陽電池モジュール10の発電電圧をVm、他の太陽電池モジュール10の発電電圧をVn、設定係数をαとする場合に、α・Vm−Vn>0、α・Vn−Vm>0とし、このいずれかの場合に許容範囲外として判定することが可能である。これは2つの太陽電池モジュール10・10の発電電圧の一方が他方の発電電圧のαで示される一定割合(例えば50%の場合には0.5)未満となった場合に、発電電圧の低い方の太陽電池モジュール10の発電電圧低下による異常を検出するための比較式である。
【0070】
また、別の比較式として、例えば一の太陽電池モジュール10の発電電圧をVm、他の太陽電池モジュール10の発電電圧をVn、設定値βをとする場合に、Vm−Vn>β、Vn−Vm>βとし、このいずれかの場合に許容範囲外として判定することが可能である。これは2つの太陽電池モジュール10・10の発電電圧の差がβで示される設定値(閾値)を超える場合に、発電電圧の低い方の太陽電池モジュール10の発電電圧低下による異常を検出するための比較式である。
【0071】
尚、発電電圧を相互比較する太陽電池モジュール10は、例えば図示例の太陽電池モジュール10a・10b相互、太陽電池モジュール10c・10c相互、太陽電池モジュール10c・10d相互のように隣接する太陽電池モジュール10とすると、より環境条件の近い太陽電池モジュール10・10相互を比較することができて好ましいが、例えば太陽電池モジュール10a・10c相互、太陽電池モジュール10b・10d相互等のように相互比較して異常検出することも可能である。
【0072】
異常判定部513は、電圧比較部512における一の太陽電池モジュール10の発電電圧と他の太陽電池モジュール10の発電電圧との比較値が許容範囲外であるとの判定に応じて、発電電圧の低い方の太陽電池モジュール10の情報を有するその状態を示すデータを記憶部に一時的に記憶すると共に、記憶部に別途記憶されている設定継続時間を用いて、一の太陽電池モジュール10の発電電圧と他の太陽電池モジュール10の発電電圧との比較値が許容範囲外である状態が設定継続時間を超えて継続しているか否かを判定し、設定継続時間を超えて継続していると判定した場合には発電電圧の低い方の太陽電池モジュール10を異常と判定する。
【0073】
表示制御部514は、異常判定部513の異常判定に応じて、その状態における発電電圧の低い方の太陽電池モジュール10に対応する異常表示灯531の点灯或いは点滅制御を行い、異常表示部530の異常表示灯531が、異常が判定された太陽電池モジュール10の異常を外部に告知する。
【0074】
そして、本例の異常検出装置500における異常検出処理では、図10に示すように、電圧取得部511で太陽電池モジュール10a〜10dの発電電圧Va〜Vdを算出して取得し(S101)、電圧比較部512で太陽電池モジュール10a・10b相互、太陽電池モジュール10b・10c相互、太陽電池モジュール10c・10d相互の発電電圧をそれぞれ比較し、その比較値が許容範囲外であるか否かを判定する(S102)。異常判定部513は、許容範囲外であるとの判定に応じて、その許容範囲外である状態が設定継続時間を超えて継続しているか否かを判定し(S103)、設定継続時間を超えて継続していると判定した場合には、その状態における発電電圧の低い方の太陽電池モジュール10を異常と判定する(S104)。表示制御部514は、異常が判定された太陽電池モジュール10に対応する異常表示灯531を点灯或いは点滅して異常を外部に告知する(S105)。
【0075】
本例の異常検出装置500を備える太陽光発電装置200は、一の太陽電池モジュール10と他の太陽電池モジュール10の発電電圧を相対的に比較して異常を検出することにより、一時的に日陰になった場合など太陽電池モジュール10に対する太陽光が一時的に不足した場合に誤って異常検出することを回避することができ、現に異常が発生している太陽電池モジュール10の異常を検出することができる。また、太陽電池モジュール10が発電していない異常に加え、太陽電池モジュール10の発電電圧が低下している異常も異常として検出することができる。更に、異常の太陽電池モジュール10が太陽光発電に及ぼす影響の早期且つ確実な是正が可能となり、太陽光発電による利用可能な電力の増加に資する。また、上記異常検出装置500は、複数の太陽電池モジュール10に対して1個設ければ済むので、異常検出装置の設置スペースの削減、コスト低減を図ることができる。
【0076】
〔実施形態の変形例等〕
本明細書開示の発明は、各発明、実施形態、各例の構成の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを含むものである。
【0077】
例えば上記実施形態の上側保持部20,20a、下側保持部30、30aは例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜の構成とすることが可能である。また、場所等によって、本発明の太陽電池モジュールの取付構造でない太陽電池モジュールを一部に含むものも、本発明の太陽光発電装置に含まれる。また、本発明におけるパワーコンディショナーは、本発明の太陽電池モジュールの取付構造でない取付構造や太陽電池モジュールによる太陽光発電装置の場合にも適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、遮音壁に太陽電池モジュールを取り付けて太陽光発電を行う場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0079】
10、10a、10b、10c、10d…太陽電池モジュール 11…太陽電池セル 12…受光面 13…非受光領域 20…上側保持部 21…基体 211…垂直面 212…傾斜面 22…保持片 23…凹部 24…取付板 20a…上側保持部 21a…基板 22a、24a…保持片 23a…取付板 30…下側保持部 31…基体 311…垂直面 312…傾斜面 32…保持片 33…凹部 34…取付板 30a…下側保持部 31a…基板 32a、34a…保持片 33a…取付板 41…ボルト 42…ナット 43…連結部材 100…太陽電池アレイ 200…太陽光発電装置 300…パワーコンディショナー 301、303、304、305…開閉器 302…逆流防止ダイオード 310…昇圧回路 320…インバータ 330…駆動制御部 340…第1電源供給部 350…第2電源供給部 C1…平滑用コンデンサ C2、C3…電圧分割用コンデンサ C4…補助コンデンサ L…昇圧用インダクタ D…ダイオード D1、D2、D3、D4、D5…環流ダイオード S1、S2、S3、S4、S5…スイッチング素子400…外部系統電源 401…電線 500…異常検出装置 510…異常検出部 511…電圧取得部 512…電圧比較部 513…異常判定部 514…表示制御部 50…接続線 520…分岐線 530…異常表示部 531…異常表示灯 600…遮音壁 L1、L2、L3…太陽光 H…水平線 S…日陰領域
図1
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図10