特許第6017258号(P6017258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017258
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年10月26日
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/00 20060101AFI20161013BHJP
   D06F 39/12 20060101ALI20161013BHJP
【FI】
   D06F39/00 F
   D06F39/12 B
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-226944(P2012-226944)
(22)【出願日】2012年10月12日
(65)【公開番号】特開2014-76243(P2014-76243A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】臼井 良典
(72)【発明者】
【氏名】荒川 敏雄
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−075697(JP,A)
【文献】 実開昭63−048593(JP,U)
【文献】 特開2011−136221(JP,A)
【文献】 特開2005−168995(JP,A)
【文献】 実開昭51−024057(JP,U)
【文献】 特開平03−158194(JP,A)
【文献】 特開2010−069026(JP,A)
【文献】 特開平07−039672(JP,A)
【文献】 特開2007−159713(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0199246(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/00
D06F 39/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筐と、
この外筐の内部に縦軸状に配設された水槽と、
この水槽の上方に位置して前記外筐の上部に具えられたトップカバーと、
このトップカバーの前部に設けられた操作パネルと、
この操作パネルに具えられた操作ダイヤルと、
この操作ダイヤルの裏側に位置して、該操作ダイヤルの回転操作に応動する操作応動部品とを具備し、
前記操作ダイヤルを、前記水槽の、静止状態における垂直上方の外形範囲より外方に位置させて設け
前記操作応動部品の更に裏側に、該操作応動部品に導通するリード線の、水槽からの保護に供する突起部材を有することを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
操作ダイヤルが、トップカバーの前部の左右中央部より右側に位置することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
操作パネルには、操作ダイヤルの回転操作に応じて所定の表示をする表示装置が、左右の中央部をトップカバーの前部の左右中央部より左側に位置して具えられ、この表示装置の右側に操作ダイヤルが位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の洗濯機。
【請求項4】
操作パネルには、操作ダイヤルの回転操作に応じて所定の表示をする表示装置が具えられ、この表示装置のうちの、前記操作ダイヤルの回転操作で選択される運転コースを表示する表示部が、操作ダイヤル側に配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の洗濯機。
【請求項5】
操作パネルには、操作ダイヤルの回転操作に応じて所定の表示をする表示装置が具えられ、この表示装置の前後幅の内に操作ダイヤルの前後の中央部が位置することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の洗濯機。
【請求項6】
操作パネルが、トップカバーの上面より角度を起立させて設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、洗濯機においては、いわゆる縦軸形の洗濯機が供されている。この縦軸形の洗濯機は、外筐の内部に、水槽が縦軸状に配設されたもので、すなわち、水槽の軸心が上下方向を指向するように設けられているものである。
そして、この縦軸形の洗濯機においては、水槽の上方に位置して外筐の上部にトップカバーが具えられ、このトップカバーの前部に操作パネルが設けられている。操作パネルには複数の操作キーが具えられており、運転コースの選択や運転時間の選択等の操作をする折りには、相当する操作キーをそれぞれ複数回押すことで、それらの選択や決定が行われるようになっている(例えば特許文献1、図9、段落「0003」参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−300076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように、運転コースの選択や運転時間の選択等をするのに、相当する操作キーをそれぞれ複数回押す必要のある従来の縦軸形の洗濯機においては、操作が煩わしいという問題点を有していた。
【0005】
そこで、操作性の良い洗濯機を提供し、併せて、そのものにおける特有の問題点をも解決できる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の洗濯機は、外筐と、この外筐の内部に縦軸状に配設された水槽と、この水槽の上方に位置して前記外筐の上部に具えられたトップカバーと、このトップカバーの前部に設けられた操作パネルと、この操作パネルに具えられた操作ダイヤルと、この操作ダイヤルの裏側に位置して、該操作ダイヤルの回転操作に応動する操作応動部品とを具備し、前記操作ダイヤルを、前記水槽の、静止状態における垂直上方の外形範囲より外方に位置させて設け、前記操作応動部品の更に裏側に、該操作応動部品に導通するリード線の、水槽からの保護に供する突起部材を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態を示す洗濯機全体の平面図
図2】操作パネルの概略的平面図
図3】トップカバーの側面図
図4】洗濯機全体の縦断側面図
図5】操作パネル部分の平面図
図6図5のVI−VI線に沿う操作ダイヤル及び操作ボタン部分の縦断側面図
図7】操作ダイヤル及び操作ボタン部分の、下方からの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態につき、図面を参照して説明する。
まず図4には、縦軸形の洗濯機(洗濯乾燥機)の全体構造を示しており、外筐1の内部に、水槽2を、弾性支持機構3により弾性支持して配設している。弾性支持機構3は、複数本(1本のみ図示)の吊り棒3aと、この吊り棒3aにそれぞれ装設したスプリング3bを主体とするもので、水槽2を軸心が上下方向を指向する縦軸状態で揺動可能に弾性支持している。
【0009】
水槽2の内部には、洗濯槽であり、脱水槽でもあって、更に乾燥室を構成する回転槽4を、水槽2と同心の縦軸状態で配設している。この回転槽4の周側部には脱水兼通風用の孔5と凸部6とを多数形成しており、上縁部に回転バランサ7を装着している。
回転槽4の内部には、底部に撹拌体8を同心状に配設している。これに対して、水槽2の底部から下方には、駆動装置9を配設している。駆動装置9は、詳しくは図示しないが、モータを駆動源とするもので、上記回転槽4と撹拌体8とを直接的且つ選択的に回転させるようになっている。このほか、水槽2の底部から下方には、水槽2内の水を排出するための電動の排水弁10や排水ホース11を配設している。
【0010】
一方、水槽2の上端部には、内蓋12を有する覆い板13を装着しており、この覆い板13の後部に給風口14を形成すると共に、該給風口14の下方に位置して前方に向かい漸降する導風板15を取付けている。又、覆い板13の後部上には、前方に開口する排気ダクト16を設けており、この排気ダクト16に、水槽2の下部から水槽2の後側部にかけて設けた導風ダクト17を接続している。
【0011】
そして、外筐1の上部、特に最上部には、トップカバー18を被着している。このトップカバー18は、中央部に洗濯物出入口19を有するもので、その洗濯物出入口19を前後二つ折りの蓋20で開閉するようにしている。蓋20は通気性を有している。
又、トップカバー18の後部には、乾燥ユニット室21を形成する隆起部18aを設けており、乾燥ユニット室21には、ケーシング22と、送風ファン23、及びヒータ24から成る乾燥ユニット25を配設している。乾燥ユニット25は、送風ファン23で後方の機外から空気を吸引して吐出し、その吐出した空気をヒータ24で加熱して温風化するようになっている。
【0012】
上記乾燥ユニット25の温風出口部は、接続ダクト26を介して、前記覆い板13の給風口14に接続しており、従って、乾燥ユニット25から吐出される温風は、接続ダクト26を介して覆い板13の給風口14から水槽2内に供給され、導風板15で前下方にガイドされて回転槽4内に供給され、回転槽4の孔5から出されて、導風ダクト17を通り、排気ダクト16から前方に排出され、更に蓋20を通って機外に排出されるようになっている。乾燥時、回転槽4内に存する洗濯物は、このような温風の通りにより乾燥される。
【0013】
さて、トップカバー18の前部には、操作パネル27を設けている。この操作パネル27は、詳細には図5に示すように、表示装置28を有している。この表示装置28は、この場合、液晶ディスプレイから成っている。そして、操作パネル27は、表示装置28の左側に操作キー29,29を有し、前側(図5では下側)に操作キー29,29,29,296,29,29を有し、右側に操作キー29,2910を有していて、更にその右側に回転操作子である操作ダイヤル30を有している。又、操作ダイヤル30の右側には操作キー2911,2912,2913を有していて、更にその右側に操作キー2914,2915を有している。
【0014】
そのうち、操作キー29は水流強度設定用、操作キー29は水位設定用、操作キー29は洗い行程設定用、操作キー29はすすぎ行程設定用、操作キー29は脱水行程設定用操作キー29は乾燥行程設定用、操作キー29は予約設定用、操作キー29は風呂水ポンプ設定用であり、操作キー29はすすぎ1回洗剤用、操作キー2910は消臭除菌設定用である。
操作ダイヤル30は、上面の周囲部の一箇所に指の腹の部分をかけて回転操作することにより回転されるもので、運転コースや行程の時間及び行程の回数設定用であり、中央部にスタート/一時停止用の押圧操作子である操作ボタン31を有している。
【0015】
操作キー2911は洗濯コース選択用であり、操作キー2912は洗濯・乾燥コース選択用、操作キー2913は乾燥コース選択用、操作キー2914は電源オフ用、操作キー2915は電源オン用である。
このほか、操作パネル27は、操作キー29の後側(図5では上側)に複数の水流強度発光表示部32を有し、操作キー29の後側に複数の水位発光表示部33を有している。
【0016】
ここで、図1は、上記操作パネル27と前記水槽2との位置関係を示しており、この図1で明らかなように、操作パネル27は、一部(後側の中央部)を除いて、水槽2の、静止状態における垂直上方の外形範囲(図に斜線で示す)Sより外方に位置させて設けており、従って、この操作パネル27中の右側寄りの部分に位置する操作ダイヤル30も、水槽2の、静止状態における垂直上方の外形範囲Sより外方に位置させて設けている。
【0017】
図2は、前記トップカバー18における各部の位置関係を示しており、この図2で明らかなように、操作ダイヤル30は、トップカバー18の中心線Oで示す前部の左右中央部より右側に位置している。又、表示装置28は、中心線Oで示す左右の中央部がトップカバー18の前部の左右中央部(中心線O)より左側に位置し、この表示装置28の右側に操作ダイヤル30が位置している。
【0018】
図2は、操作パネル27における各部の位置関係をも示しており、表示装置28は、操作ダイヤル30の回転操作に応じて所定の表示をするもので、この場合、運転コースや行程の時間及び行程の回数を表示するものであり(図5は便宜的にすべての表示状態を表している)、そのうちの、前記操作ダイヤル30の回転操作で選択される運転コースを表示する表示部28aを、操作ダイヤル30側に配置している。又、表示装置28の前後幅Wの内に、中心線Oで示す操作ダイヤル30の前後の中央部が位置している。
【0019】
図3は、トップカバー18の上面から操作パネル27にかけての角度を側方より見て示しており、この図3で明らかなように、操作パネル27はトップカバー18の上面より角度を起立させて設けている。具体的には、操作パネル27の角度αは、20〜40°に定めている。
【0020】
図6は、操作パネル27における操作ダイヤル30及び操作ボタン31からその裏側の部分を縦断側視して示しており、操作ダイヤル30及び操作ボタン31は、上面が操作パネル27の上面から少し突出するもので、要するに、操作パネル27の上面とほゞ面一に位置する平坦なものとなっており、裏側(操作パネル27内)に、ロータリーエンコーダ34とタクトスイッチ35とが位置している。このうち、ロータリーエンコーダ34は、操作ダイヤル30の回転操作に応動する操作応動部品たるものであり、タクトスイッチ35は、操作ボタン31の押圧操作に応動する操作応動部品たるものである。
【0021】
上記ロータリーエンコーダ34及びタクトスイッチ35の更に裏側には、基板収容ケース36を操作パネル27に例えばねじ止め(図示省略)して配設している。基板収容ケース36は、全体的には図示しないが、操作パネル27のほゞ全域にわたる大きさのものであり、上記ロータリーエンコーダ34及びタクトスイッチ35の裏側部分に、囲い部37を有している。囲い部37は、ロータリーエンコーダ34及びタクトスイッチ35部分の周囲と下方とを囲うものであり、操作パネル27側の上部を開放している。
【0022】
基板収容ケース36の囲い部37外の部分には、図示しない第1の回路基板を収容して固着しており、囲い部37内に第2の回路基板38を収容して固着している。前記ロータリーエンコーダ34及びタクトスイッチ35は、第2の回路基板38上に実装したもので、詳細には、タクトスイッチ35を中央部に配置し、その周囲部にロータリーエンコーダ34を配置している。従って、ロータリーエンコーダ34は、タクトスイッチ35を囲う環状を成しており、固定部34aと回転部34bとを有していて、そのうちの固定部34aを第2の回路基板38に実装し、その上方に回転部34bを位置させている。
【0023】
ロータリーエンコーダ34の周囲には、回転伝達部材39を、係合爪39aにより回転部34bと一体に回転するように装着している。回転伝達部材39は、上記ロータリーエンコーダ34の回転部34bの外周面に近接する軸筒部39bの外方に笠状の覆い部39cを有して、更にその覆い部39cの外方に周側壁部39dを有するものであり、周側壁部39dの上部に複数の係合孔39eを形成している。
【0024】
これに対して、前記操作ダイヤル30の下縁部には複数の係合爪30aを形成しており、この係合爪30aを上記回転伝達部材39の係合孔39eに係合させることにより、操作ダイヤル30と回転伝達部材39とを一体に回転するように連結している。従って、操作ダイヤル30を回転操作すれば、その回転が回転伝達部材39を介してロータリーエンコーダ34の回転部34bに伝達され、該回転部34bが回転するようになっている。
【0025】
又、操作ボタン31の裏面には、連結部材40を固着しており、この連結部材40の中間筒部40aには、下縁部に複数の係合爪40bを形成している。そして又、連結部材40の中間筒部40a内には、それより径小な押圧部材41を位置させ、これの外筒部41aのつば部41bに形成した複数の係合孔41cに上記連結部材40の係合爪40bを係合させることにより、連結部材40と押圧部材41とを一体化している。
【0026】
更に、押圧部材41の中央部41dには、上端部に連結部材40の中央部40cの下端部を当接させ、他方、押圧部材41の中央部41dの下端部を前記タクトスイッチ35に当接させている。これにより、操作ボタン31を押圧操作すれば、その押圧が押圧部材41を介してタクトスイッチ35に伝達され、該タクトスイッチ35が押圧操作されるようになっている。
【0027】
以上の構成により、操作ダイヤル30及び操作ボタン31の裏側の部分は、厚み(奥行)が大きくなっているものであり、この厚みの大きな部分を裏側に伴う操作ダイヤル30及び操作ボタン31を、既述のように、水槽2の、静止状態における垂直上方の外形範囲Sより外方に位置させて設けているのである。
【0028】
そして更に、基板収容ケース36には、囲い部37の底部に第1の排水口を兼ねる第1のリード線通し孔42を形成すると共に、囲い部37外の底部に第2の排水口43を形成しており、そのうちの第1のリード線通し孔42にリード線44を通している。このリード線44は、前記ロータリーエンコーダ34及びタクトスイッチ35に導通して、それらロータリーエンコーダ34及びタクトスイッチ35を実装した第2の回路基板38と図示しない前記第1の回路基板とを電気接続するもので、第2の回路基板38を基準とすれば、該第2の回路基板38から導出されて上記第1のリード線通し孔42を通し、その後、図7に示すように、基板収容ケース36の底部(囲い部37の底部)外下面を前記洗濯物出入口19側に這わせて、基板収容ケース36の底部に別途形成した第2のリード線通し孔45を通し、第1の回路基板上に出して、該第1の回路基板に接続している。
【0029】
このようなリード線44に対して、前記ロータリーエンコーダ34及びタクトスイッチ35の更に裏側である基板収容ケース36の底部外下面には、突起部材46を設けている。この突起部材46は、図6に示すように、基板収容ケース36の底部外下面から前記水槽2側の下方に突出したリブであり、下方から見れば、図7に示すように、全体にコ字形を成していて、その全体の基板収容ケース36からの突出寸法は、リード線44の、基板収容ケース36の底部外下面を這わせた部分44aよりも水槽2側に大きく突出する寸法であり、それによって、リード線44の、水槽2からの保護に供するようになっている。
【0030】
なお、リード線44の、基板収容ケース36の底部外下面を這わせた部分44aは、上記突起部材46外を迂回させて配線している。
又、第1の回路基板には、前記操作キー29〜2915の各押圧操作に応動するスイッチや発光表示素子(いずれも図示せず)を実装配設している。
【0031】
さて、上述のように構成した本実施形態において、操作ダイヤル30については、該操作ダイヤル30を回転操作すれば、その回転が回転伝達部材39を介しロータリーエンコーダ34の回転部34bに伝達されて、該回転部34bが回転することは既述のとおりであり、洗濯コース選択用操作キー2911、洗濯・乾燥コース選択用操作キー2912、乾燥コース選択用操作キー2913、のいずれかの押圧操作に加えて、その操作ダイヤル30の回転操作を行えば、それによって、表示装置28に実行する各運転コースが表示部28aで順次表示される。
【0032】
又、洗い行程選択用操作キー29、脱水行程設定用操作キー295、乾燥行程設定用操作キー29、のいずれかの押圧操作に加えて、操作ダイヤル30の回転操作を行えば、それによって、表示装置28に各行程の実行時間が表示され、すすぎ行程設定用操作キー29の押圧操作に加えて、操作ダイヤル30の回転操作を行えば、それによって、表示装置28にすすき行程の実行回数が表示され、予約設定用操作キー29の押圧操作に加えて、操作ダイヤル30の回転操作を行えば、それによって、表示装置28に運転の予約時間が表示される。
【0033】
そして、操作ボタン31については、該操作ボタン31を押圧操作すれば、その押圧が押圧部材41を介しタクトスイッチ35に伝達されて、該タクトスイッチ35が押圧操作されることも既述のとおりであり、上述の各種選択又は設定操作並びに表示後、操作ボタン31の押圧操作を行えば、選択表示又は設定表示した内容の運転が実行される。又、その運転の実行中に、操作ボタン31の押圧操作を行えば、運転が一時停止され、更に、その一時停止中に操作ボタン31の押圧操作を行えば、一時停止した運転が再開される。
【0034】
このように、本実施形態においては、操作ダイヤル30を回転操作することで、運転コースの選択や運転時間の選択等ができるもので、従来のもののような、各選択用の操作キーをそれぞれ複数回押す煩わしさがなく、操作性を良くすることができる。
【0035】
但し、操作ダイヤル30は、裏側に、回転伝達部材39や、操作ダイヤル30の回転操作に応動する操作応動部品であるロータリーエンコーダ34、第2の回路基板38、基盤収容ケース36を有するものであり、操作ダイヤル30の中央部に操作ボタン31を有するものでは、更に連結部材40や、押圧部材41、タクトスイッチ35をも有するもので、要するに、前述のように、それら裏側に位置する部品群のために厚みが大きくなる事情にある。
【0036】
一方で、操作ダイヤル30及び操作ボタン31を、操作パネル27の上面より上方に突出させて設けると、例えば洗濯物を洗濯物出入口19を通じて出し入れする際に、それら操作ダイヤル30及び操作ボタン31に洗濯物が引っ掛かって破損されることがあり、特に濡れた洗濯物を回転槽4内から取出す際にそのようなことを起こしやすい。これは、洗濯機としての使用上の信頼性を損ねるものであり、又、操作ダイヤル30及び操作ボタン31を操作パネル27の上面より上方に突出させて設けたものは、美観の点でも好ましくない。
【0037】
よって、操作ダイヤル30及び操作ボタン31は、前述のように、上面が操作パネル27の上面とほゞ面一に位置するように設けるのが好ましい。但し、この場合、操作ダイヤル30及び操作ボタン31の裏側に位置する部品群は操作パネル27内に没して水槽2に近づくことになる。
それに対して、水槽2は洗濯時や脱水時あるいは乾燥時に縦横に揺れるものであり、その揺れによって、上述のように操作ダイヤル30が裏側に位置する部品群のために厚みが大きくなる事情にあるものでは、水槽2が操作ダイヤル30の裏側に位置する部品群に当たるのが心配されるところであり、当たれば故障の発生を惹起する。
【0038】
その点、本実施形態においては、操作ダイヤル30を、水槽2の、静止状態における垂直上方の外形範囲Sより外方に位置させて設けている。これにより、上述のように操作ダイヤル30が裏側に位置する部品群のために厚みが大きくなる事情にあっても、水槽2が操作ダイヤル30の裏側に位置する部品群に当たるのを回避することができ、故障の発生をなくすことができる。
このようにして、本実施形態においては、操作性の良い洗濯機を提供でき、併せて、そのものにおける、操作ダイヤル30の裏側に位置する部品群に水槽2が当たるのが心配される、という特有の問題点をも解決できる洗濯機を提供できるのである。
【0039】
又、本実施形態においては、上記ロータリーエンコーダ34の更に裏側に、該ロータリーエンコーダ34に導通するリード線44の、水槽2からの保護に供する突起部材46を有している。これにより、水槽2が揺れたときにリード線44に当たるのを突起部材46で阻止できるので、水槽2からのリード線44の保護ができて、故障の発生を更になくすことができる。
更に、本実施形態においては、操作ダイヤル30を、トップカバー18の前部の左右中央部より右側に位置させている。これにより、利き腕に右利きと左利きとがあるうちの、多数派である右利きの使用者に操作しやすくすることができる。
【0040】
加えて、本実施形態においては、操作パネル27には、操作ダイヤル30の回転操作に応じて所定の表示をする表示装置28が、左右の中央部をトップカバー18の前部の左右中央部より左側に位置して具えられ、この表示装置28の右側に操作ダイヤル30を位置させている。これにより、操作パネル27の表示装置28の右側にスペースを確保できて、そこに操作ダイヤル30を難なく配置することができる。又、この場合も、表示装置28の右側に操作ダイヤル30が位置することにより、多数派の右利きの使用者に操作しやすくすることができる。
【0041】
そして、表示装置28のうちの、操作ダイヤル30の回転操作で選択される運転コースを表示する表示部28aを、操作ダイヤル30側に配置している。これにより、表示装置28の表示部28aと、その表示部28aにおける表示に関しての操作をする操作ダイヤル30とが互いに近接することにより、操作時の視認性を良くできて、使用者に操作しやすくすることができる。
【0042】
又、この場合、表示部28aと操作ダイヤル30とが互いに近接しても、表示部28aが操作ダイヤル30の左側に位置することにより、使用者の右手による操作ダイヤル30の操作時に、表示部28aがその右手で見えにくくなることがなく、操作時の視認性を更に良くできて、使用者に一層操作しやすくすることができる。
【0043】
更に、本実施形態においては、表示装置28の前後幅Wの内に操作ダイヤル30の前後の中央部が位置するようにしている。これにより、表示装置28と操作ダイヤル30との前後方向のずれを少なくできて、それらの総合前後幅を小さくできることから、その分、トップカバー18における洗濯物出入口19を大きく形成できて、洗濯物の出し入れ性を良くすることができる。
【0044】
このほか、本実施形態においては、操作パネル27を、トップカバー18の上面より角度を起立させて設けている。これにより、操作パネル27を見やすくできて、視認性並びに操作性を良くすることができると共に、トップカバー18の平面上における操作パネル27の占有面積を少なくできることから、上述同様に、洗濯物出入口19を大きく形成できて、洗濯物の出し入れ性を良くすることができる。
【0045】
以上説明した実施形態の洗濯機は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
図面中、1は外筐、2は水槽、18はトップカバー、27は操作パネル、28は表示装置、28aは運転コースを表示する表示部、30は操作ダイヤル、34はロータリーエンコーダ(操作応動部品)、44はリード線、46は突起部材、Sは水槽の静止状態における垂直上方の外形範囲、Wは表示装置の前後幅、αは操作パネルの角度を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7