(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
転写直前及び前記変調器ピクセルマップが生成される直前のうちのいずれか一方においてカスタムピクセルマップを提供するために、前記標準パターンデータ及び前記カスタムパターンデータに対する合成が再サンプリング中に行われる、請求項1に記載の方法。
受信、再サンプリング及び形成操作を1回以上行い、前記カスタム潜像を用いて前記基板上の層をパターニングし、前記パターニングされた層を用いて電子デバイスを形成することを更に含む、請求項1−9のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に図面を参照して詳細に説明する。好適な実施形態は、本発明を例示するために記載されるが、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではない。当業者であれば、以下の説明に基づいて、種々の、均等な変形が可能であることを理解するであろう。
【0013】
図4〜
図6に、標準データ及びカスタムデータを再サンプリングして合成し、直接描画装置により、合成されたデータを使用して潜像を基板上の少なくとも1層の放射感応層に形成することを示す。
【0014】
図4は、標準パターンデータ及びカスタムパターンデータを合成するデータフローを示すハイレベルブロック図である。合成・再サンプリングコンポーネント433は、2つのデータパス上の標準パターンデータ401とカスタムパターンデータ431を受信する。データパスは、単一のデータバスまたはメモリアクセスチャネル上にあるように、物理的に分離してもインターリーブされてもよい。「データパス」とは、データがどのように合成・再サンプリングコンポーネント433へ配信されるかを指す。データは、ベクトルデータまたはラスタデータに由来してもよく、回転型メモリまたは非回転型メモリに格納されてもよい。
【0015】
デザインデータ、一般的にベクトルデータセットは、製造のため共通ベクトル・フォーマットに変換される。ベクトル・ドメイン・ジオメトリ処理は、このフォーマットに適用される。そして、ベクトル・フォーマットを幾何学的ピクセルマップにレンダリングすることで、「標準パターンデータ」と呼ぶものが生成される。ピクセルドメインの画像処理が適用され、データは、転写用のため変調器に依存するフォーマットに再サンプリングされる。
【0016】
バッチ転写の場合では、多くの同一またはほぼ同一のパネルが生産される。同じ作業を複数回にやり直すことを避けるために、以前に生成されたデータを再使用することは有益である。しかし、画像フォーマットの変換過程における最終的な変調ピクセルマップは、撮像された特定のパネルに固有の補償を有するため、最終的な変調ピクセルマップを再使用することはできない。このような補償の例としては、整列情報と歪み補償とを含む。標準パターンデータは、複数のパネルにわたって汎用で再使用されてもよく、またはカスタマイズが適用されるベースデータであってよい。複数のパネルにわたって再使用するとは、幾何学的マップが一度生成され、次に同じマップがバッチ内の複数のパネルに再使用されることを意味する。こうすることで、計算量を低くするとともに、ハードウェア構成を幾何学的マップがパネルごとに再生成されなければならない場合に比べて小さくすることができる。実際の転写が実行されるかなり前に、幾何学的マップを製造することができる。実際に、複数の幾何学的マップを事前に準備しておき、後で使用するためにアーカイブすることができる。また、このような体系は、転写前にマップの検査を可能にする。
【0017】
標準パターンデータの再使用は、本質的にパネルを同一にする必要がある。これが一般的に望ましいことである。しかし、例えば、パッケージングを目的とする基板や、プログラミングを目的とするメモリ素子などのように、あるパネル、またはパネルの部品にとって個体性が望ましい使用状況がある。個体性の例としては、ユニットシリアル番号、製造バッチや時刻及び日付、製造基板又は他の製造データが含まれる。他のケースでは、ダイのエッジは、例えば大面積マスクにおいて、ダイのメインフィールドとは異なるパターンを必要とする。これらの目的ために、カスタムパターンデータの第2ピクセルマップを使用することができる。ここで開示するのは、例えば、潜像を形成するためにデータを使用している時に、カスタムパターンデータと標準パターンデータとを合成し再サンプリングすることである。
【0018】
合成処理を再サンプリングの前または後に、さまざまなタイミングで行うことができる。合成、再サンプリングの順序は、標準およびカスタムのパターンデータの性質に依存しているため、合成及び再サンプリングは、単一のコンポーネントで表され、単一の操作とみなされることができる。ある使用状況では、合成を再サンプリングする前に行うことで、処理を、時間がそれほど重要ではないオフラインで実行することができるようになる。次に、オンライン処理は、より時間決定的であるため、計算パワーを最適化にすることが可能になる。再サンプリング操作により一つの入力マップが一つの出力マップに変換されることで、再サンプリング操作が簡略化される。結合されたピクセルマップを、転写に先立って検査のためにアクセスすることができる。
【0019】
合成処理が再サンプリング中に実行されると、カスタムパターンデータのピクセルマップを、転写する直前に、変調ピクセルマップが生成される直前に、生成することができる。生産時期頃に生成された最近のカスタムパターンデータの一例としては、正確な生産時間でパターンに合成される。
【0020】
合成を、再サンプリングの後に実行する場合に、追加ピクセルマップを、既存の変調ピクセルマップに合成することがある。これは、データフローが、転写前に複数の変調ピクセルマップを合成することを必要とするように分割されるときには、有益である。
【0021】
合成時に、カスタムパターンデータをテストして特定の領域(フレームまたはタイル)において、カスタマイズが必要であるか否かを決定する。タイルは、変調器の要件に応じて配置された変調データの断片(pieces)である。タイルを、空間的な広がりを持つデータの塊として定義してもよい。カスタマイズなしの場合に、合成を完全にバイパスするか、または標準パターンデータのピクセル値を変更しない合成を行うかにより、合成を最適化することができる。カスタマイズなしの場合に、処理するカスタムパターンデータがほとんどない。
【0022】
ベースの幾何学的なピクセルマップ内の標準パターンデータと追加の幾何学的ピクセルマップ内のカスタムパターンデータとの合成は、全く異なるピクセルグリッドのマッチングのために行うことができる。
【0023】
まず、同一の整列されたピクセルグリッドを合成することができる。最も単純な形式では、合成を、グリッド及びタイルがマッチングする複数のピクセルマップ上で実行する。すなわち、ピクセル寸法とマップ配列は同じである。この場合、合成を、単純な合成操作で、再サンプリングの前に、ピクセル対ピクセルで行うことができる。以下に、他の合成操作を説明する。
【0024】
第二に、同一のオフセットされたピクセルグリッドを合成することができる。すなわち、複数のピクセルマップのグリッドは、同じピクセルサイズを持つが、一方のマップ内のピクセルが、他方のマップの中のピクセルに対応しないようにオフセットされている。この場合、追加マップのオフセットを切り取る(snap)ことによってオフセットを除去してベースマップと一致させる。そして、合成を、単純な合成操作で、再サンプリング前に、ピクセル対ピクセルで実行する。または、追加マップ内の複数の隣接するピクセルを再サンプリングして得られたピクセルの値を決定する。そして得られたピクセルは合成される。
【0025】
第三に、非マッチング・ピクセルグリッドを合成することができる。
図6には、異なるピクセルサイズとタイルサイズを有するグリッドを示す。この図において、標準パターンデータはグリッド601にあり、カスタムパターンデータグリッド611にある。3個のピクセルを有するカスタムデータ613を、12個のピクセルを有する標準データ605上に合わせる。接続パターン613は、開口ギャップのパッド603にオーバーレイされる。これは、クローズ接続とオープン接続のようにカスタムパターンを1と0にプログラミングするという簡単なものである。ピクセルグリッドが、ピッチかオフセットかで、マッチングしない場合は、画像を共通のグリッド及びタイルに再サンプリングすることにより合成を行う。または、複数のグリッドを同時に再サンプリングし、再サンプリングした結果が合成される。
【0026】
ピクセルグリッドが一致する場合に、合成は、単純な一対一の合成操作でピクセルごとに行うことができる。関連するデータにはよるが、例えば、置換、加算、減算、XOR、AND、ORのような、さまざまな合成操作を使用することができる。置換、加算、減算といった操作は、浮動小数点または整数で表現されるピクセルに使用することができるが、指数スケーリングのために、論理演算を浮動小数点に適用することは困難である。ピクセルは整数で表されている場合、これらの合成操作のいずれかを適用することができる。
【0027】
特定の実施形態では、合成される少なくとも2つのパターンは、ピクセル整列だけではなく、タイル整列でもある。その根拠としては、データがタイルで処理され、タイルが整列されていない場合は、異なる量のタイルが少なくとも2つのデータフローで供給される。
【0028】
例示的な一実施形態では、合成されるパターンの少なくとも一つ(例えば、メインパターン)が、合成位置にパターンを持っていない。すなわち、パターンデータフローの一方または両方は、計算された実際の位置にデータを持っていない。この場合に、使用可能であるパターンデータフローからデータを使用する。使用可能なデータがない場合は、ゼロ設定を生成する。たとえば、このようなことは、スパースパターン(sparse pattern)に発生することがあり、タイルは、唯一にデータがある所(GPMファイル内)に保存される。従って、一般的に、この実施形態における合成パターンにとって、合成パターンのある領域にのみタイルが存在する。合成パターンの密度を元パターンのような密度には制限しないが、2つ以上の完全なデータフローを取り扱うので、スループットに一定の影響を与える可能性がある。一実装例では、スループットを著しく低下させずに、メインパターンと比較して合成パターンでは5−10%のエリアカバー率を実現することが可能である。
【0029】
カスタムパターンデータによる恩恵を受けるワークピースとしては、シリコンや半導体ウエハ、回路基板、フラットパネルディスプレイやロール・ツー・ロール製造に使用される可撓性材料の基板が挙げられる。
図5は、複数のダイ511、515が形成される円形のウエハ501及び矩形の基板を示す。ダイを分離してチップやフラットパネル基板を形成する。
【0030】
ここで開示されたカスタマイズ技術は、さまざまな環境に適用できる。マイクロニックレーザ(Micronic Laser)の開発チームは、マイクロリソグラフィ印刷におけるさまざまなプラットフォームを最初に開発してきた。
図1は、シグママシンにおける従来のプラットフォームを示す。
図1は、最近提出された特許出願に記載されたローター印刷プラットフォームを示す。ドラム印刷プラットフォームは、他の特許出願に記載されている。
図7は、潜像生産用の、様々な種類の変調器とステージを示す。これらの変調器やステージのいくつかは、現在使用中であり、他のものはまだ開発されていない。示されているシステムに加えて、特にスキャナによる直接描画がマイクロニックレーザ(Micronic Laser)とASMLとの共同で開発されている。
【0031】
次の段落では、ここで開示された技術を適用し、2D SLMを使用する2つの環境を説明する。
図1は、XYステージを持つSLMパターン・ジェネレーターの一般的な配置を示す。露光されるワークピースは、ステージ112に位置する。ステージの位置は、対の干渉計113などの正確な位置決め装置により制御される。
【0032】
ワークピースは、集積回路、またはレジスト層或いは他の感光材料の層を備えたフラットパネルであってもよい。第1の方向では、ステージは、連続移動する。第1の方向に一般に垂直である、他の方向では、ステージは、ゆっくり移動するか、又は1段ずつ移動し、ストライプのスタンプがワークピース上に露光される。本実施形態では、フラッシュコマンド108は、パルスエキシマレーザ光源107で受信され、それによりレーザーパルスを生成する。このレーザーパルスは、深紫外線(DUV)もしくは極紫外線(EUV)スペクトル範囲内であってよい。レーザーパルスは、ビーム調整器やホモジナイザーにより照明光106に変換される。ここに開示された技術を適用することで、パルスレーザに代わり、イルミネーター(特にワークピーストラッキング光学系)を持つ連続レーザーを用いることができる。
【0033】
ビームスプリッタ105は、照明光の少なくとも一部をSLM 104へ誘導する。パルスは、わずか20ns程度と短く、ステージ移動は、フラッシュ時にフリーズされる。SLM 104は、パターン・ラスタライザ102によって処理されるデータストリーム101に応答的である。一構成では、SLMは、それぞれ16×16μmである2048×512個のミラーを備え、また80×80nmの投影像を持つ。これは、微少機械ミラーが各ストレージノード上に1ミクロンの半分に形成されているCMOSアナログメモリを含む。
【0034】
ストレージノードとミラーとの間の静電気力がミラーを作動させる。この装置は、回折モードで動作し、1/4波長(248nmでは62nm)だけミラーを偏向させて、完全オン状態から完全オフ状態に移行させる必要がある。細かいアドレスグリッドを作成するために、ミラーは、オン、オフ、及び63個の中間値に合わせて駆動される。パターンは、SLMチップの数百万個の像から張り合わせられる(Stitched)。フラッシングと張り合わせは、毎秒1000 スタンプの速度で進行する。スティッチング及びその他のエラーを減らすために、パターンを、オフセット・グリッド及びフィールドとともに4回書き込む。さらに、これらのフィールドは、エッジに沿って混合され得る。
【0035】
ミラーは、個別に校正される。エキシマ光に敏感なCCDカメラを、最終レンズの下の像に相当する位置の光学経路内に配置する。SLMミラーは、一連の既知電圧を介して駆動され、応答は、カメラによって測定される。校正機能は、書き込み時に、ミラーごとに決定され、グレースケールデータのリアルタイム補正に使用される。データパス内では、ベクトル形式のパターンが、4つの描画パス内の個別ピクセルの線量レベルに対応するグレーレベルを用いてグレースケール画像にラスタライズされる。その後、この画像を、画像処理を用いて処理することができる。最終ステップは、SLMの電圧を生成するために画像を変換することである。画像処理機能は、プログラマブルロジックを使用してリアルタイムで実行される。関連特許出願で開示されている様々なステップを経て、ラスタライザ・パターンデータは、SLM 104を駆動するために使用される値103に変換される。
【0036】
図2は、3本のアームを備えるロータースキャニングシステムを示しており、一対のワークピース211、212は、ハブ248の両側において書き込まれる。示されている回転式プリンタは、ワークピース上に1Dまたは2D画像を印刷することができる。ロータースキャニングシステムは、いくつかのアーム、例えば、2、3、4、6、または8のアームを有することで、単位時間あたりのスキャン面積が倍増する。画像は、ラジアルアームを介して、ローターハブまたはその近くに配置された固定画像デバイスとワークピースとの間でリレーされる。
図2に示すシステムは、100%のデューティサイクルを有し得る。各ローターは、60度の円弧を介して書き込みを行う。一回に一本のアーム240のみが書き込み、2つのワークピース211および212上に交互に書き込む。レーザーエネルギーは、2つのSLM247、249の間において偏光制御232によって切り替えられる。データストリームも、SLMの間で切り替えられる。レーザー220およびデータパス235は、書き込み機構内においてもっとも高価なモジュールの一つであるため、本実施形態では、SLMおよびアーム内の光学系は、それぞれ50%、33%と低いデューティサイクルを有するが、レーザーおよびデータチャネルは100%の時間にわたって用いられる。これは、例えば、三本の回転アーム240A〜240Cを備える書き込みシステムの一例である。これらのアームおよび中継光学系は、種々の代替設計がある。図は、レーザー220と、二つのSLM247、249にデータを送信するコントローラ235とを概念的に示しており、データは、回転アームまで232、247、249を介して中継される。図は、各アームが各SLMの前方に移動し、一連の同心円状スタンプをワークピース211、212上に書き込む様子を示している。
図2には2つのワークピースが示されているが、その寸法に応じて、一つのワークピースまたは2つ以上のワークピースは、ローターの下方に配置されてもよい。この例は書き込みシステムとして説明されているが、中継の方向を、ワークピースからレーザー220が位置する場所および別の場所に配置されている一対の検出器への方向に戻すことは容易である。
【0037】
別の構成では、単一のSLMを使用してワークピース上に画像を投影する。例えば、「1.5D SLM」と呼ばれる単一の2D SLMを使用して1D画像をワークピース上に投影するができる。1.5D SLMとは、NxM個のピクセルを有するSLMデバイスを意味し、Nは、例えば、1024、2048、4096、8192または16384のような大きい数値であり、Mは、20よりも小さくまたは20に等しく、かなり小さい数値であり、例えば、2、3、4、5、6、8、10、15、20である。ピクセルとは、データパスで1つの単位として処理され、且つ、ピクセル値が割り当てられているSLMの領域を意味する。あるケースでは1つのピクセルが1つのマイクロミラーであり、他のケースでは同じピクセル値によって制御されるミラーの集合であってよい。
【0038】
1.5D SLMは、複数のピクセル上に広がるコヒーレンスを有し、長手方向に部分的にコヒーレントな光でかつ短手方向のコヒーレント光分布により照射されるように構成され得る。特に、コヒーレンスは、短手方向にデバイス全体(またはその照射された部分)に広がることがある。1.5D SLMを照明するためのアナモルフィック光学システムを導入することにより、SLMからワークピースへ投影した画像は、SLMの2軸間の倍率(一般的に縮小)の差が大きい。従って、ワークピースの画像平面上の点を打つ光線のフットプリントは、一方の方向に点になり、他方の方向にSLM上で拡散する。すなわち、ワークピース上に1D画像が得られる。このように、アナモルフィック光学経路を通して1.5D SLMの反射素子から放射線を中継し該放射線が1.5D SLMのアレイの1つの軸に沿ってある程度縮小されるようにすることにより、特定の列でその個々の反射素子が画像平面において分解されないことになる。縮小された反射素子は、例えばワークピースに1D画像を作成するために、10ミクロン未満の幅の範囲に集束させることができる。
【0039】
この技術のいくつかの特に有用な応用の一つとしては、パターンを電子基板(例えば、ウエハの表側と裏側、PCB、ビルドアップ、インターポーザおよびフレキシブル相互接続基板、およびマスク、ステンシル、テンプレート、その他のマスター)上にパターンを書き込むことである。同様にローターライターを、ディスプレイ、電子ペーパー、プラスチックロジックおよび光電池におけるパターニングパネルに使用することができる。パターニングは、フォトレジストの露光によって行うことができるが、光の他の作用としての熱または光化学過程(例えば、溶融、蒸発、アブレーション、熱融着、レーザー誘起パターン転写、アニーリング、熱分解および光誘起エッチング、デポジション)を通して行うこともできる。
【0040】
図3は、一般的なデータパスを示す。連続的に転写される、ピクセルベースの露光システムのデータは、「フラット化され」(1ピクセルに寄与するすべてのデータが集約された状態)、かつローカライズされる。レンダリングされる幾何学的ピクセルマップ(GPM121)として表されるパターンは、これらの性質を満たすと同時に、中間記憶装置として適切なフォーマットを形成する。
【0041】
再サンプリング処理は、GPMを、変調ピクセルマップ(MPM 123)の変調器ピクセルに変換する。また、画像処理およびモルフォロジー演算がこの再サンプリング処理中に用いられ得る。露光システムの視野等のパターンの局所、あるいは、パターンの全域のいずれにも、画像処理およびモルフォロジー演算を適用することが可能である。画像処理およびモルフォロジー演算は、スケーリング、平行移動、回転、変形およびサイジングを含むが、これらに限定されない。これらの演算は、露光システムによるマスク/基板への画像の投影状況と、マスク/基板の特性との両方を補償するために使用され得る。
【0042】
再サンプリング処理中の忠実性要件と潜在的な情報損失とによって、中間ピクセルマップ(GPM121)は、変調ピクセルマップ(MPM 123)よりも高い分解能を持つ。再サンプリング過程における勾配情報を用いることで、GPM121の要件を満たすために必要なメモリ分解能を大幅に低減され得る。
【0043】
パターンに依存する処理ステップの大多数は、GPM121の生成中に行なわれる。再サンプリングは、主に、局在パターンに依存する(モルフォロジー)演算に対処するために使用される。再サンプリングを局在化パターンに依存する演算に制限すると再サンプリングに対する計算量の予測可能性が改善されるので有利である。計算量が予測可能になることによって、さらに、処理の並列化が容易になる。
【0044】
中間記憶装置としてGPM121を使用すると、GPM121を生成するための処理ステップが包括的になるとともに露光システムから独立した状態になりうるので、露光システムを独立させることができる。
【0045】
高分解能マイクロリソグラフィにおけるデータパスの処理要件は、最新の最も有能な処理ハードウェアを使用してもきわめて困難である。高分解能処理および高性能コンピューティング(HPC)における成功の要因は、一般に並列化である。高分解能処理の並列化には処理を小要素(pieces)に分割することを伴う。前述のデータパスを使用するマイクロリソグラフィ・アプリケーションでは幾何学的性質を有するデータを処理し、この処理は座標系内で行なわれる。タスクを分割する1つの便利な方法は、座標に基づくものである。
【0046】
開示されたアーキテクチャに従った処理は、オフラインおよびオンラインと呼ばれる2つのドメインに記載されうる。また、処理は種々のデータドメインにおいて動作する。本開示では、幾何学的画素マップ121を生成するための処理を「GPM処理」と呼ぶ。GPMの再サンプリングを行って変調画素マップ123を生成することを「MPM処理」と呼ぶ。処理の第1段階では、変調器のタイプおよびジオメトリと無関係である幾何学的座標系において演算が行なわれる。第2段階は、特定の変調器に適合される。第2段階は、変調器からの要求に従って配置された変調データの要素であるタイル510を生成する。タイルは、空間的な広がりを持つデータの塊として定義されうる。
【0047】
データパスを論じる際、パターンによってカバーされた領域の隣接部を「タイル」510と呼ぶ。タイルは、幾何学的座標系によって完全に記述されうる。GPM処理とMPM処理とでは座標系が全く異なる可能性があるが、これらの処理のいずれにおいてもタイルに言及する。
【0048】
前述のGPM121の処理ドメインおよびMPM123の処理ドメインに加えて、第3のデータドメインは議論を必要とする。ベクトル・データ・ドメインは、GPMを生成するためのラスタリゼーションに先行する。したがって、3つの異なるデータドメインは、ベクトルデータ、統合された幾何学的ピクセルマップ(GPM)121におけるピクセルデータ、および変調用に編成されたピクセルデータ(MPM123、変調ピクセルマップ)である。
【0049】
いくつか特定の実施形態
開示された技術は、基板上の放射感応性層でカスタム潜像を形成する方法を含む。この方法は、第1のデータパス上の標準的なデータを受信し、第2のデータパス上のカスタムパターンデータを受信することを含む。ここでいうデータパスが広く解釈されるべきものである。標準パターンデータは、カスタマイズにはよるが、複数のダイまたはダイ内の領域に、及びバッチ内の複数の基板に繰り返して使用されるパターンデータである。カスタムパターンデータは、標準パターンデータを変更してカスタム潜像を生成するために使用される。この方法はさらに、標準的なカスタムパターンデータを再サンプリングし合成して放射感応層に形成される物理的なカスタム潜像を示す合成され、かつラスタライズされたパターンデータを形成することを含む。潜像は、基板上に塗布されたレジストまたは他の放射感応性材料に応じて、ポジ型またはネガ型であってよい。典型的なデバイスの製造工程では、潜像が現像され、放射感応性層の部分がパターンを形成するために除去される。パターンは、電子デバイスを形成する一環として、材料を追加または削除するために使用される。
【0050】
本方法は、直接描画装置を使用して合成されたラスタライズパターンデータから放射感応性層でカスタム潜像を形成することを含む。直接描画装置のいくつかの例は、上述され、
図1−
図2に示されている。また、
図5は、広範囲な変調器の種類およびスキャニングステージによって組立可能な直接描画装置(まだ未生産)を示す。ここでいう直接描画装置は、広義に解釈されるべきである。直接描画装置が従来のステッパーとは違い、従来のステッパーはマスクまたはレチクルを使用するのに対し、直接描画装置は仮想マスクとして変調器を使用する。
【0051】
標準パターンデータおよびカスタムパターンデータは、整列されたグリッド、またはオフセットグリッド上にあってよい。これらのタイプのパターンデータは、同一または異なるピクセルサイズを使用する。最も単純なケースでは、グリッドが整列し一致する。次に、ピクセル間の合成は、データを再サンプリングする前に適用されうる。このように、合成、再サンプリングの順序は、カスタム潜像を形成するために使用される特定のデータに依存する。
【0052】
標準パターンデータおよびカスタムパターンデータは、別のパイプラインを通して、並列に処理されうる。または、データの取得、及び/又は再サンプリングするために、インターリーブされ、そして合成される。
【0053】
必要に応じて、再サンプリングおよび合成処理をリアルタイムで行うことができる。リアルタイムとは、特定カスタム潜像のデータの第2部分を合成および/または再サンプリングをする動作と、合成及び再サンプリング処理を必要とされた、合成され、かつラスタライズされたパターンデータの第2部分を使用して該特定カスタム潜像の第1部分を形成する動作とが、並列的に進行することである。リアルタイムでは、基板に書き込むための再サンプリングおよび合成処理が進行中である間に、合成されたラスタライズパターンデータは、基板上に潜像の一部を形成するために使用されている。
【0054】
前述したように、基板は、様々な形態を取ることができる。シリコン又は半導体ウエハ、回路基板、フラットパネルディスプレイ、またはいわゆるロール・ツー・ロール製造に使用されるフレキシブル基板とすることができる。
【0055】
上記方法は、基板上の1つ以上の層にあるパターンを1回以上適用することができる。潜像が形成された後、従来のパターニングプロセスを適用して基板上に電子デバイスを形成する。これらのプロセスを使用してこの方法を拡張して電子デバイスを形成することができる。
【0056】
カスタムデータは、様々なレベルで固有なものであってよい。シリアル番号などの、特定の基板上の特定のダイに固有なものであってよい。層の転写を開始した時刻などの、特定の基板に対して固有なものであってよい。または、バッチ制御番号などの、基板の特定のバッチに対して固有なものであってよい。また、カスタムデータを、メモリチップやフラットパネルディスプレイなどの、大規模な通常のデバイスで使用して、パターンエッジを完成させ、または隣接するパネルを張り合わせることができる。
【0057】
また、開示された技術は、データパスと直接描画装置に連結されるように構成されたコントローラとして実施することができる。このコントローラは、上記した方法のいずれかに基づく標準パターンデータおよびカスタムパターンデータを処理する。コントローラは、メモリとプロセッサとを含む。なお、該プロセッサは、従来のCPU、RISCプロセッサ、FPGA、GPUか、または他の処理ロジックかは、問わない。コンピュータ命令を処理して標準パターンデータおよびカスタムパターンデータを合成し再サンプリングして、そして、直接描画装置による使用のために出力する。直接描画装置と組み合わせてこのコントローラを拡張して上記したいずれかの方法を実施する直接描画システムを形成することができる。
【0058】
また、開示された技術を、回転型または非回転型メモリなどの、コンピュータ命令をロードした非一時的なストレージとして実施することができる。このコンピュータ命令は、上記いずれかの方法を実行するようにされた命令であってもよく、ハードウェアと組み合わせて上記コントローラ及び描画システムを生成するようにされた命令であってもよい。