(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017415
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】接近特徴部付き光ファイバケーブル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/44 20060101AFI20161020BHJP
H01B 7/17 20060101ALI20161020BHJP
H01B 7/00 20060101ALI20161020BHJP
H01B 13/24 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
G02B6/44 361
G02B6/44 391
H01B7/18 H
H01B7/00 309A
H01B13/24 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-508249(P2013-508249)
(86)(22)【出願日】2011年4月28日
(65)【公表番号】特表2013-531805(P2013-531805A)
(43)【公表日】2013年8月8日
(86)【国際出願番号】US2011034309
(87)【国際公開番号】WO2011137236
(87)【国際公開日】20111103
【審査請求日】2014年4月18日
(31)【優先権主張番号】61/330,038
(32)【優先日】2010年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501209863
【氏名又は名称】コーニング オプティカル コミュニケイションズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】グリーンウッド ジュリアン エル ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】ギムブレット マイケル ジェイ
【審査官】
百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−230184(JP,A)
【文献】
特開2001−023445(JP,A)
【文献】
特開2001−318286(JP,A)
【文献】
特表2007−531021(JP,A)
【文献】
米国特許第05970196(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/44
H01B 7/00−7/02
H01B 7/17
H01B 13/24
H01B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルであって、
少なくとも1本の光ファイバを含むコアと、
前記コアを包囲したジャケットとを有し、前記ジャケットは、
第1の押出しポリマー材料の主要部分と、
前記主要部分中に結合された第2の押出しポリマー材料の少なくとも1つの不連続部とを有し、前記不連続部は、ケーブルの長さに沿って延び、前記第1の押出しポリマー材料は、前記第2の押出しポリマー材料とは異なっており、
前記不連続部と前記主要部分との結合部は、前記コアへの接近を可能にするよう前記ジャケットを前記不連続部のところで分離することができるようなものであり、
前記第1の押出しポリマー材料は、少なくとも80重量パーセントの第1のポリマーを含み、前記第2の押出しポリマー材料は、少なくとも70重量パーセントの第2のポリマー及び少なくとも0.5重量パーセントの前記第1のポリマーを含む、ケーブル。
【請求項2】
前記第1のポリマーはポリエチレンである、請求項1記載のケーブル。
【請求項3】
前記第2のポリマーはポリプロピレンである、請求項2記載のケーブル。
【請求項4】
前記不連続部は、前記ケーブルの全長に沿って延び、前記少なくとも1つの不連続部は、前記ジャケット内で互いに間隔を置いて位置した2つの不連続部を含み、各不連続部の断面積は、前記ジャケットの断面積の5パーセント未満であり、前記少なくとも1つの不連続部は、前記不連続部を通る半径に垂直に測定して2mm未満の最大幅を有する、請求項2又は3に記載のケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接近特徴部付き光ファイバケーブル及びその製造方法に関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2010年4月30に出願された米国特許仮出願第61/330,038号の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0003】
本願は、2010年11月23日に出願された米国特許仮出願第61/416,684号に関する。
【背景技術】
【0004】
光ファイバケーブルは、典型的には、保護ポリマージャケットで包囲された1本又は2本以上の光ファイバを有する。ジャケットは、種々の環境条件に耐えるのに十分堅牢でなければならないが、現場技術者が過度の労力及び時間を費やさないで包囲状態の光ファイバに接近できるようにする必要もある。ケーブルコア内の光ファイバへの接近を可能にする種々の手段が提案され、かかる手段としては、リップコード及び他の手段の組み込みが挙げられる。米国特許第5,970,196号の発明は、ケーブルコアへの接近を可能にするようケーブルジャケットから取り外し可能な大きなインサートを有する。しかしながら、インサートは、大きすぎるので、ケーブルの機械的性能が損なわれる場合がある。というのは、インサートのサイズにより、ケーブル/チューブジャケットの大きな部分が互いに異なるモードで曲がったり撓んだりする可能性があるからである。
【0005】
米国特許第7,187,830号明細書は、液体又はガスで満たされたボイドの形成を開示しているが、かかるボイドも又、形式によってはケーブルジャケットの構造健全性に悪影響を及ぼす場合があり、しかも水侵入の経路をもたらす場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,970,196号明細書
【特許文献2】米国特許第7,187,830号明細書
【発明の概要】
【0007】
一実施形態によれば、ケーブルは、コア及びコアを包囲したジャケットを有する。ジャケットは、第1の材料の主要部分及び第2の材料の少なくとも1つの不連続部を有する。不連続部は、ケーブルの長さに沿って延び、主要部分と不連続部との結合により、コアへの接近を可能にするようジャケットを不連続部のところで分離することができる。不連続部は、ジャケット領域全体の比較的僅かな部分を占めるのが良く、接近後、ジャケットと一体のままであるのが良い。
【0008】
第1の観点によれば、主要部分不連続部は、一緒に押し出されるのが良く、その結果、第1の材料と第2の材料は、押出し中、一緒に流れて冷却中、互いに結合する。第2の材料は、押出し中、第1の材料に形成されたトラフ内に流れることができる。
【0009】
第2の観点によれば、不連続部の第2の材料は、主要部分と不連続部との間の結合具合を高めるよう選択された量の第1の材料を含むのが良い。
【0010】
当業者であれば理解されるように、以下に記載する図面を構成する図を参照して行われる以下の詳細な説明を読むと、上述の利点並びに種々の追加の実施形態の他の利点及び利益を理解されよう。
【0011】
通常のやり方によれば、以下に説明する図面の種々の特徴は、必ずしも縮尺通りには描かれていない。図面における種々の特徴及び要素の寸法形状は、本発明の実施形態をより明確に示すよう拡大され又は縮小されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態としての光ファイバケーブルの部分切除図である。
【
図2】
図1に示されているケーブルジャケットの断面図である。
【
図3】
図2のケーブルジャケットの不連続部のうちの1つを単独で示す断面図である。
【
図4】不連続部を備えたケーブルを製造するために用いられる同時押出し装置の切除図である。
【
図5】
図4の同時押出し装置の切除図であり、押出し物材料の流れを示す図である。
【
図6】不連続部を形成するよう従来型ケーブル被覆装置を改造するために使用できるリングを示す図である。
【
図7】第2の実施形態としての光ファイバケーブルの部分切除図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態の光ファイバケーブル10の部分切除図である。ケーブル10は、ジャケット30により包囲されたコア20を有している。ジャケット30は、コア20に向いた内面34と、外面38とを有している。ジャケット30は、主として一般に「ポリマー」と呼ばれることがある高分子物質で作られるのが良い。本明細書では、「ポリマー」という用語は、例えばコポリマー、及び例えば充填剤のような添加剤を含む高分子物質のような材料が挙げられる。コア20は、例えば、データ伝送及び/又は電力送電能力を備えた組立体又は構造体であるのが良い。図示の実施形態では、コア20は、逆螺旋巻き結合材44,46内に包まれた光ファイバ40の束を含む。
【0014】
ジャケット30は、コア20への接近を容易にする分離特徴部を有する。例示の実施形態では、分離特徴部は、ケーブル30の長さに沿って延びる一対の不連続部50である。本明細書では、「不連続部」という用語は、ジャケット30の主要部分とは異なる材料組成のジャケット30の一部分を示しており、主要部分は、参照符号55で示されている。主要部分55は、本質的に、コア20を包囲した環状フープであるのが良く、不連続部50は、ケーブル10の長さに沿って主要部分55を長手方向に貫通して延びている。一観点によれば、不連続部50は、
図1に示されているようにジャケット30を分離することができる弱め線を提供する。不連続部50は、ジャケット30が比較的一様な環状体であるよう主要部分55の輪郭形状に合致するのが良い。
【0015】
図2は、ケーブル10の長さに垂直な平面で取ったジャケット30を単独で示す断面図である。例示の実施形態では、不連続部50は、ジャケット30が押し出されたときにジャケット55の主要部分に結合される。主要部分55及び不連続部50は、押出し可能なポリマーで形成されるのが良く、従って、主要部分55及び不連続部50を形成するために用いられる押出し物が冷えて凝固すると、押出し物は、不連続部50の各側のインターフェース54のところで結合状態になる。不連続部50がジャケットの主要部分55と同一のステップで押し出されている間に形成されると、不連続部50とジャケット30の残部との結合部は、ジャケット30が凝固しているときに重合体(ポリマー)鎖のからみ合いによって形成可能であるとして一般に説明できる。したがって、ジャケット30は、凝集性複合構造体から成る。
図2では、インターフェース54は、はっきりと記載された状態で示されているが、実際には、主要部分55と不連続部50の材料相互間の移行領域が存在すると言える。
図2の不連続部50の湾曲“T”形状は、不連続部を形成するために使用できる一押出しプロセスの結果であるが、他の形状が採用可能である。
【0016】
不連続部50は、ジャケット30内の比較的幅の狭いストリップであるのが良く、これら不連続部は、ジャケット断面積A
Jの比較的僅かな部分を占めるのが良い。例えば、不連続部50は、A
Jの10%未満であり且つA
Jの5%未満又は3%という低い割合の断面積A
Dを有するのが良い。図示の実施形態では、不連続部50は各々、A
Jの約3%である断面積A
Dを有する。
図1及び
図2では、2つの不連続部50が
図1に示されているようにジャケットの開きを容易にするようジャケット30内に形成されている。コア20の取る形態に応じて、不連続部50の数、間隔、形状、組成及び他の観点は、様々であって良い。例えば、ジャケット30中の単一の不連続部は、ケーブルジャケット30を開いてコア20から遠ざけることができるのに十分な場合がある。
図1の不連続部は、説明の目的上、長方形ストリップとして示されている。実際には、不連続部は、湾曲した形状又は不規則な形状のものであって良く、不連続部は、一般に、これら不連続部がジャケットの主要部分に取り付けられたままであるよう裂けるであろう。
【0017】
図3は、ジャケット30中の不連続部50のうちの1つを単独で示す図である。図示の実施形態では、不連続部50の幅Wは、不連続部50の半径方向内側部分のところよりもジャケット30の外面38の近くのところの方が非常に大きい。したがって、不連続部50は、ケーブルジャケット30の外面の僅かな目に見える部分を形成することができる。これは、例示のジャケットを形成するために用いられる製造プロセスに起因しており、かかる製造プロセスでは、不連続部50を形成するために用いられる押出し物を方向60からジャケットの外部中に導入し、そして主要部分55を形成するために用いられる押出し物材料中に内方に導入する。かくして、不連続部50は、これら不連続部が半径方向内方に延びるにつれて次第に幅が狭くなっている。不連続部は、ジャケット30中に深さDにわたって延び、ジャケット30は、厚さTを有している。この実施形態では、不連続部50は、本質的に、ジャケット30の外面38から内面34まで延びている。しかしながら、深さDは、厚さTに等しい必要はない。例えば、厚さTの少なくとも80%の深さDを有する不連続部は、ジャケット30を引き裂くための引き裂き場所を提供するのに効果的であると言える。厚さTの少なくとも50%の深さDを有する不連続部も又、ジャケット30を引き裂くための接近場所を提供する上で効果的であると言える。用いられるジャケット断面及び材料に応じて、少なくとも30%の深さDを有する不連続部は、コアへの接近を容易にするうえで効果的である場合がある。
【0018】
図3に示されている幅Wは、不連続部50の最大幅に一致するのが良い。幅Wは、一般にジャケット30の周囲に沿って取った又はより具体的には不連続部50を二等分する半径に垂直に取った測定値である。幅Wは、度(°)で表された弧長としても表現できる。例えば、
図3の実施形態に示されている不連続部50の最大幅Wは、0.5〜2.0mmであるのが良い。換言すると、不連続部は、その最大幅Wのところで、小さなケーブル直径に関し、ジャケット30の周囲に沿って20°未満の円弧にわたって横に延びるのが良い。不連続部は、大径ケーブルに関し、10°未満の円弧をなして横に延びるのが良い。
【0019】
不連続部50の極めて薄い「膜(フィルム)」型実施形態が採用される場合、不連続部の最大幅Wは、0.2mm以下の範囲にあるのが良く、約0.1mmであるのが良く、これは、1°以下の円弧に相当している。換言すると、不連続部は、その最大幅Wのところで、ジャケット30の周囲に沿って2°未満の円弧にわたって横に延びるのが良い。
【0020】
主要部分55及び不連続部50を形成するために用いられる材料及び方法は、インターフェース54が
図1に示されているようにジャケット30を引き裂くことによってコア20への比較的容易な接近を可能にするよう選択されるのが良い。ケーブル10は、堅牢さに関する他の要件、例えば、ジャケット30が引張り荷重を受け、捩りを受け、温度変化状態にあり、更に他の既知のケーブル試験基準、例えばICEA460及びGR20を受けたときに無傷のままであるようにするための要件を満足するよう構成されているのが良い。
【0021】
図示のジャケット30の主要部分55は、中密度ポリエチレン(MDPE)から押出し成形されており、不連続部50は、ポリプロピレン(PP)から押出し成形されている。ジャケット30は、同時押出し成形法で形成されており、その結果、主要部分55と不連続部50は、冷却中に結合され、それにより、インターフェース54のところに比較的強固な結合部が形成されている。この方法で形成されたケーブル(図示せず)は、ケーブル20中に結合材としての細線の下に吸水膨潤性テープを更に有している。ケーブルジャケット30は、堅牢であるが、ジャケット30を不連続部50に沿って剪断し又は引き裂くのに比較的弱い引張り力で十分である。
【0022】
理論に束縛されるものではないが、本出願人は、ポリプロピレンとポリエチレン(PE)との結合は、ポリエチレン(PE)と結合するポリプロピレン中に混合されたエチレンの量と、PEとPPとの分子からみ合いの、一方又は両方によって引き起こされると確信している。この理解によれば、不連続部とジャケットの残部との結合を強化するにはPP押出し物中のエチレンの量を増大させるのが良い。一般に、ジャケット30の主要部分55が、第1のポリマー材料で作られ、不連続部が第2のポリマー材料で作られる場合、不連続部は、0.5重量%〜20重量%の第1のポリマー材料を含むのが良い。
【0023】
幅の狭い薄膜不連続部50がジャケット中に設けられる場合、不連続部中の第1のポリマーの含有量は、
図2の実施形態とほぼ同じであるのが良い。一実施形態としての薄膜不連続部は、約9%PEの入ったPPから成る。これよりも高いPE含有量、例えば最高20%までのPEも又採用可能である。PP中に0.2%未満のPE含有量は、結果的に、主要部分と不連続部との間に不十分な結合をもたらす場合がある。
【0024】
不連続部50をジャケット30中に設けることにより、従来型ケーブルでは不可能なケーブル接近手順が可能である。
図1及び
図2を参照すると、ケーブル10に接近するには、不連続部50の近くで無傷のケーブルの端部をすじ付けするのが良い。ケーブル端部は、例えば、1本のスニップ、ナイフ又は他の何らかのブレード付き器具によってすじ付け可能である。次に、引き裂かれたジャケット30の一方の側部又は両方の側部を
図1に示すように引き戻すのが良く、ジャケット30は、不連続部50の存在によって作られている平面に沿って裂ける。コア20への接近を可能にするためにジャケット30の一方の側部又は両方の側部をケーブル10に沿う所望の長さまで引き戻すのが良い。不連続部は、一般に、これら不連続部がジャケット30の主要部分55のそれぞれの側部にくっついた状態で裂けるのに十分細い。ケーブル10の全長に沿って延びる不連続部は、この方法に従ってコア20への接近を可能にするうえで効果的である。しかしながら、これよりも短い不連続部長さも又効果的である場合がある。例えば、ケーブルの長さに沿って少なくとも10センチメートルの長さの不連続部で十分な場合がある。不連続部50は、主要部分55とは異なる色のものであるのが良く、その結果、不連続部の存在場所を容易に突き止めることができ、しかもケーブル外部から目に見える。不連続部50がケーブルの全長よりも短いジャケットに沿う長さにわたって延びる場合、不連続部50の異なる着色は、技術者がケーブル30上の接近可能場所を見出すのを助けることができる。
【0025】
ケーブル10は、既存の同時押出し機器に小規模な改造を施した状態で用いて製造できる。例えば、デビス‐スタンダード(Davis-Standard)社のワイヤ種目からの押出し機及びケーブル押出し機を用いると、本発明の実施形態に従ってケーブルジャケットを形成することができる。例えば、1.5インチ(40mm)バレル直径押出し機及びこれよりも大径のバレル直径押出し機、例えばデビス‐スタンダード社から入手できる3.4又は4.5インチ(1インチ=25.4mm)押出し機を、大径押出し機でケーブルジャケットを押し出し、小径押出し機でケーブルジャケットの外部にストライプを押し出すために従来用いられる形態のクロスヘッドにねじ込むのが良い。従来プロセスでは、ストライプ押出し物材料をジャケット押出し物の表面上に被着させる。本発明の実施形態によれば、ジャケット押出し機中の押出し物の流れは、ストライプ押出し物材料がジャケット押出し物中に導入される1つ又は複数の場所のところにそらされる。ジャケット押出し物をそらすことにより、ジャケット押出し物の流れ中に窪み又はトラフが作られ、不連続部を形成するために用いられる押出し物材料がこの窪み又はトラフ中に導入される。次に、ジャケット押出し物は、この中に形成された不連続部と一緒に、収縮してクロスヘッドを通って前進している光ファイバコアの周りに凝固する。
【0026】
図4は、同時押出し装置100の切除断面図であり、この同時押出し装置をクロスヘッドにねじ込んでこれを用いて本発明の実施形態のケーブルを製造することができる。
図4の矢印は、押出し物の流れ方向を示している。
図5は、ジャケット30を形成する押出し物材料の表示を含む同時押出し装置100を示している。装置100は、一般に、以下に説明する改造を除き、ストライプをケーブルジャケット上に押し出す能力を備えた状態のケーブル被覆ラインで用いられる市販のコンポーネントから構成可能である。
図4及び
図5を参照すると、装置100は、ジャケット30の主要部分55を形成するために用いられる第1の溶融押出し物材料112を受け入れる第1の入力ポート110を有している。第2の入力ポート120により、不連続部50を形成するために用いられる第2の溶融押出し物材料122の導入が可能である。キャビティ130が押出しコーン136の形状を部分的に定め、ケーブルジャケットの最終的形態を定める先端部(図示せず)を収容している。
【0027】
図6は、装置100中に挿入されるリング150を示しており、このリングにより、第1の押出し物材料112の流れ中に不連続部を形成することができる。リング150は、第1の押出し物112の流れをそらすよう働く2つの突出部152を有している。突出部152は、第1の押出し物112の流れをそらして押出し物流れ中にトラフ又は窪みを形成し、第2の押出し物材料122は、
図5に示されているようにこのトラフ又は窪み中に流れる。
【0028】
図5を参照すると、光ファイバケーブル10を形成するため、ケーブルコア(図示せず)を装置100の中心線102に沿って前進させる。第1の押出し物材料112を第1の入力ポート110中に圧送し、第1の押出し物材料は、次に、装置100に設けられているチャネルを通って前進し、そして先端部(図示せず)上でこれに沿って移動する。突出部152は、押出し物112の流れをそらしてトラフを形成する。これらの場所において、第2の押出し物材料122をトラフ中に導入する。したがって、第2の押出し物材料122は、ジャケットが押し出されているとき、第1の押出し物材料112の流れ中において液体として流れる。第1及び第2の押出し物材料112,122で構成された押出しコーン136は、冷えてコアの周りに凝固し、それによりジャケット30が形成される。
【0029】
図7は、第2の実施形態としての光ファイバケーブル310の部分切除図である。ケーブル310は、
図1に示された実施形態と同様、ジャケット330で包囲されたコア320を有している。ジャケット330は、ケーブル330の長さに沿って延びる一対の不連続部350を有している。この実施形態では、不連続部350は、比較的互いに密接しており(例えば、互いに90°以内に位置している)、従って、ジャケット330の幅の狭いストリップをコア320から引き剥がすことができるようになっている。
【0030】
本明細書において説明しているケーブルジャケット主要部分55,355及び不連続部50,350は、種々のポリマー材料で構成できる。主要部分か不連続部かのいずれかは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)又はこれら材料の配合物、例えばPEとエチレンビニルアセテート(EVA)の配合物、難燃性材料、例えば難燃性ポリエチレン、難燃性ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリビニリデンフルオリド(PVDF)、充填材料、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート及び/又はポリエチレン(PE)材料及び/又はエチレンビニルアセテート(EVA)又はチョーク、タルク等のような充填剤を含むこれらの他の配合物及び他の材料、例えばUV硬化性アクリレートで構成できる。
【0031】
例示の実施形態では、第1の材料は、少なくとも80重量%の第1のポリマー、即ちポリエチレンを含むのが良く、第2の材料は、少なくとも70重量%の第2のポリマー、即ちポリプロピレン及び少なくとも0.5重量%の第1のポリマー、即ちポリエチレンを含む。第1のポリマーの重量でこれよりも多い量、例えば少なくとも1.0重量%又は少なくとも2重量%を第2の材料中に含有させても良い。
【0032】
変形実施形態では、ポリプロピレンをジャケットの主要部分の第1のポリマー主要成分として用いるのが良く、ポリエチレンを不連続部の主要成分として用いるのが良い。この場合、ポリプロピレンの量をポリエチレン不連続部に追加すると、不連続部と主要部分との結合が促進される。
【0033】
一般に、本明細書において開示した所望の分離特性は、ジャケットの主要部分を形成するために用いられる材料とは異なる材料から不連続部を同時押出し成形することによって得られる。別の方法として、不連続部をジャケットの残部と同種の材料で作ることができるが、かかる不連続部に例えば別の硬化条件を課すのが良い。
【0034】
図示のコアは、光ファイバ通信信号を伝送することができる。光ファイバに加えて又は光ファイバの代替手段として、電気導体をケーブルコア中に設けても良く、その結果、コアは、電気通信信号を伝送することができる。
【0035】
特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれる多くの改造例及び他の実施形態が当業者には明らかであろう。例えば、本発明の技術的思想を任意適当な光ファイバケーブル設計及び/又は製造方法に利用することができる。かくして、本発明は、当業者に明らかなこれら改造例及び実施形態をも含むものである。