(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載の磁場センサにおいて、前記補償ループが前記回路出力ノードおよび前記補償済み信号出力ノードの間に結合されるか、または、前記補償ループがループ終端ノードおよび前記グランド・ノードの間に結合される、磁場センサ。
請求項1記載の磁場センサにおいて、前記導電構造が、さらに、前記出力信号ボンディング・パッドおよび前記信号出力ピンの間に結合されるワイヤ・ボンドを備える、磁場センサ。
請求項1記載の磁場センサにおいて、前記導電構造が、さらに、半田ボール、銅ピラー、金バンプ、共晶高鉛半田バンプ、無鉛半田バンプ、金スタッド・バンプ、高分子導電バンプ、異方性導電ペースト、または、導電フィルムの内から選択された1つ以上を備え、前記出力信号ボンディング・パッドおよび前記信号出力ピンの間に結合される、磁場センサ。
請求項8記載の磁場センサにおいて、前記ドーナツ形状が、電流を搬送するように構成された電流搬送導体に順応するように選択された内径を有し、前記磁場が前記電流に応じて発生される、磁場センサ。
請求項10記載の磁場センサであって、さらに、2つの脚と該2つの脚を接合する端部領域とを備えるU字型の磁束集中器を備えており、前記集積回路ダイおよび前記電流搬送導体が、前記U字型磁束集中器の2つの脚の間に配置される、磁場センサ。
請求項14記載の方法において、前記補償ループを設ける前記ステップが、前記回路出力ノードおよび前記補償済み信号出力ノードの間に結合される前記補償ループを設けること、または、ループ終端ノードおよび前記グランド・ノードの間に結合される前記補償ループを設けることを含む、方法。
請求項19記載の方法において、前記ドーナツ形状が、電流を搬送するように構成された電流搬送導体に順応するように選択された内径を有し、前記磁場が前記電流に応じて発生される、方法。
請求項14記載の方法であって、さらに、電流を前記集積回路ダイに近接して搬送するように構成される電流搬送導体を配置するステップを含み、前記磁場が前記電流に応じて発生される、方法。
請求項21記載の方法であって、さらに、前記回路ダイに近接するU字型の磁束集中器を配置するステップを含み、前記U字型磁束集中器が、2つの脚と該2つの脚を接合する端部領域とを備え、前記集積回路ダイおよび前記電流搬送導体が、前記U字型磁束集中器の2つの脚の間に配置される、方法。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明について述べる前に、いくつかの導入概念および用語について説明する。本明細書において用いる場合、「磁場検知エレメント」という用語は、磁場を検知することができる様々な種類の電子エレメントを記述するために用いられる。磁場検知エレメントは、ホール・エレメント、磁気抵抗エレメント、または磁気トランジスタとすることができるが、これらに限定されるのではない。周知のように、ホール・エレメントには異なる種類、例えば、平面ホール・エレメント、垂直ホール・エレメント、円形ホール・エレメントがある。また、周知のように、磁気抵抗エレメントには異なる種類、例えば、巨大磁気抵抗(GMR)エレメント、異方性磁気抵抗(AMR)、トンネリング磁気抵抗(TMR)エレメント、アンチモン化インジウム(InSb)センサ、および磁気トンネル接合(MTJ)がある。
【0048】
周知のように、前述の磁場検知エレメントの一部は、磁場検知エレメントを支持する基板に対して平行に最大感度の軸を有することが多く、前述の磁場検知エレメントの他のものは、磁場検知エレメントを支持する基板に対して垂直に最大感度の軸を有することが多い。具体的には、全部ではないが、多くの種類の磁気抵抗エレメントは基板に対して平行に最大感度の軸を有することが多く、全部ではないが、多くの種類のホール・エレメントは、基板に対して垂直に感度の軸を有することが多い。
【0049】
本明細書において用いる場合、「磁場センサ」という用語は、磁場検知エレメントを含む回路を説明するために用いられる。磁場センサは、種々の用途において用いられ、電流搬送導体によって搬送される電流によって発生する磁場を検知する電流センサ、強磁性体または磁性体の物体の近接を検知する磁気スイッチ、通過する強磁性体の物品(例えばリング磁石の磁性ドメイン)を検知する回転検出器、および磁場の磁場密度を検知する磁場センサが含まれるが、これらに限定されるのではない。
【0050】
ホール効果エレメントを有する磁場センサが下記の実施形態において示され説明される一方で、同一の技術が如何なるタイプの磁場検知エレメントを有する磁場センサにも適用することができる。
【0051】
電流センサが、以下の実施形態で示され、説明される。しかしながら、同一の技術が如何なる磁場磁ンサに適用することができ、そして、望ましくは、磁場において急速な変化レートを経験した如何なる磁場センサにも適用することができる。
【0052】
磁束集中器を有する電流センサが、以下の実施形態で示され、説明される。磁束集中器の使用が磁場センサによって経験される磁場の変化レートを増加させることが多いことが理解されるべきである。この増加の結果が、例えば、
図6および6Aに関連して後述する大きな出力信号過渡現象になることが多い一方で、磁束集中器を用いるか用いないかに拘らず、後述する技術は如何なる磁場センサにも適用することができる。
【0053】
図1を参照する。統合した電流センサ10が、最終的に組み立てる前の分解図で示されており、これは、磁場検知エレメントを、ここでは、ホール効果磁気センサ12(ここでは明確のためにカプセル化された本体なしで示されている)、電流搬送導体16、および磁気コア24の形態で含む。導体16は、ホール効果センサ12および磁気コア24の保持部のための機構(feature)を有し、エレメントが相互と関連して固定され整合された位置に維持される。
【0054】
図示の実施形態では、導体16は、第1の切欠き18b、および第1の切欠きに実質的に整列した第2の切欠き18bを有する。組み立ての際には、ホール効果センサ12少なくとも一部は、第1の切欠き18aに整合される。磁気コア24は、実質的に、C形状(またはU形状に)であり、中央領域24aおよびこの中央領域から延びる実質的に一対の平行な脚24b,24cを有している。組み立ての際には、中央域24aの少なくとも一部は、各脚24b、24cがホール効果センサ12のそれぞれの表面の少なくとも一部を覆うように、導体16の第2の切欠き18bに配置される。
【0055】
いくつかの実施形態では、導体16および、特に、切欠き18a,18bは、打ち抜きによって形成される。
【0056】
ホール効果センサ12は、上にホール効果エレメントホ4aを有するセンサ・ダイ14を収容する集積回路の形態で設けられ、全てが電気的絶縁材料によってカプセル化される。統合したホール効果センサ12は、異なるパッケージ・タイプ、例えば1.6mmのオーダーの厚みを有する「K」シングル・イン・ライン(SIP)パッケージで設けることができる。効果的な空隙(air gap)は、その空隙の概ね中央に載置されているセンサ・ダイによる、パッケージの厚さに等しい。
【0057】
ホール効果センサは、プリント回路ボード(図示せず)に載置するように適合されるリード15を有する。リード15は、電源、即ちVcc、接続、グランド接続、および導体16を通じて電流に比例する出力信号を搬送するように適合される出力接続を含む。この出力信号は、電流または電圧とすることができる。
【0058】
センサ・ダイ14は、ホール効果エレメントホ4a、およびホール効果エレメント14aの出力信号を処理するためのホール回路14bを含む。ホール効果センサ12の使用は、回路部品を組み込むことによって、電流センサ10の統合を強化する。回路部品は、例えばプリント回路ボードに載置される別個のコンポーネントによって、さもなければ別途設けられるであろう。
【0059】
導体16は、銅のような様々な導電材料から成ることができ、また、プリント回路ボードへ載置するように適合される。このプリント回路ボードを通じて測定された電流が導体16へ供給される。この目的を達成するためには、屈曲したリード、即ち回路ボード・バイア(または孔)への半田付けに適したタブ16a,16bが導体16の端部に設けられる。屈曲したタブ16a,16b以外の機構が、電流センサ10をプリント基板に載置するために用いることができる。例えば、ねじ込み端子、および関連するハードウェアまたはフラット・リード若しくはタブである。
【0060】
別の実施形態では、同一の又は別の載置機構が、電流センサ10をプリント基板以外に載置可能とするために用いることができる。例えば、電流センサ10は、ワイヤ・カプリング(図示せず)を有することができ、電流センサ10をワイヤで直列に結合することができる。
【0061】
導体16は、プリント回路ボードから電流センサ10の高さを増やすことになるz軸21に延びる機構(feature)を有することなく、(屈曲タブ16a,16bを除いて)図示のように平らであることが好ましい。使用中は、導体16の平面はプリント回路ボードの平面に近接して位置し、これにより、薄型の電流センサを提供する。
【0062】
導体16の第1の切欠き18aは、幅w1を有するホール効果センサ12の少なくとも一部を受けるように選択された幅を有する。好ましくは、幅w1および幅w2は十分に同程度であり、その結果、組み立て時に、x軸19における導体16に対するホール効果センサ12の移動可能量は、ごくわずかである。より具体的には、名目幅w1が、例えば約0.28mmだけ名目幅w2よりわずかに小さい結果、最悪の場合の許容限界量では、最大幅2が最小幅w2よりも0.4mm小さい。図示の実施形態では、名目幅w1は5.18mmであり、また、名目幅w2は5.46mmである。つまり、幅w1およびw2は、実質的に等しいものとして描写することができる。
【0063】
この導体の第2の切欠き18bは、磁気コア24の少なくとも一部を受けるように選択される幅w3を有する。好ましくは、幅w3および磁気コアの中央領域24aの幅w4は十分に同程度である。その結果、組み立て時に、x軸19における導体16に対する磁気コア24の移動可能量はごくわずかである。より具体的には、名目幅w4が、例えば約0.2mmだけ名目幅w3よりわずかに小さい結果、最悪の場合の許容限界量では、最小幅w4が最大幅w3よりも0.34mmだけ小さく、また、最大幅w4が最小幅w3より0.08mmだけ小さい。図示の実施形態では、名目幅w3は5.46mmであり、また、名目幅w4は5.25mmである。つまり、幅w3およびw4は、実質的に等しいものとして描写することができる。
【0064】
磁気コアの脚24b,24c間の間隔h3、導体16の厚さまたは高さh2、およびホール効果センサ12の厚さまたは高さh1は、全て実質的に同程度であり、その結果、z軸21における相互に対するコンポーネントの移動可能量はごくわずかである。より具体的には、名目高さh2およびセンサの高さh1は、約0.1mmだけ名目高さh3よりもわずかに小さく、その結果、最悪の場合の許容限界量では、最小高さh1および最小高さh2は最大高さh2よりも0.22mmだけ小さく、最大高さh1および最大高さh2は最小高さh3よりも0.01mmだけ小さい。図示の実施形態では、名目高さh1は1.55mmであり、また、名目高さh2は1.50mmである。そして、名目高さh3は1.64mmである。
【0065】
しかしながら、他の実施態様では、間隔h3は、他の要因に従って選択される。例えば、代替の1つの実施形態では、間隔h3は、ホール効果センサ12の高さh1より実質的に大きく、その結果、磁気抵抗(reluctance)を増加させて、つまり、電流センサ10を飽和させることになる搬送導体16を流れる電流を増加させる。このように、この代替の実施形態は、より大きな電流搬送容量を有する。
【0066】
磁気コア24は、センサ・ダイ14全体の磁場を調整する。磁気コア24は、代替としては、磁場集中器(magnetic field concentrator)と、または磁気磁束集中器(magnetic flux concentrator)、若しくは単に磁束集中器(flux concentrator)と称することができる。磁気コア24は、フェライト、スチール、鉄化合物、およびパーマロイを含む様々な材料からなるが、これに限定されない。磁気コア24の材料は、コア24の磁気透過性(permeability)に関連する最大測定電流量、および磁気コア24により供給される所望の磁気遮蔽量のようなファクタに基づいて選択される。他のファクタには、温度およびヒステリシス(残留磁気)にわたる相対透過性の安定性が含まれる。例えば、低いヒステリシスは、導体16を通じた小電流についてのより高い精度を確実にする。磁気コア24の材料およびサイズはまた、導体16を流れる所望の十分なスケールの電流に従って選択される。ここでは、より高い飽和フラックス密度(Bsat)を有する磁気コア材料は、導体16を流れる所与の電流についてより小さいコアの使用を可能にする。後述する
図4の検討からも明らかなように、磁気コア24の使用は、浮遊磁界に対する電流センサ10の磁化率(susceptibility)を著しく低下させる。
【0067】
磁気コア24は深さd1を有し、脚24b,24cがそれぞれセンサ・ダイ14の全ての各表面を実質的にカバーするように選択される。この配置では、センサ・ダイ14上に配置されるホール効果エレメント14a全体に実質的に均一な磁場が、供給されている。これによって、デバイス感度を増加させると共に、浮遊磁界に対する磁化率を低減させる。
【0068】
ここでは、導体の切欠き18aは、この導体から外部に放射状に延びるタブ16d,16eによって形成される。切欠き18bは、導体の狭小領域16cによって、導体から延びるタブ16f,16gと共に形成される。第1の切欠き18aおよび第2の切り欠き18bの間の狭小領域16cの幅w5は、電気導体16の最大電流搬送容量に基づいて選択される。実施形態の中には、幅w5が1.7mmのオーダーとなり、導体16の電流搬送容量が100アンペアのオーダーとなるものもある。切欠き18a,18bは放射状のタブ16d,16e,16f,16gのそれぞれによって、狭小導体領域16cを設けることなく形成することができるが、この狭小領域16cの用いることで、y軸20に沿った電流センサ10の全体寸法を最小化する。狭小領域はまた、ホール効果センサ12に密に近接した導体16を流れる電流を供給する。代替の実施形態では、切欠き18a,18bは、タブ16d〜16gなしで形成され、狭小領域16cのみによって設けられる。
【0069】
電流搬送導体16は、電流を通すときに、ホール効果エレメント14aにおいて、磁束集中器24を用いない場合よりも大きい、比較的大きな磁場を生じることが理解されよう。さらにまた、ホール効果エレメント14aにおける磁場がx方向19およびy方向20の広領域にわたり比較的均一になり、それぞれが、磁束集中器24を用いない場合よりもより均一になることが
図3および3Aに関する以下の検討から明らかになるであろう。
【0070】
これより
図2および2Aを参照する。電流センサ50の他の実施形態50は、内部に切欠きまたは切抜き56を有するドーナツ形状の磁束集中器52、および中央ホール54を含む。ホール効果エレメント58aおよびリード60を有する磁場センサ58は、切欠き56に配置することができる。
【0071】
孔54を通過するように配置される電流搬送導体(図示せず)は、電流を通す際に、ホール効果エレメント58aにおいて、磁束集中器52を用いない場合よりも大きい、比較的大きな磁場が生じることが理解されよう。さらにまた、ホール効果エレメント58aにおける磁場がx方向62およびy方向64の広領域にわたり比較的均一になり、それぞれが、磁束集中器24を用いない場合よりもより均一になることが、
図3および3Aに関する以下の検討から明らかになるであろう。
【0072】
図3を参照する。約100アンペアが
図1の導体16、または
図2および
図2Aの孔56を通過した導体(図示せず)を通過した際の、
図1のホール効果エレメント14aにおけるx軸19に沿った、または、
図2および
図2Aのホール効果エレメント58aにおけるx軸62に沿った磁束密度のグラフ80が示される。ホール効果エレメント14a(
図1)の中心またはホール効果エレメント58a(
図2,2A)の中心が、x軸19,62上の0ミリメートルに対応する。
磁束曲線86は、中央部88を有するものとして描写され、基本的にフラットで傾斜した末端部分90a,90bがある。ホール効果エレメント14a,58aの中心のまわりに中央配置される4mmオーダーの間隔について、中央部88では、磁束が実質的に一定であることが曲線86の考察により認められる。ホール効果エレメント14a,58aの部分は、x軸19,62に沿ってそれらの中心から2mm以上のところに位置し、磁束密度の減少を経験する。図示したホール効果エレメント14a,58aは、0.2mmのオーダーのx軸の幅を有しており、概ね1.6mm×3mmの寸法を通常有しているセンサ・ダイに集中する。したがって、全てのホール効果エレメント14a,58aは中央部88に位置する。中央部88の幅は、実質的にホール効果エレメント14a,58Aの幅よりも大きい。また、ホール効果エレメント14a,58aが磁場において最大量の範囲内にあることを確実にするために、このホール効果エレメント14a,58aは、中央部88内で十分に中央配置される。
【0073】
磁気コア24,52についてホール効果エレメント14a,58aに対する寸法が、x軸19、62方向のホール効果エレメント14a,58a全体の束密度の均一性に対して影響を及ぼすことが理解されよう。具体的には、磁気コア24(すなわち、より広い幅w4)が、x方向19のホール効果エレメント14aに対してに大きくなればなる程、また、x方向62の磁束集中器52がx方向62のホール効果エレメント58に対して厚くなればなる程、曲線86の中央部88がより長くなる。他方、磁気コアがより狭くなくなればなる程、中央部88はより短くなる。
【0074】
曲線86は、磁気コア24,52およびホール効果エレメント14a,58aがそれぞれx方向19,62に相互に関連して中央配置されることを推定する。ホール効果エレメント14a,58aのx軸19、62に沿った磁気コア24,52に対する移動は、曲線86が軸84に沿って移動する結果となる。つまり、ホール効果エレメント14a,58aの領域が2mmよりもさらに近接して、きわめて減少した束密度を経験する結果なる。この効果は、ホール効果センサ12,58および磁気コア24,52の相対的な移動を制限する望ましさを強調する。更に、それぞれホール効果センサ12,58内のホール効果エレメント14a,58aの位置に関連した許容限界量があるので、ホール効果センサ12,58について磁気コア24,52に対する位置を固定することは、重要である。
【0075】
これより
図3Aを参照する。約100アンペアが
図1の導体16を通過した、または、約100アンペアが
図2および
図2Aの孔56を通過した導体を通過した際の、ホール効果エレメント14a,58aにおけるy軸20,64に沿った磁束密度のグラフ80が示される。ホール効果エレメント14a,58aの中心は、軸104上の0ミリメートルに対応する。
磁束曲線106は、中央部108を有するものとして描写することができ、基本的にフラットで傾斜した末端部分110a,110bがある。ホール効果エレメント14a,58aの中心のまわりに中央配置される2.5mmオーダーの間隔について、中央部108では磁束が実質的に一定であることが曲線106の考察により認められる。ホール効果エレメント14a,58a部分は、y軸20,64に沿ってそれらの中央から1.25mm以上のところに位置し、磁束密度の減少を経験する。図示したホール効果エレメント14a,58aは、0.2mmのオーダーのy軸の幅を有しており、概ね1.6mm×3mmの寸法を通常有しているセンサ・ダイに集中する。したがって、全てのホール効果エレメント14a,58Aは、中央部108に位置する。中央部88の幅は、実質的にホール効果エレメント14a,58Aの幅よりも大きい。また、ホール効果エレメント14a,58aが磁場において最大量の範囲内にあることを確実にするために、このホール効果エレメント14a,58aは、中央部108内に十分に中央配置される。
【0076】
磁気コア24,52についてホール効果エレメント14a,58aに対する寸法が、y軸20、64方向のホール効果エレメント14a,58a全体の束密度の均一性に対して影響を及ぼすことが理解されよう。具体的には、y方向20,64において磁気コア24,52がホール効果エレメント14a,58aに対して深くなればなる程、曲線106の中央部108がより長くなる。他方、磁気コアが浅くなればなる程、中央部108はより短くなる。
【0077】
曲線106は、磁気コア24,52およびホール効果エレメント14a,58aがy方向20,64に相互に関連して中央配置されることを推定する。ホール効果エレメント14a,58aのy軸20、64に沿った磁気コア24,52に対する移動は、曲線106が軸104に沿って移動する結果となる。つまり、ホール効果エレメント14a,58aの領域が1.25mmよりもさらに近接して、きわめて減少した束密度を経験する結果なる。この効果は、ホール効果センサ12,58の磁気コア24,52に対する相対的な移動について制限する望ましさを再度強調する。
【0078】
これより
図4を参照する。
図4において、
図1と同様の要素が同様の参照符号を有して示されており、
図1の典型的なホール効果電流センサ10の概略図は、回路ボード載置機構16a,16bを有する線によって表される導体16、およびここでは環状体162によって表される磁気コア24を含む。
図4の説明が
図1に関連して記載されると一方で、同じ説明および回路が
図2−
図2Aの磁場センサ50に適用できることが理解されよう。ここでは15a、15bおよび15cと分類されて、図示のホール効果センサ12は、センサ・ダイ14およびリード15を含む。ここでは、リード15は、15a,15b,15cとラベル付けされている。リード15aは電力接続をホール効果電流センサ12に提供し、リード15bは電流センサ出力信号への接続を提供し、そしてリード15cは電流センサに基準接続またはグランド接続を提供する。
【0079】
ホール効果エレメント14aは導体16を流れる電流によって誘起される磁場164を検知し、磁場164に比例した電圧を発生する。ホール効果エレメント14aは、動的オフセット・キャンセル回路170に結合される。動的オフセット・キャンセル回路170は、DCオフセット調整を、ホール効果エレメント14aと関連したDC電圧誤差に提供する。導体16を流れる電流がゼロであるときに、この動的オフセット・キャンセル回路170の出力はゼロに調整されることになる。
【0080】
動的オフセット・キャンセル回路170は、増幅器172に結合され、オフセット調整済みのホール出力信号を増幅する。増幅器172は、フィルタ174に結合され、これは、ローパス・フィルタ、ハイ・パス・フィルタ、バンド・パス・フィルタ、および/または切欠き有り(notch)フィルタとすることができる。このフィルタは、所望の応答時間、ホール効果エレメント14aと関連したノイズの周波数スペクトル、動的オフセット・キャンセル回路170、および増幅器172を含むがこれに限定されない、様々な要因に従って選択される。1つの特定の実施形態では、このフィルタ174は、ローパス・フィルタである。このフィルタ174は、出力ドライバ176に結合され、他の電子回路(図示せず)への伝送のために強化した電力出力を供給する。
トリミング制御回路184は、リード15aに結合され、動作中、電力が供給される。リード15aはまた、通常は製造の間に、トリミングされることになる様々な電流センサ・パラメータを許容する。この目的で、トリミング制御回路184は、リード15aに印加される適当な信号によって使用可能とされる1つ以上のカウンタを含む。
【0081】
トリミング制御回路184は、静止出力電圧(Qvo)回路182に結合される。静止出力電圧は、導体16を流れる電流がゼロであるときは、出力リード15bでの電圧となる。名目上は、単極供給電圧に対し、Qvoは、Vcc/2に等しい。Qvoは、適切なトリミング信号を、リード15aを通じてトリミング制御回路184内の第1のトリミング制御回路カウンタに印加することによって、トリミングすることができ、次いで、Qvo回路内のデジタル/アナログ変換器(DAC)を制御する。
【0082】
トリミング制御回路184は、さらに、感度調整回路178に結合される。感度調整回路178は、電流センサ10の感度を調整するために、増幅器172の利得の調整を可能にする。感度調整回路は、適切なトリミング信号を、リード15aを通じてトリミング制御回路184内の第2のトリミング制御回路カウンタに印加することによって、トリミングすることができ、次いで、感度調整回路178内のDACを制御する。
【0083】
トリミング制御回路184は、さらに、感度温度補償回路180に結合される。感度温度補償回路180は、温度による利得バリエーションを補償するために、増幅器172の利得の調整を可能にする。感度温度補償回路は、適切なトリミング信号を、リード15aを通じてトリミング制御回路184内の第3のトリミング制御回路カウンタに印加することによって、トリミングすることができ、次いで、感度温度補償回路180内のDACを制御する。
【0084】
出力ドライバ176からの出力信号は、当該出力ドライバから信号出力ピン15bまでそのパスに関連して2つの導電ループを経験する。以下「回路ループ」と称する第1のループ190は矢印によって示される第1の回転方向を有し、また、以下「補償ループ」と称する第2のループ192は、別の矢印によって示される第2の異なった反対側の回転方向を有する。回路ループ190については、以下、
図5と共により詳細に説明する。補償ループについては、以下、
図7〜12Bと共により詳細に説明する。
【0085】
ここで十分に言わせてもらうと、回路ループ190は、集積回路ダイ14上の回路レイアウトのために、センサ・ダイ14において自然に生じるものである。回路ループ190は、導体16を通過する電流の急速な変化によって発生することもあるように、回路ループが磁場の急速な変化を直接経験するときに、過渡信号を発生させることがおおい。補償ループ192は、様々な構成を有する物理導電ループであり、回路ループ190の結果として形成するこの過渡信号をキャンセルまたは低減させるように設けることができる。
【0086】
図4に示した回路は、
図1のホール効果電流センサ10のようなホール効果電流センサと関連し、統合することができる例示の回路を示してに過ぎないことが理解されよう。他の実施形態では、追加の回路が、電流センサを「デジタル・ヒューズ」に換えるために提供され、導体16を流れる電流によって誘起される磁場164が予め定められた閾値レベルより大きいか、それとも小さいかに従って、高出力信号または低出力信号を提供する。この代替の実施形態の追加回路は、比較器および/若しくはラッチ、並びに/またはリレーを含むことができる。デジタル・ヒューズの例示的な実施形態を、
図7に示す。
【0087】
さらに、導体接続16a,16bは、電流センサのリード線15a,15b,15cからは電気的に絶縁されるので、電流センサ10は、光アイソレータまたは他のトランスといった絶縁技術を用いずに電気的絶縁を必要とする用途において使用することができる。
【0088】
これより
図4Aを次に参照する。
図4の2つのループ190,192について再びではあるが、より良く明瞭に示している。この2つのループは直列配置で結合されており、左から右へのパスは、第1のループで反時計回り、第2のループでは時計回りのパスである。両方のループともに、閉ループとなるように示している。
【0089】
これより
図4Bを参照する。2つの異なるループが示されており、再度、直列の配列で結合される。このループは、開ループである。本明細書において用いる「ループ」という用語は、開ループおよび閉ループの両方を指すものである。より具体的には、例えば、90度による曲げといった任意の角度による任意の曲げパスを取り入れた導体のことを指すものである。
【0090】
図4Bのように、左から右の通路は、第1のループでは反時計回りに回転し、このパスは第2のループでは時計回りに回転する。
【0091】
これより
図4Cを参照する。2つの異なるループが、再度直列配置で結合され、第2のループが第1のループの間に入っている。左から右のパスは、第1のループの第1部分において反時計回りに回転し、そのパスは第2のループでは時計回りに回転する。また、その通路は、第1のループの第2の部分では、再度反時計回りに回転する。
したがって、「直列配置」という用語は、2つのループの結合について述べるときは、順々なループ結合、または、第2のループが第1のループの間に入るようなループ結合とすることできるということが理解されよう。
【0092】
第1のループによる通路が反時計回りに回転することを示し、また第2のループによる通路が時計回りに回転することを示す一方で、この逆もまた可能である。さらに、異なる方向の回転を示す一方で、以下に示す実施形態で明らかなように、連続して接続するループがまた同一方向に回転するパスを有する場合もある。
【0093】
以下の
図5および
図7〜12Bでは、磁場センサは明確のために磁束集中器なしで示している。しかしながら、好ましくは、
図5および7〜12Bの磁場センサの全ては、それぞれ磁束集中器、例えば、
図1、
図2および
図2Aに示したものの1つの形態を有する磁束集中器を含む。
【0094】
これから
図5を参照する。磁場センサ200は、磁束集中器なしで示されている。磁場センサ200は、モールドされたパッケージ202内に配置された集積回路ダイ203およびリード・フレーム240を含むことができる。集積回路ダイ203は、導体206上に搬送される磁場信号を発生するように構成されるホール効果エレメント204を含むことができる。導体206によって搬送される信号は、ホール効果エレメント204の近くに配置される導体242を通じて流れている電流244に応答する。インタフェース回路208は、導体206によって搬送される磁場信号を受けるように結合され、導体210によって搬送インタフェース信号を発生するように構成される。出力増幅器(またはバッファ)212は、導体210上を搬送されインタフェース信号を受け取るように結合される。インタフェース回路208および出力増幅器212は、
図4に関連して上記説明から容易に理解されよう。
【0095】
出力増幅器212は、回路グランド・ノード216および回路出力ノード218を含む。回路出力ノード218は、出力増幅器212内で内部抵抗214を介して回路グランド・ノード216に連結される。
【0096】
グランド回路トレース228は、第1および第2の端を有する。そして、このグランド回路トレース228の第1端は回路グランド・ノード216に結合される。グランド・ボンディング・パッド220は、グランド回路トレース228の第2端に結合される。出力信号回路トレース230は、第1および第2の端を有する。そして、この出力信号回路トレース230の第1端は回路出力ノード218に結合される。出力信号ボンディング・パッド222は、出力信号回路トレース230の第2端に結合される。
【0097】
信号ボンド・ワイヤ232は出力信号ボンディング・パッド222と信号出力ピン236の間で結合され、リード・フレーム240の一部である。グランド・ボンド・ワイヤ226はグランド・ボンディング・パッド220とベース平面241上のグランド・ノード234の間で結合され、リード・フレーム240の一部であり、グランド・ピン238に結合され、リード・フレーム240の一部である。
【0098】
グランド・ボンド・ワイヤ226、グランド・回路トレース228、抵抗214、出力信号回路トレース230、および出力信号ボンド・ワイヤ232は、点線として示したように、所謂「回路ループ」234の部分を形成する。回路ループ234は、モールドされたパッケージ202におけるより低い周辺部において示した水平線を経由して、シンボリックに閉じることができる。
【0099】
急速に変化する際に電流244によって発生することも多いために、導電ループが、急速に変化する磁場に応じて、その端部において電圧を形成することも多いことが理解されよう。この電圧により、
図6および6Aに関連して以下に図示および説明する過渡的で不必要な信号をもたらすことが多い。
【0100】
ループで生成した電圧は、ファラデーの法則により説明される。
【0101】
V=−N(dΦ/dt)
ここで、
Nはループにおけるターン数であり、Φは、磁束であり、dΦ/dtは、磁束の変化率である。
Bを均一でループの平面に垂直とした場合、Φ=BAであり、ここで、Bは、フラックス密度であり、また、Aは、ループの領域である。(なお、開ループについて、この領域はループの端を線、例えば直線と接続することによって見出すことができる。)
つまり、ループで誘起された電圧は磁束の変化率に比例し、ループのターン数に関係し、また、ループの領域に関係する。
【0102】
図示のように、回路ループ234は、約3mm×約1.5mmの矩形内に囲まれる。回路ループは、全ての矩形領域を満たすわけではなく、約3.6平方ミリメートルの回路ループ内部領域を有する。グランド・ピン238から信号出力ピン236方向の回路ループ234にわたるパスは、当該回路ループの回転方向を有しており、図示したように反時計回りとすることができ、または他の構成では時計回りとすることができる。
【0103】
回路ループの境界は、不規則な形状を検査することによって見出すことができるが、完全に正確というわけではないかもしれないことが理解されるであろう。つまり、回路ループの領域を確立するために、1つ以上の試行錯誤による集積回路ダイの製作の試みをすることがある。
【0104】
これより
図6を参照する。グラフ250は、時間の単位をマイクロ秒とした水平軸、および電流の単位をアンペアとした垂直軸を有する。信号252は、
図5の導体242によって搬送するような急速に変化する電流についての典型的な遷移領域を有する。
【0105】
これより
図6Aを参照する。グラフ260は、時間の単位をマイクロ秒とした水平軸、および電圧の単位をボルトとした垂直軸を有する。
図6の電流信号252に応じて、信号262は、
図5の出力信号ピン236で発生するような出力信号を表わす。信号262は、
図6の電流信号252が表わしていない、不必要で過渡信号部264を有する。これは、
図6の信号252の遷移領域の開始と一致して下方に移行するものとして示される。
【0106】
本明細書における本発明によって、過渡信号部264は、磁場の高変化レート(または磁束の高変化レート)を経験するために、過渡信号部264が
図5の回路ループ234によって発生されることが認められる。言いかえれば、過渡信号部264は、
図5の磁場センサ200が有する出力増幅器における、またはこれの近くにおける物理的な導電ループの結果として発生されることが認められる。
【0107】
先に述べたとおり、他にも、フィルタ等の方法により過渡信号264を取り除くことを試みたものもある。しかしながら、これらの技術は、信号262の反応率をスロー・ダウンさせることが多い。過渡信号は磁場の高レートな変化を経験するので、過渡信号が先に述べた回路ループの結果であることは、以前からは知られていない。
【0108】
これより
図6Bを参照する。再度
図6のグラフ250が示される。
【0109】
これより
図6Cを参照する、グラフ270は、時間の単位をマイクロ秒とした水平軸、および電圧の単位をボルトとした垂直軸を有する。
図6Bの電流信号252に応じて、信号272は、以下に図示し説明する回路の出力ピンにおいて発生することができる出力信号を表わす。この回路は、
図5の回路ループ234と直列に結合される補償ループを有する。信号262は、
図6Aの過渡信号部264のような過渡信号部を有さない。
【0110】
これより
図7を参照する。集積回路ダイ300は、導体304において搬送される磁場信号を発生するように構成されるホール効果エレメント302を含むことができる。インタフェース回路306は、導体304によって搬送される磁場信号を受け取るために結合され、導体308によって搬送されるインタフェース信号を発生するように構成される。出力増幅器(またはバッファ)310は、導体308において搬送されるインタフェース信号を受け取るため結合される。
【0111】
出力増幅器310は、回路グランド・ノード314および回路出力ノード316を含む。回路出力ノード316は、出力増幅器310内の内部抵抗312を介して、回路グランド・ノード314に結合される。
【0112】
グランド回路トレース322は、第1の端および第2の端を有しており、グランド回路トレース322の第1端は回路グランド・ノード314に結合される。グランド・ボンディング・パッド318は、グランド回路トレース322の第2端に結合される。
【0113】
出力信号回路トレース324は第1および第2の端を有しており、出力信号回路トレース324の第1端は回路出力ノード316に連結合される。出力信号ボンディング・パッド320は、出力信号回路トレース324の第2端に結合される。
【0114】
出力信号回路トレース324は、
図5の出力信号回路トレース230と異なるが、「補償ループ」における円形のルートをとり、出力信号ボンディング・パッド320に到達する。回路出力ノード318から出力信号ボンディング・パッド320への補償ループ324の方向(ここでは時計回り)は、先に述べた
図5の回路ループ234とは反対方向となる。
【0115】
補償ループ324は、回路ループ(図示せず)と直列配置で結合されることが認識されるであろう。この回路ループは、
図5の回路ループ234と同一または類似のものである。補償ループ324は、
図5の回路ループ234の内部領域とほぼ同一の内部領域を有するのが好ましい。
【0116】
補償ループ324および
図5の回路ループ234は、反対の回転方向を有しており、この補償ループ324および回路ループ234が磁場の高レートの変化を経験するときに、反対方向を有する過渡信号に応答することも多いことが認識されるであろう。さらにまた、補償ループ324および回路ループ234が共にほぼ同一の内部領域を有する場合、ならびに、補償ループ324および回路ループ234が共にほぼ同一の急速に変化する磁場を経験する場合には、補償ループ324は、回路ループ234内で発生する過渡信号を減少またはキャンセルすることも多くなる。
【0117】
特に、集積回路ダイ300に近接する磁束集中器を使用するとき、
図3および
図3Aに関して先に述べた考察からも明らかなように、補償ループ324は回路ループ234と同一の磁場を経験することが多い。しかしながら、たとえ補償ループ324が
図5の回路ループ234と同一の急速に変化する磁場を経験しない場合であっても、補償ループ324の領域または回路ループ234の領域は、キャンセルまたは減少する結果に供するために、設計することができるか、またはそれ故調整することができる。
【0118】
集積回路ダイ300について、磁場センサ、より具体的には電流センサに結合された場合を以下
図8に図示する。
【0119】
これより
図7Aを参照する。
図7と同様のエレメントが、同様の要素が同様の参照符号を有して示されており、集積回路ダイ350は、導体304で搬送される磁場信号を発生するように構成されるホール効果エレメント302を含むことができる。インタフェース回路306は、導体304によって搬送される磁場信号を受け取るよう結合され、また、導体308によって搬送されるインタフェース信号を発生するように構成される。出力増幅器(またはバッファ)310は、導体308で搬送されるインタフェース信号を受け取るように結合される。
【0120】
出力増幅器310は、回路グランド・ノード314および回路出力ノード316を含む。回路出力ノード316は、出力増幅器310内の内部抵抗312を介して、回路グランド・ノード314に結合される。
【0121】
グランド回路トレース352は、
図7のグランド回路トレース322よりも長く、第1の端および第2の端を有しており、グランド回路トレース352の第1端は回路グランド・ノード314に結合される。グランド・ボンディング・パッド318は、グランド回路トレース352の第2端に結合される。
【0122】
出力信号回路トレース354は、
図7の出力信号回路トレース324よりも短く、第1の端および第2の端を有しており、出力信号回路トレース354の第1端は回路出力ノード316に結合される。出力信号ボンディング・パッド320は、出力信号回路トレース354の第2端に結合される。
【0123】
グランド回路トレース352は、
図5のグランド回路トレース228と異なるが、「補償ループ」における円形のルートをとり、グランド信号ボンディング・パッド318に到達する。グランド・ボンディング・パッド318から回路グランド・ノード314への補償ループ324の方向(ここでは時計回り)は、先に述べた
図5の回路ループ234とは反対方向となる。
【0124】
補償ループ352は、回路ループ(図示せず)と直列配置で結合されることが認識されるであろう。この回路ループは、
図5の回路ループ234と同一または類似のものである。補償ループ352は、
図5の回路ループ234の内部領域とほぼ同一の内部領域を有するのが好ましい。
【0125】
補償ループ352および
図5の回路ループ234は、反対の回転方向を有しており、この補償ループ352および回路ループ234が磁場の高レートの変化を経験するときに、反対方向を有する過渡信号に応答することも多いことが認識されるであろう。さらにまた、補償ループ352および回路ループ234が共にほぼ同一の内部領域を有する場合、ならびに、補償ループ352および回路ループ234が共にほぼ同一の急速に変化する磁場を経験する場合には、補償ループ352は、回路ループ234内で発生する過渡信号を減少またはキャンセルすることも多くなる。
【0126】
特に、集積回路ダイ300に近接する磁束集中器を使用するとき、
図3および
図3Aに関して先に述べた考察からも明らかなように、補償ループ352は回路ループ234と同一の磁場を経験することが多い。しかしながら、たとえ補償ループ352が
図5の回路ループ234と同一の急速に変化する磁場を経験しない場合であっても、補償ループ352の領域または回路ループ234の領域は、キャンセルまたは減少する結果に供するために、設計することができるか、またはそれ故調整することができる。
【0127】
集積回路ダイ350について、磁場センサ、より具体的には電流センサに結合された場合を以下、
図8に図示する。
【0128】
これより
図8を参照する。
図7と同様の要素が、同様の参照符号を有して示されており、
図7の集積回路ダイ300は、磁場センサ400内にある。
【0129】
磁場センサ400は、ベース平面418、ベース平面418に結合されるグランド・ピン416、および信号出力ピン414を有するリード・フレーム420を含む。磁場センサ400は、ベース平面418上に配置される
図7の集積回路ダイ300を含む。集積回路ダイ300は、基板301を含む。集積回路ダイ300はまた、基板301上に配置され、磁場(例えば、導体402を流れる電流404によって発生する磁場)に応じて磁場信号を発生するように構成される、磁場検知エレメント302も含む。集積回路ダイ300はまた、基板301上に配置される出力回路310も含む。出力回路310は、回路グランド・ノード314および回路出力ノード316を含む。出力回路310は、磁場信号に応じて回路出力ノード316で出力信号を発生するように構成される。集積回路ダイ301はまた、第1および第2の端を有するグランド回路トレース322を含む。グランド回路トレース322の第1端は、回路グランド・ノード314に結合される。集積回路ダイはまた、グランド回路トレース322の第2端に結合されるグランド・ボンディング・パッド318を含む。集積回路ダイ301はまた、第1および第2の端を有する出力信号回路トレース324を含む。出力信号回路トレース324の第1端は、回路出力ノード316に結合される。集積回路ダイ301はまた、出力信号回路トレース324の第2端に結合される出力信号ボンディング・パッド320を含む。磁場センサ400は、さらに、回路ループ234(
図5)を含む。回路ループ234は、グランド・ピン416と信号出力ピン414の間の導電パスを含む。回路ループ234は、回路ループ内部領域を有する。磁場センサ400は、さらに、回路出力ノード316に結合される補償済み信号出力ノード412を含む。磁場センサ400は、さらに、導電構造を含み、回路ループ234(
図5)と直列配置で結合される補償ループ324を含む。補償ループ324は、補償ループ内部領域を有する。補償ループ内部領域は、回路ループ234の内部領域に関連するように選択される。また、直列配置の第1端から直列配置の第2端方向の回路ループ234にわたるパス(例えば矢印422参照)は、同一のパスに沿った補償ループにわたる補償ループ回転方向とは反対の回路ループの回転方向を有する。補償ループ内部領域および補償ループ回転方向が選択されて、その結果、磁場の磁束の急速な変化を経験した回路ループ234からもたされる補償済みの信号出力ノード412での出力信号のオーバーシュートまたはアンダーシュートを減少させる。
【0130】
図8の実施形態では、補償ループ324は、回路出力ノード316と補償済み信号出力ノード414すなわち回路ループ234の信号サイドとの間に結合される。補償ループ324は、信号回路トレース324と同一である。
これより
図8Aを参照する。
図7Aおよび
図8と同様の要素が同様の参照表示を有して示される。
図7Aの集積回路ダイ350は、磁場センサ430内、すなわち、回路ループ234の信号サイドにある。
【0131】
磁場センサ430は、ベース平面418、ベース平面418に結合されるグランド・ピン416、および信号出力ピン414を有するリード・フレーム420を含む。磁場センサ430は、ベース平面418上に配置される
図7Aの集積回路ダイ350を含む。集積回路ダイ350は、基板351を含む。集積回路ダイ350はまた、基板301上に配置され、磁場(例えば、導体402を流れる電流404によって発生する磁場)に応じて磁場信号を発生するように構成される、磁場検知エレメント302も含む。集積回路ダイ351はまた、基板351上に配置される出力回路310も含む。出力回路310は、回路グランド・ノード314および回路出力ノード316を含む。出力回路310は、磁場信号に応じて回路出力ノード316で出力信号を発生するように構成される。集積回路ダイ351はまた、第1および第2の端を有するグランド回路トレース352を含む。グランド回路トレース352の第1端は、回路グランド・ノード314に結合される。集積回路ダイ351はまた、グランド回路トレース352の第2端に結合されるグランド・ボンディング・パッド318を含む。集積回路ダイ351はまた、第1および第2の端を有する出力信号回路トレース354を含む。出力信号回路トレース354の第1端は、回路出力ノード316に結合される。集積回路ダイはまた、出力信号回路トレース354の第2端に結合される出力信号ボンディング・パッド320を含む。磁場センサ430は、さらに、回路ループ234(
図5)を含む。回路ループ234は、グランド・ピン416と信号出力ピン414の間の導電パスを含む。回路ループ234は、グランド・ピン416と信号出力ピン414の間の導電パスを含む。回路ループ234は、回路ループ内部領域を有する。磁場センサ430は、さらに、回路出力ノード316に結合される補償済み信号出力ノード412を含む。磁場センサ430は、さらに、導電構造を含み、回路ループ234(
図5)と直列配置で結合される補償ループ352を含む。補償ループ352は、補償ループ内部領域を有する。補償ループ内部領域は、回路ループ234(
図5)の内部領域に関連するように選択される。また、直列配置の第1端から直列配置の第2端方向の回路ループ234にわたるパス(例えば矢印422参照)は、同一のパスに沿った補償ループにわたる補償ループ回転方向とは反対の回路ループの回転方向を有する。補償ループ内部領域および補償ループ回転方向が選択されて、その結果、磁場の磁束の急速な変化を経験した回路ループ234からもたされる補償済みの信号出力ノード412での出力信号のオーバーシュートまたはアンダーシュートを減少させる。
【0132】
図8Aの実施形態では、補償ループ352は、ループ終端ノード408とグランド・ノード314すなわち回路ループ234の信号サイドとの間で結合される。補償ループ352は、グランド回路トレース352と同一である。
【0133】
以下の図において、先に述べた補償ループを、いくつかは
図5の回路ループ234の信号サイドについて、その他はグランド・サイドについて達成する代替の構造を提示する。
【0134】
これより
図9を参照する。磁場センサ500は、ベース平面540、ベース平面540に結合されるグランド・ピン538、および信号出力ピン536を有するリード・フレーム542を含む。磁場センサ500はまた、ベース平面540上に配置される集積回路ダイ508を含む。集積回路ダイ508は、基板509を含む。集積回路ダイ508はまた、基板509上に配置され、磁場(例えば、導体502を流れる電流504によって発生する磁場)に応じて磁場信号を発生するように構成される、磁場検知エレメント503も含む。集積回路ダイ508はまた、基板508上に配置される出力回路510も含む。出力回路510は、回路グランド・ノード512および回路出力ノード514を含む。出力回路510は、磁場信号に応じて回路出力ノード514で出力信号を発生するように構成される。集積回路ダイ508はまた、第1および第2の端を有するグランド回路トレース520を含む。グランド回路トレース520の第1端は、回路グランド・ノード512に結合される。集積回路ダイ508はまた、グランド回路トレース520の第2端に結合されるグランド・ボンディング・パッド516を含む。集積回路ダイ508はまた、第1および第2の端を有する出力信号回路トレース522を含む。出力信号回路トレース522の第1端は、回路出力ノード514に結合される。集積回路ダイ508はまた、出力信号回路トレース522の第2端に結合される出力信号ボンディング・パッド518を含む。磁場センサ500は、さらに、回路ループ234(
図5)を含む。回路ループ234は、グランド・ピン538と信号出力ピン536の間の導電パスを含む。回路ループ234は、回路ループ内部領域を有する。磁場センサ500は、さらに、回路出力ノード514に結合される補償済み信号出力ノード534を含む。磁場センサ500は、さらに、導電構造を含み、回路ループ234と直列配置で結合される補償ループ324を含む。補償ループ532は、補償ループ内部領域を有する。補償ループ内部領域は、回路ループの内部領域に関連するように選択される。また、直列配置の第1端から直列配置の第2端方向の回路ループ234にわたるパス(例えば矢印544参照)は、同一のパスに沿った補償ループにわたる補償ループ回転方向とは反対の回路ループの回転方向を有する。補償ループ内部領域および補償ループ回転方向が選択されて、その結果、磁場の磁束の急速な変化を経験した回路ループ234からもたされる補償済みの信号出力ノード534での出力信号のオーバーシュートまたはアンダーシュートを減少させる。
【0135】
図9の実施例では、補償ループ532は、回路出力ノード514と補償済み信号出力ノード534すなわち回路ループ234の信号サイドとの間に結合される。
【0136】
補償ループ532は、リード・フレーム542の一部から形成され、より具体的には、信号出力ピン536およびブラインド・ピン530の間のループ532である。ボンド・ワイヤ528は、信号出力ボンディング・パッド518をブラインド・ピン530に結合する。絶縁体546、例えば、カプトン・テープは、補償ループ532および集積回路ダイ509の間に配置することができる。
【0137】
本実施例では、基板509はベース平面540についてハンギング・オフをし、つまり、ワイヤ・ボンド528がボンドされるときに破損を受けやすいことが理解されるであろう。しかしながら、出力信号ボンディング・パッド518は、ベース平面540にわたるように移動することができ、基板破損の機会を削減する。
【0138】
磁場センサは、モールド・パッケージ501にモールドされる。いくつかの構成では、2重モールド・プロセスは、ワイヤ・ボンディングする間、基板509を支持するためにワイヤ・ボンド528を用いることができる場合もある。2重モールディングについては、
図111および11Aに関してさらに以下に説明する。
これより
図9Aを参照する。
図9と同様の要素が同様の参照表示を有して示される。磁場センサ550は、ベース平面564、ベース平面564に結合されるグランド・ピン558、および信号出力ピン560を有するリード・フレーム566を含む。磁場センサ550はまた、ベース平面540上に配置される
図9の集積回路ダイ508を含む。集積回路ダイ508は、基板509を含む。集積回路ダイ508はまた、基板509上に配置され、磁場(例えば、導体502を流れる電流504によって発生する磁場)に応じて磁場信号を発生するように構成される、磁場検知エレメント503も含む。集積回路ダイ508はまた、基板508上に配置される出力回路510も含む。出力回路510は、回路グランド・ノード512および回路出力ノード514を含む。出力回路510は、磁場信号に応じて回路出力ノード514で出力信号を発生するように構成される。集積回路ダイ508はまた、第1および第2の端を有するグランド回路トレース520を含む。グランド回路トレース520の第1端は、回路グランド・ノード512に結合される。集積回路ダイ508はまた、グランド回路トレース520の第2端に結合されるグランド・ボンディング・パッド516を含む。集積回路ダイ508はまた、第1および第2の端を有する出力信号回路トレース522を含む。出力信号回路トレース522の第1端は、回路出力ノード514に結合される。集積回路ダイ508はまた、出力信号回路トレース522の第2端に結合される出力信号ボンディング・パッド518を含む。磁場センサ550は、さらに、回路ループ234(
図5)を含む。回路ループ234は、グランド・ピン558と信号出力ピン560の間の導電パスを含む。回路ループ234は、回路ループ内部領域を有する。磁場センサ550は、さらに、回路出力ノード514に結合される補償済み信号出力ノード562を含む。磁場センサ550は、さらに、導電構造を含み、回路ループ556と直列配置で結合される回路ループ234を含む。補償ループ556は、補償ループ内部領域を有する。補償ループ内部領域は、回路ループ234の内部領域に関連するように選択される。また、直列配置の第1端から直列配置の第2端方向の回路ループ234にわたるパス(例えば矢印572参照)は、同一のパスに沿った補償ループにわたる補償ループ回転方向とは反対の回路ループの回転方向を有する。補償ループ内部領域および補償ループ回転方向が選択されて、その結果、磁場の磁束の急速な変化を経験した回路ループ234からもたされる補償済み信号出力ノード562での出力信号のオーバーシュートまたはアンダーシュートを減少させる。
【0139】
図9Aの実施例では、補償ループ556は、回路出力ノード514と補償済み信号出力ノード562すなわち回路ループ234の信号サイドとの間に結合される。
【0140】
補償ループ556は、リード・フレーム566の一部から形成され、より具体的には、信号出力ピン560およびブラインド・ピン554の間のループ532である。ボンド・ワイヤ552は、信号出力ボンディング・パッド518をブラインド・ピン554に結合し、ボンド・ワイヤ468はグランド・ボンディング・パッド516をベース平面564に結合する。
【0141】
図9の磁場センサ500とは異なり、磁場センサ550はピンの中央にグランド・ピン558を有し、その結果、ベース平面564を回避し、且つ、
図9のような基板509のオーバーハンギングを回避する補償ループ556になる。
これより
図9Bを参照する。
図9および
図9Aと同様の要素が参照表示を有して示される。磁場センサ600は、ベース平面618、ベース平面618に結合されるグランド・ピン614、および信号出力ピン616を有するリード・フレーム620を含む。磁場センサ600はまた、ベース平面618上に配置される集積回路ダイ508を含む。集積回路ダイ508は、基板509を含む。集積回路ダイ508はまた、基板509上に配置され、磁場(例えば、導体502を流れる電流504によって発生する磁場)に応じて磁場信号を発生するように構成される、磁場検知エレメント503も含む。集積回路ダイ508はまた、基板508上に配置される出力回路510も含む。出力回路510は、回路グランド・ノード512および回路出力ノード514を含む。出力回路510は、磁場信号に応じて回路出力ノード514で出力信号を発生するように構成される。集積回路ダイ508はまた、第1および第2の端を有するグランド回路トレース520を含む。グランド回路トレース520の第1端は、回路グランド・ノード512に結合される。集積回路ダイ508はまた、グランド回路トレース520の第2端に結合されるグランド・ボンディング・パッド516を含む。集積回路ダイ508はまた、第1および第2の端を有する出力信号回路トレース522を含む。出力信号回路トレース522の第1端は、回路出力ノード514に結合される。集積回路ダイ508はまた、出力信号回路トレース522の第2端に結合される出力信号ボンディング・パッド518を含む。磁場センサ600は、さらに、回路ループ234(
図5)を含む。回路ループ234は、グランド・ピン614と信号出力ピン616の間の導電パスを含む。回路ループ234は、回路ループ内部領域を有する。磁場センサ600は、さらに、回路出力ノード514に結合される補償済み信号出力ノード604を含む。磁場センサ600は、さらに、導電構造を含み、回路ループ234と直列配置で結合される補償ループ610を含む。補償ループ610は、補償ループ内部領域を有する。補償ループ内部領域は、回路ループ234の内部領域に関連するように選択される。また、直列配置の第1端から直列配置の第2端方向の回路ループ234にわたるパス(例えば矢印622参照)は、同一のパスに沿った補償ループにわたる補償ループ回転方向とは反対の回路ループの回転方向を有する。補償ループ内部領域および補償ループ回転方向が選択されて、その結果、磁場の磁束の急速な変化を経験した回路ループ234からもたされる補償済み信号出力ノード604での出力信号のオーバーシュートまたはアンダーシュートを減少させる。
【0142】
図9Bの実施例では、補償ループ610は、ループ終端ノード608とグランド・ノード512すなわち回路ループ234のグランド・サイドとの間に結合される。
【0143】
補償ループ610は、リード・フレーム620の一部から形成され、より具体的には、グランド・ピン610およびブラインド・ピン612の間のループ610である。ボンド・ワイヤ602は、信号出力ボンディング・パッド518を信号出力ピン616に結合し、およびボンド・ワイヤ606は、グランド・ボンディング・パッド516をブラインド・ピン612に結合する。
【0144】
これより
図10を参照する。
図9〜
図9Bと同様の要素が同様の参照表示を有して示される。磁場センサ674は、回路ボード675に電気的に結合される統合磁場センサ650を含む。統合磁場センサ650は、
図9、
図9A、
図9Bの磁場センサ500,550,600それぞれと同様であるが、如何なる補償ループをも含まない。しかしながら、統合磁場センサ650は
図5の回路ループ234を含むことが理解されるであろう。
【0145】
磁場センサ674(すなわち、集積磁場センサ650)は、ベース平面670、ベース平面670に結合されるグランド・ピン668、および信号出力ピン666を有するリード・フレーム672を含む。磁場センサ674はまた、ベース平面670上に配置される
図9〜
図9Bの集積回路ダイ508を含む。集積回路ダイ508は、基板509を含む。集積回路ダイ508はまた、基板509上に配置され、磁場(例えば、導体652を流れる電流654によって発生する磁場)に応じて磁場信号を発生するように構成される、磁場検知エレメント503も含む。集積回路ダイ508はまた、基板508上に配置される出力回路510も含む。出力回路510は、回路グランド・ノード512および回路出力ノード514を含む。出力回路510は、磁場信号に応じて回路出力ノード514で出力信号を発生するように構成される。集積回路ダイ508はまた、第1および第2の端を有するグランド回路トレース520を含む。グランド回路トレース520の第1端は、回路グランド・ノード512に結合される。集積回路ダイ508はまた、グランド回路トレース520の第2端に結合されるグランド・ボンディング・パッド516を含む。集積回路ダイ508はまた、第1および第2の端を有する出力信号回路トレース522を含む。出力信号回路トレース522の第1端は、回路出力ノード514に結合される。集積回路ダイ508はまた、出力信号回路トレース522の第2端に結合される出力信号ボンディング・パッド518を含む。磁場センサ674は、さらに、回路ループ234(
図5)を含む。回路ループ234は、グランド・ピン668と信号出力ピン666の間の導電パスを含む。回路ループ234は、回路ループ内部領域を有する。磁場センサ674は、さらに、回路出力ノード514に結合される補償済み信号出力ノード658を含む。磁場センサ674は、さらに、導電構造を含み、回路ループ234と直列配置で結合される補償ループ656を含む。補償ループ656は、補償ループ内部領域を有する。補償ループ内部領域は、回路ループ234の内部領域に関連するように選択される。また、直列配置の第1端から直列配置の第2端方向の回路ループ234にわたるパス(例えば矢印676参照)は、同一のパスに沿った補償ループにわたる補償ループ回転方向とは反対の回路ループの回転方向を有する。補償ループ内部領域および補償ループ回転方向が選択されて、その結果、磁場の磁束の急速な変化を経験した回路ループ234からもたされる補償済み信号出力ノード658での出力信号のオーバーシュートまたはアンダーシュートを減少させる。
【0146】
図10の実施例では、補償ループ656は、回路出力ノード514と補償済み信号出力ノード658すなわち回路ループ234(
図5)の信号サイドとの間に結合される。
【0147】
補償ループ656は、回路ボード675上の導電トレースによって、回路ボード675の1つ以上の導電レイヤに形成される。ボンド・ワイヤ604は、信号出力ボンディング・パッド518を信号出力ピン666に結合し、およびボンド・ワイヤ606は、グランド・ボンディング・パッド516をベース平面670に結合する。
【0148】
回路ボード675はまた、導体652を、電流654を搬送するように構成される電流搬送導電トレースとして含むこともでき、磁場は電流に応じて発生される。補償ループ656は、導体652に近接して配置される。補償ループ656は導体652の縁に配置することができ、その結果、磁場が補償ループ656をまっすぐ(perpendicularly)に通過する。
【0149】
補償ループ656は、ここでは、複数の入れ子にされたループを含むように示される。具体的には、補償ループ656は、
図1および
図2〜2Aに示した磁束集中器の影響を受けないときに、補償ループ656は、回路ループ234(
図5)が経験することがあるよりもさらに小さな磁場を経験することになる。つまり、
図6Aの過渡信号を減少またはキャンセルするために、補償ループ656を図示のような多数ループで、または
図5の回路ループ234よりも大きな領域で提供するのが望ましい。
【0150】
これより
図10Aを参照する。
図9〜
図9Bおよび
図10と同様の要素が同様の参照表示を有して示される。磁場センサ700は、回路ボード701に電気的に結合される、
図10の統合磁場センサ650を含む。この統合磁場センサ650は、
図9、
図9A、
図9Bの磁場センサ500,550,600のそれぞれと同様であるが、如何なる補償ループをも含まない。しかしながら、統合磁場センサ650は
図5の回路ループ234を含むことが理解されるであろう。
【0151】
磁場センサ700(すなわち、集積磁場センサ650)は、ベース平面670、ベース平面670に結合されるグランド・ピン668、および信号出力ピン666を有するリード・フレーム672を含む。磁場センサ700はまた、ベース平面670上に配置される
図9〜
図9Bの集積回路ダイ508を含む。集積回路ダイ508は、基板509を含む。集積回路ダイ508はまた、基板509上に配置され、磁場(例えば、導体704を流れる電流706によって発生する磁場)に応じて磁場信号を発生するように構成される、磁場検知エレメント503も含む。集積回路ダイ508はまた、基板508上に配置される出力回路510も含む。出力回路510は、回路グランド・ノード512および回路出力ノード514を含む。出力回路510は、磁場信号に応じて回路出力ノード514で出力信号を発生するように構成される。集積回路ダイ508はまた、第1および第2の端を有するグランド回路トレース520を含む。グランド回路トレース520の第1端は、回路グランド・ノード512に結合される。集積回路ダイ508はまた、グランド回路トレース520の第2端に結合されるグランド・ボンディング・パッド516を含む。集積回路ダイ508はまた、第1および第2の端を有する出力信号回路トレース522を含む。出力信号回路トレース522の第1端は、回路出力ノード514に結合される。集積回路ダイ508はまた、出力信号回路トレース522の第2端に結合される出力信号ボンディング・パッド518を含む。磁場センサ700は、さらに、回路ループ234(
図5)を含む。回路ループ234は、グランド・ピン668と信号出力ピン666の間の導電パスを含む。回路ループ234は、回路ループ内部領域を有する。磁場センサ700は、さらに、回路出力ノード514に結合される補償済み信号出力ノード667を含む。磁場センサ700は、さらに、導電構造を含み、回路ループ234と直列配置で結合される補償ループ702を含む。補償ループ656は、補償ループ内部領域を有する。補償ループ内部領域は、回路ループ234の内部領域に関連するように選択される。また、直列配置の第1端から直列配置の第2端方向の回路ループ234にわたるパス(例えば矢印710参照)は、同一のパスに沿った補償ループにわたる補償ループ回転方向とは反対の回路ループの回転方向を有する。補償ループ内部領域および補償ループ回転方向が選択されて、その結果、磁場の磁束の急速な変化を経験した回路ループ234からもたされる補償済み信号出力ノード667での出力信号のオーバーシュートまたはアンダーシュートを減少させる。
【0152】
図10Aの実施例では、補償ループ702は、ループ終端ノード708とグランド・ノード512すなわち回路ループ234(
図5)のグランド・サイドとの間に結合される。ループ終端ノードは、基準電圧、例えばグランドに結合することができる。
【0153】
補償ループ702は、回路ボード701上の導電トレースによって、回路ボード701の1つ以上の導電レイヤに形成される。ボンド・ワイヤ664は、信号出力ボンディング・パッド518を信号出力ピン666に結合し、およびボンド・ワイヤ660は、グランド・ボンディング・パッド516をベース平面670に結合する。
【0154】
回路ボード674はまた、導体704を、電流706を搬送するように構成される電流搬送導電トレースとして含むこともでき、磁場は電流706に応じて発生される。補償ループ702は、導体704に近接して配置される。
【0155】
補償ループ702は、ここでは、複数の入れ子にされたループを含むように示される。具体的には、補償ループ702は、
図1および
図2〜2Aに示した磁束集中器の影響を受けないときに、補償ループ702は、回路ループ234(
図5)が経験することがあるよりもさらに小さな磁場を経験することになる。つまり、
図6Aの過渡信号を減少またはキャンセルするために、補償ループ702を図示のような多数ループで、または
図5の回路ループ234よりも大きな領域で提供するのが望ましい。
【0156】
上記の
図9および
図9Aを比較する。補償ループを、リード・フレームのベース平面と干渉しないリード・フレームの一部として設けることが困難となり得ることは明らかである。
図11および
図11Aは、ベース平面を回避する補償ループのための別の方法を示す。
【0157】
これより
図11を参照する。磁場センサ800は、ベース平面832、グランド・ピン828および信号出力ピン826を有するリード・フレーム830を含む。リード・フレーム830はまた、1つの端でブラインド・ピン816に結合され、他方の端で他のブラインド・ピン824に結合される補償ループ820を含む。遷移領域818,822(または屈曲)は、ベース平面832の下位となる補償ループを減衰させる(depress)ことができる。それ自体は示されていないが、この減衰はベース平面832の下で補償ループ820を通過させるために用いることができる。
【0158】
グランド・ボンディング・パッド812は、ボンド・ワイヤ8
50を用いてベース平面832に結合される。
【0159】
信号出力ボンディング・パッド814は、ボンド・ワイヤ836を用いてブラインド・ピン816に結合される。ブラインド・ピン824は、ワイヤ・ボンド838を用いて集積回路ダイ802上にボンディング・パッド804に結合される。ボンディング・パッド804は、集積回路ダイ802の反対側のボンディング・パッド806に回路トレース808で結合される。ボンド・ワイヤ834は、ボンディング・パッド806を信号出力ピン826、および補償ノード844に結合する。
【0160】
補償ループ820は、回路ループ234(
図5)の出力信号サイドに結合されるために示される。しかしながら、同様の補償ループが回路ループ234のグランド・サイドに結合することができることが理解されよう。
【0161】
これより
図11Aを参照する。
図11と同様の要素が同様の参照表示を有して示される。補償ループ830は、遷移領域818,822を経由してベース平面832とは異なる平面にあることが示される。第1のモールド体840は、補償ループおよびベース平面を支持するために、最初に形成することができる。第2のモールド体842を第2のモールド・ステップで形成することができ、第1のモールド体840および基板802を取り囲む。
【0162】
これより
図12を参照する。他の磁場センサ850は、ベース平面874、信号出力ピン868、およびベース平面874に結合されるグランド・ピン874を有するリード・フレーム872を含むことができる。小さい回路ボード858は、ベース平面874上に配置することができる。回路ボード858は、当該回路ボード858上の導電トレースとして形成される補償ループ860を含むことができる。集積回路ダイ852は、回路ボード858上に配置することができる。集積回路ダイ852は、グランド・ボンディング・パッド854および信号出力ボンディング・パッド856を含むことができる。信号出力ボンディング・パッド856は、ボンド・ワイヤ861を用いて補償ループ860の一端に結合することができる。補償ループ860の他の端は、ボンド・ワイヤ866を用いて補償済み信号出力ノード880で信号出力ピン868に結合することができる。ボンド・ワイヤ876は、ボンディング・パッド854をベース平面874に結合することができる。
【0163】
補償ループ860は、回路ループ234(
図5)の出力信号サイドに結合されることが示される。しかしながら、同様の補償ループが回路ループ234のグランド・サイドに結合することができることが理解されよう。
【0164】
これより
図12Aを参照する。
図12と同様の要素が同様の参照表示を有して示される。磁場センサ850は、1つのモールド体851を含むことができる。
【0165】
これより
図13を参照する。信号出力ピンやグランド・ピンに対する様々な回路結合をワイヤ・ボンドで構成されるこれまでの図で示した一方、他の実施形態では、先に述べた任意の磁場センサのリード・フレームにおける信号出力ピン920やグランド・ピン924に対する回路結合の1つ以上は、代替として、半田機構906,914をそれぞれ通じて、およびバイアス904,912をそれぞれ通じて基板900上のボンディング・パッド902,910にそれぞれ結合される半田ボール908,916で構成される直接結合とすることができる。
【0166】
図示のような構成では、基板900の能動面(active side)は上方に配置され、出力増幅器901が、リード・フレーム926から見て外方を向く基板900の面上に配置される。
【0167】
半田ボール908,916が示される一方で、直接ボンディングを、半田ボール、銅ピラー、金バンプ、共晶高鉛半田バンプ、無鉛半田バンプ、金スタッド・バンプ、高分子導電バンプ、異方性導電ペースト、または、導電フィルムの内から選択された1つ以上とすることができ、機構906,914およびリード・フレーム・ピン間を結合する。
【0168】
これより
図13Aを参照する。直接結合は、基板950および(例えば、ピン964,968への)リード・フレーム970の間で代替として行うことができ、所謂「フリップ・チップ」構成で相対的に配置される。その結果、出力増幅器952がリード・フレーム970に向いている基板950の面上に配置されるように、能動的な基板表面950が下方に配置される。直接結合は、半田ボール956,960で構成することができ、ボンディング・パッド954,958とリード・フレーム・ピン964,968の間にそれぞれ接続される。
【0169】
半田ボール956,960が示される一方で、直接ボンディングを、半田ボール、銅ピラー、金バンプ、共晶高鉛半田バンプ、無鉛半田バンプ、金スタッド・バンプ、高分子導電バンプ、異方性導電ペースト、または、導電フィルムの内から選択された1つ以上とすることができ、ボンディング・パッド954,958およびリード・フレーム・ピンの間を結合する。
【0170】
補償ループが一般的に
図5の回路ループ234の信号サイドまたはグランド・サイドに配置されるのを上記の実施形態でしめされる一方、他の実施形態では、補償ループは、回路ループ234(
図4C参照)の他の中間領域で、直列構成に配置することができる。
【0171】
本明細書におけるすべての引用により、完全に本明細書に引用したものとする。
【0172】
さまざまな概念、構造および技術を説明するために供する、この特許の主題である好ましい実施形態を説明したことにより、当業者にとって、これら概念、構造および技術を組み込んでいる他の実施形態を用いることができることが明らかになるであろう。したがって、本特許の範囲は、説明した実施形態に限定されるべきではなく、むしろ請求項の趣旨および範囲によってのみ限定されなければならないものである。