特許第6017465号(P6017465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017465
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】外科用締結器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/138 20060101AFI20161020BHJP
   A61B 17/072 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   A61B17/138
   A61B17/072
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-558108(P2013-558108)
(86)(22)【出願日】2012年3月13日
(65)【公表番号】特表2014-515637(P2014-515637A)
(43)【公表日】2014年7月3日
(86)【国際出願番号】US2012028899
(87)【国際公開番号】WO2012125621
(87)【国際公開日】20120920
【審査請求日】2015年3月13日
(31)【優先権主張番号】13/048,559
(32)【優先日】2011年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シャイブ・チャールズ・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】シャンカーセッティ・ジーバン・エム
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/041101(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0043744(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0264987(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0234862(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/138
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用締結器具であって、
実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリを中で操作可能に支持する第1のジョーと、
前記第1のジョーに対して移動可能に支持され、第2のジョーに適用される開放運動及び閉鎖運動に応答して、開放位置と閉鎖位置との間で選択的に移動可能である第2のジョーと、
前記実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリに対して選択的に引き締め運動を適用するように構成された閉鎖引き込みアセンブリと、を備え
前記実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリは、第1の縫合糸ストリップを備え、前記第1の縫合糸ストリップは、第1端部および第2端部を有し、前記第1の縫合糸ストリップの前記第2端部は、前記第1の縫合糸ストリップの前記第1端部に形成された第1の孔を通って、引っ張られるように構成され、
前記閉鎖引き込みアセンブリは、前記第1の縫合糸ストリップの前記第1端部に形成された前記第1の孔部を通った前記第1の縫合糸ストリップの前記第2端部に接続されており、前記閉鎖引き込みアセンブリが引っ張られることにより、前記第1の縫合糸ストリップの前記第2端部が引っ張られて、前記第1のジョーおよび前記第2のジョー間に受けられた組織の周りで前記第1の縫合糸ストリップが引き締められ、
前記第1の縫合糸ストリップは、組織と接触可能な内表面、及び、該内表面と反対側の外表面を有し、前記第1の縫合糸ストリップの前記外表面は複数の外側スリットを有し、前記第1の縫合糸ストリップの前記内表面は、複数の略平坦部、及び、複数の内側スリットを有し、前記第1の縫合糸ストリップの前記略平坦部および前記内側スリットは交互に配置され、
前記第1の縫合糸ストリップの前記第1端部に形成された前記第1の孔部は、前記第1の縫合糸ストリップの前記外側スリットおよび前記内側スリットと係合して、前記第1の縫合糸ストリップの引き締め状態を維持する第1係合部を備えている、外科用締結器具。
【請求項2】
前記実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリが、第2の縫合糸ストリップを備え、前記第2の縫合糸ストリップは、第1端部および第2端部を有し、前記第2の縫合糸ストリップの前記第2端部は、前記第2の縫合糸ストリップの前記第1端部に形成された第2の孔を通って、引っ張られるように構成され、
前記閉鎖引き込みアセンブリは、前記第2の縫合糸ストリップの前記第1端部に形成された前記第2の孔部を通った前記第2の縫合糸ストリップの前記第2端部に接続されており、前記閉鎖引き込みアセンブリが引っ張られることにより、前記第2の縫合糸ストリップの前記第2端部が引っ張られて、前記第1のジョーおよび前記第2のジョー間に受けられた組織の周りで前記第2の縫合糸ストリップが引き締められ、
前記第2の縫合糸ストリップは、組織と接触可能な内表面、及び、該内表面と反対側の外表面を有し、前記第2の縫合糸ストリップの前記外表面は複数の外側スリットを有し、前記第2の縫合糸ストリップの前記内表面は、複数の略平坦部、及び、複数の内側スリットを有し、前記第2の縫合糸ストリップの前記略平坦部および前記内側スリットは交互に配置され、
前記第2の縫合糸ストリップの前記第1端部に形成された前記第2の孔部は、前記第2の縫合糸ストリップの前記外側スリットおよび前記内側スリットと係合して、前記第2の縫合糸ストリップの引き締め状態を維持する第2係合部を備えている、請求項1に記載の外科用締結器具。
【請求項3】
前記第1及び第2の縫合糸ストリップが、ブリッジ部材によって一緒に結合される、請求項2に記載の外科用締結器具。
【請求項4】
前記第1の縫合糸ストリップの前記第2端部はフック形状を有し、前記第1の縫合糸ストリップは、第1の実質的にU形状の可撓性の第1の本体部分を備え、前記第2の縫合糸ストリップの前記第2端部はフック形状を有し、前記第2の縫合糸ストリップは、第2の実質的にU形状の可撓性の第2の本体部分を備える、請求項2に記載の外科用締結器具。
【請求項5】
前記閉鎖引き込みアセンブリが、前記第1の縫合糸ストリップの前記第2端部と係合する第1の引き込みフックと、前記第2の縫合糸ストリップの前記第2端部と係合する第2の引き込みフックと、を備える、請求項4に記載の外科用締結器具。
【請求項6】
切断部材を中に受容するように構成されたスロットの第1の側部上で前記第1のジョーに操作可能に支持される、第1の複数のステープルと、
前記スロットの第2の側部上で前記第1のジョーに操作可能に支持される、第2の複数のステープルと、を更に備える、請求項1に記載の外科用締結器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用器具に関し、種々の実施形態において、例えば、血管等の組織及び器官を切断及び締結するための外科用切断及び締結器具に関する。
【背景技術】
【0002】
手術用ステープラーは、組織を長手方向に切開し、同時に切開の両側にライン状のステープルを適用するために用いられている。かかる器具は一般的に、協働する1対のジョー部材を含み、これは、この器具が内視鏡又は腹腔鏡での適用を意図される場合、カニューレ通路を通過することができる。ジョー部材の一方は、横方向に間隔をおいた少なくとも2列のステープル列を有するステープルカートリッジを受承している。ジョー部材の他方は、カートリッジ内で支持される、形成されていないステープル列と整列するステープル形成ポケットを有するアンビルを画定する。このような装置の例は、参照により本明細書にその開示内容の全体を援用するところの、2006年2月21日発行の名称「Surgical Stapling Instrument Having Separate Distinct Closing and Firing Systems」である、米国特許第7,000,818号に開示されている。他の外科用切断及びステープリング器具は、「使い捨て装填ユニット」又は「DLU」と一般に称されるものを用いる。このような装置は、手術用ステープリング器具に操作可能に取り付けられるように構成された「ユニット」の形態で、ステープルカートリッジ及びフレッシュナイフを支持する。このユニットは、ステープルが発射された後に廃棄されるように設計される。このような器具の例は、参照により本明細書にその開示内容の全体を援用するところの、1999年2月2日発行の名称「Surgical Stapling Apparatus」である、米国特許第5,865,361号に開示されている。
【0003】
使用時に、臨床医は、発射に先立って組織の位置決めを行うためにステープラーのジョー部材を組織の上で閉じることができる臨床医がジョー部材が適正に組織を把持していることを決定すると、次に手術用ステープラーを発射することができ、これにより組織の切断及びステープル留めが行われる。切断及びステープル留めが同時に行われることによって、それぞれが切断又はステープル留めのみを行う異なる外科器具によってこうした動作を順次行う際に生じ得る合併症が防止される。
【0004】
現在の血管切断方法は上述のエンドカッター装置のうちの1つを用いて、止血を達成するためにステープルを適用する。しかしながら、ステープルは、それらの形成の間に血管を突き抜け、それによって漏出の可能性を増大させるとともに、治癒にかかる時間を長引かせる。切断部位から生じるこのような漏出は、時として位置の特定が困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記の課題の多くに対処する、手術用ステープルカートリッジ構成に対する必要性が存在する。
【0006】
上述の議論は、本発明の分野にその当時に存在した欠点のいくつかを説明することのみを意図したものであり、「特許請求の範囲」を否定するものとみなされるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
少なくとも1つの形態の一般的な態様にしたがって、実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリを中で操作可能に支持する第1のジョーを含む、外科用締結器具が提供される。第2のジョーは、第1のジョーに対して移動可能に支持され、第2のジョーに適用される開放運動及び閉鎖運動に応答して、開放位置と閉鎖位置との間で選択的に移動可能である。閉鎖引き込みアセンブリは、実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリに対して選択的に引き締め運動を適用するように構成される。
【0008】
少なくとも1つの形態の他の一般的な態様にしたがって、血管を切断及び閉塞するための締結具カートリッジが提供される。少なくとも1つの形態において、締結具カートリッジは、デッキ面と、内部を通じて外科用器具の切断部材を受容するための中心に配置されたスロットを中に有する、本体部分を備える。デッキ面は、一対の実質的に可撓性の細長閉鎖部材を操作可能に支持するように構成され、1つの部材は、中心に配置されたスロットの第1の側部上で支持され、もう1つの部材は、スロットの第2の側部上に配置される。閉鎖引き込みアセンブリは、本体部分において少なくとも部分的に操作可能に支持され、実質的に可撓性の細長閉鎖部材のそれぞれに対して選択的に引き締め運動を適用するように構成される。
【0009】
少なくとも1つの形態の更に他の一般的な態様にしたがって、閉鎖引き込みアセンブリを中に有する外科用締結具カートリッジと共に使用するための閉鎖アセンブリが提供される。少なくとも1つの形態において、閉鎖アセンブリは、締結具カートリッジの一部分上で支持可能な第1の下部細長部分を有する、第1の吸収性閉鎖部材を備える。第1の吸収性閉鎖部材は、第1のロッキング開口を画定する第1のロッキング端部を有する。第1の吸収性閉鎖部材は更に、第1の下部細長部分と一体形成される第1の上部細長部分を有する。第1の閉鎖部材は更に、第1のロッキング端部に対して間隔をおいて支持される第1のフック形状の端部を有する。閉鎖アセンブリは更に、締結具カートリッジの別の部分上で支持可能であり、かつ第2のロッキング開口を画定する第2のロッキング端部を有する、第2の下部細長部分を有する第2の吸収性閉鎖部材を含む。第2の吸収性閉鎖部材は、第2の下部細長部分と一体形成され、かつ第1のロッキング端部に対して間隔をおいて支持される第2のフック形状の端部を有する、第2の上部細長部分を有する。ブリッジ部材は、互いに対して間隔をおいた第1の吸収性閉鎖部材及び第2の吸収性閉鎖部材を結合する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の上記の、並びに他の特徴及び利点、並びにそれらを実現する方法は、本発明の実施形態の以下の説明文を添付の図面と併せて参照することでより明らかとなり、また発明自体のより深い理解が得られるであろう。
図1】非限定的な外科用切断及び締結器具の実施形態のうちの一形態の側面図。
図2】非限定的なエンドエフェクタの実施形態の部分的な分解組立図。
図3】血管の一部を内部で支持する非限定的なエンドエフェクタの実施形態のうちの一形態の斜視図。
図4図3のエンドエフェクタの一部の断面図。
図5】非限定的な閉鎖アセンブリの実施形態のうちの一形態の斜視図。
図5A】引き締められた位置にある図5の閉鎖アセンブリの斜視図。
図5B】縫合糸を引き締められた位置で保持するために縫合糸スリットとロッキング係合している尖頭ロッキングタブを例示する、断面図に示されるそのロック端部を有する図4及び5Aの閉鎖アセンブリの別の斜視図。
図6】部分的に閉鎖配向にある図3のエンドエフェクタの実施形態の別の斜視図。
図7図6のエンドエフェクタの一部の断面図。
図8】把持された配向にあり、縫合糸が内部に把持される血管の一部の周囲で引き締められた後の、図3及び6のエンドエフェクタの別の斜視図。
図9図8に表されるエンドエフェクタの断面斜視図。
図10図8に表されるエンドエフェクタの別の断面斜視図。
図11】第1のジョーが開放位置に移動された、図10に表されるエンドエフェクタの別の断面図。
図12】別の非限定的な閉鎖アセンブリの実施形態のうちの一形態の斜視図。
図13】創傷閉鎖アセンブリの実施形態及び血管の一部をその中で操作可能に支持する、非限定的なエンドエフェクタの実施形態の一形態の斜視図。
図14】把持された配向にある、図13のエンドエフェクタの斜視図。
図15図14のエンドエフェクタの断面斜視図。
図16図14及び15のエンドエフェクタの別の断面図。
図17】創傷閉鎖装置が引き込まれ、発射バーが血管を切断した後の、図14〜16のエンドエフェクタの別の断面図。
図18】第1のジョーが開放位置に移動された、図17に表されるエンドエフェクタの別の断面図。
図19】別の非限定的なエンドエフェクタの実施形態のうちの一形態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願の出願人は、同日付けで出願された、参照によりその全体が本明細書に援用されるところの、名称「Surgical Staple Cartridges With Tissue Tethers For Manipulating Divided Tissues and Methods of Using Same」、代理人整理番号END6867USNP/100553である、米国特許出願も所有する。
【0012】
本明細書に開示される装置、並びに方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解を与えるため、特定の例示的実施形態について以下に説明する。これらの実施形態の1以上の例を添付図面に示す。本明細書で詳細に説明され、添付の図面に示される装置及び方法は、非限定的な例示的実施形態であること、並びに、本発明の各種の実施形態の範囲は、「特許請求の範囲」によってのみ定義されることは、当業者には理解されよう。例示的な1つの実施形態に関連して図示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴部と組み合わせることができる。そのような改変及び変形は、本発明の範囲に含まれるものとする。
【0013】
本明細書全体を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、又は「実施形態」等の参照は、その実施形態との関連において記述されている特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通じた各所で、「様々な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「1つの実施形態において」、又は「ある実施形態において」などの語句が出現するが、これらは必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態で、任意の好適なやり方で組み合わせることができる。故に、一実施形態に関して図示又は記載される特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と、全体として又は部分的に、制限なしに組み合わせることができる。そのような改変及び変形は、本発明の範囲に含まれるものとする。
【0014】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書において、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準にして用いられている。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上、及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語は、本明細書では、図面に関連して使用し得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0015】
腹腔鏡及び最小侵襲の外科手技を実施するための様々な例示的な装置及び方法が提供される。しかしながら、本明細書で開示する様々な方法及び装置が、例えば「開放的な」外科手技を含めて、多数の外科手技及び用途で用いられ得ることが、当業者には容易に理解されよう。本発明を実施するための形態が進行するにつれて、本明細書に開示される種々の器具が、例えば自然オリフィスを通じて、組織内に形成された切開又は穿刺穴を通じて等、任意の方法で体内に挿入され得ることが、当業者には更に理解されよう。器具のワーキング部分又はエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接挿入され得るか、又は外科用器具のエンドエフェクタ及び細長シャフトが通って前進され得る、ワーキングチャネルを有する、トロカール等のアクセス装置を通じて挿入され得る。
【0016】
同様の数字が幾つかの図を通して同様の構成要素を示す図面に戻ると、図1は、本発明の少なくとも1つの形態の様々な固有の利益を実施することができる、外科用器具10の一実施形態を表す。図1に示されるように、1つの非限定的な形態において、外科用器具10は一般に、実装部分12に接続されるハンドル部分30を含み、実装部分は、エンドエフェクタ100内で遠位に終結するシャフトアセンブリ14を更に備える。シャフトアセンブリ14は、エンドエフェクタ100に結合されるハンドル部分30から延在する、スパイン50上で軸方向に移動可能である、移動可能な閉鎖管アセンブリ40を含む。図1に示されるように、シャフトアセンブリ14は、シャフトアセンブリ14によって画定される長手方向軸A−Aに対するエンドエフェクタの関節運動を促進するための関節運動継手を含まない。他の非限定的な実施形態において、シャフトアセンブリ14は、長手方向軸に対するエンドエフェクタの関節運動を促進するための、少なくとも1つの関節運動継手を含んでもよい。この非限定的な実施形態及び他の非限定的な実施形態において、シャフトアセンブリ14は、エンドエフェクタ100が長手方向軸A−Aを中心に選択的に回転され得るように、ハンドル部分30と操作可能に連動してもよい。本発明を実施するための形態が進行するにつれて、本発明の種々の非限定的な実施形態の固有かつ新規の特徴が、異なるハンドル及びシャフト構成を用いる多様な異なる外科用器具と共に効果的に用いられ得ることが明らかになる。例えば、器具10の様々な部分は、その開示全体が参照により本明細書に援用されるところの、名称「Surgical Stapling Instrument Having Separate Distinct Closing and Firing Systems」である、米国特許第7,000,818号において開示される外科用器具の一部と同一であってもよい。したがって、本発明の種々の実施形態及び形態を理解するために必要とされない器具10の構成要素の構成及び操作は、本明細書において具体的に論じられない。
【0017】
少なくとも1つの非限定的な実施形態において、エンドエフェクタ100は、広くは、例えば血管等の切断された組織の端部を切断及び締結するように構成される、一対の「ジョー」110、120を備える。しかしながら、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態は、血管を切断及び閉塞するために特に良好に適合されるが、本発明の種々の実施形態は、考えられる限りでは、組織の他の形態を切断及び締結するために効果的に用いられ得る。以下で更に詳述されるように、ジョー120は、組織閉鎖アセンブリ149を操作可能に支持する組織締結カートリッジ130を支持する。図2を参照されたい。器具10は、概してその遠位部分上に鋭利な組織切断縁部又はブレード部材17を有する発射バー16を含む。発射バー16がシャフトアセンブリ14を通じて遠位に、かつ血管締結カートリッジを通じて遠位に駆動されると、組織切断縁部は、ジョー110と120との間で把持された組織を切断する。
【0018】
図1に表される非限定的な実施形態において、ハンドル部分30は、ピストルグリップ34で形成される。閉鎖トリガ36は、ハンドル部分30に対して枢動可能に載置され、閉鎖管アセンブリ40と操作可能に連動して、スパイン部材50上でその軸方向の運動を生じさせる。閉鎖トリガ36がピストルグリップ部分34に向かって臨床医により枢動可能に引かれると、閉鎖管アセンブリ40は、遠位方向に駆動されてジョー120と相互作用し、組織締結カートリッジ130に向かってそれを把持又は閉鎖させる。ハンドル部分30は更に、閉鎖トリガ36の外側寄りにある発射トリガ38を支持する。発射トリガ38は、発射バー16と操作可能に連動する。発射バー16は、閉鎖トリガ36が臨床医によってピストルグリップ34に向かって枢動可能に引かれるときに、遠位に駆動される。発射バー16が組織締結カートリッジ130を通じて遠位に駆動されると、把持された組織が切断される。
【0019】
図4、7、10、及び11に見られるように、種々の非限定的な実施形態において、組織締結カートリッジ130は、スパイン50の遠位端部分52上で支持されるか、又はスパイン50に結合される細長チャネル内に支持されてもよい。組織締結カートリッジ130は、例えば、ポリマー材料から成形され、また、発射バー16がそれを通じて駆動されると、発射バー16の遠位端17を中に操作可能に受容するように構成された、中心に配置されたスロット134が提供されてもよい、カートリッジ本体132を備える。カートリッジ本体132は、スパイン50の遠位端52の周囲に延在し、カートリッジ本体132と保持的に連動する、U形状のカートリッジトレー136によってスパイン50の遠位端52に固定されてもよい。例えば、カートリッジ本体132は、カートリッジトレー136上のスナップ戻り止め138とスナッピングで連動してもよい。
【0020】
種々の非限定的な実施形態において、組織締結カートリッジ130は、一般に149として指定される、可撓性の細長組織閉鎖アセンブリを操作可能に支持するように構成される。図5に見られるように、少なくとも一形態において、組織閉鎖アセンブリ149は、一対の相互結合された縫合糸ストリップ150及び170を含む。可撓性の細長組織閉鎖アセンブリ149は、実質的にU形状の細長の第1の本体部分152を有する、第1の縫合糸ストリップ150を含む。第1の縫合糸ストリップ150は、生体吸収性材料から製造されてよく、第1のロック端部157において終結する第1の細長下部部分153を含んでもよい。第1の縫合糸ストリップ150は更に、第1のフック端部162において終結する第1の上部部分160を有する。第1の下部部分153及び上部部分160のそれぞれは、以下で更に詳述されるように、縫合糸ストリップ150の曲げ及び引き締めを促進する、複数のスリット154を中に有する。第1のロック端部157は、内部を通る第1のフック端部162を受容するように構成された、第1のロッキング空洞158を画定する。
【0021】
組織閉鎖アセンブリ149は更に、実質的にU形状の第2の細長本体部分172を有する、第2の縫合糸ストリップ170を含む。第2の縫合糸ストリップ170もまた、生体吸収性材料から製造されてよく、第2のロック端部175において終結する第2の細長下部部分173を含む。第2の縫合糸ストリップ170は更に、第2のフック端部182において終結する第2の上部部分180を有する。第2の下部部分173及び上部部分180のそれぞれは、以下で更に詳述されるように、第2の縫合糸ストリップ170の曲げ及び引き締めを促進する複数のスリット174を中に有する。第2のロック端部175は、内部を通る第2のフック端部182を受容するように構成された、第2のロッキング空洞177を画定する。第2の縫合糸ストリップ170は、ロック端部157、175を一緒に結合するブリッジ部材190を用いて、第1の縫合糸ストリップ150に結合されてもよい。
【0022】
図5A及び5Bは更に、引き締められた配向で縫合糸ストリップ150、170のそれぞれを有する組織閉鎖アセンブリ149を示す。上に示されるように、第1の縫合糸ストリップ150は、複数のスリット154を中に有し、第2の縫合糸ストリップ170は、中に形成された複数のスリット174を有する。非常に繊細な肺静脈等の薄い壁の血管に取り組む場合、ストリップ150、170上の任意の突起は、不注意に血管を破壊し得るか、ないしは別の方法で外傷を引き起こし得る。図5Bに最も具体的に見られるように、例えば、スリット174(及び同様にスリット154)は、縫合糸150、170が引き締められるときに、それらが血管を圧迫するために比較的平滑な内表面を形成するように、ある角度で提供される。図5Bにも見られるように、ロック端部175は、縫合糸170を適切な位置にロックする引き締めプロセスの間に、縫合糸170の両側のスリット174に係合するように構成された、少なくとも1つ、好ましくは一対のオフセット尖頭ロッキングタブ178、179で形成されてもよい。第1のロック端部150は、類似の尖頭ロッキングタブ(図示せず)で形成されることが理解されよう。
【0023】
カートリッジ本体132は、ジョー110の下側と直面関係にあるデッキ面140を有する。デッキ面140は、第1の下部縫合糸部分153を支持するための第1の閉鎖受容溝142と、第2の下部縫合糸部分173を支持するための第2の閉鎖受容溝144とを有する。図2を参照されたい。加えて、第1のロッキングレセプタクル146は、第1のロック端部157を中に受容するためのカートリッジ本体132の中に提供され、第2のロッキングレセプタクル148は、図示されるように、第2のロック端部175を中に受容するために提供される。
【0024】
種々の非限定的な実施形態において、ジョー110は、血管「V」又は他の組織を間に把持するように、ジョー120に対して選択的に移動可能である。ジョー110は、スパイン50内に形成された細長トラニオンスロット54を通って延在する、一対のトラニオン112によってスパイン50に枢動可能に結合され、ジョー110が、閉鎖管アセンブリ40から受容された開放運動及び閉鎖運動に応答して、ジョー120に対して開放位置から閉鎖位置へ枢動することを可能にする。図2、3、6、及び8〜11に見られるように、閉鎖管アセンブリ40の遠位端41は、ジョー110上の開放タブ113を係合するために、U字形開口42及びタブ43を含む。閉鎖管アセンブリ40がエンドエフェクタフレーム50上を遠位に前進するときに、U字形開口42は、ジョー110をジョー120に向かって移動させるように、閉鎖運動をタブ113に適用する。閉鎖管アセンブリ40が近位方向に引き込まれるときに、タブ43はタブ113を係合して、ジョー110をジョー120から離して開放位置に移動させる。様々な実施形態において、ジョー110は更に、第1の上部縫合糸部分160及び第2の上部縫合糸部分180を中に支持するために、一対の閉鎖保持スロット114を中に有する。
【0025】
図9に見られるように、外科用器具10は更に、閉鎖引き込みアセンブリ200を含む。種々の非限定的な実施形態において、閉鎖引き込みアセンブリ200は、中心動作部材206から延在する、第1の引き込みフック202及び第2の引き込みフック204を含む。引き込みフック202、204は、好適な金属又は他の材料から製造されてよく、中心動作部材206は、類似の材料から製造されてもよい。中心動作部材206は、スパイン50内で長手方向の通路(図示せず)を通って延在し、ハンドル部分30上で操作可能に支持される引き込みアクチュエータ210と連動する。引き込みアクチュエータ210は、例えば、中心動作部材206に取り付けられるか、ないしは別の方法で操作可能に連通する旋回部材を備えてもよく、引き込みアクチュエータ210を「A」方向(図1)に旋回させることによって、閉鎖引き込みアセンブリ200は、近位方向「PD」(図9)に引っ張られる。図5に最も具体的に見られるように、第1の縫合糸ストリップ150の第1のフック端部162は、閉鎖引き込みアセンブリ200の第1の引き込みフック202によってフッキング係合されるように適合される、内部を通るフックを受容する穴164を有する。同様に、第2の縫合糸ストリップ170の第2のフック端部182は、閉鎖引き込みアセンブリ200の第2の引き込みフック204によってフッキング係合されるように適合される、内部を通るフックを受容する穴184を有する。
【0026】
外科用器具10の操作について、ここで図1、3、4及び6〜11を参照して説明する。使用時に、エンドエフェクタ100は、切断及び締結される血管「V」に隣接して患者の体内に導入される。エンドエフェクタ100は、例えば、患者に設置されたトロカールのカニューレを通じて患者の体内に導入されてもよい。エンドエフェクタは、患者の開放切開を通じて同様に導入されてもよい。一旦エンドエフェクタが血管「V」に隣接して患者の体内に配置されると、ジョー110は、閉鎖トリガ36を使用して開放位置へ旋回される(図1)。次に臨床医は、血管「V」がジョー110と120との間で位置付けられるように、開いたエンドエフェクタを操作して、血管「V」が上部縫合糸部分160、180と、カートリッジデッキ面140上で支持されるそれらの対応する下部縫合糸部分153、173との間に位置するようにする。図3及び図4を参照されたい。
【0027】
一旦血管「V」が、図3及び4に示されるように、上部縫合糸部分160と下部縫合糸部分180との間で受容されると、臨床医は、ハンドル部分30(図1)のピストルグリップ部分34に向かって閉鎖トリガ36を旋回開始して、閉鎖管アセンブリ40を遠位方向「DD」に前進させることができる。閉鎖管アセンブリ40の遠位端41は、遠位に移動すると、最初にジョー110上のタブ113と接触する。閉鎖管アセンブリ40の、遠位方向「DD」の連続移動は、トラニオン112がトラニオンスロット54の上端に到達するまで、ジョー120に対して遠位にジョー110を移動させる。閉鎖管アセンブリ40の更なる遠位移動は、閉鎖管アセンブリ40の遠位端41をジョー110上のタブ113を越えて遠位に摺動させて、タブ113が閉鎖管アセンブリ40におけるU字形開口42内で受容されるようにする。図6を参照されたい。このような閉鎖管アセンブリ40の移動は、ジョー110をジョー120に向かって旋回させる。このようなジョー110の軸方向移動及び旋回移動は、縫合糸フック端部162、182を移動させて、それぞれロッキング空洞158、177と位置合わせさせる。その後、臨床医は、引き込みアクチュエータ210を「A」方向に(図1)旋回させて、閉鎖引き込みアセンブリ200を近位方向「PD」(図9)に引っ張る。このような閉鎖引き込みアセンブリ200の移動は、第1の引き込みフック202を第1の縫合糸150のフック受容穴164とフッキング係合させ、第2の引き込みフック204を第2の縫合糸170のフック受容穴184とフッキング係合させる。引き込みアクチュエータ210の更なる旋回移動は、縫合糸フック端部162、182を引っ張って、カートリッジ本体132内のナイフスロット134の両側で、血管「V」を中心に縫合糸150、170を引き締める。ロック端部157、175のそれぞれにおける尖頭ロッキングタブは、上述のように縫合糸150、170を適切な位置でロックする。
【0028】
臨床医が、ナイフスロット134の各側部上で血管「V」を中心に縫合糸150、170を引き締めた後、次に臨床医は、閉鎖トリガ36を、既知のロッキング構造を使用して解放可能にロックされる、完全な閉鎖位置へ旋回させる。このような閉鎖トリガ36の完全な閉鎖位置への移動は、ジョー110に血管「V」をジョー110と120との間で把持させる。その後臨床医は、発射トリガ38又は他のアクチュエータ構成を起動することによって、発射バー16を遠位に前進させ、それによってカートリッジ本体132内のナイフスロット134を通じ、最終的に血管「V」を通じて、発射バー16の遠位端17上の組織切断縁部を駆動する。発射バー16の遠位端17がエンドエフェクタを通じて遠位に前進されると、遠位端は、第1のジョー110と相互作用して、それが血管を切断すると把持位置で保持するようにし得る。このような動作は、2本の引き締められた縫合糸150と170との間で血管を切断する。次に臨床医がジョー110を開放位置へ移動させ、それによって切断された血管「V」をそこから解放することができるように、発射バー16の遠位端をエンドエフェクタから引き抜かなければならない。
【0029】
血管「V」を切断して第1の閉塞された血管端部「V1」及び第2の閉塞された血管端部(図示せず)を形成した後、発射バー16を引き込む。様々な実施形態において、例えば、発射トリガ28は、臨床医が圧力を除去するとバネで戻る。このような動作は、近位方向の発射バー16の引き込みをもたらす。他の発射バーの引き込み及び引き込み構成が既知であり、用いられてもよい。図1に表される実施形態において、解放ボタン31は閉鎖トリガと相互作用して、解放ボタンが押されるときに、閉鎖トリガ36がロック解除されるようにする。閉鎖トリガ36は、一旦ロック解除されると、開始位置に戻すように偏向されたバネであってもよい。閉鎖トリガ36の開始位置への移動は、閉鎖管アセンブリ40の、近位方向「PD」の引き込みをもたらす。このような閉鎖管アセンブリ40の移動は、タブ43をジョー110上のタブ113と接触させて、それを初期開始位置又は開放位置へ移動させる。図11を参照されたい。
【0030】
一旦ジョー110が開放位置へ戻されると、第1の縫合糸150と第2の縫合糸170との間に延在するブリッジ190は、第1の閉塞された血管端部及び第2の閉塞された血管端部を一緒に保持して、それらを検査できるようにする。臨床医が閉塞された血管端部を検査すると、第1の縫合糸150及び第2の縫合糸170を切断して、それらそれぞれの閉鎖引き込みフック202、204からそれぞれを引き離す。必要に応じて、臨床医はブリッジ190を切断して、血管の閉塞された端部を分離してもよい。その後、エンドエフェクタ100を患者から引き抜いてもよい。臨床医が装置10を再利用しようとする場合、臨床医は最初に、それらそれぞれの引き込みフック202、204からの以前に使用された閉鎖アセンブリ149からフック端部156及び176を除去し、引き込みフック202、204をカートリッジ本体132内のそれらそれぞれの開始位置に戻さなければならない(図4)。次に閉鎖アセンブリ149をカートリッジ本体132の中に設置する(図3)。その後、器具10を再び再利用してもよい。
【0031】
図12〜18は、別の形態の可撓性の細長組織閉鎖アセンブリ149’に関連する装置10の使用を例示する。図12に最も具体的に見られるように、閉鎖アセンブリ149’は、複数の一方向性のかかり314が上に形成された本体部分312を有する、第1の吸収性閉鎖部材310を備える。閉鎖アセンブリ149’は更に、複数の一方向性のかかり334が上に形成された本体部分332を有する、第2の吸収性閉鎖部材330を含む。第1及び第2の閉鎖部材310、330は、商標V−Loc(商標)の下でCovidien(Mansfield,Massachusetts)によって製造された創傷閉鎖装置から製造されてもよい。図12において更に見られるように、第1の閉鎖部材310の本体部分312は、第1のロック端部318において終結する第1の細長下部部分316を有し、端部315は巻き付けられ、溶接されて第1のロッキングループ320を形成する。第1の閉鎖部材310は更に、第1の細長下部部分316と一体形成された第1の細長上部部分322を有し、かつ第1のフック形状の端部324を有する。第1のフック形状の端部324は、第1のロッキングループ320を通って延在する、溶接された第1の遠位ループ326において終結する。同様に、第2の閉鎖部材330の本体部分332は、第2のロック端部338において終結する第2の細長下部部分336を有し、端部335は巻き付けられ、溶接されて第2のロッキングループ340を形成する。第2の閉鎖部材330は更に、第2の細長下部部分336と一体形成された第2の細長上部部分342を有し、かつ第2のフック形状の端部344を有する。第2のフック形状の端部344は、第2のロッキングループ340を通って延在する、溶接された第2の遠位ループ346において終結する。様々な実施形態において、ロッキングループ320、340は、吸収性のブリッジ350に取り付けられる。
【0032】
可撓性の細長組織閉鎖アセンブリ149’は、閉鎖アセンブリ149に対して上述される方法で、カートリッジ本体132の中に設置されてもよい。しかしながら、この実施形態において、他は実質的に上記のジョー110と同一であるジョー110’は、2つの下向きに突出する横方向のフィン115を有し、第1及び第2の閉鎖部材310、330に対して更なる支持を提供する。図13及び図14を参照されたい。
【0033】
可撓性の細長組織閉鎖アセンブリ149’を用いる器具10の操作は、図13〜18を参照して理解することができる。図13は、エンドエフェクタ100が患者の体内に設置され、血管「V」がジョー110’と120との間で得られた後のエンドエフェクタ100を表す。次に臨床医は、ハンドル30(図1)のピストルグリップ部分34に向かって閉鎖トリガ36の旋回を開始し、閉鎖管アセンブリ40を遠位方向「DD」に前進させる。閉鎖管アセンブリ40の遠位端41は、遠位に移動すると、最初にジョー110’上のタブ113と接触する。閉鎖管アセンブリ40の遠位方向「DD」の連続移動は、トラニオン112がトラニオンスロット54の上端に到達するまで、ジョー120に対して遠位にジョー110’を移動させる。閉鎖管アセンブリ40の更なる遠位移動は、閉鎖管アセンブリ40の遠位端41をジョー110’上のタブ113を越えて遠位に摺動させて、タブ113が閉鎖管アセンブリ40におけるU字形開口42内で受容されるようにする。図14を参照されたい。このような閉鎖管アセンブリ40の移動は、ジョー110’をジョー120に向かって旋回させる。このようなジョー110’の軸方向移動及び旋回移動は、フックされた部分320、340、及びより具体的には遠位ループ322、342を、それぞれのロッキングループ318、328と位置合わせされるように移動させる。その後、臨床医は、引き込みアクチュエータ210を「A」方向(図1)に旋回させて、閉鎖引き込みアセンブリ200を近位方向「PD」(図15)に引っ張る。このような閉鎖引き込みアセンブリ200の移動は、第1の引き込みフック202を第1の閉鎖部材310の遠位ループ322とフッキング係合させ、第2の引き込みフック204を第2の閉鎖部材330の第2の遠位ループ342とフッキング係合させる。引き込みアクチュエータ210の更なる旋回移動は、フック端部202、204を引っ張って、カートリッジ本体132内のナイフスロット134の両側で、血管「V」を中心に閉鎖部材310、330を引き締める。
【0034】
臨床医は、ナイフスロット134の各側部上で血管「V」を中心に創傷閉鎖部材310、330を引き締めた後、次に臨床医は、閉鎖トリガ36を、既知のロッキング縫合糸を使用して解放可能にロックされる、完全な閉鎖位置へ旋回させる。このような閉鎖トリガ36の完全な閉鎖位置への移動は、ジョー110’に血管「V」をジョー110’と120との間で把持させる。図16を参照されたい。その後臨床医は、発射トリガ38又は他のアクチュエータ構成を起動することによって、発射バー16を遠位に前進させ、それによって、カートリッジ本体132のナイフスロット134を通じ、最終的に血管「V」を通じて、発射バー16の遠位端上の組織切断縁部を駆動する。
【0035】
血管「V」を切断して第1の閉塞された血管端部「V1」及び第2の閉塞された血管端部(図示せず)を形成した後、発射バー16を引き込む。次に臨床医は、ジョー110’を図18に示される開放位置へ移動させる。第1の閉鎖部材310と第2の閉鎖部材330との間に延在するブリッジ150は、検査のために、第1及び第2の閉塞された血管端部を一緒に保持する。一旦臨床医が閉塞された血管端部を検査すると、第1の閉鎖部材310及び第2の閉鎖部材330を切断して、それらそれぞれの引き込みフック202、204からそれぞれを引き離す。必要に応じて、臨床医は、ブリッジ350を切断して血管の閉塞された端部を分離してもよい。その後、エンドエフェクタ100を患者から引き抜いてもよい。臨床医が装置10を再利用しようとする場合、臨床医は最初に、ループ端部322、342をそれらそれぞれの引き込みフック202、204から除去し、引き込みフック202、204をカートリッジ本体132(図15)内のそれらそれぞれの開始位置に戻さなければならない。次に、新しい閉鎖アセンブリ149’をカートリッジ本体132の中に設置する。その後、器具10を再び再利用してもよい。
【0036】
図19は、器具10と関連して使用されてもよい、別のエンドエフェクタの実施形態100”を例示する。この非限定的な実施形態は、血管切断線の各側部上で手術用ステープルの単一線を展開するようにも構成される、締結具カートリッジ400を用いる。多様な手術用ステープルカートリッジ構成が既知である。例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第7,000,818号は、様々な形態の手術用ステープルカートリッジを開示する。本発明の様々な実施形態のカートリッジ400は、以下に記される差異を除いて、それらのカートリッジ又は他の既知のステープルカートリッジと実質的に類似していてもよい。例えば、細長ナイフスロット408の第1の側部403上のカートリッジ本体402内に位置するステープル開口406の第1の列404、及び細長ナイフスロット408の第2の側部414上のステープル開口412の第2の列410に加えて、カートリッジ本体402もまた、閉鎖アセンブリ149、149’のうちの1つを上述の方法で操作可能に支持するように、上述のとおり構成される。
【0037】
エンドエフェクタ100”のジョー110”は、ジョー110”もまたカートリッジ400内で支持されるステープルを形成するためのアンビルとして作用するように構成されることを除いて、上述のジョー110、110’と実質的に類似している。例えば、ジョー110”の下面には、ジョー110”が旋回されて把持位置にロックされると、カートリッジ本体402内の対応するステープル開口と位置合わせされる、2列のステープル形成ポケットを提供する。このようなステープル形成ポケットは、それらが既知の方法で血管「V」を通じて駆動するにつれて、ステープルを形成する役割を果たす。
【0038】
エンドエフェクタ100”はまた、エンドエフェクタ100、100’に対して上述のように類似する方法で使用/起動されてもよい。例えば臨床医は、ジョー110”を上述の方法で操作して、図19に示されるような血管「V」を得る。次にジョー110”を把持位置にロックした後、臨床医は、引き込みアクチュエータ210を起動して、いかなる場合でも縫合糸又は閉鎖部材を引き締めてよい。次に臨床医が発射バー16を起動して遠位に移動させると、発射バー16は、血管を切断するだけでなく、発射バーは、ステープルポケット内で操作可能に支持されるステープルが、ステープルポケットから出て、ジョー110”の下側に提供される、対応するステープル形成ポケットの中に入るようにする。例えば、米国特許第7,000,818号に記載されるように、ステープルは、カートリッジ本体のステープルポケットのそれぞれにおいて移動可能に支持されるステープルドライバ部材上で操作可能に支持されてもよい。発射バー16の遠位端部分は、カートリッジ本体402の中に遠位に駆動されると、中で移動可能に支持されるウェッジスレッドと相互作用する。ウェッジスレッドが、発射バー16によってカートリッジ本体402を通じて遠位に前進されると、ステープルドライバは、それらそれぞれのポケット内で上向きに押されることによって、その上で支持されるステープルをポケットから出し、ジョー110”の下側との接触を形成し、最終的に血管の切断端部を通す。したがって、血管の閉塞された端部は、縫合糸又は創傷閉鎖装置で密閉されるだけでなく、ステープル列で密閉される。
【0039】
本明細書に記載の非限定的な実施形態は、手持ち式の手動で操作又は起動される外科用器具構成の文脈において説明された。当業者であれば、開示される本発明の種々の非限定的な実施形態の固有及び新規の特徴が、ジョーを開閉するために使用される閉鎖装置、並びに発射バー及び縫合糸起動部材を起動するための制御構成が、1つ若しくは複数のロボット、又は他の自動システム構成によって制御され得るアプリケーションにおいて、効果的に達成されてもよいことを容易に理解するであろう。したがって、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態に付与される保護は、手持ち式及び/又は手動で操作される器具に限定されるべきではない。更に、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態は、動力供給され(例えば、電気、空気圧、液体等によって)、手持ち式であっても手持ち式でなくてもよく、手動で起動されるか、又はロボット若しくは他の自動制御システム構成によって起動されてもされなくてもよい、外科用器具構成と共に効果的に用いられ得る。本明細書に開示される本発明の様々な実施形態は、このような改変を包含することが意図される。
【0040】
本明細書において開示される装置は、1回の使用の後に処分されるような設計とするか、又は複数回使用されるような設計とすることができる。しかしながら、いずれの場合も、装置は少なくとも1回の使用後、再利用のために再調整されることができる。再調整は、装置の分解工程、これに続く洗浄工程又は特定部品の交換工程、及びその後の再組み付け工程の任意の組み合わせを含むことができる。詳細には、装置は分解可能であり、装置の任意の数の特定の部品又は部材を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外すことができる。特定の部材の洗浄及び/又は交換に際し、装置を再調整施設において、あるいは外科手術の直前に手術チームによって再組み付けしてからその後の使用に供することができる。当業者であれば、装置の再調整に、分解、洗浄/交換、及び再組み付けのための様々な技術を利用できる点は認識されるであろう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0041】
好ましくは、本明細書で説明した本発明は、外科手術の前に処理される。まず、新しい又は使用済みの器具を得て、必要に応じて洗浄する。次に、器具を滅菌することができる。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉鎖かつ密封された容器に器具を入れる。次いで容器及び器具を、ガンマ線、X線又は高エネルギー電子線などの、容器を貫通することができる放射線野の中に置く。この放射線によって、器具上及び容器内の細菌が殺菌される。滅菌された器具は、その後、無菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設において開封されるまで器具を無菌状態に保つ。
【0042】
全体又は部分において、本明細書に参照により組み込まれると称されるいずれの特許、公報又は他の開示物も、組み込まれた事物が現行の定義、記載、又は本開示に記載されている他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込んだ任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。本明細書に参照により組み込まれると称されているが、現行の定義、記載、又は本明細書に記載されている他の開示物と矛盾するいずれの事物、又はそれらの部分は、組み込まれた事物と現行の開示事物との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれるものとする。
【0043】
以上、本発明を例示的な構成を有するものとして説明したが、本発明は本開示の趣旨及び範囲内で更に改変することができる。したがって、本出願はその一般的原理を利用した本発明のあらゆる変形、使用又は適応を網羅するものとする。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野における公知の、又は従来の実施に含まれるところの本開示からの発展形を網羅するものとする。
【0044】
〔実施の態様〕
(A) 外科用締結器具であって、
実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリを中で操作可能に支持する第1のジョーと、
前記第1のジョーに対して移動可能に支持され、第2のジョーに適用される開放運動及び閉鎖運動に応答して、開放位置と閉鎖位置との間で選択的に移動可能である第2のジョーと、
前記実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリに対して選択的に引き締め運動を適用するように構成された閉鎖引き込みアセンブリと、を備え、
前記実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリは、第1の縫合糸ストリップを備え、前記第1の縫合糸ストリップは、第1端部および第2端部を有し、前記第1の縫合糸ストリップの前記第2端部は、前記第1の縫合糸ストリップの前記第1端部に形成された第1の孔を通って、引っ張られるように構成され、
前記閉鎖引き込みアセンブリは、前記第1の縫合糸ストリップの前記第1端部に形成された前記第1の孔部を通った前記第1の縫合糸ストリップの前記第2端部に接続されており、前記閉鎖引き込みアセンブリが引っ張られることにより、前記第1の縫合糸ストリップの前記第2端部が引っ張られて、前記第1のジョーおよび前記第2のジョー間に受けられた組織の周りで前記第1の縫合糸ストリップが引き締められ、
前記第1の縫合糸ストリップは、組織と接触可能な内表面、及び、該内表面と反対側の外表面を有し、前記第1の縫合糸ストリップの前記外表面は複数の外側スリットを有し、前記第1の縫合糸ストリップの前記内表面は、複数の略平坦部、及び、複数の内側スリットを有し、前記第1の縫合糸ストリップの前記略平坦部および前記内側スリットは交互に配置され、
前記第1の縫合糸ストリップの前記第1端部に形成された前記第1の孔部は、前記第1の縫合糸ストリップの前記外側スリットおよび前記内側スリットと係合して、前記第1の縫合糸ストリップの引き締め状態を維持する第1係合部を備えている、外科用締結器具。
(B) 前記実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリが、第2の縫合糸ストリップを備え、前記第2の縫合糸ストリップは、第1端部および第2端部を有し、前記第2の縫合糸ストリップの前記第2端部は、前記第2の縫合糸ストリップの前記第1端部に形成された第2の孔を通って、引っ張られるように構成され、
前記閉鎖引き込みアセンブリは、前記第2の縫合糸ストリップの前記第1端部に形成された前記第2の孔部を通った前記第2の縫合糸ストリップの前記第2端部に接続されており、前記閉鎖引き込みアセンブリが引っ張られることにより、前記第2の縫合糸ストリップの前記第2端部が引っ張られて、前記第1のジョーおよび前記第2のジョー間に受けられた組織の周りで前記第2の縫合糸ストリップが引き締められ、
前記第2の縫合糸ストリップは、組織と接触可能な内表面、及び、該内表面と反対側の外表面を有し、前記第2の縫合糸ストリップの前記外表面は複数の外側スリットを有し、前記第2の縫合糸ストリップの前記内表面は、複数の略平坦部、及び、複数の内側スリットを有し、前記第2の縫合糸ストリップの前記略平坦部および前記内側スリットは交互に配置され、
前記第2の縫合糸ストリップの前記第1端部に形成された前記第2の孔部は、前記第2の縫合糸ストリップの前記外側スリットおよび前記内側スリットと係合して、前記第2の縫合糸ストリップの引き締め状態を維持する第2係合部を備えている、実施形態(A)に記載の外科用締結器具。
(1) 外科用締結器具であって、
実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリを中で操作可能に支持する第1のジョーと、
前記第1のジョーに対して移動可能に支持され、第2のジョーに適用される開放運動及び閉鎖運動に応答して、開放位置と閉鎖位置との間で選択的に移動可能である第2のジョーと、
前記実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリに対して選択的に引き締め運動を適用するように構成された閉鎖引き込みアセンブリと、を備える、外科用締結器具。
(2) 前記実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリが、
第1の吸収性縫合糸と、
第2の吸収性縫合糸と、を備える、実施態様1に記載の外科用締結器具。
(3) 前記第1及び第2の吸収性縫合糸が、吸収性ブリッジ部材によって一緒に結合される、実施態様2に記載の外科用締結器具。
(4) 前記第1の吸収性縫合糸が、第1のロッキング開口を画定する第1のロッキング端部と、前記第1のロッキング開口から間隔をおいて、実質的にそれと位置合わせされる第1のフック形状の端部と、において終結する、第1の実質的にU形状の可撓性の第1の本体部分を備え、前記第2の吸収性縫合糸が、第2のロッキング開口を画定する第2のロッキング端部と、前記第2のロッキング開口から間隔をおいて、実質的にそれと位置合わせされる第2のフック形状の端部と、において終結する、第2の実質的にU形状の可撓性の第2の本体部分を備える、実施態様2に記載の外科用締結器具。
(5) 前記閉鎖引き込みアセンブリが、
前記第1のフック形状の端部が前記第1のロッキング開口を通じて前進された後、前記第1のフック形状の端部との選択的フッキング係合のために移動可能に支持される、第1の引き込みフックと、
前記第2のフック形状の端部が前記第2のロッキング開口を通じて前進された後、前記第2のフック形状の端部との選択的フッキング係合のために移動可能に支持される、第2の引き込みフックと、を備える、実施態様4に記載の外科用締結器具。

【0045】
(6) 前記実質的に可撓性の細長組織閉鎖アセンブリが、
複数の一方向性のかかりを上部に有する第1の吸収性閉鎖部材と、
複数の一方向性のかかりを上部に有する第2の吸収性閉鎖部材と、を備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 前記第1及び第2の吸収性閉鎖部材が、吸収性ブリッジ部材によって一緒に結合される、実施態様6に記載の外科用締結器具。
(8) 前記第1の吸収性閉鎖部材が、第1のロッキング開口を画定する第1のロッキング端部と、前記第1のロッキング開口から間隔をおいて、実質的にそれと位置合わせされる第1のフック形状の端部と、において終結する、第1の実質的にU形状の可撓性の第1の本体部分を備え、前記第2の吸収性閉鎖部材が、第2のロッキング開口を画定する第2のロッキング端部と、前記第2のロッキング開口から間隔をおいて、実質的にそれと位置合わせされる第2のフック形状の端部と、において終結する、第2の実質的にU形状の可撓性の第2の本体部分を備える、実施態様6に記載の外科用締結器具。
(9) 前記第1のロッキング端部及び前記第2のロッキング端部が、ブリッジ部材によって一緒に結合される、実施態様8に記載の外科用締結器具。
(10) 切断部材を中に受容するように構成されたスロットの第1の側部上で前記第1のジョーに操作可能に支持される、第1の複数のステープルと、
前記スロットの第2の側部上で前記第1のジョーに操作可能に支持される、第2の複数のステープルと、を更に備える、実施態様1に記載の外科用締結器具。
【0046】
(11) 血管を切断及び閉塞するための締結具カートリッジであって、
デッキ面と、内部を通じて外科用器具の切断部材を受容するための中心に配置されたスロットとを中に有する本体部分であって、前記デッキ面が、一対の実質的に可撓性の細長閉鎖部材を操作可能に支持するように構成され、1つの部材が、前記中心に配置されたスロットの第1の側部上で支持され、もう1つの部材が、前記スロットの第2の側部上に配置される、本体部分と、
前記本体部分において少なくとも部分的に操作可能に支持され、前記実質的に可撓性の細長閉鎖部材のそれぞれに対して選択的に引き締め運動を適用するように構成される閉鎖引き込みアセンブリと、を備える、締結具カートリッジ。
(12) 前記スロットの第1の側部上で前記本体部分に操作可能に支持される、第1の複数の形成されていないステープルと、
前記スロットの第2の側部上で前記本体部分に操作可能に支持される、第2の複数の形成されていないステープルと、を更に備える、実施態様11に記載の締結具カートリッジ。
(13) 前記閉鎖引き込みアセンブリが、
前記実質的に可撓性の細長閉鎖部材の第1の部材の一部分をフックで係合するように操作可能に構成される、第1の引き込みフックと、
前記実質的に可撓性の細長閉鎖部材の第2の部材の一部分をフックで係合するように操作可能に構成される、第2の引き込みフックと、を備える、実施態様11に記載の締結具カートリッジ。
(14) 閉鎖引き込みアセンブリを中に有する外科用締結具カートリッジと共に使用するための閉鎖アセンブリであって、
前記締結具カートリッジの一部分上で支持可能であり、かつ第1のロッキング開口を画定する第1のロッキング端部を有する、第1の下部細長部分を有する第1の吸収性閉鎖部材であって、前記第1の下部細長部分と一体形成され、かつ前記第1のロッキング端部に対して間隔をおいて支持される第1のフック形状の端部を有する、第1の上部細長部分を有する、第1の吸収性閉鎖部材と、
前記締結具カートリッジの別の部分上で支持可能であり、かつ第2のロッキング開口を画定する第2のロッキング端部を有する、第2の下部細長部分を有する第2の吸収性閉鎖部材であって、前記第2の下部細長部分と一体形成され、かつ前記第1のロッキング端部に対して間隔をおいて支持される第2のフック形状の端部を有する、第2の上部細長部分を有する、第2の吸収性閉鎖部材と、
互いに対して間隔をおいた前記第1の吸収性閉鎖部材及び前記第2の吸収性閉鎖部材を結合するブリッジ部材と、を備える、閉鎖アセンブリ。
(15) 前記第1の吸収性閉鎖部材が第1の縫合糸を備え、前記第2の吸収性閉鎖部材が第2の縫合糸を備える、実施態様14に記載の閉鎖アセンブリ。
【0047】
(16) 前記第1の吸収性部材が、上部に形成される第1の複数の第1の一方向性のかかりを有し、前記第2の吸収性部材が、上部に形成される第2の複数の第2の一方向性のかかりを有する、実施態様14に記載の閉鎖アセンブリ。
(17) 前記第1のロッキング端部が、前記第1の吸収性閉鎖部材の前記第1の下部部分の端部に形成され、前記第1のロッキング開口を中に画定する第1のロッキングループを備え、前記第1の吸収性閉鎖部材の前記第1の上部部分が、前記第1のロッキング開口を通って延在し、第1の引き込みループにおいて終結する第1のフック部分を有し、前記第2のロッキング端部が、前記第2の吸収性閉鎖部材の前記第2の下部部分の端部に形成され、前記第2のロッキング開口を中に画定する第2のロッキングループを備え、前記第1の吸収性閉鎖部材の前記第2の上部部分が、前記第2のロッキング開口を通って延在し、第2の引き込みループにおいて終結する第2のフック部分を有する、実施態様14に記載の閉鎖アセンブリ。
(18) 前記第1のロッキングループ及び前記第2のロッキングループが、前記ブリッジ部材によって一緒に結合される、実施態様17に記載の閉鎖アセンブリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図5B
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図7
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図9
図10
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図19