特許第6017536号(P6017536)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6017536単相の電力供給網にもとづいて自動車の電池を充電するための装置、およびこの装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017536
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】単相の電力供給網にもとづいて自動車の電池を充電するための装置、およびこの装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20161020BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20161020BHJP
   H02M 7/12 20060101ALI20161020BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20161020BHJP
   H02J 3/18 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   H02J7/10 P
   H02J7/00 P
   H02M7/12 F
   H02M7/12 P
   B60L11/18 C
   H02J3/18 114
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-504381(P2014-504381)
(86)(22)【出願日】2012年4月12日
(65)【公表番号】特表2014-517665(P2014-517665A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】FR2012050806
(87)【国際公開番号】WO2012140374
(87)【国際公開日】20121018
【審査請求日】2015年4月6日
(31)【優先権主張番号】1101177
(32)【優先日】2011年4月14日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ガティ, メディ
(72)【発明者】
【氏名】クヴィエスカ, ペドロ
(72)【発明者】
【氏名】ケッフィ−シェリフ, アフマド
【審査官】 緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−215522(JP,A)
【文献】 特開2011−015532(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/030957(WO,A1)
【文献】 特開2009−033957(JP,A)
【文献】 特開2009−219238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00−3/12,
B60L7/00−13/00,
B60L15/00−15/42,
H01M10/42−10/48,
H02J3/00−5/00,
H02J7/00−7/12,
H02J7/34−7/36,
H02M3/00−3/44,
H02M7/00−7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池(13)、特に電気運転自動車の電池を、単相の電力供給網から充電するための装置であって、前記単相の供給網へと接続されるように意図されたフィルタ処理段(2)と、前記フィルタ処理段(2)へと接続された降圧段(3)と、前記電池(13)へと接続されるように意図され、インダクタンスコイル(L)を介して前記降圧段(3)へと連結された昇圧段(4)と、前記降圧段(3)および前記昇圧段(4)にチョッピングのデューティサイクル(a、a)を与えることができる制御ユニット(15)とを備えており、
前記制御ユニット(15)が前記降圧段(3)の入力電流(I)と前記降圧段(3)の入力電圧(V)との間の位相のずれを補償するための手段を備えており、
前記制御ユニット(15)が、
前記降圧段(3)の入力電流(I)と前記降圧段(3)の入力電圧(V)との間の位相のずれを補償するため、および前記電池が受け取る電力(Pbat)を設定点の電力(Pbatref)の関数として制御するために、前記降圧段(3)のチョッピングのデューティサイクル(a)を、前記単相の電力供給網の電圧(V)、前記設定点の電力(Pbatref)、および前記インダクタンスコイル(L)を通って流れる電流の強度(I)の関数として決定することができる第1の制御モジュール(16)と、
前記昇圧段(4)のチョッピングのデューティサイクル(a)を、前記降圧段(3)の出力における電圧(Vkn)、前記電池(13)の電圧(Vbat)、および設定点の誘導の強度(Iref)と前記インダクタンスコイル(L)を通って流れる電流の強度(I)との間の差の関数として決定し、前記電池(13)を通って流れる電流の強度(Ibat)の閉ループ制御を行うことができる第2の制御モジュール(17)と
を含んでいることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1の制御モジュール(16)が、前記単相の電力供給網の電圧(V)の振幅(V)および前記設定点の電力(Pbatref)の関数として前記降圧段(3)の前記入力電流(I)の振幅(Ifm)をもたらすマップを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記設定点の誘導の強度(Iref)が、前記電池(13)を通って流れる前記強度(Ibat)および前記インダクタンスコイル(L)を通って流れる前記強度(I)よりも常に大きい、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の制御モジュール(17)が、前記インダクタンスコイル(L)を通って流れる前記電流の強度(I)と前記設定点の誘導の強度(Iref)との間の差が送信される比例−積分コントローラ(30)と、前記第2の制御モジュール(17)によって決定される前記チョッピングのデューティサイクル(a)が「0」または「1」にほぼ等しい場合に前記コントローラ(30)の積分部分を無効にするように設計された速度超過保護手段とを備えている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
駆動輪へと接続された電気機械(5)と、前記電気機械(5)に給電することができるインバータ段とを含んだ少なくとも部分的に電気運転である自動車であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置を含んでおり、前記装置の前記昇圧段(4)の電気的接続およびスイッチが前記インバータ段に含まれており、前記装置の前記インダクタンスコイル(L)が前記電気機械(5)の巻線であることを特徴とする、自動車。
【請求項6】
電池(13)、特に自動車の電池の、単相網からの充電を制御する方法であって、入力電圧(V)をフィルタ処理し、電力を前記網から降圧段(3)およびインダクタンスコイル(L)を介して連結された昇圧段(4)を介して前記電池へと取り出すもので、
前記降圧段(3)の入力電流(I)と前記降圧段(3)の入力電圧(V)との間の位相のずれを補償し、
前記降圧段(3)の入力電流(I)と前記降圧段(3)の入力電圧(V)との間の位相のずれを補償するため、および前記電池が受け取る電力(Pbat)を設定点の電力(Pbatref)の関数として制御するために、前記降圧段(3)の入力電流(I)を、前記単相の電力供給網の電圧(V)、前記設定点の電力(Pbatref)、および前記インダクタンスコイル(L)を通って流れる電流の強度(I)の関数として前記降圧段(3)のチョッピングのデューティサイクル(a)を開ループ制御することによって制御し、
前記電池(13)を通って流れる電流の強度(Ibat)を、前記降圧段(3)の出力における電圧(Vkn)、前記電池(13)の電圧(Vbat)、および設定点の誘導の強度(Iref)と前記インダクタンスコイル(L)を通って流れる前記電流の強度(I)との間の差の関数として前記昇圧段(4)のチョッピングのデューティサイクル(a)を閉ループ制御することによって、基準の電池強度(Ibatref)へとロックする
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記チョッピングのデューティサイクル(a)が「0」または「1」にほぼ等しい場合に、比例−積分コントローラの積分部分を無効にする、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に電気運転自動車のための、単相の電力供給網にもとづく高電圧の電池充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高電圧の電池再充電システムにおいては、供給網からの電力が、降圧または「バック(buck)」コンバータおよび昇圧または「ブースト(boost)」コンバータという2つのコンバータを介して連続的に電池へともたらされる。これら2つのコンバータは、それらの出力および入力端子の間の電圧比を、出力電流および/または所望の出力電圧の関数として制御される周波数で一連のスイッチを連続的に開放および閉鎖することによって、縮小または増大させることを可能にする。
【0003】
そのような充電システムが、例えば車両の電池を三相または単相の回路から再充電することを可能にする自動車用の車載の再充電システムに関する仏国特許出願公開第2943188号明細書に記載されており、この再充電回路は、電流の生成または車両の推進などの他の機能ももたらす電気機械のコイルを備えている。
【0004】
電力供給網から取り出される電流のチョッピング(chopping)は、取り出される電流に高周波成分を生じさせ、伝統的には50Hzである配電網の基本周波数よりも高次の高調波を生じさせる。
【0005】
取り出される電流の高調波に関して、売電業者が規格を課しているため、このような再充電システムは、抵抗性/誘導性/容量性(RLC)フィルタを降圧コンバータの入力にさらに備えている。このフィルタは、供給網から取り出された電流と電圧との間に位相のずれを生じさせる。この位相のずれの結果として、ユーザによって取り出されることがなく、理想的には最小化されなければならない無効電力が、供給網を通って流れる。
【0006】
さらに、大部分の家庭の電力供給網は、単相の電力供給網である。したがって、単相の電力供給から電池を再充電するための装置を備える車両を、家庭の電力供給網から、例えば私有の駐車場またはガレージにおいて、再充電することができる。
【0007】
単相の電力供給網からの再充電は、いくつかの特有の特徴を有する。電力供給網のトポロジーに応じて、入力電流の位相を供給網の電圧の位相に一致させることが、常には可能でない。さらに、入力の正弦波電圧がゼロに近づくとき、システムが一時的に制御不能になり、これは、降圧コンバータと昇圧コンバータとの間の電気機械の蓄電インダクタンス(storage inductance)が大きい場合には、インダクタの電流が減少するための時間を持たないがゆえであり、きわめて不都合というわけではないが、このインダクタがかさばるという欠点を有している。
【0008】
さらに、電力の流れを継続的にするために、非ゼロの電流が降圧コンバータと昇圧コンバータとの間の電気機械の蓄電インダクタを通って流れている必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2943188号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、そのような再充電装置の降圧コンバータおよび昇圧コンバータを制御するための装置であって、装置の入力におけるRLCフィルタの有無に関わらず、単相の電力供給網から取り出される電流と電圧との間の位相角を小さく保つことを可能にする装置を提案することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、自動車用の車載の再充電装置であって、外部の単相の電力供給網へと接続することが可能であり、自身の回路に車両の電気機械の巻線を組み込んでいる車載の再充電装置を提案することにある。
【0012】
一態様によれば、一実施形態は、電池(特に、電気運転自動車の電池)を単相の電力供給網から充電するための装置であって、単相の供給網へと接続されるように意図されたフィルタ処理段と、前記フィルタ処理段へと接続された降圧段と、電池へと接続され、かつインダクタンスコイルなどの誘導成分を介して前記降圧段へと接続されるように意図された昇圧段と、前記降圧段および前記昇圧段にチョッピングのデューティサイクルを与えることができる制御ユニットとを備えている装置を提案する。
【0013】
全体的な特徴によれば、制御ユニットが、降圧段の入力電流と降圧段の入力電圧との間の位相のずれを補償するための手段を備える。
【0014】
有利には、制御ユニットが、降圧段の入力電流と降圧段の入力電圧との間の位相のずれを補償するため、および電池が受け取る電力を設定点の電力の関数として制御するために、降圧段のチョッピングのデューティサイクルを単相の電力供給網の電圧、設定点の電力、およびインダクタンスコイルを通って流れる電流の強度の関数として決定することができる、第1の開ループ制御モジュールを備える。
【0015】
第1の制御モジュールは、有利には、入力電圧の振幅および設定点の電力の関数として降圧段の入力電流の振幅をもたらすマップを備えることができる。
【0016】
好ましくは、制御ユニットが、昇圧段のチョッピングのデューティサイクルを前記降圧段の出力における電圧、電池の電圧、および設定点の誘導の強度とインダクタンスコイルを通って流れる電流の強度との間の差の関数として決定するとともに、電池を通って流れる電流の強度の閉ループ制御をもたらすことができる第2の制御モジュールを備える。
【0017】
設定点の誘導の強度は、好ましくは、電池を通って流れる強度およびインダクタンスコイルを通って流れる強度よりも常に大きい。
【0018】
有利には、第2の制御モジュールが、インダクタンスコイルを通って流れる電流の強度と設定点の誘導の強度との間の差が送信される比例−積分コントローラと、第2の制御モジュールによって決定されるチョッピングのデューティサイクルが「0」または「1」にほぼ等しい場合にコントローラの積分部分を無効にするように設計された速度超過保護手段とを備える。
【0019】
別の態様によれば、本発明は、駆動輪へと接続された電気機械と、この電気機械に給電することができるインバータ段とを備えており、少なくとも部分的に電気運転である自動車を提案する。
【0020】
全体的な特徴によれば、前記自動車が、上述のように単相の供給網から電池を充電するための装置を備え、前記装置の昇圧段の電気的接続およびスイッチがインバータ段に含まれ、前記装置のインダクタンスコイルが前記電気機械の巻線に対応している。
【0021】
別の態様によれば、一実施形態は、単相の網からの電池(特に、自動車の電池)の充電を制御するための方法であって、入力電圧をフィルタ処理し、電力を該網からインダクタンスコイルなどの誘導成分を介して接続された降圧段および昇圧段を介して電池へと取り出す方法を提案する。
【0022】
全体的な特徴によれば、降圧段の入力電流と降圧段の入力電圧との間の位相のずれが補償される。
【0023】
好ましくは、降圧段の入力電流と降圧段の入力電圧との間の位相のずれを補償するため、および電池が受け取る電力を設定点の電力の関数として制御するために、降圧段の入力電流が、単相の電力供給網の電圧、設定点の電力、およびインダクタンスコイルを通って流れる電流の強度の関数としての、降圧段のチョッピングのデューティサイクルの開ループ制御によって制御される。
【0024】
電池を通って流れる電流の強度を、昇圧段のチョッピングのデューティサイクルを降圧段の出力における電圧、電池の電圧、および設定点の誘導の強度とインダクタンスコイルを通って流れる電流の強度との間の差の関数として閉ループにて設定することによって、基準の電池強度へと設定することも可能である。
【0025】
有利には、チョッピングのデューティサイクルが「0」または「1」にほぼ等しい場合に、比例−積分コントローラの積分部分を無効にすることができる。
【0026】
本発明の他の利点および特徴が、決して本発明を限定しようとするものではない本発明の一実施形態についての詳細な説明、および添付の図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態による再充電装置を示している。
図2a】第1の制御モジュールの第1の実施形態を示している。
図2b】第1の制御モジュールの第2の実施形態を示している。
図3】第2の制御モジュールの一実施形態の概略図である。
図4】インダクタンスコイルを通って流れる電流のグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、一実施形態による、単相の電力供給網から電気運転自動車の電池を充電するための装置の概略図を示している。
【0029】
再充電装置1が、フィルタ処理段2と、フィルタ処理段2へと接続された降圧段3と、電気機械5を介して降圧段3へと接続された昇圧段4とを備えている。
【0030】
装置1は、三相または単相の電力供給へと接続することが可能であるため、フィルタ処理段2の入力へと接続されており、電力供給網へと接続することが可能である3つの端子B、B、Bを有している。単相の充電においては、入力BおよびBだけが、入力電圧Veおよび入力電圧Ieをもたらす単相の電力供給網へと接続される。
【0031】
各入力端子B、B、およびBは、フィルタ処理段2のフィルタ処理ブランチへと接続されている。各フィルタ処理ブランチは、2つのブランチを並列に備えており、一方のブランチが、値Lのインダクタを有し、他方のブランチが、値Lのインダクタおよび値Rの抵抗を直列に有している。
【0032】
これら2つのフィルタ処理ブランチの出力の各々が、各フィルタ処理ブランチについてD、D、Dとそれぞれ称されている点において、容量Cのコンデンサに接続されており、これらのコンデンサは、さらに接地へと接続されている。値Rの抵抗と、値LまたはLのインダクタと、容量Cのコンデンサとからなる組が、降圧コンバータ3の入力においてRLCフィルタを形成している。
【0033】
単相の再充電においては、端子Bは、電力供給網へと接続されることがない。端子Bへと接続されたフィルタ処理ブランチは使用されないため、以降の説明においては考慮されず、破線を使用して示されている。破線を用いて示されている電気回路のその他の構成要素は、三相の電力供給網へと接続される場合に限って使用される構成要素である。
【0034】
降圧段3は、点DおよびDにおいてフィルタ処理段2へと接続される。単相の電力供給により動作するとき、降圧段3は、制御ユニット15によって制御される2つのスイッチSまたはSをそれぞれ有している2つの並列なブランチ6および7を備える。
【0035】
降圧コンバータの入力DおよびDの各々は、それぞれブランチFおよびFによって、単独のブランチ6および7それぞれの2つのスイッチSおよびSの間に位置する接続点へと接続されている。
【0036】
ブランチ6および7の共通の末端が、降圧コンバータ3の2つの出力端子を形成している。端子の一方が、電池13の「−」端子および昇圧コンバータ4の第1の入力10へと接続されている。これらの端子の他方は、電気機械5の第1の端子へと接続されており、電気機械5の他方の端子が、昇圧コンバータ4の第2の入力11へと接続されている。
【0037】
昇圧コンバータ4は、制御ユニット15によって別個独立に制御することができる2つのスイッチSおよびSを有している。これら2つのスイッチSおよびSは、昇圧コンバータ4の第1の入力10と電池13の「+」端子とを接続するブランチに位置している。電気機械5が接続された昇圧コンバータ4の第2の入力11が、2つのスイッチSおよびSの間に接続され、スイッチSが第2の入力11と電池13の「+」端子との間に接続され、スイッチSが、第1の入力10と第2の入力11との間に接続されている。
【0038】
インダクタンスコイルLdに直列に配置された値Rdの抵抗と同様の電気機械5が、降圧コンバータ3の出力端子と昇圧コンバータ4の第2の入力11との間に接続されている。本発明の技術的範囲から外れることなく、電気機械5を、非抵抗性のインダクタンスコイルによって置き換えることができ、あるいは補足のインダクタンスコイルを、電気機械5に直列に接続することができる。
【0039】
電池13の端子が、電池13の端子の電圧を比較的安定に保つように意図されたコンデンサ12、ならびに電池13の「+」端子を介して注入される最適な電流強度を電池の充電レベルの関数として明らかにする設定点の値Ibatrefをもたらすことができる電池の充電を監視するためのモジュール19へと接続される。充電監視モジュール19は、設定点の値Ibatrefを専用の接続によって制御ユニット15へと送信する。
【0040】
さらに、モジュール19または他の場所に組み込まれた測定手段が、実際に電池に進入する電流を明らかにする測定値Ibatおよび電池13の「−」端子と「+」端子との間の電圧を明らかにする値Vbatを、制御ユニット15に送信する。
【0041】
他の電流強度の測定モジュールが、電気機械5を通って流れる電流の値Id、フィルタ処理段2に進入する電力供給網の電流の強度Ie、および供給網からの電力供給の入力電圧値Veを測定し、制御ユニット15へと送信することを可能にする。
【0042】
制御ユニット15は、降圧段3のチョッピングのデューティサイクルaを決定する第1の制御モジュール16と、昇圧段4のチョッピングのデューティサイクルの設定点aを決定する第2の制御モジュール17とを備える。
【0043】
このために、制御ユニット15は、2つのパイロットモジュール(図示されていない)を備えており、第1のパイロットモジュールが、降圧段3のチョッピングのデューティサイクルaを得るなどのために降圧コンバータ3のスイッチの各々について時間的な開放および閉鎖のパターンを与え、第2のパイロットモジュールが、デューティサイクルaを得るなどのために昇圧コンバータ4のスイッチSおよびSの各々について時間的な開放および閉鎖のパターンを与える。
【0044】
スイッチは、好ましくは、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)など、高速スイッチングを可能にするトランジスタである。
【0045】
もっぱら単相モードで使用される場合、昇圧コンバータ4の第2の入力11と電池13の「+」端子との間のスイッチSは常に閉じられており、結果として、前記第2の入力11から電池13の「+」端子への流れを可能にするダイオードによって置き換えることが可能である。装置1が単相の電力供給網ならびに三相の電力供給網に接続される可能性がある場合、ダイオードを、前記第2の入力11と電池13の「+」端子との間に接続されたスイッチSに並列に接続することができ、このダイオードが、前記第2の入力11から電池13の「+」端子への流れを可能にする。
【0046】
デューティサイクルaおよびaを判断するために、制御ユニット15は、供給網からの電力の供給電圧Ve、電気機械5を通って流れる電流の強度Id、電池13の両端間の電圧Vbat、電池13を通って流れる電流の強度Ibat、および充電監視モジュール19によってもたらされる基準の電池の強度Ibatrefの値を、入力として受信する。
【0047】
例として、充電装置1の電気要素の特徴的な値は、以下の範囲内にある。
・フィルタ2の容量値は、それぞれ数百μFに相当し、例えば100〜500μFの間である。
・端子の電圧を安定させるために使用される電池13の端子間のコンデンサ12は、mF程度であり、例えば1〜10mFの間である。
・フィルタ処理回路2の抵抗値Rは、約1オームであり、例えば1〜10Ωの間である。
・電気機械Meの回転子の抵抗Rdは、数十mΩ程度であり、例えば0.01Ω〜0.1Ωの間である。
・フィルタ処理段2のインダクタおよび電気機械5の巻線にそれぞれ対応するインダクタンス値L1、L2、Ldは、数十μH程度の値を有し、例えば10μH〜100μHの間の値を有する。
【0048】
第1の制御モジュール16および第2の制御モジュール17を使用して、制御ユニットは、以下の3つの目標を満足する降圧コンバータ3および昇圧コンバータ4のためのチョッピングのデューティサイクルの設定点の値aおよびaを準備する。
・降圧段3の入力電流Ifの振幅を制御し、この電流Ifの位相が入力電圧Veの位相と一致するように保証する(この制御により、降圧段3の入力電流Ifと降圧段3の入力電圧Vとの間の位相のずれが最小にされる)ことによって、電力供給網の関数として取り出される電力を制御する。
・充電監視モジュール19によって明らかにされ、Ibatref関数として制御ユニット15へともたらされる、電池13の電力供給の必要性に対応して、電池13の「+」端子において測定される入力電流Ibatを得る。
・供給網から取り出される電流に望ましくない高調波を引き起こすことがないよう、電気機械5のインダクタンスコイルLdを通って流れる電流Idの消滅を防止する。
【0049】
フィルタ処理段2における電圧低下が、使用される電力の範囲においては無視できるため、入力フィルタの式は、説明を必要としない。
【0050】
降圧段3の入力における電圧Vcは、電力供給網の入力電圧Veに等しいと考えられる。
【0051】
降圧段3の出力電圧Vknは、a・Veに等しい。それがa・Veに等しいため、電気機械5を有するブランチの式を、以下の形
Rd・Id+Ld・s・Id=a・Ve−a・Vbat(式1)
で表わすことができ、ここでsは、時間「t」に関する微分演算子であり、すなわち

であり、
aは、降圧段3のチョッピングのデューティサイクルであり、aは、昇圧段4のデューティサイクルである。
【0052】
降圧段3のチョッピングのデューティサイクルaを、a=If/Idと表わすこともでき、ここでIfは、降圧段3における入力電流であり、昇圧段4のチョッピングのデューティサイクルaは、a=Ibatt/Idによって与えられる。
【0053】
したがって、式(1)を以下の形に表わすこともできる。
Rd・Id+Ld・s・Id=(If・Ve−Ibat・Vbat)/Id(式2)
または
【0054】
したがって、式3によれば、降圧段3の入力電流の強度Ifを、電気機械5を通って流れる電流IdをインダクタンスコイルLdの電流の消滅を防止するように準備される設定点の値Idrefへとロックするための制御変数として使用することができる。
【0055】
入力電圧Veがゼロに近づく場合、システムは、たとえロックされていても制御不能になる。該式によれば、これらの制御不能の局面において、電気機械5のコイルLdの電流Idは、図4に示されるように、低下するだけで済む。
【0056】
定義により、降圧段3の入力電流の強度Ifの値を、電気機械5を通って測定される電流の強度Idの値で除算することによって、降圧段3のチョッピングのデューティサイクルaの値がもたらされる。チョッピングのデューティサイクルの設定点aを使用して降圧段3を制御することで、降圧段3の入力における電流と電圧との間の位相のずれを取り除くために、供給網の電力供給電流Ieをゼロ基準へとロックすることが可能になり、電気機械5を通って流れる電流Idを所望の設定点の値、すなわち設定点の誘導強度Idrefへとロックすることが可能になる。
【0057】
電力供給網の入力電圧Veに等しい降圧段3の入力電圧Vcは、Vc=Ve=Vm・sin(ωt)の形をとる。
【0058】
コマンドが、Ifの位相が入力電圧の位相に一致することを保証する。入力電流Ieは、Ie=If+Ic、すなわちI=Ifm・sin(ωt)+C/2・Vm・cos(ωt)によって与えられる。
【0059】
したがって、電流Ifは、供給網から取り出される有効電力のイメージである。この後者は、関係Pactive=Ifm・V/2によって与えられ、ここでIfm=2・Pactive/Vである。
【0060】
入力電流Ieが、降圧段3の入力電流Ifによって位相のずれをなくすように制御され、電気機械5を通って流れる電流Idが、降圧段3の入力電流Ifによって電気機械5のコイルLdの電流の消滅を防止するように制御される場合、充電監視モジュール19によってもたらされる設定点の値Ibatrefに電池の入力電流Ibatをロックすることに関して制御ユニット15によって行われる制御の第3の目的は、満たされたままである。
【0061】
そのようにするために、チョッピングのデューティサイクルaを、例えば関係a=Ibatref/Idを満足するように昇圧コンバータへと適用することができる。
【0062】
式(1)によって与えられる電気機械5を通過する電流の動態を決定する関係が、昇圧段4のデューティサイクルaおよび電気機械5を通って流れる電流Idを直接的に結び付ける。
【0063】
したがって、aを、基準値Idrefと電気機械5を通って流れる測定値Idとの間の誤差から直接制御することができる。
【0064】
図2aは、第1の制御モジュール16の第1の実施形態の概略図である。第1の制御モジュールは、降圧段3の入力電流Ifの開ループ制御を含む。降圧段3の入力電流Ifが、降圧段3のチョッピングのデューティサイクルaを計算することによって制御される。
【0065】
降圧段3のチョッピングのデューティサイクルaは、電池の電圧Vbatおよび設定点の電池の強度Ibattrefから決定される設定点の電力Pbatref、単相の電力供給網の入力電圧Ve、ならびにインダクタンスコイルLdを通って流れる電流の強度Idの関数として決定される。
【0066】
第1の制御モジュール16は、第1の入力において電池の強度の設定点Ibatrefを受信し、第2の入力において電池の端子において測定される電圧Vbatを受信する。電池の設定点の強度Ibatrefおよび電池の電圧Vbatが、第1の乗算器21へと入力され、第1の乗算器21が、設定点の電力Pbatrefを出力する。
【0067】
第3の入力において、制御モジュール16は、電力供給網からの入力電圧Veを受信する。モジュール16は、単相の電力供給網の入力電圧Veに比例する規格化された振幅信号Vの抽出を可能にする信号分析器22を備えている。振幅信号Vは、振幅Vの反転を出力する第1の反転スイッチ23へともたらされる。この振幅の反転Vが、設定点の電力Pbatrefも入力として受信する第2の乗算器24へともたらされる。
【0068】
次いで、第2の乗算器24が、降圧段3の入力電流の振幅Ifを第3の乗算器25へと出力し、第3の乗算器25は、単相の電力供給網の入力電圧Vの位相信号sin(ωt)も入力として受信する。
【0069】
次いで、第3の乗算器25が、降圧段3の入力電流Ifを、第1には第2の制御モジュール17へと出力し、第2には第4の乗算器26へと出力する。モジュール16は、第4の入力によって、電気機械5のコイルLdを通って流れる電流の強度の値Idを受信する。コイルLdを通って流れる電流の強度の値Idが、第2の反転スイッチ27へともたらされ、第2の反転スイッチ27が、コイルLdを通って流れる電流の強度Idの反転を第4の乗算器26へと出力する。
【0070】
次いで、第4の乗算器26が、計算If/Idを実行し、降圧段3のチョッピングのデューティサイクルの値aを出力し、降圧段3の入力電流Ifの制御を可能にする。
【0071】
図2bは、第1の制御モジュール16の第2の実施形態を示している。
【0072】
このモジュール16においては、第2の乗算器24が、降圧段3の入力電流Ifの振幅Ifを、入力電圧Veの振幅Vおよび設定点の電力Pbatrefの関数としてもたらすマップ28によって置き換えられている。
【0073】
図3は、第2の制御モジュール17の一実施形態を示している。
【0074】
充電装置1において、電池13を通って流れる電流Ibatが、昇圧段4によって制御される。実際、電池の電流Ibatは、関係Ibat=aによって与えられる。
【0075】
したがって、電池13における電流Ibatを、a=Ibatref/Idによって関連の基準値へと単純にロックすることができる。
【0076】
電池の電流測定が得られる場合には、補正ループを追加することも可能である。この場合、

が得られ、ここでαは、設定パラメータである。
【0077】
第2の制御モジュール17は、電気機械5のインダクタンスコイルLdを通って流れる電流の強度Idの閉ループ制御を含む。
【0078】
第2の制御モジュール17は、第1の入力において、電力供給網の入力強度の値Ieを受信する。この強度の値Ieが、設定点の誘導の強度Idrefの値を決定するモジュール31へともたらされる。第2の制御モジュール17は、第2の入力において、電気機械5のコイルLdを通って流れる電流の強度の値Idを受信する。強度の値Idが、設定点の誘導の強度の値Idrefを正の入力において受信する第1の減算器32の負の入力へともたらされる。
【0079】
次いで、第1の減算器32は、インダクタンスコイルLdを通って流れる電流の強度Idと、設定点の誘導の強度Irefとの間の差を、比例/積分コントローラ30へと出力する。
【0080】
比例/積分コントローラ30は、並列な2つのブランチを備えており、第1のブランチが比例制御モジュールKを備え、第2のブランチが積分制御モジュールKおよび積分モジュールiを備えている。
【0081】
第2の制御モジュール17は、第3の入力において、第1の制御モジュール16によってもたらされる降圧段3の入力電流の強度の値Ifを受信する。強度Ifは、第2の制御モジュール17の第4の入力において受信される単相の供給網の入力電圧Vも入力として受信する第1の乗算器33へともたらされる。
【0082】
したがって、第3の乗算器33は、有効電力の値Pactiveを出力する。この値Pactiveが、第1の反転スイッチ35へと前もってもたらされている電流Idの反転も入力として受信する第2の乗算器34へと入力される。
【0083】
第2の乗算器34が、計算Pactive/Idを実行し、降圧段3の出力電圧の値Vknを出力する。降圧段3の電圧Vknは、比例/積分コントローラ30からの出力を負の入力において受信する第2の減算器36の正の入力へともたらされる。
【0084】
次いで、第2の減算器36は、インダクタンスコイルLdを通って流れる電流の強度Idと、比例/積分コントローラ30によって補正された設定点の誘導の強度Irefとの間の差について、降圧段3の出力電圧Vknとの合計を、第3の乗算器37の入力に出力する。第3の乗算器37は、第2の制御モジュール17の第5の入力において受信されて第2の反転スイッチ38へと前もってもたらされている電池電圧Vbatの反転も入力として受信する。
【0085】
次いで、第3の乗算器37は、昇圧段4のチョッピングのデューティサイクルの設定点の値aを出力する。
【0086】
第2の制御モジュール17は、第3の乗算器37の出力と比例/積分コントローラ30の積分制御モジュールKを含んでいる方のブランチの入力との間のフィードバックループをさらに備える。
【0087】
昇圧段4のチョッピングのデューティサイクルの値aがほぼ0または1である場合、積分制御ブランチが無効にされる。
【0088】
このフィードバックループは、入力電圧Veがゼロに近づくときの装置の制御の喪失を克服するために使用される速度超過の保護の技術である。実際、制御不能の局面においては、差を小さくすることができないため、制御が飽和し、すなわちスイッチまたはIGBTトランジスタのデューティサイクルが1になる。この誤差が積分され続けることを防止するために、フィードバックループが使用される。したがって、ひとたび装置が制御可能になると、電気機械5のコイルLdを通って流れる電流Idが、基準値Idrefへともたらされる。
【0089】
このフィードバックループの使用は、きわめて低いインダクタンスのコイルLdを有するシステムの制御も可能にする。低インダクタンスのコイルを使用することで、充電器の体積を減らすことが可能になる。
【0090】
本発明は、外部の単相の電力供給網へと接続されるように設計された自動車用の車載充電装置であって、回路に車両の電気機械の巻線が組み込まれた、該単相の電力供給網から取り出される電流と電圧との間の位相のずれを小さく保つように降圧コンバータおよび昇圧コンバータを制御することを可能にする充電装置を提供する。
図1
図2a
図2b
図3
図4