(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ステップa−1)が、前記個包装されたパッケージの順序づけられた構成に前記ネイキッドコレーションフィルムを巻き付けてフィルムの筒を形成することによって行われる、請求項2に記載の方法。
ステップa−3)で形成される前記エンベロップシールが、BとBとの間および/またはAとBとの間および/またはAとAとの間ならびにそれら2つ以上の組合せで形成される、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
前記ネイキッドコレーションフィルムが、90℃以下、5psiの圧力における、0.5sの加圧時間でのシーリング操作の後に、前記シーリング層またはそれぞれのシーリング層とそれ自体および/またはもう一方のシーリング層との間に、シール強度が200g/25mmのシールを形成することができる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
前記ネイキッドコレーションフィルムが、80℃以下、5psiの圧力における、0.5sの加圧時間でのシーリング操作の後に、前記シーリング層またはそれぞれのシーリング層とそれ自体および/またはその他のシーリング層との間に、シール強度が200g/25mmのシールを形成することができる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
前記ネイキッドコレーションフィルムの前記シーリング層またはそれぞれのシーリング層とそれ自体および/または前記ネイキッドコレーションフィルムのもう一方のシーリング層とのシール開始温度が、前記シーリング層と前記個々のパッケージの前記フィルム材料とのヒートシール閾値よりも少なくとも15℃低い、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
前記ネイキッドコレーションフィルムの前記シーリング層またはそれぞれのシーリング層とそれ自体および/または前記ネイキッドコレーションフィルムのもう一方のシーリング層とのシール開始温度が、前記シーリング層と前記個々のパッケージの前記フィルム材料とのヒートシール閾値よりも少なくとも10℃低い、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
ネイキッドコレーションパッケージ中にともにネイキッドコレーションフィルムで梱包される、フィルム材料に個々に包装された個々のパッケージの配置を含むネイキッドコレーションパッケージであって、前記ネイキッドコレーションフィルムは、ポリオレフィン系コア層C、前記ネイキッドコレーションフィルムの内側表面に内側シーリング層Aおよび前記ネイキッドコレーションフィルムの外側表面にポリオレフィン系外側シーリング層Bを含み、前記内側シーリング層Aの材料は、特定のシーリング条件および熱収縮条件下において前記個包装されたパッケージの前記フィルム材料とシーリング不適合性であるよう選択され、前記外側シーリング層Bのポリオレフィン系材料は、前記特定のシーリング条件下においてBとシーリング適合性およびAとシーリング適合性であるよう選択され、ここで、層AおよびBは、異なる材料から形成され、層Bは、少なくとも1種のポリオレフィン系重合体および前記層の重量の少なくとも0.75%のシリコーンを含む付着防止要素を含み、前記個々のパッケージは、順序づけられた構成に配置され、前記ネイキッドコレーションフィルムは、前記パッケージとシールされることなく、熱収縮されて前記パッケージの配置を緊密に取り囲む、ネイキッドコレーションパッケージ。
【背景技術】
【0002】
本発明は、主にネイキッドコレーション(naked collation)用のオーバーラップフィルムに関する。ネイキッドコレーションは、パッケージングコストおよび材料を低減するのに有効な方法である。いくつかの個々に包装された物品(例えば、タバコパック)が、流通または大量小売用の大きな束として一まとめにして包装される場合、包装される前に個々のパッケージが大きな箱またはカートンに入れられるのが普通である。ネイキッドコレーションは、箱またはカートンの必要性を省くものである。
【0003】
しかしながら、フィルム包装におけるネイキッドコレーションの課題の1つは、並べられたパッケージをつくる際、フィルムパッケージをシールする必要があることである。これにより、並べられたパッケージのフィルム自体とだけでなく、個々の小箱それぞれを包装するために使用されたフィルムもシーリングされる可能性が高まる。
【0004】
個々のパックがポリプロピレンフィルムで包装される傾向にあるタバコ産業において、これは特有の問題である。製造業者は、ポリプロピレンフィルムの良好な可視および機械的特性の利点をとって、その並べられた束にポリプロピレンフィルムを使用することを選ぶ場合が多いようであるが、その場合、コレーションフィルムを個々のパックのフィルムともシーリングするおそれがある。
【0005】
そのような課題は、従来、アクリル系コーティングされたネイキッドコレーション用ポリプロピレン系オーバーラップフィルムを提供することによって対処されてきた。これは、それ自体とはシールされるが、個々のパックのポリプロピレン包装とはシールされない。しかしながら、アクリル系コーティングでは、コーティングを提供するために使用される材料、およびおそらくさらに重要なことに、フィルムの押出成形後にコーティング操作を必要とすることの両方に関するフィルム製造プロセスのコストが増す。
【0006】
WO03/089336には、タバコの複数の小箱を包む方法が開示されており、順序づけられたまとまりの個々の小箱が透過性のヒートシールプラスチック包装材料のシートだけに梱包される。順序づけられたまとまりの周りにこのシートが巻き付けられて管状の包装を形成する。その後、筒をシールするために円周シールが、さらにパッケージのそれぞれの末端にエンベロップシールが施される。
【0007】
米国特許第6358579号には、別のネイキッドコレーションタイプのパッケージングが開示されており、ここでは、パッケージングフィルムは、改良されたポリオレフィン系のシール可能な層をもつポリオレフィンフィルムである。シール可能な外層は、コポリエステルを含み、混合フィルムは、それ自体とはシールされるが、個々のパッケージの二軸延伸ポリプロピレンフィルムとはシールされないといわれている。
【0008】
WO03/089336およびUS6358579に開示されるアプローチは、個々の製品のフィルム包装がシールされることになるネイキッドコレーションフィルムの課題に対処しているが、さらなる問題に直面している。
【0009】
さらに具体的には、製品の束がネイキッドコレーションフィルムに包装されると、包装された束に包装プロセスの熱が残る傾向がある。束は、ネイキッドコレーションフィルムのヒートシール時に加熱された場合もある。さらにまたはあるいは、束の周りのネイキッドコレーションフィルムを熱収縮させるために熱収縮装置が使用される場合、それによって束が加熱された場合もある。
【0010】
包装プロセスの完了後、例えば、それらを出荷の容器に詰めるときに、一般に包装された束を互いに隣り合わせで置くかつ/または互いにすれ違わせて移動させることが望ましい。しかしながら、そのようなステップは、束に残留熱がある間に行われると、隣接する束のネイキッドコレーション包装材の間または加熱された束と梱包機械の構成部品の間に、ある程度の付着または詰まりを生じさせる可能性もある。
【0011】
当業者であれば、フィルムの高温滑性を改善するための特定の技術および添加物がわかるであろう。しかしながら、それらの使用には、必ずフィルム品質の低下が伴う。例えば、それらを使用すると、問題のフィルムのシール開始温度が一般に高くなる。シール開始温度が高くなると、束の中の製品の個々のフィルム包装とネイキッドコレーションフィルムがシールされることになる可能性が高まるため問題がある。さらに、より高温にヒートシール装置を維持するためには、より大量のエネルギーを必要とし、コストを増加させる。
【0012】
フィルムの滑性を改善するために従来フィルムに添加される1つのタイプの添加物はシリコーンである。しかしながら、大量のシリコーンを使用すると、それを添加されたフィルムの特性にいくつかの有害な変化が起こることが観察されており、これが、そうしたフィルムを収縮性ネイキッドコレーションフィルムとして使用するのに適さないものにする。これに関して、シーリング層に存在する共重合体の重量の0.15%を超えるシリコーンの使用により、ヒートシール強度およびシールパッケージンググレードの許容できない低下ならびにヘイズの許容できない増加が生じることが教示されている、US4343852の
図6および7を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
驚くべきことに、フィルムの外層の重量の0.2%以上の量でシリコーンを使用すると、高い可視特性および有利にも低いシール開始温度を同時に示しながら高温で良好な防滑性を示すネイキッドコレーションフィルムが得られることを発見した。
【0016】
本発明の方法に使用されるフィルムは、内側および外側シーリング層が同じ材料から形成されるACA構造をもつフィルムとは対照的に、内側シーリング層Aおよび外側シーリング層Bが異なる材料から形成される一般的なACB構造をもつことに留意することが重要である。
【0017】
誤解を避けるために、「緊密に取り囲む」という用語は、収縮したネイキッドコレーションフィルムによって、パッケージの配置が完全に取り囲まれるか、あるいは、パッケージの配置が部分的に取り囲まれる実施形態を包含するよう使用される。例えば、パッケージの配置が6つの面をもつ(例えば、タバコの小箱が2×5で積み重ねられている)場合、ネイキッドコレーションフィルムが、その6つの面のうちの4つの面を緊密に取り囲んでもよい。
【0018】
「緊密に取り囲む」という用語は、個々のパッケージがネイキッドコレーションフィルムによってきつく包まれ、一般にそのフィルムと密接に接触することになることを伝えるために使用される。
【0019】
本発明の方法は、以下のステップの1つまたは複数を含んでもよく、これは、適切であれば任意のステップa)からd)の前または後に行われてもよい。
a−1)両端が重なったフィルムの筒を形成するステップ、
a−2)フィルムの筒の両端の重なりを一緒にシーリングすることによって円周シールを形成するステップ、
a−3)フィルムの筒を折りたたみ、折りたたまれた両末端をシーリングすることによってパッケージのそれぞれの末端にエンベロップシールを形成するステップ。
【0020】
上記ステップa−1)は、個包装されたパッケージの順序づけられた構成にネイキッドコレーションフィルムを巻き付けてフィルムの筒を形成することによって行ってもよい。
【0021】
ステップa−3)で両末端がシールされる筒は、ステップa−2)で形成される円周シールによってか、またはステップa−1)で形成される筒をいくつかのその他の方法でシーリングすることによって形成されてもよい。あるいは、ネイキッドコレーションフィルムは、予め形成された筒として供給されてもよい。
【0022】
好ましくは、形成される任意の円周シールは、AとBとの間で形成される。形成される場合、エンベロップシールは、BとBとの間および/またはAとBとの間および/またはAとAとの間ならびにそれら2つ以上の組合せで形成されてもよい。
【0023】
上述のとおり、本発明の方法に使用されるフィルムは、許容可能なレベルの透明度などの良好な可視特性を示し、これが、フィルムをネイキッドコレーションフィルムとして使用するのに適したものにする。さらに具体的には、ネイキッドコレーションフィルムは、好ましくは、約15.0%以下、約10.0%以下、約5.0%以下、約3.0%以下、約2.5%以下、約2.0%以下、約1.8%以下、約1.6%以下、約1.4%以下、約1.2%以下または約1%以下の広角ヘイズ値を示す。
【0024】
フィルムの広角ヘイズ(WAH)は、前方散乱による入射光線から2.5度を超えて逸れた、フィルムを通過した透過光の割合である。フィルムのWAHの測定は、E.EL球式ヘイズメーターを使用して行ってもよい。この試験方法は、ASTM D1003に示されている。
【0025】
さらにまたはあるいは、本発明の方法に利用されるネイキッドコレーションフィルムは、好ましくは、約3.0%以下、約2.5%以下、約2.0%以下、約1.5%以下または約1%以下の狭角ヘイズ値を示す。
【0026】
フィルムの狭角ヘイズ(NAH)は、フィルムサンプルを通過する際に入射光線から6分角(0.1°)を超えて散乱される平行光の量である。NAHは、フィルムを透過する全光の割合として測定される。フィルムのNAHの測定は、レーザー狭角ヘイズ機を使用して行ってもよい。
【0027】
さらにまたはあるいは、本発明の方法に利用されるネイキッドコレーションフィルムは、好ましくは、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上または約99%以上の光沢(45°)を示す。
【0028】
表面または鏡面光沢は、測定されるサンプルへ規定の立体角で入射する光束に対する、そのサンプルから鏡面反射方向に反射される光束の割合であり、すなわち、入射および反射の角度が等しい。光沢(45°)値を参照する場合、使用される角度は45°である。この試験方法は、ASTM D2457に示されている。フィルムの表面光沢の測定は、45°のrho pointを備えたNovo gloss光沢計を使用して行ってもよい。
【0029】
本発明の方法に利用されるフィルムは、有利にも低いシール開始温度を示す。これにより、ヒートシーリング条件、ここでは、温度が約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下または約75℃以下(例えば、5psiで0.5sの加圧時間)において、ネイキッドコレーションフィルムの異なる部分の間(例えば、層AとA、AとBおよび/またはBとBとの間)に(形成される場合は、円周および/またはエンベロップシールなど)シールが形成できる。好適な実施形態において、本発明のフィルムは、上記の温度において5psiの圧力および0.5sの加圧時間でシールされると、200g/25mmのシール強度を有するシールを形成することができる。その他の好適な実施形態において、本発明のフィルムは、約80℃から約120℃の間の温度において0.5psiの圧力および0.15sの加圧時間でシールされると、200g/25mmのシール強度を有するシールを形成することができる。
【0030】
シーリング条件には、高い圧力および長い加圧時間の条件が含まれる場合もある。一般に、フィルムが高いシール開始温度を示す場合、確実に実用的なシールが形成されるよう圧力および/または加圧時間が増加される。しかしながら、本発明の方法に利用されるフィルムのシール開始温度は有利にも低いため、短い加圧時間、低い圧力しか必要とされず、シールをより速やかに形成できる。
【0031】
シーリング圧力は、一般に、例えば、少なくとも約0.1psi、約0.2psi、約0.5psiまたは約1psiから約5psi、約10psi、約20psiまたは約25psiになる。加圧時間は、周知の原理に従って選択されてもよく、一般に、少なくとも約0.05s、約0.075sまたは約0.1sから約0.5s、約1sまたは約2sになる。
【0032】
本発明の方法に使用されるフィルムは、良好な防滑性を示し、好ましくは、周囲温度において約0.5以下、約0.4以下、約0.3以下、約0.25以下もしくは約0.2以下の静止および/または動摩擦係数を示す。
【0033】
60℃の温度において、本発明に使用されるフィルムは、好ましくは、約1以下、約0.8以下、約0.6以下もしくは約0.5以下の静止および/または動摩擦係数を示す。
【0034】
80℃の温度において、本発明に利用されるフィルムは、好ましくは、約4以下、約3.5以下、約3以下、約2.5以下、約2以下、約1.5以下、約1以下、約0.8以下もしくは約0.6以下の静止および/または動摩擦係数を示す。
【0035】
上述の摩擦係数は、当業者に既知の任意の技術を使用して確認してもよい。例えば、摩擦係数は、ASTM D1894で設定された試験方法に従って使用されるTMI(Testing Machines Inc.)Messmer Slip and Friction Tester、モデルNo.32−90−00−0004を使用して測定されてもよい。
【0036】
本発明の方法に使用されるフィルムは、良好な(すなわち、低い)熱遮断性を示す。例えば、それらのフィルムサンプルが、その外側表面同士が接触した状態で60℃の温度、0.5psiの圧力で1時間置かれるように配置される場合、外側表面同士の間のシール強度は、好ましくは、約20g/25mm未満、約10g/25mm未満または最も好ましくは、約5g/25mm未満である。
【0037】
本シーリング層は、一般に、1種または複数のポリオレフィン系ホモ重合体、1種または複数のポリオレフィン系共重合体またはそれら2種以上の組合せを含むことになる。この意味における「共重合体」とは、任意の数の構成重合体部分(エチレン、プロピレン、ブテンまたは最大10個の炭素原子を含む任意のオレフィンなど)を意味し、したがって、例えば、二元共重合体、三元共重合体および4つ以上の構成重合体部分の共重合体の全てが含まれる。ランダムおよびブロック共重合体の両方がこの定義に含まれ、シーリング層は、さらにまたは代わりに1種または複数のホモ重合体、共重合体またはそれらの混合物のブレンドを含んでもよい。
【0038】
本発明の好適な実施形態において、内側および/または外側シーリング層は、プロピレン/エチレン、プロピレン/ブテンもしくはプロピレン/エチレン/ブテンの共重合体またはそれらのブレンドを含む。
【0039】
内側および/または外側シーリング層がプロピレン/エチレンの共重合体を含む場合、プロピレンは、好ましくは、主成分として存在し、好ましくは、共重合体の重量の少なくとも約85%、約90%、約95%または約98%の量で存在する。
【0040】
内側および/または外側シーリング層がプロピレン/ブテンの共重合体を含む場合、プロピレンは、好ましくは、主成分として存在し、好ましくは、共重合体の重量の約50%、約60%、約65%または約70%から約80%、約85%、約90%または約95%の量で存在する。
【0041】
内側および/または外側シーリング層がプロピレン/エチレン/ブテンの共重合体を含む場合、プロピレンは、好ましくは、共重合体の重量の約70%、約75%または約80%から約85%、約90%または約95%の量で存在する。エチレンは、好ましくは、共重合体の重量の約0.5%、約1%、約2%、約4%または約6%から約10%の量で存在する。ブテンは、好ましくは、共重合体の重量の約3%、約5%、約7.5%、約10%または約12.5%から約15%、約17.5%、約20%または約25%の量で存在する。
【0042】
本発明に利用されるフィルムは、付着防止要素を含む。これには、外層の重量の約0.2%のシリコーンが含まれる。本発明の実施形態では、付着防止要素は、約0.2%、約0.5%、約0.75%または約1%から約1.5%、約1.75%または約2%のシリコーンを含む。
【0043】
シリコーンは、任意の重合シロキサンの形態をとってもよく、ポリジメチルシロキサン、架橋シロキサン、メチルトリメトキシシランおよび同種のものなどのアルキル基で置換されたものも含まれる。
【0044】
本発明に利用されるフィルムに使用するための好適なシリコーン樹脂の例は、Tospearlの名称で販売されているものである。Tospearl樹脂は、メチルトリメトキシシランの制御された加水分解および縮合によって作製された架橋シロキサンの球状粒子ベースのものである。その球の性質、狭い粒子径分布ならびに化学および熱安定性が、Tospearl樹脂を付着防止剤として使用するのに理想的なものとしている。
【0045】
シリコーンは、シリコーン油、樹脂、ガム、ワックスまたはグリースの形態で利用されてもよい。
【0046】
付着防止要素は、シリコーンに加えて他の成分を含んでもよい。例えば、シリカ(ヒュームド、コロイド、合成および非晶質シリカなど)またはシリケート(ケイ酸カルシウムなど)が利用されてもよい。存在する場合、シリカおよび/またはシリケートは、層の重量の約0.1%、約0.15%、約0.2%、約0.25%または約0.3%から約0.4%、約0.5%、約0.7%または約1%の量で存在する。粒子の形態で提供される場合、シリカおよび/またはシリケートの平均粒子径は、好ましくは、約3から約7マイクロメートルである。
【0047】
さらにまたはあるいは、付着防止要素は、その他の付着防止添加物を含んでもよく、微結晶性ワックス(例えば、平均粒子径が約0.1から約0.6μm)、カルナウバワックス、脂肪族アミドワックスおよび同種のものが含まれる。
【0048】
誤解を避けるために、本発明の方法に利用されるフィルムの内層は、1種または複数の付着防止要素の材料を任意に上述の量でさらに含んでもよい。利用される場合、内層に存在する付着防止材料は、外層の付着防止要素と同じでも異なってもよい。
【0049】
ネイキッドコレーションフィルムは、シーリング条件においてそれ自体(AとB、AとAおよび/またはBとB)とはシーリング適合性を有するが、シーリング条件および熱収縮条件において個包装されたパッケージのフィルム材料とはシーリング不適合である。そのようなシーリング不適合性を提供できる1つの方法は、包まれた個々のパッケージのフィルム材料中にある少なくとも1種のポリオレフィン系材料の元となる単量体とは、異なる鎖長の単量体から得られるポリオレフィン系材料を少なくとも1種、ネイキッドコレーションフィルムの少なくとも内側シーリング層に提供することによる。
【0050】
好ましくは、個包装されたパッケージのフィルムのポリオレフィン系材料の外面は、炭素鎖長xを有する単量体オレフィン由来の少なくとも1種のポリオレフィン系成分を含み、内側シーリング層Aの材料は、炭素鎖長yを有する単量体オレフィン由来の少なくとも1種のポリオレフィン系成分を含み、yはxと異なる。任意に、外側シーリング層Bのポリオレフィン系材料も、炭素鎖長yを有する単量体オレフィン由来の少なくとも1種のポリオレフィン系成分を含んでもよい。このように、個包装されたパッケージの表面のポリオレフィン系材料がポリエチレン系成分を含む場合、内側シーリング層Aのポリオレフィン系材料は、好ましくは、ポリプロピレン系成分および/またはポリブチレン系成分を含む。この場合、外側シーリング層Bのポリオレフィン系材料も、ポリプロピレン系成分および/またはポリブチレン系成分を含んでもよい。個包装されたパッケージの表面のポリオレフィン系材料がポリプロピレン系成分を含む場合、内側シーリング層Aのポリオレフィン系材料は、好ましくは、ポリエチレン系成分および/またはポリブチレン系成分を含む。この場合、外側シーリング層Bのポリオレフィン系材料も、ポリエチレン系成分および/またはポリブチレン系成分を含んでもよい。個包装されたパッケージの表面のポリオレフィン系材料がポリブチレン系成分を含む場合、内側シーリング層Aのポリオレフィン系材料は、好ましくは、ポリエチレン系成分および/またはポリプロピレン系成分を含む。この場合、外側シーリング層Bのポリオレフィン系材料も、ポリエチレン系成分および/またはポリプロピレン系成分を含んでもよい。
【0051】
誤解を避けるために、個包装されたパッケージのフィルムのポリオレフィン系材料の外面が、炭素鎖長xを有する単量体オレフィン由来の少なくとも1種のポリオレフィン系成分を含み、内側シーリング層Aのポリオレフィン系材料は、炭素鎖長yを有する単量体オレフィン由来の少なくとも1種のポリオレフィン系成分を含み、yはxと異なる場合、内側シーリング層Aのポリオレフィン系材料は、炭素鎖長xを有する単量体オレフィン由来の少なくとも1種のポリオレフィン系成分をさらに含んでもよいことを言及する。この場合、内側シーリング層Aのポリオレフィン系材料は、少なくとも2種のポリオレフィン系成分を含み、一方は、炭素鎖長yを有する単量体オレフィン由来のものであり、もう一方は、炭素鎖長xを有する単量体オレフィン由来のものである。外側シーリング層Bのポリオレフィン系材料も、炭素鎖長xを有する単量体オレフィン由来の少なくとも1種のポリオレフィン系成分をさらに含んでもよいが、その場合、外側シーリング層Bのポリオレフィン系材料も、少なくとも2種のポリオレフィン系成分を含み、一方は、炭素鎖長yを有する単量体オレフィン由来のものであり、もう一方は、炭素鎖長xを有する単量体オレフィン由来のものである。複数の単量体原料由来の高分子成分(例えば、ポリプロピレン/ポリエチレンランダムもしくはブロック共重合体ならびに/またはポリプロピレンおよびポリエチレンのブレンド)を含むシーリング層および/またはフィルムのポリオレフィン系材料を提供することも本発明の範囲内であることを意図する。この場合、フィルムのポリオレフィン系材料およびシーリング層の材料は、同じポリオレフィン系材料、例えば、ブロックもしくはランダム共重合体または複数の単量体原料由来のブレンドからなってもよく、あるいはそれらを含んでもよい。この場合、少なくとも1つの単量体原料(例えば、エチレン)は、少なくとも1つのその他の単量体原料(例えば、プロピレン)とは異なる鎖長であることを理解されたい。
【0052】
好ましくは、xおよびyともに、2から4である。
【0053】
ネイキッドコレーションフィルムとフィルム包装との間のシーリング不適合性は、ネイキッドコレーションフィルム、最も好ましくは、内側シーリング層および/またはフィルム包装中に非ポリオレフィン系材料を含めることによって、さらにまたは代わりに達成できる。そのような材料の例としては、ポリエステル、アクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル共重合体またはそれらの混合物が挙げられる。
【0054】
さらにまたはあるいは、ネイキッドコレーションフィルムと個々のパッケージのフィルム包装との間のシーリング不適合性は、低いシール開始温度をもつよう外側シーリング層(および/または内側シーリング層)の材料を選択することによって達成でき、その温度では、シーリング条件において一方のシーリング層がそれ自体および/またはネイキッドコレーションフィルムのもう一方のシーリング層とシーリング適合になるが、同条件下において包装された個々のパッケージのポリオレフィン系フィルム材料とはシーリング不適合になる。この場合、ネイキッドコレーションフィルムは、低いシール開始温度を有する少なくとも1つの層をもつように設計される。低温でシーリングすることにより、ネイキッドコレーションフィルムが単位包装に付着するのを防ぐ。
【0055】
「低いシール開始温度」とは、好ましくは、例えば、5psiにおける、0.5sの加圧時間のシーリング条件に供される場合、低いシール開始温度を有するシーリング層は、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下または約75℃以下の温度においてそれ自体および/またはネイキッドコレーションフィルムのもう一方のシーリング層とシールされることになることを意味する。シーリング条件は、ネイキッドコレーションフィルムの内側シーリング層と包装された個々のパッケージのフィルム材料との間のシーリングが起こり始める程高くならないように選択されるという条件で、前記シール開始温度に相当するよう、またはそれを超えるよう選択されてもよい。
【0056】
特定のシーリング条件における内側シーリング層と、それ自体および/または外側シーリング層とのヒートシール強度は、好ましくは、100g/25mm超、より好ましくは、200g/25mm超、さらにより好ましくは、300g/25mm超および最も好ましくは、400g/25mm超である。
【0057】
ネイキッドコレーションフィルムのそのシーリング層またはそれぞれのシーリング層とそれ自体および/またはネイキッドコレーションフィルムのもう一方のシーリング層とのシール開始温度は、いずれにしても、単位包装のフィルム材料と前記シーリング層とのヒートシール閾値よりも低く、好ましくは、実質的に低くなければならず、例えば、少なくとも約5℃、約10℃、約15℃、約20℃または約25℃低い。特定のシーリング条件において、ネイキッドコレーションフィルムのそのシーリング層またはそれぞれのシーリング層とそれ自体および/またはネイキッドコレーションフィルムのもう一方のシーリング層とのシール強度は、単位包装のフィルム材料と前記シーリング層とのシール強度よりも高く、好ましくは、実質的に高くなければならず、例えば、少なくとも約50g/25mm、好ましくは、少なくとも約100g/25mm、より好ましくは、少なくとも約150g/25mm高い。
【0058】
「シーリング不適合性」または「シーリング不適合な」とは、好ましくは、シーリング条件におけるシール強度が100g/25mm未満、好ましくは、80g/25mm未満、より好ましくは、60g/25mm未満、さらにより好ましくは、40g/25mm未満、さらにより好ましくは、30g/25mm、さらにより好ましくは、20g/25mm未満、最も好ましくは、10g/25mm未満、さらには5g/25mm未満または0g/25mmに近いまたは0であることを意味する。
【0059】
シーリング層とフィルム材料との間のシーリング不適合性を向上させるために、フィルムの内側および/または外側シーリング層は、任意にいくつかの方法でさらに処理されてもよい。しかしながら、本発明のフィルムは、好ましくは、いかなる方法でも放電処理されない。
【0060】
フィルム材料は、既知のいかなる構成であってもよく、単層および多層が含まれる。
【0061】
シーリング層(AおよびB)は、好ましくは、コア層Cの相対する各面に被膜層またはコーティングとして形成される。これらの層は、コア層とともに共押出成形すること、既に形成されたコア層の表面に1つもしくは複数の被膜を続いて適用すること、押出成形コーティングすることまたはそれらの組合せによって形成されてもよい。一般に、シーリング層は、ネイキッドコレーションフィルムの製造時にコア層とともに共押出成形されることが好適である。
【0062】
コア層は、ポリオレフィン系であり、1種もしくは複数のホモ重合体、1種もしくは複数の共重合体またはそれら2種以上の組合せをまた含んでもよい。しかしながら、好ましくは、コア層は、ホモ重合体、より好ましくは、ポリプロピレン、最も好ましくは、二軸延伸ポリプロピレンを含む。しかしながら、コア層の材料は、1種または複数の別の材料と混合されて、必要に応じて付加的または代替的機能性または美しさを選択してもよい。
【0063】
ポリオレフィン系コアは、例えば、約5%、約7%または約9%から約12%、約15%または約20%の量の樹脂を含んでもよい。本発明の方法に利用されるフィルムのコア層に利用されてもよい樹脂の例としては、Arakawa(例えば、Arkon P−125)もしくはEastman(例えば、Regalite R1125)によって販売されているもの、石油C
9芳香族ベースの樹脂、C
5脂肪族樹脂、シクロペンタジエン樹脂またはそれらの混合物などの水素化炭化水素樹脂が挙げられる。好ましくは、(1種または複数の)樹脂の軟化点が、140℃未満または130℃未満である。
【0064】
ネイキッドコレーションフィルムは、これまでに明らかにしたコア層Cおよびシーリング層AおよびBだけでなく付加的な層を含んでもよいことを理解されたい。そのような付加的な層としては、例えば、積層、印刷可能な層、紫外線遮断層、酸素透過性または遮断層、水蒸気透過性または遮断層および同種のものを挙げることができる。そのような付加的な層も、共押出成形、共押出成形後コーティング、共押出成形コーティングまたはそれら2つ以上の組合せによって提供されてもよい。あるいは、層Aおよび/またはBは、コア層Cと隣接および接触するよう配置されてもよい。
【0065】
ネイキッドコレーションフィルムは、そのコア層および/または1つもしくは複数のそのシーリング層および/または(1つもしくは複数の)任意の付加的な層中にフィルムの機能的または美的特徴に関係するその他の目的のための機能性材料を含んでもよい。適した機能性材料は、以下のもの、それらの混合物および/またはそれらの組合せの1つまたは複数から選択されてもよい:紫外線吸収剤、色素;顔料、着色料、金属化および/または疑似金属化コーティング;滑沢剤、帯電防止剤(カチオン性、アニオン性および/または非イオン性、例えば、ポリ−(オキシエチレン)ソルビタンモノオレエート)、抗酸化剤(例えば、亜リン酸、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)エステル)、界面活性剤、強化補助剤;光沢向上剤、分解促進剤、フィルムの気体および/または水分透過性を変えるための遮断コーティング(ポリハロゲン化ビニリデンなど、例えば、PVdC);粒子材料(例えば、タルク);インクの付着および/または印刷適性を改善するための添加物、剛性を増すための添加物(例えば、炭化水素樹脂);収縮を増すための添加物(例えば、硬質樹脂)。
【0066】
上で挙げた添加物の一部または全部は、本発明のフィルムを被覆するための組成物としてならびに/またはそれ自体が被覆されてもよくかつ/もしくはシートの外側または表面層を形成してもよい新しい層を形成するための組成物としてともに添加されてもよい。あるいは、上記の添加物の一部または全部は、単独で添加されてもよくかつ/または任意にフィルム形成時に(例えば、もとの重合体組成物の一部として)大量のコア層に直接混ぜ込まれてもよく、これにより、添加物が、そのまま層またはコーティングを形成しても、しなくてもよい。
【0067】
本発明のフィルムは、また共押出成形された2つのフィルムを積層することによって作製されてもよい。コア層への(1つまたは複数の)外層の適用は、複合多層フィルムの生産において従来利用される任意の積層またはコーティング技術によって都合よく行われる。しかしながら、好ましくは、1つまたは複数の外層は、共押出成形技術によって支持層に適用される。この技術では、それぞれがまだ溶融している間に、コアおよび外層の高分子成分が共押出成形されて密接に接触した状態になる。好ましくは、共押出成形は、複合フィルムの個々の層を構成する溶融した高分子成分がダイ内でそれらの境界が融合して、単一の複合構造を形成し、それが、その後、共通のダイス穴から管状の押出成形物の形態で押出成形されるように設計された複数のチャネルの環状ダイから行われる。任意のその他の形状の適したダイ、例えば、フラットダイが使用されてもよいことを理解されたい。
【0068】
高分子フィルムは、当該技術分野において既知の任意の方法によって作製されてもよく、以下に限定されるものではないが、キャストシート、キャストフィルムまたはブローフィルムが挙げられる。本発明は、特に、ブロック共重合体ポリプロピレン/ポリエチレンコアを含む空洞形成または非空洞形成ポリプロピレンフィルムと、実質的にコア層よりも薄く、例えば、エチレンおよびプロピレンのランダム共重合体またはプロピレン、エチレンおよびブチレンのランダム三元共重合体を含む皮膜層とを含むフィルムに適用できる場合もある。フィルムは、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルムを含んでもよく、これは、実質的に等しい縦方向と横方向の伸張比を使用して均衡したフィルムとして作製されてもよく、またはフィルムが一方の方向(MDもしくはTD)に著しく大きく延伸した偏ったものであってもよい。加熱ローラーが縦方向にフィルムを伸張させ、その後、横方向に伸張させるためにテンターオーブンが使用される一連の伸張が使用されてもよい。あるいは、例えば、いわゆる、バブルプロセス(bubble process)または同時ドローステンター伸張(simultaneous draw stenter stretching)を使用した同時伸張(simultaneous stretching)が使用されてもよい。
【0069】
ネイキッドコレーションフィルムは、熱収縮パッケージング材料および同種のもの用の任意の装置、非往復もしくは往復プレートおよび/または熱収縮トンネルもしくは通路などを使用して熱収縮させてもよい。約50℃、約60℃、約70℃、約80℃または約85℃から約90℃、約95℃、約100℃、約110℃、約120℃、約130℃、約140℃、約150℃、約170℃または約200℃に及ぶ熱収縮温度が一般に使用される。
【0070】
利用できる熱収縮装置の例としては、Focke 409収縮キットが挙げられる。この装置は、束の上部でのみ動作してもよい1つ往復近接プレートまたは束の上部および下部で動作してもよい複数の往復プレートのいずれかを含む。
【0071】
利用できる熱収縮装置の別の例は、Marden Edwardsオーバーラッパートンネルである。
【0072】
当業者であれば、利用可能なさまざまな収縮機械のタイプおよび方法があることを理解するであろう。適した設備は、必要とされる収縮の程度ならびに工場の需要および要求に基づいて選択されることになる。
【0073】
好適な実施形態において、本発明に利用されるネイキッドコレーションフィルムは、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、約100℃、約110℃、約120℃、約130℃または約140℃において、縦方向および/または横方向に約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上または約50%以上の収縮率を示す。収縮率は、均衡していてもよく、または縦方向もしくは横方向に大きくてもよい。
【0074】
本発明に従って使用されるフィルムは、適用要件によりさまざまな厚さからなってもよい。例えば、フィルムは、約10から約240μm厚、好ましくは、約12から50μm厚、最も好ましくは、約20から約30μm厚であってもよい。
【0075】
少なくともコア層、内側シーリング層および外側シーリング層を有する本発明による多層フィルムにおいて、それぞれのシーリング層は、独立して厚さが約0.05μmから約2μm、好ましくは、約0.075μmから約1.5μm、より好ましくは、約0.1μmから約1.0μm、最も好ましくは、約0.15μmから約0.5μmであってもよい。内側および/または外側シーリング層は、もともとまたは適した処理によりインク印刷可能であってもよい。
【0076】
本発明の第2の態様によると、ネイキッドコレーションパッケージ中にともにネイキッドコレーションフィルムで梱包される、フィルム材料に個々に包装された個々のパッケージの配置を含むネイキッドコレーションパッケージであって、ネイキッドコレーションフィルムは、ポリオレフィン系コア層C、ネイキッドコレーションフィルムの内側表面に内側シーリング層Aおよびネイキッドコレーションフィルムの外側表面にポリオレフィン系外側シーリング層Bを含み、内側シーリング層Aの材料は、特定のシーリング条件および熱収縮条件下において個包装されたパッケージのフィルム材料とシーリング不適合性であるよう選択され、外側シーリング層Bのポリオレフィン系材料は、特定のシーリング条件下においてBとシーリング適合性およびAとシーリング適合性であるよう選択され、ここで、層AおよびBは、異なる材料から形成され、層Bは、少なくとも1種のポリオレフィン系重合体および層の重量の少なくとも0.2%のシリコーンを含む付着防止要素を含み、個々のパッケージは、順序づけられた構成に配置され、ネイキッドコレーションフィルムは、パッケージとシールされることなく、熱収縮されてパッケージの配置を緊密に取り囲む、ネイキッドコレーションパッケージが提供される。
【0077】
あらゆる誤解を避けるために、上述の本発明の第1の態様の特徴についての言及は、適切な場合は、任意に本発明の第2の態様の製品に適用できる。
【0078】
本発明を、以下の実施例を参照することによってさらに説明する。これは、説明を目的とするものに過ぎず、本明細書に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0079】
フィルムの作製
以下に示す組成物を含む3種類のフィルムを、「バブルプロセス」を使用して作製した。
【0080】
【表1】
【0081】
実施例1a−フィルムの可視特性
フィルム1から3の可視特性を確認した。特に、これらのフィルムについての光沢(45°)ならびにヘイズ(広角および狭角)値を、上で概説した装置および技術を使用して求めた。
【0082】
【表2】
【0083】
当業者には明白なとおり、フィルム1から3が示した可視特性、特に、低いヘイズ値が、それらをネイキッドコレーションフィルムとして使用するのに適したものにする。
【0084】
実施例1b−摩擦係数(周囲温度)
ASTM D1894に従ってMessmer Slip and Friction Tester、モデルNo.32−90−00−0004装置を使用してフィルム1から3のサンプルを試験し、記録された平均摩擦係数を以下に示す。
【0085】
【表3】
【0086】
これらの結果は、周囲温度において、本発明の方法に利用されるフィルムが低い摩擦係数を示すことを示している。
【0087】
実施例1c−3個のボール滑り試験
フィルム1から3のサンプルを3個のボール滑り試験に供した。この試験は、非常に小さな領域のみが接触した状態のフィルム表面と金属の間の滑りを示す。
【0088】
平坦な表面をもつ剛性板(600mm×150mm)を固定の傾斜角度(12°)で基部に取り付ける。試験する表面を一番上にして試験するフィルムを傾斜平面に置く。
【0089】
アルミニウム合金板のそり(50mm×50mm×6.4mm)には、そこに取り付けられた直径が6mmの3個の炭化タングステンボールベアリングがある。ボールは、1.5mm突出させて、そりの基部の二等辺三角形の各頂点に取り付けられる。そのそりを、先端が斜面頂部の上部の線上にあるフィルムに置く。そりが斜面の下部のマークに到達するのにかかる時間を秒単位で記録し、降下時間を表す。
【0090】
金属に対するフィルムの滑りは、重要な特性であり、オーバーラップ/フォームフィル機械によるフィルムのパッケージング性能を決定する場合もある。
【0091】
この試験の平均結果を以下に示す。
【0092】
【表4】
【0093】
実施例1d−摩擦係数(高温)
ASTM D1894に従ってMessmer Slip and Friction Tester、モデルNo.32−90−00−0004装置を使用してフィルム1から3のサンプルを試験し、記録された平均摩擦係数を以下に示す。
【0094】
【表5】
【0095】
当業者には認識されるであろうとおり、摩擦係数は、高温であっても比較的低いままであり、したがって、本発明の方法に利用されるフィルムは、良好な高温滑性を示している。
【0096】
実施例1e−シール開始温度(外/外)
同じ材料からなる2つの細片の外側面同士を5psiにおいて、0.5秒の加圧時間でヒートシールした場合に得られるシール強度を確認するためにフィルム1から3のサンプルを試験した。確認された平均シール強度を以下に示す。
【0097】
【表6】
【0098】
これらのデータは、本発明とともに使用するためのフィルムが示したシール開始温度が許容できる程度に低く、およそ80℃強の温度においてこれらのフィルムの外層同士の間に200g/25mmのシールが形成されることを示している。
【0099】
実施例1f−シール開始温度(内/外)
同じ材料からなる2つの細片の内側面と外側面を5psiにおいて、0.5秒の加圧時間でヒートシールした場合に得られるシール強度を確認するためにフィルム1から3のサンプルを試験した。確認された平均シール強度を以下に示す。
【0100】
【表7】
【0101】
これらのデータは、本発明とともに使用するためのフィルムが示したシール開始温度が許容できる程度に低く、およそ88℃から90℃の温度においてこれらのフィルムの内層と外層との間に200g/25mmのシールが形成されることを示している。
【0102】
実施例1g−不適合性範囲
フィルム1から3の内側表面と、シリコーンガムおよびシリカが配合されたメタロセン触媒によるPP/PE(95/5)%共重合体を含む外側被膜を有する一般的なポリオレフィン系フィルム包装との間にシールが形成される温度を確認するためにそれらのフィルムのサンプルを試験した。
【0103】
この試験は、5psiの圧力において、0.5秒の加圧時間で作動させたヒートシール装置を使用して行った。ネイキッドコレーションの束の水平方向のシールを再現するために、ヒートシーリング装置の下側押さえ部は除去した。
【0104】
ネイキッドコレーションフィルムとポリオレフィン系フィルム包装との間にシールが形成される温度を測定することによって、ネイキッドコレーションフィルムとフィルム包装との間にシールが形成されるリスクが最小限でヒートシーリングが行える不適合性範囲を決定することができる。
【0105】
【表8】
【0106】
ネイキッドコレーションフィルムが束の個々のパッケージのフィルム包装とシールされるヒートシール温度に変動することなく確実にシーリングが行えるだけ十分な幅があるため、12から14℃の不適合性範囲の提供が有利である。
【0107】
実施例1h−熱遮断
フィルム1から3のサンプルを、その外側表面同士が接触した状態で60℃の温度、0.5psiの圧力で1時間置かれるように配置した。その後、シートを引き離すために必要とされる力を測定し、その平均結果を以下に示す。
【0108】
【表9】
【0109】
以上のように、本発明の方法に利用されるネイキッドコレーションフィルムの外側面が高圧でさらに長時間にわたって一緒に保持される場合であっても、それらの間には著しく強いいかなるシールも形成されない。このことは、包装された束は、包装手順後のまだ温かいまたは熱い間でも包装されたパッケージが互いに付着するリスクなく梱包、出荷することができることを示唆する。
【0110】
実施例1i−収縮性能
フィルム1および2のサンプルを、TST1収縮試験器(Lenzing Instruments)を使用して試験した。収縮曲線は、計器が収縮の対応する変化を記録する間に、自動的に特定の速度(40℃から140℃で1分に10℃)で加熱するためのオーブンを配置することによって生成した。0.1℃増加ごとに測定が行われる。
【0111】
変化する温度におけるこれらのサンプルの縦方向および横方向の平均収縮率を以下に示す。
【0112】
【表10】
【0113】
これらのデータは、本発明の方法に利用されるフィルムが熱収縮装置において従来使用される温度で熱収縮フィルムとして効果的に機能することを示す。
【実施例2】
【0114】
フィルムの作製
以下に示す組成物を含む4種類のフィルムを、「バブルプロセス」を使用して作製した。
【0115】
【表11】
【0116】
実施例2a−フィルムの可視特性
フィルム4から7の可視特性を確認した。特に、フィルム4から7についての光沢(45°)ならびにヘイズ(広角および狭角)値を、前で概説した装置および技術を使用して求めた。
【0117】
【表12】
【0118】
当業者には明白なとおり、フィルム4から7が示した可視特性、特に、低いヘイズ値が、それらをネイキッドコレーションフィルムとして使用するのに適したものにする。
【0119】
実施例2b−摩擦係数(周囲温度)
実施例1bのとおりMessmer Slip and Friction Testerを使用してフィルム4から7のサンプルを試験した。記録された平均摩擦係数を以下に示す。
【0120】
【表13】
【0121】
これらの結果は、周囲温度において、本発明の方法に利用されるフィルムが低い摩擦係数を示すことを示している。
【0122】
実施例2c−摩擦係数(高温)
実施例1dのとおりMessmer Slip and Friction Testerを使用してフィルム4から7のサンプルを試験した。記録された平均摩擦係数を以下に示す。
【0123】
【表14】
【0124】
摩擦係数は、フィルムの表面特性ならびに重合体のシーリング特性に極めて依存することがわかっている。この結果から、フィルムの外側被膜の重量を増加させると、摩擦係数が低下することがわかる。理論に束縛されるものではないが、被膜の重量を増加させると、こうしたフィルムの表面における付着防止の程度が増す効果があり、これが、ひいては、高温における摩擦係数を低下させると考えられる。
【0125】
全体的に、全フィルムについての摩擦係数は、高温であっても比較的低いままであり、したがって、本発明の方法に利用されるフィルムは、良好な高温滑性を示している。
【0126】
実施例2d−RDMシール開始温度(外/外)
同じ材料からなる2つの細片の外側面同士を5psiにおいて、0.5秒の加圧時間でヒートシールした場合に得られるシール強度を確認するためにフィルム4から7のサンプルを試験した。確認された平均シール強度を以下に示す。
【0127】
【表15】
【0128】
これらのデータは、本発明とともに使用するためのフィルムが示したシール開始温度が許容できる程度に低く、およそ85℃から91℃の間の温度においてこれらのフィルムの外層同士の間に200g/25mmのシールが形成されることを示している。
【0129】
実施例2e−RDMシール開始温度(内/外)
同じ材料からなる2つの細片の内側面と外側面を5psiにおいて、0.5秒の加圧時間でヒートシールした場合に得られるシール強度を確認するためにフィルム4から7のサンプルを試験した。確認された平均シール強度を以下に示す。
【0130】
【表16】
【0131】
これらのデータは、本発明とともに使用するためのフィルムが示したシール開始温度が許容できる程度に低く、およそ91℃から99℃間の温度においてこれらのフィルムの内層と外層との間に200g/25mmのシールが形成されることを示している。
【0132】
実施例2f−RDM不適合性範囲
フィルム4から7の内側表面と、シリコーンガムおよびシリカが配合されたメタロセン触媒によるPP/PE(95/5)%共重合体を含む外側被膜を有する一般的なポリオレフィン系フィルム包装との間にシールが形成される温度を確認するためにそれらのフィルムのサンプルを試験した。
【0133】
この試験は、5psiの圧力において、0.5秒の加圧時間で作動させたヒートシール装置を使用して行った。ネイキッドコレーションの束の水平方向のシールを再現するために、ヒートシーリング装置の下側押さえ部は除去した。
【0134】
ネイキッドコレーションフィルムとポリオレフィン系フィルム包装との間にシールが形成される温度を測定することによって、ネイキッドコレーションフィルムとフィルム包装との間にシールが形成されるリスクが最小限でヒートシーリングが行える不適合性範囲を決定することができる。
【0135】
【表17】
【0136】
ネイキッドコレーションフィルムが束の個々のパッケージのフィルム包装とシールされるヒートシール温度に変動することなくシーリングが行えるだけ十分に幅があるため、6℃から13℃の不適合性範囲の提供が有利である。
【0137】
実施例2g−Bruggerシール開始温度(外/外)
同じ材料の2つの細片の外側面同士を0.5psiにおいて、0.15秒の加圧時間でBruggerシーラーによりヒートシールした場合に得られるシール強度を確認するために、フィルム4から7のサンプルを試験した。これらの条件は、ユニット式包装機械に特有である低いシーリング条件を表す。確認された平均シール強度を以下に示す。
【0138】
【表18】
【0139】
これらのデータは、本発明とともに使用するためのフィルムが示した低圧のシール開始温度が許容できる程度に低く、およそ91℃から102℃間の温度においてこれらのフィルムの外層同士の間に200g/25mmのシールが形成されることを示している。
【0140】
実施例2h−Bruggerシール開始温度(内/外)
同じ材料からなる2つの細片の内側面と外側面を0.5psiにおいて、0.15秒の加圧時間でBruggerシーラーによりヒートシールした場合に得られるシール強度を確認するために、フィルム4から7のサンプルを試験した。確認された平均シール強度を以下に示す。
【0141】
【表19】
【0142】
これらのデータは、本発明とともに使用するためのフィルムが示した低圧のシール開始温度が許容できる程度に低く、およそ95℃から102℃の間の温度においてこれらのフィルムの内層と外層の間に200g/25mmのシールが形成されることを示している。
【0143】
実施例2i−Brugger不適合性範囲
フィルム4から7の内側表面と、シリコーンガムおよびシリカが配合されたメタロセン触媒によるPP/PE(95/5)%共重合体を含む外側被膜を有する一般的なポリオレフィン系フィルム包装との間にシールが形成される温度を確認するためにそれらのフィルムのサンプルを試験した。
【0144】
この試験は、0.5psiの圧力において、0.15秒の加圧時間で作動するヒートシール装置、Bruggerシーラーを使用して行った。Bruggerシーリング装置には、固定の圧力で押しつける1つの加熱押さえ部がある。
【0145】
ネイキッドコレーションフィルムとフィルム包装との間にシールが形成されるリスクが最小限で低圧のヒートシーリングが行える不適合性範囲が決定される。
【0146】
【表20】
【0147】
ネイキッドコレーションフィルムが束の個々のパッケージのフィルム包装とシールされるヒートシール温度にわずかな変動なく低圧のシーリングが行えるだけ十分に幅があるため、3℃から10℃の不適合性範囲の提供が許容される。