特許第6017549号(P6017549)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017549
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】空瓶の検査
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/90 20060101AFI20161020BHJP
【FI】
   G01N21/90 A
【請求項の数】16
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-513925(P2014-513925)
(86)(22)【出願日】2012年5月2日
(65)【公表番号】特表2014-516161(P2014-516161A)
(43)【公表日】2014年7月7日
(86)【国際出願番号】EP2012001895
(87)【国際公開番号】WO2012167860
(87)【国際公開日】20121213
【審査請求日】2015年5月1日
(31)【優先権主張番号】102011106136.7
(32)【優先日】2011年6月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598125028
【氏名又は名称】カーハーエス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン・マリウス−ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーマール・ハインリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ショルン・ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン・ユルゲン
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0150815(US,A1)
【文献】 特開2008−268236(JP,A)
【文献】 特開2001−229381(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0259329(US,A1)
【文献】 国際公開第2005/103605(WO,A1)
【文献】 特開2004−045273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
または瓶状の容器(2)を点検するための検査装置であって、
この検査装置が、少なくとも一つの照明ユニット(6)と、少なくとも一つのカメラ(7)、そして一つの制御兼評価ユニット(12)を備えており、
少なくとも照明ユニット(6)が、検査すべき瓶または検査すべき瓶状の容器(2)あるいは検査すべき瓶または検査すべき瓶状の容器(2)の移送手段の上方に配置されている検査装置において、
前記照明ユニット(6)が、光源回路基板(6)として構成されており、
この照明ユニットの光源(8)が、少なくとも色彩的に、瓶または瓶状の容器の開口部(3)の領域内で確認される瓶または瓶状の容器の色に合わせられた状態で変化可能な光を放射し、前記カメラ(7)が、色を検知するカメラ、特にRGBカメラであり、
光源(8)が半径方向で間隔をおいて設けられた光源リング(9)内で、各々光源回路基板(6)の中心点の周りで同心円状に配置されていること、そして、
放射された光の少なくとも一部が、瓶または瓶状の容器の開口部の壁の内側に導入されることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
照明ユニット(6)が、その強度が変化可能な光を放射することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
光源(8)がLEDとして構成されており、これらの光源から色変調されたおよび/または強度変調された光が向きを合わせられて放射可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。
【請求項4】
照明ユニット(6)が、少なくとも光源リング(9)に配置された光源(8)を制御するための制御兼評価ユニット(12)を備えており、光源(8)が個別にあるいはグループでストロボ式に制御されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の検査装置。
【請求項5】
光源(8)が各光源リング(9)内において、当該光源リング(9)の隣接した光源(8)が、各々同じ間隔を備えているように配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の検査装置。
【請求項6】
カメラ(7)が瓶または瓶状の容器の開口部(3)の上方に配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の検査装置。
【請求項7】
少なくとも一つの第一の光学部材(13)が設けられており、この第一の光学部材が、検査すべき領域の画像をカメラ(7)に反射させることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の検査装置。
【請求項8】
周囲画像をカメラ(7)に反射させるために、複数の第一の光学部材(13)が設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の検査装置。
【請求項9】
特に請求項1〜のいずれか一つに記載の検査装置(1)により、瓶または瓶状の容器(2)を点検するための方法であって、
前記検査装置(1)が、少なくとも一つの照明ユニット(6)と、少なくとも一つのカメラ(7)を備えており、
少なくとも照明ユニット(6)が、検査すべき瓶または検査すべき瓶状の容器(2)の上方に配置されている方法において、
前記照明ユニット(6)が、制御兼評価ユニット(12)に制御された状態で、少なくとも色変調可能な光を放射し、
第一の工程では、前記照明ユニット(6)あるいは各光源(8)の色あるいは混色が、最大の光透過のための検査すべき瓶または検査すべき瓶状の容器(2)の色に合わせられ
検査の少なくとも後続の工程において、光が開いた瓶または瓶状の容器(2)の開口部を通って瓶または瓶状の容器の内側の表面へ向きを合わせられており、射出しかつ透過された光の部分が、少なくとも一つのカメラ(7)により直接あるいは間接的に検出されることを特徴とする方法。
【請求項10】
複数の検査工程の一つの前に一度だけ、照明ユニット(6)あるいは各光源(8)の色あるいは混合色を、検査すべき瓶または検査すべき瓶状の容器(2)あるいは瓶または瓶状の容器(2)のグループの色に合わせる第一の工程が行われることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
照明ユニット(6)が、光源リング(9)に配置されている光源(8)を備えた光源回路基板(6)として構成されており、光源(8)が制御兼評価ユニット(12)に制御されており、従って色変調されたおよび/または強度変調された光が向きを合わせられて瓶または瓶状の容器の開口部(3)の内側周囲に導入されていることを特徴とする請求項または10に記載の方法。
【請求項12】
各々同じ色空間の光を放射する光源(8)を備えていることを特徴とする請求項11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
検査すべき領域が入射光により明るくされ、入射光が照明ユニット(6)から放射されることを特徴とする請求項12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
照明ユニット(6)が、光源(8)を備えた光源リング(9)を備えており、これらの光源リングが、リング毎に、リング部分毎におよび/または個別に制御兼評価ユニット(12)により制御可能であり、および/または光源(8)が個別あるいはグループでストロボ式に制御可能であることを特徴とする請求項13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
以下の工程、すなわち、
a.瓶または瓶状の容器の色を識別する工程、
b.検出された瓶または瓶状の容器の色に合わせられた状態で色変調された光が放出されるように、照明ユニット(6)に配置された光源(8)を制御する工程、
c.実データとして、少なくとも一つの光学部材(13)を中間に置いて、カメラ(7)内で瓶または瓶状の容器(2)の検査すべき領域の画像を作る工程、
d.基準データがファイルされている制御兼評価ユニット(12)に実データを転送する工程、
e.制御兼評価ユニット(12)において、実データと基準データを評価し、かつ比較する工程、そして、
f.基準データに対する実データの差が所定の限界値を越えた場合に、瓶または瓶状の容器を瓶または瓶状の容器の流れから排出するための排出信号を発生させる工程を備えていることを特徴とする請求項14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
場合によっては排出信号あるいはそれ以外の制御信号を発生させるために、特に瓶または瓶状の容器の外側における錆の付着を検出するために、制御兼評価ユニットにおいて、実際の色と基準色の間の調整を行うことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、瓶あるいはそのような容器を制御するための検査装置であって、この検査装置が、少なくとも一つの照明ユニットと、少なくとも一つのカメラを備えており、少なくとも一つの照明ユニットが、検査すべき瓶の上方に配置されている検査装置に関する。本発明は、検査装置により、空瓶を、特に瓶の開口部の領域を検査するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
このような瓶あるいはそのような容器は、液体用に、例えば飲み物用に使用することができる。容器は透明のあるいは半透明の材料、例えばガラスからあるいは半透明の合成樹脂から、例えばPETからできていてもよい。特殊なガラス瓶は、様々な色を備えており、例えば茶色のそして緑色のさらには青色の瓶の色を単に模範的に挙げる。瓶あるいはそのような容器は、空の状態では、好ましくはコンベア上で洗浄した後、検査装置に沿って案内される。瓶がいわゆる王冠あるいはその他の密封部材により閉鎖できることは公知である。その際に、例えば王冠が酸化し、従ってもはや無い王冠の錆あるいは別の酸化した閉鎖部材の錆が付着したことが考えられる。検査装置により付着した錆が認識されると、空瓶が洗浄装置を通過したにもかかわらず、当該瓶は適所において瓶の流れから排出され、かつ処分されるか、あるいは洗浄設備の手前の瓶の流れに新たに供給される。
【0003】
照明ユニットは同じスペクトルの光を、従って同じ色で放射し、そのために、検査装置は色設定が異なる瓶の場合、いつも安定していない検査結果に達する。従って、当該瓶が今ある汚れにより本来選別して捨てられるべきであるにもかかわらず、瓶は錆の付着がまだあるにも関わらず検査装置を通過し、後に接続された閉鎖装置を良品の瓶として通過することがあり得る。このような瓶が他の製造工程に達すると、このことによりより製造は中止になる恐れがある。その理由は、充填された製品が、汚れと接触した可能性があることによる衛生上の見地から見て欠点があることにある。このような瓶が使用されると、さらに製品の製造業者あるいは設備製造業者にとって莫大な損失が生じる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の根底を成す課題は、容器あるいは瓶、特に異なる彩色の瓶を検査する際の先に挙げた短所が回避されているように、単純な手段を備えた最初に挙げた様式の検査装置を、そして検査方法も改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この課題の装置の技術的部分は、請求項1の特徴により解決され、この課題の方法技術的部分は、請求項10の特徴を備えた検査方法により解決される。
【0006】
瓶あるいはそのような容器を制御するための検査装置であって、
この検査装置は、少なくとも一つの照明ユニットと、少なくとも一つのカメラを備えており、少なくとも一つの照明ユニットは、検査すべき瓶の上方に配置されていることを提案する。
前記照明ユニットは、光源回路基板として構成されており、この照明ユニットの光源は、少なくとも色彩的におよび/または光源各々の強度の点で、瓶開口部の領域内で確認される瓶の色に対して変化可能な光を放射し、
光源は半径方向に間隔をおいた並びで、すなわち光源リングの形状で、光源回路基板の中心点の周りに各々同心円状に配置されており、放出される光の少なくとも一部は、瓶開口部壁の内側に導入される。
【0007】
有効な方法は、光源が各々共通の光空間の光を放射するLEDとして構成されている。例えばLEDはRGBの光空間(赤緑青)の光を放射し、このことが限定的でないのは当然である。
【0008】
さらに、光源回路基板が、制御兼評価ユニットを備えているかあるいは制御兼評価ユニットを用いて制御されるのは有利であるので、光源の個別の同心円状の個別の光源リングが制御可能である。さらに、各同心円状の並び、の個々の光源が、従って各々の光源リング内で独立して制御可能であっても有利である。この構成により、光源回路基板上には、さらに異なる強度の、各々所望されかつ常に変化可能な光パターンが、特に色変調されて生じる。検査すべき瓶が検査領域にある場合に、照明ユニット、すなわち光源回路基板が、ストロボ式に制御され、すなわちぴかっと光り、好ましくは目的に応じて色変調され、および/または強度変調されてぴかっと光る。
【0009】
すでにふれたように、放出された光の一部は瓶の開口部壁の内側に導入される。放出された光のその他の部分は、光を多少明るくするために瓶開口部の外側周囲に向きを合わせることができる。
【0010】
瓶の開口部領域は、外側で広範囲に配置された凹面の絞り部を開口部の下方に備えており、この絞り部には錆が付着する。従って放射された光が、瓶開口部の内側周囲のこのような適切な箇所に導入された場合に、光が検査すべき領域で再度出射されるのが有効なので、従って例えば凹面の絞り部は確実に検査可能である。さらに外側周囲に照射された光は、検査すべき領域、好ましくは凹面の絞り部を明るくするために同様に向きを合わせられているべきである。
【0011】
光が瓶開口部の領域の内側周囲に、すなわち内側から開口部壁へ導入され、かつ外側周囲で再度瓶開口部の領域から射出されると、検査は透過光により実施されるのが有利である。光はその光路内ではガラス材料に入射する際も。ガラスから射出する際も、物理学の法則に対応して屈折し、このことは、検査すべき領域を必要な光で当てられるように、導入の向きを合わせる際に考慮しなければならない。この点でさらに、光源回路基板は向きを合わせられた光を放射する。開口部領域、好ましくは凹面の絞り部を外側から照らすというやり方の場合、反射光の照射が行われる。さらに本発明により透過光と反射光が場合によっては組合せ可能である。
【0012】
少なくとも一つカメラを検査すべき瓶の上方に配置されている場合も有利である。本発明の主旨において、カメラが光源の色空間に合っていると、すなわち例えばカメラが光源の色空間に合っている色フィルタを備えていると有利である。従って例えば少なくとも一つのカメラはRGBカメラとも呼ばれる。
【0013】
瓶開口部の領域を瓶の上方に配置されたカメラを用いて錆付着物上で検査できるように、瓶開口部の領域の画像あるいは反射像を少なくとも一つのカメラに案内する、少なくとも一つの第一の光学部材が設けられると有効である。光学部材は鏡として構成されており、空瓶の検査技術の分野の各々の構成において一般的に知られている。カメラは瓶に対して側方に、および/または瓶の高さに、および/または瓶の下方に配置されていてもよいのは当然である。
【0014】
瓶開口部の領域の周囲画像を得るために複数の第一の光学部材が設けられていると目的に合致している。その目的で四つの光学部材が設けられていると好ましく、これらの光学部材は各々特定された瓶開口部の部分をカメラに結像させ、各オーバーラップは各々隣接した画像であることもありうる。四つの部分画像は、評価兼制御ユニットにおいて合成されあるいは評価されてもよい。
【0015】
カメラはその光学軸線により、好ましくは横方向に、さらに好ましくは瓶の垂直軸線に対して直角に配置されていてもよいので、検査装置はさらに第一の光学部材に加えて、上記の画像をカメラの方に反射させる第二および第三の光学部材を備えることができる。
【0016】
本発明により、錆の付着物あるいは錆の場所も高感度の捕捉あるは評価に基づいて検出可能である。この目的で、瓶の色にあった光、すなわち色変調された光が光源から放出され、先に述べたようにカメラと接続した評価兼制御ユニットにおいて、基準データ、すなわち基準色が検査領域の実データと、すなわち実際の色と比較されるかあるいは評価される。基準データは、評価兼制御ユニットに保管されている。さらに変調可能な光の強度も検査領域内で測定できる。しかし、同心円状の光源リング内に配置された光源がリング毎に、および/またはリング部分毎におよび/または個別に制御されるのも目的に合致しており、色のばらつきと各々の所望の光強度も制御可能である。
【0017】
従って有利な方法では、本発明の場合、色および/または光の強度に合った透過光が、光空間とカメラの捕捉と組合される。特に検査すべき光の色は、瓶の色あるいはガラスの色に合わせられる。例えば緑と青の光成分を顕著に備えた光は、瓶が茶色い場合にはほとんど適していないので、放射すべき光はその赤成分が高められるので、これにより透過は改善される。さらに差当り、その都度当該ガラスのための都合の良い検査光(正確な内側への導入に関して色変調され、強度変調され、向きを合わせられた状態で)が確定されるように、制御機器を用いて光源回路基板あるいは個々の光源を制御するために、ガラスの色を検出することは有効である。
【0018】
本発明の思想は、適合する光により別の検査課題にも適用されるので、模範的な錆の識別の際だけに、決して限定されるべきではない。
【0019】
本発明の他の有利な実施形態は、従属請求項及び以下の図の説明に開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】検査装置の原理的構成を示す図である。
図2】照明ユニットの拡大図である。
図3】本発明による検査装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0021】
異なる図において、同じ部材は常に同じ符号で設けられており、そのために同じ部材は通常、一度しか記載していない。図1と3において、鏡像の光学光路は削除してあり、符号でもって別々には設けられていない。
【0022】
図1には瓶2あるいはそのような容器を制御するための検査装置1が示してある。この後、瓶2あるいはそのような容器は全般的に瓶2と呼ぶ。瓶2は透明あるいは半透明な材料、好ましくはガラスあるいは半透明な合成樹脂、例えばPETから成る。瓶の材料あるいはガラスは、統一された実例だけを挙げるために、例えば青色、緑色あるいは茶色であってもよい。
【0023】
瓶2は底部と側壁を備えている。底部に対して対向するようにして開口部3が配置されている。検査装置1を用いて、好ましくは瓶2の瓶開口部3は、好ましくは瓶開口部の洗浄後、例えば錆の付着物のような例えば汚染があるかどうか点検される。
【0024】
この点で、錆を検知するために空瓶検査という言葉を用いてもよい。
【0025】
錆の付着物4は、瓶2が密封される王冠から発生する。このような錆の付着物4は、瓶頸部の凹面の絞り部5に集まるのが好ましい。
【0026】
検査装置1は少なくとも一つの照明ユニット6と少なくとも一つのカメラ7を備えており、少なくとも照明ユニット6は、検査すべき瓶2の上方に配置されている。照明ユニット6は、光源回路基板6(図2)として配置されており、その光源8は、色彩的におよび/またはそれらの各々の強度の点で、瓶開口部の領域内で固定された瓶の色に対して変化しうる光を算出確定し、光源8は半径方向に間隔をおいて設けられた光源リング9において各々光源回路基板の中心点の周りに同心円状に配置されており、算出確定された光10の少なくとも一部は、瓶開口部壁の内側に導入される。
【0027】
照明ユニット6あるいは光源回路基板6は、図2にはっきりと示してある。各々の光源8を備えた同心円状の光源リング9が識別できる。11個の光源9a〜9k(符号は外側から内側に向かって選ばれている。)が、光源回路基板6上に配置されているのは代表的なものにすぎない。各光源リング9a〜9kにおいて、例えば隣接した光源8は周方向に見て代表的には各々等しく間隔をおいて設けられている。おわかりのように、各光源リングの光源の間隔は、様々に製作可能である。例えば光源リング9a〜9dおよび9k〜9iは、光源リング9e〜9hおよび9jよりも小さい間隔を備えており、このことは単なる例にすぎず、かつ決して限定されるものではない。光源の間隔はどれも各光源リング内にあるのは想像できる。さらに11個の光源リング9よりも多いかあるいは少ないことも考えられる。光源8のリング状の配置とは異なり、光源8による考えられる模様を光源回路基板6上に配置することができる。例えば十字模様が考えられる。
【0028】
光源回路基板6は制御兼評価ユニット12のための接続部11を備えている。光源8はLEDとして構成されているのが好ましく、これらのLEDは様々な色と様々な強度の光を放出することができる。制御兼評価ユニット12を介して、光源回路基板6の光源8は制御可能である。個々の光源リング9の光源8は、リング毎に、リング部分ごとに、および/または個々に制御可能であるのが好ましい。適切な色と適切な強度の光が照明ユニットにから放射可能であるように光源を制御することが可能であるのは有利であり、放射すべき光は、特にどのガラスの色にも合っている。放射すべき光の強度を光源回路基板6の異なる領域で異なって制御することが特に可能である。光の模様が放射されるような制御が可能であることは当然である。
【0029】
図1からわかるように、放射された光10は瓶開口部3の内周あるいは内側のガラス壁に導入され、検査すべき領域の外周は、同様に照明ユニット6から放射される光19により照射される。ここでは、先に説明したように様々な光の強度が制御可能であるので、外周は光19からだけ照らされ、向き合わせられており、かつ導入される光10は大きな強度を有することができる。故に、本発明によりそして唯一の照明ユニット6により、透過光検査および反射光照明が実施可能である。
【0030】
図3では尚第一の光学部材13が認められる。第一の光学部材13は、検査すべき領域の周囲部分を形成するので、カメラ7により検査すべき領域の鏡像が撮影可能である。カメラ7は鏡像を実データとして制御兼評価ユニット12へ送る。制御兼評価ユニット12あるいはその評価部分において、カメラ7により保存された実データと比較可能である基準データがファイルされている。放射された光の色成分は、瓶の色に合っているので、制御兼評価ユニット12において実際の色と基準色の調整を行うことが有効である。確定された限界値を越えたズレが検出されると、錆の付着物4も検出され、排出信号)14が、当該の瓶2を瓶の流れから排出する排出ステーション15に伝達される。
【0031】
検査すべき領域の範囲の広い結像を得られるように、複数の第一の光学部材13、例えば各々別の周囲領域を結像する四つの第一の光学部材13設けることが有利であり、隣接した周囲領域の重なりは有害ではない。四つの部分画像は制御兼評価ユニット12において全体画像に合成され、各々個々の部分画像の評価も考えられるのは当然である。瓶2が回転する形態も回転しながら検査されることが考えられるので、第一の光学部材13を周囲に配設することは無くなり、ただ唯一の光学部材13だけで十分である。
【0032】
光源8は各々同じ色空間の光を放射する。従って、カメラ7はこの色空間に適合しているように構成することもできるのが合理的である。光源8はRGB(赤緑青)色空間の光を放射することができ、その理由でカメラ7はRGBカメラとしても構成されるべきである。対応する色フィルタ16を図3に示したカメラ16に取付けることも可能である。
【0033】
図1において認められるように、光軸X1を備えたカメラ7は、瓶の垂直軸線X2に対して平行に、しかし瓶の垂直軸線X2に対しては側方にずらして配置されている。カメラ7は瓶開口部3の上方に配置できる。これとは異なり、カメラ7は図3の実施例においてはその光軸X1でもって横方向に、好ましくは瓶の垂直軸線X2に対して垂直に、検査すべき瓶2の上方に配置されている。図3には、各々検査すべき領域の別の周囲領域を結像する四つの第一の光学部材13が認められる。
【0034】
光軸X1を備えたカメラ7は、瓶の垂直軸線X2に対して横方向に配置されているので、光学部材13により集められる画像情報の方向転換が必要であり、このことは第二および第三の光学部材17および18を用いて達せられる。これに関しては詳しく立ち入る必要はない。
【0035】
本発明の場合、照明ユニット6が、従って光源回路基板6を各々の瓶の色に適合された光、従って色変調された光が放射されるので、安定した検査が例えば錆の付着物に対して行うことができるのは目的に適っている。例えば向きを合わせられた光を得るには、光源リング9のコロナ型起動が考えられる。放射され、色変調された光が瓶開口部3の内壁に導入される透過光検査が有効であり、透過光検査は反射光照明と組合せ可能である。入射および出射する光の物理学的屈折は、図1において識別可能であり、向きを合わせられ、色変調された光は、出射が検査すべき領域で、従って好ましくは凹状の絞り部5の領域内で確かめられるように導入可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 検査装置
2 瓶
3 瓶開口部
4 錆の付着物
5 凹状の絞り部
6 照明ユニット/光源回路基板
7 カメラ
8 光源
9 光源リング
10 放射され、導入する光
11 6の接続部
12 制御兼評価ユニット
13 第一の光学部材
14 排出信号
15 排出ステーション
16 色フィルタ
17 第二の光学部材
18 第三の光学部材
19 外周部に向けられた光
図1
図2
図3