(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ビス−オレフィン(OF)、テトラフルオロエチレン(TFE)、およびパーフルオロエチルビニルエーテル(MVE)(MVEは、一般にTFEおよびMVEから誘導される繰り返し単位の合計に対して、25〜45モル%の量で含まれる)から誘導される繰り返し単位を含む、請求項2に記載のフルオロエラストマー(B)。
請求項1〜7のいずれか一項に記載の少なくとも1種のフルオロエラストマー(B)およびフルオロエラストマー(B)とは異なる少なくとも1種の(パー)フルオロエラストマー[フルオロエラストマー(A)]を含む組成物[組成物(C)]。
請求項8〜10のいずれか一項に記載の組成物(C)を製造する方法であって、フルオロエラストマー(A)の水性分散液とフルオロエラストマー(B)の水性分散液とを混合する工程、および組成物(C)を生成させるためにそれを共凝固させる工程を含む、方法。
前記方法が、段階重合法において前記フルオロエラストマー(A)の水性分散液および前記フルオロエラストマー(B)の水性分散液を製造し、その結果、フルオロエラストマー(A)の水性分散液とフルオロエラストマー(B)の水性分散液とのブレンドを重合から直接得る工程を含む、請求項11に記載の方法。
請求項8〜10のいずれか一項に記載のフルオロエラストマー(A)、フルオロエラストマー(B)、および少なくとも1種の過酸化物、通常は有機過酸化物、を含む、過酸化物硬化性型組成物[組成物(PC)]。
請求項8〜10のいずれか一項に記載のフルオロエラストマー(A)、フルオロエラストマー(B)、ならびに少なくとも1種の硬化剤および少なくとも1種の促進剤を含む、イオン硬化型組成物[組成物(IC)]。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本出願人は今回、ある種の超分岐(パー)フルオロエラストマーが、上述の問題を解決することができ、かつフルオロエラストマーホストマトリックスの機械的特性および封止性を改善し、有利には極めてクリーンな化合物を提供し、一般に単相挙動を示すことにおいて特に有効であることを見出した。
【0010】
従って、本発明の目的は、一般式:
{式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は互いに等しいかまたは異なり、HまたはC
1〜C
5アルキルであり;Zは、好ましくは少なくとも部分的にフッ素化された、任意選択により酸素原子を含有する、直鎖もしくは分岐鎖のC
1〜C
18アルキレンもしくはシクロアルキレン基、または(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である}を有するビス−オレフィン[ビス−オレフィン(OF)]から誘導される繰り返し単位を含む超分岐(パー)フルオロエラストマー[フルオロエラストマー(B)]であって、前記フルオロエラストマー(B)は、260℃でASTM D4440規格に準拠して測定される場合、比:G’
100/G’
0.01が10未満であるようにG’曲線における勾配を有し、ここで、G’
100は、100rad/secの剪断速度における貯蔵弾性率であり、G’
0.01は、0.01rad/secの剪断速度における貯蔵弾性率である、フルオロエラストマー(B)である。
【0011】
上記で詳述したフルオロエラストマー(B)は、有利には(パー)フルオロエラストマーマトリックス内で完全に混和性であり、その結果、ASTM D3418に準拠してDSCにより分析される場合、T
gを1つだけ有する化合物を得ることができる。結果として、このような添加剤の添加は、それからの組成物内で界面不連続性または他の弱点をもたらすことがない。
【0012】
それに加えてさらに、ホスト(パー)フルオロエラストマーマトリックス中のその完全な混和性にもかかわらず、上記で詳述したフルオロエラストマー(B)は有利には、弾性率および引張強度、硬度および耐高温性を実質的に増加させ、一方で同時に封止性の改善を提供することに有効である。
【0013】
本発明の目的では、「(パー)フルオロエラストマー」という用語は、真のエラストマーを得るための主構成成分として使用されるフルオロポリマー樹脂を指すものとし、前記フルオロポリマー樹脂は、少なくとも1個のフッ素原子を含む少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位(以下、(パー)フッ素化モノマー)を10重量%超、好ましくは30重量%超、および任意選択により、フッ素原子を含有しない少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位(以下、水素化モノマー)を含む。
【0014】
真のエラストマーは、ASTM、Special Technical Bulletin、第184規格により、室温でその固有長さの2倍に伸長でき、それらを5分間張力下に保持した後、解放すると、同時にその初期長さの10%以内に戻る材料として定義されている。
【0015】
一般に、フルオロエラストマー(B)は、実質的に非晶質のポリマー、即ち、ASTM D−3418により測定して5J/g未満、好ましくは4J/g未満、より好ましくは3J/g未満の融解熱を有するポリマーであることが理解されている。
【0016】
フルオロエラストマー(B)は、通常、
(a)C
2〜C
8パーフルオロオレフィン、例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロイソブチレン;
(b)水素含有C
2〜C
8オレフィン、例えば、フッ化ビニル(VF)、フッ化ビニリデン(VDF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、式CH
2=CH−R
f(式中、R
fは、C
1〜C
6パーフルオロアルキル基である)のパーフルオロアルキルエチレン;
(c)C
2〜C
8クロロおよび/またはブロモおよび/またはヨード−フルオロオレフィン、例えば、クロロトリフルオロエチレン(CTFE);
(d)式CF
2=CFOR
f{式中、R
fは、C
1〜C
6(パー)フルオロアルキル基、例えば、CF
3、C
2F
5、C
3F
7である}の(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE);
(e)式CF
2=CFOX{式中、Xは、結合(catenary)酸素原子を含むC
1〜C
12((パー)フルオロ)−オキシアルキル、例えば、パーフルオロ−2−プロポキシプロピル基である}の(パー)フルオロ−オキシ−アルキルビニルエーテル;
(f)式:
{式中、R
f3、R
f4、R
f5、R
f6は互いに等しいかまたは異なり、フッ素原子、および任意選択により1個または2個以上の酸素原子を含むC
1〜C
6(パー)フルオロアルキル基、例えば、特に、−CF
3、−C
2F
5、C
3F
7、−OCF
3、−OCF
2CF
2OCF
3の中から独立して選択される}を有する(パー)フルオロジオキソール;好ましくはパーフルオロジオキソール;
(g)式:
CFX
2=CX
2OCF
2OR”
f
{式中、R”
fは、直鎖または分岐鎖のC
1〜C
6(パー)フルオロアルキル;C
5〜C
6環状(パー)フルオロアルキル;および1〜3個の結合酸素原子を含む直鎖または分岐鎖のC
2〜C
6(パー)フルオロオキシアルキルの中から選択され、X
2=F、Hであり;好ましくは、X
2はFであり、R”
fは、−CF
2CF
3(MOVE1);−CF
2CF
2OCF
3(MOVE2);または−CF
3(MOVE3)である}
を有する(パー)フルオロ−メトキシ−ビニルエーテル(以下、MOVE)
からなる群から選択される(パー)フッ素化モノマーから誘導される繰り返し単位を含む。
【0017】
それにもかからず、フルオロエラストマー(B)が、上記で詳述した、タイプ(a)、(d)、(e)、(f)、(g)のものから一般に選択される、少なくとも1種のさらなるモノマーから誘導される繰り返し単位と組み合わせて、テトラフルオロエチレンから誘導される繰り返し単位を含むことが、一般に好ましい。
【0018】
TFEをベースとするコポリマーである上述のフルオロエラストマー(B)は、それが、半導体製造装置の部品を製造するために使用される場合、特に好ましい。
【0019】
これらの実施形態内の好ましいフルオロエラストマー(B)は、上記で詳述したビス−オレフィン(OF)から誘導される繰り返した単位に加えて、
(1)TFEから誘導される繰り返し単位;および
(2)
− 式CF
2=CFOF
f*(式中、R
f*は、C
1〜C
6パーフルオロアルキル基、例えば、CF
3、C
2F
5、C
3F
7である)のパーフルオロアルキルビニルエーテル;
− 式CF
2=CFOX
*{式中、X
*は、1個または複数個の酸素原子を含むC
1〜C
12パーフルオロ−オキシアルキルである}、例えば、CF
2=CF−OCF
2O−CF
2CF
3(MOVE1);CF
2=CF−OCF
2O−CF
2CF
2OCF
3(MOVE2);およびCF
2=CF−OCF
2O−CF
3(MOVE3)
からなる群から選択される、少なくとも1種のパーフッ素化コモノマーから誘導される繰り返し単位
を含む。
【0020】
これらの好ましい実施形態によるフルオロエラストマー(B)は、一般にTFEから誘導される繰り返し単位を、ビス−オレフィン(OF)と異なるフルオロエラストマー(B)の全モル数に対して、55〜75モル%の量で、および前記パーフッ素化コモノマーから誘導される繰り返し単位を、ビス−オレフィン(OF)と異なるフルオロエラストマー(B)の全モル数に対して、25〜45モル%の量で含む。好ましい実施形態において、フルオロエラストマー(B)は、上記したTFE、ビス−オレフィン(OF)およびパーフッ素化コモノマーと異なるモノマーから誘導される繰り返し単位を含まない。
【0021】
特に良好な結果を提供することが見出されたフルオロエラストマー(B)の特定の例は、
ビス−オレフィン(OF)、TFEおよびパーフルオロメチルビニルエーテル(MVE)(MVEは一般に、TFEおよびMVEから誘導される繰り返し単位の合計に対して、25〜45モル%の量で含まれる)から誘導される繰り返し単位を含む(好ましくはそれらから本質的になる)フルオロエラストマーである。末端鎖、欠陥および少量成分は、この好ましいフルオロエラストマー(B)の組成物中に、その特性を実質的に変更することなく入り得る。
【0022】
フルオロエラストマー(B)のビスオレフィン(OF)は、好ましくは、式(OF−1)、(OF−2)および(OF−3)、すなわち、
(式中、jは2〜10、好ましくは4〜8の整数であり、R
1、R
2、R
3、R
4は、互いに等しいかまたは異なり、H、FまたはC
1〜5アルキル基もしくは(パー)フルオロアルキル基である)、
{式中、Aはそれぞれ、互いに且つ出現ごとに等しいかまたは異なり、独立してF、Cl、およびHから選択され、Bはそれぞれ、互いに且つ出現ごとに等しいかまたは異なり、独立してF、Cl、HおよびOR
B(式中、R
Bは、部分的に、実質的にまたは完全にフッ素化または塩素化されていてもよい分岐鎖または直鎖のアルキル基である)から選択され、Eは、エーテル結合が挿入されていてもよい、任意選択によりフッ素化されている炭素数2〜10の2価の基であり、好ましくは、Eは−(CF
2)
m−基(mは3〜5の整数である)であり、好ましい(OF−2)型ビスオレフィンは、F
2C=F−O−(CF
2)
5−O−CF=CF
2である。}
(式中、E、AおよびBは前述と同じ意味を有し、R5、R6、R7は、互いに等しいかまたは異なり、H、FまたはC
1〜5アルキル基もしくは(パー)フルオロアルキル基である)
に適合するものからなる群から選択される。
【0023】
フルオロエラストマー(B)中のビス−オレフィン(OF)の量は、フルオロエラストマー(B)が、260℃でASTM D4440規格に準拠して測定される場合、比G’
100/G’
0.01が10未満であるようにG’曲線における勾配を特徴とするようなものであり、ここで、G’
100は、100rad/secの剪断速度における貯蔵弾性率であり、G’
0.01は、0.01rad/secの剪断速度における貯蔵弾性率である。
【0024】
実際に、ビス−オレフィン(OF)の直接測定は、たとえ可能であるにしても、面倒な分析手順を必要とするが、上述したレオロジーパラメータは有力であり、超分岐構造を測定するために使用され得る間接測定値が有利に得られている。
【0025】
疑いを避けるために、フルオロエラストマー(B)を特徴付けるレオロジー挙動は、その未硬化状態で評価されると理解されるべきであることが理解される。
【0026】
上記で詳述した、低いおよび高い剪断速度における貯蔵(弾性の(elastic))弾性率G’の比の上記の条件は、0.01〜100rad/secの領域で剪断速度の関数としてG’のいくぶん平坦な勾配を有する材料を代表するものである。言い換えれば、本発明のフルオロエラストマー(B)は、有利には、剪断速度に実質的に影響を受けない粘弾性挙動を有し;特定の超分岐構造は、変形速度を全体のスワップ範囲(0.01〜100rad/sec)で変更する場合、緩和の動きの証拠は実質的に観察されないようなものであり;非常に低い剪断速度(従って、より長い緩和/弾性回復時間)においてさえも、超分岐構造のために、フルオロエラストマー(B)は、通常は、比較的短い緩和時間が与えられる場合、比較的高い剪断におけるよりも弾性的に緩和することができない。
【0027】
この挙動は、本明細書により関与される超分岐構造の典型的なものであり、これは、有利にはフルオロエラストマー(B)を、本発明の超分岐構造を有しない従来のフルオロエラストマー(ここでは、貯蔵弾性率は、剪断速度に非常に影響を受け、それが増加すると徐々に増加し、その結果、数十以上のG’
100/G’
0.01が通常は観察される)と区別させる。
【0028】
フルオロエラストマー(B)は、260℃でASTM D4440規格に準拠して測定される場合、比G’
100/G’
0.01が、好ましくは5未満、より好ましくは2未満であるように剪断速度の関数としてG’曲線における勾配を有し、ここで、G’
100は、100rad/secの剪断速度における貯蔵弾性率であり、G’
0.01は、0.01rad/secの剪断速度における貯蔵弾性率である。
【0029】
それに加えてさらに、フルオロエラストマー(B)は、G’
JがG”
Jを超えるということをさらに有利に特徴とし、ここで、G’
Jは、剪断速度Jにおける貯蔵弾性率であり、G”
Jは、同じ剪断速度Jにおける損失弾性率であり、前記剪断速度は、260℃でASTM D4440規格に準拠して測定される場合、0.01〜100rad/secに含まれる。
【0030】
これは、特に、認められ得る剪断減粘を含まず、通常はフルオロエラストマー(B)の超分岐構造を代表するものであるもう一つのレオロジー特性である。
【0031】
典型的には、フルオロエラストマー(B)は、1超、好ましくは2超、より好ましくは5超の比G’
J/G”
J(ここで、G’
J、G”
JおよびJは、上記で詳述した意味を有する)を特徴とする。
【0032】
別に言えば、フルオロエラストマー(B)は、1未満、好ましくは0.5未満、より好ましくは0.2未満のtanδ
Jを特徴とし、ここで、tanδ
Jは、0.01〜100の範囲のJについて、剪断速度Jにおけるtanδの値である。
【0033】
それに加えてさらに、フルオロエラストマー(B)の超分岐構造は、一般にそれを、そうでなければ実質的に同一の構造的特徴(組成、分子量、・・・)を有するが前記ビス−オレフィン(OF)を含む繰り返し単位から誘導されているフルオロエラストマーを可溶化することが知られている溶媒に、実質的に不溶性にさせる。
【0034】
従って、その未硬化状態におけるフルオロエラストマー(B)は、一般に50℃におけるパーフルオロヘプタン中10g/l未満、好ましくは5g/l未満、より好ましくは3g/l未満の溶解度を有する。
【0035】
この理論に拘束されることなく、本出願人は、動的機械的特性のメルトレオロジー測定および溶解度パラメータにより証明されるように、上記のフルオロエラストマー(B)の超分岐構造の特有の粘弾性挙動は、このフルオロエラストマー(B)が(パー)フルオロエラストマーマトリックス内で使用および硬化される場合、傑出した強化効果の提供に実に関与しているという意見である。
【0036】
それに加えてさらに、フルオロエラストマー(B)中のビス−オレフィン(OF)の量は、有利には、実質的に同一の構造的特徴(組成、分子量、・・・)を有するが前記ビス−オレフィン(OF)を含む繰り返し単位から誘導される対応するフルオロエラストマーよりも、フルオロエラストマー(B)のT
gが、少なくとも20℃、好ましくは少なくとも25℃高いようなものである。
【0037】
従って、一般に好ましいフルオロエラストマー(B)は、ASTM D3418に準拠して測定された、少なくとも15℃、好ましくは少なくとも18℃、より好ましくは少なくとも20℃のT
gを有する。
【0038】
本発明はさらに、上記で詳述した少なくとも1種のフルオロエラストマー(B)、およびフルオロエラストマー(B)と異なる少なくとも1種の(パー)フルオロエラストマー[フルオロエラストマー(A)]を含む組成物[組成物(C)]に関する。
【0039】
フルオロエラストマー(A)は、一般に、その未硬化状態で、50℃の温度でパーフルオロペンタン中20g/l超、好ましくは40g/l超、さらにより好ましくは70g/l超の溶解度を有する。
【0040】
それに加えてさらに、フルオロエラストマー(A)は、有利には、260℃でASTM D4440規格に準拠して測定される場合、10超、好ましくは20超、さらにより好ましくは50超の比G’
100/G’
0.01を特徴とし、ここで、G’
100は、100rad/secの剪断速度における貯蔵弾性率であり、G’
0.01は、0.01rad/secの剪断速度における貯蔵弾性率である。
【0041】
それに加えてさらに、フルオロエラストマー(A)は、さらに有利には、少なくとも1つの剪断速度Jについて、G’
Jは、G”
Jより小さいことを特徴とし、ここで、G’
Jは、剪断速度Jにおける貯蔵弾性率であり、G”
Jは、同じ剪断速度Jにおける損失弾性率であり、Jは、260℃でASTM D4440規格に準拠して測定される場合、0.01〜100rad/secに含まれる。
【0042】
別に言えば、フルオロエラストマー(A)は、0.01〜100の範囲の少なくとも1つの剪断速度について、1超のtanδ
Jを特徴とし;好ましくは、フルオロエラストマー(A)は、0.01〜100の範囲のJについて、さらに0.5〜2に含まれるtanδ
J(ここで、tanδ
Jは、剪断速度Jにおけるtanδの値である)を有する。
【0043】
言い換えれば、フロオロエラストマー(A)は、それが、超分岐構造を有しないという点でフルオロエラストマー(B)と異なる。
【0044】
フルオロエラストマー(A)は、上記で詳述したビス−オレフィン(OF)から誘導される繰り返し単位を含み得るが、その量は、有利には認め得る溶解度を維持し、かつ関連する剪断減粘を含めて、線状ポリマーに典型的なレオロジー挙動を示す実質的に線状構造を与えるように制限される。
【0045】
疑いを避けるために、フルオロエラストマー(B)について上記で説明したのと同様に、フルオロエラストマー(A)を特徴付けるレオロジー挙動は、その未硬化状態で評価されることが理解されるべきであることが理解される。
【0046】
その成分のレオロジー特性の結果として、組成物(C)は、一般に、260℃でASTM D4440規格に準拠して測定させる場合、比G’
100/G’
0.01が、一般に10〜30に含まれるように剪断速度の関数としてG’曲線における勾配を有し、ここで、
G’
100は、100rad/secの剪断速度における貯蔵弾性率であり、G’
0.01は、0.01rad/secの剪断速度における貯蔵弾性率である。
【0047】
また、疑いを避けるために、組成物(C)の場合に、そのレオロジー挙動は、その未硬化状態で評価されると理解されるべきであることが理解される。
【0048】
組成物(C)は、0.01〜100の範囲のJについて、0.2と0.7に含まれるtanδ
J(ここで、tanδ
Jは、剪断速度Jにおけるtanδの値である)をさらに特徴とする。
【0049】
組成物(C)は、少なくとも2つの異なる成分、即ち、フルオロエラストマー(A)およびフルオロエラストマー(B)から構成されているにも関わらず、有利には均質混合物であり;この均質特性は、例えば、ASTM D3418に準拠して、例えば、DSCによるその挙動の調査によって証明することができ;組成物(C)は、有利にはT
gを1つだけ有する。
【0050】
フルオロエラストマー(A)のモノマー組成に関して、フルオロエラストマー(B)について上記した特徴のすべては、フルオロエラストマー(A)の好ましい実施形態も特徴付けた。
【0051】
従って、フルオロエラストマー(A)は、通常、上記したモノマー(a)から(g)からなる群から選択される(パー)フッ素化モノマーから誘導される繰り返した単位を含む。
【0052】
特に半導体製造装置の部品の製造のために、好ましいフルオロエラストマー(A)は、任意選択により、ビス−オレフィン(OF)および/または硬化部位含有モノマーから誘導される繰り返し単位と組み合わせて、上記で詳述したタイプ(a)、(d)、(e)、(f)、(g)のものから一般に選択される少なくとも1種のさらなるモノマーから誘導される繰り返し単位と組み合わせて、テトラフルオロエチレンから誘導される繰り返し単位を含むことも理解される。
【0053】
これらの実施形態内の好ましいフルオロエラストマー(A)は、
(1)TFEから誘導される繰り返し単位;および
(2)
− 式CF
2=CFOR
f*(式中、R
f*は、C
1〜C
6パーフルオロアルキル基、例えば、CF
3、C
2F
5、C
3F
7である)のパーフルオロアルキルビニルエーテル;
− 式CF
2=CFOX
*(式中、X
*は、1個または複数個の酸素原子を含むC
1〜C
12パーフルオロ−オキシアルキルである)のパーフルオロ−オキシ−アルキルビニルエーテル、例えば、CF
2=CF−OCF
2O−CF
2CF
3(MOVE1);CF
2=CF−OCF
2O−CF
2CF
2OCF
3(MOVE2);およびCF
2=CF−OCF
2O−CF
3(MOVE3)
からなる群から選択される少なくとも1種のパーフッ素化コモノマーから誘導される繰り返し単位、ならびに任意選択により、上記で詳述したビス−オレフィン(OF)から誘導される繰り返し単位を含む。
【0054】
これらの好ましい実施形態によるフルオロエラストマー(A)は、一般にTFEを、フルオロエラストマー(A)の全モルに対して、55〜75モル%の量で、および前記パーフッ素化コモノマーを、フルオロエラストマー(A)の全モルに対して、25〜45モル%の量で含む。
【0055】
特に良好な結果を与えることが見出されたフルオロエラストマー(A)の特定の例は、ビス−オレフィン(OF)、TFEからおよびパーフルオロメチルビニルエーテル(MVE)(MVEは、一般に、TFEおよびMVEとから誘導される繰り返し単位の合計に対して、25〜45モル%の量で含まれる)から誘導される繰り返し単位を含むフルオロエラストマーである。末端鎖、欠陥および少量成分は、その特性を実質的に変更させることなく、この好ましいフルオロエラストマー(A)の組成中に入り得る。
【0056】
本発明の特定の好ましい実施形態によれば、フルオロエラストマー(A)は硬化部位を含み;硬化部位の選択は特に重要ではないが、但し、それらは特に過酸化物硬化において十分な硬化反応性を確保するものとする。
【0057】
フルオロエラストマー(A)は、特定の繰り返し単位に結合したペンダント基としてまたはポリマー鎖の末端基として前記硬化部位を含むことができる。
【0058】
硬化部位含有繰り返し単位の中で、特に以下のものを挙げることができる:
(CSM−1)式:
{式中、A
Hfはそれぞれ互いに且つ出現ごとに等しいかまたは異なり、F、Cl、およびHから独立して選択され;B
Hfは、F、Cl、HおよびOR
HfB(式中、R
HfBは、部分的に、実質的にまたは完全にフッ素化または塩素化されていてもよい分岐鎖または直鎖のアルキル基である)のいずれかであり;W
Hfはそれぞれ、互いに且つ出現ごとに等しいかまたは異なり、独立して共有結合または酸素原子であり;E
Hfは、任意選択によりフッ素化された炭素数2〜10の2価の基であり;R
Hfは、部分的に、実質的にまたは完全にフッ素化されていてもよい分岐鎖または直鎖のアルキル基であり;R
Hfは、ヨウ素および臭素からなる群から選択されるハロゲン原子であり;それはエーテル結合で挿入されていてもよく;好ましくは、Eは−(CF
2)
m−基(mは3〜5の整数である)である}
のヨウ素または臭素含有モノマー;
(CSM−2)場合によってはフッ素化されている、シアン化物基を含むエチレン性不飽和化合物。
【0059】
(CSM1)型の硬化部位含有モノマーの中で、好ましいモノマーは:
(CSM1−A)式:
{式中、mは0〜5の整数であり、nは0〜3の整数であるが、但し、mとnの少なくとも1つは0とは異なり、R
fiはFまたはCF
3である}
のヨウ素含有パーフルオロビニルエーテル;(特に、米国特許第4745165号明細書(AUSIMONT SPA)1988年5月17日、米国特許第4564662号明細書(MINNESOTA MINING & MFG[US])1986年1月14日および欧州特許出願公開第199138A号明細書(ダイキン工業株式会社)1986年10月29日に記載のもの);および
(CSM−1B)式:
CX
1X
2=CX
3−(CF
2CF
2)−I
{式中、X
1、X
2およびX
3はそれぞれ互いに等しいかまたは異なり、独立してHまたはFであり;pは1〜5の整数である}
のヨウ素含有エチレン性不飽和化合物;これらの化合物の中で、CH
2=CHCF
2CF
2I、I(CF
2CF
2)
2CH=CH
2、ICF
2CF
2CF=CH
2、I(CF
2CF
2)
2CF=CH
2を挙げることができる;
(CSM−1C)式:
CHR=CH−Z−CH
2CHR−I
{式中、RはHまたはCH
3であり、Zは、任意選択により1個以上のエーテル酸素原子を含有する直鎖または分岐鎖のC
1〜C
18(パー)フルオロアルキレン基、または(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である}のヨウ素含有エチレン性不飽和化合物;これらの化合物の中で、CH
2=CH−(CF
2)
4CH
2CH
2I、CH
2=CH−(CF
2)
6CH
2CH
2I、CH
2=CH−(CF
2)
8CH
2CH
2I、CH
2=CH−(CF
2)
2CH
2CH
2Iを挙げることができる;
(CSM−1D)例えば、米国特許第4035565号明細書(DU PONT)1977年7月12日に記載のブロモトリフルオロエチレンまたはブロモテトラフルオロブテンなどの炭素数2〜10のブロモおよび/またはヨードα−オレフィン、または米国特許第4694045号明細書(DU PONT)1987年9月15日に開示されている他の化合物であるブロモおよび/またはヨードα−オレフィン;
からなる群から選択されるモノマーである。
【0060】
(CSM2)型の硬化部位含有モノマーの中で、好ましいモノマーは:
(CSM2−A)式CF
2=CF−(OCF
2CFX
CN)
m−O−(CF
2)
n−CN(式中、X
CNはFまたはCF
3であり、mは0、1、2、3または4であり;nは1〜12の整数である)のシアン化物基を含有するパーフルオロビニルエーテル;
(CSM2−B)式CF
2=CF−(OCF
2CFX
CN)
m’−O−CF
2−CF(CF
3)−CN(式中、X
CNはFまたはCF
3であり、m’は0、1、2、3または4である)のシアン化物基を含有するパーフルオロビニルエーテル;
からなる群から選択されるものである。
本発明の目的に好適なCSM2−AおよびCSM2−B型の硬化部位含有モノマーの具体例としては、特に、米国特許第4281092号明細書(DU PONT)1981年7月28日、米国特許第4281092号明細書(DU PONT)1981年7月28日、米国特許第5447993号明細書(DU PONT)1995年9月5日、および米国特許第5789489号明細書(DU PONT)1998年8月4日に記載されているものがある。
【0061】
好ましくは、本発明のフルオロエラストマー(A)は、ヨウ素または臭素硬化部位を0.001〜10重量%の量で含む。これらのうち、ヨウ素硬化部位は硬化速度を最大にするように選択されるものである。
【0062】
この実施形態によると、許容される反応性を確保するために、一般に、フルオロエラストマー(A)中のヨウ素および/または臭素の含有量は、フルオロエラストマー(A)の全重量に対して少なくとも0.05重量%、好ましくは少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも0.15重量%とすべきであることが理解される。
【0063】
他方、副反応および/または熱安定性に対する有害作用を回避するために、フルオロエラストマー(A)の全重量に対して好ましくは7重量%を超えない、より具体的には5重量%を超えない、またはさらには4重量%を超えないヨウ素および/または臭素量が一般に選択される。
【0064】
本発明のこれらの好ましい実施形態のこれらのヨウ素または臭素硬化部位は、フルオロエラストマー(A)ポリマー鎖の主鎖に結合したペンダント基として含まれてもよく、または前記ポリマー鎖の末端基として含まれてもよい。
【0065】
第1の実施形態によれば、ヨウ素および/または臭素硬化部位は、フルオロエラストマーポリマー鎖の主鎖に結合したペンダント基として含まれ、この実施形態によるフルオロエラストマー(A)は、通常、
− 例えば、米国特許第4035565号明細書(DU PONT)1977年7月12日に記載のブロモトリフルオロエチレンもしくはブロモテトラフルオロブテン、または米国特許第4694045号明細書(DU PONT)1987年9月15日に開示の他の化合物であるブロモおよび/またはヨードα−オレフィンなどの、炭素数2〜10のブロモおよび/またはヨードα−オレフィン、
− ヨードおよび/またはブロモフルオロアルキルビニルエーテル(特に、米国特許第4745165号明細書(AUSIMONT SPA)1988年5月17日、米国特許第4564662号明細書(MINNESOTA MINING & MFG[US])1986年1月14日、および欧州特許出願公開第199138A号明細書(ダイキン工業株式会社)1986年10月29日に記載のもの)
から選択される臭素化および/またはヨウ素化硬化部位コモノマーから誘導される繰り返し単位を含む。
【0066】
有利には前述のヨウ素および/または臭素重量含有量を確保するように、この実施形態によるフルオロエラストマーは、一般に、臭素化および/またはヨウ素化硬化位モノマーから誘導される繰り返し単位を、フルオロエラストマーの他の全ての繰り返し単位100mol当たり0.05〜5molの量で含む。
【0067】
第2の好ましい実施形態によれば、ヨウ素および/または臭素硬化部位はフルオロエラストマーポリマー鎖の末端基として含まれ、この実施形態によるフルオロエラストマーは一般に、
− ヨウ素化および/または臭素化連鎖移動剤;好適な連鎖移動剤は、通常、式R
f(I)
x(Br)
y(式中、R
fは、炭素数1〜8の(パー)フルオロアルキルまたは(パー)フルオロクロロアルキルであり、xおよびyは0〜2の整数であり、1≦x+y≦2である)のものである(例えば、米国特許第4243770号明細書(ダイキン工業株式会社)1981年1月6日、および米国特許第4943622号明細書(日本メクトロン株式会社)1990年7月24日を参照されたい)、
− 特に米国特許第5173553号明細書(AUSIMONT SRL)1992年12月22日に記載のようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属のヨウ化物および/または臭化物
のいずれかのフルオロエラストマーの製造中に、重合媒体に添加することにより得られる。
【0068】
上記で詳述した組成物(C)は、特に、粉末混合、溶融コンパウンディング、ラテックスブレンディングなどを含めて、上記で詳述したフルオロエラストマー(B)とフルオロエラストマー(A)とを完全に混合するために適した任意の方法によって製造され得る。
【0069】
好ましい実施形態によれば、組成物(C)を製造する方法は、有利にはフルオロエラストマー(A)の水性分散液とフルオロエラストマー(B)の水性分散液とを混合する工程、および組成物(C)を生成するためにそれを共凝固させる工程を含む。
【0070】
この実施形態の好ましい変形は、フルオロエラストマー(A)とフルオロエラストマー(B)との水性分散液を段階重合法で製造し、その結果、フルオロエラストマー(A)の水性分散液とフルオロエラストマー(B)の水性分散液とのブレンドの重合から直接得ることを含む。前記段階重合は、最初にフルオロエラストマー(A)を製造し、次いで、フルオロエラストマー(B)を製造するかまたは逆も同様であり、即ち、最初にフルオロエラストマー(B)を製造し、次いで、フルオロエラストマー(A)を製造するために行うことができる。この第2の手順は、予期される超分岐構造を得るために必要とされるビス−オレフィンの適当な投与量を確保する目的に有利である場合がある。結果として、本発明の組成物(C)は、フルオロエラストマー(A)のシェルによって少なくとも部分的に囲まれたフルオロエラストマー(B)のコアを含むコア−シェル構造をもたらし得る。
【0071】
本発明はまた、造形品を製作するための上記したフルオロエラストマー(B)およびフルオロエラストマー(A)を含む組成物(C)の使用に関する。
【0072】
本発明の化合物(C)は、例えば、成形(射出成形、押出成形)、カレンダー加工、または押出しにより所望の成形物品に二次加工することができ、それは、有利にはその加工自体の間におよび/または後工程(後処理または後硬化)中に加硫(硬化)され、有利には比較的柔軟で脆弱なフルオロエラストマーが、非粘着性で、強度のある、不溶性で、耐薬品性と耐熱性のある硬化フルオロエラストマーから製造された最終物品に変化する。
【0073】
本発明の化合物(C)は、有利には過酸化物硬化法で、イオン法で、スズ触媒硬化で、または過酸化物/イオン混合法で硬化される。
【0074】
過酸化物硬化は、通常、既知の方法に従い、熱分解によりラジカルを発生させることができる好適な過酸化物を添加することにより行われる。一般に有機過酸化物が使用される。
【0075】
従って、さらに本発明の対象は、上記に詳述したフルオロエラストマー(A)、フルオロエラストマー(B)および少なくとも1種類の過酸化物、通常、有機過酸化物を含む過酸化物硬化型組成物[化合物(PC)]である。
【0076】
最も一般的に使用される過酸化物の中で、ジアルキルパーオキサイド、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキサイドおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーベンゾエート、ビス[1,3−ジメチル−3−(tert−ブチルパーオキシ)ブチル]カーボネートを挙げることができる。他の好適な過酸化物系には、特に欧州特許出願公開第136596A号明細書(MONTEDISON SPA)1985年4月10日、および欧州特許出願公開第410351A号明細書(AUSIMONT SRL)1991年1月30日に記載のものがあり、その内容は参照により本明細書に援用される。
【0077】
上記に詳述した過酸化物硬化型組成物[化合物(PC)]中に一般的に含まれる他の成分には、
(a)ポリマーに対して一般に0.5重量%〜10重量%、好ましくは1重量%〜7重量%の量の硬化助剤(curing coagents)、これらの硬化助剤の中で、以下のもの、すなわち、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、トリアリルホスファイト、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、上記に詳述したビスオレフィン(OF)、エチレン性不飽和基で置換されたトリアジン、特に、欧州特許出願公開第860436A号明細書(AUSIMONT SPA)1998年8月26日、および国際公開第97/05122号パンフレット(DUPONT)1997年2月13日に記載されているものなどが一般に使用され、前述の硬化助剤の中で、上記に詳述したTAICおよびビスオレフィン(OF)、より具体的には上記に詳述した式(OF−1)のものにより、特に良好な結果が得られることが分かった、
(b)任意選択により、ポリマーの重量に対して1重量%〜15重量%、好ましくは2重量%〜10重量%の量の金属化合物、例えば、Mg、Zn、CaまたはPbなどの2価の金属の酸化物または水酸化物から選択されるものを、任意選択により弱酸の塩、例えば、Ba、Na、K、Pb、Caのステアリン酸塩、安息香酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩または亜リン酸塩などと組み合わせたもの、
(c)任意選択により、特に欧州特許第708797A号明細書(DU PONT)1996年5月1日に記載の1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、オクタデシルアミンなどの金属非酸化物タイプの受酸剤、、
(d)任意選択により、充填剤、増粘剤、顔料、酸化防止剤、安定剤、および加工助剤等の他の従来の添加剤、
がある。
【0078】
イオン硬化は、化合物(C)に当該技術分野で周知の、イオン硬化に好適な1種以上の硬化剤および1種以上の促進剤を混合することにより達成することができる。
【0079】
従って、本発明の目的はさらに、上記に詳述したフルオロエラストマー(A)、フルオロエラストマー(B)ならびに少なくとも1種の硬化剤および少なくとも1種の促進剤[組成物(IC)]を含むイオン硬化型組成物である。
【0080】
促進剤の量は、一般に、0.05〜5phr含まれ、硬化剤の量は、通常、0.5〜15phr、好ましくは1〜6phr含まれる。
【0081】
芳香族または脂肪族ポリヒドロキシル化化合物またはその誘導体を硬化剤として使用してもよい。その例は、特に、欧州特許出願公開第335705A号明細書(MINNESOTA MINING & MFG[US]+)1989年10月4日、および米国特許第4233427号明細書(RHONE POULENC IND)1980年11月11日に記載されている。これらの中で、特に、ジヒドロキシ、トリヒドロキシおよびテトラヒドロキシベンゼン、ナフタレンまたはアントラセン、2つの芳香環が2価の脂肪族基、脂環式基もしくは芳香族基により、または代わりに酸素原子もしくはイオウ原子、または他にカルボニル基により一緒に結合されているビスフェノールが挙げられる。芳香環は1個以上の塩素原子、フッ素原子もしくは臭素原子で、またはカルボニル基、アルキル基もしくはアシル基で置換されていてもよい。ビスフェノールAFが特に好ましい。
【0082】
使用できる促進剤の例としては、第四級アンモニウムまたはホスホニウム塩(例えば、欧州特許出願公開第335705A号明細書(MINNESOTA MINING & MFG[US]+)1989年10月4日、および米国特許第3876654号明細書(DU PONT)1975年4月8日を参照されたい)、アミノホスホニウム塩(例えば、米国特許第4259463号明細書(MONTEDISON SPA)1981年3月31日を参照されたい)、ホスホラン(例えば、米国特許第3752787号明細書(DU PONT)1973年8月14日を参照されたい)、欧州特許出願公開第0120462A号明細書(MONTEDISON SPA)1984年10月3日に記載の式[Ar
3P−N=PAr
3]
+nX
n−(式中、Arはアリール基であり、n=1または2であり、Xはn価のアニオンである)の、または、例えば、欧州特許出願公開第0182299A号明細書(旭化成工業株式会社)1986年5月28日に記載の式[(R
3P)
2N]
+X
−(式中、Rはアリール基またはアルキル基であり、Xは1価のアニオンである)のイミン化合物が挙げられる。第四級ホスホニウム塩およびアミノホスホニウム塩が好ましい。
【0083】
促進剤と硬化剤を別々に使用する代わりに、促進剤と硬化剤との1:2〜1:5、好ましくは1:3〜1:5のモル比の付加物を使用することも可能であり、促進剤は前述の正電荷を有する有機オニウム化合物の1つであり、硬化剤は前述の化合物、特に、ジヒドロキシもしくはポリヒドロキシ化合物またはジチオールもしくはポリチオール化合物から選択され、付加物は促進剤と硬化剤との前述のモル比での反応生成物を融解することにより、または、前述の量の硬化剤を補った1:1付加物の混合物を融解することにより得られる。任意選択により、この付加物に含有されるものと比較して過剰の促進剤が存在してもよい。
【0084】
以下のものは、付加物を調製するためのカチオンとして特に好ましい、すなわち、1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチルホスホランアミンおよびテトラブチルホスホニウム、特に好ましいアニオンは、2つの芳香環が炭素数3〜7のパーフルオロアルキル基から選択される2価の基により結合されており、OH基がパラ位にあるビスフェノール化合物である。前述の付加物の調製に好適な方法は、欧州特許出願公開第0684277A号明細書(AUSIMONT SPA[IT])1995年11月29日に記載されており、この文献は参照によりその内容全体が本明細書に援用される。
【0085】
イオン経路により硬化する場合、イオン硬化型組成物[組成物(IC)]に一般的に添加される他の成分には:
i)通常はフルオロエラストマー(A)100部当たり1〜40部の量で含まれる、フッ化ビニリデン共重合体のイオン硬化で既知のものから選択される1種以上の鉱酸受容剤;
ii)通常はフルオロエラストマー(A)100部当たり0.5〜10部の量で添加される、フッ化ビニリデン共重合体のイオン硬化で既知のものから選択される1種以上の塩基性化合物;
がある。
【0086】
細目ii)に記載の塩基性化合物は、一般に、Ca(OH)
2、Sr(OH)
2、Ba(OH)
2、弱酸の金属塩、例えば、Ca、Sr、Ba、NaおよびKの炭酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩および亜リン酸塩、ならびに前述の水酸化物と前述の金属塩との混合物によって構成される群から選択され、タイプi)の化合物の中ではMgOを挙げることができる。
【0087】
混合物の前述の量は、フルオロエラストマー(A)100phrに対するものである。また、硬化性混合物に、充填剤、増粘剤、顔料、酸化防止剤および安定剤等の他の従来の添加剤を添加してもよい。
【0088】
過酸化物/イオン混合硬化は、硬化性組成物中に、上記に詳述した1種以上の過酸化物、ならびに当該技術分野で周知の、イオン硬化に好適な1種以上の硬化剤および1種以上の促進剤を同時に導入することにより達成することができる。
【0089】
フルオロエラストマー(A)が、上記に詳述した(CSM−2)型のシアン化物基を含むエチレン性不飽和化合物から誘導される繰り返し単位を含む場合、特に、米国特許第4394489号明細書(DU PONT)1983年7月19日(アリル−、プロパルギル−、およびアレニル−スズ硬化剤を開示)、米国特許第5767204号明細書(日本メクトロン株式会社)1998年6月16日(式:
(式中、Aは、炭素数1〜6のアルキリデン基または炭素数1〜10のパーフルオロアルキリデン基であり、XおよびYはヒドロキシル基またはアミノ基である)
によって表されるビス(アミノフェニル)化合物を提供)、および米国特許第5789509号明細書(DU PONT)1998年8月4日(テトラアルキルスズ、テトラアリールスズ化合物、ビス(アミノフェノール)およびビス(アミノチオフェノール)を開示)に記載されているような、有機スズ化合物またはジ芳香族アミン化合物。フルオロエラストマーマトリックスがヨウ素化および/または臭素化末端基を含有する場合、このタイプの加硫を、特に米国特許第5447993号明細書(DU PONT)1995年9月5日に記載されているように、過酸化物型の加硫と組み合わせてもよい。
【0090】
最後に、本発明は、化合物(C)から得られる硬化物品に関する。前記硬化物品は、一般に、上記に詳述した硬化型組成物を成形および硬化することにより得られる。
【0091】
参照により本明細書に援用される特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が、用語を不明確にし得る程度まで本説明と矛盾する場合、本説明が優先されるものとする。
【0092】
ここで、以下の実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、それらは本発明を説明することを目的とするに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0093】
原料
パーフルオロエラストマー生ゴムの製造
実施例1−TFE/MVEパーフルオロエラストマー34/66モル/モル(以下、FFKM−A)の製造
460rpmで作動する機械式撹拌機を備えた22リットルのオートクレーブ内に、脱塩水14リットルと、式CF
2ClO(CF
2−CF(CF
3)O)
n(CF
2O)
mCF
2COOH(式中、n/m=10である)のカルボン酸末端基を有するパーフルオロポリエーテル(平均分子量600g/モル)30.5ml;30%v/vNH
4OH水溶液30.5ml;脱塩水61ml;式C−F−
3−O−(−CF
2−CF(CF
3)O)
n(CF
2O)
mCF
3(式中、n/m=20である)のGALDEN(登録商標)D02パーフルオロエーテル(分子量450g/モル)18mlを混合することにより予め得られたマイクロエマルション140mlとを導入した。
このようにして、反応器を80℃の設定値温度に加熱し、次いで、1,4−ジヨードパーフルオロブタン(C
4F
8I
2)45g、続いて、以下の組成、即ち、テトラフルオロエチレン(TFE)62モル%、パーフルオロメチルビニルエーテル(MVE)38モル%を有するモノマー混合物(最終圧力が20バール(2MPa)になるまで)、加硫酸アンモニウム(APS)0.7g、およびCH
2=CH−(CF
2)
6−CH=CH
222g(20等分して変換が5%増加する毎に供給した)を添加した。
TFE60.5モル%、MVE39.5モル%からなるモノマー混合物を供給することによって、20barの設定値圧力を維持し;モノマー混合物7.7kgを供給した後(374分間の全反応時間に相当する)、反応器を冷却し、382g
ポリマー/kg
ラテックスを含むラテックスを回収した。次いで、欧州特許出願公開第1626068A号明細書(SOLVAY SOLEXIS SPA[イタリア国])2006年2月15日に記載された手順に従って、ラテックスを凝固させ、ゲルの形態下で精製した。90℃で16時間乾燥後、MVE34モル%、TFE66モル%からなるポリマーを得た。この材料は、50℃の温度でGALDEN(登録商標)D80(パーフルオロヘプタン)中95g/l超の溶解度を有することがわかった。
【0094】
実施例2−TFE/MVEパーフルオロエラストマー30/70モル/モル(以下、FFKM−B)の製造
TFE66モル%、MVE34モル%からなるモノマー混合物の供給を用いる以外は、実施例1の同じ手順を繰り返した。反応を250分間続行し、338g
ポリマー/kg
ラテックスの固形分を有するラテックスを得た。次いで、ラテックスを上記で詳述したように凝固させ、精製した。90℃で16時間乾燥後、MVE30モル%、TFE70モル%からなるポリマーを得た。この材料は、50℃の温度でGALDEN(登録商標)D80(パーフルオロヘプタン)中70g/l超の溶解度を有することがわかった。
【0095】
超分岐フルオロエラストマーの製造
実施例3−超分岐TFE/MVEパーフルオロエラストマー(以下、HB−FFKM C)の製造
545rpmで作動する機械式撹拌機を備えた10リットルのオートクレーブ内に、脱塩水6リットルと、式:CF
2ClO(CF
2−CF(CF
3)O)
n(CF
2O)
mCF
2COOH(式中、n/m=10である)のカルボン酸末端基を有するパーフルオロポリエーテル(平均分子量600g/モル)13.1ml;30%v/vNH
4OH水溶液13.1ml;脱塩水26.1ml;式:C−F−
3−O−(−CF
2−CF(CF
3)O)
n(CF
2O)
mCF
3(式中、n/m=20である)のGALDEN(登録商標)D02パーフルオロポリエーテル(平均分子量450g/モル)7.7mlを混合することによって予め得たマイクロエマルション60mlとを導入した。
このようにして反応器を80℃の設定値温度に加熱し;次いで、1,4−ジヨードパーフルオロブタン(C
4F
8I
2)、続いて、以下の組成、即ち、テトラフルオロエチレン(TFE)62モル%、パーフルオロメチルビニルエーテル(MVE)38モル%を有するモノマー混合物(20bar(2MPa)の最終圧力まで)、加硫酸アンモニウム(APS)0.9g、およびCH
2=CH−(CF
2)
6−CH=CH
234.05ml(20等分して変換5%増加ごとに供給した)を添加した。
TFE66モル%、MVE34モル%からなるモノマー混合物を供給することによって、20barの設定値圧力を維持し;モノマー混合物1.75kgを供給した後(467分間の全反応時間に相当する)、反応器を冷却し、195g
ポリマー/kg
ラテックスを含むラテックスを回収した。次いで、ラテックスを、実施例1で詳述した手順に従って、凝固させ、ゲルの形態下で精製した。
29.3℃のTg、2.34J/gの融解エンタルピーを有する超分岐フルオロエラストマーを得た。この材料は、50℃の温度でGALDEN(登録商標)D80(パーフルオロヘプタン)中3g/l未満の溶解度を有することがわかり、ASTM D4440に準拠して動的レオロジーにより特徴付けされる場合、0.01〜100rad/secの全実験枠において、G’>G”および0.2未満のtanδ、ならびにさらに5未満のG’
100/G’
0.01比を有することがわかった。
【0096】
実施例4−超分岐TFE/MVEパーフルオロエラストマー(以下、HB−FFKM D)の製造
CH
2=CH−(CF
2)
6−CH=CH
270ml(20等分して変換が5%増加する毎に供給した)を用いる以外は、実施例3の同じ手順を繰り返した。反応を267分間続行し、164g
ポリマー/kg
ラテックスの固形分を有するラテックスを得た。次いで、ラテックスを、上記で詳述したように、凝固させ、精製した。
48.7℃のTg、4.69J/gの融解エンタルピーを有する超分岐フルオロエラストマーを得た。この材料は、50℃の温度でGalden D80(パーフルオロヘプタン)中3g/l未満の溶解度を有することがわかり、ASTM D4440に準拠して動的レオロジーにより特徴付けされる場合、10
−2〜10
2rad/secの全実験枠においてG’>G”および0.2未満のtanδ、ならびにさらに5未満のG’(10
2rad/sec)/G’(10
−2rad/sec)比を有することがわかった。
【0097】
硬化試料での封止性および機械的特性の測定
開放ロールミルを用いて、パーフルオロエラストマーを添加剤および表中のすべての成分と予備コンパウンドした。O−リング(サイズクラス=214)を加圧金型内で硬化させ、次いで、空気循環炉内にて下記の表に特定した条件(時間、温度)で後処理した。
【0098】
硬化挙動は、160℃の温度でASTM D−6601に準拠して、以下の特性を測定することによって測定した:
M
L=最小トルク(lb
*in)
M
H=最大トルク(lb
*in)
t
S2=M
Lから2単位上昇の時間(sec);
t’
2=硬化状態2%までの時間(sec);
t’
50=硬化状態50%までの時間(sec);
t’
90=硬化状態90%までの時間(sec)。
【0099】
プレート(Plaque)を加圧金型内で硬化させ、次いで、空気循環炉内にて下記の条件(時間、温度)で後処理した。
引張特性は、DIN 53504 S2規格に準拠して、プレートから打ち抜いた試験片で測定した。
M100は、100%の伸びにおけるMPaの単位で表した引張強度である;
TSは、MPaの単位で表した引張強度である;
EBは、%単位で表した破断伸びである。
ショアA硬度(3”)(HDS)は、ASTM D 2240法に準拠して、積み重ねされた3片のプレートで測定した。
圧縮永久歪値は、積み重ねられたプレートから打ち抜いた3枚のディスクを組み合わせて、O−リング(規格AS568A(タイプ214)に準拠した試験片)、または6mmボタン(タイプ2)(ASTM D 395、B法に準拠した)のいずれかで測定した。
ベース生ゴムとしてFFKM−AおよびFFKM−Bをベースとする組成物について、硬化配合処方および条件および硬化したサンプルの特性はそれぞれ表1および表2に要約する。
【0100】
【0101】