【文献】
Alcatel-Lucent,FS_ProSe: ProSe Control Paths,3GPP TSG-SA WG1 #58 S1-121087,2012年 4月27日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG1_Serv/TSGS1_58_Seville/docs/S1-121087.zip
【文献】
Intel, III, Telecom Italia, Cisco, Motorola Mobility, Interdigital, NEC, Radisys,Use case: Enabling ProSe via LTE+WLAN,3GPP TSG-SA WG1 Meeting #58 S1-121089,2012年 5月14日,2.Discussion,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG1_Serv/TSGS1_58_Seville//Docs/S1-121089.zip
【文献】
Huawei, Telecom Italia,Requirements to switch to optimized path,3GPP TSG-SA WG1 Meeting #58 S1-121455,2012年 5月14日,5.1.5.3 Service Flow, 5.1.5.4 Requirements,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG1_Serv/TSGS1_58_Seville//Docs/S1-121455.zip
【文献】
3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group SA;Feasibility Study for Proximity,3GPP TR 22.803 V0.5.0,2012年 8月 6日,V0.5.0,4.2 Control paths for ProSe Communication,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG1_Serv/TSGS1_59_Chicago//Docs/S1-122531.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記D2D制御信号は、前記ユーザデータの通信に用いる送信電力及び前記ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式のうち、少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項6に記載の移動通信システム。
前記D2D制御信号は、前記第1割当モードと前記第2割当モードとの切り替えを要求する信号、前記ユーザデータの通信に用いる送信電力が閾値を上回ったことを示す信号、前記ユーザデータの通信に用いる送信電力が閾値を下回ったことを示す信号、前記ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式が閾値を下回ったことを示す信号、及び、前記ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式が閾値を上回ったことを示す信号のうち、少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項6に記載の移動通信システム。
前記D2D制御信号は、前記ユーザデータの通信に係るブロックエラーレートを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るパケットエラーレートを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るCQIを示す信号及び前記無線端末の処理負荷を示す信号のうち、少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項6に記載の移動通信システム。
前記D2D制御信号は、前記ユーザデータの通信に係るブロックエラーレートが閾値を上回っていることを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るブロックエラーレートが閾値を下回っていることを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るパケットエラーレートが閾値を上回っていることを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るパケットエラーレートが閾値を下回っていることを示す信号、前記ユーザデータの通信に係る所定のQoSが満たされているか否かを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るCQIが閾値を下回っていることを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るCQIが閾値を上回っていることを示す信号、前記無線端末の処理負荷が閾値を上回っていることを示す信号、及び、前記無線端末の処理負荷が閾値を下回っていることを示す信号のうち、少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項6に記載の移動通信システム。
前記第2割当モードにて前記ユーザデータの通信を行っている前記無線端末の数が、閾値を超えた場合に、前記第2割当モードから前記第1割当モードに割当モードを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下において、本発明の実施形態に係る移動通信システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0009】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0010】
[実施形態の概要]
実施形態に係る移動通信システムは、複数の無線端末の間でユーザデータの通信を、無線基地局を介さずに直接的に行う。前記複数の無線端末の間で直接的に行われるユーザデータの通信は、移動通信システムに割り当てられた無線リソースのうち、一部の無線リソースを用いて行われている。前記複数の無線端末は、前記ユーザデータを送信する送信側端末と、前記ユーザデータを受信する受信側端末とを含む。移動通信システムは、前記送信側端末又は前記受信側端末が前記ユーザデータの通信に用いる無線リソースを割当てる第1割当モードと前記無線基地局が前記ユーザデータの通信に用いる無線リソースを割当てる第2割当モードとの切り替えを行う。
【0011】
実施形態では、移動通信システムは、送信側端末又は受信側端末がユーザデータの通信に用いる無線リソースを割当てる第1割当モードと無線基地局がユーザデータの通信に用いる無線リソースを割当てる第2割当モードとの切り替えを行う。従って、送信側端末及び受信側端末に対して適切に無線リソースを割当てることができる。
【0012】
ここで、複数の無線端末の間で無線基地局を介さずに直接的に行われる通信は、D2D通信と称されることもある。D2D通信では、移動通信システムに割り当てられた無線リソースのうち、一部の無線リソース(D2D無線リソース)を用いて行われている。D2D無線リソースとしては、例えば、上りリンクの無線リソースの一部が用いられる。
【0013】
また、D2D通信においてユーザデータの通信に用いる無線リソースは、無線基地局によって割当てられてもよく、無線端末(送信側端末又は受信側端末)によって割当てられてもよい。
【0014】
また、第1実施形態では、前記複数の無線端末の間で直接的に行われるユーザデータの通信状態に基づいて、前記第1割当モードと前記第2割当モードとの切り替えを行う。
【0015】
また、第1実施形態では、前記複数の無線端末の間で直接的に行われるユーザデータの通信状態が悪化した場合に、前記第1割当モードから前記第2割当モードに割当モードを切り替える。
【0016】
また、第1実施形態では、前記複数の無線端末の間で直接的に行われるユーザデータの通信状態が改善した場合に、前記第2割当モードから前記第1割当モードに割当モードを切り替える。
【0017】
また、第1実施形態では、前記無線基地局は、前記送信側端末又は前記受信側端末から、前記ユーザデータの直接的な通信を制御するためのD2D制御信号を受信する基地局側受信部と、前記D2D制御信号に基づいて、前記第1割当モードと前記第2割当モードとの切り替えを制御する基地局側制御部とを備える。
【0018】
また、第1実施形態では、前記D2D制御信号は、前記ユーザデータの通信に用いる送信電力及び前記ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式のうち、少なくともいずれか1つである。
【0019】
また、第1実施形態では、前記D2D制御信号は、前記第1割当モードと前記第2割当モードとの切り替えを要求する信号、前記ユーザデータの通信に用いる送信電力が閾値を上回ったことを示す信号、前記ユーザデータの通信に用いる送信電力が閾値を下回ったことを示す信号、前記ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式が閾値を下回ったことを示す信号、及び、前記ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式が閾値を上回ったことを示す信号のうち、少なくともいずれか1つである。
【0020】
また、第1実施形態では、前記D2D制御信号は、前記ユーザデータの通信に係るブロックエラーレートを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るパケットエラーレートを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るCQIを示す信号及び前記無線端末の処理負荷を示す信号のうち、少なくともいずれか1つである。
【0021】
また、第1実施形態では、前記D2D制御信号は、前記ユーザデータの通信に係るブロックエラーレートが閾値を上回っていることを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るブロックエラーレートが閾値を下回っていることを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るパケットエラーレートが閾値を上回っていることを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るパケットエラーレートが閾値を下回っていることを示す信号、前記ユーザデータの通信に係る所定のQoSが満たされているか否かを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るCQIが閾値を下回っていることを示す信号、前記ユーザデータの通信に係るCQIが閾値を上回っていることを示す信号、前記無線端末の処理負荷が閾値を上回っていることを示す信号、及び、前記無線端末の処理負荷が閾値を下回っていることを示す信号のうち、少なくともいずれか1つである。
【0022】
また、第2実施形態では、前記無線基地局が、前記送信側端末からの干渉信号の受信強度が閾値を超えたと判定した場合に、前記第1割当モードから前記第2割当モードに割当モードを切り替える。
【0023】
また、第3実施形態では、前記第2割当モードにて前記ユーザデータの通信を行っている前記無線端末の数が、閾値を超えた場合に、前記第2割当モードから前記第1割当モードに割当モードを切り替える。
【0024】
また、実施形態に係る移動通信方法は、複数の無線端末の間でユーザデータの通信を、無線基地局を介さずに直接的に行う移動通信システムで用いる。当該移動通信方法では、前記複数の無線端末の間で直接的に行われるユーザデータの通信は、移動通信システムに割り当てられた無線リソースのうち、一部の無線リソースを用いて行われており、前記複数の無線端末は、前記ユーザデータを送信する送信側端末と、前記ユーザデータを受信する受信側端末とを含む。当該移動通信方法は、記送信側端末が前記ユーザデータの通信に用いる無線リソースを割当てる第1割当モードと前記無線基地局が前記ユーザデータの通信に用いる無線リソースを割当てる第2割当モードとの切り替えを行うステップを備える。
【0025】
[第1実施形態]
(移動通信システム)
以下において、第1実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
図1は、第1実施形態に係る移動通信システム100を示す図である。
【0026】
図1に示すように、移動通信システム100は、無線端末10(以下、UE10)と、コアネットワーク50とを含む。また、移動通信システム100は、第1通信システムと第2通信システムとを含む。
【0027】
第1通信システムは、例えば、LTE(Long Term Evolution)に対応する通信システムである。第1通信システムは、例えば、基地局110A(以下、MeNB110A)と、ホーム基地局110B(以下、HeNB110B)と、ホーム基地局ゲートウェイ120B(以下、HeNB−GW120B)と、MME130とを有する。
【0028】
なお、第1通信システムに対応する無線アクセスネットワーク(E−UTRAN;Evoled Universal Terrestrial Radio Access Network)は、MeNB110A、HeNB110B及びHeNB−GW120Bによって構成される。
【0029】
第2通信システムは、例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)に対応する通信システムである。第2通信システムは、基地局210A(以下、MNB210A)と、ホーム基地局210B(以下、HNB210B)と、RNC220Aと、ホーム基地局ゲートウェイ220B(以下、HNB−GW220B)と、SGSN230とを有する。
【0030】
なお、第2通信システムに対応する無線アクセスネットワーク(UTRAN;Universal Terrestrial Radio Access Network)は、MNB210A、HNB210B、RNC220A、HNB−GW220Bによって構成される。
【0031】
UE10は、第2通信システム或いは第1通信システムと通信を行うように構成された装置(User Equipment)である。例えば、UE10は、MeNB110A及びHeNB110Bと無線通信を行う機能を有する。或いは、UE10は、MNB210A及びHNB210Bと無線通信を行う機能を有する。
【0032】
MeNB110Aは、一般セル111Aを管理しており、一般セル111Aに存在するUE10と無線通信を行う装置(evolved NodeB)である。
【0033】
HeNB110Bは、特定セル111Bを管理しており、特定セル111Bに存在するUE10と無線通信を行う装置(Home evolved NodeB)である。
【0034】
HeNB−GW120Bは、HeNB110Bに接続されており、HeNB110Bを管理する装置(Home evolved NodeB Gateway)である。
【0035】
MME130は、MeNB110Aと接続されており、MeNB110Aと無線接続を設定しているUE10の移動性を管理する装置(Mobility Management Entity)である。また、MME130は、HeNB−GW120Bを介してHeNB110Bと接続されており、HeNB110Bと無線接続を設定しているUE10の移動性を管理する装置である。
【0036】
MNB210Aは、一般セル211Aを管理しており、一般セル211Aに存在するUE10と無線通信を行う装置(NodeB)である。
【0037】
HNB210Bは、特定セル211Bを管理しており、特定セル211Bに存在するUE10と無線通信を行う装置(Home NodeB)である。
【0038】
RNC220Aは、MNB210Aに接続されており、一般セル211Aに存在するUE10と無線接続(RRC Connection)を設定する装置(Radio Network Controller)である。
【0039】
HNB−GW220Bは、HNB210Bに接続されており、特定セル211Bに存在するUE10と無線接続(RRC Connection)を設定する装置(Home NodeB Gateway)である。
【0040】
SGSN230は、パケット交換ドメインにおいてパケット交換を行う装置(Serving GPRS Support Node)である。SGSN230は、コアネットワーク50に設けられる。
図1では省略しているが、回線交換ドメインにおいて回線交換を行う装置(MSC;Mobile Switching Center)がコアネットワーク50に設けられていてもよい。
【0041】
なお、一般セル及び特定セルは、UE10と無線通信を行う機能として理解すべきである。但し、一般セル及び特定セルは、セルのカバーエリアを示す用語としても用いられる。また、一般セル及び特定セルなどのセルは、セルで用いられる周波数、拡散コード又はタイムスロットなどによって識別される。
【0042】
ここで、一般セルのカバーエリアは、特定セルのカバーエリアよりも広い。一般セルは、例えば、通信事業者によって提供されるマクロセルである。特定セルは、例えば、通信事業者以外の第三者によって提供されるフェムトセル又はホームセルである。但し、特定セルは、通信事業者によって提供されるCSG(Closed Subscriber Group)セル又はピコセルであってもよい。
【0043】
なお、以下においては、第1通信システムについて主として説明する。但し、以下の記載が第2通信システムに適用されてもよい。
【0044】
ここで、第1通信システムでは、下りリンクの多重方式として、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式が用いられており、上りリンクの多重方式として、SC−FDMA(Single−Carrier Frequency Division Multiple Access)方式が用いられる。
【0045】
また、第1通信システムでは、上りリンクのチャネルとして、上りリンク制御チャネル(PUCCH;Physical Uplink Control Channel)及び上りリンク共有チャネル(PUSCH;Physical Uplink Shared Channel)などが存在する。また、下りリンクのチャネルとして、下りリンク制御チャネル(PDCCH;Physical Downlink Control Channel)及び下りリンク共有チャネル(PDSCH;Physical Downlink Shared Channel)などが存在する。
【0046】
上りリンク制御チャネルは、制御信号を搬送するチャネルである。制御信号は、例えば、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)、SR(Scheduling Request)、ACK/NACKなどである。
【0047】
CQIは、下りリンクの伝送に使用すべき推奨変調方式と符号化速度を通知する信号である。PMIは、下りリンクの伝送の為に使用することが望ましいプリコーダマトリックスを示す信号である。RIは、下りリンクの伝送に使用すべきレイヤ数(ストリーム数)を示す信号である。SRは、上りリンク無線リソース(後述するリソースブロック)の割当てを要求する信号である。ACK/NACKは、下りリンクのチャネル(例えば、PDSCH)を介して送信される信号を受信できたか否かを示す信号である。
【0048】
上りリンク共有チャネルは、制御信号(上述した制御信号を含む)又は/及びデータ信号を搬送するチャネルである。例えば、上りリンク無線リソースは、データ信号にのみ割当てられてもよく、データ信号及び制御信号が多重されるように割当てられてもよい。
【0049】
下りリンク制御チャネルは、制御信号を搬送するチャネルである。制御信号は、例えば、Uplink SI(Scheduling Information)、Downlink SI(Scheduling Information)、TPCビットである。
【0050】
Uplink SIは、上りリンク無線リソースの割当てを示す信号である。Downlink SIは、下りリンク無線リソースの割当てを示す信号である。TPCビットは、上りリンクのチャネルを介して送信される信号の電力の増減を指示する信号である。
【0051】
下りリンク共有チャネルは、制御信号又は/及びデータ信号を搬送するチャネルである。例えば、下りリンク無線リソースは、データ信号にのみ割当てられてもよく、データ信号及び制御信号が多重されるように割当てられてもよい。
【0052】
なお、下りリンク共有チャネルを介して送信される制御信号としては、TA(Timing Advance)が挙げられる。TAは、UE10とMeNB110Aとの間の送信タイミング補正情報であり、UE10から送信される上りリンク信号に基づいてMeNB110Aによって測定される。
【0053】
また、下りリンク制御チャネル(PDCCH)、下りリンク共有チャネル(PDSCH)以外のチャネルを介して送信される制御信号としては、ACK/NACKが挙げられる。ACK/NACKは、上りリンクのチャネル(例えば、PUSCH)を介して送信される信号を受信できたか否かを示す信号である。
【0054】
なお、一般セル及び特定セルは、報知チャネル(BCCH;Broadcast Control Channel)を介して報知情報を報知する。報知情報は、例えば、MIB(Master Information Block)やSIB(System Information Block)などの情報である。
【0055】
ここで、
図1では、特に図示していないが、第1通信システムは、MeNB110A(又はHeNB110B)とUE10との間のデータ通信を中継するリレーノードを有していてもよい。同様に、第2通信システムは、MNB210A(又はHNB210B)との間のデータ通信を中継するリレーノードを有していてもよい。
【0056】
(無線フレーム)
以下において、第1通信システムにおける無線フレームについて説明する。
図2は、第1通信システムにおける無線フレームを示す図である。
【0057】
図2に示すように、1つの無線フレームは、10のサブフレームによって構成されており、1つのサブフレームは、2つのスロットによって構成される。1つのスロットの時間長は、0.5msecであり、1つのサブフレームの時間長は、1msecであり、1つの無線フレームの時間長は、10msecである。
【0058】
なお、1つのスロットは、下りリンクにおいて、複数のOFDMシンボル(例えば、6つのOFDMシンボル或いは7つのOFDMシンボル)によって構成される。同様に、1つのスロットは、上りリンクにおいて、複数のSC−FDMAシンボル(例えば、6つのSC−FDMAシンボル或いは7つのSC−FDMAシンボル)によって構成される。
【0059】
(無線リソース)
以下において、第1通信システムにおける無線リソースについて説明する。
図3は、第1通信システムにおける無線リソースを示す図である。
【0060】
図3に示すように、無線リソースは、周波数軸及び時間軸によって定義される。周波数は、複数のサブキャリアによって構成されており、所定数のサブキャリア(12のサブキャリア)を纏めてリソースブロック(RB:Resource Block)と称する。時間は、上述したように、OFDMシンボル(又は、SC−FDMAシンボル)、スロット、サブフレーム、無線フレームなどの単位を有する。
【0061】
ここで、無線リソースは、1リソースブロック毎に割当て可能である。また、周波数軸及び時間軸上において、複数のユーザ(例えば、ユーザ#1〜ユーザ#5)に対して分割して無線リソースを割当てることが可能である。
【0062】
また、無線リソースは、MeNB110Aによって割当てられる。MeNB110Aは、CQI、PMI、RIなどに基づいて、各UE10に割当てられる。
【0063】
(適用ケース)
以下において、第1実施形態に係る適用ケースについて説明する。
図4は、第1実施形態に係る適用ケースについて説明するための図である。
図4では、UE10として、UE10A及びUE10Bが示されている。無線基地局310は、MeNB110A又はHeNB110Bであることが好ましい。但し、無線基地局310は、MNB210A又はHNB210Bであってもよい。或いは、無線基地局310は、リレーノードであってもよい。ネットワーク装置330は、コアネットワーク50に設けられる装置である。ネットワーク装置330は、MME130であってもよく、SGSN230であってもよい。
【0064】
図4に示すように、複数のUE10の間でユーザデータ(User−Planeのデータ)の通信は、無線基地局を介さずに直接的に行われる(以下、D2D通信)。一方で、制御データ(C−Plane)のデータの通信は、従来の移動通信システムと同様に、無線基地局310を経由して行われる。
【0065】
ここで、D2D通信は、移動通信システムに割り当てられた無線リソースのうち、一部の無線リソース(以下、D2D無線リソース)を用いて行われる。D2D無線リソースとしては、例えば、上りリンクの無線リソースの一部が用いられる。D2D通信においてユーザデータの通信に用いる無線リソースは、無線基地局310によって割当てられてもよく、UE10(送信側端末又は受信側端末)によって割当てられてもよい。
【0066】
D2D無線リソースは、例えば、無線基地局310によって管理される各セルから報知されることが好ましい。D2D無線リソースは、例えば、(Master Information Block)やSIB(System Information Block)に含まれる。
【0067】
(第1割当モード)
以下において、第1実施形態に係る第1割当モードについて説明する。
図5は、第1実施形態に係る第1割当モードについて説明するための図である。
図5では、UE10として、UE10A及びUE10Bが示されている。UE10Aは、送信側端末の一例であり、UE10Bは、受信側端末の一例である。
【0068】
図5に示すように、第1割当モードでは、D2D通信においてユーザデータの通信に用いる無線リソースをUE10(UE10A又はUE10B)が割り当てる。詳細には、UE10(UE10A又はUE10B)は、無線基地局310によって管理される各セルから報知されるD2D無線リソースの中から、D2D通信においてユーザデータの通信に用いる無線リソースを自律的に割当てる。UE10は、他のUE10に対して、割当てられた無線リソースを通知する(リソース割当)。
【0069】
UE10Aは、割当てられた無線リソースを用いて、ユーザデータをUE10Bに送信する。同様に、UE10Bは、割当てられた無線リソースを用いて、ユーザデータをUE10Aから受信する。
【0070】
(第2割当モード)
以下において、第1実施形態に係る第2割当モードについて説明する。
図6は、第1実施形態に係る第2割当モードについて説明するための図である。
図6では、UE10として、UE10A及びUE10Bが示されている。UE10Aは、送信側端末の一例であり、UE10Bは、受信側端末の一例である。
【0071】
図6に示すように、第2割当モードでは、D2D通信においてユーザデータの通信に用いる無線リソースを無線基地局310が割り当てる。詳細には、無線基地局310は、UE10A及びUE10Bに対して、D2D無線リソースの中から、D2D通信においてユーザデータの通信に用いる無線リソースを割当てる。無線基地局310は、UE10A及びUE10Bに対して、割当てられた無線リソースを通知する(リソース割当)。
【0072】
UE10Aは、割当てられた無線リソースを用いて、ユーザデータをUE10Bに送信する。同様に、UE10Bは、割当てられた無線リソースを用いて、ユーザデータをUE10Aから受信する。
【0073】
(送信側端末)
以下において、第1実施形態に係る送信側端末について説明する。ここでは、送信側端末として、UE10Aを例示する。
図7は、第1実施形態に係るUE10Aを示すブロック図である。
【0074】
図7に示すように、UE10Aは、受信部13Aと、送信部14Aと、制御部15Aとを有する。
【0075】
受信部13Aは、無線基地局310と行われる通信(以下、セルラ通信)において、無線基地局310からデータを受信する。受信部13Aは、D2D通信において、UE10Bからデータを受信する。例えば、受信部13Aは、D2D通信において、ユーザデータを受信できたか否かを示す送達確認信号(ACK/NACK)をUE10Bから受信してもよい。受信部13Aは、D2D通信において、無線基地局310を経由して送達確認信号を受信してもよい。
【0076】
送信部14Aは、セルラ通信において、無線基地局310にデータを送信する。送信部14Aは、D2D通信において、UE10Bにデータを送信する。例えば、送信部14Aは、D2D通信において、ユーザデータをUE10Bに送信する。また、送信部14Aは、制御部15Aから出力される指示に応じて、ユーザデータをUE10Bに再送する。
【0077】
第1実施形態において、送信部14Aは、ユーザデータの直接的な通信を制御するためのD2D制御信号を無線基地局310に送信してもよい。
【0078】
D2D制御信号は、例えば、第1割当モードと第2割当モードとの切り替えを要求する信号、ユーザデータの通信に用いる送信電力が閾値を上回ったことを示す信号、ユーザデータの通信に用いる送信電力が閾値を下回ったことを示す信号、ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式が閾値を下回ったことを示す信号、及び、ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式が閾値を上回ったことを示す信号のうち、少なくともいずれか1つである。
【0079】
制御部15Aは、UE10Aを制御する。具体的には、制御部15Aは、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信状態の変化を判断する。
【0080】
ここで、通信状態が改善したと判断されるケースは、ユーザデータの通信に用いる送信電力が閾値を下回ったケース、又は、ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式が閾値を上回ったケースである。或いは、通信状態が改善したと判断されるケースは、ブロックエラーレートが閾値を下回ったケース、パケットエラーレートが閾値を下回ったケース、所定のQoSが満たされたケース、CQIが閾値を上回ったケース、UE10Aの処理負荷が閾値を下回ったケースであってもよい。
【0081】
また、通信状態が悪化したと判断されるケースは、ユーザデータの通信に用いる送信電力が閾値を上回ったケース、又は、ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式が閾値を下回ったケースである。或いは、通信状態が悪化したと判断されるケースは、ブロックエラーレートが閾値を上回ったケース、パケットエラーレートが閾値を上回ったケース、所定のQoSが満たされなくなったケース、CQIが閾値を下回ったケース、UE10Aの処理負荷が閾値を上回ったケースであってもよい。
【0082】
ここで、制御部15Aは、通信状態が悪化したと判断された場合に、D2D制御信号の送信を送信部14Aに指示する。制御部15Aは、通信状態が改善したと判断された場合に、D2D制御信号の送信を送信部14Aに指示する。
【0083】
第1実施形態において、通信状態が悪化したと判断された場合には、D2D制御信号の送信によって、割当モードが第1割当モードから第2割当モードに切り替えられる。一方で、通信状態が改善したと判断された場合には、D2D制御信号の送信によって、割当モードが第2割当モードから第1割当モードに切り替えられる。
【0084】
(受信側端末)
以下において、第1実施形態に係る受信側端末について説明する。ここでは、受信側端末として、UE10Bを例示する。
図8は、第1実施形態に係るUE10Bを示すブロック図である。
【0085】
図8に示すように、UE10Bは、受信部13Bと、送信部14Bと、制御部15Bとを有する。
【0086】
受信部13Bは、セルラ通信において、無線基地局310からデータを受信する。受信部13Bは、D2D通信において、UE10Aからデータを受信する。例えば、受信部13Bは、D2D通信において、UE10Aから送信されたユーザデータ(初送)を受信する。また、送信部14Aは、UE10Aから再送されたユーザデータ(再送)を受信する。
【0087】
送信部14Bは、セルラ通信において、無線基地局310にデータを送信する。送信部14Aは、D2D通信において、UE10Aにデータを送信する。例えば、送信部14Bは、ユーザデータを受信できたか否かを示す送達確認信号(ACK/NACK)をUE10Aに送信してもよい。送信部14Bは、D2D通信におけるユーザデータに対する送達確認信号(ACK/NACK)を無線基地局310に送信してもよい。
【0088】
第1実施形態において、送信部14Bは、ユーザデータの直接的な通信を制御するためのD2D制御信号を無線基地局310に送信してもよい。ここで、D2D制御信号は、UE10A及びUE10Bの少なくともいずれか一方から無線基地局310に送信されればよい。
【0089】
制御部15Bは、UE10Bを制御する。例えば、制御部15Bは、制御部15Aと同様に、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信状態の変化を判断する。制御部15Bは、制御部15Aと同様に、通信状態が悪化したと判断された場合に、D2D制御信号の送信を送信部14Bに指示する。或いは、制御部15Bは、制御部15Aと同様に、通信状態が改善したと判断された場合に、D2D制御信号の送信を送信部14Bに指示する。
【0090】
上述したように、通信状態が悪化したと判断された場合には、D2D制御信号の送信によって、割当モードが第1割当モードから第2割当モードに切り替えられる。一方で、通信状態が改善したと判断された場合には、D2D制御信号の送信によって、割当モードが第2割当モードから第1割当モードに切り替えられる。
【0091】
(無線基地局)
以下において、第1実施形態に係る無線基地局について説明する。
図9は、第1実施形態に係る無線基地局310を示すブロック図である。
【0092】
図9に示すように、無線基地局310は、受信部313と、送信部314と、制御部315とを有する。
【0093】
受信部313は、UE10からデータを受信する。例えば、受信部313は、D2D通信において、ユーザデータを受信できたか否かを示す送達確認信号(ACK/NACK)をUE10Bから受信する。また、受信部313は、UE10AからUE10Bに送信されたユーザデータを受信してもよい。
【0094】
第1実施形態において、受信部313は、D2D制御信号を、UE10(UE10A又はUE10B)から受信する。
【0095】
送信部314は、UE10からデータを受信する。例えば、送信部314は、D2D通信において、送達確認信号(ACK/NACK)をUE10Bから受信する場合には、送達確認信号(ACK/NACK)に応じて、送達確認信号をUE10Aに送信する。例えば、送信部314は、UE10Bから受信する送達確認信号をUE10Aに中継してもよい。或いは、送信部314は、D2D通信においてユーザデータの通信に用いる無線リソースをUE10Aに割り当てる信号とともに、送達確認信号をUE10Aに送信してもよい。
【0096】
制御部315は、無線基地局310を制御する。具体的には、制御部315は、アップリンク及びダウンリンクの無線リソースをUE10に割当てる。ここで、制御部315は、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信に割当てられた無線リソースを、ユーザデータを受信するための受信リソースとして割当ててもよい。これによって、無線基地局310は、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータを受信することが可能である。
【0097】
第1実施形態において、制御部315は、D2D制御信号に応じて、第1割当モードと第2割当モードとを切り替える。例えば、制御部315は、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信状態が悪化した旨を示すD2D制御信号の受信に応じて、割当モードを第1割当モードから第2割当モードに切り替える。すなわち、制御部315は、UE10A及びUE10Bに対して、D2D通信においてユーザデータを受信するための無線リソースを割り当てる。
【0098】
一方で、制御部315は、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信状態が改善した旨を示すD2D制御信号の受信に応じて、割当モードを第2割当モードから第1割当モードに切り替える。すなわち、制御部315は、D2D通信においてユーザデータを受信するための無線リソースの割当に関与しない。
【0099】
(移動通信システムの動作)
以下において、第1実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
図10〜
図11は、第1実施形態に係る移動通信システム100の動作を示す図である。
【0100】
第1に、第1割当モードから第2割当モードに割当モードを切り替える手順について、
図10を参照しながら説明する。
【0101】
図10に示すように、ステップ10において、無線基地局310によって管理される各セルは、D2D無線リソースを報知する。D2D無線リソースは、例えば、(Master Information Block)やSIB(System Information Block)に含まれる。
【0102】
ステップ20において、UE10(UE10A又はUE10B)は、D2D無線リソースの中から、D2D通信においてユーザデータの通信に用いる無線リソースを自律的に割当てる。UE10は、他のUE10に対して、割当てられた無線リソースを通知する。
【0103】
ステップ30において、UE10Aは、ステップ20で割当てられた無線リソースを用いて、ユーザデータをUE10Bに送信する。同様に、UE10Bは、ステップ20で割当てられた無線リソースを用いて、ユーザデータをUE10Aから受信する。
【0104】
ステップ40において、UE10Bは、ユーザデータを受信することができたか否かを示す送達確認信号をUE10Aに送信する。
【0105】
ここで、ステップ20〜ステップ40までの処理は、端末主導処理(第1割当モード)であることに留意すべきである。
【0106】
ステップ50において、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信状態が悪化する。
【0107】
ステップ60において、UE10Aは、D2D制御信号を無線基地局310に送信する。ステップ70において、無線基地局310は、D2D制御信号に対する応答(D2D制御応答)をUE10Aに送信する。
【0108】
ここで、D2D制御信号は、第1割当モードから第2割当モードに割当モードを切り替えることを要求する信号、ユーザデータの通信に用いる送信電力が閾値を上回ったことを示す信号、及び、ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式が閾値を下回ったことを示す信号のうち、少なくともいずれか1つである。
【0109】
なお、ステップ60では、UE10AがD2D制御信号を送信するが、実施形態は、これに限定されるものではない。具体的には、UE10BがD2D制御信号を送信してもよい。
【0110】
ステップ80において、無線基地局310は、UE10A及びUE10Bに対して、D2D無線リソースの中から、D2D通信においてユーザデータの通信に用いる無線リソースを割当てる。無線基地局310は、UE10A及びUE10Bに対して、割当てられた無線リソースを通知する。
【0111】
なお、基地局主導処理(第2割当モード)においては、無線基地局310は、UE10と無線基地局310との間で行われるセルラ通信で用いる無線リソースのうち、各セルで報知されるD2D無線リソース以外の無線リソースをUE10A及びUE10Bに割当ててもよい。言い換えると、無線基地局310は、各セルで報知されるD2D無線リソース以外の無線リソースをD2D通信に割当ててもよい。
【0112】
ステップ90において、UE10Aは、ステップ80で割当てられた無線リソースを用いて、ユーザデータをUE10Bに送信する。同様に、UE10Bは、ステップ80で割当てられた無線リソースを用いて、ユーザデータをUE10Aから受信する。
【0113】
ステップ100において、UE10Bは、ユーザデータを受信することができたか否かを示す送達確認信号を無線基地局310に送信する。無線基地局310は、送達確認信号がNACKである場合には、ユーザデータの再送に必要な無線リソースを割り当てるとともに、送達確認信号(ACK/NACK)をUE10Aに送信することが好ましい。或いは、複数のUE10の間で直接的に行われるユーザデータを無線基地局310が受信する場合には、無線基地局310は、送達確認信号(NACK)に応じて、D2D通信に係るユーザデータの再送制御を行ってもよい。
【0114】
ここで、ステップ80〜ステップ100までの処理は、基地局主導処理(第2割当モード)であることに留意すべきである。
【0115】
第2に、第2割当モードから第1割当モードに割当モードを切り替える手順について、
図11を参照しながら説明する。
【0116】
図11に示すように、ステップ10Aにおいて、無線基地局310によって管理される各セルは、D2D無線リソースを報知する。D2D無線リソースは、例えば、(Master Information Block)やSIB(System Information Block)に含まれる。
【0117】
ステップ20Aにおいて、無線基地局310は、UE10A及びUE10Bに対して、D2D無線リソースの中から、D2D通信においてユーザデータの通信に用いる無線リソースを割当てる。無線基地局310は、UE10A及びUE10Bに対して、割当てられた無線リソースを通知する。
【0118】
なお、基地局主導処理(第2割当モード)においては、無線基地局310は、UE10と無線基地局310との間で行われるセルラ通信で用いる無線リソースのうち、各セルで報知されるD2D無線リソース以外の無線リソースをUE10A及びUE10Bに割当ててもよい。言い換えると、無線基地局310は、各セルで報知されるD2D無線リソース以外の無線リソースをD2D通信に割当ててもよい。
【0119】
ステップ30Aにおいて、UE10Aは、ステップ20Aで割当てられた無線リソースを用いて、ユーザデータをUE10Bに送信する。同様に、UE10Bは、ステップ20Aで割当てられた無線リソースを用いて、ユーザデータをUE10Aから受信する。
【0120】
ステップ40Aにおいて、UE10Bは、ユーザデータを受信することができたか否かを示す送達確認信号を無線基地局310に送信する。無線基地局310は、送達確認信号がNACKである場合には、ユーザデータの再送に必要な無線リソースを割り当てるとともに、送達確認信号(ACK/NACK)をUE10Aに送信することが好ましい。或いは、複数のUE10の間で直接的に行われるユーザデータを無線基地局310が受信する場合には、無線基地局310は、送達確認信号(NACK)に応じて、D2D通信に係るユーザデータの再送制御を行ってもよい。
【0121】
ここで、ステップ20A〜ステップ40Aまでの処理は、基地局主導処理(第2割当モード)であることに留意すべきである。
【0122】
ステップ50Aにおいて、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信状態が改善する。
【0123】
ステップ60Aにおいて、UE10Aは、D2D制御信号を無線基地局310に送信する。ステップ70Aにおいて、無線基地局310は、D2D制御信号に対する応答(D2D制御応答)をUE10Aに送信する。
【0124】
なお、ステップ60Aでは、UE10AがD2D制御信号を送信するが、実施形態は、これに限定されるものではない。具体的には、UE10BがD2D制御信号を送信してもよい。
【0125】
ここで、D2D制御信号は、第2割当モードから第1割当モードに割当モードを切り替えることを要求する信号、ユーザデータの通信に用いる送信電力が閾値を下回ったことを示す信号、及び、ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式が閾値を上回ったことを示す信号のうち、少なくともいずれか1つである。
【0126】
ステップ80Aにおいて、UE10(UE10A又はUE10B)は、D2D無線リソースの中から、D2D通信においてユーザデータの通信に用いる無線リソースを自律的に割当てる。UE10は、他のUE10に対して、割当てられた無線リソースを通知する。
【0127】
ステップ90Aにおいて、UE10Aは、ステップ80Aで割当てられた無線リソースを用いて、ユーザデータをUE10Bに送信する。同様に、UE10Bは、ステップ80Aで割当てられた無線リソースを用いて、ユーザデータをUE10Aから受信する。
【0128】
ステップ100Aにおいて、UE10Bは、ユーザデータを受信することができたか否かを示す送達確認信号をUE10Aに送信する。
【0129】
ここで、ステップ80A〜ステップ100Aまでの処理は、端末主導処理(第1割当モード)であることに留意すべきである。
【0130】
(作用及び効果)
第1実施形態では、移動通信システム100は、UE10(UE10A又はUE10B)がユーザデータの通信に用いる無線リソースを割当てる第1割当モードと無線基地局310がユーザデータの通信に用いる無線リソースを割当てる第2割当モードとの切り替えを行う。従って、UE10(UE10A及びUE10B)に対して適切に無線リソースを割当てることができる。
【0131】
詳細には、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信状態が劣悪である場合に、第2割当モード(基地局主導処理)が適用されるため、セル全体の干渉を考慮して、D2D通信に係るユーザデータの通信に用いる無線リソースを割り当てることが可能である。従って、D2D通信に係るユーザデータの通信状態の改善が見込める。
【0132】
一方で、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信状態が良好である場合に、第1割当モード(端末主導処理)が適用されるため、無線基地局310の処理負荷が軽減される。また、D2D通信に係るユーザデータの通信に用いる無線リソースの割当について自由度が増大する。
【0133】
[第2実施形態]
(移動通信システムの動作)
次に、第2実施形態に係る移動通信システムの動作について、
図12を用いて説明する。なお、上述した実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の部分は、説明を適宜省略する。
【0134】
図12は、第2実施形態に係る移動通信システム100の動作を示すシーケンス図である。
【0135】
上述した第1実施形態では、ユーザデータの通信状態に基づいて、第1割当モードと第2割当モードとの切り替えを行ったが、本実施形態において、無線基地局310が、D2D通信を行うUE10からの干渉信号の受信強度が閾値を超えたと判定した場合に、第1割当モードから第2割当モードに割当モードを切り替える。
【0136】
図12に示すステップ110からステップ130及びステップ140は、第1実施形態の
図10のステップ10からステップ30及びステップ40に対応する。
【0137】
図12に示すように、ステップ135において、ステップ130におけるUE10Aのユーザデータの送信により、無線基地局310は、UE10Aから干渉信号を受信する。
【0138】
ステップ150において、無線基地局310は、UE10Aからの干渉信号が閾値を超えたか否かを判定する。無線基地局310は、干渉信号が閾値を超えたと判定した場合には、ステップ160の処理を行う。本実施形態において、無線基地局310が、UE10Aからの干渉信号が閾値を超えたと判定したと仮定して、説明を進める。
【0139】
ステップ160において、無線基地局310は、UE10A及びUE10Bに第1切替要求を送信する。UE10A及びUE10Bは、第1切替要求を受信する。
【0140】
第1切替要求は、第1割当モードから第2割当モードに割当モードを切り替えることを要求する信号、又は、UE10Aからの干渉信号が閾値を超えたことを示す信号の少なくともいずれか1つである。
【0141】
なお、D2D通信において無線リソースを割り当てるUE10にのみ第1切替要求を送信してもよい。
【0142】
ステップ170において、UE10A及びUE10Bは、第1切替要求対する応答(第1切替要求応答)を無線基地局310に送信する。
【0143】
ステップ180からステップ200は、第1実施形態の
図10のステップ80からステップ100に対応する。
【0144】
(作用及び効果)
第2実施形態に係る移動通信システム100では、無線基地局310がUE10Aからの干渉信号が閾値を超えと判定した場合に、第1割当モードから第2割当モードに割当モードを切り替える。従って、無線基地局310がD2D通信を行うUE10から受ける干渉を抑制することができる。また、セル全体の干渉を考慮して、D2D通信に係るユーザデータの通信に用いる無線リソースを割り当てることが可能である。
【0145】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る移動通信システムの動作について、
図13を用いて説明する。なお、上述した第1及び第2実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の部分は、説明を適宜省略する。
【0146】
図13は、第3実施形態に係る移動通信システム100の動作を示すシーケンス図である。
【0147】
上述した第1実施形態では、ユーザデータの通信状態に基づいて、第1割当モードと第2割当モードとの切り替えを行ったが、本実施形態において、D2D通信を行うUE10の数が、閾値を超えた場合に、第2割当モードから第1割当モードに割当モードを切り替える。
【0148】
図13に示すステップ210Aからステップ240Aは、第1実施形態の
図11のステップ10Aからステップ40Aに対応する。
【0149】
図13に示すように、ステップ250において、無線基地局310は、D2D通信を行うUE10の数が閾値を超えたか否かを判定する。具体的には、無線基地局310は、無線基地局310が管理するセルに在圏しながらD2D通信を行うUE10の数が閾値を超えたか否かを判定する。
【0150】
無線基地局310は、D2D通信を行うUE10の数が、閾値を超えたと判定した場合には、ステップ260Aの処理を行う。無線基地局310は、無線基地局310の上位装置からD2D通信を行うUE10の数を通知されることによって、D2D通信を行うUE10の数が閾値を超えたか否かを判定してもよい。
【0151】
本実施形態において、無線基地局310が、D2D通信を行うUE10の数が、閾値を超えたと判定したと仮定して、説明を進める。
【0152】
なお、D2D通信を行うUE10の数は、実際にD2D通信を行うUE10の端末数であってもよいし、D2D通信を行うUE10のグループの数であってもよい。
【0153】
ステップ260Aにおいて、無線基地局310は、UE10A及びUE10Bに第2切替要求を送信する。UE10A及びUE10Bは、第2切替要求を受信する。
【0154】
第2切替要求は、第2割当モードから第1割当モードに割当モードを切り替えることを要求する信号、又は、D2D通信を行うUE10の数が閾値を超えたことを示す信号の少なくともいずれか1つである。
【0155】
なお、D2D通信において無線リソースを割り当てるUE10にのみ第2切替要求を送信してもよい。
【0156】
ステップ270Aにおいて、UE10A及びUE10Bは、第2切替要求対する応答(第2切替要求応答)を無線基地局310に送信する。
【0157】
ステップ280Aからステップ300Aは、第1実施形態の
図11のステップ80Aからステップ100Aに対応する。
【0158】
なお、無線基地局310は、D2D通信を行うUE10の数が、閾値以下になったと判定した場合、上述した第2実施形態で説明した第1切替要求をUE10A及びUE10Bに送信してもよい。これにより、D2D通信を行うUE10の数が、閾値以下である場合は、第1割当モードで移動通信システム100が運用される。
【0159】
なお、ここでの閾値は、ステップ250における閾値と同じであってもよいし、ステップ250における閾値未満の値であってもよい。
【0160】
(作用及び効果)
第3実施形態に係る移動通信システム100では、D2D通信を行うUE10の数が、閾値を超えと判定した場合に、第2割当モードから第1割当モードに割当モードを切り替える。これにより、無線基地局310の処理負荷が軽減される。また、D2D通信に係るユーザデータの通信に用いる無線リソースの割当について自由度が増大する。
【0161】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0162】
実施形態では、D2D通信において、2つのUE10が通信を行うケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。具体的には、D2D通信において、3つ以上のUE10が通信を行ってもよい。
【0163】
実施形態では、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信状態の変化をUE10(UE10A又はUE10B)が判断する。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。具体的には、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信状態の変化を無線基地局310が判断してもよい。
【0164】
このようなケースでは、無線基地局310は、UE10(UE10A又はUE10B)から受信するD2D制御信号に基づいて、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信状態の変化を判断する。D2D制御信号は、ユーザデータの通信に用いる送信電力を示す信号、又は、ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式を示す信号である。
【0165】
実施形態では、UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信の変化は、主として、ユーザデータの通信に用いる送信電力、又は、ユーザデータの通信に用いる変調符号化方式に基づいて判断される。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。UE10AとUE10Bとの間で直接的に行われるユーザデータの通信の変化は、ブロックエラーレート、パケットエラーレート、所定のQoSが満たされているか否か、CQI及びUE10の処理負荷のいずれか1つに基づいて判断されてもよい。
【0166】
例えば、ユーザデータの通信状態の変化をUE10(UE10A又はUE10B)が判断するケースでは、D2D制御信号は、D2D通信に係るブロックエラーレートが閾値を上回っていることを示す信号、D2D通信に係るブロックエラーレートが閾値を下回っていることを示す信号、D2D通信に係るパケットエラーレートが閾値を上回っていることを示す信号、D2D通信に係るパケットエラーレートが閾値を下回っていることを示す信号、D2D通信に係る所定のQoSが満たされているか否かを示す信号、D2D通信に係るCQIが閾値を下回っていることを示す信号、D2D通信に係るCQIが閾値を上回っていることを示す信号、UE10の処理負荷が閾値を上回っていることを示す信号、及び、UE10の処理負荷が閾値を下回っていることを示す信号のうち、少なくともいずれか1つである。
【0167】
或いは、ユーザデータの通信状態の変化を無線基地局310が判断するケースでは、D2D制御信号は、D2D通信に係るブロックエラーレートを示す信号、D2D通信に係るパケットエラーレートを示す信号、D2D通信に係るCQIを示す信号及びUE10の処理負荷を示す信号のうち、少なくともいずれか1つである。
【0168】
実施形態では、第1割当モードと第2割当モードとを切り替える主体は、主として、UE10(UE10A又はUE10B)である。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、第1割当モードと第2割当モードとを切り替える主体は、無線基地局310であってもよい。このようなケースでは、無線基地局310は、第1割当モードと第2割当モードとの切り替えを要求する信号をUE10(UE10A又はUE10B)に送信する。
【0169】
上述した実施形態では特に触れていないが、UE10(UE10A又はUE10B)が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
【0170】
或いは、UE10(UE10A又はUE10B)が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【0171】
また、上述した第2実施形態において、無線基地局310の代わりに、無線基地局310の上位装置が干渉判定を行ってもよい。すなわち、ネットワーク側で、干渉判定が行われてもよい。また、上述した第3実施形態において、無線基地局310の代わりに、無線基地局310の上位装置が、D2D通信を行うUE10の数が閾値を超えたか否かを判定してもよい。この場合、上位装置がD2D通信を行うUE10の数が閾値を超えたことを無線基地局310に通知し、無線基地局310が、UE10A及びUE10Bに第2切替要求を送信する。
【0172】
また、上述した第1から第3実施形態では、無線基地局310が、UE10A及びUE10Bに対して無線リソースを割当てた後にユーザデータを受信したUE10Bは、送達確認信号を無線基地局310に送信していたが、これに限られない。すなわち、UE10Bは、無線リソースを割当てているノード(例えば、無線基地局310)に対して、送達確認信号を送信する代わりに、それ以外のノード(例えば、UE10A)に対して、送達確認信号を送信してもよい。例えば、第1実施形態のステップ80において、無線基地局310が、準静的に割当てられた無線リソース(無線基地局310に割り当てられた無線リソース内でUE10A及びUE10Bがある程度自由に選択可能な無線リソース)を通知している場合、UE10Bは、無線基地局310に送達確認信号を送信する代わりに、UE10Aに送達確認信号を送信してもよい。
【0173】
また、上述した第1から第3実施形態では、UE10Bから割り当てられた無線リソースを用いてUE10Aが送信したユーザデータを受信したUE10Bは、ユーザデータを受信することができたか否かを示す送達確認信号をUE10Aに送信していたが、これに限られない。すなわち、UE10Bは、UE10Bが無線リソースを割り当てたノード(例えば、UE10A)に対して、送達確認信号を送信する代わりに、それ以外のノード(例えば、無線基地局310)に対して、送達確認信号を送信してもよい。例えば、第1実施形態のステップ20において、UE10Bが、準静的に割当てられた無線リソースをUE10Aに通知している場合、UE10Bは、UE10Aに送達確認信号を送信する代わりに、無線基地局310に送達確認信号を送信してもよい。
【0174】
また、上述した第1実施形態から第3実施形態は、適宜組み合わせることも可能である。例えば、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせて、第1切替要求及び第2切替要求によって、第1割当モードと第2割当モードとの切り替えを制御してもよい。他にも、無線基地局310が配置されるエリアの特性に合わせて適宜選択することが可能である。具体的には、多くのUE10によってD2D通信が行われる可能性が高いオフィス街では、予め第2実施形態に係る移動通信システムによって運用し、多くのUE10によってD2D通信が行われる可能性が低い郊外では、第3実施啓太に係る移動通信システムによって運用されてもよい。他にも、時間帯(例えば、日中及び夜間)によって、第1実施形態から第3実施形態を適宜選択することも可能である。
【0175】
なお、米国仮出願第61/664939号(2012年6月27日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。