特許第6017559号(P6017559)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017559
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】DYRK1阻害剤およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 513/04 20060101AFI20161020BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20161020BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20161020BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20161020BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   C07D513/04 351
   C07D513/04CSP
   A61K31/5377
   A61K31/519
   A61K45/00
   A61P43/00 111
   A61P35/00
   A61P25/28
【請求項の数】22
【全頁数】98
(21)【出願番号】特願2014-525468(P2014-525468)
(86)(22)【出願日】2012年8月17日
(65)【公表番号】特表2014-525928(P2014-525928A)
(43)【公表日】2014年10月2日
(86)【国際出願番号】EP2012066151
(87)【国際公開番号】WO2013026806
(87)【国際公開日】20130228
【審査請求日】2015年6月9日
(31)【優先権主張番号】11178190.2
(32)【優先日】2011年8月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514041812
【氏名又は名称】ディアクソンヒット
【氏名又は名称原語表記】DIAXONHIT
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100156100
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 満
(72)【発明者】
【氏名】ベルトラン・ルブロン
(72)【発明者】
【氏名】アンヌ−ソフィー・カサグランデ
(72)【発明者】
【氏名】ローラン・デジール
(72)【発明者】
【氏名】アリシア・フークール
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー・ベッソン
【審査官】 伊藤 佑一
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第02447791(GB,A)
【文献】 国際公開第95/019970(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/041655(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/103240(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中
Xは窒素原子であり;
Yは酸素原子、硫黄原子、NH基またはN−(C1−C3)アルキル基であり;
R1は−C(=A)−B基であり、ここで
AはNHまたはOであり、
BはOR5またはNR5R6基であり、ここで
R5およびR6は水素原子および無置換または置換C1−C8アルキル基より独立して選択され;
あるいはまた、AおよびBは、独立して、窒素および/または酸素原子であり、それらの結合する炭素原子と一緒になってヘテロシクロアルキル基を形成することができ;
R2は水素原子または無置換C1−C8アルキル基であり;
R3は無置換または置換C1−C8アルキルであるか、あるいは無置換または置換アリールまたはヘテロアリール基であり;
R4は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基あるいは無置換または置換C1−C5アルキル基であり;
R7およびR8は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基あるいは無置換または置換C1−C5アルキル基より独立して選択される]
で示される化合物。
【請求項2】
AおよびBが、独立して、窒素および/または酸素原子であり、それらの結合する炭素原子と一緒になってジヒドロイミダゾールまたはジヒドロオキサゾールであるヘテロシクロアルキル基を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
・Yが硫黄原子であるか;
・AがNHであるか;
・AがNHであって、BがNR基であるか;
・AがNHであって、BがOR基であるか;
・AがNHであって、BがOCH基であるか;
・AがOであって、BがNHであるか;
・R6が水素原子であるか;
・R2が水素原子であるか;
・R3が無置換アルキル基、アルコキシル基で置換されているアルキル基、シクロアルキル基で置換されているアルキル基、あるいはアリールまたはヘテロアリール基で置換されているアルキル基であるか;
・R3が無置換アリール基、あるいはハロゲン原子およびアルコキシル基から選択される少なくとも1つの基で置換されているアリール基であるか;または
・R4、R6および/またはR7が水素原子である、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
・R3がメトキシル基またはシクロヘキシル基で置換されているアルキル基であるか;
・R3がメトキシル基で置換されているアリール基であるか;あるいは
・R4、R6およびR7が水素原子である、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R3が置換または無置換アリールまたはヘテロアリール基である、請求項1〜4のいずれか記載の化合物。
【請求項6】
・Yが硫黄原子であり;
・AがNHであり;
・BがOR5基であり、ここでR5が無置換(C1−C8)アルキル基であり;
・R2、R4、R7およびR8が水素原子であり;
・R3が(C1−C4)アルコキシ基で置換されているエチル基、あるいはアリール基である、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
・Bがメチルまたはエチル基であり;
・R3がメトキシ基で置換されているエチル基;または(C1−C4)アルキル、ハロゲン原子および(C1−C4)アルコキシ基からなる群から選択される1または2個の置換基で置換されているフェニル基である、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
R3がメチル基、エチル基、フッ素原子、塩素原子およびメトキシ基からなる群から選択される1または2個の置換基で置換されているフェニル基である、請求項6記載の化合物。
【請求項9】
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 1、
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 2、
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 3、
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 4、
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 5、
N−ベンジル−9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 6、
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N,N−ジメチルチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 7、
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 8、
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 9、
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 10、
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 11、
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 12、
N−ベンジル−9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 13、
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 14、
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−イソプロピルチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 15、
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(4−フルオロベンジル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 16、
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(3−フルオロベンジル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 17、
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(シクロヘキシルメチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 18、
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(ピリジン−4−イルメチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 19、
9−(3−シアノフェニルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 20、
9−(3−シアノフェニルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 21、
N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 22、
N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)−9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 23、
9−(4−メトキシフェニルアミノ)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 24、
N−ベンジル−9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 25、
9−(4−メトキシフェニルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 26、
9−(4−メトキシフェニルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 27、
9−(4−メトキシフェニルアミノ)−N,N−ジメチルチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 28、
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 29、
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 30、
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 31、
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−ベンジルチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 32、
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 33、
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 34、
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 35、
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 36、
9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 37、
9−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 38、
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 39、
9−(3,4−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 40、
N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−9−アミン 41、
2−(4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)−N−(4−メトキシフェニル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−9−アミン 42、
メチル 9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 43、
メチル 9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 44、
メチル 9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 45、
メチル 9−((4−メトキシフェニル)(メチル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 46、
メチル 9−(7−ブロモベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 47、
メチル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 48、
メチル 9−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 49、
メチル 9−((2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)(メチル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 50、
メチル 9−(3,4−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 51、
メチル 9−((3,4−ジメトキシフェニル)(メチル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 52、
メチル 9−(4−ヒドロキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 53、
メチル 9−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 54、
メチル 9−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 55、
メチル 9−(4−クロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 56、
メチル 9−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 57、
メチル 9−(3−エチニルフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 58、
メチル 9−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 59、
メチル 9−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 60、
メチル 9−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 61、
メチル 9−(2,4−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 62、
メチル 9−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 63、
メチル 9−(フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 64、
メチル 9−(p−トリルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 65、
メチル 9−(4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 66、
メチル 9−(3−シアノフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 67、
メチル 9−(2−ブロモ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 68、
メチル 9−(2−フルオロ−4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 69、
メチル 9−(4−シアノフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 70、
メチル 9−(4−クロロ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 71、
メチル 9−(2,4−ジクロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 72、
メチル 9−(4−メトキシ−3−ニトロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 73、
メチル 9−(4−tert−ブチルフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 74、
メチル 9−(3−クロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 75、
メチル 9−(4−(ジメチルアミノ)フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 76、
メチル 9−(4−(ピロリジン−1−イル)フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 77、
メチル 9−(2,4−ジフルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 78、
メチル 9−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 79、
メチル 9−(4−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 80、
エチル 9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 81、
エチル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 82、
ベンジル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 83、
メチル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシレート 84、
イソプロピル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 85、
9−((2−ブロモ−4−フルオロフェニル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 86、
9−((2,4−ジクロロフェニル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 87、
ブチル 9−((2,4−ジクロロフェニル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 88、
メチル 9−((2,4−ジクロロフェニル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシレート 89
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項11】
他の医薬的に活性な薬物をさらに含む、請求項10記載の医薬組成物。
【請求項12】
医薬として用いるための請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
DYRK1Aおよび/またはDYRK1Bの阻害に用いるための、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
DYRK1Aおよび/またはDYRK1Bの阻害に用いるための、請求項10または11記載の医薬組成物。
【請求項15】
DYRK1Aおよび/またはDYRK1Bの発現または活性と関連付けられる疾患の治療に用いるための、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
DYRK1Aおよび/またはDYRK1Bの発現または活性と関連付けられる疾患の治療に用いるための、請求項10または11記載の医薬組成物。
【請求項17】
癌、ダウン症候群またはアルツハイマー病の治療に用いるための、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
癌、ダウン症候群またはアルツハイマー病の治療に用いるための、請求項10または11記載の医薬組成物。
【請求項19】
a)アッペル塩(4,5−ジクロロ−1,2,3−ジチアゾール−1−イウム クロリド:
【化2】
を、式(III):
【化3】
[式中、(PG)はBoc基であり、Halはハロゲン原子である]
で示される化合物と縮合させ、式(IV):
【化4】
で示される化合物を形成させる工程;
b)式(IV)の化合物のアミノ基を脱保護し、式(V):
【化5】
の得られた化合物を環化し、式(VI):
【化6】
で示される化合物を形成させる工程;
c)工程b)で得られる式(VI)の化合物をジメチルホルムアミド・ジメチルアセタールでアミノ化し、式(VII):
【化7】
で示される化合物を形成させる工程;および
d)工程c)で得られる式(VII)の化合物を環化し、ジムロート転位を介して、式(VIII):
【化8】
で示される三環式化合物を形成させる工程
を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の式Iで示される化合物の合成方法。
【請求項20】
HalがBr原子である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
式(III)、(VI)または(VII):
【化9】
[式中
R7およびR8は請求項1に定義されるとおりであり、
Halはハロゲン原子であり、および
(PG)はBoc基である]
で示される化合物。
【請求項22】
HalがBr原子である、請求項21記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダウン症候群または初期アルツハイマー病の改善、治療または調整において、あるいは癌、特に固形腫瘍の改善、治療または調整において有用である、新規チアゾロ[5,4−f]キナゾリン化合物および方法に関する。さらに詳細には、本発明は、DYRK1Aおよび/またはDYRK1B阻害剤に、およびかかる化合物の製法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロテインキナーゼは、タンパク質のリン酸化、すなわちヒト疾患において高い頻度で調節解除される、重要な細胞調節機構に触媒作用を及ぼす酵素である。その結果として、プロテインキナーゼは新たな治療薬を探求する製薬業界に興味深い標的を示すこととなる。518個のヒトプロテインキナーゼ遺伝子がヒトカイノームにて同定されている(Manning G.ら、Science, 2002, 298, 1912-34)。多くの生理学的プロセスを調整する細胞内シグナル伝達経路にて、プロテインキナーゼが重要な因子であることは周知である。大部分のキナーゼがセリンとスレオニンの両方に対して作用し、他がチロシンに対して作用し、そのうちのいくらか(二重特異性キナーゼ)が3つ全てに対して作用する。
【0003】
二重特異性チロシン調節キナーゼ(DYRK)は、真核生物のカイノームのCMGC群内にて一連のプロテインキナーゼを構成する(CMGC:サイクリン依存性キナーゼ(CDK)、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)、グリコーゲンシンターゼキナーゼ(GSK)、およびCDK様キナーゼ(CLK))。DYRKファミリーはヒトにて5つのメンバー、すなわちDYRK1A、DYRK1B、DYRK2、DYRK3およびDYRK4を構成する(Beckerら、J. Biol. Chem., 1998, 273(40), 25893-902)。
【0004】
DYRK1Aは、細胞増殖を調節するシグナル伝達経路にて重要な役割を果たし、脳の発達に関与しているかもしれない。
【0005】
DYRK1Aの発現が、成長期から成人期までの中枢神経系のいくつかの領域にて、特に大脳皮質、海馬および小脳にて検出されている。Dyrk1Aノックアウトマウスは胚性致死であり、Dyrk1Aを過剰発現するトランスジェニックマウスは学習および記憶障害を示す。ヒトDYRK1A遺伝子は、それがヒト染色体21のダウン症候群(DS)臨界領域の位置にあり、DS患者において3コピーにて存在するため、ダウン症候群の発症機序と関連付けられた。DS患者にてトリソミー作動性過剰発現が証明されており、DSでのDYRK1A過剰発現はDS患者で観察される初期のアルツハイマー病(AD)表現型とも関連付けられる。
【0006】
DSにおいて、DYRK1Aの増強された活性の神経発生および神経変性の両方における病因的役割は、それを認知改善および神経保護のための治療的介入の標的とすることである。しかしながら、多くの研究(Kimuraら、Hum. Mol. Genet., 2007, 16(1), 15-23、およびWegielら、FEBS J., 2011, 278(2), 236-45を検討のために参照のこと)は、DYRK1Aの過剰発現が、DSにて認められるが、ADおよび他の神経変性疾患でも認められる、アミロイド症および神経原線維変性の両方の増強に寄与する主要な危険因子であり得たことを示す。その上、高レベルのAβペプチドはDYRK1A発現をアップレギュレートし、過剰発現されたDYRK1Aの神経原線維変性およびベータ−アミロイド症への寄与を増強させるかもしれない。
【0007】
DYRK1Aは、ADにおけるキープレーヤー、すなわちAPP、Tau、プレセニリンおよびセプチン−4をリン酸化し、DYRK1Aは、その基質がGSK3、すなわちADにおける鍵となるキナーゼによってさらにリン酸化されることを可能とする、プライミングキナーゼとして作用する。
【0008】
DYRK1Aトランスジェニックマウスの海馬にて、およびDSおよびAD患者の脳にて検出される高Aβレベルは、DYRK1Aの過剰発現がAPP切断およびAβ産生を促進することを示唆する。Ryooら(J. Neurochem., 2008, 104 (5), 1333-44)による最近の研究は、DYRK1AがAPPをThr668でインビトロおよび哺乳動物細胞にてリン酸化することを明らかにした。高レベルのホスホ−APPが、ADにて、特にその海馬にて観察される。APPのThr668でのリン酸化は、BACE1およびガンマ−セクレターゼによるAPPの切断を促進し、Aβの産生を高めるかもしれない(Vingtdeuxら、Neurobiol. Dis., 2005, 20 (2), 625-37)。Dyrk1Aはまた、Thr(354)でのPS1リン酸化を制御することによりAβ産生に寄与するかもしれない。高AβレベルはDYRK1Aトランスジェニックマウスの海馬にて、およびDS患者の脳にて検出され、そのことはDYRK1Aの過剰発現がAPP切断およびAβ産生を促進することを示唆する。かくして、DYRK1Aの阻害は、Aβペプチドの形成を制御または軽減し、その結果として脳でのベータアミロイドプラーク形成を軽減するのに特に有用である可能性がある。したがって、DYRK1AはADおよび他のアミロイド関連障害の治療に有用であり得る。
【0009】
高DYRK1A活性がダウン症候群の認知障害およびアルツハイマー病の発症の一因であるとの仮説は、治療的阻害剤に対する潜在的標的としてのDYRK1Aへの関心を刺激した。
【0010】
ヒトDYRK1B遺伝子が、放射線ハイブリッド分析により、19番染色体に位置づけられた(19q12−13.11)(Leder, S.ら、Biochem. Biophys. Res. Commun.、1999、254(2)、474-9)。DYRK1AとDYRK1Bのアミノ酸配列はN−末端および触媒ドメインにて84%同一であるが、C−末端領域にて拡張された配列類似性を示さなかった。DYRK1BはプロテインキナーゼのDYRKファミリーに特徴的なすべてのモチーフを含有する。また、該配列は二分核定位モチーフを含む。DYRK1BはDYRK1Aの筋肉および精巣特異的アイソフォームであり、核機能の制御と関連付けられる。
【0011】
プロテインキナーゼDYRK1B(MIRKとも称される)は多くの組織の生存および分化を媒介する。ある種の癌、特に固形腫瘍に関与すると考えられる(Gao J.ら、Cancer Biology & Therapy, 2009, 8:17, 1671-9(肺癌細胞)、Lee, K.ら、Cancer Research、2000、60、3631-7(結腸癌細胞)およびDeng, Xら、Cancer Research, 2006, 66, 4149-58(膵臓癌細胞)を参照のこと)。
【0012】
癌の治療における大きな問題は、大抵の化学治療薬および放射線療法に対してあまり感受的でない、静止癌細胞に起因する。そのような未処理の癌細胞は、該細胞が細胞周期に再び入った時に腫瘍の再増殖または再発を引き起こし得る。初期の研究は、静止G(0)腫瘍細胞にてセリン/スレオニンキナーゼMIRK/DYRK1Bのレベルが10倍まで上昇することを示した(Ewton, D.Z.ら、Mol. Cancer Ther., 2011, 10(11), 2104-14およびFriedman E.、Sarcoma, 2011, 260757. Epub 2011 Apr 13)。MIRK/DYRK1Bは数種の作用機構を利用して細胞周期を遮断し、MIRK/DYRK1Bは反応性酸素種(ROS)レベルを低下させ、静止細胞の生存能を増大させる、抗酸化遺伝子の発現を増加させる。MIRK/DYRK1Bキナーゼの阻害はROSレベルを上昇させ、DNA損傷がヒストンタンパク質H2AXのリン酸化の増加により、S期チェックポイントで検出された。MIRK/DYRK1Bキナーゼ阻害剤はアポトーシスタンパク質PARPおよびカスパーゼ3の切断を増大させ、ゲンシタビンおよびシスプラチンによる腫瘍細胞死を数倍増大させた。これら作用の表現型模写は、薬物の特異性を示す、MIRK/DYRK1Bの喪失後に生じた。MIRK/DYRK1Bのノックアウトまたは喪失は正常組織に対しては検出可能な作用がなく、MIRK/DYRK1Bキナーゼ阻害剤がMIRK/DYRK1Bキナーゼを高レベルで発現する癌細胞(例えば、肺癌細胞、結腸癌細胞、膵臓癌細胞、卵巣癌細胞、骨肉腫細胞および横紋筋肉腫細胞)に対して選択的作用を有し得ることを示唆した。
【0013】
2種の植物性化合物、すなわち没食子酸エピガロカテキン(EGCG)およびハルミンが、選択性プロフィール実験にてDYRK1A阻害剤として同定された(Brainら、Biochem., 2003, 371, 199)(表1)。EGCGを細胞培養実験にて用い、シグナル伝達事象で推定されるDYRK1Aの役割を確認し、DYRK1Aを過剰に発現するマウスを脳障害より助け出した(Guedjら、PloS ONE, 2009, 4, 4606)。DSの若年成人にてEGCGを投与することの臨床的有用性および安全性を検討し、神経認知行動に対する短期EGCG作用(3ヶ月)を確立し、使用を中断した3ヶ月後のEGCG関連の作用の一貫性および可逆性を決定するために、臨床試験をセットアップした(http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01394796?term=EGCG&rank=3)。最初の結果は有望な感じである(M. Dierssen、Journees internationales Jerome-Lejeune, 24 March 2011, Institut Pasteur, Paris)。
【0014】
ハルミンはモノアミンオキシダーゼAの強力な阻害剤として昔から知られているβ−カルボリンアルカロイドである。ハルミンは、69種のプロテインキナーゼの中で、強力なATP競合阻害剤として、DYRK1Aについて優れた特異性を示す(GB2447791AおよびBrainら、Biochem., 2007, 408, 297)。しかしながら、ハルミンはまた、DYRK1B(効果的には5倍未満)ならびにDYRK2およびDYRK3(効果的には50倍未満)を阻害し、そのモノアミンオキシダーゼに対する阻害作用はそのDYRK1A阻害剤としての使用を制限する(Goeckler N.ら、FEBS J. 2009, 276(21), 6324-37)。
【0015】
多くのDYRK1A/1B阻害剤が開発された。以下の表1は、かかる阻害剤の構造および該阻害剤を開示する関連する文献を提供する。
【0016】
表1:DYRK1A/1Bの阻害剤(特記されない場合、DYRK1Aに対するIC50またはKを示す)
【化1】


表1(つづき)
【化2】







表1(つづき)
【化3】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、DYRK1Aおよび/またはDYRK1Bの新規で強力かつ選択的阻害剤に対する要求がいまなお存在する。DYRK1A阻害剤はDYRK1Aが介在する中枢神経系疾患または障害の対象を治療するのに有用である。DYRK1B阻害剤は、DYRK1Bが多くの癌組織にて過剰発現され、その組織の生存および分化を媒介するため、癌の対象を治療するのに有用である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、式(I):
【化4】
[式中
Xは窒素原子であり;
Yは酸素原子、硫黄原子、NH基またはN−(C1−C3)アルキル基であり;
R1は−C(=A)−B基であり、ここで
AはNHまたはOであり、
BはOR5またはNR5R6基であり、ここで
R5およびR6は水素原子および無置換または置換C1−C8アルキル基より独立して選択され;
あるいはまた、AおよびBは、独立して、窒素および/または酸素原子であり、その結合する炭素原子と一緒になってヘテロシクロアルキル基(ジヒドロイミダゾールまたはジヒドロオキサゾールなど)を形成することができ;
R2は水素原子または無置換C1−C8アルキル基であり;
R3は無置換または置換C1−C8アルキルあるいは無置換もしくは置換アリールまたはヘテロアリール基であり;
R4は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基あるいは無置換または置換C1−C5アルキル基であり;および
R7およびR8は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基あるいは無置換または置換C1−C5アルキル基より独立して選択される]
で示される化合物に関する。
【0019】
本発明は、医薬的に許容される担体中に、式(I)の化合物を含む組成物にさらに関する。
【0020】
本発明はまた、薬剤として用いるための式(I)の化合物または式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。
【0021】
本発明はまた、DYRK1Aの阻害を必要とする対象にて、その阻害に用いるための式(I)の化合物に関する。特に、式(I)の化合物はダウン症候群またはアルツハイマー病の治療に使用される。さらに具体的には、本発明は、ダウン症候群またはアルツハイマー病の治療、改善または調整を必要とする対象にて、さらに具体的にはヒト対象にて該疾患を治療、改善または調整する方法であって、治療的に有効な量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを含む方法に関する。
【0022】
本発明はまた、DYRK1Bの阻害を必要とする対象にて、その阻害に用いるための式(I)の化合物に関する。特に、式(I)の化合物は、哺乳動物、具体的にはヒトで、癌(具体的には、固形腫瘍、例えば、肺癌、膵臓癌、結腸癌、卵巣癌、乳癌、骨癌(骨肉腫など)、前立腺癌および横紋筋肉腫を含む)を治療、改善または調整する方法であって、該哺乳動物に、治療的に有効な量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを含む方法に関する。
【0023】
本発明はさらには式(I)の化合物の合成方法に関する。
【0024】
本発明のさらなる適用および使用、ならびにその調製方法が以下の詳細な記載にて示される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
定義
本発明にて、「アルキル」基は、特記されない限り、1〜8個の炭素原子を、特に1〜6個の、または1〜4個の炭素原子含む、飽和した、直鎖または分岐鎖の炭化水素基(C1−C8アルキル基)である。1〜6個のその両端を含む炭素原子を有するアルキル基の例が、メチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピル、イソプロピル)、ブチル(例えば、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ブチル)、ペンチル(例えば、ネオペンチル)、ヘキシル(例えば、n−ヘキシル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチルおよびその他の異性体である。アルキル基は、置換されていなくても、ハロゲン原子、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アルケニル、アルキニル、CN、ニトロおよびアミノ基より選択される少なくとも1個の基で置換されていてもよい。
【0026】
本発明にて、「アルケニル」基は、2〜8個の炭素原子を含む(特記されない限り)、少なくとも1個の二重C=C結合を含む、直鎖または分岐鎖の炭化水素基である。2〜6個の炭素原子を含有するアルケニルの例が、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルおよびその異性体である。アルケニル基は、置換されていなくても、ハロゲン原子、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アルケニル、アルキニル、CN、ニトロおよびアミノ基より選択される少なくとも1個の基で置換されていてもよい。
【0027】
本発明にて、「アルキニル」基は、2〜8個の炭素原子を含む、少なくとも1個の三重C≡C結合を含む、直鎖または分岐鎖の炭化水素基である。アルキニル基は、ハロゲン原子、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アルケニル、アルキニル、CN、ニトロおよびアミノ基より選択される少なくとも1個の基で置換されていてもよい。
【0028】
本発明にて、「アリール」基は、5〜14個の炭素原子を含む、芳香族炭化水素環である。最も好ましいアリール基は、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、アントラセニル、好ましくはフェニルなどの6〜14個の炭素原子を含む、単環または二環式環である。「アリール」基はまた、少なくとも別のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基に縮合したアリール環を含む、ベンゾジオキソラン、ベンゾジオキサン、ジヒドロベンゾフランまたはベンゾイミダゾールなどの二環または三環基を包含する。アリール基は置換されていなくても、少なくとも1つの(例えば、1、2または3個の)ハロゲン原子、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アルケニル、アルキニル、CN、ニトロおよびアミノ基より選択される基で置換されていてもよい。また、アリール基は、隣接する置換基により置換されてもよく、その結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSより選択される一または複数のヘテロ原子を含有してもよい5〜6員環を形成しうる。
【0029】
本発明にて、「ハロゲン原子」はCl、Br、FまたはI原子である。
【0030】
本発明にて、「アルコキシル」基は、式:O−アルキルで示される分子の残基に、酸素原子を介して連結したアルキル基である。
【0031】
本発明にて、「アミノ」基はNH、NHアルキルまたはN(アルキル)基である。
【0032】
本発明にて、「ヘテロアリール」基はアリール基であり、チオフェンまたはピリジンのように、その環は少なくとも1つのヘテロ原子、例えばN、O、SまたはP原子により遮断されている。ヘテロアリール基は置換されていなくても、少なくとも1個の(例えば、1、2または3個の)ハロゲン原子、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アルケニル、アルキニル、CN、ニトロおよびアミノ基より選択される基により置換されていてもよい。また、ヘテロアリール基は、隣接する置換基により置換されてもよく、その結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSより選択される一または複数のヘテロ原子を含有してもよい5〜6員環を形成しうる。
【0033】
本発明にて、「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルなどの、好ましくは3〜14個の炭素原子、より好ましくは3〜8個の炭素原子を有する一つの環を形成する飽和アルキル基を意味する。シクロアルキル基は置換されていなくても、または少なくとも1つ(例えば、1、2または3個)のハロゲン原子、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アルケニル、アルキニル、CN、ニトロおよびアミノ基より選択される基で置換されていてもよい。また、シクロアルキル基は、隣接する置換基により置換されてもよく、その結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSより選択される一または複数のヘテロ原子を含有してもよい5〜6員環を形成しうる。
【0034】
本発明にて、「ヘテロシクロアルキル」基は、ピロリジン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピラン、ジオキシン、モルホリンまたはピペラジンなどの、少なくとも1つのヘテロ原子を含む、シクロアルキル基である。ヘテロシクロアルキル基は、特に、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ジチオラニルのように4〜14個の炭素原子を含む。ヘテロシクロアルキル基は、置換されていなくても、ハロゲン原子、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アルケニル、アルキニル、CN、ニトロおよびアミノ基より選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよい。また、ヘテロシクロアルキル基は、隣接する置換基により置換されてもよく、その結合する炭素原子と一緒になって、N、OおよびSより選択される一または複数のヘテロ原子を含有してもよい5〜6員環を形成しうる。
【0035】
「治療」「治療する」等なる語は、本明細書にて、一般に、所望の薬理学的および/または生理学的作用を得ることをいうのに使用される。これらの用語は、療法的および予防的治療の両方を包含する。その作用は、疾患またはその症状を完全にまたは部分的に予防する観点から予防的であってよく、および/または疾患および/または該疾患に起因する有害作用を部分的または完全に安定化または治癒する観点から療法的であってもよい。本明細書にて使用される「治療」は、対象における疾患のいずれの治療にも及び、(a)疾患または症状に対して既に処理がなされていてもよく、該疾患に罹患していると診断されていても、いなくてもよい、一の対象における該疾患または症状の発症を防止すること;(b)疾患の症状を阻害すること、すなわちその進行を阻むこと;または疾患の症状を緩和すること、すなわち該疾患または症状を退行させることを包含する。
【0036】
「治療上の有効量」なる表現は、疾患または症状を予防、改善、治療またはその発症を遅らせるのに効果的である、本明細書に開示の化合物の量をいう。
【0037】
本発明の化合物および組成物
本発明は式(I):
【化5】
[式中
Xは窒素原子であり;
Yは酸素原子、硫黄原子、NH基またはN−(C1−C3)アルキル基であり;
R1は−C(=A)−B基であり、ここで
AはNHまたはOであり、
BはOR5またはNR5R6基であり、ここで
R5およびR6は水素原子および無置換または置換C1−C8アルキル基より独立して選択され;
あるいはまた、AおよびBは、独立して、窒素および/または酸素原子であり、その結合する炭素原子と一緒になってヘテロシクロアルキル基(ジヒドロイミダゾールまたはジヒドロオキサゾールなど)を形成することができ;
R2は水素原子または無置換C1−C8アルキル基であり;
R3は無置換または置換C1−C8アルキルあるいは無置換もしくは置換アリールまたはヘテロアリール基であり;
R4は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基あるいは無置換または置換C1−C5アルキル基であり;および
R7およびR8は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基あるいは無置換または置換C1−C5アルキル基より独立して選択される]
で示される化合物に関する。
【0038】
本発明はまた、異性体、立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物(例えば、水和物)および式(I)の化合物のプロドラッグを包含する。
【0039】
特定の実施態様において、R3は無置換または置換アリールまたはヘテロアリール基である。特に、本発明は、R3が置換または無置換フェニル基である、式(I)の化合物を開示する。
【0040】
本発明の個々の化合物は、
・Yが硫黄原子であるか;
・AがNHであるか;
・AがNHであり、BがNR基であるか;
・AがNHであり、BがOR基であるか;
・AがNHであり、BがOCH基であるか;
・AがOであり、BがNHであるか;
・R6が水素原子であるか;
・R2が水素原子であるか;
・R3が無置換アルキル基、アルコキシル基(好ましくはメトキシル基)で置換されているアルキル基、シクロアルキル基(好ましくはシクロヘキシル基)で置換されているアルキル基、またはアリールまたはヘテロアリール基で置換されているアルキル基であるか;
・R3が無置換アリール基あるいはハロゲン原子およびアルコキシル基(好ましくはメトキシル基)から選択される少なくとも1つの基で置換されているアリール基であるか;あるいは
・R4、R6および/またはR7は水素原子であるか;好ましくはR4、R6およびR7は水素原子である。
【0041】
上記の段落に示される特徴のうち少なくとも2つを合わせたものも本発明の範囲内にあることを理解すべきである。
【0042】
個々の実施態様において、本発明は、式(I)
式中:
・Yが硫黄原子であり;
・AがNHであり;
・BがOR5基であり、ここでR5は無置換(C1−C8)アルキル基、特に(C1−C4)アルキル基、特にメチルまたはエチル基であり;
・R2、R4、R7およびR8が水素原子であり;および
・R3が(C1−C4)アルコキシ基(特にメトキシ基)により置換されているエチル基またはアリール基、特に(C1−C4)アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、ハロゲン原子(例えば、FまたはCl)および(C1−C4)アルコキシ基(例えば、メトキシ基)からなる群より選択される1または2個の置換基で置換されているフェニル基である
で示される化合物に関する。
【0043】
本発明の化合物はDYRK1Aおよび/またはDYRK1B阻害剤である。その活性は当該分野にて周知の方法により検定され得る。例えば、当業者は、以下の実施例2に示されるキナーゼアッセイを実施しうる。しかしながら、本発明の開示はこの特定の方法の実施に限定されない。
【0044】
ある実施態様において、本発明の化合物は、DYRK1A活性に関して約10000nM以下のIC50を有する。別の実施態様において、本発明の化合物は、DYRK1Aおよび/またはDYRK1B活性に関して約5000nM以下のIC50を有する。別の実施態様において、本発明の化合物は、DYRK1Aおよび/またはDYRK1B活性に関して約1000nM以下のIC50を有する。別の実施態様において、本発明の化合物は、DYRK1Aおよび/またはDYRK1B活性に関して約500nM以下のIC50を有する。別の実施態様において、本発明の化合物は、DYRK1Aおよび/またはDYRK1B活性に関して約100nM以下のIC50を有する。別の実施態様において、本発明の化合物は、DYRK1Aおよび/またはDYRK1B活性に関して約10nM以下のIC50を有する。別の実施態様において、本発明の化合物は、DYRK1Aおよび/またはDYRK1B活性に関して約1nM以下のIC50を有する。別の実施態様において、本発明の化合物は、DYRK1Aおよび/またはDYRK1B活性に関して約0.5nM以下のIC50を有する。
【0045】
本発明の範囲内にある、式(I)の化合物の個々の例として、
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 1;
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 2;
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 3;
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 4;
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 5;
N−ベンジル−9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 6;
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N,N−ジメチルチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 7;
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 8;
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 9;
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 10;
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 11;
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 12;
N−ベンジル−9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 13;
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 14;
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−イソプロピルチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 15;
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(4−フルオロベンジル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 16;
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(3−フルオロベンジル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 17;
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(シクロヘキシルメチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 18;
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(ピリジン−4−イルメチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 19;
9−(3−シアノフェニルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 20;
9−(3−シアノフェニルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 21;
N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 22;
N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)−9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 23;
9−(4−メトキシフェニルアミノ)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 24;
N−ベンジル−9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 25;
9−(4−メトキシフェニルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 26;
9−(4−メトキシフェニルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 27;
9−(4−メトキシフェニルアミノ)−N,N−ジメチルチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 28;
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 29;
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 30;
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 31;
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−ベンジルチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 32;
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 33;
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 34;
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 35;
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 36;
9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 37;
9−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 38;
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 39;
9−(3,4−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 40;
N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−9−アミン 41;
2−(4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)−N−(4−メトキシフェニル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−9−アミン 42;
メチル 9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 43;
メチル 9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 44;
メチル 9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 45;
メチル 9−((4−メトキシフェニル)(メチル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 46;
メチル 9−(7−ブロモベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 47;
メチル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 48;
メチル 9−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 49;
メチル 9−((2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)(メチル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 50;
メチル 9−(3,4−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 51;
メチル 9−((3,4−ジメトキシフェニル)(メチル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 52;
メチル 9−(4−ヒドロキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 53;
メチル 9−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 54;
メチル 9−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 55;
メチル 9−(4−クロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 56;
メチル 9−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 57;
メチル 9−(3−エチニルフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 58;
メチル 9−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 59;
メチル 9−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 60;
メチル 9−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 61;
メチル 9−(2,4−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 62;
メチル 9−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 63;
メチル 9−(フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 64;
メチル 9−(p−トリルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 65;
メチル 9−(4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 66;
メチル 9−(3−シアノフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 67;
メチル 9−(2−ブロモ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 68;
メチル 9−(2−フルオロ−4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 69;
メチル 9−(4−シアノフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 70;
メチル 9−(4−クロロ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 71;
メチル 9−(2,4−ジクロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 72;
メチル 9−(4−メトキシ−3−ニトロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 73;
メチル 9−(4−tert−ブチルフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 74;
メチル 9−(3−クロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 75;
メチル 9−(4−(ジメチルアミノ)フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 76;
メチル 9−(4−(ピロリジン−1−イル)フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 77;
メチル 9−(2,4−ジフルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 78;
メチル 9−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 79;
メチル 9−(4−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 80;
エチル 9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 81;
エチル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 82;
ベンジル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 83;
メチル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシレート 84;
イソプロピル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 85;
9−((2−ブロモ−4−フルオロフェニル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 86;
9−((2,4−ジクロロフェニル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 87;
ブチル 9−((2,4−ジクロロフェニル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 88;
メチル 9−((2,4−ジクロロフェニル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシレート 89
が挙げられる。
【0046】
本発明の化合物は当業者に公知の種々の方法により調製されてもよい。さらに好ましくは、次の反応経路を実施した。
【0047】
式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩は、化学的に関連付けられる化合物の調製に適用可能であることが当業者に知られている方法により調製されてもよい。かかる方法は、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩の調製に使用される場合、本発明のさらなる特徴として提供され、以下のスキームにより説明される。出発材料は市販品として入手可能であるか、または有機化学の標準的操作により製造可能である。かかる出発材料は下記の、本発明を限定するものではない、実施例にて記載される。別法として、出発材料は、有機化学の分野の範囲内にある操作と同様の操作により調製可能である。
【0048】
【化6】
【0049】
スキーム1:チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIaa−ibの調製
【0050】
チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIaa−ibをスキーム1に従って調製した:2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリルを炭酸−ジ−tert−ブチルを用いて、適当な溶媒(ジクロロメタンなど)中、適当な塩基(トリエチルアミンおよび4−(ジメチルアミノ)ピリジンなど)の存在下、好ましくは室温にてN−Boc保護に付し、tert−ブチル (2−シアノ−4−ニトロフェニル)カルバメート Iを高収率で得る。ニトロ中間体Iを、例えばギ酸アンモニウムおよび触媒量の10%パラジウム活性炭を用いて、好ましくはエタノール中、マイクロ波を好ましくは30分間、600Wで照射して還元し、tert−ブチル 4−アミノ−2−シアノフェニルカルバメート IIを高収率で得る。中間体IIを臭素のジクロロメタン中溶液で適当な溶媒(酢酸など)中、好ましくは室温で処理し、tert−ブチル 4−アミノ−3−ブロモ−2−シアノフェニルカルバメート IIIを定量的収率にて得る。中間体IIIをアッペル塩(4,5−ジクロロ−1,2,3−ジチアゾリウムクロリド)(Appel、R.ら、Chem. Ber., 1985, 118, 1632)と、好ましくはジクロロメタン中、室温で反応させて(Z)−tert−ブチル 3−ブロモ−4−(4−クロロ−5H−1,2,3−ジチアゾール−5−イリデンアミノ)−2−シアノフェニルカルバメート IVを得る。中間体IVを炭酸−ジ−tert−ブチルを用いて、適当な溶媒(酢酸など)中、好ましくはマイクロ波を118℃で照射してN−Boc脱保護に付し、(Z)−6−アミノ−2−ブロモ−3−(4−クロロ−5H−1,2,3−ジチアゾール−5−イリデンアミノ)ベンゾニトリル Vを定量的収率にて得る。中間体Vの環化は、ヨウ化銅と適当な溶媒(ピリジンなど)中、好ましくはマイクロ波を400W、130℃で20分間照射して反応させることで達成され、6−アミノベンゾ[d]チアゾール−2,7−ジカルボニトリル VIを高収率で得ることができる(Besson, T.ら、J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 1998, 3925)。中間体VIを適当な溶媒(ジメチルホルムアミド・ジメチルアセタールなど)中、好ましくはマイクロ波を70℃(600W)で照射して処理し、(E)−N'−(2,7−diシアノベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−N,N−ジメチルホルムイミドアミド VIIを高収率で得る。中間体VIIのチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIaa−ibへの環化は、適切なアニリンまたは第一アミンRNH(好ましくは1.5当量)を、適当な溶媒(酢酸など)中、好ましくはマイクロ波を118℃(600W)で照射して用いるジムロート転位により達成され得る(Foucourt, A.ら、Tetrahedron, 2010, 66, 4495)。
【0051】
従って、本発明は、チアゾロキナゾリンである、式Iの化合物の合成方法であって、
【0052】
a)アッペル塩(4,5−ジクロロ−1,2,3−ジチアゾール−1−イウム クロリド
【化7】
を、式(III)
【化8】
[式中、(PG)はアミノ保護基、例えばBoc基であり、Halはハロゲン原子、例えばBr原子である]
で示される化合物と縮合させ、式(IV)
【化9】
で示される化合物を形成させる工程;
【0053】
b)式(IV)の化合物のアミノ基を脱保護し、式(V)
【化10】
で示される得られた化合物を環化し、式(VI)
【化11】
で示される化合物を形成させる工程;
【0054】
c)工程b)で得られる式(VI)の化合物をジメチルホルムアミド・ジメチルアセタールでアミノ化し、式(VII)
【化12】
で示される化合物を形成させる工程;および
【0055】
d)工程c)で得られる式(VII)の化合物を環化し、ジムロート転位を介して、式(VIII)
【化13】
の三環式化合物を形成させる工程
を含む方法に関する。
【0056】
本発明の合成方法の特定の実施態様において、R7およびR8は、独立して、水素原子または無置換または置換C1−C5アルキル基より選択される。特に、R7およびR8は共に水素原子である。
【0057】
さらなる実施態様において、式(VIII)の化合物は、さらにN−アルキル化され、式(IX)の化合物(R2は無置換C1−C8アルキル基である)を得ることができる。
【0058】
スキーム2:化合物1〜89の調製
【化14】
【0059】
化合物1〜89を、チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIaa−ibより出発し、スキーム2に従って調製した:
N−メチル化チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル IXa−cは、チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIja、VIIIda、VIIIhaを、適当な溶媒(ジメチルホルムアミドなど)中、塩基(水素化ナトリウムなど)の存在下、好ましくは0℃で1時間、次に室温で2時間、ヨウ化メチルを用いてN−アルキル化することにより得られた。アミジン1−34は、チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIaa−faを、適切な第二アミンRNH(好ましくは1.2当量)と、適当な溶媒(乾燥THFなど)中、好ましくは室温で処理することにより調製された(Beneteau, V.、Besson, T.ら、Eur. J. Med. Chem., 1999, 34, 1053)。塩基性条件下、チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIaa、VIIIba、VIIIda、VIIIea、VIIIfaおよびVIIIiaを、好ましくはNaOHの適当な溶媒(n−ブタノールなど)中2.5N水溶液を用い、還流温度で、好ましくは0.5時間、マイクロ波照射の下で加水分解し、個々にアミド35−40を高収率で、86および87を適度の収率で得た。イミダゾリン41またはオキサゾール42は、各々、チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIaaまたはVIIIdaを、エチレンジアミンまたはエタノールアミンと、適当な溶媒(乾燥THFなど)中、還流温度で、好ましくはマイクロ波照射の下で30分間処理することで得られた(Testard, A.、Besson, T.ら、J. Enz. Inhib. Med. Chem., 2005, 20, 557)。メチルイミデート43−80は、その対応するチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIaa−ibまたはN−メチル化−チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル IXa−cを、ナトリウムメトキシドの適当な溶媒(メタノールなど)中0.5M溶液と、好ましくはマイクロ波照射の下、65℃で30分間処理することで得られた。エチルイミデート81−82、ベンジルイミデート83は、メチルイミデート43−80と同様に、個々に、ナトリウムエトキシドのエタノール中0.5M溶液またはナトリウムベンジルオキシドのベンジルアルコール中1.0M溶液を、好ましくはマイクロ波照射の下、80℃で30分間(81−82)または100℃で30分間(83)を用いて調製された。イソプロピルイミデート85は、カルボニトリルVIIIfaと、イソプロパノール中2.5N KOH溶液とから、好ましくはマイクロ波を100℃で2時間照射して調製された。ブチルイミデート88は、カルボニトリルVIIIabと、ブタノール中NaOH(水中2.5M溶液)とから、好ましくはマイクロ波を117℃で30分間照射して調製された。最後に、メチルエステル84および89は、各々、メチルイミデート48および72を、(84については)MeOH/HO=60/40の混合物と、トリフルオロ酢酸(0.1%)の存在下で終夜処理するか、(89については)希釈HSOと、2時間、好ましくは室温で処理することにより高収率で調製された。
【0060】
これらの化合物を製造する別の方法は、技術常識および本願に含まれる次の指針に基づいて、当業者であれば設計し得ることが理解される。
【0061】
本発明の別の目的は、式(I)の化合物を調製するのに用いられる中間体の化合物にある。かくして、本発明はまた、上記したスキーム1での中間体である化合物に関する。特に、本発明は、上記したスキーム1に示される式III、IV、V、VIまたはVIIの化合物に関する。本発明は、特に下記の実施例に示される本明細書に記載の特定の中間体の化合物に関する。
【0062】
本発明の化合物は、塩、特に酸または塩基塩、好ましくは医薬的使用に適合しうる塩(すなわち、本発明の化合物の医薬的に許容される塩)の形態とすることができる。式(I)の化合物の医薬的に許容されない塩も、かかる医薬的に許容されない塩は医薬的に許容される塩を調製する中間体として有用でありうるため、本発明の一部を構成することは当業者に明らかである。
【0063】
本発明の化合物の塩として、医薬的に許容される酸付加塩、医薬的に許容される塩基付加塩、医薬的に許容される金属塩、アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩が挙げられる。酸付加塩は、無機酸ならびに有機酸の塩を包含する。適当な無機酸の代表例として、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。適当な有機酸の代表例として、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、シンナミン酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモン酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸が挙げられ、無機または有機酸の例として、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタル酸等が挙げられる。医薬的に許容される無機または有機酸付加塩のさらなる例は、その内容がそのまま本願明細書にて引用される、J. Pharm. Sci. 1977, 66, 2に列挙される医薬的に許容される塩を包含する。金属塩の例は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等を包含する。塩基塩は、以下に限定されないが、医薬的に許容されるカチオン(ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムおよびアルキルアンモニウムイオンなど)で形成される塩を包含する。アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩の例として、アンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム塩等が挙げられる。有機塩基の他の例はリジン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン塩、コリン等を包含する。本発明は、特に、リン酸基の、カチオン塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩、あるいはアルキルエステル(例えば、メチルまたはエチル)を包含する。
【0064】
医薬的に許容される塩は、特に、式(I)の化合物を、酸(塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、スルホン酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、コハク酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酒石酸等など)と、酢酸エチル、エーテル、アルコール、アセトン、THF、ジオキサン等のような溶媒中で反応させることにより調製され得る。溶媒の混合液も使用され得る。
【0065】
本発明の化合物は単独で投与され得るが、一般に、標準的な薬務に関する医薬的に許容される担体(Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishingに記載されるような担体)と共に投与される。したがって、本発明のさらなる目的は、上記の式(I)の化合物および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物に関する。ある実施態様において、式(I)の化合物の担体に対する重量割合は1:99〜99:1で構成される。
【0066】
担体は、本発明の他の成分と、特に組成物に配合される式(I)の化合物と適合性があり、治療される対象に対して有害でないという意味で医薬的に「許容される」ものでなければならない。
【0067】
ある実施態様によれば、本発明は、別の医薬的に活性な薬物をさらに含む、上記されるような医薬組成物に関する。
【0068】
該化合物は治療上の有効量にて投与される。式(I)の化合物を投与する用量および投与計画は、剤形、投与方法、治療される症状および治療される患者の個々の事項に従って変化する。したがって、最適な治療濃度はルーチン実験を介して時と場所に併せて決定するのがベストである。
【0069】
式(I)の化合物は、多様な経路(経口、直腸、経鼻、局所、経膣または非経口(例えば、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、皮内、腹腔内)投与を含む)により投与され得る。経口投与では、式(I)の化合物は、固体製剤(例えば、カプセル剤、錠剤)および液体製剤(例えば、シロップ、エリキシル剤および濃縮滴剤として)などの一般的な経口用剤形に処方され得る。
【0070】
それらは単位剤形にて投与され得、かつ製薬分野の当業者に周知の方法により調製され得る。
【0071】
式(I)で示される種々の化合物の投与量は、化合物のIC50、EC50、該化合物の生物学的半減期、患者の年齢、大きさおよび体重、および該患者に伴う疾患または障害などの要素を考慮する標準的操作により決定され得る。これらの要素および考慮されるべき他の要素の重要性は当業者に公知である。投与量はまた、投与経路および経口バイアビリティ(経口経路を介して化合物を投与すべきである)の程度に依存する。例えば、経口バイアビリティの低い化合物では、相対的に高用量で投与されなければならない。
【0072】
本発明の化合物は腸内にまたは非経口的に使用され得る。経口的には、本発明の化合物は、適当には、約0.1mg/日〜1,000mg/日の量で投与される。非経口、舌下、鼻腔内またはくも膜下腔内投与では、本発明の化合物は、適当には、約0.5〜約100mg/日の量で;デポー投与およびインプラントでは約0.5mg/日〜約50mg/日の量で;局所投与では約0.5mg/日〜約200mg/日の量で;直腸投与では約0.5mg〜約500mgの量で使用される。好ましい態様にて、経口投与の場合の治療上の有効量は約1mg/日〜約100mg/日であり;非経口投与では、一日当たり約5〜約50mgである。さらに好ましい態様にて、経口投与の場合の治療上の有効量は約5mg/日〜約50mg/日である。
【0073】
本発明の化合物は、経口投与について当該分野にて公知の医薬的に許容される剤形を用いて経口的に投与され得る。ベヒクルは、シロップまたは水性懸濁液等などの等張溶液、緩衝溶液および生理食塩水を含む、いずれの液剤、懸濁液、散剤、ゲル等であってもよい。化合物は、全身デリバリー、静脈内、動脈内、脳内またはくも膜下腔内注入を含む、いずれか適当な経路により投与され得る。所望により、繰り返し注入が行われてもよい。投与量は広い制限内で変化し、当業者に公知の数種の因子に応じて、個々のケースにて個別の要件に合致するように調整されなければならない。活性化合物の投与量を決定する作用因子は、個々の剤の薬力学的特性およびその投与方法および経路;受容者の年齢、健康状態および体重;症状の特性および程度;併用療法の種類;治療の頻度;および所望の効果であり得る。活性成分の一日の投与量は、体重1kg当たり約0.001〜約1000mgであり、好ましい用量は約0.1〜約30mg/kgと考えることができる。一日の経口用量は化合物が約0.01mg〜1000mg、0.1mg〜100mg、または10mg〜500mg/日であるように変化しうる。一日の用量は、単回用量として、または分割用量にて投与されてもよく、また上限の超過が示唆されていると分かっている場合には、上限を超えることもできる。
【0074】
本発明の化合物は、錠剤、カプセル剤(その各々は徐放性または持続放出性製剤を包含しうる)、ピル、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁液、シロップおよび乳濁液のような経口剤形にて投与され得る。同様に、それらは静脈内(ボーラス注射または点滴)、腹腔内、皮下または筋肉内用形態にて投与されてもよく、それらはすべて製薬分野の当業者に周知の剤形を用いる。所望の化合物について効果的であるが、毒性でない量を利用して、チューブリン重合が重要な役割を果たす疾患症状を治療ことができる。
【0075】
化合物は、ヒトまたは哺乳動物などの宿主の体内にて、活性剤と、該活性剤の作用部位との接触をもたらすいずれかの手段により投与され得る。それらは、個々の治療剤として、または治療剤を組み合わせて、いずれかの薬剤との併用に利用しうる一般的な手段により投与することができ、単独で投与されるか、または選ばれる投与経路および標準的な薬務を基礎として選択される医薬担体と一緒に投与されるかのいずれかである。
【0076】
本発明の化合物は、適当な鼻腔内ベヒクルの局所的使用を介する鼻腔内形態にて、または当業者に周知の経皮用皮膚パッチのそれらの形態を用いる経皮経路を介して投与され得る。
【0077】
活性化合物を含有する錠剤またはカプセルの形態での経口投与では、経口用の非毒性で医薬的に許容される不活性な担体(ラクトース、デンプン、シュークロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール等など)と組み合わせることができ;液体形態の経口投与では、経口用薬物成分はいずれかの経口用の非毒性で医薬的に許容される不活性な担体(エタノール、グリセロール、水等など)と組み合わせることができる。その上、望ましいか、必要な場合に、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤を混合物の中に配合することもできる。上記される成分(甘味剤、および矯味矯臭剤など)を添加して口当たりのよい経口製剤を提供してもよい。これらの組成物は、抗酸化剤(ブチル化ヒドロキシアニソールまたはアルファ−トコフェロールなど)を添加することにより保存されてもよい。適当な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然糖(グルコースまたはベータ−乳糖など)、トウモロコシ甘味剤、天然および人工ガム、例えばアカシア、トラガントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等を包含する。これらの剤形に使用される滑沢剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等を包含する。崩壊剤は、限定されるものではなく、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等を包含する。
【0078】
本発明の化合物はまた、小型単層ベシクル、大型単層ベシクルおよび多層ベシクルなどの、リポソーム粒子のデリバリーシステムの形態にて投与され得る。リポソームは、種々のリン脂質(コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなど)より形成され得る。あるいはまた、本発明の化合物は、標的可能な薬物担体としての可溶性ポリマー(ポリビニルピロリドンで作製されたポリマー、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミド−フェノ−ル、またはポリエチレンオキシド−パルミトイル残基で置換されたポリリジンなど)とカップリングさせてもよい。ポリマーはまた、薬物の制御放出を達成するのに有用な一群の生物分解性ポリマー(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ酪酸とポリグリコール酸のコポリマー、ポリエプシロン−カプロラクトン、ポリシアノアクリレート等)またはヒドロゲルのブロックコポリマーに属する。
【0079】
本発明の化合物を、粉末担体としての乳糖、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等と一緒に添加してゼラチンカプセルに処方してもよい。同様の希釈剤を用いて圧縮錠を製造することもできる。錠剤もカプセルも共に徐放性製剤として製造され、数時間にわたる薬剤の持続放出を提供することができる。圧縮錠は糖衣をかけるか、フィルムをコーティングすることができ、不快な味をマスキングし、錠剤を環境から保護するか、または消化管にて選択的に崩壊させるのに腸溶コーティングすることもできる。経口投与用液体剤形に着色剤および矯味矯臭剤を配合し、患者の支持を高めることができる。一般に、水、適当な油、生理食塩水、水性デキストロース(グルコース)および関連する糖溶液、ならびにグリコール(プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなど)は非経口用溶液のための適切な担体である。非経口用溶液は、好ましくは、活性成分の水溶性塩、適当な安定化剤、および必要ならば、緩衝剤を含有する。単独で、または組み合わせるかのいずれかの抗酸化剤(亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸など)が適切な安定化剤である。クエン酸およびその塩ならびにナトリウムEDTAも使用される。また、非経口用溶液は保存剤(塩化ベンズアルコニウム、メチル−またはプロピル−パラベン、およびクロロブタノールなど)を含有しうる。
【0080】
本発明の化合物の使用方法
本発明はまた、薬剤としての式(I)の化合物に関する。
【0081】
式(I)の化合物はDYRK1Aおよび/またはDYRK1B阻害剤である。したがって、それらはDYRK1Aおよび/またはDYRK1Bの阻害方法に使用され得る。該方法はインビボまたはインビトロ法であり得る。インビトロにて、本発明は、単離された形態、または細胞に含まれた形態のいずれかの、DYRK1Aおよび/またはDYRK1Bを阻害する方法であって、DYRK1Aおよび/またはDYRK1B、あるいはDYRK1Aおよび/またはDYRK1Bを含有する細胞を、式(I)の化合物と接触させることを含む方法に関する。インビボでは、該方法は、DYRK1Aおよび/またはDYRK1Bの阻害を必要とする対象においてそれを阻害するものであり、該対象に治療上の有効量の式(I)の化合物を投与することで構成される。
【0082】
本発明はさらには、DYRK1Aおよび/またはDYRK1Bを阻害するための、式(I)の化合物または式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。本発明はさらには、DYRK1Aおよび/またはDYRK1B発現または活性に関連する障害を治療するための、式(I)の化合物または該化合物を含む医薬組成物に関する。
【0083】
DYRK1Aキナーゼは多くの疾患と関連することが明らかにされている。上記の情報に加えて、DYRK1Aが関連する種々の疾患および症状の概要を以下に示す。かくして、本発明はまた、これら個々の疾患および症状の治療方法であって、その必要とする対象に有効量の式(I)の化合物を投与することを含む方法に関する。もちろん、以下に示される概要は本発明を限定するものではなく、式(I)の化合物は、DYRK1Aにより媒介されるか、DYRK1Aと関連付けられるいずれの疾患の治療にも有用であると考えられる。
【0084】
DYRK1Aは、インビトロおよび培養細胞の両方で、タウタンパク質を複数のスレオニンおよびセリン部位(Thr181、Ser202、Thr202、Thr217、Thr231、Ser396、Ser400、Ser404およびSer422を含む)でリン酸化することが明らかにされている。TauのDYRK1Aによる過剰発現がダウン症候群(DS)患者におけるアルツハイマー病(AD)の早期発症の原因であるとの証拠が提示されている。DYRK1Aの免疫活性の増大が、タウリン酸化に付随する神経変性疾患(AD、DSおよびピック病を含む)の細胞質ならびに内嗅皮質、海馬および新皮質の散在性ニューロンの核にて報告されている(Ferrerら、Neurobiol. Dis., 2005, 20(2), 392-400)。DYRK1Aの高活性はDSの認知障害およびADの発症の一因となる。したがって、DYRK1AキナーゼはDS、ADおよびピック病の一因となり得ることが知られている。DYRK1Aはまた、他の形態の神経変性(加齢、AD、DS/ADおよび他の疾患でのDYRK1A陽性のアミロイド小体の蓄積を伴う、レビー小体におけるα−シヌクレイン凝集および繊維化、海馬錐体ニューロンにおける顆粒空胞変性(GVD)、ならびに神経および星状細胞の変性を含む)の一因となり得る(Kimら、J. Biol. Chem., 2006, 281(44), 33250-7)。したがって、式(I)の化合物は、神経変性および神経学的疾患および障害などの中枢神経系疾患の治療に有用である。「神経変性疾患」なる語は、限定されないが、DS、AD、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、変化(tangle)を伴うゲルストマン−ストロイスラー−シャインカー病、筋萎縮性側索硬化症、AIDS関連認知症、脆弱X関連性震え/運動失調症候群(FXTAS)、進行性核上性麻痺(PSP)および線条体黒質変性(SND)(多系統萎縮症(MSA)、脳損傷、筋萎縮性側索硬化症および炎症性疼痛として知られる一の症候群にオリーブ橘小脳変性(OPCD)およびシャイ・ドレーガー症候群(SDS)と共に含まれる)を包含し、再生(回復)療法の、脊髄損傷、急性ニューロン損傷(卒中、外傷性脳損傷)、グアム−パーキンソン認知複合症、皮質基底核神経変性、前頭側頭認知症、気分障害などのCNS障害を包含する。ある実施態様において、式(I)の化合物はDS患者でのADの早期発症を治療するのに使用される。さらには、本発明の化合物は、レビー小体におけるα−シヌクレイン凝集および繊維化、海馬錐体ニューロンにおける顆粒空胞変性(GVD)、ならびに神経および星状細胞変性を含む、他の形態の神経変性の治療に使用され得る。それらはまた、加齢、AD、DS/ADおよび他の疾患でのアミロイド小体の蓄積を治療するのにも使用され得る。
【0085】
本発明はまた、式(I)の化合物のAβ産生を減少させるための使用に関する。特に、式(I)の化合物はAPP切断を妨げるために使用される。特に、式(I)の化合物はAβペプチドの形成を阻害し、その結果、脳におけるベータアミロイドプラーク形成を減少させるのに使用される。式(I)のDYRK1A阻害剤は、かくして、ADおよび他のアミロイド関連性障害の治療に有用であり得る。
【0086】
成熟した脳および網膜ニューロンにおけるDYRK1Aの発現(Martiら、Brain Res., 2003, 964(2), 250-63、Wegielら、Brain Res., 2004, 1010(1-2), 69-80およびLagunaら、Dev. Cell., 2008, 15(6), 841-53)ならびにDYRK1A制御性転写因子、すなわちNFAT(Arronら、Nature, 2006, 441(7093), 595-600)およびCREB(Yangら、J. Biol. Chem., 2001, 276(43), 39819-24)とシナプス活性との関わりは、疾患にて改変したDYRK1A発現が脳および網膜での成熟したニューロン活性を修飾する可能性があることを示す。DYRK1Aを阻害する式(I)の化合物は、従って、学習および記憶を改善し、脳および網膜の神経学的障害および疾患を妨げるのに有用である。網膜の神経学的障害および疾患は、限定されないが、網膜色素変性症(RP)、緑内障、網膜症、加齢黄斑変性症(ARMD)、近視性黄斑変性症および糖尿病患者での糖尿病に付随する神経学的合併症(すなわち、糖尿病性神経障害)を包含する。
【0087】
選択的スプライシングは>95%の遺伝子で観察され、それがタンパク質多様性をもたらす主要原因であり、スプライス部位の特異的使用により同じプレmRNAから異なるタンパク質が生成される。70〜96%の選択的スプライシング事象が最終的にタンパク質の配列にて変化をもたらし、平均して、所定の一の遺伝子が7つのスプライシング事象に付される。スプライシングのトランスクリプトーム機能的多様性に対するこの広範囲に及ぶ寄与はまた、疾患(多くのヒト癌(Venables JP.、Cancer Res., 2004, 64(21), 7647-54)、筋ジストロフィー(Nishida A.、Nat., Commun., 2011, 2, 308)、早期老化障害(Koshimizu E.、PLoS One., 2011, 6(3), e17688)およびアルツハイマー病など)の病態の進行にてスプライシングの異常調節が明らかに関連しているとの結果をもたらす。AD脳でのスプライシング多様性が、近年、ADの発症(Miller, J. A.、S. Horvathら、2010, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 107(28), 12698-12703)およびその進行の危険性の両方と関連付けられた(Avramopoulos, D.、M. Szymanskiら、2010, Neurobiol. Aging, Jun 4.[Epub ahead of print])。したがって、スプライシング機構を操作することで、遺伝子翻訳が制御され、異常なスプライシングを修正し得ると考えられる。DYRK1Aを含む数種のキナーゼは、スプラセオソームの機能を改変し、リン酸化状態およびスプライセオソームのアセンブリーを制御し、構成的および選択的スプライシングの制御およびスプライシング部位の選択と関連付けられる、スプライシング因子の活性を制御する。したがって、本発明の化合物は、癌、筋ジストロフィー、早期老化障害およびADなどの疾患にて観察されるスプライシング異常調節を治療するのに使用され得る。特に、本発明の化合物は、脳障害から助け出し、ある種の神経変性疾患および障害(タウオパシー(tauopathy)と称される)にて同定されるタウタンパク質のスプライシングおよびリン酸化の異常調節と関連付けられる疾患を治療するのに使用され得る。タウオパシーは、ニューロンのタウ凝集の存在、特に神経原線維変化の存在により特徴付けられる、障害および疾患、特に神経学的障害および疾患である。かくして、本発明は、式(I)の化合物をその必要とする対象に投与することによるタウオパシーの治療に関する。
【0088】
高いDYRK1Aはまた、癌細胞のような分裂細胞にて病理学的役割を果たしているかもしれない。膵内分泌腫瘍にて、非転移性膵内分泌腫瘍と比べた場合に、マイクロアレイハイブリダイゼーションデータは、転移性膵内分泌腫瘍においてDYRK1Aのアップレギュレーションを示し、該疾患におけるキナーゼの役割を示唆する(Hanselら、Clin. Cancer Res., 2004, 10, 6152-8, 2004)。その上、DYRK1Aは活性化T細胞の核因子(NFAT)の活性化の異常調節を介して白血病誘発の一因となる、強力な巨核芽球性腫瘍促進遺伝子でもある。カルシニューリン/NFAT経路阻害はDSである大人での腫瘍発生率の減少と関連付けられ、その同じ経路が子供ではプロ白血性で、大人では抗腫瘍形成性の両方であり得る(Malinge S.ら、J. Clin. Invest., 2012, 122(3), 948-962)。したがって、本発明はまた、癌または白血病などの異常な細胞分裂の治療にて用いるための式(I)の化合物に関する。特に、該化合物は転移性膵内分泌腫瘍または巨核芽球性白血病の治療に使用される。
【0089】
さらなる適用は、ウイルス感染、ウイルス感染に付随する癌性および神経学的合併症を制限することを包含する。不死化はウイルス関連性腫瘍形成における臨床的事象である。HPV16、すなわちハイリスク腫瘍形成ウイルスは子宮頸癌を発症する原因物質の一つとして同定された。ウイルス感染の後で、ウイルス性癌タンパク質E6およびE7の構成的発現が、転換形質の維持において重要な多くの役割を果たす。DYRK1Aは、スレオニン5およびスレオニン7残基のリン酸化を介してHPV16E7癌タンパク質を安定化させることにより、HPV16感染細胞の形質転換能を増大させる(Liangら、Int. J. Biochem. Cell. Biol., 2008, 40, 2431-41)。また、HPV16不死化ケラチノサイトおよび頚部病変におけるDYRK1Aの発現の増加は、フォークヘッド(FKHR)制御経路における抗アポトーシス候補因子として働き、不死化および腫瘍形成を開始させるかもしれない。逆に、HPV不死化細胞中でのDYRK1Aのノックダウンはアポトーシスの増大をもたらし(Changら、Int. J. Cancer., 2007, 120(11), 2377-85)、そのことはDYRK1Aの強力かつ選択的阻害剤がHPV関連性癌に有益である可能性のあることを示唆する。かくして、式(I)の化合物はまた、ウイルス感染およびウイルス感染に付随する癌性および神経学的合併症を制限するのに使用され得る。特に、式(I)の化合物はHPV関連癌における、特にHPV不死化ケラチノサイトにおけるアポトーシスを増大させるのに使用され得る。DYRK1Aにおける多形性(SNP)は、単球誘発性マクロファージでのHIV−1複製と、ならびにHIV−1感染個体におけるAIDSの進行と関連付けられることが判明した(Bolら、PLoS One., 2011, 6(2), e17190)。したがって、ウイルス感染はAIDSを包含する。特定の実施態様において、本発明の化合物は、HIVのウイルス複製を減少させるのに使用される。
【0090】
DYRK1Aを過剰発現するトランスジェニックマウスは、破骨細胞の形成が減少しているにもかかわらず、骨量の有意な低下を示し、そのことはダウン症候群患者における骨粗鬆症の骨の表現型を連想させる(Leeら、J. Biol. Chem., 2009, 284(48), 33343-51)。かくして、さらなる適用は、骨吸収の未制御を治療するための方策として使用され得る、DYRK1Aの薬理学的調節を包含する。したがって、本発明はまた、骨吸収の治療にて用いるための式(I)の化合物に関する。
【0091】
また、それらのDYRK1Bに対する活性のおかげで、本発明の化合物は癌、特に固形腫瘍癌の治療に使用されてもよい。したがって、本発明はまた、その必要とする対象にて、DYRK1Bの阻害に用いるための、式(I)の化合物に関する。特に、式(I)の化合物は、哺乳動物、特にヒトにおける、具体的には、固形腫瘍、例えば肺、膵臓、結腸、卵巣、乳房、骨(骨肉腫など)、前立腺癌および横紋筋肉腫を包含する癌の治療、改善または調整であって、該哺乳動物に、治療上の有効量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを含む、癌の治療、改善または調整に使用される。
【0092】
本発明のさらなる態様および利点は以下の実施例にて開示されており、それらは例示であり、本願の範囲を限定するものではないと考えられるべきである。
【0093】
実施例
【0094】
実施例1:本発明の化合物の製造
一般
【0095】
シリカゲル60F254で予め被覆したアルミニウムプレート(0.25mm)を用いる薄層クロマトグラフィーにより全ての反応をモニター観察した。
【0096】
固体化合物の融点をホットステージWME Koflerを用いて±2℃の精度で測定し、修正しなかった。
【0097】
IRスペクトルをパーキンエルマーIRFT1650分光計に記録した。液体はKBrウィンドウ間のフィルムとして塗布され、固体はKBrペレットに分散させた。吸収帯はcm−1で表される。
【0098】
H、13Cおよび19F NMRスペクトルは、ブルカーDXP300分光計で、各々、300、75および282MHzで記録した。ピーク多重度に使用される略語は、s:一重項、d:ニ重項、t:三重項、q:四重項およびm:多重項である。結合定数JはHzで表され、化学シフトはppmで表され、DMSO−dまたはDOでキャリブレートされる(残留溶媒シグナル)。
【0099】
質量スペクトル分析は、ルーアン大学のマス・スペクトロメトリー・ラボラトリーで行われた。マススペクトル(EI)をウォーターズLCP1erXR分光計を用いて記録した。
【0100】
マイクロ波実験は、合成化学用に特に設計されている市販のマイクロ波リアクターにて行われた。RotoSYNTH(Milestone S.r.l.、イタリア)は0〜1200Wのマイクロ波電力デリバリーシステムを用いるマルチモード空洞共振器である。オープン容器実験を還流冷却器を備えた50−1000mLの丸底フラスコにて行った。反応混合物に直接挿入される、テフロンコーティングのセラミックウェルで保護されている光ファイバー接触温度計を介して温度をモニター観察した。容器の中身を、マイクロ波空洞共振器のフロアの下に設置した調節可能な回転磁気プレートと、該容器に入れたテフロンコーティングの磁気攪拌棒との手段により攪拌した。温度、圧力および電力特性は、製造業者により提供されるEASYコントロールソフトウェアを介して両方のケースにてモニター観察された。
【0101】
中間体I〜VIIの調製
【0102】
tert−ブチル 2−シアノ−4−ニトロフェニルカルバメート Iの合成
【化15】
【0103】
2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリル(10.0g、61.3ミリモル)のジクロロメタン(100mL)中溶液に、トリエチルアミン(8.50mL、61.3ミリモル)、炭酸−ジ−tert−ブチル(26.8g、123ミリモル)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(7.50g、61.3ミリモル)を添加した。アルゴン雰囲気下、室温で4時間該溶液を攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM−石油エーテル、8:2)で精製し、予想される化合物I(14.6g、収率91%)を白色固体として得た;融点134℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3412、3072、3012、2982、2935、2229、1735、1617、1582、1543、1508、1473、1455、1420、1372、1350、1320、1303、1257、1234、1176、1143、1052、1028、923、915、889、853;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 10.04(s,1H,NH)、8.63(d,1H,J=2.7Hz)、8.44−8.40(dd,1H,J=2.7Hz、J=9.3Hz)、7.85(d,1H,J=9.3Hz)、1.49(s,9H);13C NMR(75MHz、DMSO−d) δ 153.1、146.6、142.6、129.3、128.8、123.4、115.2、105.3、81.2、27.3;HRMS:C1212(M+H)として、計算値 262.0828、測定値 262.0831。
【0104】
化合物Iの還元:tert−ブチル 4−アミノ−2−シアノフェニルカルバメート IIの合成
【化16】
【0105】
I(10.0g、37.9ミリモル)、189.5ミリモルのギ酸アンモニウムおよび触媒量の活性炭上10%パラジウムの300mLのエタノール中攪拌混合物にマイクロ波を30分間照射した。600Wの電源入力で一定温度(85℃)を得るように、照射をプログラムした。セライトでの濾過により触媒を除去し、エタノールで洗浄した。得られた濾液を減圧下で蒸発させた。次に、残渣をEtOAcに溶かし、水で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮し、還元された化合物2(8.4g、収率95%)を淡黄色固体として得た;融点126℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3476、3431、3365、3398、2988、2934、2222、1697、1628、1587、1521、1443、1429、1392、1367、1324、1294、1274、1250、1230、1161、1053、1028、947、902、872、849、824;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.82(s,1H,NH)、7.02(d,1H,J=8.1Hz)、6.81(s,1H)、6.78(d,1H,J=2.7Hz)、5.44(s,2H,NH)、1.43(s,9H);13C NMR(75MHz、DMSO−d) δ 153.8、146.7、128.8、127.9、118.7、117.5、115.9、109.8、79.0、28.0;HRMS:C1216(M+H)として、計算値 234.1243、測定値 234.1240。
【0106】
化合物IIの臭素化:tert−ブチル 4−アミノ−3−ブロモ−2−シアノフェニルカルバメート IIIの合成
【化17】
【0107】
臭素(25.1ミリモル)のジクロロメタン(1.3mL)中溶液を、アルゴン雰囲気下、アミンII(27.9ミリモル)の酢酸(325mL)中溶液に滴下した。室温で2.5h攪拌した後、溶媒を減圧下で除去した。過剰量の酢酸をヘプタンと共沸させ、期待される化合物III(10.1g、定量的収率)をベージュ固体として得た;融点163℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3327、2826、2605、2566、2236、1955、1716、1610、1561、1496、1481、1398、1369、1280、1238、1193、1153、1059、963、906、838;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.05(s,1H,NH)、7.11(d,1H,J=8.7Hz)、7.05(d,1H,J=8.7Hz)、6.01(s,2H,NH)、1.43(s,9H);13C NMR(75MHz、DMSO−d) δ 153.6、144.1、131.6、126.9、119.6、116.1、112.8、107.8、79.5、28.1;HRMS:C1215Br(M+H)として、計算値 312.0348、測定値 312.0354。
【0108】
アッペル塩の縮合:(Z)−tert−ブチル 3−ブロモ−4−(4−クロロ−5H−1,2,3−ジチアゾール−5−イリデンアミノ)−2−シアノフェニルカルバメート IVの合成
【化18】
【0109】
オルト臭素化アミンIII(5.0g、16.0ミリモル)、4,5−ジクロロ−1,2,3−ジチアゾリウムクロリド(7.34g、35.2ミリモル)のジクロロメタン(100mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下、室温で攪拌した。室温で3時間攪拌した後、ピリジン(5.7mL、70.5ミリモル)を加え、その混合物を室温で1時間再び攪拌し、得られた溶液を減圧下で濃縮した。得られた粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM−石油エーテル、5:5)で精製し、予想される化合物IV(3.3g、収率46%)を橙色固体として得た;融点140−160℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3366、2977、2935、2227、1714、1597、1570、1560、1508、1392、1369、1270、1238、1156、1057、971、859、846、809;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.64(s,1H,NH)、7.60(d,1H,J=8.7Hz)、7.55(d,1H,J=8.7Hz)、1.48(s,9H);13C NMR(75MHz、DMSO−d) δ 163.5、152.9、147.4、146.0、140.0、126.1、123.6、117.7、115.3、112.2、80.4、27.9;HRMS:C1413BrCl(M+H)として、計算値 446.9352、測定値 446.9340。
【0110】
アミノ基の脱保護:(Z)−6−アミノ−2−ブロモ−3−(4−クロロ−5H−1,2,3−ジチアゾール−5−イリデンアミノ)ベンゾニトリル Vの合成
【化19】
【0111】
(Z)−tert−ブチル 3−ブロモ−4−(4−クロロ−5H−1,2,3−ジチアゾール−5−イリデンアミノ)−2−シアノフェニルカルバメート IV(3.3g、7.4ミリモル)および酢酸(100mL)の混合物に、118℃で2時間、マイクロ波を照射した。冷却後、得られた溶液を減圧下で濃縮し、所望の化合物V(2.8g、定量的収率)を橙色固体として得た;融点188−198℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3421、3340、3231、2220、1701、1647、1596、1575、1473、1405、1291、1251、1192、1137、973、869、847、804;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 7.36(d,1H,J=9.0Hz)、6.91(d,1H,J=9.0Hz)、6.55(s,2H,NH);13C NMR(75MHz、DMSO−d) δ 159.6、151.7、146.7、137.8、124.4、119.0、116.4、115.7、97.2;HRMS:CBrCl(M+H)として、計算値 346.8828、測定値 346.8846。
【0112】
6−アミノベンゾ[d]チアゾール−2,7−ジカルボニトリル VIにおける環化
【化20】
【0113】
イミンV(2.5g、7.2ミリモル)、ヨウ化銅(2.7g、14.4ミリモル)のピリジン(50mL)中懸濁液に、130℃(電源入力:400W)で20分間マイクロ波を照射した。冷却後、混合物をEtOAcに溶かし、チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM−EtOAc、9:1)で精製し、予想される化合物VI(0.79g、収率55%)を褐色固体として得た;融点248℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3433、3350、3250、2225、1653、1593、1487、1451、1415、1330、1290、1206、1161、1128、821;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.11(d,1H,J=9.3Hz)、7.31(s,2H,NH)、7.10(d,1H,J=9.3Hz);13C NMR(75MHz、DMSO−d) δ 154.6、143.7、141.6、131.5、130.9、119.4、116.9、114.3、83.6;HRMS:CS(M+H)として、計算値 199.0078、測定値 199.0076。
【0114】
(E)−N'−(2,7−ジシアノベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−N,N−ジメチルホルムイミドアミド VIIの合成
【化21】
【0115】
VI(0.47g、2.34ミリモル)のジメチルホルムアミドジメチルアセタール(6mL)中懸濁液にマイクロ波を70℃(電源入力:600W)で2分間照射した。冷却後、形成した褐色沈殿物を濾過し、EtOで洗浄し、乾燥させ、予想される化合物7(0.41g、収率68%)を褐色固体として得た;融点185℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2932、2901、2224、1622、1566、1500、1450、1410、1387、1368、1272、1229、1173、1099、1058、995、964、928、874、819;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.33(d,2H,J=9.3Hz)、7.62(d,1H,J=9.3Hz)、3.15(s,3H)、3.07(s,3H);13C NMR(75MHz、DMSO−d) δ 157.3、156.5、145.9、140.2、133.0、129.3、120.3、116.6、113.3、96.4、34.3;HRMS:C1210S(M+H)として、計算値 256.0657、測定値 256.0644。
【0116】
チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIaa−ibの一般的合成操作
(E)−N'−(2,7−diシアノベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−N,N−ジメチルホルムイミドアミド VII(0.05g、0.19ミリモル)および適切なアミン(0.29ミリモル、1.5当量)の酢酸(2mL)中混合物に、マイクロ波を118℃(電源入力:600W)で照射した。(TLCによる追跡で)完了時に、反応物を外界温度に冷却した。溶媒を減圧中で除去し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、予想される化合物 VIIIaa−ibを得た。
【0117】
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIaa
【化22】
【0118】
VIIおよび3−クロロ−4−フルオロアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、8:2)。収率:64%;黄色固体;融点252℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3456、3015、2970、2946、2229、1642、1441、1153、1129、1051、968、903、817、774、695;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −123.8;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.43(d,1H,J=9.0Hz)、8.30(s,1H)、7.62(m,2H)、7.34(m,2H);HRMS:C16SClF(M+H)として、計算値 356.0156、測定値 356.0167。
【0119】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIba
【化23】
【0120】
VIIおよび4−ブロモ−2−フルオロアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、8:2)。収率:30%;褐色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3325、3053、2230、1649、1614、1582、1556、1499、1462、1380、1351、1250、1154、1132、1052、969、904、875、817;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −119.9;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.55(d,1H,J=9.0Hz)、8.26(d,1H,J=9.0Hz)、7.78(m,1H)、7.55−7.52(m,1H)、7.38−7.25(m,2H);HRMS:C16SBrF(M+H)として、計算値 399.9668、測定値 399.9662。
【0121】
9−(3−シアノフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIca
【化24】
【0122】
VIIおよび3−アミノベンゾニトリルより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:40%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3240、3171、3088、2228、1623、1591、1555、1509、1465、1393、1273、1229、1149、969、919、825;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.54(d,1H,J=9.0Hz)、8.43(s,1H)、7.74(m,2H)、7.55−7.53(m,3H);HRMS:C17S(M+H)として、計算値 329.0609、測定値 329.0600。
【0123】
9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIda
【化25】
【0124】
VIIおよび4−メトキシアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、8:2)。収率:20%;橙色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3346、2977、2361、2227、1644、1609、1581、1503、1460、1377、1354、1303、1239、1164、1129、1051、1032、975、829;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.44(s,1H)、7.95(d,1H,J=9.0Hz)、7.70(d,1H,J=9.0Hz)、7.45(d,2H,J=9.0Hz)、6.99(d,2H,J=9.0Hz)、3.76(s,3H);HRMS:C1712OS(M+H)として、計算値 334.0763、測定値 334.0758。
【0125】
9−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIea
【化26】
【0126】
VIIおよび3,4,5−トリメトキシアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:94%;淡黄色固体;融点230℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3255、3089、3001、2947、2837、2230、1735、1637、1613、1581、1498、1458、1412、1381、1352、1307、1270、1229、1193、1165、1122、1037、1002、991、970、952、852、830;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.51(d,1H,J=9.0Hz)、8.05(s,1H)、7.80(d,1H,J=9.0Hz)、6.46(s,2H)、3.77(s,6H)、3.67(s,3H);HRMS:C1916S(M+H)として、計算値 394.0974、測定値 394.0987。
【0127】
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIfa
【化27】
【0128】
VIIおよび3,4−(メチレンジオキシ)アニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、9:1)。収率:49%;橙色固体;融点>260 ℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2894、2226、1734、1706、1645、1609、1581、1555、1499、1471、1377、1354、1304、1264、1236、1211、1188、1162、1125、1086、1037、972、938、924、859、829、809;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.51(d,1H,J=9.0Hz)、8.14(m,1H)、7.76(m,1H)、6.94(d,2H,J=9.0Hz)、6.72(m,1H)、6.02(s,2H);HRMS:C17S(M+H)として、計算値 348.0555、測定値 348.0566。
【0129】
9−(4−ブロモベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIga
【化28】
【0130】
VIIおよび2−ブロモ−3,4−(メチレンジオキシ)アニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:21%;黄色固体、融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2887、2233、1632、1610、1581、1501、1484、1465、1379、1348、1303、1267、1232、1161、1116、1034、970、929、829;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.49(d,1H,J=9.0Hz)、8.06(s,1H)、7.77(d,1H,J=9.0Hz)、7.25(s,1H)、6.83(s,1H)、6.06(s,2H);HRMS:C17SBr(M+H)として,計算値 425.9660、測定値 425.9646。
【0131】
9−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIha
【化29】
【0132】
VIIおよび1,4−ベンゾジオキサン−6−アミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、8:2)。収率:33%;黄色固体;融点180−190℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3055、2978、2932、2875、2230、1709、1638、1609、1578、1496、1460、1376、1299、1281、1239、1200、1151、1063、916、885、814;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.37(d,1H,J=8.4Hz)、7.85(m,1H)、7.76(m,1H)、6.88(d,1H,J=8.4Hz)、6.56(m,2H)、4.25(s,4H);HRMS:C1812S(M+H)として、計算値 362.0712、測定値 362.0696。
【0133】
9−(3,4−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIia
【化30】
【0134】
VIIおよび3,4−ジメトキシアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、8:2)。収率:74%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3267、2839、2226、1644、1610、1583、1507、1460、1443、1379、1308、1260、1227、1201、1166、1150、1129、1020、967、935、861、839;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.34(m,1H)、7.79(m,1H)、7.71(m,1H)、6.90(d,1H,J=8.1Hz)、6.54(m,2H)、4.26(s,6H);HRMS:C1814S(M+H)として、計算値 364.0868、測定値 364.0850。
【0135】
9−(4−ヒドロキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIja
【化31】
【0136】
VIIおよび4−アミノフェノールより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:80%;橙色固体;融点236℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3072、2225、1641、1615、1577、1503、1464、1378、1350、1307、1230、1212、1159、1097、972、832;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.48(d,1H,J=8.7Hz)、8.08(m,1H)、7.76(d,1H,J=8.7Hz)、7.15(m,2H)、6.79(m,2H);HRMS:C1610OS(M+H)として、計算値 320.0606、測定値 320.0619。
【0137】
9−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIka
【化32】
【0138】
VIIおよび5−アミノ−2−メトキシフェノールより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:54%;黄色固体;融点248℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2921、2851、2227、1724、1647、1616、1583、1509、1460、1334、1287、1263、1218、1172、1148、1120、1036、973、953、864、833;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.49(d,1H,J=8.7Hz)、8.05(m,1H)、7.77(d,1H,J=8.7Hz)、7.94(d,2H,J=8.7Hz)、6.65(m,1H)、3.77(s,3H);HRMS:C1712S(M+H)として、計算値 350.0712、測定値 350.0715。
【0139】
9−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIla
【化33】
【0140】
VIIおよび2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−アミンより調製した。
フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。
収率:95%;黄色固体;融点216℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2894、2853、2228、1643、1609、1579、1484、1467、1376、1353、1306、1269、1219、1192、1164、1123、978、941、881、814;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.49(d,1H,J=8.7Hz)、8.10(s,1H)、7.75(d,1H,J=8.7Hz)、7.22(m,1H)、7.04(s,1H)、6.78(m,1H)、4.53(t,2H、J=8.7Hz)、3.20(t,1H,J=8.7Hz);HRMS:C1812OS(M+H)として、計算値 346.0763、測定値 346.0762。
【0141】
9−(4−クロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIma
【化34】
【0142】
VIIおよび4−クロロアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:89%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2850、2229、1643、1609、1583、1550、1491、1480、1457、1377、1355、1307、1270、1214、1164、1130、1092、1010、980、831;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.51(d,1H,J=8.7Hz)、8.18(s,1H)、7.76(d,1H,J=8.7Hz)、7.38(m,2H)、7.04(m,2H);HRMS:C16SCl(M+H)として、計算値 338.0267、測定値 338.0274。
【0143】
9−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIna
【化35】
【0144】
VIIおよび3,4−ジクロロアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、7:3)。収率:42%;黄色固体;融点>260 ℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2851、2225、1644、1612、1579、1456、1378、1355、1308、1270、1241、1168、1122、1026、971、879、834、816;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.55(d,1H,J=8.7Hz)、8.30(s,1H)、7.78(d,1H,J=8.7Hz)、7.63−7.53(m,2H)、7.30(m,2H);HRMS:C16SCl(M+H)として、計算値 371.9877、測定値 371.9882。
【0145】
9−(3−エチニルフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIoa
【化36】
【0146】
VIIおよび3−エチニルアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、7:3)。収率:84%;黄色固体;融点182 ℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3295、3062、2846、2225、1642、1612、1581、1566、1458、1404、1376、1348、1306、1263、1229、1165、1148、1126、971、910、888、835;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.53(d,1H,J=8.7Hz)、8.20(s,1H)、7.78(d,1H,J=8.7Hz)、7.40−7.35(m,2H)、7.29(m,1H)、7.20(m,1H)、4.17(s,1H);HRMS:C1810S(M+H)として、計算値 328.0657、測定値 328.0659。
【0147】
9−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIpa
【化37】
【0148】
VIIおよび6−アミノベンゾイミダゾールより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH 8:2)。収率:98%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3084、2226、1615、1557、1464、1376、1347、1248、1147、967、939、809;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.48(d,1H,J=8.7Hz)、8.15−8.10(m,2H)、8.02(m,1H)、7.75(d,1H,J=8.7Hz)、7.56(m,1H)、7.04(m,1H);HRMS:C1710S(M+H)として、計算値 344.0718、測定値 344.0705。
【0149】
9−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIqa
【化38】
【0150】
VIIおよび4−アミノ−2−ニトロフェノールより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:60%;褐色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3334、3081、2926、2225、1627、1591、1569、1525、1465、1419、1395、1305、1237、1171、1132、1070、966、930、834、819;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.52(d,1H,J=8.7Hz)、8.28(m,1H)、8.03(m,1H)、7.75(d,1H,J=8.7Hz)、7.61(m,1H)、7.15(d,1H,J=9.0Hz);HRMS:C16S(M+H)として、計算値 365.0457、測定値 365.0441。
【0151】
9−(2,4−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIra
【化39】
【0152】
VIIおよび2,4−ジメトキシアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:59%;橙色固体;融点255−257℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3401、3081、2948、2837、2233、1600、1565、1540、1525、1505、1443、1417、1329、1278、1231、1203、1159、1132、1088、1030、959、915;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.51(d,1H,J=9.0Hz)、7.98(s,1H)、7.83(d,1H,J=9.0Hz)、6.95(m,1H)、6.67(s,1H)、6.58(d,1H,J=9.0Hz)、3.78(s,3H)、3.73(s,3H);HRMS:C1814S(M+H)として、計算値 364.0868、測定値 364.0856。
【0153】
9−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIsa
【化40】
【0154】
VIIおよび3,5−ジメトキシアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:98%;黄色固体;融点248℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3242、2940、2837、2223、1711、1647、1578、1455、1419、1383、1357、1306、1265、1205、1144、1058、1046、968、943、917、833、806;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.51(d,1H,J=9.0Hz)、8.06(s,1H)、7.79(d,1H,J=9.0Hz)、6.31(m,3H)、3.74(s,6H);HRMS:C1814S(M+H)として、計算値 364.0868、測定値 364.0856。
【0155】
9−(フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIta
【化41】
【0156】
VIIおよびアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:67%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3395、3057、2228、1731、1644、1608、1577、1491、1459、1378、1352、1301、1255、1214、1147、1128、1106、1071、967、896、827;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.51(d,1H,J=9.0Hz)、8.11(s,1H)、7.78(d,1H,J=9.0Hz)、7.40(t,2H、J=7.5Hz)、7.20(m,2H)、7.11(t,1H,J=7.5Hz);HRMS:C1610S(M+H)として、計算値 304.0657、測定値 304.0657。
【0157】
9−(p−トリルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIua
【化42】
【0158】
VIIおよび4−トルイジンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、7:3)。収率:64%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3016、2853、2228、1731、1641、1605、1581、1554、1505、1458、1376、1353、1304、1268、1215、1165、1130、976、831、811;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.49(d,1H,J=9.0Hz)、8.07(s,1H)、7.76(d,1H,J=9.0Hz)、7.20−7.17(m,2H)、7.12−7.05(m,2H)、2.32(s,3H);HRMS:C1712S(M+H)として、計算値 318.0813、測定値 318.0811。
【0159】
9−(4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIva
【化43】
【0160】
VIIおよび4−フルオロアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:92%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3049、2840、2226、1722、1643、1610、1581、1557、1502、1377、1355、1305、1269、1227、1208、1166、1130、1090、981、846、829、818;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −120.31;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.51(d,1H,J=9.0Hz)、8.16(s,1H)、7.76(d,1H,J=9.0Hz)、7.26−7.08(m,4H);HRMS:C16SF(M+H)として、計算値 322.0563、測定値 322.0551。
【0161】
9−(2−ブロモ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIwa
【化44】
【0162】
VIIおよび2−ブロモ−4−フルオロアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、95:5)。収率:44%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3068、2853、2228、1736、1644、1611、1582、1497、1474、1459、1380、1353、1309、1252、1188、1171、1127、1050、1031、980、881、860、826;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −119.33;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.56(d,1H,J=9.0Hz)、8.18(s,1H)、7.81(d,1H,J=9.0Hz)、7.63(d,1H,J=7.8Hz) 7.24−7.17(m,2H);HRMS:C16SBrF(M+H)として、計算値 399.9668、測定値 399.9675。
【0163】
9−(2−フルオロ−4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIxa
【化45】
【0164】
VIIおよび2−フルオロ−4−メトキシアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:85%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2844、2226、1731、1649、1613、1583、1507、1493、1460、1445、1379、1356、1305、1263、1212、1168、1153、1129、1090、1027、980、947、841、830、818;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −120.02;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.51(d,1H,J=9.0Hz)、8.15(s,1H)、7.77(d,1H,J=9.0Hz)、7.30(s,1H)、6.92(m,1H)、6.80(d,2H,J=9.0Hz);HRMS:C1711OSF(M+H)として、計算値 352.0668、測定値 352.0658。
【0165】
9−(4−シアノフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIya
【化46】
【0166】
VIIおよび4−アミノベンゾニトリルより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:36%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3293、2225、2218、1722、1628、1590、1562、1495、1461、1387、1261、1228、1132、966、847、814;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.54(d,1H,J=9.0Hz)、8.28(s,1H)、7.77(m,3H)、7.40(d,2H,J=9.0Hz);HRMS:C17S(M+H)として、計算値 329.0609、測定値 329.0612。
【0167】
9−(4−クロロ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIza
【化47】
【0168】
VIIおよび4−クロロ−2−フルオロアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、8:2)。収率:56%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2231、1638、1614、1583、1476、1413、1380、1356、1309、1273、1200、1170、1120、982、901、838、820;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.55(d,1H,J=9.0Hz)、8.24(s,1H)、7.79(d,1H,J=9.0Hz)、7.45(d,1H,J=9.0Hz)、7.34(t,1H,J=8.4Hz)、7.26(d,1H,J=9.0Hz);HRMS:C16SClF(M+H)として、計算値 356.0173、測定値 356.0160。
【0169】
9−(2,4−ジクロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIab
【化48】
【0170】
VIIおよび2,4−ジクロロアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:32%;黄色固体;融点>260 ℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3063、2231、1736、1644、1611、1577、1459、1380、1355、1310、1242、1173、1098、1051、983、830、818;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.56(d,1H,J=9.0Hz)、8.21(s,1H)、7.80(d,1H,J=9.0Hz)、7.63(s,1H)、7.39(d,1H,J=8.1Hz)、7.25(d,1H,J=8.1Hz);HRMS:C16SCl(M+H)として、計算値 371.9877、測定値 371.9877。
【0171】
9−(4−メトキシ−3−ニトロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIbb
【化49】
【0172】
VIIおよび3−ニトロ−4−メトキシアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、7:3)。収率:61%;黄色固体;融点200−260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2226、1644、1523、1459、1346、1267、1191、1155、1075、1015、970、928、890、822;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.47(d,1H,J=9.0Hz)、8.26(s,1H)、7.97(d,1H,J=9.0Hz)、7.70(s,2H)、7.32(d,1H,J=9.0Hz)、3.93(s,3H);HRMS:C1711S(M+H)として、計算値 379.0613、測定値 379.0614。
【0173】
9−(4−tert−ブチルベンジルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIcb
【化50】
【0174】
VIIおよび4−tert−ブチルアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、7:3)。収率:99%;黄色固体;融点154℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2958、2235、1693、1649、1582、1505、1466、1408、1349、1288、1219、1155、1125、989、968、894、831;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.49(d,1H,J=9.0Hz)、8.07(s,1H)、7.76(d,1H,J=9.0Hz)、7.40(d,2H,J=7.8Hz)、7.12(m,2H)、1.31(s,9H);HRMS:C2018S(M+H)として、計算値 360.1283、測定値 360.1273。
【0175】
9−(3−クロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIdb
【化51】
【0176】
VIIおよび3−クロロアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、7:3)。収率:74%;淡黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2849、2226、1643、1611、1577、1461、1377、1354、1306、1218、1161、1128、1070、974、875、833;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.49(d,1H,J=9.0Hz)、8.21(s,1H)、7.74(d,1H,J=9.0Hz)、7.40−7.35(m,2H)、7.19−7.11(m,2H);HRMS:C16SCl(M+H)として、計算値 338.0267、測定値 338.0259。
【0177】
9−(4−(ジメチルアミノ)フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIeb
【化52】
【0178】
VIIおよびN,N−ジメチル−p−フェニレン−ジアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、8:2)。収率:25%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3293、2228、1609、1572、1523、1460、1368、1274、1229、1204、1188、1163、1141、1058、1009、948、842、811;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.52(d,1H,J=9.0Hz)、8.16(s,1H)、7.86(d,1H,J=9.0Hz)、7.37(d,2H,J=8.7Hz)、6.92(d,2H,J=8.7Hz)、3.00(s,6H);HRMS:C1815S(M+H)として、計算値 347.1079、測定値 347.1066。
【0179】
9−(4−(ピロリジン−1−イル)フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIfb
【化53】
【0180】
VIIおよび4−(ピロリジン−1−イル)アニリンルより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、8:2)。収率:48%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3303、2842、2233、1709、1629、1613、1583、1522、1466、1388、1347、1275、1219、1185、1166、1060、1014、989、828、809;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.54(d,1H,J=9.0Hz)、8.15(s,1H)、7.88(d,1H,J=9.0Hz)、7.35(d,2H,J=8.1Hz)、6.73(d,2H,J=8.1Hz)、3.17(m,4H)、1.99(m,4H);HRMS:C2017S(M+H)として、計算値 373.1235、測定値 373.1218。
【0181】
9−(2,4−ジフルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIgb
【化54】
【0182】
VIIおよび2,4−ジフルオロアニリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、7:3)。収率:68%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2228、1645、1611、1583、1557、1488、1460、1378、1357、1311、1276、1260、1172、1138、1091、962、854、831、818;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −117.6、−118.7;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.54(d,1H,J=9.0Hz)、8.22(s,1H)、7.78(d,1H,J=9.0Hz)、7.35−7.24(m,2H)、7.06(t,1H,J=7.8Hz);HRMS:C16SF(M+H)として、計算値 340.0468、測定値 340.0458。
【0183】
9−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIhb
【化55】
【0184】
VIIおよび4−アミノ−2−フルオロフェノールより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:58%;橙色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3375、2228、1731、1649、1619、1578、1512、1470、1373、1347、1292、1241、1204、1150、1111、978、943、856、836;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −136.8;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.46(d,1H,J=9.0Hz)、8.15(s,1H)、7.69(d,1H,J=9.0Hz)、6.97−6.81(m,3H);HRMS:C16OSF(M+H)として、計算値 338.0512、測定値 338.0516。
【0185】
9−(4−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル VIIIib
【化56】
【0186】
VIIおよび4−アミノベンゾトリフルオリドより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、7:3)。収率:61%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2851、2229、1649、1604、1582、1512、1457、1382、1318、1272、1252、1221、1165、1117、1101、1062、1011、979、863、830;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −60.01;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.53(d,1H,J=9.0Hz)、8.22(s,1H)、7.77(d,1H,J=9.0Hz)、7.70(d,2H,J=8.4Hz)、7.39(d,2H,J=8.4Hz);HRMS:C17SF(M+H)として、計算値 372.0529、測定値 372.0535。
【0187】
N−メチル化−チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル IXa−cの一般的合成操作
【0188】
ヨウ化メチル(0.90ミリモル)をカルボニトリル VIIIia、VIIIda、VIIIha(0.60ミリモル)および水素化ナトリウム(0.90ミリモル、鉱油中60%分散液)のジメチルホルムアミド(4mL)中攪拌懸濁液に滴下した。混合物を0℃で1時間、ついで室温で2時間攪拌した。冷却後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM−酢酸エチル、1:9)で精製し、IXa−cを得た。
【0189】
9−((3,4−ジメトキシフェニル)(メチル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル IXa
【化57】
【0190】
カルボニトリル VIIIiaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:74%;橙色固体;融点224℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3040、2988、2957、2828、2225、1621、1553、1501、1442、1409、1392、1366、1255、1227、1201、1173、1142、1123、1023、936、872、803;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.56(d,1H,J=9.0Hz)、8.29(s,1H)、7.85(d,1H,J=9.0Hz)、7.17(d,1H,J=2.1Hz)、7.08(dd,1H,J=2.1Hz、J=8.7Hz)、6.93(d,1H,J=8.7Hz)、3.77(m,9H);HRMS:C1916S(M+H)として、計算値 378.1025、測定値 378.1008。
【0191】
9−((4−メトキシフェニル)(メチル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル IXb
【化58】
【0192】
カルボニトリル VIIIdaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:60%;橙色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3073、2949、2908、2835、2225、1615、1551、1497、1481、1461、1452、1436、1362、1235、1153、1060、1031、974、839、825、801;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.49(d,1H,J=9.0Hz)、8.23(s,1H)、7.88(d,1H,J=9.0Hz)、7.48(d,1H,J=8.7Hz)、6.92(d,1H,J=8.7Hz)、3.77(s,3H)、3.73(s,3H);HRMS:C1814OS(M+H)として、計算値 348.0919、測定値 348.0908。
【0193】
9−((2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)(メチル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボニトリル IXc
【化59】
【0194】
カルボニトリル VIIIhaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:30%;橙色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3422、2932、2875、2220、1612、1547、1487、1455、1360、1299、1253、1201、1149、1065、914、877、811;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.54(d,1H,J=9.0Hz)、8.28(s,1H)、7.84(d,1H,J=9.0Hz)、7.12(d,1H,J=2.4Hz)、6.98(dd,1H,J=2.4Hz、J=8.7Hz)、6.82(d,1H,J=8.7Hz)、4.24(s,4H)、3.76(s,3H);HRMS:C1814OS(M+H)として、計算値 348.0919、測定値 348.0908。
【0195】
2−置換のチアゾロ−[5,4−f]キナゾリンの合成方法
【0196】
1)アミジン 1〜34の一般的合成操作
【0197】
カルボニトリル(1ミリモル)および適切なアミン(1.2ミリモル)の乾燥THF(7mL)中攪拌混合物を、アルゴン下、室温で終夜攪拌した。溶媒を減圧中で除去し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、アミジン 1〜36を得た。
【0198】
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 1
【化60】
【0199】
カルボニトリル VIIIaaおよびN−アミノエチルモルホリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:71%;黄色固体;融点158℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2956、2816、1797、1614、1561、1485、1256、1199、1113、1069、966、916、816;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −119.1;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.87(s,1H,NH)、8.43(d,1H,J=7.2Hz)、8.03(m,1H)、7.90(m,1H)、7.52(m,1H)、7.39(m,1H)、7.18(m,1H)、3.78−3.75(m,4H)、3.52(m,2H)、2.76−2.72(m,2H)、2.60(m,4H);HRMS:C2222OSClF(M+H)として、計算値 486.1279、測定値 486.1292。
【0200】
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 2
【化61】
【0201】
カルボニトリル VIIIaaおよびN−アミノエチルピペリジンより調製した。
フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、3:7)。収率:82%;橙色固体;融点147℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2928、2361、1572、1483、1380、1255、1201、1121、1086、1051、964、879、818;19F NMR(282MHz、CDCl) δ −123.8;H NMR(300MHz、CDCl) δ 8.62(s,1H)、8.35(d,1H,J=9.0Hz)、7.90(d,1H,J=9.0Hz)、7.70(m,1H)、7.32(m,1H)、7.12(t,1H,J=9.0Hz)、3.50(m,2H)、2.63(t,2H、J=5.7Hz)、2.49(m,4H)、1.63−1.58(m,4H)、1.48(m,2H);HRMS:C2324SClF(M+H)として、計算値 484.1486、測定値 484.1501。
【0202】
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 3
【化62】
【0203】
カルボニトリル VIIIaaおよびN−アミノエチルピロリジンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:69%;橙色固体;融点166℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3381、3146、2965、2803、1641、1617、1562、1486、1383、1341、1253、1200、1127、1050、965、876、816;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −125.6;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.22(d,1H,J=9.0Hz)、7.95(s,1H)、7.59(d,1H,J=9.0Hz)、7.31(m,1H)、7.18(t,1H,J=9.0Hz)、7.15−7.12(m,1H)、3.45(m,2H)、2.85(m,2H)、2.67(m,4H)、1.83(m,4H);HRMS:C2222SClF(M+H)として、計算値 470.1330、測定値 470.1340。
【0204】
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 4
【化63】
【0205】
カルボニトリル VIIIaaおよび2−ジメチルアミノエチルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:50%;淡黄色固体;融点173℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3224、3038、2950、2861、2824、2773、1618、1560、1488、1386、1323、1254、1195、1127、1086、1052、967、816;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −125.5;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.34(d,1H,J=9.0Hz)、7.93(s,1H)、7.67(d,1H,J=9.0Hz)、7.29(m,1H)、7.18(t,1H,J=9.0Hz)、7.10−7.06(m,1H)、3.64(t,2H、J=6.0Hz)、3.27(t,2H、J=6.0Hz)、2.80(s,6H);HRMS:C2020SClF(M+H)として、計算値 444.1173、測定値 444.1155。
【0206】
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 5
【化64】
【0207】
カルボニトリル VIIIaaおよびジエチルエチレンジアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:50%;橙色固体;融点140℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3295、2969、2812、1671、1618、1560、1489、1386、1346、1254、1196、1127、1052、966、817;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −125.3;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.29(d,1H,J=9.0Hz)、7.94(s,1H)、7.63(d,1H,J=9.0Hz)、7.29−7.20(m,2H)、7.09(m,1H)、3.60−3.56(m,2H)、2.90−2.83(m,2H)、2.77−2.74(m,4H)、1.17−1.06(m,6H);HRMS:C2224SClF(M+H)として、計算値 472.1486、測定値 472.1502。
【0208】
N−ベンジル−9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 6
【化65】
【0209】
カルボニトリル VIIIaaおよびベンジルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、2:8)。収率:69%;黄色固体;融点232℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3057、1725、1639、1490、1377、1341、1252、1202、1151、1121、1086、1050、965、818;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −125.3;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.29(d,1H,J=9.0Hz)、7.94(s,1H)、7.63(d,1H,J=9.0Hz)、7.43(m,2H)、7.35−7.17(m,5H)、7.10(m,1H)、4.53(s,2H);HRMS:C2317SClF(M+H)として、計算値 463.0908、測定値 463.0916。
【0210】
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−N,N−ジメチルチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 7
【化66】
【0211】
カルボニトリル VIIIaaおよびジメチルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:43%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3411、3051、1663、1623、1559、1488、1383、1254、1202、1150、1051、966、819;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −125.9;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.45(d,1H,J=9.0Hz)、7.98(s,1H)、7.75(d,1H,J=9.0Hz)、7.30−7.21(m,2H)、7.12(t,1H,J=9.0Hz)、3.39(s,6H);HRMS:C1815SClF(M+H)として、計算値 401.0751、測定値 401.0742。
【0212】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 8
【化67】
【0213】
カルボニトリル VIIIbaおよびN−アミノエチルモルホリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:85%;黄色固体;融点190℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3374、2975、2361、1645、1585、1381、1265、1227、1090、1053、973、916、882、825;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −120.0;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.52(d,1H,J=9.0Hz)、8.26(m,1H)、7.78(m,1H)、7.57(m,1H)、7.36(m,1H)、7.16(m,1H)、3.66(t,4H、J=4.5Hz)、3.48−3.42(m,2H)、2.69(t,2H、J=6.0Hz)、2.61(m,4H);HRMS:C2222OSBrF(M+H)として、計算値 530.0774、測定値 530.0782。
【0214】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 9
【化68】
【0215】
カルボニトリル VIIIbaおよびN−アミノエチルピペリジンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:72%;黄色固体;融点143℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3340、2975、2930、2361、1615、1561、1476、1380、1348、1262、1197、1153、1114、1052、881、821;19F NMR(282MHz、CDCl) δ −123.8;H NMR(300MHz、CDCl) δ 8.25(d,1H,J=9.0Hz)、8.09(s,1H)、7.55(d,1H,J=9.0Hz)、7.50−7.45(m,1H)、7.29(t,1H,J=9.0Hz)、7.12−7.06(m,1H)、3.54(m,2H)、2.67(t,2H、J=5.7Hz)、2.54(m,4H)、1.66−1.60(m,4H)、1.49(m,2H);HRMS:C2324SBrF(M+H)として、計算値 528.0981、測定値 528.0986。
【0216】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 10
【化69】
【0217】
カルボニトリル VIIIbaおよび2−ジメチルアミノエチルアミンより調製した。
フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:64%;橙色固体;融点128℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3274、3058、2940、2861、2822、2773、1618、1560、1478、1380、1341、1262、1197、1155、1112、1038、965、881、823;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −122.3;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.33(d,1H,J=9.0Hz)、7.92(s,1H)、7.68(d,1H,J=9.0Hz)、7.41−7.36(m,2H)、7.15(t,1H,J=9.0Hz)、3.46(t,2H、J=6.6Hz)、2.76(t,2H、J=6.6Hz)、2.37(s,6H);HRMS:C2020SBrF(M+H)として、計算値 488.0668、測定値 488.0688。
【0218】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 11
【化70】
【0219】
カルボニトリル VIIIbaおよびジエチルエチレンジアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:86%;橙色固体;融点88℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2965、2360、1793、1619、1520、1477、1378、1265、1198、1067、966、880、822;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −122.1;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.30(d,1H,J=9.0Hz)、7.93(s,1H)、7.66(d,1H,J=9.0Hz)、7.38−7.33(m,2H)、7.13(t,1H,J=9.0Hz)、3.58(t,2H、J=6.6Hz)、2.82(t,2H、J=6.6Hz)、2.68(m,4H)、1.09(m,6H);HRMS:C2224SBrF(M+H)として、計算値 516.0981、測定値 516.0988。
【0220】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 12
【化71】
【0221】
カルボニトリル VIIIbaおよびN−アミノエチルピロリジンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:68%;橙色固体;融点139℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2968、2361、1563、1476、1380、1262、1223、1067、965、880、822;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −123.6;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.29(d,1H,J=9.0Hz)、7.89(s,1H)、7.63(d,1H,J=9.0Hz)、7.35−7.29(m,2H)、7.09(t,1H,J=9.0Hz)、3.46(t,2H、J=6.6Hz)、2.87(t,2H、J=6.6Hz)、2.69(m,4H)、1.89(m,4H);HRMS:C2222SBrF(M+H)として、計算値 514.0825、測定値 514.0825。
【0222】
N−ベンジル−9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 13
【化72】
【0223】
カルボニトリル VIIIbaおよびベンジルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、2:8)。収率:68%;黄色固体;融点130℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2964、2903、2360、1815、1614、1477、1379、1262、1153、1113、1069、966、880、821;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −122.2;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.35(d,1H,J=9.0Hz)、7.92(s,1H)、7.69(d,1H,J=9.0Hz)、7.43(m,3H)、7.39−7.30(m,3H)、7.25(m,1H)、7.15(t,1H,J=9.0Hz)、4.53(s,2H);HRMS:C2317SBrF(M+H)として、計算値 507.0403、測定値 507.0412。
【0224】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 14
【化73】
【0225】
カルボニトリル VIIIbaおよびジメチルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:40%;橙色固体;融点222℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3270、3154、3061、2923、1634、1584、1519、1492、1410、1346、1291、1226、1201、1152、1116、1049、964、881、863、831;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −121.6;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.18(d,1H,J=9.0Hz)、7.87(s,1H)、7.53(d,1H,J=9.0Hz)、7.28−7.19(m,2H)、7.12(t,1H,J=9.0Hz)、3.11(s,6H);HRMS:C1815SBrF(M+H)として、計算値 445.0246、測定値 445.0264。
【0226】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−イソプロピルチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 15
【化74】
【0227】
カルボニトリル VIIIbaおよびイソプロピルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:60%;淡黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3326、3144、2962、2864、2460、1643、1585、1530、1498、1482、1406、1384、1351、1306、1258、1226、1173、1150、1121、1062、967、880、824;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −122.3;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.44(d,1H,J=9.0Hz)、7.97(s,1H)、7.76(d,1H,J=9.0Hz)、7.43−7.34(m,2H)、7.13(t,1H,J=9.0Hz)、3.64(s,1H)、1.35(s,6H);HRMS:C1917SBrF(M+H)として、計算値 459.0403、測定値 459.0382。
【0228】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(4−フルオロベンジル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 16
【化75】
【0229】
カルボニトリル VIIIbaおよび4−フルオロベンジルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、2:8)。収率:28%;淡黄色固体;融点150−160℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3403、3165、2853、1617、1596、1570、1509、1478、1413、1382、1350、1300、1262、1224、1181、1152、1112、1085、962、879、815;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −118.5、−122.8;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.36(d,1H,J=9.0Hz)、7.92(s,1H)、7.69(d,1H,J=9.0Hz)、7.46−7.31(m,4H)、7.15−7.02(m,3H)、4.50(s,2H);HRMS:C2316SBrF(M+H)として、計算値 525.0309、測定値 525.0303。
【0230】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(3−フルオロベンジル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 17
【化76】
【0231】
カルボニトリル VIIIbaおよび3−フルオロベンジルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、2:8)。収率:24%;橙色固体;融点168℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3165、3050、2926、2853、2355、1618、1594、1523、1479、1446、1409、1382、1350、1306、1263、1185、1113、1088、1067、962、879、834、811;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −115.6、−122.2;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.37(d,1H,J=9.0Hz)、7.92(s,1H)、7.68(d,1H,J=9.0Hz)、7.41−7.31(m,3H)、7.25(m,1H)、7.19−7.11(m,2H)、6.96(t,1H,J=9.0Hz)、4.52(s,2H);HRMS:C2316SBrF(M+H)として、計算値 525.0309、測定値 525.0317。
【0232】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(シクロヘキシルメチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 18
【化77】
【0233】
カルボニトリル VIIIbaおよびシクロヘキサンメチルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、2:8)。収率:60%;黄色固体;融点226℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2922、2848、2519、1643、1598、1529、1501、1477、1447、1414、1383、1350、1307、1258、1198、1158、1123、1062、1005、966、879、835、822;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −122.1;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.44(d,1H,J=9.0Hz)、7.97(s,1H)、7.76(d,1H,J=9.0Hz)、7.43−7.34(m,2H)、7.13(t,1H,J=9.0Hz)、4.50(s,2H)、3.15(m,2H)、2.01(m,1H)、1.89−1.85(m,4H)、1.26−1.23(m,4H);HRMS:C2323SBrF(M+H)として、計算値 513.0872、測定値 513.0896。
【0234】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−N−(ピリジン−4−イルメチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 19
【化78】
【0235】
カルボニトリル VIIIbaおよび4−ピコリルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:17%;淡黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3165、3050、2925、2843、1644、1607、1503、1479、1418、1382、1311、1263、1224、1199、1154、1112、1063、1002、965、881、826;19F NMR(282MHz、MeOD−d) δ −123.8;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.47(d,1H,J=9.0Hz)、8.31(s,1H)、7.91(d,1H,J=9.0Hz)、7.65(m,1H)、7.51(m,2H)、7.39−7.29(m,3H)、7.17(t,1H,J=9.0Hz)、4.57(s,2H);HRMS:C2216SBrF(M+H)として、計算値 508.0355、測定値 508.0361。
【0236】
9−(3−シアノフェニルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 20
【化79】
【0237】
カルボニトリル VIIIcaおよびN−アミノエチルモルホリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、3:7)。収率:56%;黄色固体;融点183℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3051、2922、2234、1646、1572、1307、1262、1140、1072、971、915;H NMR(300MHz、CDCl) δ 8.26(d,1H,J=9.0Hz)、8.01(d,1H,J=9.0Hz)、7.74−7.71(m,2H)、7.64−7.54(m,2H)、7.47−7.44(m,1H)、3.76(t,4H、J=4.5Hz)、3.52−3.48(m,2H)、2.73(t,2H、J=6.0Hz)、2.60(m,4H);HRMS:C2323OS(M+H)として、計算値 459.1716、測定値 459.1713。
【0238】
9−(3−シアノフェニルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 21
【化80】
【0239】
カルボニトリル VIIIcaおよびN−アミノエチルピペリジンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、3:7)。収率:38%;黄色固体;融点159℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2923、2853、2360、2226、1550、1472、1378、1259、1228、1074、966;H NMR(300MHz、CDCl) δ 8.44(d,1H,J=9.0Hz)、8.01(d,1H,J=9.0Hz)、7.74−7.71(m,2H)、7.64−7.54(m,2H)、7.47−7.44(m,1H)、3.54(m,2H)、2.67(t,2H、J=5.7Hz)、2.54(m,4H)、1.66−1.60(m,4H)、1.49(m,2H);HRMS:C2425S(M+H)として、計算値 457.1923、測定値 457.1933。
【0240】
N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 22
【化81】
【0241】
カルボニトリル VIIIdaおよび2−ジメチルアミノエチルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:53%;黄色固体;融点154℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2945、2827、2773、1643、1614、1572、1505、1464、1379、1341、1237、1177、1033、962、832;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.30(d,1H,J=9.0Hz)、8.06(s,1H)、7.69(d,1H,J=9.0Hz)、7.22(d,2H,J=9.0Hz)、6.97(d,2H,J=9.0Hz)、3.81(s,3H)、3.43(t,2H、J=7.0Hz)、2.70(t,2H、J=7.0Hz)、2.34(s,6H);HRMS:C2124OS(M+H)として、計算値 422.1763、測定値 422.1766。
【0242】
N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)−9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 23
【化82】
【0243】
カルボニトリル VIIIdaおよびジエチルエチレンジアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:50%;黄色固体;融点103℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2967、2832、1641、1614、1572、1507、1378、1341、1285、1237、1178、1086、1034、962、834;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.35(d,1H,J=9.0Hz)、8.08(s,1H)、7.74(d,1H,J=9.0Hz)、7.23(d,2H,J=9.0Hz)、7.01(d,2H,J=9.0Hz)、3.82(s,3H)、3.43(t,2H、J=7.0Hz)、2.86(t,2H、J=7.0Hz)、2.71(q,4H、J=7.0Hz)、1.11(t,6H、J=7.0Hz);HRMS:C2328OS(M+H)として、計算値 450.2076、測定値 450.2058。
【0244】
9−(4−メトキシフェニルアミノ)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 24
【化83】
【0245】
カルボニトリル VIIIdaおよびN−アミノエチルピロリジンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:47%;橙色固体;融点134℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2957、2798、1643、1615、1573、1504、1379、1341、1284、1237、1147、1086、1033、962、880、833;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.34(d,1H,J=9.0Hz)、8.08(s,1H)、7.73(d,1H,J=9.0Hz)、7.23(d,2H,J=9.0Hz)、6.99(d,2H,J=9.0Hz)、3.82(s,3H)、3.49(t,2H、J=7.0Hz)、2.88(t,2H、J=7.0Hz)、2.67(m,4H)、1.85(m,4H);HRMS:C2326OS(M+H)として、計算値 448.1920、測定値 448.1926。
【0246】
N−ベンジル−9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 25
【化84】
【0247】
カルボニトリル VIIIdaおよびベンジルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、2:8)。収率:28%;黄色固体;融点130℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3362、3028、2832、1640、1598、1572、1509、1377、1356、1299、1238、1177、1084、1030、962、833;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.34(d,1H,J=9.0Hz)、8.08(s,1H)、7.73(d,1H,J=9.0Hz)、7.35(m,4H)、7.26(m,3H)、6.99(d,2H,J=9.0Hz)、4.55(s,2H)、3.83(s,3H);HRMS:C2421OS(M+H)として、計算値 441.1498、測定値 441.1507。
【0248】
9−(4−メトキシフェニルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 26
【化85】
【0249】
カルボニトリル VIIIdaおよびN−アミノエチルモルホリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:41%;黄色固体;融点131℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3362、3175、2920、2852、1643、1567、1504、1469、1386、1234、1111、1032、964、836;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.37(d,1H,J=9.0Hz)、8.11(s,1H)、7.75(d,1H,J=9.0Hz)、7.26(d,2H,J=9.0Hz)、7.01(d,2H,J=9.0Hz)、3.82(s,3H)、3.73(m,4H)、3.48(t,2H、J=7.0Hz)、2.76(t,2H、J=7.0Hz)、2.62(m,4H);HRMS:C2326S(M+H)として、計算値 464.1869、測定値 464.1874。
【0250】
9−(4−メトキシフェニルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 27
【化86】
【0251】
カルボニトリル VIIIdaおよびN−アミノエチルピペリジンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、3:7)。収率:43%;黄色固体;融点132℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2933、2852、1640、1613、1572、1507、1376、1349、1302、1283、1237、1155、1124、1035、962、833;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.34(d,1H,J=9.0Hz)、8.08(s,1H)、7.73(d,1H,J=9.0Hz)、7.23(d,2H,J=9.0Hz)、6.99(d,2H,J=9.0Hz)、3.82(s,3H)、3.49(t,2H、J=7.0Hz)、2.73(t,2H、J=7.0Hz)、2.56(m,4H)、1.66(m,4H)、1.52(m,2H);HRMS:C2428OS(M+H)として、計算値 462.2076、測定値 462.2098。
【0252】
9−(4−メトキシフェニルアミノ)−N,N−ジメチルチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 28
【化87】
【0253】
カルボニトリル VIIIdaおよびジメチルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:67%;淡黄色固体;融点152℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3139、2924、1681、1644、1571、1509、1383、1347、1286、1237、1176、1031、966、834;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.15(d,1H,J=9.0Hz)、7.84(s,1H)、7.53(d,1H,J=9.0Hz)、7.08(d,2H,J=9.0Hz)、6.89(d,2H,J=9.0Hz)、3.77(s,3H)、3.13(s,6H);HRMS:C1919OS(M+H)として、計算値 379.1341、測定値 379.1333。
【0254】
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 29
【化88】
【0255】
カルボニトリル VIIIfaおよびN−アミノエチルモルホリンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:41%;黄色固体;融点169℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3324、2965、2901、2861、2812、1641、1616、1587、1503、1468、1382、1353、1304、1271、1232、1180、1148、1114、1067、1036、969、935、839;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.33(d,1H,J=9Hz)、7.96(s,1H)、7.71(d,1H,J=9Hz)、6.87(d,1H,J=9Hz)、6.74(s,1H)、6.64(d,1H,J=9Hz)、5.96(s,2H)、3.74(m,4H)、3.55(t,2H、J=7Hz)、2.75(t,2H、J=7Hz)、2.61(m,4H);HRMS:C2324S(M+H)として、計算値 478.1661、測定値 478.1649。
【0256】
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−(ピペリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 30
【化89】
【0257】
カルボニトリル VIIIfaおよびN−アミノエチルピペリジンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、3:7)。収率:34%;黄色固体;融点170℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3350、2936、2773、2482、2061、1641、1613、1585、1503、1462、1374、1337、1304、1229、1176、1141、1121、1037、983、962、931、855、832;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.33(d,1H,J=9Hz)、7.89(s,1H)、7.69(d,1H,J=9Hz)、6.86(d,1H,J=9Hz)、6.75(s,1H)、6.63(d,1H,J=9Hz)、5.99(s,2H)、3.46(t,2H、J=7Hz)、2.71(t,2H、J=7Hz)、2.57(m,4H)、1.64(m,4H)、1.50(m,2H);HRMS:C2426S(M+H)として、計算値 476.1869、測定値 476.1883。
【0258】
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 31
【化90】
【0259】
カルボニトリル VIIIfaおよびN−アミノエチルピロリジンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:48%;黄色固体;融点172℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2906、2803、1643、1614、1573、1500、1467、1377、1347、1305、1265、1228、1175、1121、1036、966、933、833;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.27(d,1H,J=9Hz)、7.90(s,1H)、7.65(d,1H,J=9Hz)、6.86(d,1H,J=9Hz)、6.75(s,1H)、6.63(d,1H,J=9Hz)、5.97(s,2H)、3.46(t,2H、J=7Hz)、2.85(t,2H、J=7Hz)、2.67(m,4H)、1.83(m,4H);HRMS:C2324S(M+H)として、計算値 462.1712、測定値 462.1736。
【0260】
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−ベンジルチアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 32
【化91】
【0261】
カルボニトリル VIIIfaおよびベンジルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、2:8)。収率:21%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2886、2447、1641、1597、1497、1466、1413、1384、1353、1307、1266、1229、1178、1122、1105、1036、967、934、861、833;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.27(d,1H,J=9Hz)、7.90(s,1H)、7.65(d,1H,J=9Hz)、6.86(m,4H)、6.75(m,3H)、6.63(d,1H,J=9Hz)、5.97(s,2H)、4.58(s,2H);HRMS:C2419S(M+H)として、計算値 455.1290、測定値 455.1287。
【0262】
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 33
【化92】
【0263】
カルボニトリル VIIIfaおよび2−ジメチルアミノエチルアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:10%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3391、2923、2852、1643、1615、1538、1498、1467、1383、1346、1302、1263、1229、1178、1118、1035、965、933、856、835;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.17(d,1H,J=9Hz)、7.90(s,1H)、7.56(d,1H,J=9Hz)、6.86(d,1H,J=9Hz)、6.75(s,1H)、6.63(d,1H,J=9Hz)、5.91(s,2H)、3.43(t,2H、J=7Hz)、2.69(t,2H、J=7Hz)、2.33(s,6H);HRMS:C2122S(M+H)として、計算値 436.1556、測定値 436.1549。
【0264】
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)−N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシイミドアミド 34
【化93】
【0265】
カルボニトリル VIIIfaおよびジエチルエチレンジアミンより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:66%;黄色固体;融点144℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3333、2970、2920、2832、1641、1614、1585、1502、1463、1421、1378、1348、1303、1231、1179、1145、1122、1088、1037、965、933、858、831;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.23(d,1H,J=9Hz)、7.89(s,1H)、7.62(d,1H,J=9Hz)、6.86(d,1H,J=9Hz)、6.75(s,1H)、6.63(d,1H,J=9Hz)、5.94(s,2H)、3.42(t,2H、J=7Hz)、2.83(t,2H、J=7Hz)、2.68(q,4H、J=7Hz)、1.10(t,6H、J=7Hz);HRMS:C2326S(M+H)として、計算値 464.1869、測定値 464.1896。
【0266】
2)アミド 35〜40の一般的合成操作
【0267】
カルボニトリル(0.13ミリモル)およびNaOH(2.5N溶液、50μL)のブタノール(2.5mL)中攪拌混合物にマイクロ波を117℃で30分間照射した。溶媒を減圧中で除去し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、アミド 37〜43を得た。
【0268】
9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 35
【化94】
【0269】
カルボニトリル VIIIaaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:98%;橙色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3453、1684、1624、1601、1576、1534、1506、1487、1376、1348、1282、1260、1209、1124、1085、1057、993、969、825、810;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −129.1;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.26−8.21(m,2H)、8.12(d,1H,J=9.0Hz)、8.02−7.99(m,1H)、7.80(s,1H)、7.53(d,1H,J=9.0Hz)、7.47(m,1H)、7.18(t,1H,J=9.0Hz);HRMS:C1610OSClF(M+H)として、計算値 374.0279、測定値 374.0280。
【0270】
9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 36
【化95】
【0271】
カルボニトリル VIIIbaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:71%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 1682、1645、1615、1575、1557、1486、1347、1254、1200、1158、1118、1074、993、967、941、865、819;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −120.5;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.47(s,1H)、8.41(d,1H,J=9.0Hz)、8.39(s,1H)、8.14(s,1H)、8.03(d,1H,J=9.0Hz)、7.53(m,1H)、7.36(m,1H)、7.21(t,1H,J=9.0Hz);HRMS:C1610OSBrF(M+H)として、計算値 417.9769、測定値 417.9769。
【0272】
9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 37
【化96】
【0273】
カルボニトリル VIIIdaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:98%;橙色固体;融点213℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3409、1691、1638、1600、1572、1509、1431、1380、1349、1325、1301、1237、1177、1123、1085、1032、964、835、814;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.37(s,1H)、8.24(d,1H,J=9.0Hz)、8.06(s,1H)、7.92(s,1H)、7.61(d,1H,J=9.0Hz)、7.31(d,2H,J=9.0Hz)、6.89(d,2H,J=9.0Hz)、3.74(s,3H);HRMS:C1714S(M+H)として、計算値 352.0868、測定値 352.0879。
【0274】
9−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 38
【化97】
【0275】
カルボニトリル VIIIeaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:98%;橙色固体;融点202℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3466、2938、1692、1641、1582、1503、1413、1352、1306、1225、1123、1003、952、826;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.17(d,1H,J=9.0Hz)、7.99(s,1H)、7.56(d,1H,J=9.0Hz)、6.59(m,2H)、3.85(s,6H)、3.76(s,3H);HRMS:C1918S(M+H)として、計算値 412.1080、測定値 412.1076。
【0276】
9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 39
【化98】
【0277】
カルボニトリル VIIIfaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:31%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3291、2915、1648、1576、1532、1497、1476、1376、1351、1323、1272、1191、1104、1035、965、923、830、815;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.05−7.98(m,2H)、7.49(d,1H,J=2Hz)、7.37−7.31(m,1H)、6.96(dd,1H,J=2Hz、J=9Hz)、6.73(dd,1H,J=2Hz、J=9Hz)、5.88(s,2H);HRMS:C1712S(M+H)として、計算値 366.0661、測定値 366.0658。
【0278】
9−(3,4−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 40
【化99】
【0279】
カルボニトリル VIIIiaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、9:1)。収率:5%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3442、3275、2932、2833、1638、1582、1504、1463、1377、1260、1226、1126、1023、966、934、848、803;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.48(s,1H,NH)、8.38(d,1H,J=9Hz)、8.03(m,2H、NH)、7.72(d,1H,J=9Hz)、6.99(d,2H,J=8.4Hz)、6.81(m,2H、NH)、3.76(s,6H);HRMS:C1816S(M+H)として、計算値 382.0974、測定値 382.0958。
【0280】
3)イミダゾリン:N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−9−アミン 41の合成
【化100】
【0281】
カルボニトリル VIIIaa(0.14ミリモル)およびエチレンジアミン(5.6ミリモル)の乾燥THF(7mL)中攪拌混合物に、マイクロ波を116℃で30分間照射した。該混合物をジクロロメタンに溶かし、水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧中で除去し、予想される化合物41(31.1mg、収率57%)を黄色固体として得た;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2924、1629、1587、1493、1349、1286、1258、1205、1149、1080、1052、966、883、836、814;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −125.6;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.30(d,1H,J=9.0Hz)、8.15(s,1H)、7.62(d,1H,J=9.0Hz)、7.58−7.55(m,1H)、7.33(t,1H,J=9.0Hz)、7.36−7.21(m,1H)、3.69(s,4H);HRMS:C1813SClF(M+H)として、計算値 399.0595、測定値 399.0602。
【0282】
4)オキサゾール:2−(4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)−N−(4−メトキシフェニル)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−9−アミン 42の合成
【化101】
【0283】
カルボニトリル VIIIda(0.15ミリモル)およびエタノールアミン(6.0ミリモル)の乾燥THF(2mL)中攪拌混合物に、マイクロ波を170℃で30分間照射した。溶媒を減圧中で除去し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM−MeOH、8:2)で精製し、予想される化合物42(49.0mg、収率87%)を橙色固体として得た;融点162℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3150、1639、1617、1571、1500、1376、1236、1166、1030、967、825;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.29(d,1H,J=9.0Hz)、7.99(s,1H)、7.67(d,1H,J=9.0Hz)、7.13(m,2H)、6.97(d,2H,J=8.4Hz)、3.86−3.81(m,5H) 3.59(t,2H、J=5.4Hz);HRMS:C1916S(M+H)として、計算値 378.1025、測定値 378.1024。
【0284】
5)イミデート 43〜80の一般的合成操作
【0285】
カルボニトリル(0.13ミリモル)およびNaOCH(MeOH中0.5M溶液、130μL)のメタノール(4mL)中攪拌混合物に、マイクロ波を65℃で30分間照射した。溶媒を減圧中で除去し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、イミデート 43〜80を得た。
【0286】
メチル 9−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 43
【化102】
【0287】
カルボニトリル VIIIaaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:98%;橙色固体;融点212℃;IR(KBr)νmax/cm−1 1642、1559、1479、1352、1260、1201、1156、1073、942、817;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −126.9;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.29(d,1H,J=9.0Hz)、8.18(s,1H)、7.73(m,1H)、7.61(d,1H,J=9.0Hz)、7.30(m,1H)、7.27(t,1H,J=9.0Hz)、3.95(s,3H);HRMS:C1712OSClF(M+H)として、計算値 388.0435、測定値 388.0447。
【0288】
メチル 9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 44
【化103】
【0289】
カルボニトリル VIIIbaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、2:8)。収率:94%;淡黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2950、1638、1617、1595、1555、1507、1479、1434、1398、1352、1325、1288、1224、1197、1159、1115、1070、988、965、942、882、818;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −119.8;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.46(d,1H,J=9.0Hz)、8.02(s,1H)、7.69(d,1H,J=9.0Hz)、7.53(m,1H)、7.35(m,1H)、7.20(t,1H,J=9.0Hz)、3.94(s,3H);HRMS:C1712OSBrF(M+H)として、計算値 431.9930、測定値 431.9937。
【0290】
メチル 9−(4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 45
【化104】
【0291】
カルボニトリル VIIIdaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、5:5)。収率:82%;橙色固体;融点241℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2833、2354、1644、1614、1567、1504、1439、1397、1373、1349、1325、1286、1240、1215、1181、1155、1104、1069、1033、965、935、859、832、814;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.09(d,1H,J=9.0Hz)、7.93(s,1H)、7.50(d,1H,J=9.0Hz)、7.14(d,2H,J=9.0Hz)、6.82(d,2H,J=9.0Hz)、3.98(s,3H)、3.74(s,3H);HRMS:C1816S(M+H)として、計算値 366.1025、測定値 366.1034。
【0292】
メチル 9−((4−メトキシフェニル)(メチル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 46
【化105】
【0293】
カルボニトリル IXbより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、9:1)。収率:93%;黄色固体;融点248℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3267、3057、2929、2837、1736、1654、1613、1555、1493、1434、1404、1369、1330、1268、1240、1219、1146、1100、1058、1033、982、939、886、835、811;H NMR(300MHz、MeOD−d) δ 8.42(d,1H,J=9.0Hz)、8.18(s,1H)、7.71(d,1H,J=9.0Hz)、7.34(d,2H,J=9.0Hz)、6.91(d,2H,J=9.0Hz)、3.96(s,3H)、3.75(s,3H)、3.73(s,3H);HRMS:C1918S(M+H)として、計算値 380.1181、測定値 380.1179。
【0294】
メチル 9−(7−ブロモベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 47
【化106】
【0295】
カルボニトリル VIIIgaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:77%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3248、2919、2406、1647、1617、1575、1560、1519、1504、1487、1424、1375、1334、1300、1264、1178、1147、1114、1036、960、925、843;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.44(d,1H,J=9.0Hz)、8.02(s,1H)、7.72(d,1H,J=9.0Hz)、7.26(s,1H)、6.77(s,1H)、5.06(s,2H)、3.94(s,3H);HRMS:C1813SBr(M+H)として、計算値 457.9922、測定値 457.9937。
【0296】
メチル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 48
【化107】
【0297】
カルボニトリル VIIIhaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:92%;黄色固体;融点232℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3287、2902、1648、1617、1575、1528、1499、1483、1452、1432、1385、1322、1272、1196、1125、1043、936、885、834、817;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.36(d,1H,J=9Hz)、7.96(s,1H)、7.71(d,1H,J=9Hz)、6.87(d,1H,J=8Hz)、6.74(m,1H)、6.63(d,1H,J=8Hz)、5.96(s,2H)、4.05(s,3H);HRMS:C1814S(M+H)として、計算値 380.0817、測定値 380.0805。
【0298】
メチル 9−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 49
【化108】
【0299】
カルボニトリル VIIIhaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:80%;黄色固体;融点194℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3575、3063、1647、1578、1499、1439、1347、1302、1241、1199、1156、1122、1062、948、915、836;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.40(d,1H,J=9Hz)、8.01(s,1H)、7.69(d,1H,J=9Hz)、6.87(d,1H,J=2.1Hz)、6.67(m,2H)、4.24(s,4H)、3.94(s,3H);HRMS:C1916S(M+H)として、計算値 394.0974、測定値 394.0954。
【0300】
メチル 9−((2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)(メチル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 50
【化109】
【0301】
カルボニトリル IXcより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、9:1)。収率:66%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3298、2973、2875、1642、1620、1555、1484、1435、1408、1360、1298、1273、1242、1203、1162、1146、1065、939、878、847;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.45(d,1H,J=9Hz)、8.21(s,1H)、7.74(d,1H,J=9Hz)、6.97(d,1H,J=2.1Hz)、6.83(m,2H)、4.24(s,4H)、3.96(s,3H)、3.75(s,3H);HRMS:C2018S(M+H)として、計算値 408.1130、測定値 408.1111。
【0302】
メチル 9−(3,4−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 51
【化110】
【0303】
カルボニトリル VIIIiaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:89%;黄色固体;融点218℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3289、2921、2852、1651、1613、1583、1505、1466、1432、1376、1348、1309、1261、1226、1195、1164、1146、1128、1075、1027、968、945、924、854、832;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.44(d,1H,J=9Hz)、7.92(s,1H)、7.72(d,1H,J=9Hz)、6.99(d,1H,J=2.1Hz)、6.83(d,1H,J=8.4Hz)、6.75(dd,1H,J=2.1Hz、J=8.4Hz)、3.94(s,3H)、3.76(s,6H);HRMS:C1918S(M+H)として、計算値 396.1130、測定値 396.1119。
【0304】
メチル 9−((3,4−ジメトキシフェニル)(メチル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 52
【化111】
【0305】
カルボニトリル IXaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、9:1)。収率:73%;黄色固体;融点220℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3298、2986、2832、1644、1619、1555、1492、1434、1361、1253、1228、1162、1142、1127、1069、1026、953、927、832、800;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.46(d,1H,J=9Hz)、8.21(s,1H)、7.75(d,1H,J=9Hz)、7.03(d,1H,J=2.1Hz)、6.93(d,1H,J=8.4Hz)、6.84(dd,1H,J=2.1Hz、J=8.4Hz)、3.96(s,3H)、3.75(s,9H);HRMS:C1918S(M+H)として、計算値 396.1130、測定値 396.1119。
【0306】
メチル 9−(4−ヒドロキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 53
【化112】
【0307】
カルボニトリル VIIIjaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:81%;黄色固体;融点196℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2953、2852、1644、1619、1573、1508、1477、1372、1326、1235、1164、1100、1077、968、940、835;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.38(d,1H,J=9Hz)、8.02(s,1H)、7.69(d,1H,J=9Hz)、7.04(m,2H)、6.80−6.73(m,2H)、3.94(s,3H);HRMS:C1714S(M+H)として、計算値 352.0868、測定値 352.0873。
【0308】
メチル 9−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 54
【化113】
【0309】
カルボニトリル VIIIkaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。定量的収率;黄色固体;融点216℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3289、2921、2852、1643、1611、1578、1505、1441、1379、1348、1281、1245、1154、1128、1077、1027、957、834;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.40(d,1H,J=9Hz)、7.99(s,1H)、7.71(d,1H,J=9Hz)、6.94(d,1H,J=8.4Hz)、6.65−6.55(m,2H)、3.94(s,3H)、3.77(s,3H);HRMS:C1816S(M+H)として、計算値 382.0974、測定値 382.0957。
【0310】
メチル 9−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 55
【化114】
【0311】
カルボニトリル VIIIlaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:66%;黄色固体;融点202℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3291、3053、2911、1641、1611、1573、1508、1482、1437、1355、1333、1287、1226、1196、1158、1092、1067、985、942、821;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.39(d,1H,J=9Hz)、8.01(s,1H)、7.69(d,1H,J=9Hz)、7.12(m,1H)、6.92(m,1H)、6.78−6.73(m,1H)、4.53(t,2H、J=8.7Hz)、3.95(s,3H)、3.19(t,2H、J=8.7Hz);HRMS:C1916S(M+H)として、計算値 378.1025、測定値 378.1006。
【0312】
メチル 9−(4−クロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 56
【化115】
【0313】
カルボニトリル VIIImaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:62%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2948、1644、1604、1557、1509、1481、1435、1401、1356、1285、1240、1159、1094、1074、992、943、816;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.42(d,1H,J=9Hz)、8.08(s,1H)、7.70(d,1H,J=9Hz)、7.41(d,2H,J=8.1Hz)、7.20(m,2H)、3.95(s,3H);HRMS:C1713OSCl(M+H)として、計算値 370.0529、測定値 370.0521。
【0314】
メチル 9−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 57
【化116】
【0315】
カルボニトリル VIIInaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:45%;黄色固体;融点230℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3296、2920、1640、1608、1588、1551、1507、1491、1469、1437、1397、1356、1284、1158、1129、1073、1023、942、860、821;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.42(d,1H,J=9Hz)、8.19(s,1H)、7.69(d,1H,J=9Hz)、7.56(d,2H,J=9Hz)、7.22(m,1H)、3.95(s,3H);HRMS:C1712OSCl(M+H)として、計算値 404.0140、測定値 404.0135。
【0316】
メチル 9−(3−エチニルフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 58
【化117】
【0317】
カルボニトリル VIIIoaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:68%;黄色固体;融点220℃;黄色固体;融点220℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3293、2950、1731、1644、1613、1552、1489、1437、1353、1286、1157、1070、968、941、871、822;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.43(d,1H,J=9Hz)、8.11(s,1H)、7.70(d,1H,J=9Hz)、7.37(t,1H,J=7.8Hz)、7.26−7.16(m,3H)、4.16(s,1H)、3.95(s,3H);HRMS:C1914OS(M+H)として、計算値 360.0919、測定値 360.0908。
【0318】
メチル 9−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 59
【化118】
【0319】
カルボニトリル VIIIpaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、8:2)。収率:57%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3094、1641、1615、1573、1479、1380、1343、1294、1199、1141、1070、947、824;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.46−8.36(m,2H)、8.18(m,1H)、8.02(d,1H,J=9Hz)、7.73(d,1H,J=8.1Hz)、7.65(d,1H,J=8.1Hz)、7.54(m,1H)、3.95(s,3H);HRMS:C1814OS(M+H)として、計算値 376.0981、測定値 376.0974。
【0320】
メチル 9−(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 60
【化119】
【0321】
カルボニトリル VIIIqaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:34%;橙色固体;融点210℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2957、2911、1724、1622、1560、1520、1476、1379、1310、1243、1156、1070、971、945、820;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.30(d,1H,J=8.7Hz)、8.18(m,1H)、7.67(m,2H)、7.16(d,1H,J=8.7Hz)、3.96(s,3H);HRMS:C1713S(M+H)として、計算値 397.0719、測定値 397.0710。
【0322】
メチル 9−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 61
【化120】
【0323】
カルボニトリル VIIIeaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:87%;黄色固体;融点254℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3291、2941、2833、1640、1583、1496、1434、1415、1337、1228、1164、1143、1116、1073、993、975、954、861、844、822;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.34(s,1H,NH)、8.42(d,1H,J=9.0Hz)、7.94(s,1H)、7.74(d,1H,J=9.0Hz)、6.37(s,2H)、3.94(s,3H)、3.77(s,6H)、3.67(s,3H);HRMS:C2020S(M+H)として、計算値 426.1236、測定値 426.1240。
【0324】
メチル 9−(2,4−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 62
【化121】
【0325】
カルボニトリル VIIIraより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:71%;淡緑色固体;融点245℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3380、3277、2999、2942、2828、1654、1608、1566、1545、1526、1506、1455、1431、1332、1276、1204、1152、1123、1097、1063、1026、993、963、942、916;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.33(s,1H,NH)、8.41(d,1H,J=9.0Hz)、7.84(s,1H)、7.73(d,1H,J=9.0Hz)、6.88(m,1H)、6.68(m,1H)、6.58(d,1H,J=7.8Hz)、3.94(s,3H)、3.79(s,3H)、3.72(s,3H);HRMS:C1918S(M+H)として、計算値 396.1130、測定値 396.1124。
【0326】
メチル 9−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 63
【化122】
【0327】
カルボニトリル VIIIsaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:58%;淡黄色固体;融点259℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3237、2955、2929、1731、1660、1579、1495、1440、1368、1347、1301、1250、1189、1149、1107、1058、973、953、856、824;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.34(s,1H,NH)、8.43(d,1H,J=9.0Hz)、7.96(s,1H)、7.74(d,1H,J=9.0Hz)、6.25(m,3H)、3.94(s,3H)、3.74(s,6H);HRMS:C1918S(M+H)として、計算値 396.1130、測定値 396.1128。
【0328】
メチル 9−(フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 64
【化123】
【0329】
カルボニトリル VIIItaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:52%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3294、3147、2950、2877、1727、1640、1609、1570、1552、1507、1480、1434、1351、1284、1210、1153、1067、990、965、939、869、819;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.32(s,1H,NH)、8.41(d,1H,J=9.0Hz)、7.99(s,1H)、7.68(d,1H,J=9.0Hz)、7.38(m,2H)、7.09(m,3H)、3.94(s,3H);HRMS:C1714OS(M+H)として、計算値 336.0919、測定値 336.0904。
【0330】
メチル 9−(p−トリルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 65
【化124】
【0331】
カルボニトリル VIIIuaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:88%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3292、3148、2848、1725、1641、1600、1557、1488、1434、1351、1283、1155、1068、990、966、939、820、804;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.33(s,1H,NH)、8.41(d,1H,J=9.0Hz)、7.95(s,1H)、7.69(d,1H,J=9.0Hz)、7.20(m,2H)、7.11(m,2H)、3.94(s,3H)、2.32(s,3H);HRMS:C1816OS(M+H)として、計算値 350.1076、測定値 350.1072。
【0332】
メチル 9−(4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 66
【化125】
【0333】
カルボニトリル VIIIvaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:77%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3416、3298、3226、3150、2950、1731、1641、1611、1574、1558、1506、1490、1434、1400、1355、1329、1285、1226、1157、1103、1072、994、968、943、819;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −120.8;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.33(s,1H,NH)、8.41(d,1H,J=9.0Hz)、7.93(s,1H)、7.68(d,1H,J=9.0Hz)、7.19(m,4H)、3.95(s,3H);HRMS:C1713OSF(M+H)として、計算値 354.0825、測定値 354.0811。
【0334】
メチル 9−(3−シアノフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 67
【化126】
【0335】
カルボニトリル VIIIcaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:33%;淡黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3272、2235、1722、1638、1615、1581、1571、1491、1437、1143、1109、1067、989、968、943、885、840;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.34(s,1H,NH)、8.45(d,1H,J=9.0Hz)、8.20(s,1H)、7.68(d,1H,J=9.0Hz)、7.61(m,4H)、3.95(s,3H);HRMS:C1813OS(M+H)として、計算値 361.0872、測定値 361.0862。
【0336】
メチル 9−(2−ブロモ−4−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 68
【化127】
【0337】
カルボニトリル VIIIwaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:69%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3150、3063、2955、1726、1644、1598、1566、1508、1472、1436、1397、1353、1324、1282、1260、1185、1155、1071、939、853、812;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −120.32;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.34(s,1H,NH)、8.46(d,1H,J=9.0Hz)、8.07(s,1H)、7.70(d,1H,J=9.0Hz)、7.62(m,1H)、7.24(m,1H)、7.13(m,1H)、3.93(s,3H);HRMS:C1712OSBrF(M+H)として、計算値 431.9930、測定値 431.9909。
【0338】
メチル 9−(2−フルオロ−4−メトキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 69
【化128】
【0339】
カルボニトリル VIIIxaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:82%;黄色固体;融点224℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3150、2950、1645、1601、1570、1488、1435、1355、1322、1285、1269、1203、1155、1096、1069、1032、939、819;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −120.44;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.33(s,1H,NH)、8.42(d,1H,J=9.0Hz)、8.06(s,1H)、7.70(d,1H,J=9.0Hz)、7.19(m,1H)、6.88(m,1H)、6.77(m,1H)、3.94(s,3H)、3.78(s,3H);HRMS:C1815SF(M+H)として、計算値 384.0930、測定値 384.0925。
【0340】
メチル 9−(4−シアノフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 70
【化129】
【0341】
カルボニトリル VIIIyaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:52%;黄色固体;融点>260 ℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3264、2215、1655、1625、1591、1561、1493、1435、1385、1335、1272、1227、1146、1069、995、938、848、815;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.32(s,1H,NH)、8.43(d,1H,J=9.0Hz)、8.17(s,1H)、7.79(d,2H,J=6.9Hz)、7.68(d,1H,J=7.2Hz)、7.32(d,2H,J=6.9Hz)、3.94(s,3H);HRMS:C1813OS(M+H)として、計算値 361.0872、測定値 361.0863。
【0342】
メチル 9−(4−クロロ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 71
【化130】
【0343】
カルボニトリル VIIIzaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:58%;黄色固体;融点>260 ℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2953、1641、1600、1553、1507、1481、1397、1355、1287、1198、1159、1120、1072、944、899、818;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −120.1;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.34(s,1H,NH)、8.45(d,1H,J=9.0Hz)、8.14(s,1H)、7.71(d,1H,J=9.0Hz)、7.44(d,1H,J=9.0Hz)、7.24(m,2H)、3.94(s,3H);HRMS:C1712OSClF(M+H)として、計算値 388.0435、測定値 388.0426。
【0344】
メチル 9−(2,4−ジクロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 72
【化131】
【0345】
カルボニトリル VIIIabより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:81%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2953、1727、1641、1586、1507、1488、1464、1394、1354、1284、1158、1099、1073、1054、941、860、816;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.34(s,1H,NH)、8.45(d,1H,J=9.0Hz)、8.10(s,1H)、7.71(d,1H,J=9.0Hz)、7.62(s,1H)、7.38(d,1H,J=8.1Hz)、7.18(d,1H,J=8.1Hz)、3.93(s,3H);HRMS:C1712OSCl(M+H)として、計算値 404.0140、測定値 404.0146。
【0346】
メチル 9−(4−メトキシ−3−ニトロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 73
【化132】
【0347】
カルボニトリル VIIIbbより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−MeOH、95:5)。収率:59%;黄色固体;融点214 ℃;IR(KBr)νmax/cm−1 1731、1643、1603、1520、1489、1438、1345、1266、1158、1072、1014、946、870、821、810;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.32(s,1H,NH)、8.40(d,1H,J=9.0Hz)、8.17(s,1H)、7.82(d,1H,J=9.0Hz)、7.66(d,1H,J=9.0Hz)、7.55(d,1H,J=8.1Hz)、7.36(d,1H,J=9.0Hz)、3.95(s,3H)、3.92(s,3H);HRMS:C1815S(M+H)として、計算値 411.0876、測定値 411.0869。
【0348】
メチル 9−(4−tert−ブチルフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 74
【化133】
【0349】
カルボニトリル VIIIcbより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:69%;黄色固体;融点>260 ℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3267、2939、1731、1644、1599、1580、1493、1342、1269、1248、1161、1114、1066、988、965、941、899、838;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.31(s,1H,NH)、8.39(d,1H,J=9.0Hz)、8.17(s,1H)、7.84(d,1H,J=9.0Hz)、7.41(d,2H,J=7.8Hz)、7.12(m,2H)、3.93(s,3H)、1.31(s,9H);HRMS:C2222OS(M+H)として、計算値 392.1545、測定値 392.1539。
【0350】
メチル 9−(3−クロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 75
【化134】
【0351】
カルボニトリル VIIIdbより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:78%;淡黄色固体;融点235℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3293、2950、1639、1593、1550、1507、1470、1437、1355、1286、1157、1070、994、968、943、876、821;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.32(s,1H,NH)、8.40(d,1H,J=9.0Hz)、8.11(s,1H)、7.67(d,1H,J=9.0Hz)、7.37(t,1H,J=7.8Hz)、7.23(m,1H)、7.12−7.08(m,2H)、3.94(s,3H);HRMS:C1713OSCl(M+H)として、計算値 370.0529、測定値 370.0524。
【0352】
メチル 9−(4−(ジメチルアミノ)フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 76
【化135】
【0353】
カルボニトリル VIIIebより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:94%;ベージュ固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3288、2945、1629、1608、1577、1520、1496、1444、1337、1291、1275、1209、1183、1167、1068、968、943、820;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.35(s,1H,NH)、8.42(d,1H,J=9.0Hz)、8.07(s,1H)、7.77(d,1H,J=9.0Hz)、7.36(d,2H,J=8.4Hz)、6.91(d,2H,J=8.4Hz)、3.94(s,3H)、2.99(s,3H);HRMS:C1919OS(M+H)として、計算値 379.1341、測定値 379.1330。
【0354】
メチル 9−(4−(ピロリジン−1−イル)フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 77
【化136】
【0355】
カルボニトリル VIIIfbより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:75%;ベージュ固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3293、2847、1632、1608、1577、1520、1491、1444、1388、1293、1265、1209、1178、1163、1107、1062、968、927、820、806;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.35(s,1H,NH)、8.42(d,1H,J=9.0Hz)、8.06(s,1H)、7.77(d,1H,J=9.0Hz)、7.34(d,2H,J=8.4Hz)、6.72(d,2H,J=8.4Hz)、3.94(s,3H)、3.29(m,4H)、1.98(m,4H);HRMS:C2121OS(M+H)として、計算値 405.1457、測定値 405.1452。
【0356】
メチル 9−(2,4−ジフルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 78
【化137】
【0357】
カルボニトリル VIIIgbより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:71%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 1644、1608、1574、1556、1509、1488、1435、1357、1285、1260、1188、1140、1073、963、943、843、819;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −117.6、−118.8;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.34(s,1H,NH)、8.45(d,1H,J=9.0Hz)、8.12(s,1H)、7.70(d,1H,J=9.0Hz)、7.27(m,2H)、7.05(t,1H,J=7.8Hz)、3.94(s,3H);HRMS:C1712OSF(M+H)として、計算値 372.0731、測定値 372.0725。
【0358】
メチル 9−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 79
【化138】
【0359】
VIIIhbより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:70%;淡褐色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3374、1729、1652、1626、1585、1519、1465、1386、1352、1302、1241、1209、1156、1111、978、856、827;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −138.5;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.52(d,1H,J=9.0Hz)、8.19(s,1H)、7.72(d,1H,J=9.0Hz)、7.04−6.91(m,3H)、3.95(s,3H);HRMS:C1713SF(M+H)として、計算値 370.0774、測定値 370.0762。
【0360】
メチル 9−(4−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 80
【化139】
【0361】
VIIIibより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(EtOAc)。収率:53%;淡黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3277、1643、1601、1588、1561、1509、1493、1324、1284、1151、1104、1065、1015、966、937、829、809;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −59.95;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.42(d,1H,J=9.0Hz)、8.11(s,1H)、7.69(d,3H、J=7.8Hz)、7.32(d,2H,J=7.8Hz)、3.93(s,3H);HRMS:C1813OSF(M+H)として、計算値 404.0736、測定値 404.0742。
【0362】
6)エチルイミデート 81および82の一般的合成操作
【0363】
カルボニトリル(0.13ミリモル)およびNaOCHCH(EtOH中0.5M溶液、130μL)のエタノール(4mL)中攪拌溶液に、マイクロ波を80℃で30分間照射した。溶媒を減圧中で除去し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製してイミデート 81および82を得た。
【0364】
エチル 9−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 81
【化140】
【0365】
カルボニトリル VIIIbaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、2:8)。収率:64%;黄色固体;融点220℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3658、3072、2360、1638、1582、1494、1377、1333、1309、1260、1225、1197、1167、1120、1088、1025、966、932、882、830;19F NMR(282MHz、DMSO−d) δ −122.4;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.46(d,1H,J=9.0Hz)、8.15(s,1H)、7.72(d,1H,J=9.0Hz)、7.54−7.39(m,2H)、7.20(t,1H,J=9.0Hz)、4.38(q,2H、J=7.0Hz)、1.37(t,3H、J=7.0Hz);HRMS:C1814OSBrF(M+H)として、計算値 446.0086、測定値 446.0082。
【0366】
エチル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 82
【化141】
【0367】
カルボニトリル VIIIfaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:79%;黄色固体;融点193℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3286、2892、1722、1654、1626、1579、1497、1484、1465、1372、1334、1242、1230、1184、1159、1128、1036、966、923、824;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.39(d,1H,J=9.0Hz)、7.94(s,1H)、7.68(d,1H,J=9.0Hz)、6.94(d,1H,J=8.1Hz)、6.76−6.46(m,2H)、6.01(s,2H)、4.38(q,2H、J=6.9Hz)、1.38(t,3H、J=6.9Hz);HRMS:C1916S(M+H)として、計算値 394.0974、測定値 394.0967。
【0368】
7)イミド酸ベンジル:ベンジル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 83
【化142】
【0369】
カルボニトリル VIIIfa(0.05g、0.14ミリモル)およびNaOCHPh(ベンジルアルコール中1.0M溶液、70μL)のベンジルアルコール(3mL)中攪拌混合物に、マイクロ波を100℃で30分間照射した。溶媒を減圧中で除去し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)で精製し、イミド酸エステル 83を黄色固体(0.018g、収率28%)として得た;融点182℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3375、2228、1726、1644、1613、1575、1473、1378、1327、1244、1192、1151、1036、922、833;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.42(d,1H,J=9.0Hz)、7.99(s,1H)、7.68(d,1H,J=9.0Hz)、7.51(d,2H,J=7.5Hz)、7.43−7.34(m,3H)、6.92(d,1H,J=7.5Hz)、6.78(m,1H)、6.59(m,1H)、6.01(s,2H)、5.45(s,2H);HRMS:C2418S(M+H)として、計算値 456.1130、測定値 456.1128。
【0370】
8)メチルエステル:メチル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシレート 84の合成
【化143】
【0371】
メチル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 48(0.017ミリモル)および5mLのMeOH/HO+TFA(0.1%)(60/40)の混合物を、アルゴン下、室温で終夜攪拌した。溶媒を減圧中で除去し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM−EtOAc、5:5)で精製し、エステル 84(5.9mg、収率94%)を黄色固体として得た;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3287、2902、1648、1617、1575、1528、1499、1483、1452、1432、1385、1322、1272、1196、1125、1043、936、885、834、817;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.42(d,1H,J=9.0Hz)、8.03(s,1H)、7.95(d,1H,J=9.0Hz)、6.96(d,1H,J=8.0Hz)、6.84(m,1H)、6.72(d,1H,J=8.0Hz)、5.94(s,2H)、4.05(s,3H);HRMS:C1813S(M+H)として、計算値 381.0658、測定値 381.0651。
【0372】
9)イソプロピルイミデート:イソプロピル 9−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 85の合成
【化144】
【0373】
カルボニトリル VIIIfa(0.078g、0.22ミリモル)およびKOH(2.5N溶液、78μL)のイソプロパノール(3.9mL)中攪拌混合物に、マイクロ波を100℃で2時間照射した。溶媒を減圧中で除去し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM−EtOAc、5:5)で精製し、イミデート 85を黄色固体(0.024g、収率27%)として得た;融点225℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3267、2977、2876、1638、1613、1572、1489、1475、1450、1382、1369、1317、1272、1244、1189、1142、1112、1036、924、885、828、808;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.40(d,1H,J=9.0Hz)、7.94(s,1H)、7.68(d,1H,J=9.0Hz)、6.94(d,2H,J=8.1Hz)、6.75−6.55(m,2H)、6.01(s,2H)、5.32−5.24(m,1H)、1.38(d,6H、J=6.0Hz)。HRMS:C2018S(M+H)として、計算値 408.0962、測定値 408.0956。
【0374】
10)カルボキサミド:9−((2−ブロモ−4−フルオロフェニル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 86の合成
【化145】
【0375】
カルボキサミド35−40について記載されている操作に従って、カルボニトリル VIIIwaより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:44%;黄色固体;融点210℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3150(NH)、2920,1736(CO)、1671、1636、1606、1579、11491、11460、1410、1384、1254、1209、1158、966、832、779;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.46(s,1H)、8.42(d,1H,J=9.0Hz)、8.01(s,1H)、7.72(d,1H,J=9.0Hz)、7.63(d,1H,J=9.0Hz)、7.25−7.20(m,1H)、7.18−7.13(m,1H);HRMS:C1610OSBrF(M+H)として、計算値 417.9773、測定値 417.9760。
【0376】
11)カルボキサミド:9−((2,4−ジクロロフェニル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキサミド 87の合成
【化146】
【0377】
カルボキサミド35−40について記載されている操作に従って、カルボニトリル VIIIabより調製した。フラッシュクロマトグラフィー溶出液(DCM−EtOAc、5:5)。収率:22%;黄色固体;融点>260℃;IR(KBr)νmax/cm−1 3150(NH),1701(CO)、1587、1505、1470、1384、1283、1099、808;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.46(s,1H)、8.42(d,1H,J=9.0Hz)、8.03(s、1H)、7.72(s,1H)、7.63(s,1H)、7.38(d,1H,J=6Hz)、7.19(d,1H,J=9Hz)。
【0378】
12)ブチル 9−((2,4−ジクロロフェニル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 88の合成
【化147】
【0379】
カルボニトリル VIIIab(0.05g、0.13ミリモル)およびNaOH(水中2.5M溶液、50μL)のブタノール(2.5mL)中攪拌混合物に、マイクロ波を117℃で30分間照射した。溶媒を減圧中で除去し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM−EtOAc、7:3)で精製し、イミデート 88を黄色固体(0.058g、収率33%)として得た;融点178℃;IR(KBr)νmax/cm−1 2965、1641(CO)、1578、1557、1504、1458、1370、1325、1284、1152、1099、1071、962、811;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 9.28(s,1H,NH)、8.45(d,1H,J=9.0Hz)、8.09(s,1H)、7.71(d,1H,J=9.0Hz)、7.60(d,1H,J=2.0Hz)、7.36(dd,1H,J=9.0およびJ 2.0Hz)、7.22(d,1H,J=9.0Hz)、4.34(t,2H、J=7.0Hz)、1.77(q,2H、J=7.0Hz)、1.47(q,2H、J=7.0Hz)、0.95(t,3H、J=7.0Hz);HRMS:C2018OSCl(M+H)として、計算値 446.0609、測定値 446.0618。
【0380】
13)メチルエステル:メチル 9−((2,4−ジクロロフェニル)アミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルボキシレート 89の合成
【化148】
【0381】
メチル 9−(2,4−ジクロロフェニルアミノ)チアゾロ[5,4−f]キナゾリン−2−カルビミデート 72(0.04g、0.01ミリモル)のテトラヒドロフラン(THF、1mL)および希HSO(10mLの水中に0.5mL)(1mL)中混合物をアルゴン下室温で2時間攪拌した。水を加え、形成した沈殿物を濾過し、水で洗浄した。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM−MeOH、9:1)で精製し、エステル 89(19.4mg、収率48%)を黄色固体として得た;融点202℃;IR(KBr)νmax/cm−1 1742(CO)、1584、1552、1501、1482、1470、1391、1296、1245、1099、1080、1055、936、858、827、808;H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.52(d,1H,J=9.0Hz)、8.15(s,1H),)、7.75(d,1H,J=9.0Hz)、7.62(s,1H)、7.37(d,1H,J=9.0Hz)、7.23(d,1H,J=9.0Hz)、3.99(s,3H)。
【0382】
実施例2:生物学的活性
【0383】
式(I)の化合物の生物学的活性をインビトロ機能アッセイで評価した。
【0384】
キナーゼアッセイ
IC50値を測定するためのDYRK1AおよびDYRK1Bキナーゼアッセイが、リアクション・バイオロジー・コーポレーション(Reaction Biology Corporation)により、ホットスポットテクノロジー(HotSpot technology)(www.reactionbiology.com、Malvern、PA)を用いて行われた。特異的キナーゼ/基質対でのキナーゼ反応を、必要とされる共同因子を含めて、20mM Hepes(pH7.5)、10mM MgCl、1mM EGTA、0.02% Brij35、0.02mg/ml BSA、0.1mM NaVO、2mM DTT、1%DMSO中で実施した。精製された組換えキナーゼを10μMの端濃度より開始して連続的に3倍希釈される試験化合物と共にインキュベートした。ATP(Sigma、St. Louis MO)および33P ATP(Perkin Elmer、Waltham MA)の混合物を10μMの最終濃度まで添加することにより反応を開始させ、それを室温で120分間実施させ、つづいてその反応をP81イオン交換濾紙(Whatman Inc.、Piscataway、NJ)上にスポットした。0.75%リン酸中での濾紙の広範な洗浄により、未結合のホスフェートを除去した。用量応答曲線をグラフパッド・ソフトウェア(Graph-Pad Software)からのプリズム5.0を用いて適合させた。
【0385】
結果
表2に結果を示す。
【表1】

【0386】
ハルミン、TG003、NCGC−00189310およびロイセチン(Leucettine)L41(表1を参照のこと)も、標準DYRK1AおよびDYRK1B阻害剤として試験した。それらは、各々、21.83、24.01nM、2.20nMおよび7.60nMのDYRK1A IC50を、27.87、34.39nM、20.57nMおよび37.00nMのDYRK1B IC50を示した。