(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに喫煙材の種々の領域を連続的に前記揮発温度に加熱し、同時に前記揮発温度に加熱されない喫煙材の加熱領域を揮発した成分の凝集を防ぐために前記低い温度に加熱するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の喫煙材を加熱する装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書中で使用する「喫煙材」なる用語は、加熱した際に揮発した成分を供するあらゆる材料を含み、そしてあらゆるタバコ含有材を含み、例えばタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品の内の1つ以上を含んでもよい。
【0022】
喫煙材を加熱するための装置1は、エネルギー源2、ヒーター3および加熱チェンバー4を含む。エネルギー源2は、リチウムイオンバッテリー、ニッケルバッテリー、アルカリバッテリーおよび/またはそれに類似するものなどのバッテリーを含んでもよく、ヒーター3に電気的に結合され、必要に応じて電気エネルギーをヒーター3に供給する。加熱チェンバー4は、喫煙材5を収容するように構成されており、喫煙材5を加熱チェンバー4中で加熱することができる。加熱チェンバー4は、ヒーター3からの熱エネルギーがその中の喫煙材5を加熱し、喫煙材5を燃やさずに喫煙材5内の芳香族化合物およびニコチンを揮発させることができるようにヒーター3に隣接して位置する。マウスピース6が設けられており、これを介して装置1のユーザーは、装置1の使用の際に揮発した化合物を吸引することができる。喫煙材5は、タバコブレンドを含んでもよい。
【0023】
ヒーター3は、長尺の実質的に円筒状のヒーター3を含んでもよく、加熱チェンバー4は、ヒーター3の長手方向の外面の外方または内方のいずれかに位置してもよい。例えば、
図1を参照すると、加熱チェンバー4は、ヒーター3の長手方向に延びた面の円周の外側の周囲に位置してもよい。加熱チェンバー4および喫煙材5は、従ってヒーター3の周囲で同軸に延びた層である。これとは別に
図2を参照すると、加熱チェンバー4は、ヒーター3の長手方向に延びた面の内方に位置してもよく、これにより加熱チェンバー4は、芯または加熱面の内方の他のキャビティーを含む。以下に述べることから明らかなように、これとは別に他の形状および構造のヒーター3および加熱チェンバー4を使用することもできる。
【0024】
ハウジング7は、エネルギー源2およびヒーター3などの装置1の構成部材を含んでもよい。ハウジング7は、ほぼ円筒状の管であってもよく、エネルギー源2がその第1端部8の方に位置し、ヒーター3および加熱チェンバー4がそれと反対の第2端部9の方に位置している。エネルギー源2およびヒーター3は、ハウジング7の長手方向軸に沿って延びている。例えば
図1および2に示すようにエネルギー源2およびヒーター3は、エネルギー源2の1つの端面がヒーター3の1つの端面の方に向くように端部と端部が面した構成でハウジング7の中央長手軸に沿って位置合わせすることができる。断熱材をエネルギー源2とヒーター3の間に設けて、熱が直接一方から他方へ移動しないようにしてもよい。
【0025】
ハウジング7の長さは、約130mmであってもよく、エネルギー源の長さは、約59mmであってもよく、ヒーター3および加熱領域4の長さは、約50mmであってもよい。ハウジング7の直径は、約9mm〜約18mmであってもよい。例えばハウジングの第1端部8の直径は、15mm〜18mmであってもよく、ハウジングの第2端部9にあるマウスピース6の直径は、9mm〜15mmであってもよい。ヒーター3の直径は、ヒーターの形状に応じて、約2.0mmから約13.0mmである。例えば、
図2に示したもののように加熱チェンバー4の外方に位置するヒーター3の直径は、約9.0mm〜約13.0mmであってもよく、
図1に示したもののように加熱チェンバー4の内方に位置するヒーター3の直径は、約2.0mm〜約4.5mm、例えば4.0mm〜約4.5mmまたは約2.0mm〜約3.0mmであってもよい。これとは別にこれらの範囲外にある直径のヒーターを使用してもよい。加熱チェンバー4の直径は、約5.0mm〜約10.0mmであってもよい。例えば、
図1に示したもののようにヒーター3の外方に位置する加熱チェンバー4のその外方に向いた面での外径は、約10mmであってもよく、
図2に示したもののようにヒーター3の内方に位置する加熱チェンバー4の直径は、約5mm〜約8.0mm、例えば約3.0mm〜約6.0mmであってもよい。エネルギー源 の直径は、約14.0mm 〜約15.0mm、例えば14.6mmであってもよいが、他の直径のエネルギー源も等しく使用することができる。
【0026】
マウスピース6を加熱チェンバー4および喫煙材5に隣接するハウジング7の第2端部9に配置してもよい。ハウジング7は、ユーザーは、揮発した喫煙材化合物を装置1のマウスピース6から吸引することができるように装置1の使用の際にユーザーが掴むのに適したものである。
【0027】
ヒーター3は、
図1〜4に示すようにセラミックヒーター3を含んでいる。セラミックヒーター3は、積層され、焼成されたアルミナおよび/または窒化ケイ素の塩基性セラミックスを含んでもよい。
【0028】
これとは別に
図5および6を参照するとヒーター3はハロゲンIRランプ3などの赤外線(IR)ヒーター3を含んでもよい。IRヒーター3は、嵩の小さいものであってもよく、従ってこれを使用することにより装置1全体の嵩を小さくすることができる。例えばIRヒーターの嵩は、同等の加熱出力を有するセラミックヒーター3の20%乃至30%未満である。またIRヒーター3は、低熱慣性を有し、従って作動要因に反応し、極めて迅速に喫煙材5を加熱することができる。IRヒーター3は、約700nmから4.5μmの波長のIR電磁放射線を放射するように構成してもよい。これとは別にさらに以下に言及するような断熱材18の壁に堆積させたセラミックの断熱層に巻いた抵抗ワイヤーなどの抵抗ヒーター3が使用される。
【0029】
上述および
図1に示したようにヒーター3は、ハウジング7の中央領域に位置してもよく、加熱チェンバー4および喫煙材5は、ヒーター3の長手方向に延びた面の周囲に位置してもよい。この構成においてヒーター3によって放出された熱エネルギーは、半径方向にヒーター3の長手方向に延びた面の外方から加熱チェンバー4および喫煙材5内に移動する。これとは別に
図2に示すようにヒーター3は、ハウジング7の外縁の方に位置し、加熱チェンバー4および喫煙材5は、ヒーター3の長手方向に延びた面から内方にあるハウジング7の中央領域に位置してもよい。この構成においてヒーター3によって放出された熱エネルギーは、ヒーター3の長手方向に延びた面から加熱チェンバー4および喫煙材5の方へと半径方向内方に移動する。
【0030】
図2および3に示すようにヒーター3は、複数の個別の加熱領域10を含んでもよい。加熱領域10は、互いに独立して動作可能であってもよく、これにより異なる領域10を異なる回数作動させて、喫煙材5を加熱することができる。加熱領域10は、あらゆる形状寸法配置でヒーター3内に配置してもよい。しかしながら、図に示した例では加熱領域10は、加熱領域10の内の異なる加熱領域が喫煙材5の異なる領域を主にそして独立して加熱するような形状寸法でヒーター3内に配置されている。
【0031】
例えば
図2および3を参照するとヒーター3は、実質的に長尺の構造において複数の軸方向に位置合わせされた加熱領域10を含んでもよい。
【0032】
領域10は、それぞれヒーター3の個々のエレメントを含んでもよい。加熱領域10は、例えば全てがヒーター3の長手方向軸に沿って互いに位置合わせされ、従ってヒーター3の長さに沿って複数の個別の加熱領域を供することができる。各加熱領域10は、全体としてヒーター3の長さより著しく短い有効長を有する加熱シリンダー10を含んでもよい。シリンダー10は、上述のシリンダー長と同等の深さを各ディスクが有する中実のディスクを含んでもよい。この例を
図3に示す。これとは別にシリンダー10は、中空のリングを含んでもよく、この例を
図2に示す。この場合軸方向に位置合わせされた加熱領域10の構成が加熱チェンバー4の外部を形成し、主にチェンバー4の中央長手軸の方へと内方に熱を加える。加熱ディスク10は、ヒーター3の長さに沿ってそれらの半径方向または横方向の面が互いに向き合って配置されている。各領域10の横方向に延びた面は、その隣接する領域10の横方向に延びた面に触れてもよい。これとは別に各領域10の横方向に延びた面は、その隣接する領域10の横方向に延びた面から離れていてもよい。断熱材18が以下に詳しく説明するようにこのように離れた加熱領域10の間に存在してもよい。この例を
図2に示す。
【0033】
このようにして加熱領域10の内の特定の1つが作動すると、それは加熱領域10の周囲の半径方向に位置する喫煙材5に熱エネルギーを供給するが、実質的に喫煙材5の残りの部分は加熱しない。例えば
図3を参照すると喫煙材5の加熱された領域は、作動させた加熱ディスク10の周囲に位置する喫煙材5のリングであってもよい。喫煙材5は、独立したセクションで加熱することができ、例えば各セクションが加熱領域10の特定の1つの内方または外方に直接位置する喫煙材5に対応し、全体として喫煙材5からなる胴体より著しく小さい嵩および容量を有するリングまたは芯セクションで加熱してもよい。
【0034】
さらにまたはこれとは別に
図7を参照するとヒーター3は、ヒーター3の中央長手軸の周囲で異なる位置に配置された複数の長尺の長手方向に延びた加熱領域10を含んでもよい。
図7では異なる長さで示されているが、長手方向に延びた加熱領域10は、それぞれが実質的にヒーター3の全長に沿って延びるように実質的に同じ長さであってもよい。各加熱領域10は、例えばIR加熱フィラメント10などを含んでもよい。選択的に断熱材または熱反射材からなる胴体部をヒーター3の中央長手軸に沿って設けて、各加熱領域10によって放出される熱エネルギーが主にヒーター3の外方から加熱チェンバー4内に移動し、従って喫煙材5を加熱するようにしてもよい。ヒーター3の中央長手軸とそれぞれの加熱領域10との間の距離は、実質的に等しくてもよい。加熱領域10は、選択的にヒーター3の長手方向に延びた面を形成する実質的に赤外線および/または熱透明性な管または他のハウジングに含まれてもよい。加熱領域10は、管の内側の他の加熱領域10に対して所定の位置に固定してもよい。
【0035】
このようにして加熱領域10の特定の1つを作動させると、その加熱領域10がそれに隣接して位置する喫煙材5に熱エネルギーを供給するが、残りの喫煙材5は、実質的に加熱されない。喫煙材5の加熱されるセクションは、長手方向に延びる加熱領域10と平行であり、直接隣接する喫煙材5の長手方向セクションを含んでもよい。従って上述の例と同じように喫煙材5は、独立したセクションで加熱することができる。
【0036】
さらに以下に説明するように加熱領域10は、それぞれ個別にかつ選択的に作動させることが可能である。
【0037】
喫煙材5は、加熱チェンバー4に挿入することができるカートリッジ11に含まれてもよい。例えば
図1に示すようにカートリッジ11は、ヒーター3の周囲に挿入できる喫煙材の管11にすることができ、これにより喫煙材の管11の内面は、ヒーター3の長手方向に延びた面に向く。喫煙材管11は、中空であってもよい。管11の中空の中心の直径は、実質的にヒーター3の直径に等しい、またはそれより大きく、これにより管11は、ヒーター3の周囲できっちり嵌る。これとは別に
図2を参照するとカートリッジ11は、ロッド11の外方の長手方向に延びた面がヒーター3の内方の長手方向に延びた面に向くようにヒーター3の内方に位置する加熱チェンバー4内に挿入可能な喫煙材5からなる実質的に中実のロッドを含んでもよい。カートリッジ11の長さは、ヒーター3がその全長に沿ってカートリッジ11を加熱することができるようにヒーター3の長さにほぼ等しくてもよい。
【0038】
これとは別のヒーター3の構造において、ヒーター3は、螺旋状に形成されたヒーター3を含む。螺旋状に形成されたヒーター3は、喫煙材カートリッジ11内にねじ止めされるように構成してもよく、隣接する軸方向に位置合わせされた加熱領域10を含んでもよく、これにより
図1および3を参照して上述したように上述の直線状の長尺のヒーター3と実質的に同じように作動する。
【0039】
これとは別に
図8、9および10を参照すると、上記のものと異なる形状寸法のヒーター3および喫煙材5を使用することができる。特にヒーター3は、長尺の加熱チェンバー4内に直接延びた複数の加熱領域10を含むことができ、加熱チェンバーは、加熱領域10によっていくつかのセクションに分割されている。使用の際、加熱領域10は、長尺の喫煙材カートリッジ11または他の実質的に固体の喫煙材5からなる胴体内に直接延びている。これにより加熱チェンバー4内の喫煙材5は、間隔をおいて位置する加熱領域10によって、互いに離れて位置する個別のセクションに分割される。ヒーター3、加熱チェンバー4および喫煙材5は、ハウジング7の中央長手方向軸に沿って一緒に延びてもよい。
図8および10に示すように加熱領域10は、それぞれ喫煙材5からなる胴体内に延びた直立した加熱プレート10などの突起10であってもよい。これらの突起10を以下に加熱プレート10として説明する。加熱プレート10の主面は、実質的に喫煙材5からなる胴体および加熱チェンバー4および/またはハウジング7の主長手方向軸に直角であってもよい。加熱プレート10は、
図8および10に示すように互いに平行であってもよい。喫煙材5の各セクションは、喫煙材セクションの両側に位置する一組の加熱プレート10の主加熱面によって境界が定められ、これにより加熱プレート10の一方または両方を作動させることによって、熱エネルギーが喫煙材5内に直接移動させられる。加熱面は、喫煙材5に対して加熱プレート10の表面積を大きくするためにエンボス加工を施してもよい。選択的に各加熱プレート10は、熱反射層を含んでもよく、これはその主面に沿ってプレート10を2つの半部に分割する。プレート10の各半部は、従って別個の加熱領域10を構成し、プレート10の両側の喫煙材5ではなく、プレート10の半部に直接接して位置する喫煙材5セクションだけを加熱するように独立して作動させてもよい。隣接するプレート10またはその対向面は、隣接するプレートの間に位置する喫煙材5セクションを実質的に喫煙材5そのセクションの対向側部から加熱するように作動させてもよい。
【0040】
長尺の喫煙材カートリッジまたは胴体11は、上述したようにハウジングの第2端部9にあるハウジング7のセクションを取り除くことによって加熱チェンバー4および加熱プレート10の間に取り付けることができ、またそこから取り除くことができる。加熱領域10は、必要に応じて喫煙材5の異なるセクションを個別にそして選択的に加熱するように作動させることができる。
【0041】
このようにして特定の1つまたは組の加熱領域10を作動させると、その1つのまたは組の加熱領域10に直接隣接して位置する喫煙材5に熱エネルギーを供給するが、実質的に残りの喫煙材5を加熱することはない。喫煙材5が加熱されるセクションは、
図8〜10に示すように加熱領域10の間に位置する喫煙材5の半径方向に延びたセクションであってもよい。
【0042】
装置1のハウジング7は、カートリッジ11を加熱チェンバー4に挿入させることができる開口部を含んでもよい。開口部は、例えば、ハウジングの第2端部9に位置する開口部を含んでもよく、これによりカートリッジ11が開口部内にスライドし、加熱チェンバー4内に直接押し込まれる。開口部は、喫煙材5を加熱するために装置1の使用の際に閉じられるのが好ましい。これとは別に喫煙材5を加熱チェンバー4内に挿入できるようにハウジング7の第2端部9のセクションは、装置1から取り外せる。これを
図10に例示する。装置1は、選択的に使用済みの喫煙材5をスライドさせてヒーター3から外すおよび/または押し出
すように構成された内部機構などのユーザーが操作できる喫煙材排出ユニットを備えてもよい。使用済みの喫煙材5は、例えば、ハウジング7の開口部を介して押し戻してもよい。その後新しいカートリッジ11を必要に応答して挿入することができる。
【0043】
断熱材18を喫煙材5およびハウジング7の外面19の間に設けてもよい。この断熱材は、装置1からの熱損失を減少させて、よって喫煙材5が加熱される際の効率を向上させるようにしてもよい。
図14を参照すると断熱材18は、真空断熱材18を含んでもよい。例えば断熱材18は、金属材料などの壁材19によって境界が定められた層を含んでもよい。断熱材18の内部領域または芯20は、例えばポリマー、エアロゲルまたは低い圧力の方に逃れる他の好適な材料を含むオープンセルの多孔性材を含んでもよい。断熱材18の内部領域20は、領域20の内部で発生するかもしれない気体を吸収するように構成され、これにより真空状態を維持する。内部領域20内の圧力は、0.1から0.001ミリバールの範囲であってもよい。断熱材18の壁19は、芯20および壁19の外面の間の圧力差によって壁に加わる力に耐えるのに充分な強度を有し、これにより断熱材18が崩壊するのを防ぐ。例えば壁19は、約100μmの厚さを有するステンレススチール壁19であってもよい。断熱材18の熱伝導性は、0.004〜0.005W/mKの範囲内であってもよい。断熱材18の熱伝導係数は、約150℃〜約250℃の間などの100℃〜250℃の範囲の温度内で約1.10W/(m
2K)〜約1.40W/(m
2K)の間であってもよい。断熱材18の気体伝導性は、無視してもよい。反射コーティングを壁材19の内面に塗布して、断熱材18を介して伝搬する放射による熱損失を最小限に抑えてもよい。例えばコーティングは、約0.3μm〜1.0μmの間の厚さを有するアルミニウムIR反射コーティングを含んでもよい。内部コア領域の真空状態は、芯領域20の厚さが極めて小さくても断熱材18が機能することを意味する。この断熱材の特徴は、実質的にその厚さに影響されない。これは装置1全体の大きさを小さくすることに役立つ。
【0044】
図14に示すように壁19は、内方に向いたセクション21および外方に向いたセクション22を含んでもよい。内方に向いたセクション21は、実質的に喫煙材5および加熱チェンバー4の方を向く。外方に向いたセクション22は、実質的にハウジング7の外方を向く。装置1の作動中、内方に向いたセクション21は、ヒーター3から生じた熱エネルギーによって暖められてもよく、外方に向いたセクション22は、断熱材18の効果により冷えていてもよい。内方に向いたセクション21および外方に向いたセクション22は、少なくともヒーター3と同じ長さの実質的に平行に長手方向に延びた壁19を含む。外方に向いた壁のセクション22の内面、即ち真空芯領域20に向いた表面は、芯20内の気体を吸収するためのコーティングを含んでもよい。好適なコーティングは、酸化チタンフィルムである。
【0045】
図2に示すように断熱材18の胴体部の全長は、加熱チェンバー4とヒーター3の長さより長くてもよく、これにより装置1からハウジング7の外気への熱損失をさらに少なくする。例えば断熱材18は、約70mm〜約80mmであってもよい。
【0046】
図14および15の略図を参照すると熱橋(thermal bridge)23が低圧力芯20を完全に包含し、含むために内方に向いた壁セクション21を外方に向いた壁セクション22に断熱材18の1つ以上の縁部で接続してもよい。熱橋23は、内方および外方に向いたセクション21、22と同じ材料で形成された壁19を含んでもよい。好適な材料は、上述したようなステンレススチールである。熱橋23は、断熱コア20より熱伝導性が大きく、従って装置1を冷すがこれは望ましくなく、装置1を冷すと煙材5を加熱する際の効率が減少することになる。
【0047】
熱橋23による熱損失を小さくするために熱橋23を延ばしてその抵抗を増加させ、内方に向いたセクション21から外方に向いたセクション22への
熱の流れ
の抵抗を増加させるようにしてもよい。これを略式に
図16に示す。例えば熱橋23は、壁19の内方に向いたセクション21および壁19の外方に向いたセクション22の間の間接的な経路に続いてもよい。熱橋23は、ヒーター3および加熱チェンバー4が存在しない装置1の長手方向位置に存在する。このことは、熱橋23が内方に向いたセクション21から外方に向いたセクション22へと間接経路
に沿って徐々に延びることを意味し、これによりヒーター3、加熱チェンバー4および喫煙材5が存在しないハウジング7の長手方向位置において芯20の厚さをゼロに減少でき、さらにこれにより装置1からの熱伝導を制限する。
【0048】
図2を参照して上述したようにヒーター3は、断熱材18と一体であってもよい。例えば断熱材18は、実質的に長尺の中空胴体、例えば加熱チェンバー4の周囲で同軸に位置し、その中で加熱領域10が一体化されている断熱材18からなる実質的に円筒状の管を含んでもよい。断熱材18は、凹部が設けられた層を内方に向いた表面21に含んでもよい。加熱領域10は、加熱領域10が加熱チェンバー4内の喫煙材5に向くようにこれらの凹部に位置する。加熱チェンバー4に向く加熱領域10の面は、凹部が設けられていない断熱材18の領域の断熱材18の内側の面21と面一であってもよい。
【0049】
ヒーター3を断熱材18と一体にすることは、加熱領域10が喫煙材加熱チェンバー4の方に内方に向いた面以外の加熱領域10の全ての側で断熱材18によって実質的に囲まれることを意味する。従って、ヒーター3によって発せられる熱は、喫煙材5に集中し、装置1の他の部分またはハウジング7の外の大気に分散しない。
【0050】
またヒーター3を断熱材18と一体にすることによって、ヒーター3を断熱材18の層と別にそしてその内部に設けることと比べて、ヒーター3と断熱材18の組あわせた場合の厚さを薄くすることができる。これにより装置1の直径、特にハウジング7の外径を小さくすることができ、スリムライン製品の製造に便利になる。
【0051】
これとは別にヒーター3を断熱材18と一体化による厚みの減少によって、ヒーター3が断熱材18の層から離れ、この層から内方に位置する装置と比較して、装置1に収容される喫煙材加熱チェンバー4を広くし、ハウジング7の全幅を大きくしなくてもさらに部材を導入することができる。
【0052】
ヒーター3を断熱材18と一体化することの利点は、ヒーターと断熱材が一体化されていない装置と比べて、ヒーター3と断熱材18を組みあわせたものの大きさおよび重量を小さくすることができるということである。ヒーターを小さくすることは、ハウジングの直径を同じように小さくすることができる。ヒーターを軽量化することは、加熱立ち上げ時間を短縮し、これにより装置1のウォームアップ時間を短縮することができる。
【0053】
断熱材18に加えてさらにまたはこれとは別に熱反射層が加熱領域10の横方向の面の間に存在してもよい。加熱領域10同士の構成を加熱領域10の各1つから放出される熱エネルギーが隣接する加熱領域10を実質的に加熱せず、代わりに主に加熱チェンバー4および喫煙材5内に移動するようにしてもよい。各加熱領域10は、他の領域10と実質的に同じ寸法を有してもよい。
【0054】
装置1は、装置1の作動を制御するように構成されたマイクロコントローラー12などのコントローラー12を含んでもよい。コントローラー12は、エネルギー源2およびヒーター3などの装置1の他の部材に電気的に接続され、よって信号を送受信することによってこれらの作動を制御することができる。コントローラー12は、特に喫煙材5を加熱するヒーター3の作動を制御するように構成されている。例えばコントローラー12は、ヒーター3を作動させるように構成されてもよく、これは装置1のマウスピース6でのユーザーによる吸引に応答して1つ以上の加熱領域10を選択的に作動させることを含んでもよい。この点に関し、コントローラー12は、好適な通信結合を介してパフセンサー13と通信するようにしてもよい。パフセンサー13は、パフがマウスピース6で生じたときを検知するように構成され、これに応答してパフを表示するコントローラー12に信号を送るように構成してもよい。電気信号を使用してもよい。コントローラー12は、ヒーター3を作動させることによりパフセンサー13からの信号に応答して、喫煙材5を加熱するようにしてもよい。しかしながら、ヒーター3を作動させるためにパフセンサー13を使用することは、本質的なことではなく、これとは別にヒーター3を作動させる要因を供する他の手段を使用できる。例えばコントローラー12は、ユーザーが操作できるアクチュエーターなどの別の種類の作動要因に応じてヒーター3を作動させてもよい。加熱中に放出された揮発した化合物をユーザーはマウスピース6を介して吸い込むことができる。コントローラー12は、ハウジング7内のあらゆる好適な位置に配置することができる。
図4に示すように1つの位置の例は、エネルギー源2およびヒーター3/加熱チェンバー4の間である。
【0055】
コントローラー12は、所定の順番またはパターンで個々の加熱領域10を作動させる、または暖めるように構成してもよい。例えばコントローラー12は、加熱チェンバー4に沿ってまたはその周囲で加熱領域10を連続して作動させるように構成してもよい。加熱領域10は、それぞれパフセンサー13によるパフの検知に応答して作動させてもよく、あるいは以下にさらに説明するように前の加熱領域10の作動後所定の時間の経過によって、またはヒーターの初期の作動(例えば第1の領域10の作動)後所定の時間の経過によるなどの別の方法で作動させてもよい。
【0056】
図11を参照すると加熱方法の一例として、第1のパフなどの作動要因が検知される第1の工程S1そしてこれに続く喫煙材5の第1セクションが第1のパフまたは他の作動要因に応答して加熱される第2の工程S2を含んでもよい。第3の工程S3では、気密封止可能な入り口および出口バルブ24を開いて、空気が加熱チェンバー4を介して吸引され、そしてマウスピース6を通って装置1の外に吸引される。第4の工程ではバルブ24が閉じられる。これらのバルブ24は、
図2および18を参照して以下に詳しく説明する。第5のS5、第6のS6、第7のS7および第8のS8工程では、例えば2回目のパフなどの別の作動要因に応答して加熱チェンバーの入り口および出口バルブ24の対応する開閉によって喫煙材5の第2セクションを加熱してもよい。第9のS9、第10のS10、第11のS11および第12のS12工程において、3回目のパフなどの別の作動要因に応答して加熱チェンバーの入り口および出口バルブ24の対応する開閉などによって喫煙材5の第3セクションを加熱してもよい。これとは別にパフセンサー13以外の手段を使用することも可能である。例えば装置1のユーザーは、ユーザーが新たなパフを行ったことを表すコントロールスイッチを作動させてもよい。
【0057】
このようにして各新しいパフごとにニコチンおよび芳香族化合物を揮発させるため、または前に加熱された喫煙材5のセクションから放出されるニコチンおよび/または芳香性化合物などの特定の成分の所定の量に応じて喫煙材5の新鮮なセクションを加熱してもよい。加熱領域10および/または独立して加熱可能な喫煙材5セクションの数は、使用されるカートリッジ11に定められたパフの回数に対応してもよい。これとは別に各独立して加熱可能な喫煙材5セクションは、2回、3回または4回のパフなどの複数のパフ用の対応する加熱領域10によって加熱されてもよく、これにより喫煙材5の新鮮なセクションがその前の喫煙材セクションが加熱されている間に複数のパフが行われた後だけ加熱される。
【0058】
大まかに上記で説明したように個々のパフに応答して各加熱領域10を作動させる代わりに、加熱領域10をこれとは別に例えば所定の使用時間に亘って連続して、順々に作動させてもよい。マウスピース6での1回の最初のパフに応答して連続して作動させてもよい。例えば加熱領域10は、特定の喫煙材カートリッジ11で予想される吸い込み時間に亘って規則的な所定の間隔で作動させてもよい。この所定の間隔は、各喫煙材セクションからのニコチンおよび/または芳香性化合物などの特定の成分を所定の量で放出するのに要する時間に対応してもよい。この間隔の一例は、約60〜240秒である。従って少なくとも
図11に示した第5および第9工程S5、S9は任意になる。各加熱領域10は、対応する独立して加熱可能な喫煙材セクション5が加熱される際の1回または複数回のパフの持続時間に対応する所定の期間作動させてもよい。全ての加熱領域10を特定のカートリッジ11に対して作動させると、コントローラー12は、カートリッジ11を交換する必要があることをユーザーに示すように構成してもよい。コントローラー12は、例えばハウジング7の外面で表示ライトを作動させてもよい。
【0059】
当然のことながらヒーター3全体を作動させるのではなく、個々の加熱領域10を順番に作動させることは、喫煙材5を加熱するのに必要なエネルギーがカートリッジ11の吸い込み時間全体に亘ってヒーター3をフルに作動させた場合に必要とされるエネルギーに比較して減少することを意味する。従ってエネルギー源2の最大限必要とされる出力も小さくなる。このことはより小さくかつ軽量なエネルギー源2を装置1に設置できることを意味する。
【0060】
コントローラー12は、パフとパフの間にヒーター3の作動を停止する、またはヒーター3に供給される電力を減少させるように構成してもよい。これはエネルギーを節約し、エネルギー源2の寿命を延ばす。例えばユーザーが装置1のスイッチを入れる、またはユーザーが口にマウスピース6を入れたことを検知するなどのなんらかの他の要因に応答して、コントローラー12がヒーター3または喫煙材5を加熱するために使用される次の加熱領域10を半作動させて、喫煙材5の成分を揮発させるための準備として暖まるように構成してもよい。この半作動では、ニコチンを揮発させるほど充分な温度に喫煙材5を加熱しない。好適な温度は、100℃以下であるが、120℃以下の温度でもよい。一例としては、80℃から100℃の間の温度などの60℃〜100℃の間の温度が挙げられる。温度は、100℃未満であってもよい。パフセンサー13によるパフの検知または所定の時間の経過などのなんらかの他の要因
に応答して、コントローラー12は、ユーザーによって吸引されるニコチンおよび他の芳香族化合物を素早く揮発させるために当該ヒーター3または加熱領域10で喫煙材5を加熱することができる。半作動させた加熱領域10の温度は、加熱領域10が「冷たい」状態、即ち半加熱されない状態から加熱される場合より短い時間で完全な揮発温度まで上昇させることができる。
【0061】
喫煙材5がタバコを含む場合、ニコチンおよび他の芳香族化合物を揮発させるのに好適な温度は、120℃以上など100℃以上の温度である。一例として、100℃〜220℃の間、100℃〜200℃の間、150℃〜250℃の間または130℃〜180℃の間などの100℃〜250℃の間の温度が挙げられる。温度は100℃超であってもよい。完全な作動温度の一例としては150℃の温度が挙げられるが、250℃などの他の温度も可能である。任意ではあるが超コンデンサを使用して、喫煙材5を揮発温度まで加熱するために使用されるピーク電流を供するようにすることができる。好適な加熱パターンの例を
図13に示し、これらのピークは、異なる加熱領域10の完全作動をそれぞれ表している。図から解るように喫煙材5は、パフの実質的な期間、この例の場合では2秒間揮発温度に維持される。
【0062】
ヒーター3の作動モードの3つの例を以下に説明する。
【0063】
第1の作動モードにおいて、ある特定の加熱領域10が完全に作動している間、ヒーターの他の全ての加熱領域10の作動は停止している。従って新しい加熱領域10が作動すると、前の加熱領域は作動を停止する。電力は、作動している領域10にのみ供給される。加熱領域10は、カートリッジ11を使い切るまで、ニコチンおよび芳香性化合物が喫煙材5の新しい部分から規則的に放出されるようにヒーター3の長さに沿って連続的に作動させてもよい。このモードは、カートリッジ11の加熱中にずっと全ての加熱領域10を作動させることより、より均一にニコチンおよび喫煙材風味を送出することができる。以下に説明する他のモードと同様に喫煙材カートリッジ11の加熱期間中に全ての加熱領域10を完全に作動させないことによって電力を節約することができる。
【0064】
これとは別に第2の作動モードにおいて特定の加熱領域10が作動すると、これはヒーター3のスイッチが切られるまで完全に作動した状態のままになる。従ってヒーター3に供給される電力は、カートリッジ11からの吸引中に多くの加熱領域10を作動させるほど、増加する。加熱領域10を作動し続けることによって、実質的に加熱チェンバー4内の喫煙材5から揮発するニコチンなどの成分が凝集するのを妨げる。
【0065】
これとは別に第3の作動モードにおいて、ある特定の加熱領域10が完全に作動している間、他の加熱領域10の1つ以上を半作動させてもよい。他の加熱領域10の1つ以上を半作動させることは、加熱チェンバー4内の喫煙材5から揮発したニコチンなどの成分が凝集するのを実質的に妨げるのに充分な温度にこれらの他の加熱領域10を加熱することを含んでもよい。その温度の一例は、100℃である。その他の温度の例は、上述した半作動温度の範囲を含む。半作動させた加熱領域10の温度は、完全に作動させた加熱領域10の温度より低い。この半作動させた加熱領域10に隣接する喫煙材5は、喫煙材5の成分を揮発させるのに充分な温度に加熱されない。例えば新しい加熱領域10が完全に作動している間、その前に完全に作動させた加熱領域10は、半作動になるが、完全には停止せず、低い温度でその隣接する喫煙材5を加熱し続け、従って加熱チェンバー4内の揮発した成分が凝集するのを妨げる。1つ以上の加熱領域10を完全に作動させている間、前のまたはあらゆる他の加熱領域10を完全に作動させた状態ではなく、半作動状態に維持することによって、完全に作動させた領域10に隣接する喫煙材5が過剰に焼かれた状態になるのを防ぎ、装置1のユーザーが経験する風味への潜在的なマイナスの影響を防ぐ。
【0066】
上述の選択肢のいずれの場合も加熱領域10は、作動後すぐに完全な作動温度に加熱してもよく、あるいは上述したようにニコチンおよび他の芳香族化合物
を揮発させるために喫煙材5を加熱する所定の時間の後完全に作動させる前に最初は低い温度に加熱してもよい。
【0067】
装置1は、ヒーター3および加熱チェンバー4/喫煙材5間に位置する熱シールド3aを含んでもよい。熱シールド3aは、実質的に熱エネルギーが熱シールド3aを通って流れるのを妨げるように構成され、従ってヒーター3が作動状態にあり、熱エネルギーを放出していても選択的に喫煙材5が加熱されるのを妨げるために使用することができる。
図17を参照すると熱シールド3aは、例えばヒーター3の周囲に同軸に位置する熱反射材からなる円筒状の層を含んでもよい。これとは別にヒーター3が
図2を参照して上述したように加熱チェンバー4および喫煙材5の周囲に位置する場合、熱シールド3aは、加熱チェンバー4の周囲に同軸に位置し、ヒーター3の内側で同軸に位置する熱反射材からなる円筒状の層を含んでもよい。さらにまたはこれとは別に熱シールド3aは、ヒーター3を喫煙材5から断熱するように構成された断熱層を含んでもよい。
【0068】
熱シールド3aは、実質的に熱−透明な窓3bを含み、これによって熱エネルギーが窓3bを介して加熱チェンバー4および喫煙材5内に伝搬する。従って窓3bと位置合わせされる喫煙材5セクションは、加熱されるが、残りの喫煙材5は加熱されない。喫煙材5の異なるセクションが熱シールド3aおよび窓3bを回転させるまたは移動させることによって選択的におよび個別に加熱されるように熱シールド3aおよび窓3bは、喫煙材5に対して回転可能または移動可能であってもよい。その効果は、選択的におよび個別に上述した加熱領域10を作動させることによって供される効果と類似する。例えば熱シールド3aおよび窓3bは、パフ検知器13からの信号に応答して徐々に回転または移動してもよい。さらにまたはこれとは別に熱シールド3aおよび窓3bは、所定の加熱時間が経過したことに応答して徐々に回転または移動してもよい。熱シールド3aおよび窓3bの移動または回転は、コントローラー12からの電気信号によって制御してもよい。熱シールド3a/窓3bおよび喫煙材5の相対的な回転またはその他の移動は、コントローラー12の制御下でステッパーモーター3cによって駆動させてもよい。このことを
図17に示す。これとは別に熱シールド3aおよび窓3bは、ハウジング7のアクチュエーターなどのユーザーコントロールを使用して手動で回転させてもよい。熱シールド3aは、円筒状である必要がなく、選択的に1つ以上の好適に配置された長手方向に延びたエレメントおよび/またはプレートを含んでもよい。
【0069】
当然のことながら同じような結果がヒーター3、熱シールド3aおよび窓3bに対して喫煙材5を回転させるまたは移動させることによって得ることができる。例えば、加熱チェンバー4をヒーター3の周囲で回転可能にしてもよい。もしそうであれば、熱シールド3aの移動に関する上記説明を代わりに熱シールド3aに対する加熱チェンバー4の移動に適用することができる。
【0070】
熱シールド3aは、ヒーター3の長手方向に延びた面にコーティングを含んでもよい。この場合ヒーターの表面の1つの領域をコーティングせずに残して、熱−透明な窓3bを形成する。ヒーター3は、喫煙材5異なるセクションが加熱されるようにするために例えばコントローラー12またはユーザーコントロールの制御下で回転または移動させることができる。これとは別に熱シールド3aおよび窓3bは、コントローラー12または他のユーザーコントロールの制御下でヒーター3および喫煙材5両方に対して回転可能または移動可能である別個のシールド3aを含んでもよい。
【0071】
図7を参照すると装置1は、空気入り口14を含んでもよく、これによりパフしている間ハウジング7内にそして加熱された喫煙材5を介して外気が吸い込まれる。空気入り口14は、ハウジング7の開口部14であってもよく、喫煙材5および加熱チェンバー4からハウジング7の第1端部8の方の上流に位置してもよい。これを
図2、12および18に示す。入り口14を介して引き込まれた空気は、加熱された喫煙材5を介して移動し、そこでユーザーがマウスピース6で吸い込む前に芳香蒸気などの喫煙材蒸気で強化される。
図12に示すように選択的に装置1は、空気が喫煙材5に入る前に空気を暖めるおよび/または空気がマウスピース6を介して吸引される前に空気を冷却するように構成された熱交換器15を含んでもよい。例えば熱交換器15は、新しい空気が喫煙材5に入る前にこれを暖めるためにマウスピース6に入った空気から抽出された熱を利用するように構成してもよい。
【0072】
図18を参照すると上記で述べたように、断熱材18で断熱された加熱チェンバー4は、閉じているときに加熱チェンバー4を密閉封止する入り口および出口バルブ24を含んでもよい。バルブ24は、入り口バルブ24が気体流をチェンバー4内に入れ、出口 バルブ24が気体流をチェンバー4から出す一方向バルブであってもよい。反対方向に気体は流れない。これによりバルブ24は、空気の望ましくないチェンバー4への出入りを妨げることができ、かつ、喫煙材の風味がチェンバー4から出るのを防ぐことができる。例えば入り口および出口バルブ24を断熱材18に設けてもよい。例えばパフとパフの間バルブ24は、全ての揮発した物質がパフとパフの間にチェンバー4の内側に含まれたままになるようにコントローラー12または手動で操作可能なアクチュエーターなどの他の手段によって閉じられてもよい。パフ間に揮発した物質の分圧は、飽和蒸気圧に達し、従って気化する物質の量は、加熱チェンバー4内の温度にのみ依存する。これは、揮発したニコチンおよび芳香族化合物の送出をパフからパフの間で一定に維持することに役立つ。
【0073】
パフしている間、バルブ24は開き、空気がチェンバー4を通って流れて揮発した喫煙材成分をマウスピース6に運べるようになっている。バルブ24は、コントローラー12または他の手段によって開口させてもよい。確実に酸素がチェンバー4に入らないようにするために膜をバルブ24に配置することができる。バルブ24がマウスピース6でのパフの検知に応答して開くようにバルブ24を息で作動するようにしてもよい。バルブ24は、パフが終わったことを検知することに応答して閉じるようにしてもよい。これとは別にバルブ24は、これら開いた後所定の時間が経過したら閉じるようにしてもよい。この所定の時間は、コントローラー12が計るようにしてもよい。選択的に機械的または他の好適な開閉手段を設けてバルブ24が自動的に開閉するようにしてもよい。例えばマウスピース6でユーザーがパフすることによって生じる気体の移動を使用してバルブ24を開閉してもよい。従ってコントローラー12の使用は、バルブ24の作動に必ずしも必要ではない。
【0074】
ヒーター3によって、例えば各加熱領域10によって加熱される喫煙の質量は、0.2〜1.0gの範囲内であってもよい。喫煙材5が加熱される温度は、ユーザーによって調整可能であり、例えば150℃〜250℃の範囲内のあらゆる温度および上述した他の揮発温度などの100℃〜250℃の温度範囲内のあらゆる温度に調整可能である。装置1の全体としての質量は、70〜125gの範囲内であってもよい。バッテリー2は、電気容量が1000〜3000mAhで電圧量が3.7Vのものを使用することができる。加熱領域10は、1つのカートリッジ11で約10〜40の喫煙材5のセクションを個別におよび選択的に加熱するように構成してもよい。
【0075】
当然のことながら上述の変形例のいずれも単独でまたは組み合わせて使用することができる。
【0076】
種々の問題に対処し本技術を促進するため、本開示の全体は種々の実施形態を一例として示す。その実施形態の中で特許請求の範囲に記載の発明が実践され、優れた装置および方法が提供される。本開示の利点および特徴は、単に実施形態の代表的事例であって全てを包括する事例ではなく、これ以外を排除する事例でもない。これらは単に特許請求された特徴の理解を助け、教示するために提示されているに過ぎない。当然のことだが、本開示の利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、および他の態様は、特許請求の範囲で規定される本開示またはその均等物を限定するものではなく、本開示の範囲・概念から逸脱することなく他の実施形態を利用し改変することができる。種々の実施形態は、開示された要素、構成要素、特徴、部品、工程、手段他の種々の組合せを好適に含んでも、それらで構成されても、または本質的にそれらで構成されてもよい。さらに本開示には、現在特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明も含まれる。